私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。
元スレ僧侶「ひのきのぼう……?」
SS スレッド一覧へ / SS とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 : ★★★×4
レスフィルター : (試験中)
――
【西の町>宿屋】
賢者「……ただの熱中症のようです。大事には至らないとはいえ、安静にしておかねば」
戦士「ふっ。みなが同じ条件にも関わらず、情けないな」
商人「戦士殿は、ワシの荷物を持ってくれませんでしたぞ……」
賢者「それにこれは、知恵熱のようなものも混じっているかもしれません」
賢者「勇者として、パーティーを率いる責務や……その他に悩みがあった可能性も」
戦士「俺達の最終目標は何だ? 負うものの大きさを考えろ。甘ったれたことは一切言ってられん」
戦士「行くぞ、商人よ」
商人「ど、どこへ……?」
戦士「伝説の剣の在り処を探すのだ。一刻でも早く、この町での目的は完遂させる」
賢者「戦士殿、お願いします。――ただし」
賢者「いつの歴史も、勇者は唯一。ゆめゆめお忘れなきよう」
戦士「ふん。何が言いたいのか分からんな」 バタン
商人「ああちょっとワシも着いていく話では!」 ガチャ バタン
【西の町>宿屋】
賢者「……ただの熱中症のようです。大事には至らないとはいえ、安静にしておかねば」
戦士「ふっ。みなが同じ条件にも関わらず、情けないな」
商人「戦士殿は、ワシの荷物を持ってくれませんでしたぞ……」
賢者「それにこれは、知恵熱のようなものも混じっているかもしれません」
賢者「勇者として、パーティーを率いる責務や……その他に悩みがあった可能性も」
戦士「俺達の最終目標は何だ? 負うものの大きさを考えろ。甘ったれたことは一切言ってられん」
戦士「行くぞ、商人よ」
商人「ど、どこへ……?」
戦士「伝説の剣の在り処を探すのだ。一刻でも早く、この町での目的は完遂させる」
賢者「戦士殿、お願いします。――ただし」
賢者「いつの歴史も、勇者は唯一。ゆめゆめお忘れなきよう」
戦士「ふん。何が言いたいのか分からんな」 バタン
商人「ああちょっとワシも着いていく話では!」 ガチャ バタン
勇者「」 スー スー…
賢者「勇者様……」
賢者(寝顔だけ見れば、戦いとは無縁な年頃の少女そのもの)
賢者(『勇者』という責は、この小さな体躯にどれだけの重圧をかけていることだろう……)
賢者(……)
勇者「」 スー スー…
賢者(……美しい。勇者様のすべてが愛おしい。ああ、運命とは残酷なものだ)
賢者(色恋沙汰にはまるで無関心だった私が、はじめて恋に落ちた相手が……)
賢者(天に選ばれし勇者だとは。しかも……すでに想い人がいるなど……)
賢者(……)
賢者(やはり、決行しよう。今こそ好機だ)
賢者(恋愛とて修羅の道。であれば、私がやろうとしていることにも正当性はある)
賢者(徳の道からは外れようとも、代わりに私にも『機』が得られるならば、安いもの)
賢者(さぁ、愛欲にまみれた下賎な魔術師の汚名を被ろう。私の価値は、私自身が決めるのだ――)
よく考えると戦士っていらんよな
終盤では勇者と攻撃力同じくらいだし
