元スレ黒子「ジャッジメントですの!」花山薫「ん・・・?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
401 = 375 :
「ほら、これだろ! 返すから、もうやめとけって!」
多少乱暴な手つきではあったが、今回の元凶になった財布を渡す少年。しかしそれを受けとる様子はなくただ前を見据えている。
「おーおー、先生庇われちゃってんじゃんよ。まいったね、どうも」
「だから違うって! つぅかこんな高そうなのが俺の財布な訳ねぇんだし!」
「そうね。間違いないわ」
「即肯定かよ、おい」
放っておけばいつまでも続けそうな二人の間を抜け、教師は近付く。
「ってか、色々誤解があったとして、だからはいやめます。なんてタマじゃないじゃんよ、こいつは」
「……」
防犯ガラスの盾を構え、
「ガス抜き、相手してやんじゃんよ」
くい、と指で相手を招く。
瞬間、鈍い破砕音と共に再び教師の体が飛んだ。
402 = 375 :
がしゃん、と大きな音が鳴り、防犯ブザーが不協和音となり店内に響く。
それでも彼女はゆっくりと起き上がってくる。
「くそ、やめろっつってんだろ!?」
その様子に耐えかねたか、少年は花山に殴りかかる。それに合わせる形でカウンターの攻撃が入りかけるが、
「全く、世話をやかせないでくださいまし」
それは黒子によって突き飛ばされることにより少し離れた場所へ回避することになる。
「どわ?!」
結果、思い切りアーケードゲームの筐体に突っ込みダメージをおうことになるが。
「……あのバカ」
「それから」
無様に転ぶ少年に呆れながらバリバリと帯電する少女に、
「お姉様も一般人なのですから無理に介入なさらないでくださいな」
彼女の身を案じ、下がるよう促す。
が、勿論今時珍しい“自分より強い奴に会いに行く”なんてゲームでも滅多に見なくなった主義の少女が退くはずもない。
「はいはい。どうせ一般人よ、私は。でもこういうのって一応私向きだと思うんだけど?」
彼女の能力の応用幅を考えれば確かに頷ける話ではある。一般的な相手であるならば、だが。
404 = 375 :
「それは……」
確かにそうだ。だが黒子は思う。きっと彼女は何か認識がズレているのではないか、と。
仮に彼女が相手を倒すではなく、相手を殺すつもりで最初から全力ならば何ら心配はしない。
だがもし彼女がただ相手を征するだけの、格下を相手にするつもりな戦い方をするならば……。
昨日の自分を思い出し、黒子を嫌な予感が駆け巡る。
「ま、お気に入りのゲーセンをこれ以上荒らされても困るし、ね。せー、っの!」
決めたが瞬間、彼女は花山に向けて走る。その両手に大の大人が一撃で沈むほどの電流を生みながら。
普段ならばその様子に完全な信頼を持って見ていられるのに、今回ばかりは何故かそうあれない。
何か……何かが引っかかる。そう、昨夜だ。
自分が彼と相対する前に……
「っ、いけませんわ! お姉様、力を出し惜しみしないでください!」
思い出す。男は違法改造を施したスタンガンに顔色一つ変えなかったのだ。
405 = 361 :
しえんですの
407 = 375 :
バチン!
それは改造スタンガンなどでは到底出せぬだろう光量と火花と音をあげた一撃だった。
(ヤバっ……)
撃った本人ですからやりすぎたと感じる電力量。直前の一言のせいでかなりリミッターを外してしまった。
ほぼ雷と同等の一撃を加えたせいで恐らくは心臓を始めとするかなりの器官に負担がいっただろう。
「だいじょ……」
思わず声をかけようとした時、彼女の無意識下で放っている電磁センサーが高速で打ち込まれる打撃を感知する。
「っ?!」
緊急防御として寄せ集めた鉄の盾は、しかし打撃を止めることは出来ずにいる。
当たれば致命傷になるであろう一撃に、思わず目を瞑る。
「お姉様!」
その危機に当然のように黒子は飛び込むが、それより早く、
「ンなろー!!」
少年が彼女を抱えて横へと飛びさる。
408 :
おいついた
がんばれ
411 :
ほふ
412 :
ガチレズが
殴られる
楽しいスレかと
413 = 375 :
「なっ!」
おい、何どさくさに紛れて好感度上げくさってやがるこの類人猿、と言いかけた台詞を引っ込め、
「そのままお姉様を連れて離れてくださいませ!」
そのまま指示を飛ばす。
わずかに迷った様子を見せるが、何かに気付いたのか一度下がってくれる。
それを確認し、改めて男の側を確認する。
寄せ集めとは言え鉄くずを集めた盾を殴った拳は痛々しい赤色に染まり、白のスーツは焦げつき煙と臭いをあげている。
それでも大地に踏ん張った四肢はいささかも力が抜けておらず、立ち上る覇気はより強まっている。
(化け物、ですわね)
ガーターに備えた鉄矢を、今回ばかりは傷つけてでも抑える覚悟で触れる。
向こうもそれを察してかこちらに意識を向ける。その瞬間、
「隙ありじゃんよ!」
防犯ブザーのけたたましい音と共にゲームの筐体が飛んできた。
416 :
セイント
オクトーバーを
思い出した
418 :
やっぱり……
岸和田のカオルちゃんか!?
