私的良スレ書庫
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元スレ岡部「これが、俺たちの選択だよ」
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荒唐無稽な話だった。
世界線という概念があって、過去を変えられるメールを実験している内、まゆりおねえちゃんが萌郁おねえちゃんに殺されて。
まゆりおねえちゃんを助けるために、Dメールを相殺していく旅。
別の世界線のことを実感とともに覚えていられるのは倫太郎さんだけ、という孤独な旅。
最初は阿万音鈴羽って人。
記憶を失いとあるPCを倫太郎さんへ届けられなかった彼女は、在るべき姿、ラボメンとの思い出を犠牲に無事PCを神社へ奉納した。
次はフェイリスおねえちゃんのメール。
生き返ったおねえちゃんの父さんは、在るべき姿、死へと戻った。
次はるかおにいちゃんのメール。
女の子になったおにいちゃんは、在るべき姿、男へ戻った。
そして萌郁おねえちゃんのメール。
PCの在処を知ったおねえちゃんは、在るべき姿、PCの在処を知らない彼女にににににににににににににににににににににににに。
……なに、今の。
覚えのない記憶がフラッシュバックする。
包丁を萌郁おねえちゃんのお腹に埋めている私が居る。
大振りのナイフを携えた私が、恐怖と悲嘆に彩られたオカリンおじさんと対峙している。
彼の腕を切り裂き、真っ赤な傷口を指でほじくり、鋭い痛みに喘ぐ彼の表情を楽しんでいる。
こんな記憶を私は知らない。
おぞましい光景は、ある種の確信を以て確かな過去としての色を得ていく。
赤が眩しい。
ひどい臭いがする。
学校のトイレの臭いを酷くした感じ。
何これ、何。
うんちとおしっこの臭い。
何、これ。
『やめてくれ!! もう殺してくれェェェェッ!! ぎゃあああぁあっぁっぁっぁっぁぁぁぁぁあああああああ!!』
『殺すわけないでしょう!? お前に永遠に死は訪れない!!
何度も何度も何度も殺して殺して殺して過去へ戻って生き返らせて生き返らせて生き返らせて殺し続けてやる!!』
『ひlきいいぃぃぃぃいいいff:vdwfdjmfdfkdぃdふぁいjfd!!』
『強力なRSを持つお前は、死を迎える瞬間!! 他世界線で死んだお前を夢ではなく実感として鋭敏に感知できることを私は突き止めた!!
それってさぁ、最高にキッツいよね!! 100回目の死の時、お前はその前の99回を再び体感するんだよ!!
101回目で100回! 102回目で101回!! 苦しみは累乗されていく!! あっははっはははっははははあははああ!!』
『dかfじkdふぁjふぁあjふぁああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーー』
『あれ……? なんだ、壊れちゃった? 無理無理、壊れても逃げられないよ。過去のお前はピンピンしてるんだからね。
早めに壊れるほど、次が辛くなるよ……? あっはははっはははっははっははひゃはああああああああああ!!』
知らない。何これ。何これ何これ何これ!!
コンナキオク私知らない。覚えてナイ。こんなの私じゃない。私のはずがなイ。ねぇオカリンおじさん、違うよね。
おじさんの変な発作がうつったカナ。厨二病って言うやツ。そうなんでしょ? ねぇ、そうだよね? 岡部倫太郎。
彼は笑っていた。私に話し、私がどうなるかを彼は知っていた。
彼は私に八つ当たりして、私を壊し、同時に自分も死のうというのだろうか。
あぁ、なんて迷惑な。これでもう私は以前の綯でいられない。ラウンダーの綯を取り戻してしまった。
なら、彼の望みに応えてやろう。私の望みに応えてやろう。
――殺してやるよ、岡部倫太郎。
力の入れ加減は記憶している。子供の細腕でもコツさえ分かっていれば何も問題はない。最大限に苦しませ、1回目の死を与えてやる。
それで済ますつもりはない。この世界線に現状マシンは無いが、橋田至と牧瀬紅莉栖が居る。
300人委員会のディストピア計画もまだ完全破棄はされていないはず。
元ラウンダーの私しか知り得ない情報をちらつかせれば、彼らは私に接触してくることだろう。
そうなれば――
また何度でも、岡部倫太郎を殺せる♪
嬉しい。嬉しい。絶頂でイキそうだ。未来は光り輝いている、ありがとう世界線。
私はまたコイツを殺せるんだ。父さんを殺したコイツをまたたくさん殺せるんだ。こんなに嬉しいことはない。ありがとう岡部倫太郎。
だからまずは死ね岡部倫太郎。
シュタゲ三大トラウマの二つに萎えさんが関わっている事実・・・支援
ギリギリと締まる首。苦悶の表情で悶える岡部倫太郎。自殺の意志があろうが、刻々と迫る死の恐怖に人間は耐えられない。
これだこれだ。久方ぶりのこの感覚。命を真綿で締めるこの感覚。
まだまだ死なないだろう。久しぶりなんだからもうちょっと楽しまなくちゃ。記念すべき第一殺。
SGでの新たな恐怖のハジマリ。私にとっては歓喜のハジマリ。
岡部倫太郎の頭の向こうにある42型ブラウン管に、私の顔が写る。嬉しそうに狂的な笑みを浮かべていた。
――その笑みに、険しい表情を浮かべる別の私がダブって見えた。
やべえただのオカリンヘイトしたいだけの半端なSSかと思いきや
俺好みのガチ鬱SSじゃねえかよ
俺好みのガチ鬱SSじゃねえかよ
>記念すべき第一殺。
この記念に一枚パシャリ☆みたいな軽いノリにワロタ
この記念に一枚パシャリ☆みたいな軽いノリにワロタ
”私”は自分を取り戻す。
いつか見た真っ白な空間に、私とラウンダーの私が佇んでいた。
「お前……どういうつもりだ……!」
立ちはだかる女は、大きかった。黒のぴっちりしたラバースーツに身を包み、全身から隠し切れない狂気を放っている。
「言ったとおりだよ。これは私の身体。あなたの好きにはさせない」
「……誘発型のRSの場合、強烈な印象を持った記憶は主人格として強制固着されるはずだ!!