魔法使えんし ただのお荷物
終盤では勇者と攻撃力同じくらいだし
魔法使えんし ただのお荷物
宿の女「……あら賢者様。お連れの方のお加減は……」
賢者「すまない、今から薬を作る。厨房をお借りする」
宿の女「……お薬でしたら、わたくしがご用意いたしますが……」
賢者「急を要するのだ、ご厚意だけ感謝する。また私が薬を作る間、立ち入らないでもらいたい」
宿の女「……はい。さようでしたら、そのように……」
賢者「……」
賢者(行ったか。誰もいないな)
賢者(これは私が好奇心で研究していた呪薬の一つ。調剤過程はまだ秘匿だ)
賢者(まずは普通の解熱剤を作る)
賢者(これは聖水と薬草を使って、簡単に作ることができるが――)
賢者(さらに、時期を見計らって回復呪文をかけることで、効果が増強される――)
賢者は ベホマを となえた! ▼
賢者(……完成だ。さて、私の下心が芽生えなかったなら、この時点で切り上げるところだが)
賢者(ここからが本番だ)
賢者「すまない、今から薬を作る。厨房をお借りする」
宿の女「……お薬でしたら、わたくしがご用意いたしますが……」
賢者「急を要するのだ、ご厚意だけ感謝する。また私が薬を作る間、立ち入らないでもらいたい」
宿の女「……はい。さようでしたら、そのように……」
賢者「……」
賢者(行ったか。誰もいないな)
賢者(これは私が好奇心で研究していた呪薬の一つ。調剤過程はまだ秘匿だ)
賢者(まずは普通の解熱剤を作る)
賢者(これは聖水と薬草を使って、簡単に作ることができるが――)
賢者(さらに、時期を見計らって回復呪文をかけることで、効果が増強される――)
賢者は ベホマを となえた! ▼
賢者(……完成だ。さて、私の下心が芽生えなかったなら、この時点で切り上げるところだが)
賢者(ここからが本番だ)
賢者(ベースは同じ聖水だが、主成分は『きえさりそう』を使う)
賢者(よく煮込み、かき混ぜる――)
賢者(次に――これを使う。以前、あの僧侶が装備していたローブだ)
賢者(これの切れはしを使う。心の臓に近い、胸の部分がよかろう)
賢者(……『ひのきのぼう』との判を押された、憐れな少年よ)
賢者(勇者様のおそばに寄ったのは、余りにも早すぎたのだ……!)
賢者は ローブを きりさいた!
賢者は メラを となえた!
ローブの切れはしは もえあがり 灰になった! ▼
賢者(……。罪悪感は押し殺す。私はすでに決断した)
賢者(……灰となったローブを、『きえさりそう』の混ざった聖水に加え、よく混ぜる――)
賢者(そして一定のタイミングを見計らい、最大魔力でこの呪文をかける)
賢者は メダパニを となえた! ▼
賢者(……ふう……。仕上げに、あらかじめ作っておいた解熱剤と混ぜ合わせる)
賢者(……完成だ。あとはこれを、勇者様に飲んでいただくことで……)
賢者(私の望む状況が生まれる)
賢者(よく煮込み、かき混ぜる――)
賢者(次に――これを使う。以前、あの僧侶が装備していたローブだ)
賢者(これの切れはしを使う。心の臓に近い、胸の部分がよかろう)
賢者(……『ひのきのぼう』との判を押された、憐れな少年よ)
賢者(勇者様のおそばに寄ったのは、余りにも早すぎたのだ……!)
賢者は ローブを きりさいた!
賢者は メラを となえた!
