私的良スレ書庫
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元スレ岡部「これが、俺たちの選択だよ」
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最愛の親とのひとときを過ごした女は夢を見た。
「彼を助けたい」
彼と共に己が手を血に染めていた女は夢を見た。
「彼を助けたい」
失敗し、彼と同じ最期を遂げた女は夢を見た。
「彼を助けたい」
娘と、気に掛かる女を残し、頭を撃ち抜いた男は夢を見た。
「彼を助けたい」
7000万年前の地球に吹き飛び意志を託したのはオカリンだったけどな。支援
岡部倫太郎の蝶が、天王寺綯の蝶が彼らを呼ぶ。
1匹1匹はとても小さくて取るに足らなくても、無限の世界線の無限の蝶が羽ばたけば。
バタフライ・エフェクト。
”なかったことにしてはならない”。
無限の想いが、いま、天王寺綯に託される――
電車にひき潰されたまゆりおねえちゃんを呆然と見る、私を見る私……ううん、オカリンおじさん。
rot 0.179387%
バイトのおねえちゃんを抱き締め、頭を撫でてあげる私……ううん、ダルおじさん。
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紅莉栖おねえちゃんを殺してしまい、諦めてしまったおじさんをビンタする私……ううん、まゆりおねえちゃん。
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父さんの、FBの死を前にして、心を凍らせる私……ううん、萌郁おねえちゃん。
rot 0.578963%
殻を脱ぎ、本当の自分でオカリンおじさんと向き合う私……ううん、フェイリスおねえちゃん。
rot 0.648328%
おじさんの背中にすがりつき、封印しなければならない気持ちを解き放つ私……ううん、るかおにいちゃん。
rot 0.714623%
死の恐怖を押さえつけて、愛する人と何度もキスを交わす私……ううん、紅莉栖おねえちゃん。
rot 0.851159%
なえの階段落下が伏線だったのはすげえと思ったけどちょいちょいわけわかんない展開になるな
私が知り得ない記憶。
他世界線に打ち捨てられた、私以外の記憶。
すべての世界線、すべての人々、すべての記憶、すべての想いが私の頭の中に濁流のように注ぎ込まれる。
いったいどうしてかは分からない。ただこれは本当にあった記憶だ。
記憶とともに彼らの感情が見える。歓喜、後悔、哀愁、憐憫、諦観、克気、決心、安堵、慟哭、感動。
そうして最後に、あの今にも死に絶えそうだった、頭の中の蝶が最後の羽ばたきを始める。
未来、少し先の未来。
オカリンおじさんの未来の記憶。ラボ。
視点が異様に高い。目線が動かない。いや、ふらふらと左右に移動している。
これはなんの記憶? あ、真ん中に紅莉栖おねえちゃんとダルおじさんが居る。2人とも驚愕に目を見開いている。
ラボの端にある姿見に目が行く。
……首を吊った、オカリンおじさんの姿。
rot 0.946721%
人類補完うんたらみたいなのが綯さんに起こってるみたいな解釈でおk?
私は理解する。
ここがSG世界線のターニングポイントだ。
βで執念を得たおじさんが言った”お前は1年後に再びタイムトラベル理論と向き合うことになる”という言葉が、
SGでは時と形を変えておじさんを襲ったのか。
彼の精神はいつだって張り詰めていた。切れる寸前の弦のように。
偶然にもアキバの雑踏で紅莉栖おねえちゃんに会えた時、彼は少し気を緩めた。報われる、と気を抜いた。
それが、”最後の罠”だったとも知らずに。
おじさんに淡い期待を抱かせたまま、さらに、彼は今日のこの瞬間までダルおじさんと紅莉栖おねえちゃんの仲を”観測”させてもらえなかった。
最も意地悪く彼の精神を傷つけるための、全ては布石。
ここが分岐点。
私の言葉如何で、オカリンおじさんの運命は決まる。――死の未来か、生の未来か。
彼を助けるために、すべての蝶たちが駆けつけた。
彼をこのSG世界線で生かすために、理論のコトワリさえ越えて、あざ笑う世界線の思惑を越えて、彼らは今ここに辿り着いた。
オカリンおじさんをも越えた、万象の記憶を想起させるRSを私に授けてくれた。
蝶たちが私の背を押してくれる。彼を救えと、彼を掬えと。
――世界線の淵に沈み込んだ彼を、掬い上げろと!!
