私的良スレ書庫
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元スレ岡部「これが、俺たちの選択だよ」
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すまん寝る。
>>1頑張ってくれ。
>>1頑張ってくれ。
タイムリープして作ってタイムリープして作ってを繰り返せばオカクリの時代が来る
2回目なのに。
さっき見たのに。
改めて2人の仲を目の当たりにして、どうしようもない暗い情念が、ふつふつと沸き上がってくるのを感じる。
2度に渡る目撃は、俺に”激昂する余裕”を与えた。
どうしてなんだ。
どうして紅莉栖の隣にダルが居るんだ。
どうして紅莉栖の隣に俺が居ないんだ。
彼女の、あの可愛らしい表情は俺にだけ向けられるべきものだ。
俺と紅莉栖のじれったい様子にまゆりは仲良しだねぇととぼけた感想を言い、ダルはリア充爆発しろとからかい混じりに叫ぶ。
そういうお約束だったはずだろう?
なぁダル、それじゃ横取りじゃないか。
なぁ紅莉栖、あのラボで何度も口付けを交わしたことを忘れたのか?
一回じゃ忘れるかもしれないからって、何度も交わしたよな。
どうして忘れてるんだよ、どうしてダルなんかと、どうして、どうしてどうしてどうして。
>>355
命の恩人なだけであって浮気でもなんでもないだろ
命の恩人なだけであって浮気でもなんでもないだろ
>>355
このSSはSG線世界線の話らしいよ!
このSSはSG線世界線の話らしいよ!
これは痛い…
知らないとはいえダルはオカリンの努力をとっちまうのは…
知らないとはいえダルはオカリンの努力をとっちまうのは…
ふらつきながら鬼気迫る様子で近付く俺に、畏怖を感じたらしい紅莉栖が一歩後ずさった。
そんな一挙動さえ許せなくて、俺は大股で距離を縮める。
忘れたのなら思い出させてやる。
強引にでも何度かやればすぐに思い出すだろう。
アキバで再会を果たしたとき紅莉栖は、クリスティーナでも助手でもない、と知るはずのない答えを返した。
断片的には思い出しているはずなんだ。キスのことも思い出さない道理がない。
と、眼前に大きな体躯をした男が立ちふさがった。
「……オ、オカリン。ちょっと落ち着けって」
落ち着け? 何を言っているんだコイツは。
女を取られて落ち着いていられる男がどこに居るってんだよ。
「どけよ」
男の右肩に手をかけ強引に退かそうとする。しかし動かない。
「牧瀬氏おびえてんじゃん。とりま深呼吸でもして」
「どけよ!!」
反射的に右手を振るっていた。
それは男の顎あたりに命中し、巨体はあっけなく後方へ吹き飛ばされる。
紅莉栖の蚊の鳴くような悲鳴が聞こえ、彼女はすぐに男へすがりついた。
「橋田! 橋田ぁ!」
良いところに当たったのか、男は昏倒し目を覚まさない。
紅莉栖は男のそばに跪いて、必死に男を揺すっている。
目の前まで近付いているというのに、俺を見ようともしなかった。
「紅莉栖」
呼び掛けると、紅莉栖は震えながらもゆっくりと顔を上げた。
怒りに燃えた瞳だった。
「岡部……アンタどういうつもり……!」
おびえを怒気で隠し、紅莉栖は俺を詰問する。
こんな表情を向けられたことが今まで一度でもあっただろうか?
こんなにも敵意を剥き出しにした紅莉栖を見たことがあっただろうか?
どうして俺は紅莉栖にこんな顔をさせているんだ?
心の奥底で俺が俺に問いかける。しかし、もう止まれない。
一瞬だけ、紅莉栖の首を絞める中鉢の姿が頭をよぎった。
「お前こそどういうつもりだ、どうして俺以外の奴とキスなんかしてるんだよ」
紅莉栖が明らかに困惑した表情を見せる。
でもこれでダルは一切悪くない上に、ダルが勇気出した結果なんだよな…
どうなるんだ…
どうなるんだ…
返答を待たず、俺は畳みかける。
世界線漂流で培った、俺たち2人の旅路、絆、愛。
その全てを言って聞かせた。
こうやって紅莉栖に別世界線の話をするのはもう何度目だろうか。そのいずれでも例外なく紅莉栖は俺の話を信じてくれた。
紅莉栖はいつだって俺の味方で、最高の助手で、最高のパートナーなんだ。
どんな荒唐無稽な話でも、コイツは俺の瞳を一直線に見つめ、茶化すこともなく、
親身になって、一言も聞き漏らさないよう冷静に聞いてくれるんだ。
それが、不文律だったはずだろう?
