元スレ浜面「一方通行×絹旗とかどうだろう?」
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751 = 587 :
聞き間違いだったのかもしれない。それか、自身の潜在意識下にある願望が引き起こした、
まさかの幻聴か。後者なら自分は病気だろう。
絹旗「あの…してくれないんですか?//」
どうやら聞き間違いでも幻聴でもなかったらしい。
一方通行「お前…何考えてンだ?」
本当に何を考えてるのかと思った。いくら恋人同士とはいえ、さすがにこのシチュエーションはカオスすぎる。
だが…これなら人通りの少ない路地へと招き入れた理由も分かる。最初からこれが狙いだったのか??
そう考えていた一方通行だったが…。次の彼女の言葉で、彼は更なる混乱に陥った。
絹旗「ほ、本気にしないでくださいよっ!冗談ですってば!」
冗…談…??
752 = 587 :
絹旗「証拠に、ここにもう一枚ハンカチもあるんですからっ。もう一方通行ったら…。
いくらなんでも、そんなふざけた展開はないですよ。すっかり当惑してましたよね」
一方通行(は…?)
じゃあ、さっきの思わせぶりな態度は何だったのか。
騙してからかうためだけに、こんな人通りの少ない場所へと招待したのか。
こんな手を込んだ工作をしてまで…屋台を楽しむ時間を削ってまでも、俺を勘違いさせようとしたのか??
一方通行(こいつ…ッ)
さすがに、これには怒らずにはいられなかった。イタズラにしても悪質すぎる。
そう思った瞬間か― 気付けば、彼は彼女に手を出していた。
絹旗最愛に 手を出していた
754 = 587 :
絹旗「っ!?」
一方通行「テメェ…ちょっと度が過ぎたなァ…?」
右手で絹旗の顔をつかみ、そして傍にあった壁へと叩きつける。
電極のスイッチがONになっていたのは言うまでもない。
絹旗「!!ま、待っ―!!!」
彼もそこは加減していた。元々絹旗は窒素装甲の自動展開により窒素の壁が形成されてるため、
よほど大きな力で壁に叩きつけない限りは、彼女には傷一つ付かない。不意討ちの銃弾ですら
弾くのが彼女の持つ窒素の壁なのだから。その代わり…“一方通行が攻撃した”という
その揺るぎようのない事実は、彼女の精神に与えるダメージとしては十分すぎたかもしれない。。
そして更に追い討ちをかける一方通行。
一方通行「テメェがさっき言ってた…舌でやるってヤツか?なンなら、今ここでやってもいいンだぜ…
身動きのできねェお前を、口から口へと舐めつくしてやろうか?あァ!?」
もはや完全に悪役だった。いや、客観的に見れば悪人そのものだった。
一方通行(ちったァこれに懲りて反省しろ…)
実は。彼にとって、先ほどからの一連の行動はただの狂言にすぎなかった。
絹旗の口を舐め回す気も更々ない。正確に言えば、これは“攻撃”ではなく“叱り”のつもりだった。
辞書通り、言動のよくない点などを指摘して強くとがめる。そんな一方通行のやり方に彼女は―
絹旗「…っ」
悲しんでるわけでもなく泣いてるわけでもなく。ただ…じっと一方通行の目を捕らえているだけだった。
755 = 587 :
絹旗「…以前もこんなことありましたよね」
一方通行「…?」
絹旗「ワンピースの裾をヒラヒラさせて、あなたを逆上させたことがあったなって…」
一方通行「あァ…」
浜面に公園に呼び出されて。でもそこにヤツはいなくて…代わりにいたのがこの絹旗で。
気になるとかいう理由で俺の後を付け回し―そして誘惑された。そのときも俺はこいつに迫り…
っつっても“フリ”だったが、途中で風紀委員の奴に見つかってレイプだと勘違いされそうに
なったンだっけか。確かに状況的には似てるかもな、と思った一方通行だった。
一方通行(そういや―)
あのときも絹旗は、そんな状況であっても抵抗らしい抵抗をしなかった。今の絹旗も…こちらを
見つめるだけで抗議の声も唱えないし、ましてや攻撃したり逃げようといった空気も甚だ感じられない。
絹旗「私、あなたが無理やり人をどうこうする人間じゃないって知ってます。あのときはまだ出会って
日も浅かったですから…ほとんど直感だったわけですけど。今は自信をもってそう言えます。
私の口元を舐めつくすっていうのも、ウソなんですよね?私を…ただ叱ってるだけなんですよね」
一方通行(全て見抜いてンのかよ)
