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    元スレ岡部「これが、俺たちの選択だよ」

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    みんなの評価 : ★★★×4
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    1 :

    今日は鈴羽の誕生日らしいね! よろしい、ならばダルクリだ



    ギャグありシリアスあり鬱あり厨設定ありの長編。書き貯め済み。

    SG世界線にて橋田至×牧瀬紅莉栖、岡部倫太郎×○○が成立するif話です。

    ダルクリがメインというわけではありませんが、オカクリ好きには本当におすすめしません。

    2 = 1 :


    最初の思い。


    ”あの3週間をともに過ごした紅莉栖のことを”

    ”俺は、俺だけは覚えているから。忘れないから”

    ”だから、これ以上は、望まない”


    最初の覚悟。

    3 :

    続けなさい

    4 = 1 :


    最初の欲。


    ”せっかく封印しようとしていた、彼女への愛おしさが一気に溢れ出して”

    「なに!? 俺が守れだと!? やれやれ、勝手なことを言ってくれる!」”

    「いや、だから私はクリスティーナでも助手でもないといっとろう――……え?」”

    ”世界線が変わって、過去と未来が再構築されようとも、記憶には蓄積されている”

    ”ただ忘れているだけで、きっかけがあれば思い出すこともあるかもしれない”

    ”俺と君が紡いだ、想い出のことを”

    「これが『シュタインズ・ゲート』の選択だよ」”


    最後の罠。

    5 :


    凄く無意味な時間だった
    >>1は死ねばいいのにな^^

    6 = 1 :





    世界線漂流を経て、ついにたどり着いた幻の世界線――シュタインズ・ゲート。

    ここはあらゆるアトラクタフィールドから孤立している。
    ディストピアや第三次世界大戦の心配は今のところなく、紅莉栖もまゆりも無事に生きている。

    最初はそれだけで十分だった。

    だが平和な世界と偶然の紅莉栖との出会いは、俺に驕りと、耐え難い絶望を与えた。

    そうして無限の意味を思い知った俺はlgdvg;:dssjbmngnlfscyrerrxd35:b;hjfh:l/nvo,jsmcvajrjkfvkjk



    7 = 1 :


    『……おか、べ……?』

                    『牧瀬氏? ちょ、ひっくり返ってどうしたんだお』

         『そんな……岡部……うそ、でしょ……』

              『おい牧瀬氏。マジでどうし……』

      『いや……いや……!』

                       『オカ……リン……? あ、あぁぁ……!』




           『いやああっぁぁぁぁぁっぁぁああああああああッッ!!』

           『うわああぁっぁぁっぁぁっぁぁぁああああああッッ!!』



    8 = 1 :




    SG世界線、2010年9月某日。


    9 = 1 :


    僕は二次元も三次元も有機物も無機物だって愛せる、なんでもござれの博愛主義者である(キリッ
    特に好きな三次元はフェイリスたん。二次元はいっぱい。数え切れない。

    でも、本当に夢中になれる人は、この年になっても居なかった。

    それこそ会った瞬間『君に一生萌え萌え☆キュン! 結婚してくれーーーーっ!』と求婚したくなるような、
    そんな一目惚れな出逢いが無いと僕は本気になれないんじゃないかなって、心の底で、自嘲と共に魔法使いの覚悟をしてた。



    そして、僕はオカリンを介し、彼女に出逢った。

    10 :

    こういうの書いてるときって死にたくならないの?


    うわあああああ
    うわああぁっぁぁっぁぁっぁぁぁああああああッッ!!とか赤面モノ

    11 = 5 :

    それがルカ子だった

    12 = 1 :

    ダル「……オカリン、その人だr……え、もしかして牧瀬紅莉栖さん……?」

    紅莉栖「あ、こんにちは。牧瀬紅莉栖と申します。この……えーと」

    岡部「未来ガジェット研究所、だ助手よ。さっさと覚えてもらわねば困る!」

    紅莉栖「だから助手じゃないって言ってるじゃないですか! あなた、この研究所のメンバーの方ですか?」

    ダル「キ…………キターーーーーーーーーーーーーッッ!!」

    紅莉栖「ひゃぁあッ!?」

    ダル「来た! 2人目の女子ラボメン来た! これで勝つる!」

    紅莉栖「えっ、なっ」

    ダル「僕、橋田至って言います! 君に一生萌え萌え☆キュン! 結婚してくれーーーーーーーッッ!!」

    紅莉栖「はぁぁあッ!?」

    岡部「初対面からフルスロットル過ぎるだろ! もう少し出力を落とせHENTAIめ!」

    ダル「あでっ!」

    13 = 1 :


