元スレアレイスター「超能力者達にバンドを組ませる――『最終計画』だ」土御門「」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
351 :
>>350
>ニートじゃない俺の桔梗
そげぶ
352 :
その報告はいらないです^^
353 :
俺の桔梗だ
354 :
乙ー!
そしてまとめてすごパすごパ
一週間も削板がいないとモツ鍋さんが大変なことになってしまう
355 :
LEVEL5全員にのしかかられて生きてるツチピーマジプロデューサー
356 :
恋のペクトル☆操作 Vo.一方通行
357 = 356 :
ペクトルって何だよ俺……
358 :
テクパトルの親戚かなんかじゃね?
359 :
ペクトーサンの親類か何かじゃね?
360 :
今夜あたり来るんだろか早くみんなのきゃっきゃうふふが見たくて見たくて
361 :
おまえら無駄レス自重しろってヨミカワヨミカワ言ってみるじゃん
362 :
ははは
363 = 362 :
たっのしみー
364 :
恋のベクトル☆操作とか、酔った一方さんならやってくれるかもしれなくね!?!?!?
たっまんねえな!!!!! フラグメイカーもびっくりの能力だぜ!!!!!!
んじゃぼちぼち
365 = 364 :
寮の一室で、白井黒子は御坂美琴のパジャマに鼻を埋めていた。
はあはあと息を荒くしながら、わずかばかりの体臭すら逃さずに嗅ぎ取ろうとする彼女の姿勢には感服する他ない。
しかし、普段ならばそんな彼女を叱咤し諌め、電撃を飛ばすパジャマの持ち主はいなかった。御坂はこれから一週間、この寮に戻ってこないのである。
「はぁん、お姉様ぁ……わたくし、お姉様がいらっしゃらない一週間なんて生きていけませんの……っふう」
十分にパジャマを堪能したのか、白井はにやついていた口元をきゅっと引き締める。
すんすんとなおも鼻孔を膨らませていた白井だが、彼女ひとりでは相部屋である一室はどうにも広すぎた。
一週間もこんな部屋で生活するなんて耐えられない。そう泣きついた白井を適当にいなして颯爽と出かけた御坂の置き土産。
それがこの、幼稚だと日頃からからかわれているゲコ太パジャマである。ちなみに脱ぎたてだ。
「まったく! これがなければこの黒子、お姉様なしでは発狂してしまいますの」
パジャマを嗅いでいる時点ですでにとち狂っているような気がしなくもない白井であるが、本人からしてみれば至極真っ当な行動なのだ。
さて、と彼女は大きく伸びをして、スカートの乱れを軽く直し立ち上がり――その瞬間、彼女の携帯電話が着信を告げた。
首を傾げながらも、白井は着信相手を確認し、目を見開く。登録していながら今まで一度も連絡をとったことのない名前がそこにはあった。
「……結標、さん?」
結標淡希。白井と同じ空間移動系の能力者で、力そのものは超能力者に匹敵するであろう少女。
数少ない空間移動系の知り合いだから、と以前再会した際に連絡先を交換していたのだが、彼女から連絡がきたことはなく、白井が彼女に連絡をするようなこともなかった。
何だろう。嫌な予感はしない。けれど、言い知れぬ妙な感覚がすとん、と白井の胸に落ちてきた。
それは、世界の色が変わる前兆だったのかもしれない。
第十九学区
一方通行「……オマエ荷物多くね? なンだよその背負ったバカでけェリュックとぶら下げたボストンバック、さらにスーツケースはよォ」
垣根「だって一週間だろ、いろいろ用意したらこれくらいになったんだよ。むしろお前身軽すぎね? なにそのトートひとつっていうラフさ」カラカラ
一方通行「いや、着替えもいらねェだろォし、正直財布だけありゃなンとかなンだろ」
垣根「着替えいらねえの!? え、お前そのウルトラマンみたいなカッコが外出兼寝巻きなわけ?」カラカラ
