元スレキャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」
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神裂「どうしました五和?」
五和「い、いえ……」
土御門「分かるぜい五和。エロいこと想像したにゃー」
五和「っ! ち、違いますっ!」
神裂「?」
上条「……いてて……土御門、五和、お前らも来てくれたのか」
神裂「土御門とは先ほど部屋の前で会ったので。五和には今さっき連絡したところです」
五和「上条さん……その……キャーリサ様が……」
上条「っ! そうだった! すぐにイギリスに行かないと!」 バッ
土御門「まぁ待てカミやん。考えも無しに行ってどうなる。宮殿になんかそう簡単には入れっこないぜい」
上条「だったら式場に乱入すりゃいい!」
神裂「無理です。式が行われるのは聖ジョージ大聖堂。魔術的な防御網が強固に敷かれた見た目以上の要塞なのですから」
上条「俺には『幻想殺し』があるだろ」
土御門「搦め手に回られるとカミやんでもどうにもならないぜい」
神裂「それに騎士派の精鋭たちが王女の護衛を固めています。
単純に身体能力の差で厳しい戦いを強いられることになるかと……」
上条「……それでも俺はキャーリサと約束したんだ……! 出来る出来ないじゃねえ! やるんだよ!」
禁書「とうま……」
神裂「上条当麻……まずは落ち着きなさい。状況の把握をしてからでも遅くは無いでしょう」
上条「それは……って言うか、何でこのタイミングで神裂と騎士団長が来たんだ?
キャーリサを連れ戻すのはアックアの役目じゃなかったのか?」
アックア「……そうであるな。私としても気になるところである」
神裂「ええ、実は……非常に言いにくいことなのですが」
上条「構わねぇから教えてくれよ。そんなにヤバい状況なのか?」
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神裂「ええ……キャーリサ王女の結婚式は、実はもう3日後に迫っているのです」
上条「何だって!?」
土御門「そいつはまた随分と急な話だぜい、ねーちん。所謂王室の政敵ってやつからの圧力か?」
神裂「ええ……王室派への圧力も日に日に強まってきているので、恐らくは。
もっとも、そういった連中から王女を守るために、あえて国外へ王女を逃がすという女王陛下の策であるという見方も出来ますが……」
五和「で、でもそんな急なことって可能なんですか……?」
神裂「情報規制がされていますので、あまり公にはなっていない情報です。
現にあなた方もキャーリサ王女がご結婚されることを知らなかったでしょう?
とりあえず国内で形だけ済ませておいて、外に向けたことは追々行う、といった形になるかと……」
土御門「キナ臭い展開だにゃー」
神裂「ですが、これは決してイギリスにとっても悪いことでは無いのです。
先のクーデターによって消耗した国の力を盤石なものにするためには、周辺諸国との密な連携をとることは決して間違っていない。
方法に疑問の余地はあるとは思いますが、これはキャーリサ王女も理解しておられることです。
軽率な行動は慎んでください……」
上条「そうかよ。ってことは、急がないと駄目だってことか」
神裂「まったく……聞く耳すら持っていただけないとは……。
諦めろ……と言っても聞かないのでしょうね」
上条「当たり前だ。式は三日後、場所は聖ジョージ大聖堂だな」 バサッ
土御門「おいおいカミやーん。本気で一人で行くつもりか?」
上条「止めるなよ。時間がねぇんだ、俺は行く」
五和「上条さんが行くなら私もお供します!」
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上条「駄目だ五和、ありがたいけど、お前が行ったら天草式の立場が微妙なもんになるんじゃないのか?」
五和「それは……」
土御門「まぁ確かににゃー。オレもねーちんも五和も、清教派の一構成員に過ぎない訳だし、出過ぎた真似には違いないぜい」
神裂「その通りです……無論邪魔はしませんが、協力することは非常に難しい……」
上条「ありがとな、神裂。でも大丈夫だ、キャーリサの手を引いて教会から出てくるだけだろ」
神裂「その可能性が極めて絶望的なのですが……」
