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    元スレ憧「あんたなんて大っ嫌い!」

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    みんなの評価 : ★★
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    1 :

    「ねぇ、ママ。アコちゃんの話を聞かせてほしいの」



    「どうしたんですの?急に」

    「ほら、小さい頃よく絵本を読むかわりに聞かせてくれてたじゃない?それを思い出したの」

    「そうでしたわね…懐かしいですわ」

    「でもいつも、あたしは途中で寝ちゃうからアコちゃんの話はいつも途中まで」

    「そうそう、そんなのの繰り返しでしたわね」

    「だから今日は最後まで話して欲しいの。いいでしょママ?」

    「…分かりました。このお話はアコが…新子憧が東京の大学に入学した時から始まりますわ」


    …………………………
    ……………………
    ………………
    ……………
    …………
    ………
    ……

    2 :

    アコちゃんかわいすぎてぺろぺろしたい

    4 :

    しえん

    5 = 1 :

     麻雀で1年生でインハイまで行って、その後の県大会や近畿大会でも良い成績を残せたことで

     関西方面のいくつかの大学から麻雀で推薦の話をもらえた。

     だけどインカレはインハイ以上に強いのがわんさかいる

     インカレの予選ともいえるリーグ戦だと、どこの地方も1部と2部以下の差が結構あること

     歴代記録から見ても決勝は関東勢の牙城であり

     高校の時のように1年目でインハイの決勝まで行けるような世界じゃない

     特にここ数年のインカレレベルは上がり続けていてプロチームが負けることもざらにある。

     そういったことも事前にハルエから聞いて知っていたし

     まだ青写真だけどプロに進みたい気持ちもあった

     大学行くなら結果を残せるインカレの強い大学に行きたい

     そう決意したあたしは推薦を蹴って一般入試でこの大学を受け合格した。

     関東大学麻雀連盟でここ20年唯一2部落ちのない名門大学 

     場所は東京の多摩という所にあった。

    8 = 1 :

    「ねえハルエー多摩区って東京のどこらへん?」

    晴絵「多摩区?」

    「東京って23区じゃない?だからどこの区だろうって」

    晴絵「アハハ、あこー多摩は区じゃないよ、多摩は市だから」

    「ウソ」

    晴絵「ホントホントー村だってあるんだぞ」


     志望校を決める前にしたそんなハルエとの会話が懐かしい

     あの後しずにも同じことを教えたら、あたし以上に驚いてて予想通りの反応がウケた。


     東京の大学に入るってことは必然的に奈良から離れるってことで

     あたしは合否以前にすっかりここに通う気でいたから、受かったら大学で用意されたドミトリーに入ることに決めていた。

     それに文系は3年になれば四ツ谷にあるキャンパスへ移るから、

     一人暮らしを始めるにしてもそれからで充分だと思っていたし、親たちもそれで安心させることができた。

    10 = 4 :

    しえん

    11 = 1 :

    ドミトリー入寮日

    洋服とかが入っている荷物は先に到着していて部屋の前に置いてあった

     部屋は必ず上級生・下級生1名ずつペアで入ることになっていたから上級生がもう部屋にいるはず。

     あたしがおそるおそる中へ入ると、ドアを開けたその目の前がちょうど3畳ほどのリビングになっていて、そこにぽつんと正座座りする女性の後姿が見えた


    「あ、すみません。今日から入寮します1年の新子憧です。よろしくお願いします!」


     声に気づいて振り返った彼女を見てあたしは驚いた。

     高校時代、和と会うために目指したインターハイの舞台で自分たち阿知賀女子学院を翻弄し続けた東東京の代表校・白糸台高校

     目の前に現れたその人は1年時、中堅だったあたしと直接戦った相手、渋谷尭深だった。


    尭深「もしかして阿知賀女子の方、ですよね?」

    「えっと…はい。どうしてあなたが?」

    12 :

    大作の予感…

    支援

    13 :

    期待しえ

    14 :

    たかみーきた

    15 :

