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    元スレ麦野「美琴、私のものになりなよ」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - ラブライブ ×2+ - とある科学の超電磁砲 + - とある魔術の禁書目録 + - 佐々木 + - 百合 + - 私のものになりなよ + - 美心 + - 麦野 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    801 = 57 :


    ふと気付くと、麦野の背後にビニール傘を差した黒髪の少女が立っていた。
    肩口で切り落とした髪とぼんやりとした瞳が特徴的な高校生くらいの少女だ。
    先日絶対能力進化計画関連の研究所を潰して回っていたときに一度だけ麦野と共に交戦したことがある。
    御坂は泣き顔を隠すように麦野の胸元に顔を埋めた。


    麦野「滝壺……どした?」

    滝壺「濡れちゃうよ、はい傘」


    自分の分とは別に携えていたビニール傘を麦野に手渡す滝壺と呼ばれた少女。


    麦野「ありがと」

    滝壺「ひとまず車に戻ろう」

    麦野「そうね、御坂。アンタも……」


    傘を広げた麦野が土手の上に停められているキャンピングカーへと脚を向けた。
    しかし、御坂は麦野を引き止めるように強く体を抱きしめる。
    怪訝そうにこちらを見下ろす麦野の胸元で、御坂はただ無言で首を横に振った。


    麦野「御坂……」

    滝壺「大丈夫だよ、私達はむぎのの友達だから」

    802 = 57 :


    不安に思っていると感じたのだろう、滝壺が優しく語りかけたが、御坂はもう一度だけ首を横に振った。
    泣き顔を見られたくない。
    麦野の友達に迷惑をかけたくない。
    何より惨めな自分が許せなかった。
    失恋のショックからすら一人で立ち上がることの出来ない自分の弱さが、酷く情けなく思えてならなかった。


    麦野「あー、ごめん滝壺。もう家すぐそこだしあなた達は先に帰って。こいつとゆっくり歩いて帰るから」

    滝壺「……うん、分かった」


    小さく首肯する滝壺。
    空気を読んでくれたのだろう。
    チラリと滝壺の方を覗き見ると、こちらを心配そうに見つめているのが見えた。


    麦野「悪いわね、今日はお疲れ」

    滝壺「うん。気をつけてね」


    そう言って去っていく滝壺。
    その背中を見送って、麦野はため息をついて御坂に語りかけた。


    麦野「私達も帰るわよ。ちょっと歩くからね」

    御坂「うん……」


    麦野に手を引かれ、御坂もまた彼との記憶が残る河川敷を後にした。

    803 = 57 :


    ―麦野宅 浴室 23:00―


    チャプ…


    御坂(……結局また麦野さんの家に来ちゃったな……。お世話になりっぱなしって感じだわ……) ブクブクブク

    御坂(ちょっと落ち着いてきたけど……ほんとこれからどうしようかな……) チャポン…

    御坂(麦野さんの家に居る訳にはいかないし……。しばらくはホテル借りてそこで暮らすしかないよね……)

    御坂(学校はどうしよう。鞄も制服も家だし……財布と携帯くらいしか持ってない……)

    御坂(取りに帰るの嫌だなぁ……) ハァ…


    コンコン


    麦野「御坂ー。お湯加減大丈夫?」

    御坂「あ、うん。大丈夫よ。ありがと……」

    麦野「んじゃ私も入るわねー」

    御坂「は?」


    ガララ…


    御坂「えええええぇぇぇぇぇっっっ!?」

    804 = 57 :


    麦野「何よ?」 ドーン

    御坂「ちょっ! だって……ええぇええ!?」

    麦野「昨日一緒にお風呂入ったし裸で寝たって今日何回言わせるつもり? いい加減慣れろバカ」 ペタペタ

    御坂「いやまあそうだけど……心の準備が……」

    麦野「誰かさんの所為でビッチョビチョになったんだけど?」 キュッ…シャワァァァァァ

    御坂「う……ごめん……」 シュン…ブクブクブク

    麦野「冗談よ。もうちょっとそっち詰めて」 チャプッ…

    御坂「はい……」

    麦野「……」

    御坂「……」

    麦野「……何があったの?」

    御坂「……あいつに彼女がいて……」

    麦野「そっちじゃなくて」

    御坂「ああ……うん、黒子と喧嘩してさ……」

    805 = 57 :