アックア「待つのである」
上条「……アックア?」
アックア「私は貴様の考え次第では付き合っても構わないのである」
上条「え……?」
五和「なっ!?」
神裂「……ど、どうしてあなたが……」
アックア「傭兵としての契約である」
上条「……契約?」
アックア「ああ。彼女を連れ戻しに学園都市に来て、貴様の帰りを共に待っている時に交わした」
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―――回想
ワイワイワイ… ガヤガヤガヤ…
キャーリサ「んー? これもいーなー。学園都市のお土産はどれも魅力的で選ぶのが大変だし」
アックア「…………」
キャーリサ「あー……こっちの学園都市饅頭と学園都市煎餅。どっちにしよーか悩むの……。
あ、学園都市提灯と学園都市ペナントも忘れずに買って帰らないと駄目だし」
アックア「…………」
キャーリサ「なーおい傭兵。お前煎餅と饅頭どっちが好きなの?」
アックア「…………何をしているのであるか」
キャーリサ「今更何だ。言っただろー? 英国へ持ち帰る土産を物色すると」
アックア「かれこれ一時間は経過しているが、その腕に着いた時計は飾りであるか?」
キャーリサ「飾りとは失礼な。これは父上から頂いた大切なものだし」
アックア「…………」
キャーリサ「分かった分かった、そー睨むな。良いではないの。とーまの学校が終わるまでまだもうちょっとあるのだし。
何だ、腹でも減ったか? 昼食も摂っていなかったよーだしな」
アックア「食糧なら自前のものを持ち込んである。……王女がこんな街中を無防備に歩くとは、見上げた度胸であるな」
キャーリサ「お前が盾となるんだろー? 言っておくが、私は刺客に襲われたらお前を捨て置いて一目散に逃げるぞ」
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アックア「手近で邪魔をされるよりはその方がマシである。
もっとも、カーテナ=セカンドの欠片を所有している貴様なら、私などいなくとも護身程度はやってのけるであろうが」
キャーリサ「お前にそー言われると自信が持てるというものだし。
おい、饅頭の試食があった。口を開けろ」
アックア「……?」
キャーリサ「そらっ!」 ポイッ
アックア「むっ……」 ムグムグ
キャーリサ「もぐもぐ……むー……ふむふむ、これはなかなか。お前はどーだ?」
アックア「添加物の量が尋常でないのである。推奨は出来ん……」
キャーリサ「自然由来などクソ食らえな成分だろーしな。さすが学園都市。
だがこれはこれで悪くないし。よし、買って帰ろー」
アックア「……呑気なものだな」
キャーリサ「英国に戻れば面倒で煩わしい現実が待っている。
学園都市は幻想郷なの。ここにいる間は見逃せ、すぐに戻る」
アックア「分かっている。だからこうして力づくで連れ戻すのを止めたのであるからな」
キャーリサ「感謝してやるし。頭でも撫でてやろーか」
アックア「…………」
キャーリサ「つまらん奴だ。とーまの方が余程いいぞ。……ヴィリアンには敬いを持つくせに姉の私にはそんな態度なのか」
アックア「…………」
キャーリサ「はぁ、ヴィリアンはお前のよーな奴のどこがいいのだか理解に苦しむな。
おい傭兵」
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アックア「何であるか王女」
キャーリサ「お前は土産はいーのか? 神の右席とやらの連中とかに」
アックア「そんな間柄に見えるのであるか?」
キャーリサ「職場の同僚だろー? 仲間は大切にしないとな」
アックア「……あの場所に戻るつもりは無いのである。今のところは」
キャーリサ「うるさい。よし、では私が奢ってやろー。護衛の報酬だし」
アックア「報酬ならあの男に無理矢理押し付けられているのである」
キャーリサ「細かいことを気にするな。よし、これとこれとこれでいーな。
おー、一人女がいたのだったか。ではこっちのAI搭載美顔ローラーも着けてやろー」 ポイポイポイッ
アックア「……いらん」 ペイッ
キャーリサ「あっ! こら貴様。私の厚意が受け取れないの? とーまなら苦笑いしながらも受け取るぞ! むしろ受け取らせるし!」
アックア「…………」
キャーリサ「もーいい! 私がまとめて支払ってくるから文句は許さないの!