「オカリンおじさん!!」
私は彼を喚ぶ。魂からの声は、彼を僅かながら浮き立たせる。
「執念を得たあなたの言葉を忘れたの!? 世界を騙し切ったあなたの勇気ある行動を忘れたの!?」
「どうしてお前がそれを……まだ話していないはず……いや、これも、シュタインズ・ゲートの選択か」
「違う!! みんなの記憶が、オカリンおじさんを助けるために、シュタインズ・ゲートなんかブッ飛ばして来てくれたんだよ!!」
「有り得ない。有り得ても、それはまだ見ぬ13番目の理論なんだろう。結局」
「……ッ!」
まゆりおねえちゃんが私の背を押した。ぐちゃぐちゃな色んな気持ちを込めて、彼の頬を打った。
「いつもの厨二病はどうしたの……!? また諦めるの!? まゆりおねえちゃんが悲しむよ!?」
打たれて、少し呆けた表情をしていた倫太郎さんは、でもすぐに笑う。
「……へへはは、お前のそれも、シュタインズ・ゲートの選択だ。気付かなかっただろ?」
「……この、馬鹿ッ!!」
再度、打つ。もんどりうって、倫太郎さんは床に倒れ込んだ。
ダルおじさんが私の背を押した。倫太郎さんの胸元を握り込み、怒声を浴びせる。
「どうしてそんな諦めきった表情してんのよ!! シュタインズ・ゲートがなんだって言うの!?
紅莉栖おねえちゃんが取られたから何!? どうしてそこで諦めるんだそこで!!
取られたなら取り返せばいいじゃない!! 挑みもせず、そうやってふさぎ込んでるようなキャラじゃないでしょアンタは!!
……”執念”を持ちなさいよ!! 岡部倫太郎!!」
「……無駄なんだよ、何をやっても……」
「……く……!」
フェイリスおねえちゃんが私の背を押した。彼を抱き締め、優しく声をかける。
「……色んな人が他世界線に消えていったよ。名前は知らなくても、想いを遂げられず道半ばで消えていった人たちもきっとたくさん居る。
でもね、オカリンおじさんはココに居るの。シュタインズ・ゲートに立っているの。生きて、呼吸して、みんなの隣にいる。
それを忘れないで。あなたはまだ終わってなんかない。死んでいない。生きている限り、未来は消えないよ」
「……、……」
なんか熱い人が見えた気がしたが気のせいだった
これどうなるんだ・・・タイトルが不安すぎる支援
これどうなるんだ・・・タイトルが不安すぎる支援
まぁタイトルと最初のレスでオチがどうなるか予想できるけど
これをどう裏切ってくれるかだな
これをどう裏切ってくれるかだな
萌郁おねえちゃんが私の背を押した。彼の耳元へ小さく囁く。
「人の想いは色々だよね。同じ人でも、時には自分を助けてくれて、時には自分を襲いに来る。
変わる想いがあるから人なの。世界線理論とか収束とか、そんなつまらないモノはもう捨てて。
紅莉栖おねえちゃんとダルおじさんは好き合った。それは事実だけど、そこに世界線なんて無粋なものは介在していない。
2人は2人の変わる想いによって結ばれたの。なら、オカリンおじさんもこのたった一つの世界で、努力すべきじゃない?」
「……お、れは……」
るかおにいちゃんが私の背を押した。背中に回した腕に力を込める。
「でも、変わらない想いもきっとある。それは隠さなきゃならない気持ちかもしれない。
でも、それでも人は迷いながら苦しみながら進んでいける。
秘めた想いはその時は永遠でも、時が流れてどう変わるかは今の自分には分からない。
何もかも上手く行く世界なんてない。そんなの、世界線なんて関係なく、はるか昔からみんなが感じてること」
「……綯……」
バイトのおねえちゃんが私の背を押した。声に芯を入れて、力強く語りかける。
「自分を犠牲にしてでも遂げたい、崇高な想いだってある。自分の幸せをベットに、他人の幸せを大きくする。
そんな生き方をした人がかつて居た。その人が今のオカリンおじさんを見たらどう思うだろうね?
