元スレアレイスター「超能力者達にバンドを組ませる――『最終計画』だ」土御門「」
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851 = 846 :
御坂「あー、えっとさあ。話戻していい?」
垣根「おお、そういやさっき何か言いかけてたよな。聞いてやるよ、なんだ?」
御坂「……前に。中途半端な気持ちでやるならやめろって、言ったじゃない」
垣根「前にっつうか今でも思ってるんだけどよ、やめる気にでもなったか」
御坂「逆よ。やってやろうじゃないの、もう全部吹っ切れたわ」
垣根(多分向こうに幻想殺しがいるって知ったら揺れんだろうな)
御坂「だいたい、私はレベル1からレベル5にのし上がったんだからね。音楽だって同じよ」
垣根「音楽を軽んじているかのような発言だなおい」
御坂「そうじゃないわよ。それくらい本気でやってやる、って言ってんの――だから」
垣根「だから?」
御坂「とりあえず、正直な評価を下すけど……あんたより私のほうがギター上手いと思うし、リードギターは私でいいわよね?」
垣根「それはだめ」
御坂「」イラッ
垣根「俺はリーダーだからソロも俺がやるんですう」
御坂「さっきからリーダーリーダーってあんたねえ……私より下手なくせにボーカルやってソロなんかやったらバンドどして質が下がるっつってんの!」
垣根「んなっ……わかった、そこまで言うなら他の連中にリードギターを決めさせようじゃねえか絶望しろコラァァァアアア!!!!!」
コンコン ギィー
一方通行「なンか呼ばれた気ィした」
御坂・垣根「お前かよ!」
一方通行「ンだオマエらその反応……つゥか作業はどォした、作業は」
御坂「一応私のほうは終わってるわよ。枠組みだけね」
一方通行「あァ、そォいやサイト作ンなら撮影も早めにしておくか、ってよ。ツチピーからの伝言だ」
垣根「なにあいつ会話聞いてんの? っつかまだ監視してんの?」
一方通行「合宿中はずっと監視下に置かれンだろォよ。で、オマエは何してンだバカ」
垣根「バカって言うな」
852 = 846 :
御坂「ギターがふたりでしょ。それでどっちがリードギターやるかって話でもめてたのよ」
一方通行「ふゥン。ンで? どっちがやンだよ」
垣根「ああ、俺が全面的に請け負うということでさっき決着が」
御坂「つ、い、て、な、い、わ、よ!」ビリバリッ
垣根「チッ」
一方通行(えェー……何このそり合わねェ感じ)
御坂「ねえ、イッツーはどう思う」
一方通行「ハイ?」
垣根「俺とこいつ、どっちのほうがリードギターに向いてるかってことだよ」
一方通行「いやァ……俺オマエらより音楽疎いンですけどォ……そォいうのは適当に」
御坂・垣根「適当っ!?」ガタガタッ
一方通行(反応うっぜェェェェエエエ!!!)
御坂「適当ってどういうことよ。あんたそれでもバンドメンバーなの? どっちがリードギターやるのか、適当に決めていいと思ってるわけ?」
一方通行「あー、いや、だからァ……」
垣根「へー、そういうやつだったんだ! へええー! イッツーさんマジストイックっすねー! 自分とベース以外はどうでもいいってか! へええええー!」
一方通行「……、あァン?」
垣根「あ、なんすか赤い目で睨んじゃって。図星っすよね、イッツーさんベーシストですもんねー! 俺らギタリストのいざこざなんてどうでもい」
一方通行「上等じゃねェかオマエら今すぐこの俺が審査してやっからギター鳴らせやァァァァアアアアアア!!!!!」
御坂(乗せられやすっ)
垣根(計画通り……!)