いらなければ私の見てないところで捨てろ!」
アックア「……苦労しているようであるな、上条当麻」
キャーリサ「ん? 何か言ったか?」
アックア「何でも無いのである」
キャーリサ「そーか。あ、ヴィリアンへのお土産も私が選んでおいてやったし。
じゃーん! この学園都市特性、超形状記憶ワイヤー入り寄せて上げる盛りブラだ!
お前からの贈り物だと言えばあの貧乳も喜んで……」
アックア「…………」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
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キャーリサ「わ、分かった。普通の菓子にしておくの。だから床からメイス引き抜こうとするのは止せ」
アックア「……」
キャーリサ「ホッ……さて、まだ時間があるな」
アックア「家で大人しくしていろ……」
キャーリサ「どこか見晴しの良い所へ行きたいの」
アックア「…………」
キャーリサ「とーまと過ごした街だ。記憶に留めておきたい。
こんなこと、二度と出来んだろうしな」
アックア「……」
キャーリサ「ウィリアム」
アックア「……」
キャーリサ「お前は私を無理矢理にでも連れ去ることが出来るというのに、どうしてそーしないの?
……私に同情したか?」
アックア「私は傭兵崩れのごろつきである。そのような感傷に浸ることは有り得ん」
キャーリサ「では何故だ」
アックア「貴様は帰りたいのか?」
キャーリサ「……どーかな。少なくとも、とーまと離れることを辛く思い始めている自分がいる」
アックア「では貴様を無理にあの男に引き渡せば、私は貴様の涙を呼び込むことになるな」
キャーリサ「おい、誰が泣くの。そんな子供ではないぞっ!」
アックア「…………」
キャーリサ「……ふむ、ま……眠る時少しくらいは涙が出ちゃったりはするかもな。女の子だし」
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アックア「……」
キャーリサ「おい突っ込め。今のは自虐だぞ」
アックア「私に何を期待しているのであるか。……ともかく私自身が、貴様が涙を零す理由にはなる訳にはいかないのだよ」
キャーリサ「……そーか、お前の魔法名か……」
アックア「家出娘の捜索だと聞かされていたのであるがな。
英国騎士団長が直々に動くと英国と学園都市の間に軋轢を生むために私が出張ったのであるが……」
キャーリサ「ふっ、主義や信念と言うのも時には足枷となるのだな」
アックア「枷であるからこそ命を賭けるに値する。
それに……それは強き国の姿を目指した貴様にも理解が及ぶはずであるが」
キャーリサ「……そーだな」
アックア「…………」
キャーリサ「では傭兵。私が涙を零したら、お前はそれを打ち払ってくれるか?」
アックア「……理由次第である」
キャーリサ「……」
アックア「……」
キャーリサ「ふっ……まずまずの答えだし」
アックア「私が出向かずとも上条当麻は動く。そういう男だ」
キャーリサ「男……か」
アックア「何であるか」
キャーリサ「いや、お前程の奴が、とーまを男と認めているのだな……」
アックア「…………そういう意味では無いが、それはあのクーデターで貴様自身が身を以て体感したことではないか?」
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キャーリサ「一度きりでは分からんこともあるしね。……だが、お前が言うならそーなのだろーな。
ふふっ、さすがとーまだ」
アックア「……嬉しそうであるな」
キャーリサ「……ああ、もしそーであってくれたなら……きっと嬉しい。
ウィリアム、とーまが……もしもとーまが私を助けると言ってくれたなら……