一方通行「ブチ殺されてェのかオマエ。これから合宿するとこは研究所だった、っつってたろォが……病院の患者衣みてェなモンならどっさりあンじゃねェの」
垣根「その発想はなかった。ちくしょう早く言えよ、このボストンの中身一週間分の着替えだぞ馬鹿どうしてくれんだよ馬鹿」カラカラ
一方通行「うっせェよなンで俺がオマエの着替え事情まで把握してなきゃならねェンだよ、てェか見ててうぜェなその荷物」
垣根「なあ、ちょっとスーツケース引っ張ってくんねえ? 右手限界」カラカラ
一方通行「断る。だいたいよォ……どこまで引っ張りゃいいかもわかンねェってのに」
垣根「……だよなあ。どこの研究所行けばいいんだよ俺ら」カラピタッ
366 = 364 :
一方通行「アバウトすぎンですよォ、なンだよどっかの研究所って。見渡す限り廃墟だボケ」
垣根「点在しているコンビニがいっそう寂寥感を演出してんだよな。どうするよおい」カラカラ
一方通行「どうもこうも、地道に探すしかねェだろ」カチリ
垣根「地道に探すやつが能力使用モードですかそうですか」カラカラ
一方通行「もォめンどくせェし、上から探したほォが早ェだろ」
垣根「いってら。俺じゃあお前が探すまでここで待機してっから」
一方通行「おい待てコラ、メルヘンウィングの出番じゃねェか」
垣根「リュックあっから未元物質管理しづらい。ていうかだるい。頼んだ」カラカラドカッ
一方通行「オマエ……スーツケースの上に腰下ろした時点で動く気配がまったくねェな、くたばれ」ブォッ
垣根「くたばんねー」ガサガサ
垣根「お、あったあった。修学旅行と言えばやっぱりカードゲームは外せねえよ。……今のうちにシャッフルテクでも練習しとくか」ガタ
シャッシャッバラララララットントン
シャッシャッドゥルルルルルットトントン
垣根「マシンガンやりてえけどカード傷ませたくねえしなー」
シャッシャッシャットントントトトン
垣根「イッツーまだかよ。あいつ探査向いてねーな」
シャッシャッドゥルルルルルルルルン
垣根「こう、手首のスナップきかせりゃもっと格好良く決まるんじゃ――」
土御門(路上でスーツケースの上にカードばらまいてるやつって……)
削板(なんだか末期だな。さすがに近寄れねえ)
麦野(ていうかあの手つきだっせ。マジだっせ、不慣れなのがバレバレだっつの)
御坂(あ、イッツー)
一方通行(よォ。あいつほっといてさっさと行かねェか)
土御門(もうちょっとここの電柱から見守って、それで気づかなかったら先に研究所に行くか)
麦野(いや、あれは気づかないと思うね。うっぜえくらい集中してる、)
垣根「……このジョーカー、俺だけわかるようにちょっと端折り曲げとこっかな」
削板「それは卑怯だろうがあああああああっ!!!!」バッ
土御門「あ、バカ!」
御坂「まあ、卑怯っちゃ卑怯よねえ」
367 = 364 :
垣根「なにお前らなにその全員揃っちゃってる感じ」
麦野「てめえがシャッフルの練習してんのを嘲笑ってやってたんだよばァか」
垣根「しかもイッツーとかお前見つけたなら教えてくれればよくね」
一方通行「いやァ、上空から見たら数メートル後ろの電柱にこいつら団子状態でさァ。言い出すのもめンどくせェしィ」
土御門「正確に言うと、お前らが落ち合った時点でオレらはすでにここにいたぜい」
御坂「あんたら二人見てんのけっこう楽しかったわよ。仲良いじゃない」
垣根「ねーよ」
一方通行「あっりえねェよ」
削板「仲が良いのはいいことだろ。認めとけよ」
垣根「ここでソギーに諭されるとかもうね、……あ。そうだ、お前ちょっとこの荷物持ってよ」ドスン
削板「うおっ!? 重、なんだこのリュック! 何入ってんだこれ! 石か! 漬物石か!」
麦野「何の訓練だよ。にしても、あんた荷物多すぎでしょ。どんだけ浮かれてんだ」
御坂「気持ちは分からないでもないんだけどね。ま、行きましょ」
土御門「行くもなにも、目の前に立ってる研究所跡がこれから一週間お世話になる宿舎なんだがな」
