元スレアレイスター「超能力者達にバンドを組ませる――『最終計画』だ」土御門「」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
201 :
まじでLEVEL5だけのキャラソン出たら買うわ
202 :
ぜってーそれ削板が戦隊モノのになるだろってのは置いといて
禁書のキャラソンはアーカイブ2みたいな感じででてほしいな
204 :
ビリィ?誰それ?
作者が名乗ってもいないのに特定しようとするってどうかと思う
205 :
ここまで見てきてビリィと思えるお前は凄いよ
あと>>1的にはsage推奨だって
206 :
特定するなら心の中でしとけよ
ましてやお前が言ってる作者なら前スレの惨状思い返せよ
207 :
10000人のシスターズによるコーラス
208 :
>>207
・・・・・おいやめとけしねるぞ
209 :
グレゴリオの聖歌隊の出番か。
211 :
みんな同じこえうわなにをするやめろ
212 :
しかもMNWで同期を取るだろうから、波長が重なって大音量に
ってのは、音速や喉の調子の関係でならないかwwwwww
213 :
一万人の脳波リンクによる演算で、特定の位置だけ強烈な破壊力が出るような声の重ね方を
ってバンド話のスレで何を言っているんだろう俺
214 :
生で擬似多重コーラスワークができるなんて、某レーヴァテイルも真っ青ですね
215 :
level42どうなるんだよ・・・
マークキングェ・・・
216 :
ペーペッ、ペッペッペッツペどぅるどぅるどぅーどぅー
217 :
もうそろそろ来てくれるかなwktk
アイテムでガールズバンドっていうとチャットモンチーみたいな感じ?
218 :
前回の投下が早かったからな
今一番楽しみにしてるスレだから気長に待ってる
219 :
こんばんはお前ら
なんだかんだで一週間ってけっこう短いな!
んじゃ投下してくわ!!!
220 = 219 :
麦野沈利は一抹の不安を覚えつつも指定されたホテルへと足をすすめていた。高級ホテルばかりが立ち並ぶ第三学区。
垣根帝督が現在生活しているホテルもこの学区に存在し、同様に麦野もこの学区に居住している。
もっとも、言い出せば「え、どこ住んでんのお前。近く?」と軽い調子で訊かれそうなため、彼女は決して彼にだけは口外しないと決めていた。
したがって、自分の街と化している第三学区を迷わずに歩く麦野だが、その足取りは少し重い。
「……嫌な予感がするなあ」
今日は垣根が作詞したという歌詞をメンバーに披露する日である。どうも、あの男にちゃんとした歌詞が書けるようには思えないのだ。
くだらない言葉の羅列だったらどうしてやろうかと麦野は考え、ふふっと微笑む。正当な理由で垣根に報復を果たせるならば、それに越したことはない。
ところで、歌詞ができたとなれば曲も作る必要があるわけだが、誰が作曲を担当することになるのだろう?
「ま、私はやんないけどさ」
やりたくもないし、と心中で付け加え、麦野は目的地の前に立つ白い影を認めた。今回真っ先に到着したのは第一位様のようだ。
片手を振ると、向こうも気づいたのか軽く杖を上げている。
彼が学園都市から与えられた『条件』は、失われた能力を十二時間完全なものにする――という内容であったはずだが、あまり使いたくないのかもしれない。
麦野が見るかぎり、一方通行が能力を使用して杖無しで歩いている様子はなかった。節約しているという線もあるが、なんとなく違う気がする。
某月某日、とある高級ホテル前
一方通行「案外早ェじゃねェか、……シズリ」
麦野「ああ、うちがここからそう遠くない場所にあるからね。イッツーこそ一番乗りじゃないの」
一方通行(一週間が経過していながらためらいなく愛称で呼ンだ……だと……!?)
