元スレ銀時「……ヒロインNo.1決定戦?」
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501 :
銀時「魔法少女まどか☆マギカ?」
505 :
三年Z組ー銀八先生!
銀八「じゃー授業始めんぞ、今日は一人暮らしにおいて風邪を引いたときのヤバさだ」
銀八「家族が一緒に住んでる場合、大多数は病人を気遣ったりしてくれますね」
銀八「お粥作ったりジャンプ買ってきてくれたり風邪薬持ってきてくれたりポカリだったり、まあ色々だな」
銀八「だがもし一人暮らしで風邪引いた場合、コイツははっきり言ってヤバいです」
銀八「まず布団から出られねーし?ましてや飯なんか作る気力も食う気力もねーし?」
銀八「その状況を何とかてめー一人で乗り切らなきゃならねェっていう、あれこれどんな拷問?」
銀八「つーわけで、テメーらも体調管理だけはしっかりな」
こんな感じで遅れました、今日の午後から再開します
507 :
舞ってる
508 = 505 :
沖田「近藤さん、なんだってまた道端で寝っ転がってんですか?」
しばらく目を閉じて横になっていた近藤の頭上から聞こえる声
それを耳にした近藤は笑いながら
近藤「その声は総悟か……その調子だと勝ちを拾ったようだな」
沖田「まあ自尊心が強くて少しは手こずりましたがね……それだけ教え込みがいがありましたよ」
近藤「そうか、そいつは良かっ……あれ総悟?今お前何かおかしなこと言わなかった?」
509 = 505 :
沖田「それよか、疲れてんなら一緒に乗りますかい近藤さん?後部座席なら空いてますぜ」
近藤「後部座席って総悟、今お前何かに乗ってんのか?」
沖田「ついさっき雌猫を手にいれましてねィ、猫になんざ乗るのは初めてでしたけど乗り心地は悪かねーですよ」
近藤「あれ?何か俺ァ今は目を開けちゃならねェ気がするんだけど?見ちゃいけねーモンが見える気がすんだけど」
沖田「おう、近藤さんも乗るぜ、崩れるんじゃねーぞ」
信女「………………」
近藤「乗るって何にィィィィィ!?」
510 :
来ないと思ったら風邪引いていたのか
お大事に
511 = 505 :
近藤「オイィィィィ!何だこれ!?これ人力車ってかまるっきり人車じゃねーか!」
近藤「つーかお前さっきまでこの娘と斬り合いしてたよね!?どこをどう手順を踏んだらこうなるんだ!?」
沖田「コイツもなかなか抵抗しやしたがね、まあ勝ちやしたよ」
近藤「いや勝ったってそういう意味で!?侍の誇りの欠片すらねェじゃねーかァァァ!」
沖田「この雌猫、結構Sっぽかったんでなかなか調教してる時は楽しかったですぜ」
近藤「やめてェェェ!!ちょ、総悟!もうやめて!それ以上何も言うな!」
近藤「さっきまであれだけ『仲間のために』カッコ良く決めてた俺が情けなくなるから!」
沖田「ああ、すいやせん…ならお詫びにこの雌猫、好きにしていいですぜ?俺が命令すれば何でもやりますから」
近藤「総悟ォォォォォォ!?」
512 = 505 :
---
ターミナル内某所
土方「……気のせいか?何か近藤さんの叫び声が聞こえたような…」
桂や新八に続きターミナルへ潜入している土方は極力敵の少ないルートを選び奥へと進んでいた。
剣に自信がないわけではなかったが、無闇に敵と乱戦になり傷を負うのも得策ではない。
この戦いにおいてはひどく正しい判断だった。
が……土方の進むルートに立つ敵は
土方「……よりにもよってテメーと出くわすとはな、河上」
河上「こんな裏を潜り込んで来るのはどんな鼠かと思えば……まさか真選組副長とは」
513 = 505 :
土方「…………」
土方は周りを見渡す、己の眼前にいるのは鬼兵隊・河上万斉のみ
伏兵が潜んでいる気配も感じられなかった。
河上「単身でここまで来たところを見るに、敵との混戦を避け高杉の首を取る算段でござったか?」
土方「そう言うテメーは俺みてーに不意打ちで大将を討とうとする輩を排除する役割ってわけだ……なら」
土方「俺はテメーを叩き斬って先へ進む、ただそれだけだ」
河上「フ……ぬしとの斬り合いを経て新しい曲が作れるやもしれぬでござるな」
土方「いくらでも作ればいい、三途の川越えたところでな」
514 = 505 :
土方「らあっ!」
キィン
河上「受け止めてなおこの衝撃……なるほど、これはかなり激しいビートでござる」
土方「斬り合いの最中に考え事とはずいぶんと余裕じゃねーか」