だが、ここまで洞察力があるなら俺が激昂するのも予想できたろうに。
なぜヤツはこんな真似を…?と考えていた一方通行に―
絹旗「…すみません。これやったらあなたが怒るだろうなとは思ってたんです。“分かってて”やったんです」
757 = 587 :
一方通行「分かってて…やった?」
絹旗「怒ったところを、むしろ私のほうからキスしようと思ってたんです…」
一方通行「…は?」
絹旗「確信犯だったんですよ。落としてから、そして持ち上げる…そんな状況でキスしたら
あなたは驚くだろうし、もしかしたら嬉しいかなって…一種のサプライズのつもりだったんです」
一方通行「お前―」
一方通行(“嘘って言ったこと”が嘘だったのかよ)
それはつまり真だ。
絹旗「お祭りって…考えようによっては非日常じゃないですか。だから、こういうことも許されるかな…
って思ってつい調子に乗っちゃったんです…。お祭りだからこそできる、って考えちゃったんですね…」
一方通行「……」
正直呆れた。だが、その言動の根底に“恋人を楽しませる”という意思があったのなら、
一方通行としては彼女を責めることなどできない。
絹旗「ただ、私は浅はかでした。怒るってことは分かってても、“傷つく”ことまで考えてなかったんですよ…
一方通行だから大丈夫っていう、ある種の開き直りといいますか…。でも、一方通行も人間なんです。
学園都市最強のレベル5とはいえ、中身は他の人と同じ…純粋な人間なはずなんです。そんな当たり前の
ことすら忘れ、祭り気分に浮かれ…弄ぶような真似をしてしまって…!本当に超すみませんでした…っ!」
…電極のスイッチをOFFにする一方通行。
758 = 587 :
一方通行「…まだ遅くねェ」
絹旗「え?」
一方通行「こっちこそ、ついカッとなっちまって…悪かった。だから―」
絹旗の顔を引き寄せる。
絹旗「一方通行…?」
一方通行「最愛…っ」
そのまま、一方通行は彼女に唇を重ねる
絹旗「ん…っ!///」
一方通行「……」
軽く触れ…そして一旦離す
一方通行「…甘かった」
絹旗「…だから言ったじゃないですか。“綿飴”は、まだ残ってるって」
一方通行「お前の唇って綿飴の味がすンだな」
絹旗「今日、限定ですから…っ」
759 = 587 :
一方通行「…もっと味わってもいいか?」
絹旗「…はいっ」
一方通行「遠慮はしねェからな…」
そう言って、再び口づけを交わす
絹旗「一方通行…///」
一方通行「…次は舐めてやる」
ペロ
絹旗「ひゃ…っ///」
口元に 舌で触れる一方通行
一方通行「…っ」
しだいに、その動きをエスカレートしていく
絹旗「ぁ…っ//」
ペロ、、ペロ、、
絹旗「し、舌の動きが…っ!///や、やらしいですよ一方通行///」
760 = 587 :
一方通行「舐めとってほしいンだろ?…我慢しろよ」
絹旗「…前から思ってましたけど、絶対一方通行ってSですよね…?」
一方通行「誘惑するテメェが悪い」
ペロッ
絹旗「ひゃぁ…っ//」
一方通行「…気持ちよさそうな声出してンじゃねェよ」
絹旗「だ、だって…!あなたが超変な舐め方するから…っ///」
一方通行「テメェがそンな声出すから、こっちだって止められねェンだろうが…ッ」
ペロ…ペロ…ッ
絹旗「うぅ…っ//一方通行の、エッチ…///」
一方通行「…お前ほどじゃねェけどな。っと、ベタベタしてたのは大体取れたぞ」
絹旗「ホントに取っちゃうなんて…。一方通行は本当にエッチです…//」
一方通行「取れたし、やめるか?」
絹旗「や…やめないでくださいっ」
一方通行「感じてンのかよテメェ…どうしようもねェな」
761 = 591 :
テクニシャンだなおい
762 = 587 :
一方通行「まだお前の口の中…ちゃンとやってなかったよなァ」
そう言って自分の舌を…絹旗の口の中へと入れる
絹旗「ぁ…っ!//」
一方通行(…最後の綿飴まで、綺麗にしてやらねェとな)
絹旗「ん…っ!む…ぅ…っ!ぁ…ん///」
ピシャ…ピシャッ…ッ
唾液と舌が絡み合ういやらしい音が響く
絹旗「はっ…ん…っ!う、うぅ…ぁぁ…っ///」
同時に、彼女の官能的な声も響く
一方通行(やべェ、たまンねェ…っ)
意識すればするほど、舌の動きはめちゃくちゃになった
絹旗「っ!?」
絹旗(は、激しすぎますよ…!一方通行…っ!!///)
めちゃくちゃになればなるほど それだけ彼女の性感帯を刺激した
763 = 587 :