麦野(まだ三十分前なんだけど、こいつ何時にきたんだろう)
一方通行「まァな。ついさっき来たンだが」
麦野「へえ。ところで楽譜は読めるようになったわけ?」
一方通行「おォ。あンな簡単なモン、一時間足らずで理解できたってェの」
麦野「まああんたならそうだろうね。ソギーのほうは不安が残るんだけど……ツチピーって教えるの上手?」
一方通行「知らねえよ。下手ではねェと思うが、取り立てて上手いっていうほどでもねェだろ、多分」
麦野「最悪の場合、ドラムは浜面にでも頼もっかな。あいつのほうがまだやれそうだし」
一方通行「はまづら?」
麦野「うちの下っ端で、全体的にチンピラじみてんの。ていうかチンピラ。無能力者でさ」
一方通行「はまづらとやらに興味はねェが、愛称をつけるとしたら」
221 = 219 :
麦野・一方「「ハマー」」
一方通行「だよなァ」
麦野「しかないよねえ。しかも違和感ないし」
一方通行「あァ、イッツーだのシズリだのに慣れちまってるからなァ。『グループ』の仕事で土御門のことをツチピーって呼ンじまったときの空気といったら」
麦野「……きっつー」
一方通行「あっちも思わずイッツーで返してきやがってよォ……ふたりの間に何が!? みてェな……思い出したら吐き気してきた」
麦野「反射ってこわ、あ。ミコトだ」
タッタッタッタッ
御坂「ふう、三番目みたいね。ふたりとも早くない?」
一方通行「待ち合わせに三十分前に来ンのは常識だろォが」
麦野「あ、私はただ早く来ただけよ」
御坂「まあいいわ。それより、こっち来るときにツチピーに会ったんだけど」
一方通行「あン?」
御坂「えっと、あの馬鹿、じゃない……んーと、知り合いと一緒にしなきゃならないことがあるとか言ってて」
麦野(嫌な予感がしてきた)
御坂「それで、今日は来れないんだって言ってたわよ」
一方通行「」
麦野「」
御坂「プロデューサーがいないってどうなのよ。まあ、一応来ちゃったし第三回目の集会は行うけど……って、おーい?」ヒラヒラ
一方通行「……、……」ポカーン
麦野「……、……」キョトーン
御坂「ねえ、さすがに驚きすぎじゃないの?」
一方通行「こンの馬鹿野郎ォ! ツッコミがいねェンだぞ!?」
麦野「ツチピー以外の誰がソギーとカッキーを止めるのよ!」
御坂「あー……ほら、でもソギーはともかくカッキーはわりと常識人っぽいじゃない?」
222 = 219 :
一方通行「イイぜェ、オマエがカッキーを常識人だと思ってンなら――そのクソったれな幻想をブチ殺す!」
麦野「なにそれ」
一方通行「そげぶ」
御坂(こいつなんだかんだであの馬鹿のこと気に入ってたのかしら)
麦野「ま、いいや。ミコト、あんたカッキーのこと全然わかってないみたいだから言うけど、あいつは非常識だよ」
一方通行「決め台詞が『俺の未元物質に常識は通用しねえ』だからな。通用しねェことを誇ってンだ、あいつは」
麦野「どうせちゃらちゃらした歌詞なんじゃないのかにゃーん。君だけを愛してる、もう二度と離さないと誓うよ……とか」
一方通行「たとえ離れ離れになってもちゃンと繋がってるから、とか」
麦野「君しか見えない、俺のすべてをいま君に捧げよう……とか」
一方通行「あァ、童貞も捧げるンだろォな」
麦野「重い愛だわ、まったく」
御坂「本人がいないのをいいことにあることないこと言いまくりよね」
一方通行「むしろ本人目の前のほうが言えンじゃねェか、こォいうのはよォ」
麦野「……今ふと思いついたんだけど!」
一方通行「あァ?」
麦野「カッキーの能力名、未元物質を略したらDMじゃない。それって『童貞です、マジで』の略になんない!?」
一方通行「!!!」
御坂「」
一方通行「す、すげェ……あいつパネェな……! 自らの能力名を省略したとき、真の価値が見出せるってかァ……!!!」