419 :
禁書キャラだったらぜひ削板軍覇とやってみてほしいなあ
420 = 391 :
ジ
421 :
ャ
422 = 361 :
ギ
423 = 360 :
花山さんリンチなんてかわいそう
スーパー独歩ちゃんに救援を要請する
424 :
Mステなんでレールガン入ってないんだよォォォォ
425 = 382 :
諦めちゃダメだろ
今回がダメでも次にその仇を討つんだ
428 = 375 :
合わせて行動、というよりは利用されたというべきか。しかしこちらの腕章を見て判断されたようにこちらも身のこなしから向こうがアンチスキルなのだと理解する。
それもかなりのやり手だ。あの怪物を止めるには確実に力を借りるべきだ。
素早く判断を下すと花山への攻撃に合わせるように“飛ぶ”。
鉄矢を飛ばし、回避の一歩を踏み出せないよう足の周りに配置する。非番ではあるが数はそれなりにある。
できるなら傷はつけたくないという思いと、その余裕からの判断だった。
しかし、巨大な凶器に対して避けるなどという選択肢のない男が相手だった。
電流に蝕まれた体力から崩れそうになる姿勢を無理矢理に維持し、受け止める。
殺しきれない衝撃が彼を襲うが、鉄矢が支えとなり耐えきる。
「そんな……!」
「甘いじゃんよ!」
驚きを隠せない黒子に対し、女教師は二の撃に入っている。
受け止めた筐体の陰。潜りこむように沈めた姿勢から新たな防犯ガラスで薙払う。
割れないそれは鈍い衝撃となり倒れることも動くことも難しい彼の体を打ちのめす。
429 = 356 :
フェチ
430 :
431 = 391 :
432 = 375 :
「っ……!」
ここまでの立て続けのダメージに、声こそもらさないが身体の危険な域にあることは想像に難くない。
それでも倒れることなく受け止めていた筐体を振り下ろす。
勿論それをまともに受ける相手ではなかったが、
「浮い……っ!?」
足元の不自由さをほぼ溜めなしからのジャンプより胴回し回転蹴りを放ったのだ。
この巨大から鈍重だとどこかで決め付けていた彼女は、それを受けることになる。
「―――!」
衝撃から体を突き抜けた時には彼女の意識は吹き飛びかけている。
壁にノーバウンドでぶち当たり、崩れたところに花山の容赦ない追撃が向かう。が、勿論それをただ見ている訳にはいかないのが黒子だった。
「女を殴る趣味はないのでは?」
現れた瞬間、牽制の意味を込めて鉄矢を“飛ば”さず放る。
「……蹴っただけだ」
それをものともせず突っ込もうとする花山の足に痛みが走り足が止まる。
靴を突き破る形でそこに鉄矢が刺さっていた。
「もはや手を抜ける段階ではありませんので悪しからず」
「……」
止まった隙にアンチスキルらしき人物の元へ走り寄り意識を確認する。
433 :
黒子「死んでる・・・・・・」
434 = 375 :
>>430 かっけぇ。……かっけぇ。
黄泉川「死んでないじゃんよ」
435 = 375 :
「っ……、ぁ」
辛うじて意識は留めているが、ダメージは深刻だろう。出来るならば戦線には戻したくはないが、
……カラン
(無茶苦茶ですわ)
深く刺したはずの鉄矢をあっさりと指の力で引き抜いてしまう。あれだけの攻勢を受けて彼にはまだ底知れぬ何かがある。
「申し訳ありませんがまだ働いてもらあますわ」
普段、自分が使用しているきつけ薬を教師の口に含ませる。
(本来はお姉様とのお楽しみの際に使う予定でしたのよ。感謝していただかないと)
決定打に成り得る戦力の復活に賭けて、彼女は時間稼ぎの作戦に出る。
時間は少し遡る。
少年と少女は勿論逃げてなどいなかった。
436 :
まだやるかい?