一方通行(…やべェぞ)
ここで彼に 一つの懸念が生まれた
一方通行(歯止めがきかねェ…っ)
“どこまでならやってもいいのか?”そのボーダーラインがよく分からなくなっていた。
普段の冷静な彼なら有り得ない。それくらいに、頭の中が沸騰していた。
ピチャッ…ピチャッ…
絹旗「ぁ…っん!あ…ぁ…うぅ…ぁっ…///」
それでも舌は止まらない
一方通行(ここは人通りが少ねェ…)
人の目がない。ゆえに、この場所は“背徳的行為を気兼ねなくできる環境”と化してしまってる。
だからこそ…問題があった。そういう行為に適している一方で、その“行為”が激化したとき、
一体誰がそれを止められるのかという深刻な問題が。もちろん当人らの自己判断には期待できない。
こんな密室ともいえる環境下で、理性が感情…性欲に勝てるとはとても思えなかったから。
一方通行(誰もいねェ…のか)
このまま誰も来なければ。自分が絹旗に“それ以上”のことをしてしまいそうで怖い…。
かといって、そんな自分にブレーキをかけることすら今の一方通行には叶わなかった。
一方通行(…ヒーロー…ッ)
叶わなかったせいか。彼は無意識のうちにその単語を呟いていた。
764 = 602 :
紫煙
765 :
この状況で上条さんを呼ぶとは…
766 = 587 :
もっとも…ここでの“ヒーロー”という言葉に意味はない。そもそも何を指してるのかも分からない。
よく人は、窮地に陥ったとき神頼みをすることが多々あるが…。彼の場合は、それが“神”ではなく
“ヒーロー”だったというだけ。自分がダメだからという理由で、居るのかどうかも分からない他者…
そんな超自然的存在に向け、一方通行は心のどこかで期待していたのかもしれない。
…まったくもって無責任な期待には違いなかったが。
一方通行(当の最愛は、この状況をどう考えてンだろうなァ…?)
少なくとも嫌がってはいないみたいだが。だが、この先もキスだけで済ませられるという保障は無い。
さらに先の行為へ進んでしまった場合、彼女はどうするのか。拒むのか、あるいは受け入れてくれるのか…?
絹旗「…?一方通行…?」
いや、そもそも“それ以上”の展開を全く想定してない可能性だってある。彼女はさっき言っていた…
『私、あなたが無理やり人をどうこうする人間じゃないって知ってます』と。彼を…信用してくれている。
一方通行(信用してンのに…変なことしちゃァダメだよな)
……
何か分かったような気がする。相手のこともちゃんと考えてあげれば…。
絹旗最愛という存在に真摯になれば、きっと間違いは起こらない。ここに来て、
ようやく彼はそのことに気付いた。よく考えれば簡単であり…そして当たり前なことでもあった。
767 = 587 :
一方通行(どうやら…今回ばかりはヒーローに助けてもらう必要もなかったみてェだ)
自分で気付けたのだから。
一方通行(ただ、最後に…もう一度こいつとキスしてェ)
改めて絹旗の方へと向き直り、そして―自分が彼女に対し思ってることを…素直なままに伝えた。
少々恥ずかしかったが…。自分にとって“最愛”の人である彼女に告げることを、彼は嫌とは思わなかった。
一方通行「最愛…好きだ」
絹旗「ど、どうしたんですか突然?もちろん…超好きに決まってるじゃないですかっ//」
一方通行(最愛…っ)
これからも互いのことを思い合って…そして生きていこう。そう考えながら
今日最後になるであろう口づけを…絹旗と交わそうとした。
“交わそうとした”
??「ッ!?一方通行…!?こ、ここで何を…!!?」
一方通行「……」
一方通行(…何ですかァ?このどっかで聞いたことのあるバカみてェな声はァ…)
この世界の“ヒーロー”とは、どうやら遅れてやってくるものだったらしい。
それも、“かなり空気の読めてない”ヒーローだと言えた。
769 :
セックスと聞いて
770 = 587 :
上条「って、あぁ…そうか!キスしようとしてたのか!!こ、恋人同士なら当たり前…だよな//」
美琴「そ…そうよ!!恋人同士なら普通にすること…よ//」
一方通行「……」
ヒーロー上条当麻&ヒロイン御坂美琴 IN
絹旗「あっ二人とも!また会いましたね」
美琴「そ、そうね…っ//」
…さっきの二人のやり取りが気になって仕方がない美琴。
一方通行「テメェらよォ…こんなトコで何してる?ってか、何でいンだ??」
絹旗「あぁー、そういえば」