麦野「まったく、私なんかじゃ足元にも及ばないわけよ。自ら童貞アピってんだしさ」
御坂「いや真の価値見出してないしアピってないと思う」
一方通行「いやはや御見それしましたァ、あいつ来たらもォ褒め称えるしかねェわ」
麦野「よっ、童貞! って声かけてあげてもいいレベル」
御坂(なるほど、たしかにツチピーがいない弊害が発生したわね)
223 = 219 :
一方通行「とまァ、いねェやつでのブラックジョークはここまでにしといて、本題だ」
御坂「待てこら本気だったでしょあんたら」
麦野「なに言ってんのミコト。本気ならもっとえげつない言葉の応酬だって」
御坂「……、……」
一方通行「ンでな、ツチピーがいねェってことは……具体的に言えば、進行役がいねェってことだろォ」
麦野「そうなるね。なんだかんだで第一回も第二回もあいつが仕切ってくれてたし」
御坂「それはたしかに問題だと思うけど。そもそも今日って歌詞確認だけじゃない?」
一方通行「だァかァらァー、オマエホントわかってねェな。ダメだわ。ダメダメダメ」
御坂「ダメ連呼しないでくれる!?」イラッ
一方通行「あのカッキーが真剣な歌詞書いてくるわけねェだろ、常識的に考えて」
麦野「そうそう、きめえ歌詞に決まってんだよダークマター的に考えて」
御坂「そうかなあ……案外普通の、無難な歌詞だと信じたいわ」
削板「いやー無理だろ。あいつに限って」
一方通行「だよなァ。だって身なりからしてホスト気取ってンもンあいつ」
麦野「今時ホストはないよね。ちょっとイケメンだからって調子乗ってんじゃねーよマジで」
削板「だいたいあいつ根性なさすぎだろ。細いし」
御坂「……、ん?」
一方通行「おいオマエ俺に喧嘩売ってンですかァ? イイぜイイぜ、かかってき……」
麦野「あはは、天下の第一位に挑もうなんてあんたも馬鹿じゃ……」
削板「どうした、挑発したならそっちからかかってこい! オレがすべて根性で受け止めてやるよ」
一方通行「……、え?」
麦野「……、へ?」
削板「……、お?」
御坂「……、なんで違和感なく会話にまざってんだあんたはああああああっ!!!」ビリビリビリッ
削板「アウチッ」
224 = 219 :
一方通行「自然すぎてまったく気づかなかったンだが」
削板「周囲の溶け込むことも生きていくうえでは重要だからな」
麦野「なんつーか……ソギーの口からそんな言葉を聞くと居た堪れないわね」
御坂「ま、まあともかく! ね! あとはカッキーさえくればいいのよ」
垣根「あ、はいはーい。俺いるぜー」ノシ
一方通行「おォ、これで全員揃ったじゃねェか。ンじゃ入るとするか」カツカツ
麦野「このホテルまだ入ったことないし、どんな内装してんのかしら」スタスタ
削板「金は適当にコーチが出してるのか?」ダッダッダッ
垣根「コーチ? って誰のことだ、つうかツチピー待たなくていいのかよ」スタスタスタ
御坂「……なんで誰一人カッキーがいつからいたのかとかつっこまないの……?」トテトテ
ホテルフロント
一方通行「ここは一番遅れてきやがったカッキーが負担するってェことで、異論はねェな?」
削板「まったくない」
麦野「むしろ大賛成」
御坂「もうどっちだっていいわよ……」
垣根「えっなにそれお前らひどくね? まあいいけど」スッ
受付「ご予約のほうは?」
垣根「予約? ちょ、予約してんの? なあどうなの?」
一方通行「してンの?」
削板「さあ?」
麦野「知らなーい」
御坂(ほんとまとまりないわね)
垣根「うわ、こいつらマジ無能だわ。すんません、ちょっとわかんないんですけど」
225 = 219 :
受付「わからない……? 失礼ですが、ご年齢を確認させていただいてもよろしいでしょうか」
垣根「へ? あ、いや、ちょっと待ってください今アレ出しますんでアレ」
一方通行「あいつ更年期障害だと思われてンじゃねェの」