なぁ、どうしてそんな目を泳がせているんだ。
どうしてそんな、得体の知れないものを見るような目をしているんだ。
どうしてそんな……可哀想なくらい、震えてるんだ。
話せば話すほど、紅莉栖の心が俺から遠ざかっていくのが分かった。
気付けば俺は涙声だった。
いつだって俺の味方であったはずの女は、今は横たわる男の手に縋っていた。
「他の世界線で……マイスプーンはもう持ってるから、今度はマイフォークをって……話してくれたよな……?」
苦し紛れに、俺しか知らないであろうことを話す。返答は、俺の予測を越えていた。
「……橋田から、聞いたの……?」
橋田から、聞いた。
これはつまり、SG世界線においてマイフォークの話は、俺ではなくこの男に話したということだ。
カッと頭が熱くなるのが分かった。
思い出を奪われた、と感じた。
「青森へ行こうって……一緒に行って、父と改めて話をしようって……!」
俺はもう正常な思考が出来ていなかった。
他世界線で俺と紅莉栖は青森へ共に行く約束を交わしたが、このSG世界線では中鉢はすでにロシアで更迭されている。
有り得ないのだ。そんな約束をすることは。
だが俺は一縷の望みに賭けて、紅莉栖へ訴えかけた。
世界線記憶を喚起することに賭けた。
だが、紅莉栖の返答はまたも俺の予想を遙かに越えたものであった。
「あ、青森……? ロシア、じゃなくて……? それに、行こうって言ってくれたのは、岡部じゃなくて」
理解した。全身を駆け抜けた驚愕が、知らず、瞳を横たわる男に向けさせた。
あぁ、あぁ、ダル。まったくお前はいつだって予想の斜め上を行く男だな。
実の父に刺し殺されかけるなんて凄絶な体験をした女を、お前は再び向き会わせようというのか。
どんな手を使ったんだよダル。どうやって紅莉栖にそんなことを了承させたんだ。
ロシアへ行ってどうするつもりだ。中鉢に謝らせるのか。
もしくはしっかりと面と向かい合わせることで、今度こそきっぱりと吹っ切らせようというのか。
……そんなこと、俺は思い付きもしなかったよ。
俺は紅莉栖に、早く中鉢のことを忘れてほしかった。そこで思考を止めていた。
なぁ紅莉栖、……もしかしてお前は、俺がそう言ってくれるのを、待っていたのかな。
決定的な敗北感が俺の身を苛んだ。どうすれば紅莉栖は思い出すか、と冷静に立てていたロジックが崩れさる。
あとに残ったのは目の前の女への妄執。
「”なかったことにしないでくれよ”、紅莉栖……俺たちの、記憶を……」
正体を失った声で俺は詰め寄る。万策尽きた俺は、ただ紅莉栖の情に訴えるほかなかった。
「分かんない……岡部が何を言ってるのか、全然分かんないよ……」
紅莉栖に世界線記憶を思い出した様子は全くなかった。
それでも諦めきれない俺に、脳はある情景を思い出させてくれた。
その最後の一手を、俺は紅莉栖へ伝える。
「紅莉栖……頼む、後生だ。一度でいい。キス、させてくれ」
>>380
IDすげぇお
IDすげぇお
>>381
わかるぜ
わかるぜ
「……な、何を言って……」
「頼む……一度でいいんだ……そうしたら、全部思い出すから……」
「いや……!」
紅莉栖は強く眉根を寄せ、一層激しく首を振った。
聞き分けのない彼女の両肩を押さえ、俺は持てる全てを吐き出す。
「お願いだ紅莉栖! お前だってこんな訳わかんないままでいたくないだろう!?
バッヂのこととかいろいろ聞いてきたじゃないか! 俺の抱えてる秘密の正体を知りたいんだろ!?
なら一度だけ! 一度だけ我慢して、キスさせてくれ!
より強烈な感情とともに海馬に記銘されたエピソード記憶は忘却されにくい、お前はそう言ったよな!?
このことはお前も例外じゃないはz」
「いやぁぁぁッ!!」
手を――払われた。
「紅莉、栖……」
はっきりとした拒絶に、俺は動けないでいた。
「どうして……私と橋田しか知らないことを岡部が知ってるのか知らない……」
「どうして、岡部とばったり会ったあの日……クリスティーナでも助手でもないといっとろーが、なんて返したのか、今でもわからない……」
「でもそれが……岡部の言う、世界線記憶とかいうのによるものだとしたら……もし私が、それを全部思い出したら……!」
「……私は、岡部を『好きになってしまう』んでしょう……!?」
好きになってしまう。
好きになってしまう。
好きになってしまう。
……しまう?
別の感情からの壁ドン…
うわっ、なんだこれ! 熱っ!マグマ?!マグマだ!
うわっ、なんだこれ! 熱っ!マグマ?!マグマだ!
しまう。不本意の意。本心は別にあるの意。
ただの言葉尻が、これ以上なく俺の心を切り刻む。
「おまえ……今なんて……」
「私は!」
紅莉栖はしゃがみ込み、横たわるダルの体に縋り付いた。
「橋田が好きなの! 岡部がパパから私を助けてくれたことは感謝してる。
感謝してるけど、私が好きなのは橋田! この人が好きなの!」
「どうしようもないHENTAIの中のHENTAIで、見てくれはデブでキモいオタクで最低の最悪よ。だけど……」
「だけど! 変なところで鋭くて、欲しいときに優しくしてくれて、結構頼りがいがあって、
愛してるって気持ちをストレートに伝えてくれて、いつだって私のことを見てくれていて……!」
「私は、そんな橋田を……橋田を愛してるの……!」
今までずっとロム専で通してきたが、限界だ
なにこの神展開・・・
なにこの神展開・・・
本気で紅莉栖の頬を張った。ダルのように無様に倒れ込む。
ぶたれた頬に手をやり、恐怖に彩られた表情で俺を見つめている。
そうだ、萌郁の時と同じように、強引にやってしまえばいい。
必要なことだ。紅莉栖が俺を思い出すには、やはりこれをしなければならない。
今の紅莉栖が俺を拒むのは仕方ない。今の紅莉栖は紅莉栖じゃないんだから。
俺が、俺の手で紅莉栖を元に戻してあげなきゃならない。
最初は嫌がるかもしれないが、すぐにあのラボでのことを思い出して、俺の気持ちに応えてくれるだろう。
そうに違いない。そうに違いないんだ。
「ごめんな、紅莉栖……すぐに思い出させてやらなかったせいで、ダルなんかを好きにさせてしまった……」
「あ……いや……」
「俺のせいだ、ごめん……今から、元のお前に戻してやるから……」
「いや、いや、来ないで……はしだ……はしだ……!」
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