がむしゃらに生きた彼女にとって、今のあなたは赤ん坊。泣くことしかしない甘えん坊な赤ちゃん。
世界線理論にがっぷり組み合うこともしない。紅莉栖おねえちゃんとダルおじさんと向き合うこともしない。
世界線変動に慎重になるあまり、あなたはやること全てが中途半端。
落ち込むのなら、何か一つやりきってからにしなさい。辛いのは分かるけど、今の君はまだ何もしていないよ」
「……う……」
紅莉栖おねえちゃんが私の背を押した。今一度、彼の顔をじっと見つめる。
諦めきった顔はそこには無かった。動揺し、目を泳がせ、確実に私の言葉は届いていることが見て取れた。
「紅莉栖おねえちゃんはオカリンおじさんが好きだった。でも紅莉栖おねえちゃんはダルおじさんが好きになった。
ねぇ、これっておかしくない? これ、おじさんの主観しか加味されてないよね。どうして同一人物だと言い切れるの?
ほとんどの紅莉栖おねえちゃんがおじさんを助けてくれた。愛してくれた。それは真実。でもどうして同一視するの?
紅莉栖おねえちゃん『達』が助けてくれた、そうは考えられないの? どうして一人にしてしまうの?
一人一人がそれぞれ色々なことを考えて、おじさんに力を貸してくれたはずだよ。
結果は同じでも、彼女たちの心の経過は違ったはず。そこを誤魔化さないで。
収束とか世界線なんてつまらない言葉で、彼女『達』の多種多様な想いを汚さないで」
「……紅莉栖……。……紅莉栖……!」
オカリンおじさんの目に光が舞い戻っていく。
でも、
でも。
「今さら……今さら割り切れるかよ!! 俺にとって紅莉栖は一人だった!! たった一人の紅莉栖がずっと俺を支えてくれた!!
もうその考えは染み着いてしまってるんだ!! みんな別人で、ここの紅莉栖は別の紅莉栖としてダルを選んだなんて、そんなこと思えない!!
裏切られたって……! 世界を騙したつもりが、もうずっと前から騙されてたんだって……!
もう、そうとしか思えないんだよおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおぉおおおっぉおおッッ!!」
あと、一歩が足りていない。
まだ、まだ足りないのか。
無数の蝶たちに支えられても、まだオカリンおじさんを救うには足りないのか。
オカリンおじさんの慟哭に、返す言葉が見当たらない。
蝶たちは沈黙している。
打開策が見つからない。
そして、もう死んだ蝶が瞬いた。
『お前は……どうしてその男にそれほど執着しているんだ。それを考えることだな……』
あぁ、そうだ、そうだった。これが最初の想いだ。
厨二病全開でバカみたいなことばかり言っている彼の姿。
同級生にイジめられる私を颯爽と助けてくれた彼の姿。
階段から落ちた私を抱き上げ、私の名を叫ぶ彼の姿。
眠ったままの私の手を、ずっと握ってくれていた彼の姿。
みんなのエピソードに比べて、なんて浅く薄くつまらないエピソードだろう。
でも、自身の気持ちにウソは付けない。
みんなのどのエピソードより弱くても、それを受けて輝いた私の気持ちは、他のどれよりも光っている……!
私は岡部倫太郎さんが好きだ……!
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私だけの記憶が、私だけの心がそう言っている!
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みんなの心が、倫太郎さんの凍った心を温めてくれた!
rot 0.983648%
最後は、この私自身の言葉で掬わなければならない!
「ねぇ、倫太郎さん! 紅莉栖おねえちゃんのことまだ好き!?」
「好きに決まっているだろう!!」
「じゃあ……じゃあ、宣戦布告するから! 私、倫太郎さんが好き、大好き!!」
「な……!」
「今は紅莉栖おねえちゃんが忘れられないだろうけど、いつか絶対振り向かせてみせるから!! 私のこと、好きにさせてみせるから!!」
「俺は……お前のことは」
「今はどうとも思ってないのは分かってる!! でも気持ちはずっと永遠じゃないよ、絶対倫太郎さんをメロメロにしてみせる!!」
「おま……何を言ってるか、分かってるのか」
「分かってるよ!! 倫太郎さんは分かってないみたいだね……なら、分からせてやる!!」
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