彼の疑問ももっともだった。本来なら上条も美琴もまだ祭りを楽しんでる時間のはず。
それが、どうしてこんな祭りの中心から離れた…屋台もない人気のない場所へと来てしまっているのか。
美琴「そ、そっちこそ何でいんのよ!?」
逆に質問で返された。
一方通行「ァ?そりゃァ…」
絹旗「二人でイチャイチャできるからですよ。人もいないからキスだってし放題ですし…//」
一方通行「正直に言いすぎだテメェ」
771 = 587 :
絹旗「だって、そうでもないと…こんな何もないところ来ませんよ。ましてや今日は祭りなんだから尚更です」
一方通行「まァ、そうか」
美琴「そ…そうなんだ」
一方通行「で。そっちの来た理由は?」
美琴「そ、それは…っ!」
上条「な、なぁ絹旗。さっき言ってたことは本当なのか??」
絹旗「さっき?」
上条「こんな人通りのない場所なら…ってやつだよ。キスするとか何とか…//」
絹旗「あぁ、そのことですか。そりゃー、そういう理由でもないと来ませんよね!」
上条「そ、そう…だよな!ってことは御坂…お前まさか…っ」
772 = 587 :
美琴「ちょ―!?バカッ!!勘違いしないでよね!!// な、何で私があんたなんかとその…っ!!//」
一方通行(ン?話の流れ見る限り、この場所へと誘ったのは超電磁砲のほうかァ?)
絹旗「あれー。御坂さん、顔が超赤いですよ。本当は…“私たちと同じ理由”だったんじゃないですか?♪」
美琴「ち、違う!!そんなこと…私考えてないッ!!!///」
美琴(い、言えない…っ!あいつに 告 白 し よ う と し て た とか、絶対に言えない…っ!!!)
773 = 602 :
美琴さんがんばりますねえ
774 = 587 :
上条「御坂!じゃあ、何で俺をこんなところに!?」
美琴「そ、それは―!!」
一方通行「…何なんだァ?」
絹旗「…何なんですか?♪」
美琴「あ…あぁ…ぁぁっ!!」
告白しようと決意しただけでも、すでに美琴の精神状態はあっぷあっぷだった。そんな状態で、
その“告白”についてあれこれ詮索されたら…彼女のような人間は一体どうなるか?言うまでもなく、
彼女の精神は不安や動揺、焦燥感を堰きとめられず崩壊する。結果として、告白相手である上条本人にも
不信感を抱かれてしまったのだから…どうしようもない。というか、もはや告白どころではない。
そんな自己を喪失した彼女がやることはもう決まってる。美琴は“自爆タイマー”のスイッチをONにした。
上条「み、御坂??」
そして爆発した
美琴「うわああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」ダダダダダダダ
上条「御坂―ッ!!?」
御坂美琴は逃走を開始した。
775 = 587 :
上条「ちょ!?な、何がどうなってんだッ!??」
絹旗「上条さん!今は彼女を追いかけてあげてください!!」
一方通行「早くしねェと、あいつホントにどっか行っちまうぞ」
上条「そ…そうだな!分かった!!二人とも、またなっ!」
そう言って、上条は急いで美琴の後を追いかけた。
一方通行「…なァ、絹旗」
絹旗「何です?」
一方通行「超電磁砲が取り乱してたのって、ありゃァ間違いなく俺らが原因だよなァ…?」
絹旗「で…ですね…っ」
一方通行「お前が言ってたキスはともかく…。
何か重要なこと言おうとしてアイツをここに誘い込ンだのは違いねェ」
絹旗「告白…といったところでしょうか?」
一方通行「かもなァ」
分かりやすい性格をした美琴なだけに、そんな彼女の心理は二人にはお見通しだった。
776 = 587 :
絹旗「でも、それってお互い様ですよね」
一方通行「あン?」
絹旗「私たちだって、上条さんと御坂さんが来たせいでその…中断しちゃったんですから」
一方通行「確かに…そうだったなァ」
絹旗「続き。しますか?//」
一方通行「いや…いい。なンか冷めちまったわ」
絹旗「そーですかぁ」
一方通行「しょんぼりすンな。俺らだったら…いつでもキスできるだろ」
絹旗「え!?いつでもキスしてくれるんですか!?一方通行ったら…いつからそんな超大胆に//」
一方通行「“時と場合による”。ここ、めっちゃ重要だぜェ?衆人環視の中でしろとかゴメンだからなァ?!」
絹旗「分かってますよ。というか、そんなことまでしちゃったら…もはやバカップルじゃないですかっ!」