一方通行「おォ、灯台下暮らしたァこのことか。全然気づかなかったわ」
垣根「……見ざる言わざる聞かざる! 俺に常識は通用しませんの!」
麦野「ノリがすでに修学旅行じみてて気色悪いんだけど」
削板「待て、なんかそれかっこいいな……すごいパンチですの!」
土御門「いいからお前ら黙りやがれですの!」
一方通行「頼むからオマエまで染まるのやめてくンねェかなオマエが真っ当に進めねェとこいつらホントどうしようもねェンだよマジで」
麦野「あら、さりげなく自分はまともだって言ってんの?」
一方通行「あァ、当たり前だろォが。おら、さっさと入りますの」スタスタ
垣根「あ、言い逃げ卑怯ですの!」カラカラ
削板「一番乗りは渡しませんの!」ダダダッ
御坂(シズリがさりげなく便乗してたのはつっこまないほうがいいのかしら)
368 = 364 :
研究所跡
土御門「ふむ。比較的に老朽化が進んでいない施設を借りたからか、普通の研究所みたいだな」
麦野「ゴキブリとか出なそうよねえ。つっまんね」
一方通行「ゴキブリきめェだろ。ナニあれ。ベクトル操作してェのに触りたくもねェからマジむかつくンだが」
垣根「フルネームで呼べるお前らを尊敬するぜ。G。奴はGだ」
削板「コードネームGか。……あれ、ちょっとかっけえ」
御坂「どこがかっこいいのよ。あんなの黒光りする気持ち悪い物た――、!」
カササササッ
一同「!!!」
一方通行「噂をすれば影。はァン、よく言ったモンだ」
垣根「み、見ざる言わざる聞かざる! あれは奴じゃない、そう、ちょっとでかくて光沢の増したコオロギ!」
麦野「あっははははははっ!!!! おらおらおら、逃げろ逃げろたぁっぷりいたぶってやるからさぁぁぁあああああっ!!!!!」
チュドーン ドゥルルルルゥン バキュンバキュン
削板「……なあコーチ。耳のいいオレはあちこちから崩壊の音が聞こえてくるんだが」
土御門「奇遇だな。オレもどうやら今週世話になる宿舎はここじゃないらしいと気づき始めたよ」
御坂「ちょっと、誰かシズリ止めなさいよ。崩壊までのカウントダウンが始まってるじゃない」
バキュゥゥゥゥン スギャァァァァァン ドゴッドゥルルルルルルル
一方通行「どこぞの芸術家は言った――芸術とは爆発だァ、と」
垣根「なあ、その名言シリーズはまってんの? 慣用句にはまったわけ、んおぉぉおわぁぁぁああああああくるうううう!!!!」
カササササッカサッカッサカサ
麦野「あぁん? てめえ、カッキーのほうに行ってんじゃねえぞ、私と楽しい鬼ごっこの時間だろうがっ!」
ドギュバキュベキバゴッ
垣根「やめ、ちょっ、俺いる! 俺がいるからそのビーム加減しやがれってきっめえ! なにこの黒いのなんで俺に飛んで、飛んで!? は!? こいつ飛べんの飛行スキルあんのかよぉぉぉおお!!!」
カッサカサブゥゥーンカサッカサササカサブゥゥゥ
削板「……、すごいパーンチですのッ!!!」ドゴォッ
プチッ
369 = 364 :
数分後、病院跡
麦野「……悪かったとは思ってるわよ」
土御門「わかったならいい。ということで、今週お世話になる施設だ」
一方通行「ま、研究所より過ごしやすいかもしれねェなァ」
麦野「慰めなんていらねえよ。過ごしやすいわけないでしょ」
垣根「じゃあ俺が正直に言う。病院で合宿とかただの集団感染で入院した人々じゃねえか。ノロウイルスか」
麦野「やっぱ慰めろ労れエイズ知らず」
一方通行「うっわァ、今のは童貞呼ばわりよりきついぜェ」
削板「ともかく、合宿でオレ達が何をするのかが問題だな。それ次第で病院が天国にも地獄にもなるだろ」
御坂「え? 練習するのよね。それから曲作りじゃないの?」
土御門「まあ、だいたいそんなところだな。イッツー、曲の方はどうだ?」
一方通行「ン……ぼち」
麦野「ほほう。ぼちぼち、というほどではないと」