どうしてお前は自我を保っていられる!?」
「あなたと同じか、それ以上に強い記憶だった。それだけのことでしょ」
「そんな馬鹿な……小学生時点での私の人格なんて……取るに足らないはず……!」
「なにそれ。不幸自慢、人殺し自慢がしたいわけ? 父さんを殺されて、いっぱいオカリンおじさんを殺したから、自分の方が強いって?
……ふざけないで。勝手な復讐に取り憑かれただけの馬鹿女のくせに……!」
「なんだと……? ……お前の父親は、そこに居る岡部倫太郎に殺されたんだぞ!! わかっているのか!?」
「父さんはオカリンおじさんに正体が発覚した時点で、自分はもう生きられないことを悟った。だから娘に累が及ぶ前に命を絶った。
そうでしょ? 天王寺家には盗聴器と隠しカメラが仕掛けられていたんだから」
「お前、私の記憶を!!」
”私”は、”私”の人格を以て、”アイツ”の記憶を咀嚼する。
「父さんの自殺を目撃した時点で、あなたは父さんの意を汲んで黙認していなければならなかった。
”怯えて口を閉ざした無力な子供”の命を取る意義は薄い。ラウンダーも手を出さなかったでしょう」
「子供のお前にそんな冷静な判断が着くはずがないだろう!! だいたい、父さんの自殺は岡部倫太郎に迫られたせいだ!!」
「あれはSGに至るための行為。故意じゃない。
オカリンおじさんに父さんを殺す意志は微塵もなかった。あの時のおじさんの表情を忘れたわけではないでしょう?
……子供の私に冷静な判断が出来なかっただろうことは同意するわ。
だから、子供の時点で”記憶”を取り戻すことが出来た私は、今、冷静に判断する。
”オカリンおじさんは、私が救ってみせる”」
「……何を言っているんだお前は……私には全く理解できない……!!」
「理解する必要は無い。私もあなたは理解しないわ。オカリンおじさんを殺すことが目的になってしまったイカレ女なんて、理解する意味がない」
「……ッ!! 殺す。お前はここで殺す。岡部倫太郎や桐生萌郁のように殺す! ここで殺して、私はお前に成り代わる!」
「言葉と行動が伴っていないわよ。自分の姿をよく見てみなさい」
「ッ……そんな……透け、てる……!?」
「あなたは私に説得されかかった。私の人格にあなたという人格は負けを認めつつある」
「嘘だ……お前のような鼻ったれのクソガキに、この、私が……」
「どっちがクソガキだってのよ……。図体ばかりデカいだけで、アンタはずっと幼いまま……!!」
>>677
なーに、ちょっとダークサイドに堕ちてただけさ。
なーに、ちょっとダークサイドに堕ちてただけさ。
アンタの人生は壮絶なものだっただろう。
ただオカリンおじさんを殺すためだけに生きてきた人生。幸せになれる瞬間をふいにし続けてきた人生。
もしオカリンおじさんが故意に父さんを殺したんだとしても、優しい父さんが復讐なんて望むわけがない。
……父さんが私を愛して愛して愛し抜いてくれたように、お前もまた、誰かを愛して愛して愛し抜かなければならなかったんだ!
「消えろ……ラウンダーの私!!
アンタの蝶を私は受け取ってやらない!!
オカリンおじさんを救うために、記憶だけは引き取らせてもらう。”なかったことにはしない”!
けど、アンタの人格は”なかったことにする”!! この平和な世界線に、アンタという人格は必要ない!!
そのまま、独り寂しく消えていけ……!!」
「やめて……やめろ……私を否定するな!! 私はアンタだぞ! かつてあったアンタの姿そのものだ!!