ローブの切れはしは もえあがり 灰になった! ▼
賢者(……。罪悪感は押し殺す。私はすでに決断した)
賢者(……灰となったローブを、『きえさりそう』の混ざった聖水に加え、よく混ぜる――)
賢者(そして一定のタイミングを見計らい、最大魔力でこの呪文をかける)
賢者は メダパニを となえた! ▼
賢者(……ふう……。仕上げに、あらかじめ作っておいた解熱剤と混ぜ合わせる)
賢者(……完成だ。あとはこれを、勇者様に飲んでいただくことで……)
賢者(私の望む状況が生まれる)
ガチャ
賢者「……勇者様。目を覚まされたのですね」
勇者「あ……賢者さん」
賢者「窓の外になにか?」
勇者「うん、ここの宿の女の人が、麦を運んでて。この町、女性もよく働くんだなって」
賢者「ここ西の町は戦士の町。女性も気丈でなければ、荒くれ者の伴侶もままならないのでしょう」
勇者「ふうん……ボクも頑張らないとなぁ……」
賢者「それより、ご容態は」
勇者「もう、平気。心配かけてごめんね」
賢者「正直に仰ってください。まだ鈍痛が続いているのでは」
勇者「……うん。賢者さんに嘘をついてもしょうがないね。ホントは、まだ少し……」
賢者「今しがた、解熱剤を作りました。こちらをお飲みください」
勇者「ありがとう。賢者さんは、優しいね。まるで僧侶みた……あ、いや、何でも……」
賢者「……」
賢者「お早いうちに、お薬を召し上がりください。どうぞ……」 コトン
賢者「……勇者様。目を覚まされたのですね」
勇者「あ……賢者さん」
賢者「窓の外になにか?」
勇者「うん、ここの宿の女の人が、麦を運んでて。この町、女性もよく働くんだなって」
賢者「ここ西の町は戦士の町。女性も気丈でなければ、荒くれ者の伴侶もままならないのでしょう」
勇者「ふうん……ボクも頑張らないとなぁ……」
賢者「それより、ご容態は」
勇者「もう、平気。心配かけてごめんね」
賢者「正直に仰ってください。まだ鈍痛が続いているのでは」
勇者「……うん。賢者さんに嘘をついてもしょうがないね。ホントは、まだ少し……」
賢者「今しがた、解熱剤を作りました。こちらをお飲みください」
勇者「ありがとう。賢者さんは、優しいね。まるで僧侶みた……あ、いや、何でも……」
賢者「……」
賢者「お早いうちに、お薬を召し上がりください。どうぞ……」 コトン
勇者「分かった。じゃ、ありがたく……。……!」
賢者「? どうかされましたか?」
勇者「……このお薬……何度も似たのを飲んだことがある……」
賢者「!」
勇者「……その、今まで飲んできた薬は、びっくりするほどよく効いたけど……」
勇者「これは、ちょっと香りが違う気がする……」
賢者「……僧侶殿が作った解熱剤の話ですか?」
勇者「……」
賢者「なぜ」
賢者「なぜ私を信用して下さらないのですか?」
勇者「えっ」
賢者「私とて専門外とはいえ、薬に関してはそれなりの自負はあります」
賢者「恐縮ながら私は……魔王打倒を目指す同志として……」
賢者「すでにパーティーには、勇者様には信用を勝ち得ていたものと思っておりました……」
勇者「そ、それは……そんなつもりは!」
賢者「? どうかされましたか?」
勇者「……このお薬……何度も似たのを飲んだことがある……」
賢者「!」
勇者「……その、今まで飲んできた薬は、びっくりするほどよく効いたけど……」
勇者「これは、ちょっと香りが違う気がする……」
賢者「……僧侶殿が作った解熱剤の話ですか?」
勇者「……」
賢者「なぜ」
賢者「なぜ私を信用して下さらないのですか?」
勇者「えっ」
賢者「私とて専門外とはいえ、薬に関してはそれなりの自負はあります」
賢者「恐縮ながら私は……魔王打倒を目指す同志として……」
賢者「すでにパーティーには、勇者様には信用を勝ち得ていたものと思っておりました……」
勇者「そ、それは……そんなつもりは!」
勇者「ボクは、賢者さんを疑ったりなんかしないよ!」
賢者「勇者様」
勇者「賢者さんは、仲間だ。仲間の作ってくれた薬を飲めないリーダーなんかいないよ」
勇者は くすりを 手に取り
いっきに のみほした! ▼
勇者「ほら、飲んだよ! だからもう……。 ! ! !」
勇者「 あ うあ あああ ? ?」
勇者「あ……頭が……」
勇者(あ……なにこれ……消える……消えちゃう……)
勇者(ボクの頭の中から……大事なものが……消えていっちゃう……!)
勇者(やだ……怖い……いやだ……)
勇者(助けて……――!)
勇者(――?? あれ……――!? ――)
勇者「――――――――――――――…………」
賢者「勇者様」
勇者「賢者さんは、仲間だ。仲間の作ってくれた薬を飲めないリーダーなんかいないよ」
勇者は くすりを 手に取り
いっきに のみほした! ▼
勇者「ほら、飲んだよ! だからもう……。 ! ! !」
勇者「 あ うあ あああ ? ?」
勇者「あ……頭が……」
勇者(あ……なにこれ……消える……消えちゃう……)
勇者(ボクの頭の中から……大事なものが……消えていっちゃう……!)