一方通行「すでにバカップルっぽい気がすンのは気のせいか…?自分で言うのもなンだけどよォ…」
絹旗「あー、バレましたか。そうですね、それは知ってました♪」
一方通行「知ってたンかい」
777 = 587 :
絹旗「あ」
一方通行「ン?どうした?」
絹旗「携帯が落ちてます」
一方通行「……」
一方通行「さっきまではこんなもン…落ちてなかったよなァ?」
絹旗「そう…ですね。ということは―」
一方通行「あのバカ二人のどっちかが落としたもンってワケかよ」
絹旗「どちらのか調べてみます?」
一方通行「まァ、誰のか調べるくれェならプライバシーにも触れねェし、大丈夫だろ」
絹旗「じゃあ、ええっと…。あ、上条さんのみたいですね」
一方通行「あのバカのか」
絹旗「…御坂さんだったら何て言ってたんです?」
一方通行「あのバカのか」
絹旗「どっちもバカなんですね」
778 = 703 :
美琴さん可愛い
779 = 587 :
一方通行「一応携帯拾っててやるか」
絹旗「というか、まだこの近くにいるかもしれません」
一方通行「今から手渡しで届けろってかァ?」
絹旗「まだ…さっきからそんなに時間も経ってませんし、遠くへは行ってないはずです」
一方通行「そりゃァそうだろうが。ってか、お前そんなに届けてェのか」
絹旗「だって!相手を追いかけるって、鬼ごっこみたいで超楽しくないですか?♪」
一方通行「ガキかテメェは」
絹旗「ガキです!」
一方通行「しまった…テメェにそういう突っ込みがきかねェの、すっかり忘れてた」
絹旗「で、どうするんですか?」
一方通行「どうするも何もお前自身行きたいンだろうがよ」
絹旗「はいっ♪」
一方通行「じゃァ、行くしかねェよな」
780 = 591 :
ドキドキ……
781 :
ワクワク……
782 = 587 :
一方通行「そうと決まれば速攻で見つけるかァ」
電極のスイッチをONにする。
絹旗「能力使うんですね」
一方通行「当たり前ェだろ。自力で探してたら、最悪日付け変わっちまうぞ」
絹旗「道がいろいろ入り乱れてるのが、この学園都市ですからねぇ」
一方通行「そういやお前はどうすンだ」
絹旗「うーむ。私じゃ、あなたの高速スピードにはついていけませんしね。私を置いて行きますか?」
一方通行「オイオイ…いくらなんでもお前を置いてあのバカを追いかけるほど、奴に義理はねェよ」
絹旗「じゃあ、どうします?♪」
気のせいか。何かを期待しているような目で…彼を見つめる絹旗。
一方通行(置いていけねェとなると一緒に行くしか。となると…)
一方通行「…おんぶするしかねェのか」
絹旗「私は、おんぶよりお姫様抱っこのほうが超いいです♪」
一方通行「最初からそれが狙いかァ!!?」
783 = 587 :
絹旗「ワクワク♪」
一方通行「却下」
絹旗「えー!?どうしてですか!?!」
一方通行「あのな、お姫様抱っこした人間が高速移動してみろ。おかしいってレベルじゃねェから」
絹旗「レベル6ですか?」
一方通行「あァ。レベル5第1位の俺ですら、この羞恥心には勝てそうにねェ」
絹旗「そんなにおかしいですかねえ」
一方通行「少なくとも、通行人が見てたら腹抱えて笑いだすレベルだァ」
絹旗「そうですか…。そこまで力説されると、私からはもう何も言えません」
一方通行「だから、おんぶで我慢してくれな。まァ、正直おんぶで高速移動も
かなりシュールなンだが…こればっかはしょうがねェ。テメェとは離れたくねェしな」
絹旗「っ!わ、分かりました…おんぶで我慢します//」
一方通行「…?」
絹旗(いきなり『離れたくねェ』とか、反則ですよ一方通行…///)
784 = 587 :
絹旗「そういえばこの前…。海から帰るときも背負ってくれたんですよね」
一方通行「そうだなァ。ただ、あのときと違って今回は高速で動くワケだから、
振り落とされねェよう…しっかりつかまっとけよ」
絹旗「了解ですっ」
一方通行「あァ、風圧で痛まねェようテメェにも若干ベクトル操作施すからよォ。
移動中…くれぐれも上で変な動きすンじゃねェぞ」
絹旗「なんでです?」
一方通行「単純に気が散る。っつか、そう聞いてきたってことは何かするつもりだったンか」
絹旗「そうですね。顔を擦りつけてみたり、耳に息をふきかけてみたり。あと―」
一方通行「もうええわ…やる気満々じゃねェかお前。いいか?絶対すンなよ?」
絹旗「えー」