カツカツ バタンッ
麦野「ちょっとー、叫び声うっさいんだけ……何してんの? 何でパイプイスとテーブル用意してんのオイ」
一方通行「俺が座るための審査席準備してンだよ。オマエも座りたきゃイス出せ」ガタガタ
垣根「さすがにオーディションっぽい雰囲気出そうとするとは思わなかったわマジで」
麦野「なんか面白そうだから座るわ」ガタガタギー
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数分後
麦野「はいじゃあエントリナンバー1番、垣根さんお願いしまーす」
一方通行「――、――」キリッ
垣根「何か色々言いてえけどイッツーは何なの? なンでお前サングラスかけてこちらを睨むように見つめてんの?」
一方通行「このサングラスはツチピーのだ。あと睨ンでンじゃねェ、俺はまだ見ぬダイヤモンドの原石を発掘しよォとしているだけだ」キリッ
垣根(うっわ……スイッチ入ってるぞこいつ)
麦野「無駄口叩いてないで演奏しやがってくださーい」
垣根「えー、あの何でもいいんすか」
一方通行「俺はただ君の可能性を見出してェだけだ。好きなよォに演奏してくれ」キリッ
垣根(うわーこいつ一丁前に気取ってやがる)
垣根「あーはい、んじゃ……」
ジャーンジャカジャカジャジャーン
一方通行「……、……」キリッ
麦野「……正直あんま上手くないのよね」ボソッ
垣根「すんません聞こえてますんでその批評」ジャカジャージャジャジャンッ
一方通行「――ストップ、もォイイ」キリッ
垣根「はっ?」
一方通行「ありがとう、もォ十分だ」キリッ
垣根「だからそのキリッてやめてくんね!? すげえ腹立つ!」
麦野「イッツーさんがいいって言ってるんでもう退出なさって結構ですよ」ハッ
垣根「テメェも鼻で笑うな!」
麦野「お帰りはあちらです」クイッ
垣根「見下すな! 顎で出口示すなぁぁあああ!」バタバタ
バタンッ
一方通行「……前から思ってたが、あいつ自分で言うほど上手くねェンだよなァ」
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麦野「ああ、やっぱそう思う? 基礎がしっかりしてないくせに、技術だけ無駄に高度なのよね」
一方通行「指が追いついてねェ。ンで妙な音を出しやがるモンだから、本人は超絶テクだと勘違いしちまってンな」
麦野「しかもほら、プライド高いからね。自分がまだまだだって認めもしねえ」
一方通行「総合評価・Bと……ハイ次ィ」
麦野「エントリナンバー2番、御坂さんどうぞー」
ギーパタン
御坂「あ、あの、よよよ、よろしくお、おねが」
一方通行「あァ、楽にしてくださいよォ、楽に」キリッ
御坂「は、はあはは、はひっ」
麦野「……えーっと、これはあくまでごっこだからそこまで演じなくても」
御坂「え、えええ演じてなくて、ささささっきカ、カッキーが」
一方通行「……垣根くンが、ナニか?」
御坂「そっ、その、審査員マジ辛辣だけど俺でほぼ確定だな、って、いいい、い、言ってて」
一方通行「他の候補者を揺さぶった……だと……」
麦野「どんだけ意地汚いんだあのバカ」
御坂「え、えっと、それで」
一方通行「まァ、イイからとりあえず弾いて――聞かせてください、あなたの思いを」キリッ
麦野(そしてこいつは審査員をなんだと思ってんだろう)
御坂「! は、はい……っ」
ジャッジャガジャジャジャーガジャカジャカジャンッ
一方通行「……、……」キリッ
麦野「……さっきよりはマシね」ボソッ
御坂「あの、ほんと聞こえてるんでその批評」
一方通行「……思ったンですが」キリッ
御坂「え?」
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一方通行「君はたしか、ヴァイオリンが弾けるとか」キリッ
麦野「資料によれば、けっこうな腕前だそうですね」パラパラ