その時は奴を助けてやってはくれないか……?」
アックア「……貴様ではなく、上条当麻をか……?」
キャーリサ「そーだ。その時私が何を望んでいるか、私の想いはどこに着地したのか、私自身にもまだ分からないし。
……だから、とーまがしたいように出来るよう、助けてやってくれ」
アックア「……」
キャーリサ「言っている意味が分かるな……?」
アックア「上条当麻がわずかでも迷いを見せたら引き止めればいいのだろう。
その程度ならば構わん」
キャーリサ「うん。とーまの重石にはなりたくないし。それが互いの為だ」
アックア「……だが、もし奴が貴様を救うと、一片の迷い無く決意したら――――」
キャーリサ「っ……そーだな。そ、その時は……――――」
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―――――
上条「そんなことが……」
アックア「キャーリサ王女は貴様に己の未来を委ねたのである。
義務感や正義感で王女の助けに向かうと言うなら、私は貴様を止める契約をした。
それは互いにとって不幸な結末を招くものである」
神裂「……」
上条「……そんなんじゃねぇよ。俺は、キャーリサが幸せでいられない現実なんてブチ殺してやる。
あいつが笑っていられる場所が、この幻想の中だってんなら、俺はどこへだって行ってあいつを連れ戻すんだ!」
禁書「とーま……」
アックア「……愚問であったな。時間を無駄にしたようである」
上条「ア、アックア……お前」
アックア「Flere210――我が名に誓う」
神裂「!」
五和「!?」
アックア「未だ万全とはいかんが、露払いくらいならば引き受けよう。
貴様が彼女の涙を止めんとするなら、それを引き止める理由など私には無いのである」
上条「……ありがとな」
アックア「…………」
禁書「まったくとうまは、またしても私の知らないところで勝手に突っ走って行っちゃうんだね」
上条「インデックス……悪いな、俺、ちょっとイギリスに行ってくるよ。
帰ってきたら、キャーリサと三人暮らしになっちまうかもだけど……」
禁書「何言ってるのとうま?」
上条「……は?」
禁書「もちろん私も行くんだよ」
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上条「えっ!?」
禁書「むぅ、何なのかなその反応。私じゃ足手まといだって言うのかな?
言っておくけど、三大派閥の魔術師や騎士たちが相手なんだよ。
私を連れて行って損なことなんて一つも無いと思うんだけど」
上条「で、でもお前清教派なのに……」
土御門「おいおいカミやーん。オレ達ゃ一言も行かねぇなんて言ってないぜい?」
五和「そうですっ! 確かに清教派との兼ね合いは難しい問題ですが、でも、だからってキャーリサ様を見捨てたりなんか出来ませんっ!」
上条「ふ、二人まで!?」
神裂「五和。ですからこれは見捨てるとかそういう問題では無くてですね……」
土御門「まあまあねーちん。カミやんを危険な目に合わせたくないって気持ちはよぉく分かってるぜい。
けどねーちんだって分かってんだろ? 確かに英国にとっちゃ悪い話じゃないし、キャーリサの処遇にしても最悪の方法なんかじゃ無い。
でもな、それはキャーリサの幸せってやつをハナから無視した話だよな。
不幸にゃならねぇが、ハッピーエンドでもねぇ。カミやんにとっちゃ、我慢ならねぇ話ですたい」
上条「ああ、当然だ」
神裂「それはそうですが……って、べ、別に上条当麻を危険な目に合わせたくないとかそんなんじゃありませんっっ!」
五和「そんな意図が……女教皇様、すごいです感服しました……私はそこまで考えが至りませんでした……」
神裂「うぐっ……はぁ……。
