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    元スレ僧侶「ひのきのぼう……?」

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    202 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:31:24.72 ID:pvR//xZO0 (-6,+3,+0)
    ハヨ
    203 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:31:52.22 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-260)
    ――

    【西の町>宿屋】

    賢者「……ただの熱中症のようです。大事には至らないとはいえ、安静にしておかねば」

    戦士「ふっ。みなが同じ条件にも関わらず、情けないな」

    商人「戦士殿は、ワシの荷物を持ってくれませんでしたぞ……」

    賢者「それにこれは、知恵熱のようなものも混じっているかもしれません」

    賢者「勇者として、パーティーを率いる責務や……その他に悩みがあった可能性も」

    戦士「俺達の最終目標は何だ? 負うものの大きさを考えろ。甘ったれたことは一切言ってられん」

    戦士「行くぞ、商人よ」

    商人「ど、どこへ……?」

    戦士「伝説の剣の在り処を探すのだ。一刻でも早く、この町での目的は完遂させる」

    賢者「戦士殿、お願いします。――ただし」

    賢者「いつの歴史も、勇者は唯一。ゆめゆめお忘れなきよう」

    戦士「ふん。何が言いたいのか分からんな」 バタン

    商人「ああちょっとワシも着いていく話では!」 ガチャ  バタン
    204 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:31:53.78 ID:DbEY7bRv0 (-22,-10,-2)
    支援
    205 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:32:08.24 ID:QNr/jyS10 (+3,+18,-1)
    てす
    206 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:32:45.93 ID:5Pf1AcOsO (-6,+5,-1)
    一応支援
    207 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:32:49.40 ID:DbEY7bRv0 (+22,+29,-6)
    賢者「うっふう」
    209 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:33:37.02 ID:RybxbLQpO (+13,+28,-2)
    賢者死ねよ
    210 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:34:03.81 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-249)
     

    勇者「」 スー スー…

    賢者「勇者様……」

    賢者(寝顔だけ見れば、戦いとは無縁な年頃の少女そのもの)

    賢者(『勇者』という責は、この小さな体躯にどれだけの重圧をかけていることだろう……)

    賢者(……)

    勇者「」 スー スー…

    賢者(……美しい。勇者様のすべてが愛おしい。ああ、運命とは残酷なものだ)

    賢者(色恋沙汰にはまるで無関心だった私が、はじめて恋に落ちた相手が……)

    賢者(天に選ばれし勇者だとは。しかも……すでに想い人がいるなど……)

    賢者(……)

    賢者(やはり、決行しよう。今こそ好機だ)

    賢者(恋愛とて修羅の道。であれば、私がやろうとしていることにも正当性はある)

    賢者(徳の道からは外れようとも、代わりに私にも『機』が得られるならば、安いもの)

    賢者(さぁ、愛欲にまみれた下賎な魔術師の汚名を被ろう。私の価値は、私自身が決めるのだ――)
    211 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:34:41.94 ID:0aWeZ6Oh0 (+33,+29,-16)
    よく考えると戦士っていらんよな
    終盤では勇者と攻撃力同じくらいだし
    魔法使えんし ただのお荷物
    212 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:34:52.54 ID:Ul63RRmJ0 (-22,-10,-2)
    支援
    213 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:34:56.23 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-225)
    宿の「……あら賢者様。お連れの方のお加減は……」

    賢者「すまない、今から薬を作る。厨房をお借りする」

    宿の「……お薬でしたら、わたくしがご用意いたしますが……」

    賢者「急を要するのだ、ご厚意だけ感謝する。また私が薬を作る間、立ち入らないでもらいたい」

    宿の「……はい。さようでしたら、そのように……」

     

    賢者「……」

    賢者(行ったか。誰もいないな)

    賢者(これは私が好奇心で研究していた呪薬の一つ。調剤過程はまだ秘匿だ)

    賢者(まずは普通の解熱剤を作る)

    賢者(これは聖水と薬草を使って、簡単に作ることができるが――)

    賢者(さらに、時期を見計らって回復呪文をかけることで、効果が増強される――)

    賢者は ベホマを となえた! ▼

    賢者(……完成だ。さて、私の下心が芽生えなかったなら、この時点で切り上げるところだが)

    賢者(ここからが本番だ)
    214 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:35:06.85 ID:FgbrJpOl0 (+1,+16,-1)
    マジかよ
    215 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:35:28.14 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-311)
    賢者(ベースは同じ聖水だが、主成分は『きえさりそう』を使う)

    賢者(よく煮込み、かき混ぜる――)

    賢者(次に――これを使う。以前、あの僧侶が装備していたローブだ)

    賢者(これの切れはしを使う。心の臓に近い、胸の部分がよかろう)

    賢者(……『ひのきのぼう』との判を押された、憐れな少年よ)

    賢者(勇者様のおそばに寄ったのは、余りにも早すぎたのだ……!)