御坂(あ、この演出のためにさっき記入用紙渡されたのか)
一方通行「エレキギターには様々な奏法がありますね」キリッ
御坂「は、はあ……」
一方通行「その中に、ヴァイオリン奏法というものがあるのをご存知でしょォか」キリッ
御坂「し、知らないけど……」
麦野「まあ、要するにリードギターはミコトってことよ。カッキーはダメだわ、あいつはテクニックに酔ってる」
御坂「え、決まったの? ほんとに?」
一方通行「ええ。君は彼にないものがある――音楽に対する情熱です」キリッ
麦野(それはけっこうあっちのほうが持ってたりするんだけどねえ)
御坂「そのヴァイオリン奏法っていうのは、私じゃなきゃできないのかしら」
一方通行「それはやってみなければわかりませンが、まァ君の能力をもってすれば容易いでしょォね」キリッ
麦野「格好いいこと言ってるようで曖昧にぼかしてるだけよねイッツー」
一方通行「とまァ、とりあえず俺は最初っからリードギターがオマエでサイドギターがバカって考えてたしなァ。今さらどォのこォのと言われても困る」
御坂「そうなの? てっきり何も考えてないんだと思ってたわよ」
一方通行「バカがメインボーカル張るンだろォが。だったら普通リードギターはサイドボーカルじゃねェのか?」
麦野「普通はね。例外なんていくらでもあるし、……まあ例外になる必要もないけどさ。さて、ポジションも決まったし」
バタバタバタンッ
垣根「異議ありぃぃぃいいいいいッ!!!」
一方通行「えェまァ来ると思っていましたよ」キリッ
御坂「ねえその審査員キャラはどっからきたわけ? ねえどっからきたの?」
垣根「俺は! お前が!! 俺をリードギターと認めるまで!!! 抗議することを!!!! やめ」
麦野「うっせえな男なら潔く認めろよバカが」
垣根「だからバカとか言うな」
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垣根「俺がソロやったほうが見栄えいいだろ? だろ?」
一方通行「いやァ、見栄えっつゥ点に関して言うなら……そっちのミコトのほォがイイと思う」
麦野「ていうかどんだけ目立ちたいのかと」
垣根「だって俺リーダーだぞ? リーダーが目立たないとかないわー」
御坂「リーダーっていうのはまとめ役だから、必ずしも目立つとは限らないと思うんだけどどうなのかしらね」
垣根「!?」
一方通行「ンだよその顔。リーダーの意味履き違えてねェかオマエ」
垣根「えっ、……いやー、その」
麦野「もしかしてあんたさ、まさか『一番目立てるから』っていう理由だけでリーダーになったわけじゃないよね」
垣根「ヘァッ!?」
御坂「どこのヒトデマンだ!」ビシッ
垣根「くっ、電気ポケモンとは……不覚なり……」バタリ
一方通行「えっナニ今のスムーズな流れ」
麦野「一連の流れが気持ち悪い」
垣根「どうよ、テレビの前ではこんなノリでやりてえんだけど」
御坂「うっかり乗っちゃったなんて……不覚なり……」パタリ
麦野「どうよも何も、気持ち悪い。大事なことだから2回言ったけど気持ち悪い」
一方通行「もうそれ3回言ってンじゃねェか。気持ち悪かったけどよォ」
垣根「総計4回の気持ち悪いという評価か。まずまずだな」
御坂「全然まずまずじゃないわよまずいんだよバカ!」ベシッ
垣根「お前までバカとか言うの!?」
一方通行「よかったなァバカ。立派な愛称になったよォで何よりだバカ」
垣根「いやバカじゃねえし。イッツーとかいまいち改変できねえからってイキってんじゃねえぞモヤシめ」
麦野「そういえば、ソギーのことなんだけどさあ」
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御坂「あ、ソギーがどうかしたの?」