あああぁあもうっ! 分かりました分かりましたっ! 目立ったことは出来ませんが、私も陰ながら協力させていただきますからっ!」
五和「女教皇様……!」
禁書「聖人が二人も味方になってくれれば怖いもの無しなんだよ!」
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神裂「確かに……救いの手を差し伸べるのとは少し違うような気もしますが、キャーリサ王女も望まぬ結婚を強いられるのは嫌でしょうし……仕方ありません」
土御門「ってぇことで決まりだカミやん。イギリスへ飛ぶぜい!」
上条「みんな……ああ! キャーリサを取り戻すぞ!」
五和「はいっ!」
禁書「がんばるんだよっ!」
土御門「(ねーちん、心配しなくても大丈夫だぜい)」 ヒソヒソ
神裂「(何がです。協力すると言った以上はきっちりやりますよ)」 ヒソヒソ
土御門「(清教派のことだにゃー。いいか? これは王室派と政治家たちにとって悪くない話なだけであって、
清教派にゃなーんもメリットのねぇ話なんだぜい。むしろ余計な力が国内に干渉する可能性を考えると、
あの最大主教サマ的には面白くねぇかもにゃー)」 ヒソヒソ
神裂「(! なるほど言われてみれば確かに……少し希望が見えてきましたか……)」
土御門「(それはどうかにゃー)」
神裂「(?)」
土御門「(わざわざ敵を作りにいくメリットも無いからイギリス清教としての庇護は受けられないだろうぜい。
しかも、それは相手も分かってることだ。騎士派や清教派の息がかかっていない魔術師たちが王女の護衛にあたるだろうにゃー)」
神裂「(厄介な人物が出てこなければいいのですが……。
確かに私もアックアも聖人ですが、今回の勝利条件がキャーリサ王女を無事に外に逃がすということなら、
これだけの戦力しかないのはやや不安が残りますね……)」
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土御門「(ま、その辺は分かんないけど)」
神裂「(と言うと?)」
土御門「(清教派全体の協力は得られなくても、カミやんに個人的に協力してくれる奴は……ま、そこそこいると思うぜい)」
神裂「(な、なるほど……)」
土御門「(騎士派との遺恨もあるしにゃー。ま、騎士団長以外はそれほど厄介ってこともねぇさ。
何せ今回はキャーリサもこっち側だ。アックアに騎士団長任せてオレらはカミやんの援護と防御を固めれば意外とあっさりいけるかもな)」
神裂「(油断は出来ませんが……そう願いたいものです)」
上条「二人とも何ひそひそやってんだ? 作戦を立てるぞ」
土御門「おー悪い悪い。ねーちんがカミやんの為に頑張るって意気込んでるぜい」
神裂「ど、ド素人がっ! 何勝手なことをっ!!」
上条「ありがとな神裂! お前は特に頼りにしてるよ!」
神裂「あ……は、はい。お任せを……ゴニョゴニョ」
禁書「あ、ねぇねぇとうまー」
上条「ん? どうしたインデックス」
禁書「これ、何なのか分かる?」
上条「あー……? これは……」
764 = 741 :
――――英国 バッキンガム宮殿 廊下
コツコツコツ……
リメエア「……あら? キャーリサ、貴女帰っていたの」
キャーリサ「姉上か。今帰ったところだし……姉上こそ、部屋から出ているなど珍しい」
リメエア「うふふ。奇遇ね、私も今帰ってきたところなのよ」
キャーリサ「また街でお友達探しか、姉上は気楽でいいものだな」
リメエア「可愛くない妹だこと。こと宮内で『気楽』だった覚えは、ここ数年ありはしなくてよ。
例の一件(クーデター)で外に放り出されていた時の方が余程気楽だったもの」
キャーリサ「そーか。ならばそのまま帰ってこなければよかったのに」
リメエア「これでも立場は自覚しているつもりよ。貴女はどこへ?