麦野「だっせ、ジジィかよ」
削板「根性無しのいい例だな」
御坂「というか、待ち合わせ場所に指定してたんだし、ツチピーが予約してると思うんだけど。すみません、ちょっといいですか?」
受付「あ、はい。ご予約はなされていますか?」
御坂「えーっと……土御門で予約していた者ですが」
垣根「や、待って俺今年齢証明できるアレ探してるからちょっと、」
受付「土御門様ですね、お待ちしておりました。こちら部屋のカードキーでございます、どうぞ」スッ
御坂「ありがとうございます」
垣根「」
一方通行「すげェな、ツチピーの用意周到さにビビるわ」カツカツ
削板「そりゃコーチだからな。そういえばホテルはすでに予約取ったとか言ってた、うん、思い出した」スタスタ
麦野「こうでもなきゃ、私らLEVEL5のプロデューサーにもなれないっての」スタスタ
御坂「じゃあさっさと部屋に行きましょ」スタスタ
垣根「……俺、ただ恥晒しただけじゃねえのかこれ」スタスタスタ
受付「ごゆっくりどうぞー」
とある一室
麦野「んー……ま、この学区のホテルでいえばそこそこってとこ?」
御坂「まあいいんじゃないかしら。各自で適当に腰を下ろせるし」
一方通行「この布団やけにばふンばふンしてンだけど」バフバフ
削板「おおっ、半端ないばふばふ!」バフッバフッ
垣根「はっ、これだからホテル慣れしてねえやつは……うお」バフッバフン
一方通行「さりげなく確かめて感動してンじゃねェよボケ」
226 = 219 :
垣根「なあなあ、ツチピーいねえけどいいの?」
御坂「ツチピーなら今日は用事でこれなくなったって言ってたわよ。だから今日は私達だけ」
一方通行「正直不安しかねェが、数少ねェ常識人たるこの俺がいンだからなンとかなるだろ」
麦野「私も数少ない常識人だから安心していいわ」
削板「かくいうオレも常識人で」
御坂「あんたらがみんな常識人なら私は超常識人よバカ」
一方通行「バカっつったほォがバカだバカ」
麦野「待ってイッツー、そう返すとあんたまでバカになるのよ」
垣根「バーカバーカ」
一方通行「バカってェか馬鹿、むしろ莫迦だなオマエら。俺は言葉のベクトルさえも操れますゥ」
削板「なにそれすごくね!?」
一方通行「はン、俺のすごさに今気づいたのかオマエ」
削板「どうしたら言葉を反射できるんだ!?」
一方通行「まァすっげェ簡単に言うとォ……」
削板「簡単に、言うと……?」
一方通行「心を閉ざす」
御坂「それ言葉反射してないっつうのおおおおおおおお!!!!!!」バフンッ
垣根「のわっ! やめ、ベッドの布団引っ張るの禁止!」バフバフバフッ
麦野「ふう、ここの紅茶は悪くないかな」ゴクゴク
一方通行「ブラックねェの、ブラック」ガサガサ
削板「じゃあオレ麦茶でいいや」トポポポ
御坂「ああもう収拾つかないんだからもったいぶってないで歌詞発表しなさいよメルヘンが!」バフッバフバフ
垣根「んなっ! お前俺の能力見たことないくせにメルヘンとかふざけんなよ野生のピカチュウもどきが! 頬に電気でも溜めてろ!」バフンバフン
麦野「ミコトぉー、紅茶いるー?」
御坂「あ、お願い」バフピタッ
227 = 219 :
一方通行「ン。けっこォうめェ」ゴクゴク
削板「麦茶飲んでると夏な気分になれるのオレだけ?」
垣根「……、……」チラッ
麦野「香りもいいんだよね、これ」
御坂「あ、おいしい。こんなホテルでいい紅茶を飲めるなんて」
垣根「……、……」チラチラッ
一方通行「ナニ、そンなうめェの紅茶」
麦野「久々に高評価かな。飲む?」
削板「オレも飲むー」
御坂「はい、どうぞ」コポポポポ
垣根「……、……」バフバフバフバフ
一方通行(あァ、まざりてェンだろォなァ)
麦野(でもああやって不貞腐れてるほうがスカッとするわ)
削板(あいつなんか気取ってワイン飲みそうじゃねえ?)
