元スレ黒子「ジャッジメントですの!」花山薫「ん・・・?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
201 = 188 :
白井黒子にとってその日は厄日だった。
憧れのお姉様と一緒に行くはずだった洋服の買い物はドタキャン。
学区内で起こったひったくりはスキルアウトと呼ばれる無能力者たちのはずが手こずりこんな場所へ。
更には違法な販売店の取引現場を目撃、と本来薔薇色……いや百合色な休日は一転して仕事色に染められたのだ。
(全く……これで他学区の活動による報告書まで書かされた日にはストレスで美容に悪影響が出てしまいますか)
溜め息を心の中でつきつつ、威嚇の姿勢は解かない。
(早く終わらせてお姉様にドタキャンの責任をあれやこれやと……)
黒い、とも桃色とも言える空気を出していた彼女はふと気付く。
目の前にいた二人の内、巨漢の男が進んでくる。スキルアウトの一員だろうか。
どちらにせよ関係はない。
レベル4にしてジャッジメントたる彼女が取る行動は一つだ。
「止まりなさい! これは警告ですの!」
202 = 132 :
>>183
真空ってどうなんだろう
沸騰現象がどうなるのかあんまり想像つかない
少なくとも体が引き裂かれることはないと思うよ
窒息とかは風操って無効
そもそも真空にしようとする風の動きが邪魔されるから一方さん相手に真空って作れない気がする
>>186
その攻撃のベクトルを反射されて終わりそう
203 = 177 :
>>179
そんなシーンあったっけ
204 = 187 :
スキルアウトって無能力者だっけ?
205 :
花山なんてキャラいたっけ?アニメにもうでたのか
206 = 171 :
ここで作中でベクトル操作能力持ちを倒したBIRTHのブライトリング兄弟を・・・
って誰も知らんわな
207 = 188 :
「……」
目の前の少女の覇気は本物だ。少なくとも修羅場をくぐったことがない訳ではないだろう。
「仕方ありませんわね。止めさせていただきます!」
だが、しかし……。
カカカッ!
「……?」
気がつけば床に縫い付けられていた。彼女の姿が消えたまでは分かった。
しかし次の瞬間には懐への侵入を許し、あまつさえ床に転がされ、何本もの鉄矢がダーツのように自身の服を縫い付けていた。
「警告はしましたの」
これで終わりとばかりに溜め息をついていた。
208 = 183 :
>>202
多分想像してるのと違う。武術だぞ一応。
209 = 188 :
「……?」
黒子は訝しんでいた。
目の前の相手のあまりの余裕な態度に。
「……」
花山は感じていた。
確かに、この相手はかなりの使い手なのだろう。
しかし、結局は……修羅場“しか”くぐっていない。
「……え?」
目の前の事態に黒子は思わず声をもらす。
何本も、しかも体の力を出せぬように縫い付けたはずの鉄矢が動いている。
いや、違う……花山の体が起き上がっているのだ。
211 = 188 :
「な、なんだよ、こいつ」
その場に居合わせた店員が思わず漏らすのも無理はない。
ただ、目の前の男がその力だけで無理矢理に立ったのだから。
(能力者!? それにしたってやり方が原始的すぎますわ。見たところ何か身体強化型か何かのようですが)
さすがの事態に対象を“敵”として認識を改め、気を張る。
そんな相手に花山は、
「……。俺が何かしたかい」
ただ、そう尋ねた。
「は?」
相手の行動に虚を突かれた形になったが、
「そ、それは貴方も違法に取引を行った側としての責任が!」
212 = 188 :
「これかい?」
花山は無防備に、視線だけでなく体を動かす。
その先にあるのは倒された拍子にほとんどが割れてしまったワイルドターキー。
その中でかろうじて原型を留めた一本を拾い上げる。
(何を……企んでますの)
相手の出方が伺えぬ以上、動きにくい。
能力者である疑いが出た以上、相手の術中に嵌る可能性もあるからだ。
緊迫感が張り詰める中、花山だけが自由だった。
「違法な取引、か」
拾い上げ、揺らしていた酒瓶を不意に片手に止める。
そして小さな破砕音の後、
「何も、ないぜ」
酒瓶を指のみで空け、中身を一気に飲み干し、その場に放ったのだ。
214 :
「なっ……」
店員の驚きはピークに達していたが、黒子からすれば相手のやり方を特定するいいきっかけでしかなかった。
(やはり強化の類……ならば改めて撃ち込んで!)