勇者(やだ……怖い……いやだ……)
勇者(助けて……――!)
勇者(――?? あれ……――!? ――)
勇者「――――――――――――――…………」
賢者(……成功だ)
賢者(これで勇者様の記憶から、僧侶に関する情報はすべて消えた)
賢者(二度と……以前の想い人の名を、口にすることはないだろう)
賢者(……神罰が下っても構わない。だが、私が間違っているとも思わない)
賢者(私はこの恋の成就を、一から組み立てていくつもりなのだ)
賢者(そのつもりであれば、勇者様を意のままにする手段など他にあった)
賢者(だがそれでは意味がない。勇者様が本心から、私を見てくれるようにならなければ)
賢者(……僧侶には多少気の毒だが、後悔はしていない)
賢者(幼馴染の想い人など、ましてや孤児の誼など、計り知れぬ太さの絆ではないか)
賢者(もはや第三者の参入など、勝ち目がないではないか。勝負の場にさえ立てないではないか)
賢者(だから私はふりだしに戻しただけだ。もし僧侶が勇者様を想うならば、同じ状況に立つべきだ)
賢者(……死に物狂いで求めるべきだ。私がこのような手段を取ったように……)
賢者(……)
賢者(我ながら何たる詭弁尽くしだ。言い聞かせなければ、不安なのか)
賢者(笑止な。いま一度、我が胸に刻もう。私には、一片たりとて後悔はないと――)
賢者(これで勇者様の記憶から、僧侶に関する情報はすべて消えた)
賢者(二度と……以前の想い人の名を、口にすることはないだろう)
賢者(……神罰が下っても構わない。だが、私が間違っているとも思わない)
賢者(私はこの恋の成就を、一から組み立てていくつもりなのだ)
賢者(そのつもりであれば、勇者様を意のままにする手段など他にあった)
賢者(だがそれでは意味がない。勇者様が本心から、私を見てくれるようにならなければ)
賢者(……僧侶には多少気の毒だが、後悔はしていない)
賢者(幼馴染の想い人など、ましてや孤児の誼など、計り知れぬ太さの絆ではないか)
賢者(もはや第三者の参入など、勝ち目がないではないか。勝負の場にさえ立てないではないか)
賢者(だから私はふりだしに戻しただけだ。もし僧侶が勇者様を想うならば、同じ状況に立つべきだ)
賢者(……死に物狂いで求めるべきだ。私がこのような手段を取ったように……)
賢者(……)
賢者(我ながら何たる詭弁尽くしだ。言い聞かせなければ、不安なのか)
賢者(笑止な。いま一度、我が胸に刻もう。私には、一片たりとて後悔はないと――)
――
【西の町>道場】
商人「――では、一体いくらで手を打つおつもりですか!?」
商人「我々には一刻も早く、その剣が必要だというのに!」
師範「この『伝説の剣』は、私の宝だ。金などで量れる代物ではない」
戦士「国王の証書は見せたはずだ。私心を押し通すならば、反逆罪になりかねんぞ」
師範「さて、その証書は果たして本物かどうか。よしんば本物だとして」
師範「お前たちが真に勇者一行であるか否か。この町の者は、誰も証明できない」
戦士「ならばどうすればよい、このまま平行線で水掛け論を続けるつもりか」
師範「いや……話はすぐにつけられる。この『伝説の剣』を手にする資格があるかどうか」
師範「実力で示してもらおう」
商人「なぜそのような回りくどいことをせねばならん! こうなったら王に直訴して――」
戦士「待て。……お前と立ち合って、勝てば剣を手にする資格があるというのだな」
師範「そうだ。さすがは北の城、随一の兵(つわもの)。流儀の通じる男だ」
戦士「ふん。すべて知った上でか」
【西の町>道場】
商人「――では、一体いくらで手を打つおつもりですか!?」
商人「我々には一刻も早く、その剣が必要だというのに!」
師範「この『伝説の剣』は、私の宝だ。金などで量れる代物ではない」