    アメリカで私は肩身の狭い思いをしていた。

    研究所の同僚たちは、ほとんどが私を目の敵にしていた。女性蔑視ではない、アジア人蔑視。能力のある黄色人種を彼らは煙たがった。

    純粋に質の高い研究をしたいならそんなものは意識的に切り離すべきだと思うのだが、
    実を結びにくい脳科学分野はドロドロとした人間関係をたやすく醸成した。

    対策として、私は心に防壁を作った。探求者然とした枠を己にはめ、煩わしい一切を鉄の精神で跳ねのけた。

    やがて、防壁は外れなくなる。
    どんな相手に対しても身構え、理論武装し、冷静に俯瞰するクセが身に着いていた。
    当然、そんな私を好いてくれる人は現れるわけもなく。


    そして、私は岡部を介し、彼に出逢った。

    14 = 1 :

    紅莉栖「岡部さん……なに、この人」

    岡部「ラボメンきってのHENTAI……HENTAIの中のHENTAI。ラボメンNo.002橋田至、通称ダルだ。役職はスーパーハカー「ハッカー!」だ。
       今のようにHENTAIな妄言が目立つが、まぁ仲良くしてやってくれ」

    紅莉栖「は、はぁ……」

    ダル「妄言が目立つのはオカリンもだろうが! 厨二病に言動をとやかく言われる筋合いはないお!」

    岡部「あれは厨二病ではないと何度言ったら! 凶気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真の崇高なる(ry」

    ダル「はいはい厨二乙厨二乙。牧瀬氏も気を付けろよ。オカリンは街中でも平気で妄言吐くからな。不用意にとなりに居ると同じ目で見られるぜ」

    紅莉栖「あぁ、さっきもケータイ耳に当ててエルプサイ……なんちゃらとかやってましたね」

    ダル「うへあーもう洗礼受けてたんかよ! オカリンこそフルスロットル過ぎんだろ、自重しろ自重!」

    岡部「お、ま、え、が、言うな!!」

    紅莉栖(……なんだか、スゴいところに来ちゃったなぁ)

    15 = 1 :


    プロポーズしといてなんだけど、第一印象ははっきり言ってそれほどでもなかった。

    『あぁかわいい、顔かわいい、敬語かわいい、声かわいい、ツッコミかわいい』

    その程度の感想だった。
    そこから数日経っても、テンプレツンデレかわいいが足されたくらい。
    まゆ氏への気持ちと同じくらいで、特別な気持ちは何もなかった。


    転機は、やはりあの日だろう。

    16 = 1 :


    第一印象ははっきり言って最悪。

    初対面でプロポーズはあり得ない。頭のネジが飛んでるとしか思えない。

    そこから数日経って、印象はさらに悪くなった。
    いくらなんでもHENTAI過ぎる。補導歴が無いことに素で驚いた。
    もはや絶滅危惧種になりつつあるザ・オタクな風貌で、オープンHENTAIでピザでキモオタって完璧すぎていっそ感慨を覚えた。

    もちろんどうとも思ってなかった。マイナス方向に振り切っていた。


    転機は、やはりあの日だろう。

    17 = 1 :

    紅莉栖「……」

    ダル「……牧瀬氏? どしたん?」

    紅莉栖「……へ、あ、いえ! なんでもないですよ、なんでも」

    ダル「そんななんでもありそうなテンプレ反応返されたら逆に困るお。なんかお悩み? 恋のお悩み?
       ならこの橋田至に言ってみなさい。エロゲで鍛えた1000の恋愛スキルを牧瀬氏に伝授して差し上げ」