御坂(でもまあ未成年だし……)
垣根「あーのどかわいたー」バフバフバフバフバフ、チラリ
御坂「……、……」
垣根「あーなんかのみてえかもー」バフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフ、チラリ
麦野「……、……」
垣根「あーごほっ、ごほん、のどいてえー」バフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフンッ
削板「……、……」
垣根「あーこうちゃてきなものがのみ」
一方通行「ンなに飲みてェなら自分で注げやクソったれェェェェエエエ!!!!」バシャッ
垣根「うぎゃああああああああっづ! 熱い! 顔面からほのかに紅茶のいい香りがああああああ!」
一方通行「よかったじゃねェか、紅茶の香りのおかげでオマエのくっせェ香水も中和されてンじゃねェの?」
麦野「あ、カップないから直に飲めよ」
垣根「……なあ、お前根に持ちすぎじゃね? たしかに俺お前のこと二回くらいぶっ倒したけどカップくらいくれてもいいだろ!?」コポポポポ
228 = 219 :
十数分後
御坂「さて、一服したところで早速歌詞を見せてもらおうじゃない」
垣根「えっ、もうちょっと焦らさねえか普通」
一方通行「どォせオマエの歌詞だし誰も期待してねェから焦らす意味もねェぞ」
麦野「愛してる、君だけを……とかきめえから無しな」
垣根「!」ギクリ
削板「今なんか若干肩がびくつかなかったか?」
垣根「きっ、気のせいだ」
一方通行「君に出会うために生まれてきたンだ……も気色悪りィから却下なァ」
垣根「!?」ギクギクリ
御坂「ねえ、今一瞬目を見開かなかった?」
垣根「ききっ、気のせいだ」
一方通行「ホントさァ、ここで焦らしても仕方ねェだろカッキーよォ。オマエ、リーダーなンですよね?」
垣根「うっ……リーダーですけど」
一方通行「なら、さっさと腹ァ括って歌詞見せろ。ポケットからはみ出してるルーズリーフの端っこが気になってンだよ俺は」
垣根「うっそ見えてた!? うわ、俺はっず」
麦野「むしろわざと見せてんだろてめえってくらい見えてんだけど」
削板「てっきり早く指摘してもらいたいんだろうと思って、オレはあえて触れなかったんだが」
御坂「さりげなくサディスティックな発言かました!?」
垣根「……、しょうがねえな。実はよ、二つ書いてきたんだ」ガサゴソ
一方通行「どンだけポエマーなンだよ、書いてねェのかと思って心配した俺の優しさを利子つけて返せ」
麦野「じゃあとっとと寄越して。音読してあげるから」ヒラヒラ
垣根「……はいどーぞ」スッ
一方通行「もうひとつは俺が読む」バッ
御坂(なんだろう背筋がぞわってきた)
削板(ルーズリーフ、折りたたんでたせいかすげえぐしゃぐしゃじゃねえか)
229 = 219 :
麦野「えーっと、じゃあ……曲名からいっちゃうけどいい?」
御坂「どうぞどうぞ」
垣根「キャー」
削板「カッキーなんか気持ち悪いぞ」
一方通行「……、……」グシャリ
麦野「『今すべての問題をかなぐり捨てて会いに行くから』」
垣根「キャー」
御坂「え、それタイトル?」
麦野「みたいね。んじゃさくっといこうか。
『明るい色が似合うと笑うから その日から染め続けている茶髪
軽い口調が好きだと告げるから その日からずっとチャラいんだ俺
知らず知らずのうちに 俺のすべてが君仕様になってて
そんな情けないことさえも なんだかすごく嬉しくなって
君が笑う 俺も笑う
君が泣いて 俺も泣いた
君に会えたこの奇跡は必然 神様が敷いたレールの作戦
電話越しの君 声がふにゃり
思わず携帯 握り締めぐしゃり
君に会うために生まれてきたんだ
そう 会いに行くよ
今 飛んでく君のもと
君の心はいつも見えなくて まるで未だ知らぬ物質のようで
ダークな君のココロはマターだらけ だけどライトに攻めるぜノープロブレム
君が泣いてる だから行かなくちゃ
君が呼んでる だから飛ばなくちゃ
すべての(オール)問題(マター)をブチ壊せ(ブレイカー)、俺!』……これで終わりみたい」
垣根「キャー」
削板「コメントしづらいな……なんていうか……なんだろう……すげえイライラする」
御坂「つ、次! イッツー読んで!」
230 = 219 :
一方通行「……、……」ガサガサ
垣根「キャー」
一方通行「……はァ……」
麦野「読む前からため息つかないでよ……」
一方通行「今ざっと目ェ通したンだけどよォ……」
削板「またさっきのみたいなムカつくラブソングなのか!? だったら破るぞ」
垣根「ムカつくってお前! 俺が超一生懸命ひねり出した純愛ものをムカつくってお前!」
御坂「いや、でもまったく共感できなかったし」
垣根「嘘だろ!? あれちょっと実話入ってんのに!」
一方通行「だからうぜェンだよ。てェかなンだよダークな君のココロはマターだらけって。相手のこと腹黒扱いしてンじゃねェか……」
麦野「ていうかやっぱり愛が重い」
垣根「おもっ……!?」
削板「正直に言うと、こんな歌歌われたらドン引きだと思う」
垣根「ド、ン引き……? な、なあ、ドン引き!?」
御坂「うーん……歌うひとにもよる、かな」
垣根「あ、じゃあ俺大丈夫だわ。イケメンだから」
御坂「チェンジで」
垣根「なにそれひでえ」
一方通行「あのさァ……」
垣根「なんだよもう」
一方通行「本音で答えてほしいンだけど」
垣根「だからなんだよ」
一方通行「オマエ、バンド『LEVEL5』を私設楽隊かなンかと勘違いしてねェ?」
垣根「!!!」ビクリ
麦野「マジかよ」
231 = 219 :
一方通行「一応読むぜ、読むけどよォ。ねェわ。ない。ありえない。あっりえねェ。きめェとか以前にねェわ」
垣根「そこまで言うか!? そっちは自信作なんだけど!」
麦野「今この瞬間に少しの希望が潰えたわ。さ、イッツー読んじゃって」
一方通行「あァ。『D.M.』、これがタイトルらしいンだが、まァつっこまずにいくぜェ……
『スペアなんかじゃ物足りねえ 狙うはメイン 頂点だ
誰もが抱えてる夢ってやつを クソったれな俺も持ってんだ
そこのシャイなお嬢さん ちょっとそこで俺とお茶しようぜ
マジでどうにかなっちまう なんで俺がスペアなんだ
ムゲンに広がるこの大空に ミゲンの翼を広げる今
つかめるはずさ おそれないで
手を伸ばせ 翼も伸ばせ 夢をつくれ
Yes,we can make a dream!