河上「言葉でいくら平静を装うとも、感情の高ぶりに呼応して剣は荒くなる……」
河上「これは……まるで怒り、ある意味では憎しみとも取れるビート……」
河上「……フ、伊東でござるか」
土方「!」
515 :
河上「あの件で拙者を恨むのはお門違いでござる、拙者たちと伊東の利害が一致し……」
河上の言葉を遮るかの如く、一閃が放たれる。河上はその一撃を辛うじて回避していた。
土方「テメーの口で野郎の……俺たち真選組の仲間の名を口にするんじゃねェ……」
河上「!」
錯覚か……一瞬、河上には土方の背後に鬼が見えたように感じた。
不用意に足を踏み入れた瞬間、即座に喰い殺されるイメージを抱く。
河上「まったく……鬼の副長とはよく言ったものでござるな」
516 = 515 :
すいません、今日はここまでですが明日も続けて来ます
517 :
乙
ほんと銀魂らしくて面白いなこれ
518 :
俺もう天知先生じゃねーのかって思ってる
519 = 515 :
---
ターミナル前
真選組とは別に戦いを続けるかぶき町勢の戦いも激しさを増していた。
九兵衛「『次の舞!白蓮!』」
月詠「散り散りになるな!連続攻撃による手数で押し切れ!」
が……九兵衛率いる柳生家、月詠率いる百華、その他多くの仲間の連携で徐々に流れは傾きつつある。
そして何より
春雨兵「な、何だコイツは!?」
長谷川「ハハハハハハ!もっと強い奴ァいねぇのか!?」
春雨兵B「つーかアイツ剣が刺さらねーんだけどマジで!」
九兵衛「…………」
眼帯つけてる長谷川さんがヤバかった。
520 = 515 :
九兵衛「この分ならあと少しで新八君たちの加勢に……」
阿伏兎「行けると思ったのか?」
九兵衛「なっ……ぐあっ!!」
九兵衛の体が宙に舞う、殴られたその体は激しく地面に打ちつけれつつ、ボールの如く吹き飛ばされた。
九兵衛「がっ……はっ……!」
一瞬の出来事に九兵衛は何が起きたのか把握し切れていなかった。
辛うじて分かったのは自分が不意をつかれ殴り飛ばされたこと、そして
阿伏兎「残念ながらオメェさんたちにそんな選択肢はねェな」
自分を吹き飛ばしたのは目の前にいる不気味な男であることだった。
521 :
夜兎VS死神の戦いが始まるのか
522 :
東城「わ、若ァァァ!」
九兵衛「だ、大丈夫だ……攻撃を喰う直前に受け身は取れた…………!」
あやめ「そ、それで受け身を取ったっですって……!?」
咄嗟であったとはいえ受け身を取ったにも関わらず、これだけのダメージを……?
仮に受け身を取ることが出来ていなければ……
九兵衛「間違いなく再起不能……死んでてもおかしくはなかった」
その身を持って体験したあの男の力、並大抵の天人のそれではない。九兵衛は一つの確信を得ていた。
九兵衛「白い肌、戦闘に使用できる傘、そしてあの剛力……」
九兵衛「……間違いない、夜兎族だ」
523 = 522 :
阿伏兎「しかし情けねェ……宇宙最強の春雨が地球人との乱戦で劣勢になってるとはよ」
阿伏兎「やっぱりあの馬鹿提督が適当な指示出してたのがいけねェのかね」
月詠「貴様……!」
阿伏兎「ん?どっかで見たと思えば、アンタは前にどっかで見たな……ああ、吉原の時だったかい」
阿伏兎「あの時よか幾分かマシになったか?変わってねェようじゃ……死ぬぜ?」
月詠「…………!」ゾクッ
524 = 522 :
長谷川「何だ?ずいぶんと強そうな奴がいるじゃねーか!」
阿伏兎「オイオイ何なんだお前さん、いきなり斬り掛かってくるとはずいぶんなご挨拶だな」
阿伏兎「だが参ったね、その獣のみてーな戦闘本能……俺は嫌いじゃないぜ!」
長谷川「いいじゃねーか、面白ェ!せいぜい愉しませてくれよ!!」
妙「………………」
妙「え……ちょ、エエエエエェェェェ!?まさかの長谷川さんがあの化け物とマッチアップ!?」
全蔵「これやべーぞ、完全体セルに戦闘力5の銃持ってたオッサンが戦うみてーなモンだぞ」
525 = 522 :
長谷川「戦いってのはやっぱりこうでなけりゃ面白くねェ!」
阿伏兎「違いない……フンッ!」
十数合の打ち合いの後、阿伏兎は一瞬の隙に鋭い突きを敵の顔面に放った。
今のマダオはその一撃を笑いながら避けてみせる……が
すれすれで攻撃を回避する際、マダオの左目を覆っていた眼帯が千切られ外される。
妙「い、いけない!あれが外れたら長谷川さん、ただのマダオに戻っちゃう!」
