私的良スレ書庫
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元スレ岡部「これが、俺たちの選択だよ」
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彼女は最後のダルと紅莉栖の表情を混ぜたような顔をしていた。しかし、その瞳には少なからず俺への憐憫が見えた。
「オカリン」
まゆりは俺の目の前に仁王立ちし、芯の通った言葉を掛けてくる。
やめてくれまゆり。もう一人にさせてくれ。このまま一人で消えさせてくれ。
俺に、感情を取り戻させないでくれ。
「ダルくんと紅莉栖ちゃんから、少しだけど聞いたよ。聞いたけど、さっぱり分からなかった。
オカリン教えて。あれは一体なんの話なの?」
……あぁ、まゆりもか。
まゆりも、なにも思い出してはくれないのか。
この世界線は、とことん俺が嫌いなようだ。
「オカリンの今の様子を見ても、ただの嘘じゃないって分かるよ。本当に何かがあったんでしょ?
オカリンの口からちゃんと聞けば、まゆしぃでも何か分かるかもしれない。ねぇ、オカリン」
しゃがんで俺に目線を合わせ、光ある瞳で俺を見つめてくる。
……まゆりにも話したとして。
果たして彼女は思い出してくれるのだろうか。
もし思い出さなかったら、今度こそ俺は耐えられない。今だって先程の記憶から目を逸らすのに必死なのだ。
「ねぇ、オカリン、お願い……まゆしぃに、教えて欲しいよ……」
惑う思考を、まゆりの小さな言葉が引き上げた。
彼女は俺に訴えている。俺の苦しみを、自分も共有したい、と言ってくれている。
「…………」
ブレていたまゆりの輪郭がはっきりと見えてくる。俺の目にも彼女の光が灯る。
俺はゆっくり、しかしはっきりと頷いた。
長い、長い時間をかけて話した。
とっくにまゆりは門限を過ぎているだろうに、文句一つ言わず俺に付き合ってくれた。
途中、喉を涸らす俺にまゆりはコーヒーやドクペを口に運んでくれた。
余りに信じ難く、聞き辛いであろう俺の話を聞いてくれた。
まゆりの死も話した。全て話した。包み隠さず、今に至る俺の心境を全て話した。
そして俺は話しているうち、一つの仮説に至った。
全てを語り終えた後、まゆりの表情で、その仮説は事実だと確信した。
まゆりは、心配していたのだ。
世界線漂流という辛い体験をしてきた俺を心配したのではない。
真剣な調子で荒唐無稽な話を語り出す、頭のおかしくなった幼なじみを、心配していたのだ。
呑み込まれてゆく
孤独な観測者
うわあああああああああいああああああああ
孤独な観測者
うわあああああああああいああああああああ
そりゃあSGではまゆり、夢でのRS発動してねえからなあ。βでは信じたのに・・・
今まで、誰かに他世界線の話をした時は、必ず一定の理解は得られていた。
紅莉栖もダルもルカ子もフェイリスも萌郁も、細かいリアクションは違ったが、
俺の真剣な様子を見て、最後にはある程度飲み込んでくれていた。
まゆりも、試したことは終ぞ無かったが、困惑しつつも必ず聞き入れてくれたであろう。
……なのに、目の前のまゆりは違う。
相づちは打っていたが、話を真剣に聞いている様子はなかった。この表情を、俺はどこかで見たことがあった。
あれはたしか、そう、テレビ。
認知症のお年寄りの話を聞き流す、看護婦の表情だ。
本編とは違った絶望感。
ゲームクリアしたと思ったら隠しエンディングがバッドエンドでした状態。
ゲームクリアしたと思ったら隠しエンディングがバッドエンドでした状態。
俺は、まゆりの反応に、絶望よりも先に違和感を感じた。
起こっている事態の裏に見え隠れする”何か”にデジャビュを感じた。
それは、まゆりの避け得ぬ死に翻弄されているときに感じたもの。先ほどの紅莉栖の様子に感じたもの。
……”世界線の意志”。
確信する。
SG世界線のリスクを。
ディストピアや第三次世界大戦とは今のところ無縁な、この世界線独自の特徴を。
それは
”俺を除き、誰も他世界線記憶を思い出さない。かつ、俺の話を誰も信用しない。
故に、誰も俺の味方にならない”
ということだ。
>>470
ファンディスクで出たアフターストーリーがこれだったら暴徒化しそう
ファンディスクで出たアフターストーリーがこれだったら暴徒化しそう
ダルクリラブラブまではまだ見れたんだけど
今まで頑張ってきたオカリンがここまで打ちのめされていると
辛いな…
今まで頑張ってきたオカリンがここまで打ちのめされていると
辛いな…
>>473
死人が出るぞ
死人が出るぞ
この世界線は、どのアトラクタフィールドからも一切干渉を受けない、たった一つの世界線。
俺以外の全員から、リーディング・シュタイナーが完全に失われている、孤独な世界線。
他世界線のあまねくバタフライ・エフェクトが辿り着けない、ひとりぼっちの世界線。
唯一の例外は、再会直後の紅莉栖。ただそれだけ。そしてあれは”俺に希望を持たせる罠”だった訳だ。
俺を除いて、もう誰も思い出せないし、もう誰も俺の話を信じない。
俺は除かれて、世界は進んでいく。
劇場版これだったらとんでもないことになるな
上映中に嗚咽やら罵声やらが飛んでくるだろ
上映中に嗚咽やら罵声やらが飛んでくるだろ
>>479
ニュースになるわ
ニュースになるわ
>>473
かんなぎやエルフの下級生の比じゃないレベルの騒動になるだろな