……短いスカートをはいて。そんな恰好で市内を闊歩していたのでは品格が問われても文句は言えないわ」
キャーリサ「ああ、男のところだしね」
リメエア「……は?」
キャーリサ「ふふん、姉上より先に恋人を見つけてやったぞ。ざまーみろ」
リメエア「優越感に浸っているところを申し訳ないけれど、私は貴女達と違って、普通に殿方とお付き合いしたことはあるわ」
キャーリサ「え、そーなの?」
リメエア「ええ。伊達に市街に出ているわけではないもの。まあ今は特定のお相手はいないけれど。
それより貴女は数日後にも結婚するというのに何を……」
キャーリサ「あ、母上とヴィリアンの姿が見えないけど」
765 = 741 :
リメエア「お母様はウィンザー城の方よ。ヴィリアンは部屋じゃないかしら。
……いや、じゃなくて、もっと大事なことがあるでしょう」
キャーリサ「細かいことはいいじゃない。私も遊びたい年頃だし。枯れたおっさんより、若い男の方が良いの
何だ? 羨ましーの?」
リメエア「うふふ、まさか。一国の皇太子殿下を枯れたおっさんだなんて、ますます興味が湧いたわ。
それで、どのようなお相手なの?」
キャーリサ「どーしよーかなー。王女が宮内の廊下で立ち話などはしたないしなー」
リメエア「話したくて仕方がないという様子ね。では三階のサロンへ行きましょう」
キャーリサ「ふむ。まあ構わないの。丁度誰かに惚気たい気分だったし」
リメエア「貴女随分と余裕があるのね。結婚を間近に控えた女の口から出てくる言葉とは思えない」
キャーリサ「ふふーん、まー見ていろ姉上。囚われのお姫様を救いに来るただの男。
女冥利に尽きるというものだし」
リメエア「あらあら、それは詳しく聞かせてもらわないと」
キャーリサ「よしよし。ではとーまがいかに私のことを大好きなのか、精細かつドラマティックに語ってやるぞ姉上」
リメエア「貴女がその殿方を、ではないの?」
キャーリサ「む……そ、そこは譲らないし! あいつが、私を、だ!」
リメエア「うふふ。そう。では歩きながらでも」
キャーリサ「うん。まずあいつの部屋に押しかけてだな―――」
766 = 741 :
今回と次回は繋ぎの話になるので盛り上がりは特にありません。
王室派の三姉妹って結構個性的なのに何故人気が無いのだ…年か、年なのか。
ではまた近いうちにでも
767 = 742 :
>>766
乙!
キャーリサ補充できたぜ
769 = 745 :
乙ー
あと>>745で割り込んでしまってごめん。
更新し忘れで来てたことに気が付かなかったのさ・・・。
770 :
乙~
惚気話もっと聞きたかった
771 = 743 :
超乙!
アックア マジ男前
772 :
乙
このアックアになら掘られてもいい
773 = 739 :
>>1 乙です
アックア・・・イケメンすぎるだろ・・・
惚気話は次に書くんだよね!?
774 :
乙
続きが楽しみで仕方がない
775 :
乙
アックアさんイケメンだな
776 = 737 :
キャーリサ様と上条さんの結婚式はまだですか
キャーリサ様は夜も激しそうだな
777 :
ババアかわいいよババア
778 :
ヴィリアンが引きこもりすぎるww
779 = 743 :
sageろよ。バカタレ…
>>778
一国の王女が勝手にフラフラと出歩く方が、普通じゃないからな?
780 :
乙
これが友情パワーか
781 :
果たして上条さんは英国の公爵位を叙爵するような事態になるのか!?
782 :
これが
上 条 勢 力
なんだな
>>1乙
783 :
一方さん助けにきてくれないかなぁ・・・
784 :
科学サイドの人間はそんな簡単に他国に干渉はできんだろう
このSSの時間軸がわからんけど全身真っ赤のあの人とか全身真っ黄のあの人とか来たら狂い悶えるな、感動で
785 :
これが上条勢力・・・
786 = 783 :
これが上条精力・・・
788 = 738 :
首が……
789 :
>>784
菅原文太と田中邦衛によく似たあの二人ですね
790 :
>>789
そっちの赤い人と黄色い人じゃないだろ…
791 :
>>789
仲が悪そうな二人ですねわかります
792 :
>>787
「兄者、ダメである。騎士団長が隣の部屋で寝ているのである」///
793 :
インパルスさん?
794 :
インキンタムシさん?
795 :
制服キャーリサを見たくて描いたけど誰かわからんorz
反省しかしていない
796 :
>>795
胸をもっと増量すればあるいは…
797 :
最近観たスクールデイズ思い出した
798 :
>>795
学生時代、と言えばピッタリだが三十路手前だとイメージと全然ちg
799 :
わりとどうでも良い事だがヴェントのピアス化粧無しが可愛くて滾った
800 :
>>799
その迸るパトスのままにスレを建てるんだ
みんなの評価 : ★★★×6
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