九兵衛「い、いや……まだ分からない!確か剣八は眼帯が外れると強くなるという設定があったはずだ……」
あやめ「一体どっちの効果が…………」
長谷川「…………」
長谷川「……あれ、何で俺はこんなとこ…」
妙「回収ゥゥゥゥ!!誰か大至急長谷川さん回収してきてェェェェェ!!」
526 = 522 :
長谷川「つーか俺、眼帯借りた後から今まで何して……」
阿伏兎「よくあれをかわしたな!なかなかに骨がある!」
長谷川「…………」
阿伏兎「だがコイツは避けられまい!俺も加減せずにやらせてもらう!」
長谷川「エエエェェェェ!?ちょ!待ってェェェェェェ!!何が起こって……」
月詠「ハッ!」
阿伏兎「む……!」
阿伏兎が一撃を放つ直前、月詠がクナイによる攻撃を撃って出る。
人体の急所を正確に狙い撃つクナイ、さすがの夜兎と言えどこれは防がざるを得なかった。
阿伏兎「チッ……楽しい戦いの最中に小賢しい真似を!」
阿伏兎は持っていた傘を軽々と振り回し、自身に襲い来るクナイを撃ち落とす。
月詠「!」
完全に不意を付き、尚かつあれだけの量のクナイを投げても傷一つ付けられぬ夜兎……
その存在に月詠は改めて恐怖を抱く。
527 = 522 :
阿伏兎「惜しかったなぁ、この俺の不意を付けたとでも思ったかい?」
月詠「……ああ、思った」
阿伏兎「クックック……あの程度でこの俺を……っ!!」
背後から殺気を感じ即座に上体を逸らす、そこには
あやめ「っ…………!」
己が一秒前にいた空間を斬りつける猿飛あやめの姿があった。
阿伏兎「今のはちいとばかりヤバかったな、危うく命もってかれるところだったぜ」
月詠「…………」
月詠(わっちのクナイによる陽動からの背後への奇襲……これすら奴は防ぎきるか)
一方そのころ
全蔵「オイ、大丈夫かオイ!」
長谷川「気がついたら……何かヤバそうな奴が目の前にいて……俺を傘で殴り殺そうと……」
二人の女忍が戦っている中、全蔵によって回収されていた。
528 = 522 :
阿伏兎「大体お前さんたち、一体なんのために戦ってる?この街を守るためか?」
阿伏兎「悪いがそりゃ無駄な努力だ、このターミナル前にいるレベルの春雨兵に手こずってるようじゃ……」
阿伏兎「ウチの所の大将はお前さんたちが千人集まろうと止められやしねェよ」
月詠「それでもわっちらは誓った……最後まで戦い抜いたあの馬鹿が愛したこの街を必ず守ると!」
阿伏兎「あの馬鹿?……ああ、大将が気に入ってたあの銀髪の侍かい、あれはもう死んだって聞いたが?」
九兵衛「あの男はしぶといのが一つの取り柄のようなものだ……必ず生きて返ってくる」
阿伏兎「……ま、俺にはどうでもいいことだがね」
529 = 522 :
阿伏兎「だが、地球人ってのはずいぶんと安っぽい人間関係っての有り難がるねぇ」
阿伏兎「……いや、一番おかしいのはやっぱりあの銀髪の侍か?」
月詠「……何じゃと?」
阿伏兎「どうも、お前さんらはあの男に何らかの恩義を感じてるようだが……」
阿伏兎「あの侍はただ馬鹿なだけよ、鳳仙の時の行動を見てりゃ大体は分かる」
阿伏兎「何の得にもならねェことに本気を出すなんざ俺には到底理解しかねるがね……」
阿伏兎「そんな馬鹿を有り難がってるお前さんらを見てるとどうにも笑いが……」
平子「止めろ」
阿伏兎「…………?」
阿伏兎の執拗な挑発、それを決して許すことが出来なかった少女……
銀時によって父と再会するきっかけを作られ、そして万事屋一家が末弟でもある少女……
平子「それ以上、その口がアニキを馬鹿にする言葉を紡ぐのなら……」
平子「そこに真っ赤な花を飾り付ける」
阿伏兎「くっくっ……」
椿平子が自らの刀を夜兎へと向け、宣戦布告する。
ここに、新しい戦いの火蓋が切って落とされた。
530 = 522 :
今日はここまでで、こんなペースですけど続きは明日に……
てかこれからは極力毎日来ます
531 :
乙
ピラ子新八に負けたくせに度胸あるな
532 :
おつおつ
534 = 522 :
>>533
銀八「いやいや、こっちが終わってねーのに新しいのに手ェ付けたりは銀さんしないからね」
銀八「アレだよ、こういうのは女との付き合いと同じで終わるときはきっちり終わらせとかねーといけねェよな」
銀八「つーわけでそれは全然知りません、全くの別人さんですね」
と言うわけで、すいませんけどそれについては知りません
535 :
ポンテリングよこせェェェェェェ!!