    紅莉栖「橋田さんって、岡部さんと仲良いですよね?」

    ダル「……おおっとぉ、メシマズの予感!」

    紅莉栖「どうなんですか?」

    ダル「……あいつとは高校2年からの付き合いだお。
       2年からずっとツルんでたわけじゃないけど、まゆ氏に次いでよく知ってるとは思う」

    紅莉栖「ほんとですかっ!? じゃあ」

    ダルクリ「「岡部さんのこといろいろ教えて下さい!」」

    紅莉栖「……えっ、どうして……」

    ダル「はぁ……オカリンのこのフラグメイカーっぷりはなんなん? マジ爆発しろ……」

    19 = 1 :

    ダル「……つーわけで、女性遍歴は皆無に等しいお。まゆ氏曰く昔はかなりモテたらしいけど、厨二を発症してからはそれも鳴りを潜め。
       大学では僕と魔法使いの誓いをするレヴェルになっちった」

    紅莉栖「魔法使いってなん……はッ!!」

    ダル「んん~~? 牧瀬氏牧瀬氏ぃ、いま何を想像したのかな。ちょっと僕に教えてくれん?」

    紅莉栖「い、言うかHENTAI!」

    ダル「牧瀬氏ってさ、男のスラングにもけっこう通じてるよな。あれなん? ムッツリなん? エロ知識蓄えまくりなん?」

    紅莉栖「ムッツリじゃないです! あんまりナメたこと言ってるとマジぶっころしょ!」

    ダル「……え?」

    紅莉栖「……はッ!」

    ダル「今の、ブロント語……? 牧瀬氏まさかブロンティ」

    紅莉栖「ち、ちがう! マジぶっ殺しますよって言おうとしたのが噛んで縮んじゃったんです! そんなことでブロンティスト認定する浅はかさは愚かしい!」

    ダル「……牧瀬氏……」

    紅莉栖「……orz」

    20 = 1 :

    紅莉栖「そうですよー私はブロンティストですよーそれどころかねらーですよー@ちゃん無いと生きてけないレベルのガチねらーですよー」

    ダル「ま、牧瀬氏そんな落ち込まんと。ネラーでもブロンティストでもいいじゃん。なんか僕、親近感湧いたし」

    紅莉栖「……親近感?」

    ダル「うん。やっぱ大学飛び級の才媛っていうとちょっと腰が引けてたとこがあったんだけどさ」

    紅莉栖(腰が引けてる状態であれだけHENTAIを連発してたのかよ!)

    ダル「庶民的なとこを見れたから安心したお。牧瀬氏も同じ人間なんだ、って」

    紅莉栖(……ふん、なによ。結局それって、自分と同じ低レベルの人間だと認識したから安心できたってことでしょ。イヤな奴……。
        あ、駄目よ私。しっかり壁を作って……)

    ダル「……牧瀬氏?」

    紅莉栖「いえ、なんでも。それで、岡部さんの話に戻りますけど……」

    21 = 1 :


    岡部には好意を抱いていた。
    どこからともなく現れて、訳の分からないことを言いながらも父の凶刃から私を救ってくれた人。
    厨二病だけど、時おり慈しむような目で私を見ていることには気付いていた。
    好意より興味が勝っていたからこそ橋田に相談できたのだけれど、こんな気持ちは生まれて初めてだった。


    橋田には嫌悪を抱いていた。
    単純にHENTAI過ぎて嫌いだったけど、さっきの一言は私の自尊心に強く爪を立ててくれた。
    こういう黒い気持ちは向こうでよく感じたな……と、この時の私は思い込んでいた。


    好意と、嫌悪。

    22 = 1 :

    ダル「だから、牧瀬氏からどんどんアプローチしてけば、オカリン程度すぐ陥落できると思うお」

    紅莉栖「……なるほど、ありがとうございます橋田さん」

    ダル「いえいえ。ところで牧瀬氏はどうしてオカリンが好きなん? 参考にするんでヨロ!」

    紅莉栖(……何それ。岡部さんを真似ることで私に好かれたいってこと? 何言ってんのこのピザ。自重しろ)

    紅莉栖「……詳しくは、色々あってちょっと言えません。ただ、岡部さんは危ないところを助けてくれたんです」

    ダル「へぇー、さすがオカリンてば主人公体質。じゃああれか、るか氏と同じパターンか」

    紅莉栖「漆原さん? 漆原さんも彼に助けられたんですか?」

    ダル「うん。るか氏の巫女さん衣装をコスと勘違いしたカメ子がるか氏に言い寄ってて、そこをオカリンに撃退されたんだよ」

    紅莉栖「ふぅーん……」

    ダル「おお? 女豹の目になったお今。3次元こえー!」

    紅莉栖「は、はぁ!? な、なにを言ってるんですか」

    ダル「るか氏が恋敵になるかもって心配したんしょ?」

    紅莉栖(な、なんなのよコイツ! ズケズケと……!)