一方通行「そォなンだよなァ。めンどくせェンだよ、オタマジャクシ生むの」
垣根「俺の歌詞があまりにも素晴らしすぎるせいかもしれねえ。悪いな……」
一方通行「それはないわ。曲付けしやすい歌詞をどォもォ」
垣根「ふっ、やっぱりな。俺の歌詞はどんなアホでも曲をつけることができるくらい完璧ってことか……」
削板「根性ねえのかと思ったら打たれ強いだなんて、案外やるじゃねえか」
御坂「そこ認めるところじゃないと思うわよ。で、話戻すんだけど、病院で何を練習するのよ」
土御門「検診プレっぐふぁ!」
一方通行「はァい、ツチピーくンはわかってないみたいなンでもォ一度。オマエだけは、ボケに走ンな」
垣根「ツチピー亡き今! ここは俺が華麗にカキピーとしてテメェらをプロデュースするしかねえようだな!」
土御門「おいこら勝手に亡き者にすんな種」
麦野「お、プロデューサー公認じゃない。もうてめえはグループの種担当でいいんじゃねえの」
削板「自己紹介のときに『リーダーの種担当カッキーです』とか言うんだな。意味わかんねえな」
御坂「あ、そっか。ライブのときって誰がMCやるのかしら」
370 = 364 :
一方通行「オマエはまた随分先の話を……カッキーにやらしときゃいいだろォが」
麦野「口上手いもんね、種」
垣根「種種言ってるけどお前はその種を誰かからいずれ埋め込まれるかもしれねえんだぞ」
土御門「お前らほんと朝から絶好調だにゃー」
御坂「……じゃあとりあえず病院で練習するわけね? おいおい、無理でしょ」
一方通行「まず、練習ってェのは楽器隊かァ? それなら大広間ブチ抜きゃなンとかできるンじゃねェか」
土御門「楽器隊もそうだし、カッキーとミコト、ふたりはボーカルとして声を鍛える必要がある。何にせよ、広いスペースを確保しておくにこしたことはないな」
麦野「病院に広いスペース、ねえ……」
削板「無理だな。病院って叫んじゃだめな場所だろうが」
一方通行「……、なァ。俺さァ、ちょくちょくこいつが常識人っぽい発言することに抵抗あンだけどォ」
垣根「ああ、俺もある。イラッとするっつうか、お前が言うなっつうか、ちょっとこう……」
御坂「私からしてみたらあんたら全員どんぐりの背比べだっての」
土御門「オレからしたら、そのどんぐりにはミコトも含まれてるぜい」
麦野「はいはいお互い様お互い様。目下の最優先事項は寝床の確保じゃないかと思うんだけどさ」
垣根「寝床って、そこらじゅうにベッドあんじゃん」
削板「オレ、前からやってみたかったんだが、ちょっとやっていいか」
削板「必殺! ベッド渡りィィィィイイイ!!!!!」シュタギシッシュタギシギシシュタッ
土御門「……まあそりゃ、普通の病院ならしたくてもできないにゃー」
垣根「ちょ、あれ俺もやってくるわ」シュタギシギシッシュタシュタッ
麦野「……、……」ウズウズ
御坂「……シズリ、やりたいなら行ってくれば?」
麦野「は? いや、やりたくなんかねえっつの、でもあれよね、ベッドの強度確かめなきゃならないし」シュタシュタシュタドゴッギシシュタッ
一方通行「……、……」ソワソワ
土御門「……イッツー。いいぞべつに、バッテリーの充電器も持ってきてるから」
一方通行「お、おォ。いや、ちげェ、俺はちょっとベッドの強度確かめるだけだ」シュタシュタシュタッシュタシュタシュタッ
御坂「ひとりだけギシギシ鳴らないあたりもやしよね」
371 = 364 :
シュタシュタッギシシュタシュタッ
御坂「……ツチピー、これ何の合宿だったっけ」
土御門「バンドだぜい。もうなんか忍者になるための特訓みたいになってるんだがな」
御坂「こんな調子で一週間?」
土御門「面子が面子だから仕方がないだろう。まざってきてもいいぞ? 生暖かい目で見守ってやる」
御坂「あいつらにまざるなんて遠慮するわよ。ところで朝から気になってたんだけど……」
土御門「なんだ」