536 :
早く長谷川さんに新しいグラサンを!次はゴぱんを作らせてリアクションで戦わせよう
537 :
阿伏兎「フンッ!」
平子「ぐっ!」キィン
幾度にも満たない攻防にて平子は直感する、力、技術、経験……そのすべてにおいて敵が上であると。
阿伏兎「どうしたお嬢ちゃん、防ぐだけじゃ戦いには勝てねえよ」
平子「くっ……」
あやめ「いい歳したオジサンが子供虐めて楽しんでんじゃないわよ!」
月詠「はっ!」
クナイを持った二人は戦闘の間に割って入ると素早く阿伏兎へ斬り掛かる、三人の計画通りだった。
平子を陽動に使い尚且つ、二人掛かりで手数を増やして攻める……相手は隻腕、この攻めが通らぬはずはない。
538 = 537 :
阿伏兎「オオォッ!」
月詠・あやめ「!?」
一振り、今のは間違いなく一振りだった。
その一振りで、阿伏兎は高速で動く月詠たちのクナイを正確に破壊していた。
月詠「こ、コイツ……本物の化け物か!?」
阿伏兎「本物の化け物?そいつは違うな」
阿伏兎は持っていた傘を手放し、代わりに猿飛あやめの腕を掴みかかる。
あやめ「しまっ……」
不覚---そう彼女が考えた時には既に自身の体は月詠を巻き込み、投げ飛ばされていた。
月詠「ぐあっ!」
あやめ「うぐっ……」
阿伏兎「俺はただの血を愛でる獣よ」
539 = 537 :
平子「この……っ!」
阿伏兎「ほう……今のを見ても恐れずに向かってくるか、大した勇気の嬢ちゃんだ……が」
平子の選択した攻撃は突き、直線的でかわされやすくはある一方で防ぐことは難しい一撃。
それを阿伏兎は脇で挟み込むように受け止め、さらにその刀を蹴り上げた。
刀を飛ばされ平子に一瞬の隙が生じた時、その喉には既に腕が伸びていた。
阿伏兎「悲しいねェ、その勇気を奮って選んだ選択肢の先に待っていたのが死だったとはよ」
平子「あっ……ぐっ……!」
540 = 537 :
九兵衛たちは他の天人との戦いで動けず、月詠たちは体を打ちつけられたダメージで未だに動くことが出来ない。
ましてや援軍など期待できるはずもなかった。
阿伏兎「さて、ここでお前さんにまた選択肢だ……ここで戦いを止めて逃げ出すか…」
阿伏兎「もしくは、ここでこのまま俺に絞め殺されるか……後悔しねーようベストな選択肢を選ぶんだな」
平子「…………ない」
阿伏兎「…………?」
平子「絶対に……逃げない……!」
阿伏兎「…………」
541 = 537 :
阿伏兎「決まりだな」
平子の言葉を聞き、阿伏兎の腕に力が込められた。
平子「あっ……はっ……!」
阿伏兎「終わりだな、地球人の小娘にしちゃお前さんはよくやったほうだったぜ」
阿伏兎は子供だろうと、戦場で己の前に立つ的に容赦はしない。
それが夜兎としての修羅の血であり、宿命であり、そして誇りであったからだ。
平子の命が尽きるのも時間の問題、まさに風前の灯火だった。
その時
「よう、楽しそうな遊びしてるじゃねぇかい」
阿伏兎「っ!」ゾクッ
凄まじい悪寒が背中に走る、動かなければ命に関わると阿伏兎に思わせるほどの悪寒……
阿伏兎は平子から手を離し、即座にその場から一歩移動する。
その刹那、阿伏兎は確かに見た……一秒前まで己のいた場所の空を斬る刀の姿を。
次郎長「今のでて殺(と)れねェたぁ……やるじゃねーか、天人よ」
542 = 537 :
平子「お、親父……?」
次郎長「なんでェ、目までおかしくなっちまったか?てめーの親父の顔も分からねえかい」
平子「なんで…なんで親父がここに……」
次郎長「そりゃこっちの台詞だ、俺ァふらふらとほっつき歩いてる娘を連れ戻しにきただけよ」
次郎長「わざわざかぶき町まで戻って来てみりゃ……また騒がしくドンパチやってるじゃねーかい」