    賢者は ローブを きりさいた!
    賢者は メラを となえた!
    ローブの切れはしは もえあがり 灰になった! ▼

    賢者(……。罪悪感は押し殺す。私はすでに決断した)

    賢者(……灰となったローブを、『きえさりそう』の混ざった聖水に加え、よく混ぜる――)

    賢者(そして一定のタイミングを見計らい、最大魔力でこの呪文をかける)

    賢者は メダパニを となえた! ▼

    賢者(……ふう……。仕上げに、あらかじめ作っておいた解熱剤と混ぜ合わせる)

    賢者(……完成だ。あとはこれを、勇者様に飲んでいただくことで……)

    賢者(私の望む状況が生まれる)
    216 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:35:29.44 ID:iu2kX1tH0 (+19,+29,-1)
    くそやめろ賢者死ね
    217 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:36:05.32 ID:pvR//xZO0 (+19,+29,-4)
    賢者禿げろ
    218 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:36:29.50 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-252)
    ガチャ

    賢者「……勇者様。目を覚まされたのですね」

    勇者「あ……賢者さん」

    賢者「窓の外になにか?」

    勇者「うん、ここの宿の女の人が、麦を運んでて。この町、女性もよく働くんだなって」

    賢者「ここ西の町は戦士の町。女性も気丈でなければ、荒くれ者の伴侶もままならないのでしょう」

    勇者「ふうん……ボクも頑張らないとなぁ……」

    賢者「それより、ご容態は」

    勇者「もう、平気。心配かけてごめんね」

    賢者「正直に仰ってください。まだ鈍痛が続いているのでは」

    勇者「……うん。賢者さんに嘘をついてもしょうがないね。ホントは、まだ少し……」

    賢者「今しがた、解熱剤を作りました。こちらをお飲みください」

    勇者「ありがとう。賢者さんは、優しいね。まるで僧侶みた……あ、いや、何でも……」

    賢者「……」

    賢者「お早いうちに、お薬を召し上がりください。どうぞ……」 コトン
    219 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:36:36.45 ID:XINY8x4u0 (+17,+29,-4)
    賢者焦げろ
    220 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:36:49.09 ID:VwslTbVe0 (+22,+29,-5)
    やっぱ鬼畜か
    よく賢者になれたな
    221 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:37:03.17 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-221)
    勇者「分かった。じゃ、ありがたく……。……!」

    賢者「? どうかされましたか?」

    勇者「……このお薬……何度も似たのを飲んだことがある……」

    賢者「!」

    勇者「……その、今まで飲んできた薬は、びっくりするほどよく効いたけど……」

    勇者「これは、ちょっと香りが違う気がする……」

    賢者「……僧侶殿が作った解熱剤の話ですか?」

    勇者「……」

    賢者「なぜ」

    賢者「なぜ私を信用して下さらないのですか?」

    勇者「えっ」

    賢者「私とて専門外とはいえ、薬に関してはそれなりの自負はあります」

    賢者「恐縮ながら私は……魔王打倒を目指す同志として……」

    賢者「すでにパーティーには、勇者様には信用を勝ち得ていたものと思っておりました……」

    勇者「そ、それは……そんなつもりは!」
    222 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:37:07.25 ID:5PcNNguw0 (+17,+29,-2)
    賢者凍れ
    223 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:37:14.92 ID:Usu48x0N0 (+32,+29,-8)
    >>211
    戦士は先頭でもぼうぎょできるからな
    それだけで価値がある
    224 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:37:30.32 ID:pvR//xZO0 (+19,+29,-3)
    賢者溶けろ
    225 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:37:39.20 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-204)
    勇者「ボクは、賢者さんを疑ったりなんかしないよ!」

    賢者「勇者様」

    勇者「賢者さんは、仲間だ。仲間の作ってくれた薬を飲めないリーダーなんかいないよ」

    勇者は くすりを 手に取り

    いっきに のみほした! ▼


    勇者「ほら、飲んだよ! だからもう……。 !  !   !」

    勇者「 あ  うあ  あああ ?  ?」

    勇者「あ……頭が……」


    勇者(あ……なにこれ……消える……消えちゃう……)

     勇者(ボクの頭の中から……大事なものが……消えていっちゃう……!)

