元スレ黒子「ジャッジメントですの!」花山薫「ん・・・?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
302 :
ぼ
304 :
私は一向に構わん!
305 = 303 :
落とさない
306 = 214 :
一夜が明けた。
この都市を訪れて1週間と経っていなかった花山は、その日も宛がわれた寮へと戻っていなかった。
「はぁ、何でこう先生のところには問題児ばかりなんでしょうかー?」
そんな抜け殻の部屋を訪れる小さな影はため息をもらす。
ここ一週間近く、それこそ初日から一度もお目にかかっていない転入生。
心配ではあるが、思春期特有のあらゆるものへの反抗心からこうなってしまうのだろうかとも悩む。
そうであるならあまり関わりすぎても逆効果な時もあるだけに……。
ただそうだとしてせめて一度くらいはちゃんと話をしなければならないはずなのだが、アンチスキルへは特に報告せずともよいというお触れがあった。
勿論、そんなことは関係なく何度も要請を出しているのだがどこかでとめられているのか動いている気配はない。
先日そのことを同僚の教師から聞かされ、余計にここへと足を運ぶ頻度をあげているのだが全て空回り。
「はふぅ。特殊なご家庭の事情があるとは伺っていますけど、こうも甘えた行動ばかり許していてはいけないですよ」
彼がどんな人物であるかは一通り資料で読んでいるが、それとこれとは別。
あくまで学園都市である以上、 相手は子供であり、指導すべき生徒なのだ。
「幸い今日はお休みですからね。絶対見つけてお説教なのですよ」
ぷりぷりと一人で怒りモードへ突入しながら繁華街へ繰り出す。
その数分後に彼がそこに戻るとも知らず……。
307 :
始まってた
308 = 214 :
この生活感のない部屋に戻るときは大体が身だしなみを整える時だけだった。身体や心を休める必要がないような日々だっただけに、それで十分。
組の運営や、余所との折衝。そして多くの繋がりに対する責任と行動。それらが自分の手の届かない場所で行われるという不安だけが、唯一の心配ではあった。
しかし結局は何も出来ないという事実のみが返ってくる。表面上、何の揺らぎも感じられない彼だがそんな弱さもあったのだ。
「……」
だが、今は少し違う。濃密な時間が先まであった。死線には遠いが、今まで知らなかった高みがあった。
それを思い出すだけで、様々なしがらみを一時ではあるが忘れられる。拳が、魂が疼くのだ。
「……学園、都市」
ここで自分はどこまで通じるのだろう。男として、雄として。彼もまた強者であるが故の衝動。
それが沸々と彼の中で渦巻いては内側から暴れていたのだ。
「……」
軽くシャワーを浴び、新たなスーツを始め彼なりの正装を整える。
さぁ、行こう。場所なんてどこでもいい。この学園都市ならば。
「……」
いや、と一つ指針を決めることにする。昨日は少ししか味わえなかった酒を満足いくまで飲む。
彼はそれだけを決めると繁華街へと足を進めるのだった。
311 = 214 :
朝。そう呼ぶには少し遅く、昼というには少し早い時間帯。
花山は適当に買い漁った食料を腹に納めながらいくつか考えていた。
この学園都市という場所はあまりに広く、全てを把握など出来そうもない。だがいくつか法則性は見て取れる。
要は学生達が生活の中心とするあたりは必然的に賑わいを見せ、表の通りが大きくなる。そしてそれは同時に光が増す度に大きくなる影と同じで裏を育てる。
昨日、彼が酒を手に入れたのは第六学区と呼ばれるアミューズメントが発達した区画だ。他にアテもない以上、あのあたりにもう一度足を向けることにする。
彼の近くを通る学生達はその風体と食事量からただ者ではないと分かってか、彼を避けるように歩く。
だが、そんな中。彼と一定の距離を保つ人間がいることに気付いていた人物はほとんどいなかった。
313 :
君がっ
死ぬまでっ
ナントヤラ
314 = 214 :
「はぁ……」
白井黒子は疲れていた。疲れた体に鞭をうち、昨夜の一件を報告書としてまとめ提出。更にギリギリまでデータの洗い直しをしていた為に完全に朝帰りだ。
その上で寮長からは門限に関して連絡不十分とされかなりしぼられるという責め苦を味わう。
そこに憧れのお姉様から、
『昨日はあんたも大変だったみたいね。聞いたわよ、男のとこ行ってたんだって?』
なんてトドメを刺された日にはぐぅの音も出ない。恐らく情報ソースである初春には何らかの制裁を加えることを心に決めたところで完全にダウンしていた。
「何、黒子。あんた昨日から変よ」
「……変ではありませんのよ」
「あっそ。ま、何があったか知らないけど、あんたが元気ないとこっちまで調子狂うのよね。早く復帰してよ?」
その言葉に黒子の脳内では激しく変換が行われる。
お姉様は私がいないと調子が狂う→お姉様には私が必要→お姉様は私が欲しい→お姉様は私の愛が必要!!