Yes,we will be a dream maker!!!
ムゲンに広げるこの翼 ミゲンの世界が俺を待ってる
いけるはずだ おそれずに
足を踏み出せ 翼羽ばたかせ 夢をつかめ
So,I can make a darkmatter!
So,I will be a dark matter!!!』……、らしい」
垣根「キャー」
麦野「……、……」
御坂「……、……」
削板「……、……」
一方通行「……、……」
垣根「どうよ? ムゲンとミゲン、うまくね?」
麦野「……ラスト」
垣根「ん?」
麦野「ラスト、最終的に第二の未元物質になってんじゃねえかよぉぉぉぉおおおおおっ!!!!!」
一方通行「ですよねェ……ナニ? ダークマターつくれる? ダークマターになるでしょう? ふっざけンなよブチ殺すぞ」
削板「つーかこれ、お前のテーマソングでいいんじゃねえのかもう」
垣根「えっやっぱそう思う? だよな、これ書いてて俺もすげえ俺っぽいなって思った。だからタイトルD.M.なんだけどな」
232 = 219 :
麦野「『童貞です、マジで』の略だろどうせ」
垣根「ちっげええええええ!!!!! ドリームメイカーの略! あとはこっそりダークマター!!!!!」
削板「なんだ、デュエルマスターの略じゃなかったのか」
一方通行「タイトルで自己アピールとか……ねェわ」
御坂「最初のやつのほうがまだましに思えてくる……不思議」
垣根「なあ、お前らなんでそんな呆れた目で見てくんの? 俺作詞の才能けっこうあるだろ」
一方通行「ねェよボケカスクソったれ死ンじまえ」
麦野「一応歌詞にはなってた、そこだけは評価するわ。あとは評価できやしない」
削板「ここはいっそ戦隊系でいこうぜ。燃えるレッドー、すごいパーンチ! とか」
御坂「うん、そっちのほうがいいって思えちゃうから困るわね」
垣根「なにこの低評価……予想外すぎんだけど……もっとキャーとかワーとかさすがカッキーとかカッキー帝とか」
一方通行「夢つくる前に現実見よォかバカッキーくン?」
麦野「はあ……案の定、って感じかな。どうする? 私らじゃこんなのどうしようもできないっての」
御坂「そうね、やっぱりツチピーが必要じゃない?」
垣根「だったらもういっそ俺がプロデューサー兼ねるわ。今から垣根Pって呼べよテメェら!」
削板「カキピー?」
麦野「柿ピー?」
一方通行「ハイハイ、柿の種は黙ってピーナッツ選り分けてろボケ」
垣根「お前らほんと俺が温厚だからって調子乗ってんじゃねえぞいつか死なす」
233 = 219 :
御坂「とりあえず、ツチピーを召喚しましょ。誰か連絡先知ってるひとー」
削板「コーチの連絡先ならオレが知ってる! 一週間みっちり習ってたからな!」
一方通行「あァ、まァ俺のは『仕事』用のだかンなァ。ソギーのほォが適任じゃねェの」
削板「任せろ、根性で電波を飛ばす」ピッポッパッ
御坂「このホテル電波悪いわねー」ビリビリ
麦野「あ、バリ3になった」
一方通行「便利だなァ発電能力」
御坂「それほどでも」
削板「……、……」プープーッ
一方通行「どォした、出ねェのか」
削板「出ない。なんかプープーいってる」
垣根「お取り込み中じゃねえの。ナニしてんだろうな~」
麦野「種黙れ」
垣根「なにそれ卑猥」
御坂「種が卑猥ってそん……、……」
一方通行「あー、たしかに種だな」
御坂「言わないでよ!?」
麦野「せ、い、し」
御坂「だから言わないでって言ったのにぃぃぃぃいいいっ!!!」ガバッバフン
垣根「ミコトが布団奪った……テメェふっざけんなあああああ!!!!!」バフバフバフバフ
234 = 219 :