    ダル「大丈夫大丈夫。だが男だ」

    紅莉栖「……は?」

    24 = 1 :

    紅莉栖「……う、そ……」

    ダル「マジ。るか氏男の子。正確に言えば男の娘」

    紅莉栖「いやそれ口頭じゃ何言ってるか分かんないですから」

    ダル「さすが牧瀬氏お見事なご指摘。ねらーの称号は伊達じゃないっすなー」

    紅莉栖「う、うっさい! ……漆原さんが男……か」

    ダル「信じらんないのも無理ないお。こんど確認させてもらったら?」

    紅莉栖「だ、誰が確認なんてするもんですかこのHENTAI!」

    ダル「あれれ~??
       おっかしいな~僕は胸を触ってみればいいってつもりで言ったんだけど牧瀬氏は一体全体どんな風に取ったのかな~ね~牧瀬氏~」

    紅莉栖(う、UZEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!)

    紅莉栖「む、む、胸だって男の人を触るのは抵抗ありますよ! 当然でしょ!?」

    ダル「ほっほぉん。ま、そういうことにしといてやるお」

    紅莉栖(こんのHENTAIキモオタピザ野郎がぁぁ……!)

    25 = 18 :

    地面か・・・

    26 = 1 :


    苛立ち。

    それを感じるということはつまり、すでに壁が壊されていたということ。

    この時の私は気付けなかった。

    27 = 1 :

    ある日。

    岡部「おい助手」

    紅莉栖「はいはい助手ですよ」

    岡部「……え」

    紅莉栖「え、ってなんですか」

    岡部「……い、いやなんでもない」

    紅莉栖「岡部さん?」

    岡部「ク、クリスティーナ」

    紅莉栖「だからなんですか?」

    岡部「え、あ……」

    28 = 1 :

    岡部「いやいいんだ。なんでもない……」

    紅莉栖「はぁ、そうですか。変なの」

    紅莉栖(……)

    紅莉栖(ぃよし! やったぜ! 橋田さんの読み通り!)


    紅莉栖『あ゛ーもー……橋田さぁん、岡部さんのあの呼び方どうにかしてもらえませんか? 私じゃからかわれるだけだから、橋田さんから言って下さいよ』

    ダル『いやいや、牧瀬氏の見事なイジられっぷりも悪い。
       いちいち反応してやるからオカリンが調子づいたまんまなんだお。逆にその呼び名を受け入れてやれば大ダメージ間違いなしだな』

    紅莉栖『……なるほど?』


    紅莉栖(橋田さんGJ! ありがとう! ちょびっとだけ株を上げておくわ! ホントにちょびっとだけど!)

    29 = 1 :

    ある日。

    紅莉栖「どうして話してくれないんですか」

    岡部「……すまんな」

    紅莉栖「私は……根っからの研究者ですから。分からないことは何でも究明したいタチなんです!
        岡部さんが話さなくても、私自身の力で見つけてみせますから!」

    岡部「あぁ……まぁ、頑張れ」


    岡部(……ごめんな紅莉栖。言うわけにはいかないんだ)

    岡部(SG紅莉栖には、『助手やクリスティーナと呼ばれても嫌がらない』という新たなキャラクターが発生している)

    岡部(不用意にRSを喚起すれば、この世界線の彼女がどうなるか分からない……)

    岡部(俺の身勝手で、今のお前を消すかもしれんような愚は犯せないんだ……)

    30 :

    オカクリ好きだがこれは面白そうだ

    31 :

    ダルクリとな

    32 = 1 :