御坂「その、両手にぶら下げた紙袋には何がつまってるの?」
土御門「ああ、これか。これはな、俗に言うジャージだよ」
御坂(ああだめだ、まともなやつがいない)
・
・
・
一方通行「はァ、はァ……正直はしゃぎすぎた」ゼェゼェ
垣根「俺まだいける。90越えしたし」
削板「あっまいな、オレなんて120越えだ」
麦野「つい力みすぎてベッド破壊した私に対するあてつけかお前ら」
土御門「お疲れ様、べつにやれとは言ってないが体力はついたんじゃないか?」
一方通行「こンなンで体力つくなら俺は今頃超最強だボケ」
麦野「あれー? ちょっと、ミコトはどこ行ったわけ?」
土御門「女子トイレ。着替えてくるそうだ、お前らもほら」ポスン
削板「……? なんだこれ」
土御門「開ければわかる。これから一週間はそれを着て過ごせ、学園都市の最先端の技術でつくられたとっておきの……制服みたいなものだな」
垣根「ふうん、制服ねえ」ガサガサ
麦野「なら、私も着替えてくるわ」
一方通行「……女共がいねェならここで着替えても構わねェな」
削板「なんだ、意外と周囲に気を遣うんだなお前も」
372 = 364 :
一方通行「よ、っとォ……あン? 白に黒ラインのジャージ……だとォ?」
垣根「おっ、俺のかっけえわ。見てこれ、黒地にゴールドのライン。俺らしい配色だな」
削板「オレのほうがかっこいいぞ! 赤に白線! 紅白! さいっこーに紅白な気分だ!!」
土御門「配色はオレの独断と偏見で決めさせてもらった。不満があるか?」
一方通行「……、……カレーうどン」
垣根「あ?」
一方通行「これ着たら、カレーうどン食えねェじゃねェかァァァアアア!!!!」
削板「白だと目立つな、たしかに」
土御門「いや、その前にカレーうどんとか食うのかお前」
一方通行「そりゃ俺だってたまにはカレーとうどんを同時に食いてェなァとか思うかもしンねェだろ」
垣根「カレーうどん食う奴って、べつに両者を同時に食いたくてカレーうどん選択してるわけじゃなくね?」
一方通行「え、ちげェの? ドリアとかよォ、ライスとグラタンを同時に食いたいがために上に乗っけるンじゃねェのか」
削板「……そうかもしれない。否、そうに決まってる!」
土御門「そもそも、イッツーは普段からカレーうどんをなめてるようなTシャツじゃないのか」
一方通行「あァ? ……そォいやそォだな」
垣根「ところで女性陣の配色はどうなってんの?」
土御門「ん、ああ、今こっち来るぞ」
御坂「あんたらも着替えたのね」パタパタ
麦野「まあまあ似合ってんじゃない」カツカツ
削板「ミコトはピンクに白線か。なんとなく同類意識が芽生える配色だな」
御坂「あいにく紅白野郎に同類意識は芽生えないわよ。それより、シズリのオレンジとイエローのほうがかわいくない?」
麦野「私は普段もこんな色だし、パープルとかのほうがよかったんだけど」
一方通行「……イイなァ」
麦野「?」
一方通行「……オマエ、カレーうどンを何の心配もせずに食えるじゃねェか。イイなァおい」
麦野「」
373 = 364 :
一方通行「なンかマジうらやましくなってきたわ。カレーうどンを気にせず食えるって素晴らしいことですよォ? おら、もっと胸張れよ」
麦野「……、あんたは汁が飛んだらやばいわねえ」
一方通行「だいたいよォ、白って膨張色じゃねェか。なンかさァ……なァ?」
麦野「なァ、って言われてもねー。イッツーは細いから膨張色だろうがなんだろうがどうでもいいじゃないの」
垣根「お? なんだ、紙袋の底にパープルのジャージ入ってんぞ。どうするよこれ」
土御門「ああ、それはシズリの配色に悩んだ結果なんだが、本人は紫がいいらしいしな。換えるか?」
麦野「あ、いいの? チェンジできんならそっちのほうがいいわね」
一方通行「……、……」ウズウズ
土御門「……あー、なんだ。いいぞ、持ってっても。イッツーとシズリは身長差がそんなにないし、ジャージも着られるだろうし」