麦野「どうかした、っていうよりはどうもしてないのよね。無器用なんだか単純なんだかわかんないけど、手を動かしてると足がおろそかになるみたいで」
一方通行「一応できるよォになったはずだったンだがな。熱中しちまうとどォもだめらしい」
垣根「うーん……どうにかできねえかな……」
御坂「ドラマーが普段どんな風に練習してるのかわからないし――あ」
タンッカタカタカタ
一方通行「どォした、いきなり猛スピードでタイピングしやがって」
御坂「わからないなら情報を仕入れればいいの。ソギーが頑張ってるんだから、余裕のある私達はそのサポートをしなきゃならない……それが仲間ってもんでしょ?」
麦野「『それが仲間ってもんでしょ?』」キリッ
垣根「『袴って紋でしょ?』」キリッ
一方通行「なにちゃっかり上手いこと言おうとしてンだオマエ……」
麦野「ドラマー、ドラマーねえ……、……ん?」
麦野『浜面、どうしたの?』
滝壺『はまづらなら、今日もきっとドラムの練習をしていると思う』
絹旗『まだやってたんですね。浜面にしては超続いてるほうですよ』
麦野「……浜面、そういえばドラムやってたっけ」
一方通行「ハマーか」
麦野「うん、ハマー」
垣根「あの無能力者か」
麦野「ああ、あんたは知ってるわよね。あいつ、ドラムやってるらしいのよ」
一方通行「ドラマー・ハマーか」
御坂「ぶっ」
垣根「さりげなく聞き耳立ててたのかよ!」
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麦野「どーしよっかなあ。あいつにお願いするのって癪だしなあ」
垣根「シズリが土下座すればすべて丸く収ま、っぶふぇ!」
一方通行(たまにこいつはわざと言ってンじゃねェかと思うときがあンな)
麦野「ミコトぉ、そっちどんな感じー?」
御坂「芳しくはないわよ。ドラムのテクとかは転がってるのに、具体的な練習法はさっぱり」
一方通行「そりゃ、上達への一番の近道は愚直な基礎練だろォがよ」
垣根「うっわあ、テメェが言うと妙に腹立つわ」
一方通行「あァ? やンのかコラ」
垣根「バンド内での揉め事は厳禁だ」キリッ
麦野「リーダーぶってんじゃねえよ。……で、どうする?」
御坂「んー、その浜面って人が教えてくれるならそっちのほうがソギーのためになるかもしれないわね」
麦野「そっかあー……んー……」
一方通行「その浜面ってェのは、オマエの組織の下っ端なンだろ? 命令でもすりゃイイじゃねェか」
麦野「……なんていうかさあ。多分、命令でもしたら渋々来るとは思うのよ。だけど」
垣根「だけどー?」
麦野「……頑張ってる姿、っていうのかな。私が努力しているところを、あいつには見られたくないの」ボソッ
一方通行「……、……」
御坂「……、……」
垣根「……、え、それってあいつのこと好」
一方通行「オマエちょっと空気読め」ガツッ
垣根「いって! 杖いって!」
御坂「……いいじゃない。そんなの」
麦野「え?」
御坂「完璧な人って近寄りがたいでしょ? 普段なんでもこなしちゃう人が陰で努力してるって知ったら、きっともっと仲良くなれるよ」
麦野「な、に言って……」
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御坂「だって、経験者の私がそうなんだもん。嘘じゃないわよ?」
麦野「……、……」
垣根(なにこの女の子な雰囲気)
一方通行(知るかよ。ただ、ミコトが説得しにかかってンのはわかる)
麦野「……かっこ悪いじゃない。大体、馬鹿にされるのが目に見えてるのに」
垣根「あー、えっとだな。男の視点から言わせてもらうと」
麦野「は?」
一方通行「普段何の隙も見せねェヤツが、ふとした瞬間に脆くなンのは見てて面白ェ」
垣根「テメェもっと言い方ってもんがあんだろうがよおおおおお!!!!!」ユサユサユサ
一方通行「ちょっ、オマ、揺すンなやめろ外れる! 脱臼する!」ガクガクガク