そう決めた瞬間、彼女の目の前が真っ暗に染まる。
自分の顔が彼の手の中にあると気づいたのはすぐ後。
まずい、と空間移動(テレポート)の能力を発動しかけた時、違和感に気付く。
「……大概にしときな」
それは攻撃ではなく気遣い。頭を優しく撫でられただけ。
その事実に憤怒する前に、彼の姿は店から出ていこうとする。
「お、お待ちなさい!」
そんな言葉で止まるはずがない。しかし分かっていてもそう言うしかない。
216 :
しえん
>>203
くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくけけこかくけきかこけききくくくききかくこくくけくかきくこけくけくきくきこきかかか
>>228
物理的な意味での真空じゃないの?
なんか首しめたりする技?
217 :
あいかわらず花山すげぇwww
219 = 214 :
「……っ、」
逃がしたくない。
その一心で再びガーターに備えた矢に手を伸ばすが、
ガタッ
「あっ」
そう、逃げようとする対象は一人ではないのだ。
特にその根元を逃す訳にはいかない。
少なくとも、アンチスキルの到着までは。
「くっ……」
自分の能力を使えば恐らく二人を抑えるのは不可能ではないだろう。
だが、“恐らく”ではダメなのだ。
「あなたには、容赦しませんわよ」
怯える店員を脅し、店の外を見る。
「……本当、厄日ですわ」
呟きは誰にも聞こえぬものだった。
221 :
>>216
そのシーン思い出したから数年ぶりに読み返したくなった俺がいた
どうしてくれる
222 = 214 :
男はところどころ千切れたスーツのまま、当て所もなく歩いていた。
カランカランと自然と落ちていく鉄矢の音が落ちていく度に思い出す。
「……」
目で追える範囲は追えた。それは、いい。
だが明らかに消えた瞬間があった。
「……あれが」
超能力、というやつなのだろうか。
ならば、と思う。
「意外とこっち側に近い、か」
男は飢えていた。だからこの日は行幸だった。
もしかすると、自分を満たす何かがここにはあるかもしれない。
そう、微かに感じられたのだから。
223 = 217 :
明日の夜までのこってかな?しえ
225 = 214 :
「初春、ありましたの?」
帰るなり不躾にそう問うてくる同僚。
「すみません、まだです」
それに正直に答えただけだというのに、
「ふざけてますの? たかだかそれだけのデータですのよ!」
「あぅ、そう怒らなくてもいいじゃないですか。第一、念写能力で人相は分かりますけど実際に相対したのは……」
「な、ん、で、す、の?」
「な、なんでも……あ、それより」
「あぁん!?」
「ひぅ!」
「全く」
彼女がジャッジメントの詰め所に戻って第一に行ったのは自分の相対した相手の情報収集だった。
226 = 214 :
(しかし二人でカテゴリーを絞ってこうも見つけられませんの?)
思い出してもあれが何か特殊なタイプに思えない。
単純なモノであるはずだが、そういったカテゴリーの能力者は見当たらない。
(やはり一度カテゴリーに囚われず、一つ一つあたっていくしかないですわね)
せっかくの休日を徹夜で過ごす覚悟を決める。
あの感覚。ただ者ではないだろう。絶対放っておけない。
「初春、監視カメラのモニターチェックの方は任せますわよ」
「あの、それなんですが」
「……? 何ですの」
「さっき見つかりました、みたいな」
「「……」」
「何ですぐ報告しませんの!!?」
「しようとしたら言わせなかったのはそっちじゃないですかぁ?!」
227 = 214 :
しばらく離席。
228 :
あげ
229 :
はやくきてくれ
233 :
一方通行くらいの強さとかそれ以上の奴ならラノベならゴロゴロいるけどその中でも一方通行ほどバキキャラに負けそうな奴を見たことがない
234 = 214 :
「場所は!」
するどく問い掛ければ返る答えは既にジャッジメントのそれ。
「区画は第七、三九線・木の葉通りの監視カメラです!」
「ケンカ通り、ですの……やはりスキルアウトの関係者の線も」
「でも、能力者なんですよね?」
「でないと説明がつかない可能性が高いだけですのよ。まぁいいですわ」
ピリッ、と初春は針にも似た空気を肌に感じる。
「直接、“お話”してきますから」
長い付き合いだからこそ分かる、白井黒子の久々の本気だった。
237 = 214 :
ケンカ通り。そんな物騒な由来は不明なまま。
しかし厳然としてその事実がなくならない訳はそこを中心として活動する人間は知っている。