     渋谷尭深はこの大学に麻雀推薦で入学し、現在文学部の日本文学科2年に在籍していると話してくれた。

     配牌にもよるけどオーラス上がりで役満以上はやっぱり強みだ、そりゃ推薦も貰えるはずだよね

     戦ったことはあれど、こうして面と向かって直接話したのは今回が初めてで

     彼女は見た目通り、物腰柔らかでおっとりとしていて優しい女の人だった


    「推薦ってすごいですねー私もここの麻雀部入りたくて一般入試受けて入ったんですよー」



    尭深「えっ?」



    「どうしたんですか?」

    尭深「新子さん、もしかしてあのこと知らないのかしら?」

    「あのことってなんですか?」

    尭深「うちの麻雀部、先月部員が飲酒事件を起こした関係で夏まで活動停止中なんです」

    「…えっ!?えっ!?え~~~~!!!???」

    16 :

    憧尭か…かなり相性悪そう

    17 = 13 :

    飲酒とかリアルな

    18 = 15 :

    「ウソ…」

    尭深「残念ながら本当です…」

    「活動停止って!そんな!じゃあ大会にも出られないってことですか?」

    尭深「ええ、それに再開したとしても、すぐに大会という形にはならないと思います」

    「それなんとかならないんですか?」

    尭深「それは難しいと思いますよ、大学が決めたことなので」

    「そんな…」



     麻雀で全国まで行った!私は麻雀が好き!だから東京の大学に来た!

     なのに、


     なにこの…タイミングの悪さ!


     信じられないアホなんじゃないの!

    19 :

    多摩と四ッ谷にキャンバスってどこの大学だ?
    法政?

    20 :

    明日読むから残しておいてくれ

    21 = 15 :

     入学して最初の一週間、新歓ロードという行事があるらしく

     大学正門からまっすぐと両脇に延々に数多の部活、サークル、愛好会に入る学生が立ちビラを配っていた

     ガタイのいい男子はラグビーやフットボール、レスリングから熱烈に歓迎され、女子は女子で運動部からマネージャーの勧誘が酷かった

     御多分に漏れず、あたしもサッカー部やらバスケ部からマネージャーの勧誘にあったけど

     麻雀部のためにこの大学に入ったあたしにはそれ以外の部活がひどく色褪せて見えた

     一応、次から次へと渡されるビラに目を通す。自動車部、写真部、大学祭実行委員会…

     どれもピンとこない

     入って早々、活動停止中なんてホントテンションガタ落ち

     オリエンテーションの内容もほとんど聞き流してたし…

     麻雀部に入りたくてここ入学したのにな…あたし

    22 :

    しえんぞ

    24 = 15 :

    モブ「おおーキミ!学祭入ってくれるのー嬉しいよー」

    「?」

    ??「え~友香入るって決めちゃったの!?」

    ??「そうでー」

    ??「麻雀部はどうするのー?」


     見たのはすれ違う数十秒くらいだったが、この2人に見覚えがあった

     兵庫県でも麻雀レベルトップクラスの劒谷高校の部員だった森垣友香と安福莉子だ。

     インハイ以降も関西地方の大会で何度か戦ったことがある

     あの子たちも麻雀するためにこの大学に入ったんだ


     だけど活動停止中で麻雀部はこの新歓に参加してない

     麻雀部がないから別のサークルに行くって子、案外多いのかもしれないなー

    もしかして、このままじゃ麻雀レベルの高い人達がごっそりいなくなって再開したって戦力不足でダメになる?

    どうにかしたい

     急に危機感を覚えた

    26 = 13 :

    どうなるか

    28 :

    兵庫の至宝森垣友香ちゃん…

    29 = 22 :

    他メンはともあれ尭深は強力やな

    31 = 15 :

     どうにかしたいって意気込んだものの、さすがに違う麻雀サークルを今から作るてのは建設的でないし

     とりあえずどうするかってとこから始めてみることにした

     学生課に「相談するならここ」と言われて来たのが学生主事室だった

     主事って何?と思ったけど簡単に言えば学生の単位や部活についての困りごとに対応する人たちらしい…

     中に入ると入口に向かって等間隔に業務用机4~5つ並べられており、机には白髪交じりのおじさんやおばさんがそれぞれ座っていた。

     すでに2人ほど学生がきていて、机の前のパイプ椅子に座り何やら小難しい話をしている感じがした。


    主事「君、こっちに来て座りなさい」

     呆然と突っ立ているあたしにそう声をかけたのはここに入るなり一番に目についたハゲのおじさんだった

    主事「それで、今日はどうしたんだい?」

    「あたし麻雀部に入りたくて。だけど今、麻雀部は活動してないと先輩から聞きまして」

    「この大学はインカレも強いし麻雀の強い子や入部したい新入生もいると思います」

    「活動停止中でもどうにか麻雀部の勧誘だけでもしていただけないでしょうか?」

    主事「うーん…それはねー」


    ??「そのお話、私が伺いますわ」

    32 = 22 :