    麦野「どういうこと?」

    御坂「私服で帰ったら寮監に怒られて、妙にムシャクシャしてたから寮の扉ぶっ潰した……」

    麦野「あら、優等生のくせにそんなことできんのね」

    御坂「それから部屋に戻って、黒子に色々お説教されて喧嘩した……」

    麦野「お説教ねえ……」

    御坂「常盤台のエースとしての自覚を、とか。短パンやら子供趣味はやめろ、とか。
        ……腹立って麦野さんはそんなこと言わないのにって言い返しちゃった……」

    麦野「買いかぶりすぎね。アンタの学校や趣味に興味が無いから言わないだけよ」

    御坂「そうよね……」

    麦野「……嘘よ。っつか、アンタガキねやっぱ」

    御坂「分かってる……」

    麦野「本当かしら」

    御坂「分かってるわよ!」 バシャッ!

    麦野「そう」

    806 = 57 :


    御坂「……私がガキだから……あいつに気持ちが届かなかったのかな……」

    麦野「かもね」

    御坂「……あいつに素直に気持ちを伝えていれば……結果は違ったのかな……」

    麦野「かもね」

    御坂「……もうどうしたらいいのかわかんないわよ……」 グスッ

    麦野「……」

    御坂「初恋だったの……あいつとは結構前に出会ったんだけど……」

    麦野「悪い、興味ない」

    御坂「冷たいわね……聴いてくれるだけでいいのに」

    麦野「アンタがあの男にどんな風に恋をして、どんな風に想いを募らせていったのかなんて、もう聴きたくない。
        だってそれ、全部無駄じゃない。結果は出たんだから」

    御坂「…………麦野さん?」

    麦野「……いい機会だから、正直に言うね」

    御坂(何……? 何を言おうとしてるの……?) ドキドキドキドキ…

    麦野「私、アンタがフラれて今すっごい嬉しい」

    807 = 57 :


    御坂「……っ!?」

    麦野「だって、これでアンタの気持ちの先には誰もいないんだもん」

    御坂「…………はじめから、失敗すればいいって思ってたの?」

    麦野「違うわよ」

    御坂「……」

    麦野「今日の夕方アンタを送り出すまでは、アンタの恋が上手くいけばいいって、心からそう思ってた」

    麦野「けどアンタを送り出してから、気付いたんだ」

    麦野「ああ、私はアンタを応援するフリをして、さっさとこの恋に決着を着けさせたかっただけなんだなって」

    御坂「それ……どういう……」

    麦野「いつからだったんだろうね。アンタをそんな風に思ったのは。アンタ、気づいてた?」

    御坂「何……なんなのよ……」

    麦野「私がアンタに律儀に返信したり、アンタの悩みを聴いたり、アンタを応援したりしたのはね」

    御坂「……」

    麦野「結局、アンタのためなんかじゃなくて。私はそうすることでアンタを手に入れられると思ってたからなのかもしれない」

    御坂「それって……」

    808 = 57 :


    麦野「ねえ御坂。私にしなよ」

    御坂「え……?」

    麦野「私なら、アンタのことあの男より気持ちよくしてあげられるよ」

    御坂「な……な……」

    麦野「アンタがあの男のものになっていたら、私は諦められたんだ」

    麦野「だからさっき、あの河川敷で、アンタを見つけて。……アンタが失恋したんだって知って。
        私はアンタに伝えようって決めたの」

    麦野「もうあの男はいない。あの男はアンタのものにはならない。ざまあみろって、ちょっと本気で思ってるの」

    御坂「……」

    麦野「私のこと、酷い奴だって思う?」

    御坂「……それは……」

    麦野「いいよ別に。けど、誤解しないで欲しいのは、アンタにしたアドバイスは私なりに本気で考えて、
        アンタが幸せな結末を迎えられたらいいなって、本当にそのとき思ってたんだ」