       勇者(やだ……怖い……いやだ……)

         勇者(助けて……――!)

           勇者(――?? あれ……――!? ――)

              勇者「――――――――――――――…………」
    226 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:38:13.86 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,+0)
    賢者(……成功だ)

    賢者(これで勇者様の記憶から、僧侶に関する情報はすべて消えた)

    賢者(二度と……以前の想い人の名を、口にすることはないだろう)

    賢者(……神罰が下っても構わない。だが、私が間違っているとも思わない)

    賢者(私はこの恋の成就を、一から組み立てていくつもりなのだ)

    賢者(そのつもりであれば、勇者様を意のままにする手段など他にあった)

    賢者(だがそれでは意味がない。勇者様が本心から、私を見てくれるようにならなければ)

    賢者(……僧侶には多少気の毒だが、後悔はしていない)

    賢者(幼馴染の想い人など、ましてや孤児の誼など、計り知れぬ太さの絆ではないか)

    賢者(もはや第三者の参入など、勝ち目がないではないか。勝負の場にさえ立てないではないか)

    賢者(だから私はふりだしに戻しただけだ。もし僧侶が勇者様を想うならば、同じ状況に立つべきだ)

    賢者(……死に物狂いで求めるべきだ。私がこのような手段を取ったように……)

    賢者(……)

    賢者(我ながら何たる詭弁尽くしだ。言い聞かせなければ、不安なのか)

    賢者(笑止な。いま一度、我が胸に刻もう。私には、一片たりとて後悔はないと――)
    227 : 【九電 77. - 2012/11/26(月) 23:38:17.96 ID:s2WOardC0 (+22,+29,-3)
    恒例の賢者覚醒ゾーン
    228 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:38:18.76 ID:pvR//xZO0 (+19,+29,-2)
    賢者女になれ
    229 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:38:43.60 ID:cPdTP93Z0 (+22,+29,-29)
    俺の股間から発せられるメラゾーマで賢者を灰にしてやりたい
    230 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:39:10.47 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,+0)
    ――

    【西の町>道場】

    商人「――では、一体いくらで手を打つおつもりですか!?」

    商人「我々には一刻も早く、その剣が必要だというのに!」

    師範「この『伝説の剣』は、私の宝だ。金などで量れる代物ではない」

    戦士「国王の証書は見せたはずだ。私心を押し通すならば、反逆罪になりかねんぞ」

    師範「さて、その証書は果たして本物かどうか。よしんば本物だとして」

    師範「お前たちが真に勇者一行であるか否か。この町の者は、誰も証明できない」

    戦士「ならばどうすればよい、このまま平行線で水掛け論を続けるつもりか」

    師範「いや……話はすぐにつけられる。この『伝説の剣』を手にする資格があるかどうか」

    師範「実力で示してもらおう」

    商人「なぜそのような回りくどいことをせねばならん! こうなったら王に直訴して――」

    戦士「待て。……お前と立ち合って、勝てば剣を手にする資格があるというのだな」

    師範「そうだ。さすがは北の城、随一の兵(つわもの)。流儀の通じる男だ」

    戦士「ふん。すべて知った上でか」
    231 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:39:12.69 ID:nla4Tuh50 (+13,+20,-3)
    やっと追いついた支援
    232 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:40:18.12 ID:JOtdaiZe0 (+93,+30,+0)
    商人「ちょ、戦士殿いけませんよ、こんな流れで得失を賭けた勝負なんて馬鹿らしい!」

    戦士「商人よ、礼を言う。後はこの町の武具でも品定めしてくるといい」

    商人「ちょおっと……もう、ワシゃホントにそうしますぞ!」

    師範「勝負を受けるようだな。よかろう」

    師範「本来ならば勇者当人に出てきて欲しいところだが――」

    師範「熱で寝込んでいるようでは、代役で辛抱せざるを得んだろう」

    商人「な、なぜそれを――!」

    戦士「地獄耳め。道場の主が、よくもそんな下らないことまで……」

    師範「いや、それはこの『伝説の剣』が教えてくれた」

    商人「!? な、何ですと?」

    師範「これはお前たちが思っている以上に不思議な剣でな。特殊な事情がある」

    戦士「ふん……真の勇者の居場所をも、感知するとでもいうのか」

    師範「何を不貞腐れている。平常を装っているつもりだろうが、野心が丸見えだぞ」

    戦士「抜かすのは剣だけにしろ。我々には時間がないのだ」

    師範「時間? お前の場合は、心の余裕がであろう」
    233 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:40:51.70 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,+0)
    弟子たち「」ズラーッ

    商人「お、多い……」

    師範は 木刀を そうびした!