戦士「国王の証書は見せたはずだ。私心を押し通すならば、反逆罪になりかねんぞ」
師範「さて、その証書は果たして本物かどうか。よしんば本物だとして」
師範「お前たちが真に勇者一行であるか否か。この町の者は、誰も証明できない」
戦士「ならばどうすればよい、このまま平行線で水掛け論を続けるつもりか」
師範「いや……話はすぐにつけられる。この『伝説の剣』を手にする資格があるかどうか」
師範「実力で示してもらおう」
商人「なぜそのような回りくどいことをせねばならん! こうなったら王に直訴して――」
戦士「待て。……お前と立ち合って、勝てば剣を手にする資格があるというのだな」
師範「そうだ。さすがは北の城、随一の兵(つわもの)。流儀の通じる男だ」
戦士「ふん。すべて知った上でか」
商人「ちょ、戦士殿いけませんよ、こんな流れで得失を賭けた勝負なんて馬鹿らしい!」
戦士「商人よ、礼を言う。後はこの町の武具でも品定めしてくるといい」
商人「ちょおっと……もう、ワシゃホントにそうしますぞ!」
師範「勝負を受けるようだな。よかろう」
師範「本来ならば勇者当人に出てきて欲しいところだが――」
師範「熱で寝込んでいるようでは、代役で辛抱せざるを得んだろう」
商人「な、なぜそれを――!」
戦士「地獄耳め。道場の主が、よくもそんな下らないことまで……」
師範「いや、それはこの『伝説の剣』が教えてくれた」
商人「!? な、何ですと?」
師範「これはお前たちが思っている以上に不思議な剣でな。特殊な事情がある」
戦士「ふん……真の勇者の居場所をも、感知するとでもいうのか」
師範「何を不貞腐れている。平常を装っているつもりだろうが、野心が丸見えだぞ」
戦士「抜かすのは剣だけにしろ。我々には時間がないのだ」
師範「時間? お前の場合は、心の余裕がであろう」
戦士「商人よ、礼を言う。後はこの町の武具でも品定めしてくるといい」
商人「ちょおっと……もう、ワシゃホントにそうしますぞ!」
師範「勝負を受けるようだな。よかろう」
師範「本来ならば勇者当人に出てきて欲しいところだが――」
師範「熱で寝込んでいるようでは、代役で辛抱せざるを得んだろう」
商人「な、なぜそれを――!」
戦士「地獄耳め。道場の主が、よくもそんな下らないことまで……」
師範「いや、それはこの『伝説の剣』が教えてくれた」
商人「!? な、何ですと?」
師範「これはお前たちが思っている以上に不思議な剣でな。特殊な事情がある」
戦士「ふん……真の勇者の居場所をも、感知するとでもいうのか」
師範「何を不貞腐れている。平常を装っているつもりだろうが、野心が丸見えだぞ」
戦士「抜かすのは剣だけにしろ。我々には時間がないのだ」
師範「時間? お前の場合は、心の余裕がであろう」
弟子たち「」ズラーッ
商人「お、多い……」
師範は 木刀を そうびした!
戦士は 木刀を そうびした! ▼
師範「私から一本でも取ることができれば、お前の勝ちでいい」
戦士「何。どういう意味だ」
師範「そのままの意味だ。……師範代、合図を」
大男「はっ。……始めっ!」
戦士(こんな辺境の地で、無名の剣士に舐められてたまるか!)
戦士「うおおおおおっ!」
戦士の こうげき!
師範「ぬううん!!」 バキッッ
師範の こうげき!
戦士は ふきとばされた!
戦士の 木刀は 折れた!! ▼
戦士「なっ……!?」
商人「お、多い……」
師範は 木刀を そうびした!
戦士は 木刀を そうびした! ▼
師範「私から一本でも取ることができれば、お前の勝ちでいい」
戦士「何。どういう意味だ」
師範「そのままの意味だ。……師範代、合図を」
大男「はっ。……始めっ!」
戦士(こんな辺境の地で、無名の剣士に舐められてたまるか!)