    ある日。ラボからの帰り道。

    紅莉栖「……はぁ」

    ダル「最近、牧瀬氏ため息多いっすなぁ」

    紅莉栖「ちょっとねー……」

    ダル「オカリン絡み?」

    紅莉栖「うぐ。なんで分かんのよあんた……まぁそうなんだけど。ねぇ橋田」

    ダル「ん?」

    紅莉栖「記憶にないことが口から飛び出しちゃったことってない?」

    ダル「記憶にないこと? 例えば? デジャブ的な?」

    紅莉栖「そうじゃなくて……そうね。ある人物間での不文律があるとする。
        Aさんが『あ』って言ったらBさんは『うん』って返す、そういう決まり」

    ダル「ほむ」

    紅莉栖「でも、その決まりを決めた覚えなんてないのよ。なのに、現在のAさんの『あ』にBさんは『うん』で答えた」

    ダル「ん……んん? なんぞそれ、偶然Bさんはうんと答えたんじゃなくて?」

    紅莉栖「違うわ。ある種の確信を持って、しっかりと受け応えた」

    33 = 1 :

    ダル「イミフ。そんなこと有り得るん?」

    紅莉栖「……有り得ないわよね。初めて訪れる場所に既視感を覚えることはあっても、初めての問答に流暢に応えたなんてケース、聞いたことないわ」

    ダル「……それが、オカリンとあったわけか。どっちが答えたん?」

    紅莉栖「私」

    ダル「オカリンと昔会ったことがあって、その時の定番の問答だったってことは?」

    紅莉栖「過去の面識の有無は既に調べたわ。皆無。アキバが初対面よ」

    ダル「どこかで聞いていて、それが印象に残っていた可能性」

    紅莉栖「伝聞での記憶のような漠然としたものではなかった。こう来たらこう返す。すらりと出て来たわ」

    ダル「……ふぅむ、オカリンには?」

    紅莉栖「もちろん聞いたわよ。聞いたけど教えてくれなかったの」

    ダル「……最近のオカリンはなんか秘密主義だからなぁ。ラボメンバッヂも8人分あって、しかも8人目は7年後にどうこうとか」

    紅莉栖「……なにそれ。詳しく聞かせて」

    34 = 1 :

    紅莉栖「なんてこと……! そうよ、十分に材料はあったじゃない!
        見ず知らずの私を助けた岡部! あの問答! どうしてラボメンバッヂに既に私の頭文字が刻印されていたのか! 8つの頭文字! 7年後!」

    紅莉栖(どうしてこの程度のことに気付かなかった!? まるで、発想そのものが何者かにシールされていたみたい……!)

    ダル「オカリンに未来視の能力でもあるってか? ないない(笑) いつもの厨二病っしょ」

    紅莉栖「カッコワライ言うな! そうでもなきゃ辻褄が合わないでしょ!」

    ダル「いやぁ……だって、あのオカリンだぞ?」

    紅莉栖「あ、あの岡部だけど。とりあえずこの材料だけ持ってもう一回話を付けてくる!」

    ダル「……僕も行こかな」

    紅莉栖「橋田も?」

    ダル「盛り上がってる牧瀬氏見てたら僕もなんか気になってきた。行くお」

    紅莉栖「……ん、分かった。着いてきなさい!」

    35 = 1 :

    ラボ。

    岡部「……言えない」

    紅莉栖「ど、どうしてよ岡部。どうして言えないの? どうしてそんなにも頑ななの……?」

    ダル「……」

    岡部「すまん……言えないものは言えないんだ。すまん……!」

    紅莉栖「……ッ!」

    バッ! バタン!

    ダル「……なぁオカリン」

    岡部「……なんだ」

    ダル「オカリンが黙ってるのって、もしかして牧瀬氏を守るためとか?」

    岡部「ッ……そうだ。さすがは我が右腕だな。知られてしまっては……マズいんだ」

    ダル「……ぉk、分かった」

    キィー、バタン

    36 = 1 :


    僕にとっての革新はこの時か。

    ラボメンとはいえ、こんなにも彼女を気にかけている理由に、僕は思い当たり始めていた。

    37 = 1 :