一方通行「! ……すまねェ、恩に着るぜ。カレーうどンを食す際にはこのジャージを着ることにするわ」
御坂「なんていうか、カレーうどんを食べる機会が訪れればいいわね。この一週間で」
削板「え、ないのか? 合宿ってことは飯もオレらで作るんだろ?」
垣根「えっなにそれ自炊?」
土御門「その通り。と言っても、お前達は五人しかいないからな。当番制にすることなく、毎食全員で作れよ」
麦野「だっるーい。シャケ弁頼んでいいかしら」
土御門「集団の和を乱す行為は禁ずる」
一方通行「なンという修学旅行……!!!」
御坂「でもまあ気分的には林間学校とかそっちよね」
垣根「待て、じゃあ今日から早速作らなきゃならねえんだろ? 材料は?」
土御門「ないな。この学区にはスーパーが一軒しかないから、後で買出しに行く必要がある」
削板「オレ買出し班な、買出し班!」
一方通行「全員で買出し行きゃイイだろォがよ。今日の献立はどォなってンですかァ?」
麦野「シャケ弁一択」
一方通行「オマエのそのシャケ弁に対する飽くなき追求心はどっから来ンの」
374 = 364 :
垣根「だりいし出前でよくね?」
土御門「べつに出前でもいいが、オレの分もよろしくにゃー」
削板「コーチの分くらい出すぞ。イッツーが」
一方通行「俺かよ。なンで俺だよ」
削板「金ありそうだから」
一方通行「金はあっけどよォ、借金もマジ半端ねェぞ俺は」
御坂「プラマイゼロ?」
一方通行「むしろマーイ」
麦野「……いたわねえそんな芸人」
垣根「芸人の移り変わりって激しいよなあ、音楽業界もだけどよ」
削板「オレたちはそんなに厳しい世界に身を投じるのか……! 根性がいるな! すんまっせーん根性追加でーっ!」
垣根「いらっしゃーせー、根性はこちらS、M、Lございますがどれになさいますか?」
削板「あ、Lでお願いします。ついでに愛もつけてもらえますか?」
垣根「こちら愛でございますが、別料金でよろしいでしょうか?」
削板「あ、金かかるんですか? じゃあ結構です」
垣根「根性Lおひとつですね?」
削板「おひとつです」
垣根「毎度ありー、八兆円になりま」
一方通行「おいコラオマエなンで知ってるなンでその金額選ンだおいふざけンな」
垣根「学園都市の暗部なめんなよ。もうやめたけど」
御坂「突発的にコントが始まったときはどうしようかと思ったわよ。微妙すぎて」
土御門「微妙なレベルすぎてツッコミさえ許されない領域だったにゃー」
麦野「なんか買出し行くの面倒になったな。シャケ弁頼もうよシャケ弁」
一方通行「ンじゃもォ焼き肉弁当でイイわ俺」
御坂「あー、出前でいいの?」
375 = 364 :
一方通行「出前出前。てェかもォ2時まわってンだなァ、昼と夜まとめて食うか」
垣根「うわ、マジだ。時間経つの早えな……合宿らしいこと何もしてねえのに。ていうか俺らどうやって寝んの? 枕投げするよな?」
削板「おう、するする。じゃあ同じ病室で寝たほうがいいんじゃねえのか」
麦野「げっ……でも枕投げはやりたいな。ボッコボコにしてやるよ、誰をとは言わないけどね」
垣根「俺を凝視しながら言ってる時点で俺をボコる気が見え見えなんだけど」
御坂「病室で寝る超能力者達……なんつー構図よ。考えられないわ」
土御門「あーもうじゃあ出前取るぞ。各自食いたいの言えー」
真っ先に麦野がシャケ弁と連呼し、続いて一方通行が焼き肉弁当の名を挙げた。そして垣根が特上寿司を頼んだことで御坂が便乗し、削板はカツ丼を注文する。
てんでバラバラな連中だと吐き捨てながら、土御門はさりげなく自分も鉄火丼を頼んでいる。しかも高い鮪を使用した鉄火丼だ。払うのは一方通行である。
土御門が出前を電話で頼んでいる間に、超能力者達は誰がどのベッドに寝るかを真剣に話し合いはじめていた。