戦士「うおおおおおっ!」
戦士の こうげき!
師範「ぬううん!!」 バキッッ
師範の こうげき!
戦士は ふきとばされた!
戦士の 木刀は 折れた!! ▼
戦士「なっ……!?」
僧侶ちゃんがひのきのぼうをバイブ代わりにすると思ったのに・・・
いけにえのしょうにんさんはすごいなあ
だってぼくのまえにたってしんでくれるんだもん
だってぼくのまえにたってしんでくれるんだもん
弟子「「\オオオオオォォォッス!!/」」
商人「あわわわ……つ、強い……」
師範「これで終わりではあるまい。新しい木刀を」
戦士「くっ……その通りだ、こんなことで終わりではない!」
戦士は 木刀を 装備した! ▼
大男「始めっ!」
戦士「うおおおおおっ!」
師範「あからさまな兜割りだな。たやすく斬り払える」 バキッッ
大男「――始めっ!」
戦士「うおおおおおっ!」
師範「横一閃には縦払い!」 バキッッ
大男「――始めっ!」
戦士「うおおおおおっ!」
師範「下からの斬り上げならハエのように叩き落せる!!」 バキッッ
戦士「……な……ならば……」
商人「あわわわ……つ、強い……」
師範「これで終わりではあるまい。新しい木刀を」
戦士「くっ……その通りだ、こんなことで終わりではない!」
戦士は 木刀を 装備した! ▼
大男「始めっ!」
戦士「うおおおおおっ!」
師範「あからさまな兜割りだな。たやすく斬り払える」 バキッッ
大男「――始めっ!」
戦士「うおおおおおっ!」
師範「横一閃には縦払い!」 バキッッ
大男「――始めっ!」
戦士「うおおおおおっ!」
師範「下からの斬り上げならハエのように叩き落せる!!」 バキッッ
戦士「……な……ならば……」
大男「――始めっ!」
戦士「これはどうだ!」 ダッ
師範「そう。刺突ならば、線ではなく点の攻撃。ゆえに容易に捉えられることもない……」
師範「だが、及び腰だ! 慣れない攻め方に、身体が怖がっている!」 バキッッ
戦士「うっ……」
師範「そんな腑抜けた突きなど、余裕でかわして仕留められる」
戦士「俺が……腑抜けているだと? 笑止な!」
戦士「俺などより、あの勇者の方がどれほど温いか」
戦士「あの小娘がこの場に立てば、お前から一本取るなど、永劫叶わぬだろうよ」
師範「そうかな。勇者の本領は勇気であると聞く」
師範「私の予測では、この戦いでお前と同じように『突き』まで辿りつき」
師範「それと同時に一本取ってしまうような気がするのだが。勇気ある突きをもってな」
戦士「……ほざけ。もう一勝負だ!」
戦士は 木刀を 装備した! ▼
師範「ふっ。その姿勢は果たして不屈か、はたまた意固地か――」
戦士「これはどうだ!」 ダッ
師範「そう。刺突ならば、線ではなく点の攻撃。ゆえに容易に捉えられることもない……」
師範「だが、及び腰だ! 慣れない攻め方に、身体が怖がっている!」 バキッッ
戦士「うっ……」
師範「そんな腑抜けた突きなど、余裕でかわして仕留められる」
戦士「俺が……腑抜けているだと? 笑止な!」
戦士「俺などより、あの勇者の方がどれほど温いか」
戦士「あの小娘がこの場に立てば、お前から一本取るなど、永劫叶わぬだろうよ」
師範「そうかな。勇者の本領は勇気であると聞く」
師範「私の予測では、この戦いでお前と同じように『突き』まで辿りつき」
師範「それと同時に一本取ってしまうような気がするのだが。勇気ある突きをもってな」
戦士「……ほざけ。もう一勝負だ!」
戦士は 木刀を 装備した! ▼
師範「ふっ。その姿勢は果たして不屈か、はたまた意固地か――」
大男「始めっ!」
戦士「うおおおおっ!!」
師範「凝りもせず分かりやすい袈裟斬りか。こんなもの――」
ガララッ
幼児「パパー!」
師範「!?」
弟子「こ、こら、いま入ってきちゃダメだ!」
戦士の こうげき!