削板「……、だめだ、つながんねえ」
一方通行「もォいっかい、もォいっかーい」
削板「わかってるって。まあ待てよ」
削板軍覇は学園都市から支給されている携帯電話を不慣れな指使いで操作する。
というのも彼自身は携帯電話を使うことがほとんどないためにそもそも携帯電話を所持していなかったせいである。
彼の携帯電話使用歴は短い。
ともかく、携帯電話のボタンをぽちぽちと押し、耳に当てる削板を見守る超能力者達の顔は真剣そのものだった。
土御門元春がいかに大切な存在であったかを身をもって体験した彼らは、ひとを容易に信じることのできない人間ばかりが集まっているはずだが、今は一致団結していた。
救世主――ツチピーの降臨を待ち望んでいるのだ。さながらキリストの再誕を願い続けた信者のように。
プー、プー、と無機質な音を出していた削板の携帯が変化を伝えた。
プルルルルルル。プルルルルルルル。
垣根以外の一同の瞳に光が灯る。
次の瞬間、ここ数日ですっかり耳に馴染んだ、メシアの声がすとんと落ちてきた。
『はいもしもし、こちら土御、じゃなかったツチピーだが』
ワァァァァアアア! と垣根を除く全員が謎の興奮に包まれ、ある者は飛び上がり、ある者は隣人と抱き合い、ある者はルーズリーフを思いっきり破った。
垣根だけは釈然としないような顔で残りの連中を見ていたが、その眼差しには「どうして自分の歌詞が認められないのか」という不満がありありと表れている。
「オレ! ソギー! 今! ホテルにいるの!」
『メリーさんかお前は……で、話し合いはどうだ? 順調かにゃー?』
「全然! だから! きて!」
『……だろうと思ったよ。わかった、今から行く』
土御門の了承を得たところで、一方通行が大きくガッツポーズをし、電極のスイッチを切り替える。
つまり、ここからが本領発揮。本当の話し合いのはじまりを告げる音が、カチリと小さく響いた。
第三回前半・終了
235 = 219 :
結局土御門がいないとどうしようもないよなっていう……そういう前半戦……
いやなんつーか一週間かけてこれかよみたいな、ほんと申し訳ないんだけどな!
まあこれバンドっていう体を借りたgdgdレベル5達みたいなもんだし!!!
俺に詩なんて無理だったっつー話で!!!!!
んじゃな!
おやすみ!
236 :
乙ー
一曲目でリア充氏ねって思ったが二曲目でただのイケメルヘンだと知ったwwwwwwwwwwww
237 :
ある者はルーズリーフを破ったってwwwwwwwwwwwwww
238 :
最高すぎる
239 :
凄く面白かったわww
240 :
さすがメルヘンさん頭おかしい
いやまあ
作詞が大作だったわけで
マイペースに進めてくださいな。
241 :
なあ軍覇の電話が可愛すぎて死にそうになったの俺だけか
242 :
乙ー
つーかめちゃくちゃ楽しそうだなwwww
にやけちまうww
243 :
久々に吹きましたwww
最高に面白いっすwww
カッキーマジでパねェわ。
244 :
何気に毎回ミサカをいじる麦のんに期待してる俺がいる
245 :
なんかのサナギ
246 :
グループの仕事でツチピーとイッツーって呼び合ってんの想像して吹いたwwww
247 :
二つ目の歌詞ちょっと良いかも、とか思っちゃったんだけど…
248 :
ミサカネットワークでていとくんの歌詞を晒してしまいたい
249 :
構わんやれ
250 :
スネークなら忍び込んでると信じてる
みんなの評価 : ★★★
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