麦野「……面白い」
御坂「い、今のはちょっと言葉のチョイス間違えただけよ!? 面白いんじゃなくて、そのお、可愛いと思――」
麦野「わかったわ」
垣根「へっ?」ユサユサユサ
麦野「浜面に電話してみるっつってんの。あいつの手なんか煩わせてなんぼ、だからさ」
一方通行「アー……景色が、飛ぶゥ……ダメだ……目ェガクガク……」ガクガクグルグル
御坂「でも、やりたくないなら無理にやらなくたっていいんだからね?」
麦野「いや、むしろあいつのドラムテクも気になってたし。ちょうどいいわよ」
カチカチッピップルルルルル
垣根「わざわざ十九学区までお越しいただけるとか素晴らしい下っ端だなおい」ユサユサユサユサ
御坂「それよりそろそろイッツー離したら? 後で半殺しにされると思うんだけど」
一方通行「……殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す……あとで殺すゥ……」グルグル
垣根「さ、三半規管よっぽど弱いんだなこいつ! な!」
御坂「私知ーらないっ」
麦野(そういえば、仕事以外で電話かけたことないなあ……)プルルルルル
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浜面『はい、もしもし――麦野?』
麦野「!!! あ、う、うん! 浜面、あんた今どうせ暇よね!」
垣根「高圧的にも程があるだろシズリちゃんよー……」
御坂「なんかとっても親近感がわいた」
浜面『どうせってお前、暇じゃねえよ俺』
麦野「ふぇっ!?」
垣根「キャラチェンジか」
御坂「ちょっとカッキー黙りなさいよ」
浜面『あのなあ、俺にだって色々な付き合いっつーもんがあるんだ。いつでもお前らの相手できるわけじゃ――』
麦野「……、……」カタカタ
浜面『だいたいまた仕事か何かだろ、たまには俺以外の下っ端でも雇って――』
麦野「……、……」ガタガタ
浜面『でもまあ仕方ないから話だけは聞いて、……おい、麦野?』
麦野「……にしか、……いの」ボソッ
垣根(お、若干涙目だ涙目)ニヤニヤ
御坂(あんた後で刺されるわよ。イッツーとシズリに)
浜面『あ? 何て?』
麦野「あ、あんたにしか頼めねえっつってんだよこのチンピラ耳年増がぁぁぁああああっ!!!!」
浜面『うぎゃっ!? い、いきなり耳元で叫ぶなよ!』キーン
麦野「同じことを二度も言わせんじゃねえよバカが! テメェにしか頼めねえからこうして電話してんだろ、あぁん!?」
浜面『ひっ、いや、あの、すみませんマジちょっと調子乗りましたすみませんでした麦野さ』
麦野「ひ、ま、だ、よ、ね?」
浜面『もうめちゃくちゃ暇です四肢と時間を持て余してましたッ!』
垣根(恐喝じゃねえか……)
御坂(やっぱり親近感……)
861 = 846 :
麦野「んでね、頼みたいことがあんだけどさ」
浜面『はいもう何なりと』
麦野「あんた、ドラムできるんでしょ?」
浜面『……? おう、まあそれなりに叩けるけど』
麦野「ちょっと十九学区まで来てくんない?」
浜面『えっ』
麦野「ひ、ま、な、ん、だ、よ、な?」
浜面『あ、いや今のは否定でも拒否でもなくてだな! えっと、十九学区って言ったか?』
麦野「そうよ。ま、何もなくて廃れてるとこだしファミレスさえ見当たらないくらいなんだけど……まさか場所がわからないなんて言わないよね」
浜面『……、ちょっと待ってくれ』ピッ
~♪~~~♪~♪~~♪~~~♪~
麦野「保留音になった」
垣根「っていうかお前あんな高圧的で大丈夫な訳? 好きなんじゃねぐふぁっ!」
御坂「シズリと相手の人の仲の良さがよくわかったわ! すぐ来てくれるなんてすごいと思う!」バシバシ
垣根「痛い。痛いすげえ痛いごめんなさいからかおうとしてすみませんでしただから痛い」
麦野「まだ出ない」