    ダル「……牧瀬氏」

    紅莉栖「……なによ」

    ダル「ほい」

    紅莉栖「きゃッ!? つ、冷たいわよばか! ……あ、ドクペ」

    ダル「ん」

    紅莉栖「……ありがと」

    ……コクリ

    紅莉栖「ふぅ、やっぱり知的飲料はネ申ね。脳が澄んでいくのが分かるわ」

    ダル「そうかお。じゃあちょうどいいな。牧瀬氏、もうオカリンにバッヂのこととか聞くのやめれ」

    紅莉栖「……なんでよ。どうしてやめなきゃいけないの。ていうかどうして橋田にそんなこと」

    ダル「オカリン、血が滲むほど唇噛みしめて、黙んなきゃいけない理由があるっぽい。何を隠そう、牧瀬氏のために」

    紅莉栖「……私のため?」

    ダル「あいつからは言えないみたいだから、とりあえず右腕であるところの僕が『牧瀬氏のための理由がある』ってことだけ伝えますた」

    38 = 31 :

    俺得だ

    40 = 1 :

    紅莉栖「……ふん」

    ダル「この秘密を暴かないと、牧瀬氏に何か不利益でもあるん?」

    紅莉栖「私の沽券に関わる」

    ダル「んじゃ今回だけは自分を曲げて、納得してやれお。オカリンのためにさ」

    紅莉栖「……」

    ダル「あいつに助けられた借りがあるんしょ? だから、今回のでおあいこってことにしたらいいんじゃね」

    紅莉栖「……なんなの橋田。あんたって岡部の女房役だったわけ。キショクわる」

    ダル「いや普通に友達だし。友達が困ってたから斟酌してやっただけだお」

    紅莉栖「……ともだち」

    ダル「そんなETみたいなイントネーションで返さんでも……。こういうのが友達ってもんだろ? ……まさか牧瀬氏」

    紅莉栖「違うわよ? ぼっちじゃないわよ? アメリカで友達一人も居ないからネットに娯楽を求めに逃げたとか全然そんなことないから」

    ダル「……牧瀬氏……」

    紅莉栖「……orz」

    41 = 1 :

    紅莉栖「……分からないことは、なんでもかんでも知りたがる性分なのよ。
        だからこそこの年で脳科学の研究者になることが出来たし、だからこそ周囲に面倒くさく思われたのね」

    ダル「……」

    紅莉栖「まだ納得はいってないわ。岡部の秘密を暴いてやりたい。でも……私のためなんでしょ? そんな理由、初めてよ、卑怯よ……」

    ダル「なぁ、牧瀬氏」

    紅莉栖「なに」

    ダル「オカリンの秘密は聞きたがったけど、僕には聞かんの?」

    紅莉栖「……は? 橋田? あんたもなんか秘密あんの?」

    ダル「あるかもよ?」

    紅莉栖「あってもどうでもいいわ。興味ない」

    ダル「へぇ、それっておかしくね? なんでもかんでも興味あるんだろ?」

    紅莉栖「……あ」

    42 = 1 :


    研究でも対人関係でもなんでも、”なにか”を暴く時には快感がある。

    それが好きだった。
    私が知りたがりなのはこの快感を求めてのことだ。


    だが、橋田には興味が湧かなかった。まゆりもだ。漆原さんもか。萌郁さんも。フェイリスさんも? 岡部だって例の秘密以外は、別に。……。

    ラボメンのみんなを暴く気が、私には無かった。
    何故だろう。簡単なことだった。

    暴きたがりなのは研究者の私だ。
    向こうでは、研究者の私を脱げなかった。
    脱げなかったから、誰に対しても暴きたがった。

    日本。
    ラボに来て、私の研究者の殻は、岡部を初めとしたラボメン達の手で脱がされてしまったのだ。

    43 = 1 :

    ダル「な?」

    紅莉栖「……」

    ダル「なんでもかんでも興味持たないと、向こうではやってけないんしょ?
       えーっと? 万物に興味を持ってないとセレンディピティは得られない、とか大学の講義でやってた気がするお」

    紅莉栖「……」

    ダル「こっちではそんな気ぃ張らなくていいんじゃね。ラボでぼーっと、まゆ氏の隣で洋書読んでればいいと思う」

    紅莉栖「……」

    ダル「でー、オカリンは例によって例のごとく厨二電波飛ばしまくって、僕はスルー安定でエロゲしてて」

    紅莉栖「エロゲは要らない」

    ダル「えぇー? 僕はラボにエロゲをしに来てると言っても過言ではないと言うのに」

    紅莉栖「あはは、橋田のHENTAI」

    ダル「褒め言葉です(キリッ」

    紅莉栖「HENTAI。ドHENTAーI。……ありがと」

    44 :