否定するな!! ”なかったことにするな”!!」
「……分かったわ。”なかったことにはしない”であげる。でも、”おいかけはしない”」
「な……」
「アンタの醜態を記憶に刻んで、私は前を向くわ。同じ轍はもう踏まない! オカリンおじさんは……私が助けるんだ!!」
「や……やめろ……! 私を消すな……!!
やめろ、やめろおぉぉおぉぉぉぉぉっぉぉぉっっぉぉおおおおあああああああぁぁぁぁぁあああああああッッ!!」
白い世界が一気に晴れる。所狭しと並べられたブラウン管が目に入る。頭が重い。脳が燃えるようにかゆい。
復讐に彩られた真っ黒な記憶が脳の中で渦巻いている。
血が滲むほどに唇を噛みしめ、現実を見据える。
そうだ、ラウンダーの私には克ったが、本題はここからだ。オカリンおじさんを取り戻さなければならない。
おじさんの首に巻き付けていた指を離す。おじさんが苦しげに咳をする。
「オカリンおじさん! ごめん! 私……自分を取り戻したよ! だからオカリンおじさんも絶望したりしないで! 顔を上げて!」
床に手を突き、首を押さえ咳をするおじさんの、目だけがこちらを向いていた。
どうして殺してくれなかった、どうして手を離した、どうして復讐しなかった……。
「なにが……げほ、取り戻しただ……」
「……ラウンダーの私はおじさんを何度も辛い目に遭わせた。だから、その分だけ私はおじさんを助けたいの」
「……」
「紅莉栖おねえちゃんとダルおじさんが一緒になったのは辛いと思うよ。
今までの世界線で、紅莉栖おねえちゃんはいつだっておじさんの一番のパートナーだったもんね。でも」
「黙れ。お前に俺の気持ちが分かるものか」
「……おじさん」
「もう喋るな。全て、無駄なんだ」
「もう分かったんだ。俺はどこへ行っても、たった独りで、世界線に翻弄されるだけで、すべては世界線が俺にやらせていたことだったんだって」
「もういいんだ。死にたい。死なせてくれ。世界線が俺にもう死ねと言っている。まゆりのビンタも同じなんだよ。世界線がやらせたことだ。
お前のそれもそうだ。自分を取り戻したとか言ってるが、錯覚だよ。すべて世界線の意志だ」
「頑張っても頑張らなくても、なるようになるんだ。全てはシュタインズ・ゲートの選択で……この世には、シュタインズ・ゲートの選択しかないんだよ!!
人間が介在する隙なんて無いんだ!!」
「SG世界線に至れたのは、世界線の”執念”だ!! そこに俺の意志は無い!!
紅莉栖が俺の横に居たのは、女を絡ませることで俺にやる気を出させたかった、ただそれだけだ!! それが紅莉栖の役柄だった!!」
「SGに至れたから、もう俺はお払い箱!! 紅莉栖は”いつだって俺の隣にいる”という役から解放され、ダルを選んだ!!
……これが、シュタインズ・ゲートの選択だよ……!!」
ここでシュタインズ・ゲートの選択って言うのは逃げだろうな。本編でも
クリスを見捨てる時と助ける時だけは俺の選択っていってんだし。
つーか8時から仕事なのにPCからはなれられねえwww眠いいいいいいいい
クリスを見捨てる時と助ける時だけは俺の選択っていってんだし。
つーか8時から仕事なのにPCからはなれられねえwww眠いいいいいいいい
まくし立てる彼を前に、私は絶句する。
彼はもう私に話しかけていない。私の前に居ない。SG世界線に、立っていない。
彼の意識は世界線の間を浮遊し、俯瞰している。もう戻ってこれない。
あぁ、あぁ、駄目だ。私では駄目だ。
実質はたった独りで世界線と向き合ってきた彼を真の意味で説得できるのは、同じ立場の者、彼自身だけだ。
私では、役が不足している。私では彼を掬いあげられない。
復讐に憑かれた私の絶望とは別種のソレが、身を包む。
私の言葉では、届かない。
8bitって続編だよな
ストーリーもSG到達後だから紅莉栖がラボメン加入後の話だよな?
ストーリーもSG到達後だから紅莉栖がラボメン加入後の話だよな?
ダルクリは悪くないのに何故か腹が立つ
これも観測者の視点のせいだな
これも観測者の視点のせいだな
それは夢か幻か。
ブラウン管の向こうから、青い輝きを放つ何兆という蝶たちがこちらへ羽ばたいてくる。
彼らはそのまま次元の壁を突き破り、オカリンおじさんをすり抜け、私の中へ……。
7000万年前へ遡航し意志と化した女は夢を見た。
「彼を助けたい」
己を消す送信ボタンに手を掛けたタイムリーパーの男は夢を見た。
「彼を助けたい」
LHC内で、血に濡れた愛する男に背を向けた女は夢を見た。
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