簡単なことだ。ただトラブルが多い。それだけのこと。
大通りから外れ、少し進めば裏路地。
スキルアウトと呼ばれる集団を始め、血の気の多い世代である能力者たちの小競り合い。
そして人知れず何かの陰謀が蠢く、そんな場所なのだ。
「……」
そして彼は“そちら側”に極めて近かった。
ただ、そこを、歩く。
それだけの事が彼には日常のようにはまっていた。
「よぅ、見ない顔だね、あんた」
軽い調子の声がかけられる。
238 = 214 :
「随分ボロボロだけど、ケンカでもしたかい?」
「……」
馴れ馴れしく話しかけるソイツは、体格はそれなりに良かったが花山と並ぶと少々見劣りする。
だがそこには臆した様子はなく、寧ろ獲物を狙う息遣いがあった。
「でもさ、ボロは着てても実は錦。なんつってさ。それ、見た感じはいい服じゃん」
花山の着るそれは学園内ではかなり古いタイプの素材ではあるが、実際に高級なそれだ。
そういった服装から相手の品格を値踏みした正当な評価だ。
そして花山をがたいからパワータイプだと感じ取ったのも彼が長年そういった行動をとってきたことによる技だった。
その上で声をかけた……つまり今回の標的が決まったということ。
240 = 214 :
「だからさぁ、そんなあんただから見込んで頼みがあるんよね。お金をさー、少し貸してくんねぇかな」
「……」
「必ず返すよ。な? な? いいだろ?」
「……」
「おいおい、無視かよ。んじゃあ」
周りを彷徨いていただけの動きから一変。
次の瞬間、背後から側頭部に向けて隠しもっていたスタンガンを振り下ろす。
バチリ、と火花が散った。
本来の数倍の光量と音量がそれが学園内にて改造されたものだと物語る。
「はは、あんたが悪いんだぜ? 人を無視しちゃいけません、なんて小学生でも知ってるルールを破ったんだからよ」
241 = 214 :
けたけたと無邪気に笑う少年。いつも通りだ。
学園都市であり、異能の力がばっこするとはいっても大抵はただの学生だ。
明らかに格上や、危ない人間は避けてきた。
力の強そうなだけであるとか、強能力者以上には手は出さないようにしていた。
先手必勝。気絶させれば大体の相手には勝てる。
そういう意味では彼は天性のセンスがあったのだろう。
レベル1以下の、それも不意打ちを食らってくれる相手を選べるというその点に関して言えば、だ。
だが彼のセンサーに引っかからないものはあった。
“改造スタンガンを食らって倒れない相手”などという規格外は。
「なぁ」
ぽん、と肩に手を置かれる。誰かと思い振り返っても誰もいやしない。
そう、それはあり得てはならない場所……正面から聞こえてくるのだ。
243 :
花山さんって顔に爆撃うけて一時期顔の一部なかったよね?
244 = 214 :
「人をいきなり殴るなんてダメだ。それくらいわかるよな、小学生でも」
「は……ぁ、え?」
呆然とする少年の手にある凶器に手を伸ばす。
「なぁ、わかるよな?」
バチリ、と微かな音がする。
自然と離していたスタンガンに目を向ければそこには紙か何かで出来ていたのではないかと思えるそれがある。
くしゃり、と。音にするならそんな感じだ。
「ぁ、は、はい」
「なら、いい」
そう言って返されたそれに触れて分かる。
その堅さ、間違いなく金属を含むそれだ。
へにゃり、とへたり込む彼が見たのは大きすぎる侠の背中。
245 = 243 :
そういえばピクルとバキってどうなった?
247 :
>>245
バキ「ピクルお前強いのに技術使ったからお前の負けな」
(中略)
街を一望できるとこに2人並んで「なかなかやるじゃねぇか」
オーガの八つ当たりがオリバさんに行った
248 = 214 :
その様子を影で見ている人物は何人も居た。
仕掛ける人間ばかりが能ではない。ハイエナのようにおこぼれに預かるのもまた、賢いやり方だからだ。
そんな人間達は悟る。あれは関わるべきではない、と。
そうした判断を下すや一人、二人と路地裏から気配は消えていった。
「静かになったな」
誰に話すでもなく呟いた言葉。
「ええ、そうですわね」
それに返る答えがあった。
「あんたか」
「ええ。ジャッジメントですの」
月夜の下。
侠と異能が再会する。
249 = 214 :
花山「……電気は大切に」
250 = 232 :
まさかの終わり?
みんなの評価 : ★★
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