    御坂「……あんたが何をしたかったのか分からないわね……」

    麦野「アンタを送り出してから、ずっと昨日の夜のことを思い出してた……」

    809 = 57 :


    御坂「……っ」 カァァ

    麦野「アンタの肌が忘れらなくて、アンタの温もりが心地よくて……泣けたわ」

    麦野「河川敷でアンタを見つけたとき……ようやく私は確信したの」

    御坂「……」

    麦野「御坂、私ね。アンタが好きみたい」

    麦野「ねぇ……私のものになりなよ。アンタが欲しくなっちゃった」 スッ

    御坂「……私、女なのよ……?」 ピクッ

    麦野「知ってるよ?」

    御坂「……お、おかしいじゃない。女同士で付き合うって……その……」

    麦野「昨日と言ってること違うわね。けどまあ……私ちょっと頭おかしいみたい。なんせ脳みそ弄り回されてるからさ。
        でも、アンタの心も体も慰めてあげられる。アンタを誰より理解してあげられる」

    御坂「……」

    麦野「アンタがここに来たのってさ、結局のところ私に慰めて欲しかったんでしょ?」

    810 = 57 :


    御坂「!」

    麦野「友達の少ないアンタには、頼れる人間なんてそんなにいない。数少ない理解者の後輩にガキッぽい八つ当たりして、
        ヤケクソになったアンタの行動パターンなんてお見通しなのよ」

    御坂(ど、どうしよう……混乱してわけわかんない……)

    麦野「……私が欲しかったんだろ? いいよ、美琴。アンタの期待に応えてあげる」

    御坂(駄目……駄目……それを言われたら私は……)

    麦野「ねえ知ってた? 私、悪い人間なんだ」

    御坂(焦らされてるの……? 麦野さんの言葉が欲しくてたまらないのが……バレてるの……?)

    麦野「……もう一度言うわよ―――」

    御坂「……だめっ!」



    麦野「―――美琴、私のものになりなよ」


    811 = 57 :

    本日は以上になります。
    今回の麦野の告白は少々ネチッこく御坂の心の隙間にヌルリと入っていくようなイメージで書いてみました。
    所詮麦野は悪党です。

    ではまた近いうちにお会いしましょう。

    814 = 778 :

    うわああああああん超焦らされてますよこっちも!

    815 :

    乙様です
    スレタイきたあああああああああああああ
    もう首輪+鎖な美琴しか見えねええええええええ

    816 = 782 :

    スレタイ入りましたーーーーーーーーー!!

    麦のん悪い!悪い女!
    でも荒んだ心にはクスリみたく沁み渡っちゃうよなぁ……

    817 :

    泣けた(゚ーÅ)ホロリ

    とりあえず言いたいことは・・・上条死ね。消えろ。
    今後の展開に超wktk

    明日も来てほしいな

    818 :

    うわァァァァァァァァァァァァァァ
    波だがでてきた

    819 :

    くそっっ、早く続きが読みたい・・・

    820 = 778 :

    なにはともあれ超乙!
    精神的に軽くイキかけたわ。
    次も楽しみに待ってる!

    821 :

    乙!超乙!
    悪党なりのやり方で美琴を癒すような付け入るような麦のん最高!

    822 = 767 :




    イ、回収。

    うぁああァアアアああ!!!来ましたわー!!
    もうどうしよう口から心臓出そうどうしよう。
    このスレのお陰で実生活は活動限界だよ!
    続きが気になりすぎて生きるのが辛いよ。何度も読み返しちまったよ。
    夜中にPCの前でニヤニヤしたりハラハラしつつF5押してる俺気持ち悪いよ!