端を選ぶと枕投げに参加した場合は飛ばし難いが、参加しないのなら安全地帯である。繰り広げられる枕投げを気にすることなく眠れるのだから。
我関せずと御坂が端っこのベッドの使用権を主張した。彼女は一番年下であるせいか、早く寝たいようだ。
「なあに~? あんた、枕投げに参加しないっての? 逃げるわけ? 逃げるんだ、逃げちゃうんだー」
麦野がからかうような調子で御坂を挑発するが、どうやら御坂は思いのほか芯の強い少女らしく、「いや、寝るわ」の一点張りだ。
「なんだよつまんねーな……この中で誰がキングオブスローイングピローか、ここで決着をつけようじゃねえか」
垣根も御坂を誘うが、御坂は首を振るだけだった。そもそもキングオブスローイングピローとは何なのか、枕投げ一位じゃだめなのか、と思ったことは秘密である。
さて、ここで物体を単純に『投げる』ことにおいて右に出るものなどいない一方通行が口端を歪め、笑った。
「はっはァ、イイぜイイぜ。雑魚なンざ何人いよォがこの俺の前では無能――キングオブスローイングピローは、俺だァ!」
「あ、やっぱ私中央のベッドで。雑魚が何人いようが変わらないのよね? だったら枕に鉄仕込んだっていいのよね?」
一方通行の高らかな宣誓の後、すぐさま枕投げ参加を選択した御坂はたしかに比較的常識人ではあるが、他の超能力者同様に負けん気が強かった。
化け物と称される彼ら。超能力者になるために必要なものは、誰よりも完璧な『自分だけの現実』を構築できる思い込みの強さである。
つまり、ここにいる連中はみな、とにもかくにも気が強いのだ。頑固なんてレベルでは済まされないほどに。
同様に、全員、自意識だって高いわけで。
「何を言ってんだよお前らは……きんぐおぶすろぉいんぐぴろぉはこのオレ、削板軍覇を除いて他にいない!!!」
削板が堂々と声を張って告げた。おい、発音うまくねえぞお前、と垣根が小さくツッコミを入れたが、もとより聞く削板ではない。
gutsの発音がやけに上手かったのはどうしてだろう、と御坂は考えながらも「私がクイーンよ」と名乗りを上げる。
バカか、テメェはせいぜいプリンセス気取ってろクイーンは私だ。そう見下し、麦野は頂点に立つ人間の微笑みを浮かべた。
第四回(合宿)、第一日目中間終了
376 = 364 :
あれ……? なんか普段より少ねえなこれwwwwおかしいな、けっこう書いたつもりだったのにwwwwwww
なんか合宿長くなりそうだよな! うん! 俺が一番わかってる!!! gdgdいきそうだな!!!!!
水曜あたりに続き投下できたらいいよな!!!!!
んじゃなー!!!!!
377 :
乙、スゴい乙!
水曜か…楽しみにしてるぜ!!
378 :
乙
もうみんな可愛い過ぎる…
合宿に混ざりたいぜ
379 :
枕を『投げる』ということは超私の出番ですね
380 :
カレーうどんとコント吹いたwwwww
どっから出てくんだよそんなネタwwwwwwww
382 :
廃墟に点在しているコンビニが営業しているのかと思って凄いシュールだと思った。
あれ……? もしかして本当に営業してるの?
383 :
金飲み込む自販機が改善されたり撤去されたりしないんだから人が来ないコンビニもあるんだろう
384 :
おつー。
麦のんと一通さん馬合うなあ
385 :
乙ー
一通さんの枕投げ
そして寝顔
ふ ふふふ うふふふふふふ
387 :
黒子とあわきんのフラグがビンビンだが…
これは…ゴクリ
396 :
乙だぜぃ!
397 :
うwwwwwwなwwwwwwwwばwwwwwwwwらwwwwww
398 :
なんで平仮名なんだよwwwwwwwww
399 :
北欧と三重の違いが分からん
400 :
ミサッターとかww
シスッターの方がしっくりくんのは俺だけか?
みんなの評価 : ★★★
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