    戦士は 木刀を そうびした! ▼

    師範「私から一本でも取ることができれば、お前の勝ちでいい」

    戦士「何。どういう意味だ」

    師範「そのままの意味だ。……師範代、合図を」

    「はっ。……始めっ!」

    戦士(こんな辺境の地で、無名の剣士に舐められてたまるか!)

    戦士「うおおおおおっ!」

    戦士の こうげき!

    師範「ぬううん!!」 バキッッ

    師範の こうげき!
    戦士は ふきとばされた!
    戦士の 木刀は 折れた!! ▼

    戦士「なっ……!?」
    234 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:41:07.65 ID:F3tQ5yOT0 (+25,+30,-34)
    僧侶ちゃんがひのきのぼうをバイブ代わりにすると思ったのに・・・
    235 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:41:13.77 ID:A5NtD7bp0 (+27,+29,-15)
    いけにえのしょうにんさんはすごいなあ
    だってぼくのまえにたってしんでくれるんだもん
    236 : 忍法帖【Lv= - 2012/11/26(月) 23:41:29.75 ID:HiIWOZmE0 (+22,+29,-5)
    はっぴーえんど期待する
    237 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:41:42.10 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-282)
    弟子「「\オオオオオォォォッス!!/」」

    商人「あわわわ……つ、強い……」

    師範「これで終わりではあるまい。新しい木刀を」

    戦士「くっ……その通りだ、こんなことで終わりではない!」

    戦士は 木刀を 装備した! ▼

    「始めっ!」

    戦士「うおおおおおっ!」

    師範「あからさまな兜割りだな。たやすく斬り払える」 バキッッ

    「――始めっ!」

    戦士「うおおおおおっ!」

    師範「横一閃には縦払い!」 バキッッ

    「――始めっ!」

    戦士「うおおおおおっ!」

    師範「下からの斬り上げならハエのように叩き落せる!!」 バキッッ

    戦士「……な……ならば……」
    238 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:42:34.82 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,+0)
    「――始めっ!」

    戦士「これはどうだ!」 ダッ

    師範「そう。刺突ならば、線ではなく点の攻撃。ゆえに容易に捉えられることもない……」

    師範「だが、及び腰だ! 慣れない攻め方に、身体が怖がっている!」 バキッッ

    戦士「うっ……」

    師範「そんな腑抜けた突きなど、余裕でかわして仕留められる」

    戦士「俺が……腑抜けているだと? 笑止な!」

    戦士「俺などより、あの勇者の方がどれほど温いか」

    戦士「あの小娘がこの場に立てば、お前から一本取るなど、永劫叶わぬだろうよ」

    師範「そうかな。勇者の本領は勇気であると聞く」

    師範「私の予測では、この戦いでお前と同じように『突き』まで辿りつき」

    師範「それと同時に一本取ってしまうような気がするのだが。勇気ある突きをもってな」

    戦士「……ほざけ。もう一勝負だ!」

    戦士は 木刀を 装備した! ▼

    師範「ふっ。その姿勢は果たして不屈か、はたまた意固地か――」
    239 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:43:15.51 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-206)
    「始めっ!」

    戦士「うおおおおっ!!」

    師範「凝りもせず分かりやすい袈裟斬りか。こんなもの――」

    ガララッ

    幼児「パパー!」

    師範「!?」

    弟子「こ、こら、いま入ってきちゃダメだ!」

    戦士の こうげき!

    師範は 大ダメージを うけた! ▼

    師範「ぐああああああっ!!」

    弟子「師範!」

    弟子「師ハーンッ!!」

    幼児「パパ!!」

    戦士(……ふん。俺の木刀を折れば、その刀身が飛んで危険だったということか?)