師範は 大ダメージを うけた! ▼
師範「ぐああああああっ!!」
弟子「師範!」
弟子「師ハーンッ!!」
幼児「パパ!!」
戦士(……ふん。俺の木刀を折れば、その刀身が飛んで危険だったということか?)
戦士(軟弱に極まる!)
戦士「うおおおおっ!!」
師範「凝りもせず分かりやすい袈裟斬りか。こんなもの――」
ガララッ
幼児「パパー!」
師範「!?」
弟子「こ、こら、いま入ってきちゃダメだ!」
戦士の こうげき!
師範は 大ダメージを うけた! ▼
師範「ぐああああああっ!!」
弟子「師範!」
弟子「師ハーンッ!!」
幼児「パパ!!」
戦士(……ふん。俺の木刀を折れば、その刀身が飛んで危険だったということか?)
戦士(軟弱に極まる!)
戦士「いかなる事情であれ、真剣勝負に気を逸らすなど言語道断」
戦士「今のは瞭然たる一本。『伝説の剣』は渡してもらおう」
弟子「貴様ァ! それでも漢かァ!」 ブーブー
弟子「詫びの一つもなしに、何だその言い方はァ!!」 ブーブー
幼児「パパ、だいじょうぶ!?」
師範「ああ……」
師範「……みんなよく聞け。戦士殿の言い分は正しい」
師範「真剣勝負の場に、私情を持ち込んだほうが負けなのだ。改めて肝に銘じよ」
弟子「師範……」
師範「戦士殿。これが伝説の剣だ。勇者様に渡してくれ」
戦士「うむ」
師範「この剣は……私の命より大切なものだ。くれぐれも大切に扱ってくれ」
戦士「分かった」
幼児「ダメーッ!」
戦士「!?」
戦士「今のは瞭然たる一本。『伝説の剣』は渡してもらおう」
弟子「貴様ァ! それでも漢かァ!」 ブーブー
弟子「詫びの一つもなしに、何だその言い方はァ!!」 ブーブー
幼児「パパ、だいじょうぶ!?」
師範「ああ……」
師範「……みんなよく聞け。戦士殿の言い分は正しい」
師範「真剣勝負の場に、私情を持ち込んだほうが負けなのだ。改めて肝に銘じよ」
弟子「師範……」
師範「戦士殿。これが伝説の剣だ。勇者様に渡してくれ」
戦士「うむ」
師範「この剣は……私の命より大切なものだ。くれぐれも大切に扱ってくれ」
戦士「分かった」
幼児「ダメーッ!」
戦士「!?」
幼児「だってそれ……ママが大事にしてた……」
師範「こら。大人しくしてなさい」
戦士「ふっ、なるほど。お前の妻の、忘れ形見といったところか」
戦士「何やら事情があるようだが、そんなことに興味はない」
戦士「俺はこの剣さえ手に入れれば、それで良いのだからな」
師範「! な、何を……」
戦士「真の勇者のみ抜き放つことができるという剣……」
戦士「俺にその価値があるかどうか、確かめさせてもらう!!」
戦士は 伝説の剣を 装備した!
しかし ひきぬけなかった! ▼
戦士「ぬ……抜けん……!?」 グッ グッ
師範「無理だ。……その剣は、誰にも抜くことはできない」
戦士「なぜだ。なぜ俺に抜けんのだ!? 俺が一番」 ググッ
戦士「俺がこの国で一番、魔王を討ちたいと思っているのだ!!」 グググッ
師範「戦士殿! ……もうここに用はないはずだ。お引き取り願おう……」
師範「こら。大人しくしてなさい」
戦士「ふっ、なるほど。お前の妻の、忘れ形見といったところか」
戦士「何やら事情があるようだが、そんなことに興味はない」
戦士「俺はこの剣さえ手に入れれば、それで良いのだからな」
師範「! な、何を……」
戦士「真の勇者のみ抜き放つことができるという剣……」
戦士「俺にその価値があるかどうか、確かめさせてもらう!!」
戦士は 伝説の剣を 装備した!