437 = 375 :
「い、ったた」
少女は少年に抱きかかえられ横へと飛んだ際に二人して強く地面に叩きつけられていた。
そこから起き上がりすぐにでも戦線に復帰する予定だったのだが……。
「あー、重たいんでどいてくれると非常にありがたいんだが」
「なっ?! お、重たくないわよ! ていうかどこ触ってんのよ!」
「どこも触ってねぇだろ! つぅか重たいって!」
「うっさい、ばか!」
「のわっ?! だから待てって!」
「きゃっ?! また変なとこ触った!!」
「触ってねぇって! いいから早くその重たい体を」
「重くない!!」
一生やってろ。
438 = 433 :
上条さん空気嫁
439 = 410 :
花山つええwwww
440 :
最近のバキ面白くないというかなんというか…一番最近で心躍ったのはマッハ貫手だったな
さっさと花山vsオリバを書いてくれよ
441 = 375 :
初めて会った時。あれをカウントするならば既に三度目になる立ち会い。
それも徐々に血腥くなる一途を辿ったそれ。初めは戦術では圧倒。二度目はこちらの負け。では三度目ともなれば……。
花山は理解していた。彼はテレポートの原理は分からないが、その目はその瞬間以外をほとんど捉えていたからだ。
まず、飛ばすには重量の制限がある。少なくとも自分を体術以外で転がせない、または飛ばせない。
それだけでなく筐体を飛ばすことや、飛んできたそれを返したりはしていない。つまりは何らかの限界値が存在するのだ。
次にあの矢は触れた瞬間から“飛ぶ”。そして着弾点を決めてそこに対象がいれば相手の強度を問答無用にし攻撃が成立するのだ。
だが、それだけだ。あらかじめ着弾点を決める分、それを読み体を外してやれば当たりはしない。
先程の足に刺されたそれも牽制の投擲があって行動制御された結果だろう。
だから答えは簡単な事で、出来る限り矢に触れる瞬間を見逃さず先読みして常に動き回ればいい。
そう結論付け、花山は攻勢に出ていた。
(まずいですの……。このままでは)
相手がこれ程の短期間で自分の能力を理解したとしか思えない動きを見せている。もはや自分だけでは彼を止められなくなっているのだ。
442 :
>>440
あれこそ、現代人の武術の結晶なはずなんだけどな。
何故かバキが、なんの説明もなくぶじゅつでピクルを圧倒しちゃった(笑)
スレ違い?
443 = 436 :
バキが面白かったのは死刑囚あたりまでだよな
それ以降はインフレがひどくてみてられん
444 = 430 :
花山が避ける為の攻め……?
攻めの為の攻め一辺倒な印象があったんだけどな
445 :
ああそれか、ほんのちょっと感じた違和感は
446 = 375 :
「……、げほっ!」
身体の中から感じる熱で彼女の意識は完全に戻った。ただのガス抜きにしては随分としてやられたと思う。
ただ、あの子が求めていたのは恐らくこういった事。本当ならばそれがこんなにも愚かだと軽く制裁を加えて教えるつもりだった。
しかし相手が想像の何倍にも強くありすぎた為にこんなことになっている。無様でしかない。
思わずもらした失笑ですら身体が痛みを感じている。どうやら相当なダメージがあるようだ。
だが、動けない訳ではない。見ればジャッジメントの少女はだんだんと押されている。
「……まいったじゃんよ。動かなきゃいけなくなっちまうじゃん」
軋む身体に鞭打ち、一人の教師が戦場に戻る。
447 = 375 :
本当は完全にプロレスな受けさせる予定だったけど理由は後述な予定。
448 :
449 :
ジャッジメント
です
の
450 :
正直花山は駒場といい勝負する程度な気がする
みんなの評価 : ★★
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