    823 :

    正直スレの最初の頃はちょっとしたネタを楽しむ感覚だったのだが、怒涛の展開に
    やられた。
    もうスターウォーズでアナキンが暗黒面に堕ちるのの100倍の説得力。
    御坂アイテム入りか、やはり袂を分かつのか。
    今後に期待。

    824 :


    やり方はどうあれ結果的に麦のんは美琴を救えるんだもんな。
    しかもなれという命令系じゃないとこが悪どい。
    >>1はそこまで深く考えて書いてないのかも知れないけど浴室からの一連の流れは、
    こんな状態の美琴を篭絡しようとする麦のんが恐ろしく見えてきて最後のスレタイ回収でゾクッとした

    深読みしすぎ俺キメェw
    結局次回が楽しみすぎる訳よ!

    825 :

    正直俺が今まで読んできた10万3000冊の百合小説の中でも五指に入るレベルの高さ

    826 :

    嗚呼糞!
    百合は嫌いだが御坂に不幸になって欲しくないし
    姫神と上条を別れさせたら姫神かわいそうだし
    とりあえず上条死ね!

    827 = 794 :

    なんという生殺しwwwwwwww
    続きが気になるんだよ!
    とにかく>>1

    828 :

    素晴らしい
    とりあえず上条死んどけ

    829 :

    これは純真なフラレナオンがイケメンに食われる構図…

    830 :


    スレタイ回収キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
    すっげぇ続き気になるぜ・・・果たして美琴の気持ちは如何に!?

    あと上条さん1発殴らせろ

    831 :

    だが待ってくれ。ある意味美琴が上条さんにあそこまでボロボロに傷つけられたからこそ、今この麦野×美琴が成り立とうとしているんだ。
    とりあえず上条さんはアーックアさんに掘られる刑だが、この状況は彼のおかげとも言える…ううむ…複雑だ…

    832 :

    あとどれくらいを想定してるの?
    もしもうすぐならこのスレで完結させてほしい

    833 :

    俺は2スレ目いくのもいいと思うけどな
    これから見られるであろう二人のキャッキャウフフ、またはドロドロを眺めていたいしww
    それに、今の盛り上がりを見てるとここは普通に埋まってしまいそうだし

    835 = 832 :

    もちろんくちびる白昼夢だよな

    836 :

    あー、こら暗部落ちか? パパリンが出張ってきそうww
    黒子は・・・光子に任せればいいかね
    あんなんでも一応年上だしな

    837 :


    麦のんは悪女かわいい!!
    次も楽しみにしてる

    838 :


    上条さんはもげろ

    839 :

    地の文の視点変わりすぎ
    不安定過ぎる


















    わざと?

    840 = 821 :

    乙!
    朝からなんちゅうもんを見せてくれたんや…

    841 :

    姫神が少しでも空気読めて少しだけ良かった

    そしてこれはダメな上条さん

    842 :


    上条さん鈍感ってレベルではないよね

    843 = 836 :

    まあ、確実にあの後、姫神と禁書に説教くらってるだろうww

    844 :

    超乙!
    この迫り方はやべーよ。ゾクゾクする
    なんて絶妙なセリフ回しなんだ

    それと、上条さんは死んでください

    845 :

    上琴が至上、そんなふうに考えていた時期が僕にもありました

    スレタイ回収でゾクゾクした

    846 :

    乙!

    美琴幸せになれ
    上条爆発しろ

    847 :

    うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
    これヤッヴェェYO
    なにこれこんな気持ち初めて///これが・・・恋wwwwwwwwwwwwwwww
    展開上手すぎもう>>1乙しか見えないwwwwwwww

    848 = 824 :

    >>839
    わざとじゃね?
    麦恋の時からわりと独特の文体だし。
    五和のときは普通だったしな。
    読みにくさは全くないから問題ない

    849 :

    ダメ条さんじゃ仕方ないな

    850 :

    上条さんは良くも悪くもあんなもんだろ。むしろ俺の姫神をちゃんと表記しなかった>>1に牛乳拭いた雑巾の臭いを嗅がせたい


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