かんなぎやエルフの下級生の比じゃないレベルの騒動になるだろな
さて、>>1はどのような結末にするのか…
>>479
もし映画でこれやられたらガチ泣きする自信あるわ
もし映画でこれやられたらガチ泣きする自信あるわ
――――――
――――
――
あの後も、まゆりは俺に何か言葉をかけていたようだった。
だが何も思い出せない。
彼女が優しい表情を作って何か喋っている映像だけが記憶に残っている。音声は欠落していた。
相も変わらず同じ姿勢のまま、俺は時が過ぎるのを待った。
まゆりはいつの間にか居なくなっていた。
傍らにドクペとジューシーからあげナンバーワンがあったが、鼻をくすぐるはずの香ばしい匂いは全くしない。
自分が今どこに居るのか分からなかった。
本当に俺は今ラボに居るのか、もしかしてこれは夢じゃないのか、今は実家のベッドに居たりして。
色々なことを考えた。
そもそもここは本当にSG世界線なのか、というより俺はSG世界線に居るのか、
俺一人だけ6桁未満で変動率がズレており、見ている景色はみんなと同じでも立っている場所は違っているのではないか、
これが夢だとしても果たしてそれは俺の夢か、
どこかの蝶が見ている夢ではないか、
紅莉栖は紅莉栖なのか、ダルはダルなのか、まゆりはまゆりなのか、俺は俺なのか。
――――
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あの後も、まゆりは俺に何か言葉をかけていたようだった。
だが何も思い出せない。
彼女が優しい表情を作って何か喋っている映像だけが記憶に残っている。音声は欠落していた。
相も変わらず同じ姿勢のまま、俺は時が過ぎるのを待った。
まゆりはいつの間にか居なくなっていた。
傍らにドクペとジューシーからあげナンバーワンがあったが、鼻をくすぐるはずの香ばしい匂いは全くしない。
自分が今どこに居るのか分からなかった。
本当に俺は今ラボに居るのか、もしかしてこれは夢じゃないのか、今は実家のベッドに居たりして。
色々なことを考えた。
そもそもここは本当にSG世界線なのか、というより俺はSG世界線に居るのか、
俺一人だけ6桁未満で変動率がズレており、見ている景色はみんなと同じでも立っている場所は違っているのではないか、
これが夢だとしても果たしてそれは俺の夢か、
どこかの蝶が見ている夢ではないか、
紅莉栖は紅莉栖なのか、ダルはダルなのか、まゆりはまゆりなのか、俺は俺なのか。
地面か…
フンッ!
うわ、なんだこれ!寒っ!
氷河!?氷河だ!
フンッ!
うわ、なんだこれ!寒っ!
氷河!?氷河だ!
取り留めもない思考に身をやつすと、なにか救われた気になる。
でも結局は逃避だ。
紛れもなくここは現実で。
SG世界線で。
紅莉栖とダルは一緒になり。
俺の想いは遂げられず。
横のドクペはぬるくなり。
からあげは冷め切り。
たった独りの俺が居る。
五感が戻ってくる。
嗅ぎ慣れたラボのにおいが鼻をかすめた。
背中に鈍い痛みを感じた。
心に鋭い痛みを感じた。
俺はヨメヤ ソラキ、よろしくな!
うわ!なんだこれ!?
マグマ!?マグマだ!!
うわ!なんだこれ!?
マグマ!?マグマだ!!
「これがシュタインズ・ゲートの選択だ」
リープする気力はもう無かった。
そうだよな紅莉栖。”タイムリープは逃げ”って叱ってくれたよな。
過去は絶対だから過去なんだ。
「これがシュタインズ・ゲートの選択だ」
心は燃えたぎっていた。
そうだよなダル。”どうしてお前そんな冷静なんだよ”って怒ってくれたよな。
慣れてはいけないことだよな。
俺はすでに理解していた。
紅莉栖は俺との記憶を、ダルとの記憶に代えて再構成している。
ダルは阿万音との記憶を、紅莉栖との記憶に代えて再構成している。
2人の仲は収束だ。
俺を世界から爪弾くように、最高の絆が最悪な形で再構成されたのだ。
リープを繰り返せば、俺はたぶん”慣れて”、”2人の仲を認める”だろう。
それだけは、いやだ。
これはこのままどん底エンドの予定なのかな・・・そうだったらもう不貞寝しちゃうんだけど。
だから俺は、無くさないよ。
リープしないし。
慣れもしない。
俺の激情を、この瞬間に留め置くよ。
いやスレタイと>>1からするとまだオカリンに救いはありそう。いやあってくれ
でもまあ余り物カップリングされるよりは救われないオカリンを貫いてくれた方がすっきりするかな
自分らの願望押し付けるなよ
鬱は嫌とかどんだけ鬱耐性無いんだよwww
鬱は嫌とかどんだけ鬱耐性無いんだよwww
ラボに置いてある、まゆりの裁縫セットを取り出す。
かなり頑丈そうな太めの糸、いやゴムヒモを取り出す。
何重にも巻いて、ぐっ、ぐっ、と引っ張ってみる。よし、これなら大丈夫そうだ。
裁縫セットには色とりどりの糸があった。赤、青、黄色、緑、紫、ピンク……。
ピンクは手に取らず、俺はたくさんの色の糸をヒモに巻き付けてみた。
鈴羽は世界線の説明をヨリ糸でしてくれた。彼女も連れていこう。
世界線を模したヒモ。
俺は最初から、世界線という真綿で首を絞められていたんだな。
紅莉栖と俺の仲も、そもそもお前が仕組んだことだった。
もう、十分踊っただろ。もう休ませてくれ。
……いや、俺の決意もまたお前の仕組んだことか。
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