    誰だ
    りゅーもんさんか

    33 = 30 :

    しえん

    34 = 13 :

    憧ちゃんアクティブやね

    35 = 15 :

    主事「透華お嬢様!いらしゃっていたのですか?」

    「透華さん!?」

    透華「今日はこちらで理事会が開かれていましたから」

    主事「そうでしたか、しかしお嬢様が彼女の相談に乗るというのはやはり…」

    透華「安心なさいまし、この方は私の知り合いですわ!」

    「なんで透華さんがここに?」

    透華「なんでも何も、私はここの学生です!そしてこの大学は学校法人龍門渕学園のものですわ!」

    「この大学…龍門谷だいがくが?」

    透華「ええ」

    「学生?」

    透華「在学しながら学校運営にも携わっていますの」

    透華「叔父が総長で忙しい身なのでそのカバーも兼ねてということですけど」

    「おー」

    36 :

    龍門渕さんさすがっす

    37 = 15 :

    透華「聞きましたところ、麻雀部に入りたいと?」

    「はい、そうです。そのためにこの大学に入りました」

    「私だけでなくそういう学生は他にもいると思います」

    透華「そうかもしれませんわね」

    「確かに飲酒事件は飲ませた人たちが悪いと思います、だからと言って勧誘もさせず麻雀部まで夏まで活動停止というのはおかしいです」

    透華「そんなの連帯責任ですわ。確かに悪いのは事件を起こした人々です、ですが世間の目はそう見ませんわ。麻雀部員であると新聞やテレビ・インターネットで出てしまった以上は世間が納得しうるしかるべき処置が必要なのです」

    透華「この大学は私立、世間が見るイメージが何よりも重要ですわ。それに大学が処罰の責任をしっかり負わせないでどうするんですの」

    「分かってます、けど1年生を今勧誘しないでいつ勧誘するんですか?何かしらの対策は打たないと…」

    透華「打つべきだとしても、それを決めるのは貴女ではなく現在在籍している麻雀部員たちですわ」

    透華「彼女たちが何かしらのアクションを起こして、私たち大学側がそれに対して返答する」

    透華「残念ですがそれだけですわ」

    「…はい」



    (まぁ、若干分かってたけどね)

    38 = 13 :

    いい流れ

    40 :

    大学モノいいね

    42 = 15 :

    ―部室棟・麻雀部部室前―


    (やっぱりここは麻雀部員と話さないとか…)ガチャ


    「すみませーん誰かいますかー?」  


     ドアは開いていたものの中に入ると部屋は薄暗く電気は付いていなかった

     活動停止中だからって部室にまで来ないってどういうことよ

     それでも部員かっての!少しは掃除してた玄を見習いなさいよねー

     と思ったのも束の間、明かりの点けられていない暗がりの部室は少しばかり奇妙な空気が漂っていた

     妙な熱を感じる

     部屋の奥に進むにつれてそれは感覚でなく確信に変わっていった


    「誰か、誰かいるの?」


    ガタッ


    「キャ~~~~!!!!!!??????」

    44 = 39 :

    しえん

    45 = 15 :

    パチッ


    ??「うるさいなー…静かにして」

    「…えっ、にっにんげん?」

    ??「そうだよ。人がせっかくソファで寝てたのに…」

    「寝てたって、そんな…」

    ??「あー頭かゆい」


     目の前に現れたその人はくたくたの服を着てボサボサの銀髪をかきむしっていた

     かきむしった頭からはボロボロとフケが落ちてきた


    「うっわ!」

    「ねぇ…あなた…もしかして〝シラミ"?」

    ??「…んーまあ、そう言われてる」

    46 = 30 :

    紫煙

    49 = 27 :

    シロ、ばっちい!

    50 = 43 :

    大学モノは面子にワクワクするな


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