この間、コンマ数秒の閃きで彼女の体が消えると次の瞬間にはお姉様に飛び付いていた。
「お姉様の想い、受け取りましたわ!!」
「ちょ、な、何あんた! 演技だったわけ!? こら、離れな……さいっ!!」
バチン、とひどく痛々しい感電音がした。と、たまたま通りがかった隣室の生徒は後に語っている。
315 = 307 :
読んでるぞ
316 = 300 :
支援だッ
317 :
圧倒的支援ッッッ!
319 = 298 :
支援というか小萌先生大好き
320 = 214 :
パチパチと未だ体に残る電流に体を震わせつつ、黒子はお姉様を見上げる。
「お、姉様、今日のご、予定、は、?」
「本当ならこの前あんたに誘われてた買い物、こっちの都合でドタキャンしたからそれの埋め合わせとか考えてたけどいらないわよね」
「!?」
ガバッと起き上がる黒子。その目には爛々と喜びの光が。
「本当ですの!?」
「まぁね。けどなんか疲れてるみたいだしまた今度に……」
「平気ですわ!」
疲れなどという概念を忘れ、嬉しさが那由多の彼方まで高まってくる。
「さぁ行きましょう! すぐ行きましょう! ああ、巡るめくパライソですわぁ!」
「や、あんた。放課後からに決まって……」
「そんなもの、愛の前には不要ですの! という訳でぶっちで満喫デートですわ!」
321 = 214 :
そんなるんるん気分な彼女に、当然のように、
「ほぅ、不登校か」
「ええ、当ぜ……」
「「……」」
「寮長?!」
「どうやらまだしぼられ足りなかったようだな。もう少し話をしようか」
「ひィい!?」
天罰かと言わんばかりの結果が待ち受けていた。
「じゃ、先行くから」
「お、お姉様の裏切り者ぉ~!」
こちらはこちらで平和だった。
322 :
あれ?デカレンジャースレじゃないのか・・・
325 :
とあるヤクザの任侠話
326 = 214 :
しばらくご飯とか諸々。
……誰か書かないかなぁ。
327 :
>>326
待ってる
328 = 232 :
あげ
329 :
待つぜ
330 = 242 :
私待~つわ
いつまでも待~つわ
331 :
>>326
とか言いながら他が書き出すとすねちゃうくせに
332 = 214 :
おい、読心能力(サイコメトリー)とか卑怯だぞ。
333 = 214 :
あ、拗ねはしない。
寝ちゃうにくせにに見えた。
334 :
とりあえず書くんだ
335 :
亀山君かとおもた
336 = 214 :
「ぅ~、ここでもないですね」
何軒ものアミューズメントパークをハシゴしていた月詠小萌は疲労を隠せないでいた。昼間こそ良かったが、時刻が夕方に近付くにつれ否が応でも人は増える。
聞き込みが出来る人数こそ増えてきたのはメリットにあたるが、自分の背丈がない為か奥まで見通しがきかないのはかなりマイナスだ。
「べ、別にこれくらいはハンデにならないわけですよ! 先生まだまだ元気です!」
と、奮起した瞬間、
「きゃー、可愛いー!」
「ふぇ?」
「ねぇねぇ、一人? 一人なの?」
「迷子かなぁ。よーし、お姉さんたちに任せときなさい!」
「あ、ちょ、ちょっと! 先生は迷子じゃないですよっ。ちょ、だから話を……ふやぁぁあ?!」
こうして連れて行かれた数分後に目的の人物がそこに現れることになるなど、勿論知るはずもなかった。
337 = 334 :
きた
338 = 214 :
「……」
やはり相容れない。そう感じるのは花山本人もだった。