次郎長「話を聞きゃ今度はあの春雨を敵に回したらしいな……全くこの街は相変わらず馬鹿しかいねェ」
阿伏兎「ここいたんじゃ俺まで馬鹿になっちまいそうだ……そう思わねーかい、あんちゃんよ」
阿伏兎「……クックックッ」
543 = 537 :
次郎長「いけねェ……どうもこの街の空気に当てられて俺も馬鹿になっちまったらしい」
阿伏兎「俺としちゃ、アンタほどの腕の奴にゃ戦闘狂の馬鹿にだけはなっててほしくないんだがね」
次郎長「残念ながら、俺がなったのは子煩悩の親馬鹿よ……それに」
次郎長「てめーの娘を痛めつけられて黙ってるほど俺ァ大人じゃねェんだ」
阿伏兎「やれやれ参ったね、コイツァ謝っても許しちゃくれそうにねェな……」
次郎長「ゴチャゴチャ口で語るよか……おめぇさんも刀(こっち)使ったほうが早ェだろう?」
阿伏兎「クク……いいね、アンタみたいな輩だとやりやすい」
次郎長・阿伏兎「続きはテメーの力で語りな」
攘夷古豪の最強の侍、次郎長……最強の戦闘集団、夜兎の阿伏兎を討つべく戦場に降り立つ。
544 = 537 :
今日はここまでで、明日はもうちょい進みます
545 :
乙じろう
546 :
乙うさん親衛隊
>>542
最後から2つ目のセリフは次郎長の?
547 :
>>546
そうです、毎回すいません……
再開させてください
548 = 547 :
月詠「何という男じゃ……!」
先に吉原で阿伏兎と戦い、そして今も不覚を取った月詠は次郎長の強さに驚いていた。
自分と猿飛あやめ、そして平子の三人がかりで相手にならなかった敵を一人で相手にしている。
阿伏兎の力をその身で感じたからこそ、月詠はそれがいかに凄まじいことなのかを理解できた。
阿伏兎「おっと!」
次郎長「よく避けやがる……この次郎長の刀を見切った奴ァ、攘夷初っ端にもそうはいなかったぜ」
阿伏兎「なるほど、若い頃はアンタも戦場を己の生き場所としてたクチかい?」
次郎長「昔の話よ、オイラとしちゃもう隠居して暮らしてェんだがね」
阿伏兎「オイオイ……冗談はよしてくれ、アンタは間違いなく戦場(こっち)側の人間よ!」
549 = 547 :
次郎長「…………」
なるほど……コイツァ骨が折れる……
白夜叉も相当な化物だったが、今撃ち合っている天人は白夜叉とはまるで違う種類の強さを秘めた化物だ。
白夜叉、坂田銀時が己の信念、仁義、魂を『護る』ために刀を振り、戦っていたとするならば
次郎長「テメーには端っから戦いしかねェ……『戦う』ために武器を振り、『殺す』ために戦ってやがらァ」
阿伏兎「クク……何を今更、俺たちは血に従い殺し…血を誇り殺す…居場所に戦場を求めるケモノ……」
阿伏兎「てめーが死ぬまで戦い続ける……それが俺たち、夜兎の宿命よ!」
550 :
平子「親父!」
次郎長「来るな!」
そう次郎長が声を上げるのと、阿伏兎の傘が次郎長の脇腹を抉るのはほぼ同時だった。
防ぎきれなかったわけではない、それは一瞬意識が逸れたことによる事故とも言える。
次郎長「っ……!」
阿伏兎「……何てことだい、こりゃあつまらねぇ幕引きになりそうだ」
傘で己の肩を叩きつつの発言、もはや勝負は決まったと見越しての余裕。
阿伏兎「アンタは強かったよ、地球人にしとくのが勿体ねェほどにな」
阿伏兎「だがこれが俺との差だ……戦場を生き場とする俺と戦場から退いたお前さんとの差だ」
阿伏兎「残念ながら、娘っ子の声に惑わされて集中力を欠くようじゃ……戦場では生き残れねーよ」
次郎長「…………」
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