    戦士(軟弱に極まる!)
    240 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:43:46.50 ID:AFn1liMh0 (+22,+29,-3)
    クズが多過ぎるぞ
    241 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:43:52.85 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-268)
    戦士「いかなる事情であれ、真剣勝負に気を逸らすなど言語道断」

    戦士「今のは瞭然たる一本。『伝説の剣』は渡してもらおう」

    弟子「貴様ァ! それでも漢かァ!」 ブーブー

    弟子「詫びの一つもなしに、何だその言い方はァ!!」 ブーブー

    幼児「パパ、だいじょうぶ!?」

    師範「ああ……」

    師範「……みんなよく聞け。戦士殿の言い分は正しい」

    師範「真剣勝負の場に、私情を持ち込んだほうが負けなのだ。改めて肝に銘じよ」

    弟子「師範……」

    師範「戦士殿。これが伝説の剣だ。勇者様に渡してくれ」

    戦士「うむ」

    師範「この剣は……私の命より大切なものだ。くれぐれも大切に扱ってくれ」

    戦士「分かった」

    幼児「ダメーッ!」

    戦士「!?」
    242 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:44:00.57 ID:A5NtD7bp0 (+21,+28,-4)
    せこいよーせこいよ戦死さーん
    243 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:44:30.90 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-302)
    幼児「だってそれ……ママが大事にしてた……」

    師範「こら。大人しくしてなさい」

    戦士「ふっ、なるほど。お前の妻の、忘れ形見といったところか」

    戦士「何やら事情があるようだが、そんなことに興味はない」

    戦士「俺はこの剣さえ手に入れれば、それで良いのだからな」

    師範「! な、何を……」

    戦士「真の勇者のみ抜き放つことができるという剣……」

    戦士「俺にその価値があるかどうか、確かめさせてもらう!!」

    戦士は 伝説の剣を 装備した!

    しかし ひきぬけなかった! ▼

    戦士「ぬ……抜けん……!?」 グッ グッ

    師範「無理だ。……その剣は、誰にも抜くことはできない」

    戦士「なぜだ。なぜ俺に抜けんのだ!? 俺が一番」 ググッ

    戦士「俺がこの国で一番、魔王を討ちたいと思っているのだ!!」 グググッ

    師範「戦士殿! ……もうここに用はないはずだ。お引き取り願おう……」
    244 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:44:34.11 ID:pvR//xZO0 (+24,+29,-4)
    だが賢者ほど手はない
    245 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:44:54.56 ID:MgoKJHeg0 (+24,+29,-6)
    幼児は後に俺の嫁となる少女である
    246 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:45:17.73 ID:nla4Tuh50 (+7,+11,-3)
    >>245
    ほも?
    247 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:45:34.96 ID:XT8lKUjx0 (+40,+29,-16)
    じゃあお前らが嫌いな戦士と賢者と商人は俺がもらうからな! 文句ないだろ!
    248 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:45:37.51 ID:UBofX8it0 (+4,+11,-15)
    F5キーが壊れそうです
    249 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:45:45.81 ID:JOtdaiZe0 (+95,+30,-267)
    【西の町>宿屋】

    商人「ただいま戻りましたぞ」

    勇者「あ……おかえりなさい、商人さん!」

    商人「おお勇者様、もう容態はよろしいので?」

    勇者「うん、賢者さんのおかげですっかり治っちゃった! 迷惑かけてごめんね」

    賢者「……商人殿、どちらに? 伝説の剣は手に入りましたか?」

    商人「いやあ、見つけたには見つけたのですがね」

    商人「どうにも所有者の融通がきかなくて、商談にも持ち込めなかったんですよ」

    勇者「ええっ。商人さんの交渉が通じないなんて……」

    商人「戦士殿と勝負して、勝ったら譲るという話ではありますが……」

    商人「いやはやその師範がべらぼうに強くて! 戦士殿じゃ相手にならないくらいです」

    賢者「なんと。それは始末に終えませんね……」

    商人「ワシはこりゃダメだ、他の方法を考えようと、途中で抜け出してきましたわ」

    戦士「ふん。愛想をつかされる体たらくで悪かったな」 ガチャ

    商人「!? あわわわ戦士殿!」
    250 : 以下、名無しにか - 2012/11/26(月) 23:46:05.47 ID:UBofX8it0 (+32,+29,-15)
    >>247
    女戦士は置いていってもらおうか
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