一方通行「向こォにも事情ってモンがあンだろ。待てる女がイイ女だぞ」ムクリ
麦野「あ、復活したのね。っていうか何悟ったようなことほざいてんだ」
垣根「待てる女がいい女だぞぎゅえッぐぉおおおおお! ミコトの叩きとは比べ物にならない激痛が俺の喉を襲ってる! 死ぬ! 死んじゃう!」
一方通行「いっそ窒息死してしまえ」ギュウウウウウ
御坂「イッツー、……首を絞めると証拠が残っちゃうけど大丈夫か?」キリッ
一方通行「大丈夫だ、問題ねェ」キリッ
垣根「いや大丈夫じゃねえしマジ死ぬってリーダー死んじゃうぞおい」
麦野「……まだ出ない」イラッ
862 = 846 :
~♪~♪~~~~♪~~~♪~、
浜面『もしもし、遅くなって悪い』
麦野「何秒待たせんのよバカ」
浜面『いや、だから俺にもそれなりに用事が……まあいいや。で、どこ行けばいいんだ?』
麦野「……き、てくれるの?」
浜面『? 来いって言ったのお前だろ』
垣根(すげえな。何がすげえってあの無能力者が麦野をすでに陥落してることだよ)
一方通行(まァ、恋愛は自分にねェモンを求めちまうンだろ)チラ
御坂(なんでそこで私を見るのかわからない)
麦野「じゅ、十九学区の廃病院! 最速でっ、何ももってこなくていいから早く来なさいよ!」
浜面『はいはい了解、ったく人使い荒いな』
麦野「何か言った?」
浜面『なーにーもー。んじゃ、十分ちょいで着くからよ』プッ
はて、と麦野沈利は相手に切られた電話に憤る前に首を傾げる。
ここは第十九学区、置き去りにされた街。浜面仕上が現在どこにいるのかわからないが、十数分で到着するなど不可能だ。
会話が丸聞こえだった三人も麦野と同様首を傾げた。ってェことはよ、ココにいンじゃねェの。一方通行が声を出す。
おそらくそれがもっとも正しい見解なのだろうが、麦野には納得できなかった。浜面がこの学区にいる、理由がない。
いくら元スキルアウトといえど、この街にいたところで何にもなりはしないのだから。
「たしか、今この学区には……ヨシピーとかいうやつが率いる集団が滞在してんだったな」
垣根帝督が思案げに呟き、そういえば黒子がいたんだったっけ、と御坂美琴も考えを進める。
麦野は携帯電話の液晶画面を気にしながら、浜面がその集団の一員とは思えないけど、と否定した。
「だって、あいつは研究者とかそういう類の連中とは縁のない男だよ」
それぞれが浜面の十数分という言葉に引っ掛かりを覚える中、しっかり監視していた土御門元春は眉間に皺を寄せた。
「結標、白井という大能力者に、カミやん、それから浜面――両人とも超能力者を撃破したという過去がある、が……ソギー、また手足一緒になってるにゃー」
「うおっ!? ちくしょう、オレの足の根性が足りんばっかりに!」
土御門の指摘を受けて悔しそうに地団太を踏む削板軍覇は、彼のために一波乱起きそうなことなど知る由もないのである。
第四回(合宿)、第三日目夕方・終了
863 = 846 :
っつーことで!
あ、この間マネージャーふたりは他の作業してるんだぜ! 描写ないけどしてるんだぜ!
あと今週は22巻やらアニメやらでもう二期の一方さんの髪の長さはアレ反則じゃねえかと俺は思うんだがあの襟足はやばい!!!
んじゃなー!
865 :
乙
相変わらず面白い
次回の投下が楽しみだ
866 :
なんかもうこいつら可愛い
867 :
>>846 なんつーか… すいません
現在進行反省形です
868 :
最初シリアスかと思ったら内Pノリであれって思ったら麦のん可愛かった
869 :
あわきんも黒子も、ダークマターで自動防御しそうなバカッキーと意味不明なソギ―以外は瞬殺できるもんな
まじ怖い
870 :
ヴァイオリン奏法はそんなぽんぽんほりこむ技術じゃないけどな
つーかカッキーの変な音ってどんなんだろ
ヴァイ先生みたいな音出してんのかな
871 :
ピッキングの音が堅いとか?