    なにこれきもすぎてわろた

    45 = 1 :

    ダル「へ? 今なにか」

    紅莉栖「HENTAIも過ぎると通報するわよって言ったの。ほれ橋田、ちょっとメイクイーン付き合いなさい」

    ダル「うえ? なんでメイクイーン? 牧瀬氏好きだっけ?」

    紅莉栖「うるさいわね、ごちゃごちゃ言わない。いいから行くの。私の筋を曲げさせた礼をしなさい」

    ダル「えぇー、い、今持ち合わせが……」

    紅莉栖「じゃあそれ全部使って。はーおなか空いたー何食べようかしら」

    ダル「横暴だお~……」

    紅莉栖「ほーら、行くわよ!」

    ダル「え、ちょ。牧瀬氏、手……」

    46 = 1 :


    私にとっての革新はこの時か。

    ラボメンとはいえ、こんなにも私を見、気にかけてくれる彼に、私の嫌悪は裏返り始めていた。

    47 = 1 :

    ある日。2人きりのラボ。

    紅莉栖「橋田ー、そのエロゲ何?」

    ダル「へ、え? 何って抜きゲだけど」

    紅莉栖「抜きゲって……たしか、男の人のソレに使う用、よね?」

    ダル「ソレって何? 牧瀬氏牧瀬氏ソレって何?」

    紅莉栖「ソ、ソレはソレよ! ソレでしかない! ていうか抜きゲをラボでやるな!」

    ダル「いやいや、抜けない空間で抜きゲをやるってのも乙なもんなんだぜ?
       このジリジリ感? 帰ってからやると何故かヤケに捗るしさ。牧瀬氏分かる? ま~わっかんないだろ~な~」

    紅莉栖「……分かってたまるかこのドHENTAIが!!」

    48 = 1 :

    ある日。2人きりのラボ。

    紅莉栖「橋田は何味が好きなの?」

    ダル「僕はやっぱトンコツかなー」

    紅莉栖「共食い乙」

    ダル「う、うっせーお。コッテリ旨いじゃん」

    紅莉栖「そんなだからぷよぷよなのよー」ペチッ

    ダル「おわっ!?」

    紅莉栖「……あ」

    ダル「ちょ、ま、牧瀬氏……? 申し訳ないけど脈絡のないボディタッチはNG(約束)。するならもうちょっと段階を踏んでから」

    紅莉栖「な、なんの段階だHENTAI! へ、HENTAI……」

    ダル「そ、そっちからやってきた癖にそっちがしおらしくなるのはズルいお! 僕もうお嫁に行けない! 牧瀬氏、責任とって!」

    紅莉栖「と、とるかバカ!」

    49 = 1 :

    ある日。2人きりのラボ。

    紅莉栖「はぁー……スゴいわ。あんたの電子工作の腕はやっぱり特一級ね……」

    ダル「ふひひ、お褒めに与り光栄だお。興味あることにはトコトンが僕、ってね」

    紅莉栖「興味あることにはトコトン……か。私と同じね」

    ダル「言われてみればたしかに。あ、でも僕は論破厨だったり暴き厨だったりしないんでそこんとこは混同しないでください」

    紅莉栖「悪かったな! ていうかこっちでは暴き厨じゃないでしょうが!」

    ダル「なんか最近僕に色々聞いてくるじゃ~ん。あれも暴きの本領発揮じゃないの?」

    紅莉栖「え……橋田、いや、だった?」

    ダル「はえ? 別にいやじゃないけど?」

    紅莉栖「そ、そう。それなら良かった、うん……」

    ダル「ん……ん? なに牧瀬氏、僕なんかマズいこと言った? あ、もしかして混同がコンドームに聞こえたとか」

    紅莉栖「死ねHENTAI!!!!」

    50 :

    SG世界線って鈴羽が生まれるのは確定してないんだっけ
    鈴羽が生まれる場合はダルの浮気が確定事項なわけだが


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