一方通行「あのな、お子様にも分かりやすく教えてやる。時速100kや200kのスピードで
壁に衝突でもしたらシャレになんねェから。俺は大丈夫でも、お前の命までは保障できねェから」
絹旗「壁に激突するほど集中力切らすってよっぽどですよ?そんなに…意識しちゃうってことなんですか?//」
一方通行「…悪ィかよ」
絹旗「そんな照れてる一方通行も超可愛いです//」
一方通行「なんかもう、ため息しか出ねェわ」
785 = 587 :
一方通行「じゃァ、行くぞ。しっかりつかまっとけよ」
絹旗「ええっと、エンジンキーは…」
一方通行「俺は車か」
絹旗「小回りが利く分、車より性能いいですけどね」
一方通行「車から離れろ」
絹旗「じゃあタクシーで!」
一方通行「余計にタチが悪いわッ!!?」
絹旗「私は褒めてたつもりなんですけど…」
一方通行「お前とコントしてたらマジで日付け変わりそうだから、もう行くわ」
絹旗「出発進行ですねっ!」
一方通行「ホント楽しそうだなお前」
そういうわけで、出発進行した。
786 = 587 :
その頃。上条は、いまだに美琴を追いかけていた。
上条「だから!!何で逃げんだよ御坂!!?」
美琴「一人に…、一人にさせてって!!さっきから言ってるでしょう!??」
上条「ダメだ!!ほっとけねえよッ!!!」
美琴「そ、そんなこと言われたって…!!私は今、あんたの顔を見たくない、っていうか見れない!!!」
上条「御坂…!!お前、俺に何か言おうとしてたんじゃねえのかよ!?」
美琴「え…っ」
上条「もし何か悩みがあるんなら言ってくれよ!?俺は…いつだってお前の味方なんだからなっ!!」
美琴「ちょ…っ///な、なにカッコつけたこと言ってんのよ!!///」
上条「いいから止まれってーッ!!いい加減、俺も足が痛ぇんだってっ!!」
上条(ってかアイツ、何で浴衣姿なのにあんな速く走れんだ??)
浴衣なんて障害にもならない。それくらいに全力疾走してたのが御坂美琴だった。
先ほど爆発してしまったため、頭でまともな思考ができないのは言うまでもない。
ほとぼりが冷めるには…もう少し時間がかかりそうだった。
上条(くっ…!一体どうすれば…っ)
そんな上条少年に近づいてくる影が一つ…いや、二つ。
787 = 587 :
一方通行「意外に早く見つかったな」
絹旗「…あの、出発してまだ3分も経ってませんよね…?」
一方通行「だな」
絹旗「一方通行のスピードが速いってのもあるんですけど、それ以前の問題なような気がします…。
だって、今走ってる場所って…携帯が落ちてたトコとほとんど離れてないですよね…?」
一方通行「これは俺の推測だが。たぶんアイツら、同じトコをグルグル回ってたンじゃねェのか」
絹旗「えぇ…っ」
一方通行「分かったろ?だからアイツらはバカなンだ」
絹旗「なんというか、面白い人たちですね」
一方通行「愉快な奴らだァ」
絹旗「っと、話してる間にもう上条さんの背中が目の前ですよ。声かけてみたらどうです?」
一方通行「あァ…そうだな」
息を吸い込み、そして叫んだ。
一方通行「三下ァ!!!」
上条「えっ…!?」
一方通行「落とし物だァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!」
788 = 587 :
上条「!?What??な、何で一方通行がここに!?というか落とし物って何!!?」
一方通行「落とし物は落とし物だ三下ァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」
上条「意味分かんないですからッ!!?というか、なんか凄い怖い形相してるのは気のせいでせうか!!?」
一方通行「俺に落とし物なンか届けさせやがって、覚悟はできてンだろうな三下ァァァァァァァァァ!!??」
一方通行(お前のせいで俺は絹旗に車扱いされるわ可愛い言われるわ…散々だったンだぞ!?あァ!!?)
上条「よく分かんないけど!!なんか上条さん…とても理不尽な理由でキレられてる気がするんですよ…!?」
絹旗(ぎゃ、逆切れならぬギャクギレータってやつですか…!でも、これもまた一興です♪)
観客気分の絹旗だった。ちなみに…上条さんはあまりの恐怖ゆえ自分の後ろを
振り返れなくなっている。ゆえに、背負われてる絹旗の存在にも気付いていない。
美琴(…??な、何かあったの…?)
