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    元スレ黒子「ジャッジメントですの!」花山薫「ん・・・?」

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    タグ : - とある魔術の禁書目録 + - ジャッジメントですの + - 佐天 + - 初春 + - + - 垣根 + - 平和島静雄 + - 花山薫 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    908 :

    白井黒子は最悪な現状について考えていた。何故こんな事になってしまったのかを。
    通報を受けたのはついさっき。念動力系の能力者によって何かが盗まれたとのこと。
    アンチスキル到着までの足止めが任務だったが、そんなものを待たずとも自分が抑えると意気込み逃げ込んだ廃ビルへと突入した。
    そこまではいい。……いや、正確には良くない。本来は初春たちバックアップが揃ってからの作戦だった。
    ましてや逃げ込ませたのだから十分な時間の余裕があったのだ。
    しかし余裕がなかったのはこちらであり、今は自信に繋がる何かを手に入れたいと必死だった。
    これにより彼女は他との連絡を絶ち、単身乗り込んだのだ。
    結果はご覧の有り様だ。相性悪く、ひたすら逃げ回るしか出来ない。
    どうすれば、と考える彼女の頭上より、

    「見ぃ~つけたぁ~」

    天井に蜘蛛のように張り付いた痩せこけた男の声が降りかかる。

    「っ!」

    急いで空間移動を行い、また近くの身を隠せるポイントへ飛ぶ。先ほどからこれの繰り返しだった。

    910 = 908 :

    能力の相性自体は問題ない。相手はどうやら特定の力場により何かと何かを磁石のような性質にする能力だろう。
    その条件のトリガーは触れた先のもののようなので先程から一度たりとも触れさせてはいない。
    一度捨てた銃をいきなり拾い直した奇襲や、動きを止めた鉄矢を磁石の同極のように弾かれたりしたが、次から直接叩きこむと決めている。
    拿捕ではなく打倒に思考を切り替えたは良かったが、相手はどうやらドラッグを服用しているのか運動能力が向上していた。
    自慢の能力と組み合わせ、三次元的に動き回る相手に黒子の先読みによる鉄矢の投擲は悉く外してしまう。

    「(なんの為の特訓でしたの……こんなレベル一人に手こずるなんて)」

    本来の彼女ならばもっと柔軟な思考と積み重ねた戦略眼によりスムーズに事件は解決していた。
    だがあらゆる意味で余裕を失っていた黒子にとって現状は先延ばしばかり。ましてや、

    「(……増援のアンチスキルに期待している)」

    自分は何をしているのだろうと思う。勝手に先走り、結果が出なければ他人に頼る。
    こんな身勝手なことをして、何になるというのか。

    911 = 908 :

    そんな普段の彼女なら有り得ない戦場における油断が危機を招く。
    ぽん、と軽く触れられた感覚は間違いなく敵のもの。反射的に次のポイントへ飛ぶが、

    パンッ

    という軽い発射音。それが聞こえてすぐに触れられた右肩に激痛が走る。

    「あっ、ぐ……!」

    どうやら敵は自分にマーキングを終え、後は自動追尾による銃撃をくれたのだろう。
    確かにこれではいくら飛ぼうが少なくともこの廃ビルの中くらいまでは届いてくるのではないかと予測をつける。
    せめて触れられた時点で一度屋外へ引いていればまた違ったのだろうが、もはや後の祭り。
    痛みと蓄積した疲労により飛ぶことも叶わない。万事休すだ。

    「ひひ、は。もう追いかけっこはおしまいか? はひゃ」

    ひたひたともはや足音を隠すことなく気配が近づいてくる。
    マーキングのおかげでこちらの位置はバレているのだろう。
    最悪の覚悟を決め、せめてもの反撃とばかりに鉄矢を数本構える。

    「(無様ですのね。……ですがタダではやらせませんの)」

    呼吸を整え、無理矢理痛みを忘れ、飛び出そうとした瞬間。彼女は何者かに後ろから捕まる。

    「(仲間!?)」

    913 = 908 :

    もはやこれまで、と最後の時を覚悟し目を瞑る黒子。しかしなかなか訪れない最後に彼女が目を開けると、

    「……!」

    そこには花山薫がいた。そして何か袋を黒子に渡し、その場に残すと物陰から一人で出ていく。
    その背中は「任せておけ」と言わんばかりに頼もしかった。




    時は少し遡る。彼がここを訪れたのは半分は偶然の賜物だ。
    裏路地を抜けて帰る途中、彼は可愛らしいデザインの携帯を見つける。それが誰のものかは分からないが、まだ電源は切れていない。
    それだけならばただの落とし物で済むが、その液晶画面に入った罅はまるで高い場所から落としたよう。ふと見上げた先にある廃ビル。
    彼は一度酒の入った袋を持ち直すと迷いなくそこへと入っていったのだった。





    「なんだぁー、お前はよー」

    急に現れた謎の乱入者にさすがに相手も警戒する。その姿が姿なだけに余計にだ。
    だがそれに何も答えずに花山は真っ直ぐに相手へと進んでいく。

    914 = 898 :

    しえん

    915 = 908 :

    何か不気味なものを感じてか、小銃を向け止まるように命令する。勿論そんなものに頷きもしなければ実行もしない花山。
    一歩一歩と彼の間合いへ近づき、無造作に拳を振り抜く。
    だが当然のようにそれを三次元的な回避方法でいなすと同時に敵は花山に軽く触れる。
    これだけでチェックと言わんばかりの表情になり、

    「ひゃ、はは、お前はもう俺には近づいて来……」

    事実を突きつけようとした矢先、

    ズン! と花山が一歩を進む。

    「へぁ?」

    おかしい。かなりの斥力が奴には働いており、進むどころか本来はビルの外へとはじき飛ばしているはずだ。
    そう頭ではわかっても目の前ではそれが覆されている。一歩、また一歩とその男は確実に歩みを止めはしない。

    「ふ、ふざけんなぁ!!」

    パン、パンと立て続けに発砲音が鳴り響くがそれさえ彼を止める術に成り得ない。

    916 = 908 :

    ここに来て相手が何かとんでもない存在なのだと気付いたのか、全ての力を振り絞り斥力へと注ぎ込む。
    それによりさすがに歩むペースは落ち、両者は膠着状態に陥る。しかし、飛び道具を持つ分、どちらが優勢かは言うまでもない。

    「ひ、へへ、ぁ。びびらせやがって、しねや」

    今度こそ慌てず、男の眉間に銃口を合わせる。あとは引き金を引くだけで勝利は確定する。
    だというのに花山は一切動揺を見せず歩みを続ける。やはり不気味だ。言いようのない恐怖に包まれ、もはや猶予はないと彼は引き金を引いた。

    パン、と銃声が鳴り響き、全てが終わった。

    917 = 898 :

    紫煙

    918 :

    つ…続きが気になるぅぅ!!

    919 = 900 :

    ドラマでいうコマーシャルの間隔のような感覚

    922 :

    握力に惹かれた


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