872 :
ギターのはずなのに何故か管楽器の音が出たりしてるんじゃね?
なんせていとくんに常識は通用しねぇ
873 :
弦とピックが未元物質
でも美琴は弾いてからアンプで鳴らすまでの間で加工出来そう
874 :
素人とプロの差みたいな感じか
完璧に譜面通り弾けても、音が汚なかったり、つまらなかったりするからな
エフェクター関係無しに、どれだけ「綺麗な上手い音」が出せるかが、ギターのレベルだからな
875 :
ライブの日、そこにはギターを捨て直接配線から電気を流して演奏する少女と羽から音をだすホストの姿が!
876 :
セルフディストーションいいなぁ
877 :
>>875
あーまだるっこしいとか叫びながらギターを客席にぶん投げる美琴の姿が目に浮かんだわ
878 :
美琴な電流いじって完璧なノイズレスに出来そうだな
シングルコイルでノイズが全く無い出力5割り増しピックアップとか何それ羨ましい
曲作ろうかと思ったけどそんなギター持ってねえよ
879 :
イッツーとカッキーが順調に喧嘩友達になってて困る
それぞれの距離感いいな
880 :
そろそろ裏クルー?
881 :
やっと復活か
882 :
一番いい続きを頼む(キリッ
884 :
最近こないな…
11月までにはきてくれるよな??
886 :
これ大好きだったから、最後までいって欲しい
887 :
1はきっと歌詞を考えてるに違いない
終わりまでいくつ曲ができるんだろうなー
888 :
待ってます
889 :
お前らお久しぶりー!!!
一週間に一回の更新とかほざいたわりに最近投下してなくて申し訳なかった
多分早ければ明日あたり投下しにくる、次の投下は芳川パートだと思う!!!!!!
あとあと一方さんマジ天使っつか22巻で歌ってて俺は格好良さに動揺したけどこのスレではあんな荘厳な感じのアレは残念なことにないからよろしくな!!!!!!
そんじゃなー!
890 = 889 :
あっ俺>>1でした!!!!
えっと、お前らも最近寒いから気をつけてね!
んじゃな!!!!!
891 :
ひさしぶりだなこのやろー
期待してます
892 :
寂しくて涙出そうになっていたわ……待たせやがって。
楽しみにしちゃうぞ!
893 :
なんだ次回予告かよ
待ち続けてる俺をwktkさせやがって
894 :
>>893
ツンデレ乙
1ヶ月でも余裕で待つ!
895 :
明日って今さ!
896 :
明日は今日かも知れない
897 :
明日は明日に違いない
898 :
明日っていつだよ……今日だよ……!