そして、さすがの美琴も後ろの喧騒に気付いたらしく…思わず後ろを振り向いた。すると―
上条「俺はまだ死にたくないぞおおおおおおおおおおおおおおおっ!!?!」
美琴「きゃああああああああああああああああああっ!!??!」
鬼の形相をした上条が眼前に迫っていた(ただしくは必死な顔だが、美琴にはそう見えた)。
790 = 587 :
一方通行「だから、落とし物って言ってンだろうがあああッ!!!!」
上条「落とし物…!?落とし物…ッ!?」
上条(う、上から何かを落として攻撃してくんのか!?)
もはや上条当麻は、“落とし物”を辞書通りの意味で受け取るには不可能な状態となっていた。
上条(だ、だが!俺のこの右手があれば…多少なら上からの落下物も防ぎきれるはず…ッ!!)
そう考え、彼は何かあったときのことを想定し…右手を軽く挙げた状態で走り続けた。
美琴(手…??手なんて挙げて何!?あれは、何かの合図…?!)
そこで、美琴もあらぬことを考え始めた。
美琴(いつもいつも、アイツには私の電撃は通用しなかった。でも…よく考えればそれは全く
効かなかったわけじゃなく、アイツは“手”で打ち消してたような気もする。え?じゃあ何?今アイツが
手を挙げてる意味って…私に電撃を撃ってこいと、そういうことなの??挑発してるってこと!?あれ?
でも今逃げてるのは私のほうよね…?追う側の人間が追われる側の人間に攻撃しろってどういうこと!??
そ、そうか!もしかしてアレはアイツなりの“御坂美琴と勝負しようぜ”の合図なのか!なら納得かも。
私だって、アイツにしょっちゅう勝負をふっかけてるもんね。あ、いや、やっぱりおかしいッ!!
だって、今日はお祭りなのよ!?特別な日なのよ?!アイツとはさっき屋台も回ったし、花火だって見た!!
なんでそんな状況で私に勝負なんて挑んでくんのよ…??こっちは…アンタに一体どうやって告白しようか
って凄く悩んでたっていうのに…っ!!な、何よ!?悩んでた私がバカみたいじゃないの!!?
ええ…分かったわ。アンタがその気なら、私は絶対にアンタには追い付かれないわ!!逃げ切るわ!!
超電磁砲のプライドにかけても、私は…絶対にアンタから逃げ切ってみせる…ッ!!!)
爆発の影響は甚だ残ったままだった。どうやら、ほとぼりが冷めるには今日一日はかかるかもしれない。
791 :
書きためしないで書いてる?
早いね
792 :
美琴さん鎮静剤ドゾー
793 = 587 :
絹旗「……」
絹旗「一方通行…?」
一方通行「な、何だァ!?今追いかけるのに忙しいンだ!!」
絹旗「いやぁ…なんか楽しそうだなって思って♪」
一方通行「……」
一方通行「どうしてそう思った?」
絹旗「だって、さっきと比べると明らかにスピード落ちてるじゃないですか」
一方通行「まァな」
絹旗「というか、普通なら上条さんの背中が見えた時点で…すでに追いついてないとおかしいんですよ。
向こうは生身で走ってるのに対し、こっちは体にベクトル操作超かけてんですからね」
一方通行「あァ」
絹旗「二つ目。何でさっきから落とし物落とし物言ってんです?