しかし ひきぬけなかった! ▼
戦士「ぬ……抜けん……!?」 グッ グッ
師範「無理だ。……その剣は、誰にも抜くことはできない」
戦士「なぜだ。なぜ俺に抜けんのだ!? 俺が一番」 ググッ
戦士「俺がこの国で一番、魔王を討ちたいと思っているのだ!!」 グググッ
師範「戦士殿! ……もうここに用はないはずだ。お引き取り願おう……」
>>245
ほも?
ほも?
じゃあお前らが嫌いな戦士と賢者と商人は俺がもらうからな! 文句ないだろ!
【西の町>宿屋】
商人「ただいま戻りましたぞ」
勇者「あ……おかえりなさい、商人さん!」
商人「おお勇者様、もう容態はよろしいので?」
勇者「うん、賢者さんのおかげですっかり治っちゃった! 迷惑かけてごめんね」
賢者「……商人殿、どちらに? 伝説の剣は手に入りましたか?」
商人「いやあ、見つけたには見つけたのですがね」
商人「どうにも所有者の融通がきかなくて、商談にも持ち込めなかったんですよ」
勇者「ええっ。商人さんの交渉が通じないなんて……」
商人「戦士殿と勝負して、勝ったら譲るという話ではありますが……」
商人「いやはやその師範がべらぼうに強くて! 戦士殿じゃ相手にならないくらいです」
賢者「なんと。それは始末に終えませんね……」
商人「ワシはこりゃダメだ、他の方法を考えようと、途中で抜け出してきましたわ」
戦士「ふん。愛想をつかされる体たらくで悪かったな」 ガチャ
商人「!? あわわわ戦士殿!」
商人「ただいま戻りましたぞ」
勇者「あ……おかえりなさい、商人さん!」
商人「おお勇者様、もう容態はよろしいので?」
勇者「うん、賢者さんのおかげですっかり治っちゃった! 迷惑かけてごめんね」
賢者「……商人殿、どちらに? 伝説の剣は手に入りましたか?」
商人「いやあ、見つけたには見つけたのですがね」
商人「どうにも所有者の融通がきかなくて、商談にも持ち込めなかったんですよ」
勇者「ええっ。商人さんの交渉が通じないなんて……」
商人「戦士殿と勝負して、勝ったら譲るという話ではありますが……」
商人「いやはやその師範がべらぼうに強くて! 戦士殿じゃ相手にならないくらいです」
賢者「なんと。それは始末に終えませんね……」
商人「ワシはこりゃダメだ、他の方法を考えようと、途中で抜け出してきましたわ」
戦士「ふん。愛想をつかされる体たらくで悪かったな」 ガチャ
商人「!? あわわわ戦士殿!」
>>247
女戦士は置いていってもらおうか
女戦士は置いていってもらおうか
前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS スレッド一覧へ
みんなの評価 : ★★★×4類似してるかもしれないスレッド
- 僧侶「ひのきのぼう……?」 (1001) - [100%] - 2012/11/26 10:30 ★★★×6
- 佐天「ですのート……?」 (747) - [62%] - 2010/4/9 23:01 ★★★
- 杏子「どこにも無い……!」 (240) - [58%] - 2011/11/11 17:15 ★
- 響「ひとりぼっち……」 (149) - [58%] - 2012/3/25 9:00 ☆
- 小鳥「私しってます……」 (193) - [57%] - 2012/5/29 4:30 ★
- 結衣「ご…ごがつあめ…?」 (348) - [56%] - 2011/12/21 10:00 ☆
- 苗木「すごろくだって!?」 (194) - [56%] - 2013/10/26 17:30 ☆
- 恒一「きのこたけのこ戦争?」 (176) - [55%] - 2012/5/29 4:15 ★
- 撫子「え、どうして……円高?」 (220) - [54%] - 2012/7/22 10:45 ☆
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について