アミューズメント施設を何軒か周り、そこにいる浮いた存在達を探してみたがどれも不良と呼ばれる程度の人間ばかりだ。
こいつらからは自分の望むものは得られない。そう見切りをつけては移動を繰り返してきたが、こうも収穫がないとさすがに辟易してくる。
特に前日のような濃密な時間のあとなら特に、だ。勿論それを表面に出す彼ではなかったが。
「おわっ」
だが集中力が途切れていたのか誰かにぶつかってしまう。
「……」
「痛て、……すみませんっした」
それだけを告げ、相手はそそくさとその場を立ち去ろうとする。が、その肩に大きな手が添えられる。
「ぁ……あら? その、何すか? もしかして気に障ったとか?」
「……」
「だったらいくらでも謝りますんで、ここは一つ穏便に……」
そう、腰の低い態度で後ずさろうとする男。しかし花山は見逃がす様子はない。
この状況になってさすがに周りもざわめきだしていた。
339 = 287 :
まさか…?
340 = 334 :
まだかい?
341 = 214 :
「……」
ずい、と差し出される手は明らかに何かを要求するもの。あたりを囲む人垣は恐喝の現場だと判断するや他人ごとを決め込む。
穏やかではない雰囲気に少年はだんだんと焦りだす。
「あ、あのさ! 別に何も汚したりとかじゃないはずだ……ですよね!? なのにそんな、理不尽な……っ」
少年がどんなに弁明し、詫びを入れても男は動かない。空気的にいよいよか、と思われたその時、
「ちょっとあんた」
人垣の中から一人の少女が進み出る。その姿は常盤台と呼ばれるお嬢様学校の制服に身を包んでいる。
「ここは公共の場なんだから、あんまりもめ事は持ち込まないでよね」
だが纏う空気はお嬢様というには程遠い、勝ち気なものだ。
342 = 300 :
支援だッ
343 :
支援ッッッッ
344 = 287 :
上条×美琴ktkr
345 :
KJさんか
347 :
これはテンションアガル
348 = 214 :
「おわ! ビリビリかよ!」
「ビリビリ言うな!」
二人は知り合いなのか、ギャーギャーと言い合いを始める。そんな中、一人沈黙していた花山が初めて口を開く。
「……それ、返してくれるか?」
「へ?」
ここにきて少年は初めて何かを誤解していた事に気づく。ふと見やれば自分のポケットのあたりに見覚えのない財布がある。
「あ。ああああ?! ち、違うっす違うっす! スリとかするつもりじゃなくて!」
何やら不幸なことにこんな事態になっていたようだが、彼に悪気はないことはわかる。
だからこそ、返すものさえ返してもらえれば何も起こらないはずだった。
そう、はずだった。
「ちょっとそこの。がっこも行かずカツアゲなんて札付きじゃんよ」
現れた新しい人影はジャージの下にダイナマイト級のスタイルを備えた一人の教員だった。
350 = 214 :
「……」
「あ、え? 何これ、どうなってんの?」
「知らないわよ!」
ますます混迷の様相を呈す場。それに拍車をかけたのは……
「お姉様! 探しまして……げっ」
「おい、人の顔を見るなり、げっ、はないだろ」
「ふん! って、あちらにいるのは……なっ」
「……」
「彼は……」
「あら黒子、知り合い?」
「知り合い、と言いますか」
歯切れも悪く見上げる巨体。見紛うことなき存在感は昨日の“敵”だ。
みんなの評価 : ★★
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