『携帯を落とした!』って言えばそれで済む話、にもかかわらずですよ」
一方通行「そうだなァ」
絹旗「結論。上条さんと適度な距離を保つことで、一方通行はこの状況を楽しんでるんですよね?♪」
一方通行「かもしれねェ」
794 = 587 :
絹旗「一体どうしちゃったんですか?」
一方通行「テメェの影響かもな」
絹旗「??これは予想外の返答が来ましたね。私の…影響?」
一方通行「あァ。こういうバカ騒ぎが楽しいと思うようになっちまった」
絹旗「その言い方だと、私がバカっぽいんですけど…」
一方通行「綿飴を口から取ってくれだの。俺を挑発してきたヤツが何言ってやがる」
絹旗「そ、それは…!その、なんというか、祭り特有のそういう雰囲気で…気分が高揚しちゃったんです」
一方通行「だから。俺も同じなンだよ」
絹旗「え…」
一方通行「その祭りってやつで、俺も気分がハイになってンだよ」
絹旗「っ!だからこんな…“鬼ごっこ”をやってんですか?」
一方通行「やってることは凄ェくだらねェけどな…なンか楽しいンだよこういうのがよォ」
絹旗「あらら。すっかり自分に素直になっちゃったんですね」
一方通行「もっと早く気付けばよかったって、今じゃそォ思ってる」
絹旗「…これからつくっていきましょうよ。そういう思い出を!」
795 :
しえん
796 = 587 :
一方通行「そうだな。ただ…アイツらにとっちゃ、今この瞬間は忘れてェ思い出かもなァ」
アイツらとはもちろん、目の前を涙目で全力疾走する上条当麻と、頭が絶賛沸騰中の御坂美琴のことである。
絹旗「そんなこともないんじゃないですか?なんだかんだで、二人とも楽しんでると思いますよっ」
上条「だからッ!!何でついてくんだよ一方通行――――――!!!?」
美琴「絶対逃げてやるんだからねっ!!!!!」
一方通行「まァ、充実はしてるっぽいな」
絹旗「全力で青春を謳歌してますよね」
一方通行「っつうか、単に必死なだけだろ」
絹旗「必死にさせてるのはどこの誰ですか?♪」
一方通行「俺だァ」
絹旗「ですよねー。いつまで楽しむつもりなんですか?」
一方通行「あのバカが俺の不自然さに気付きゃァ終わりだよ」
絹旗「不自然さ?」
一方通行「能力使ってるくせにスピードがめっちゃ遅ェってのもあるが…。そもそも絹旗背負って
追いかけてる時点で 異 常 事 態 だろうがよ。普通のヤツなら立ち止まって状況把握に努める」
絹旗「一向に気付く気配がないのが目の前の上条さんなんですけど」
797 = 587 :
一方通行「それならそれで、いつまでも追い回すだけだァ!!」
絹旗「あちゃー。日付け変わっちゃうかもしれませんね」
一方通行「ま、冗談だがなァ。俺の電池のことだってあるしよォ」
絹旗「……」
一方通行「?何だァ?」
絹旗「いや、まさか花火大会が“こんな展開”になるなんて…予想もしてなかったので!」
一方通行「誰にも予想できねェよこんなワケ分かんねェ展開」
絹旗「第1位ですら演算できなかったんですか?」
一方通行「演算とかそういう問題じゃねェだろ」
絹旗「ですね。今の一方通行は鬼ごっこを楽しむ…ただの一般人です♪」
一方通行「もっとも、鬼の交代はなさそうだぜェ。とんだ“一方通行”な鬼ごっこもあったもンだ」
絹旗「一方通行なだけに…ですか?」
一方通行「『こっから先は一方通行だァ!!』ってやつだな」
絹旗「あぁー!!その名言、私… 一回聞いてみたかったんですよっ!!
うわっ、本当に聞いちゃった。超嬉しいです//」
一方通行「そんな立派な言葉だったンかこれ」
798 = 670 :
まだ残ってたー!!!
>>1頑張れ!!!
799 = 587 :
上条「って、あれ…?一方通行の奴、絹旗を背負って何やってんだ…??」
上条が足を止める。
美琴「あ、あれ…?何であいつ、追っかけてこなくなったのよ…っ!」
美琴が足を止める。
一方通行「どうやらゲーム終了のようだぜェ」
絹旗「あれ。終わっちゃったんですか。もう少し長引くと思ってたんですが…」
一方通行「…また、アイツらと遊びてェか?」
絹旗「はいっ!そういう一方通行もですよね?♪」
一方通行「そうかもなァ」
絹旗「そうだ!この際だから、二人と遊ぶ約束取り付けちゃいましょう!!」
一方通行「慌てンな。まずは…あのバカに携帯渡すとこからだァ」
絹旗「ぁ…そういえば、元々はそのために追いかけてたんでしたっけ?!すっかり携帯のこと忘れてました…」
一方通行「心配すンな。俺もさっきまで忘れてた」
800 = 587 :
絹旗「…一方通行」
一方通行「ン?」
絹旗「今日は。楽しかったですか?」
一方通行「見て分からねェか?楽しかったに決まってンだろ」
絹旗「それを聞くと…。あなたを花火大会に誘って良かったって、そう思いますっ!」
一方通行「来年も来てェよな」
絹旗「はい。一緒に来ましょうね」
とある学園都市の一方通行
とある学園都市の絹旗最愛
一方通行「…俺からも。今度誘っていいか?」
絹旗「あなたからの誘いを断るわけないじゃないですか。だって―」
そんな― とある二人の物語
「私は、一方通行のことが超好きなんですからっ!///」
Fin
みんなの評価 : ★★★
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