んじゃぼちぼちー
899 = 898 :
時計を少し巻き戻すとしよう。
超能力者達がとある合宿を始めて二日目の朝、カップラーメンを食されたことに腹を立てた削板軍覇は合宿所である廃病院からの脱走を試み、とりあえず成功していた。
もっとも、厳密に言えばプロデューサーである土御門元春が事前にメンバーに渡していた合宿専用のジャージには超小型発信機が取り付けられており、
脱走を企てたところでジャージを着ているかぎり、彼らが最終計画から逃れることは不可能である。
だが、少なくとも削板は完全に逃げおおせたと思っていたので、彼の顔を立ててまあそういうことにしておこう。
そして、廃病院を後にした削板と偶然出会ったのが補完計画を任されている芳川一行であった。
奇遇といえば奇遇だが、そもそも十九学区に用事のある人間こそ珍しいという点を考慮してみれば、必然であったかもしれない。
「……よく食うなあ、お前」
がつがつがつと勢いよくチャーハンをかっ込む削板に、呆れた声を投げたのは浜面仕上だった。
なんだかんだで芳川一行はプロデューサーである芳川桔梗を除いて皆常識人であり、どちらかといえばツッコミ属性に偏りがちなのだが、今回は浜面がつっこんでみたようだ。
「ふぐ? はは、ほほははいほふはんはははは」
「何を言っているのかわからないわね。とりあえず食べながら喋るのはやめなさい」
芳川がぴしゃりと削板を叱る。
自堕落な彼女が誰かを叱責したことに動揺した上条当麻が目を丸くして芳川を見つめたが、彼女は視線を意に介すことなく悠々とコーヒーを飲み下す。
どこまでもマイペースな女である。
ここは十九学区に点在しているマンションのひとつであり、そのうちのもっとも広そうな部屋に集まっている六人は、それぞれフローリングに座り込みながらも誰かが話し出すのを待っている状態だ。
誰か、とはイコールで芳川なのだが。
(第七位の超能力者、原石の削板軍覇――なぜ彼がこんな僻地にいるのかしら)
結標淡希は見る見るうちに減っていくチャーハンと削板を交互に見つめながら、思考を進める。
以前の集会で彼女が打ち立てた補完計画、および最終計画の実態に対する推測が正しいとすれば、削板軍覇のいるこの十九学区にはほかの超能力者もいるはずだ。
900 = 898 :
たとえば彼女の同僚である一方通行、戦ったことのある超電磁砲。
……ないわね、と結標は決め付けた。因縁のあるふたりが組むなど考えられない。
結標の知る一方通行は頑固だ。そして、あの戦いっぷりや噂を聞く分には超電磁砲も十分に頑固である。
どうしたって、ふたりが瓦解するとは思えない。
そもそも、現在学園都市の頂点七人のうち、数名はすでに存在を消されている。
生きているか死んでいるかもわからないのだ。
最終計画という名前から察するにアレイスターが一枚噛んでいることは明白だが、いくら上からの指示と言っても、あれだけ溝のある人間同士が自分達と同じように音楽活動をするはずがない。
とすれば、削板は何か別の用事で偶然この学区にいたのだろう。
イッツーだかカッキーだかツチピーだか、よくわからない単語を発していたような気もするが、一緒につるんでいた友人に違いない。
「っぷはー! ごちそうさま、すっげえうまかったぞ。根性の入るいいチャーハンだった!!!」
両手をあわせ、ひょいと頭を下げる削板。礼儀はそれなりにしっかりしているらしい。根性の入るチャーハンってなんだよ、とまたも浜面がつっこむ。
削板の食事が終了したことで、各々の気持ちは別の方向に向いた――すなわち、これからの合宿について、である。
基本的に自分が知ってりゃいいや、と非情に自己中心的な考えで動いている芳川は、今回の合宿についても詳しい連絡は一切していない。
ただ、十九学区で合宿をするから適当に準備をしてきてほしいと述べただけだ。
放任主義といえば聞こえはいいが、はっきり言ってしまえば、芳川はプロデューサーとしての何かに欠けている。
「そう。じゃあ、早速話に入るのだけれど」
コーヒーを飲み終えた芳川が、紙コップをぐしゃりと丸めて上条に放り投げる。
うっかり掴み損ねた上条はゴミを顔面でキャッチしてしまったがこれは彼本来の不幸体質のせいだろう。
決して芳川のコントロールが悪かったわけでも、上条のキャッチ力がなかったわけでもない。ということにしておく。
「これから一週間ほど、わたしたちはこのマンションで合宿を行うわ。それはいいわね?」
「ええ、問題ありませんの。しいていえば、このマンションでというくだりが気になりますが」
白井黒子が指摘した点は、結標も考えていたことである。当初の予定は病院であり、マンションよりは合宿に適した場所であった。
マンションで一体何をどうしろというのか。ごみ箱にごみを投げ捨てた上条が座りなおし、「壊すんだっけ?」と言い出した。
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