私的良スレ書庫
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元スレ少女「コミケ行くので泊めてください!」男「は……?」
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少女「どういうコトですか?」
男「さっき徹夜行為は準備会に禁止されていると言ったが」
男「ならどこからなら来てもいい時間なのかというと、この始発電車が到着する時刻になる」
男「その最も早い始発が、シーサイド線の、国際展覧場駅着というワケだ」
友人「んんwww始発ダッシュ対COMIKEスタッフのバトルは見物ですぞwwwwww」
男「たしかに……。それもCOMIKEの一つの要素、風物詩といえるかもしれないな」
男「少女、行ってみるか?」
少女「ええ。なんだかわかりませんが、面白そうです!」
男「キマリだな」
男「友人、このホテルの朝食ビュッフェは、何時からだった?」
友人「んんwww6時45分ですなwww」
男「まだ二時間近くあるか……。さすがに小腹が空くな」
友人「ではwwwいつものネタも含めて、国際展覧場駅前のLAMSONはどうですかなwww」
男「ああ……。それも面白いか」
少女「……? LAMSONってコンビニですよね? 何かあるんですか?」
男「行けばわかる。行ってみよう」
友人「んんwww始発前の行動は、徹夜組と同じ、限りなくクロに近いグレーですから注意ですぞwww」
少女「自分は違う、なんて思っちゃダメだってコトですね……」
――鷲ントンホテル前
少女「お、もうかなり明るくなってきましたね!」
友人「きたるべきCOMIKE一日目への夜明けですぞwww」
男「だが、いつものこの時間帯よりは、暗い感じだな……」
友人「んんwww今日の降水確率は50%www」
友人「一日目は初心者向けのイージーCOMIKEになりそうですなwww」
少女「そうなんですか? なら良かったですけど」
男「ああ。夏コミは、気温が上がると、地獄だからな……」
友人「もっとも、雨は徹夜組にとって大きな痛手になったようですがwww」
――LAMSON 国際展覧場駅前店
店員「ラーシャッセー」
少女「あ、どうも……」
男「相変わらずココはコミケ仕様だな……。溢れかえるアニメグッズ、ストラップつきの自販機」
友人「なにしろ待機列最寄りのコンビニの一つですからなwww」
男「コンビニといえば、最寄りじゃないが、西雲駅前のデイリーザキヤマもベンリだな」
友人「西雲駅前のデイリーザキヤマなら4月にブッ潰れましたぞwww」
男「えぇ……」
少女「す……、スゴい!! なんですかコレは!!」
男「気付いたか」
少女「しょ……、商品棚一面を、埋め尽くすほどの!」
少女「ウイローinゼリー!」
少女「カロリーミート!!」
少女「レッドアオ!!!」
男「今年も臨戦態勢だな、このLAMSONは」
友人「この三日間は、ココのLAMSONがマチガイなく全国で売り上げトップのコンビニですなwww」
少女「な……、何故ですか! 何故このコンビニには、食べ物がたくさん!?」
男「そりゃ、ただでさえ多いCOMIKE参加者が、一斉に買い物に来るからな」
友人「一日のCOMIKE参加者はおよそ20万人近くwww」
友人「そんな彼らの食糧庫と考えれば、これでも足りないくらいですなwwwwww」
少女「す、スゴい……。これも、COMIKEの影響……」
男「他にもスケッチブックなんかもたくさんあるな。似顔絵とか、サイン用か?」
男「それじゃあ、適当におにぎりか手巻寿司を選んでくれ。ただし、買いすぎるなよ」
友人「ちょうど100円セールですなwwwオススメは腐りにくい梅おにぎりですぞwwwwww」
店員「324円ニナリヤス」
男「はい……、って友人、お前の分も俺が出すのか」
友人「んんwww108円くらいでカタいコトを言ってはいけませんぞwww」
男「108円くらい自分で払ってくれよ……」チャリン
店員「アリアトゴァッシター」
店員「COMIKE、お楽しみください」ニコ
少女「は……! は、ハイ!!」
男「完全に見破られてるな」
友人「今日ココを訪れるのは、どう考えてもCOMIKE目当てですからなwww」
――シーサイド線 国際展覧場駅
ザワザワ ザワザワ
少女「ここが、国際展覧場駅ですか……」
男「既に人だかりが出来ているな」
少女「みなさん、カメラを構えていますね。いったい何を……?」
友人「5時23分……。時間ですぞ」
男「ああ……」
<プシュー
<ドドドドドド…
男&友人「「……!!」」
男「この音……」
友人「来ましたな……!」
少女「え、何が? 何が来たんですか!?」
アナウンス『おはようございまーす。改札前は、走らないようにご協力お願い致しまーす』
<ドドドドドド…!
アナウンス『走らないでくださーい。走らな……』
始発組「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」ドドドドドドドド
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄
―― ̄ ̄___ ̄―===━___ ̄― ―――― ==  ̄―― ̄ ̄_
___00 ___00 ___00 ___00 ___00 ___00 ___00 ___00 ___00 ___00 ___00 ___00
| ∟ | ∟ | ∟ | ∟ | ∟ | ∟ | ∟ | ∟ | ∟ | ∟ | ∟ | ∟
|_厂 |_厂 |_厂 |_厂 |_厂 |_厂 |_厂 |_厂 |_厂 |_厂 |_厂 |_厂
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rっ vymyvwymyvymyvy、
|| mVvvMvyvmVvvmvyvmVvv、
|/⌒ヽ /^ヽ (^^) /^ヽ (^^) /^ヽ(^^)/^ヽ
(^ω^ )(ω^ )/⌒ヽ(^ω^)/⌒ヽ^ω^) ( ^ω)-っ
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⊂二(^ω^ )二ノ /( ^ω^ ) ⊂二\\_/⌒ヽ二二( ^ω^)二⊃
ヽ | (´ ._ノ ヽ /⌒ヽつ \( ^ω^) | /
ソ ) \\⊂二二二( ^ω^ )二二二⊃ ⊂_) ( ヽノ
( < \ レ’\\ ヽ / i ) ノ ノ>ノ
\|\| レ (⌒) | /ノ ̄ レレ
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―― ̄ ̄___ ̄―===━___ ̄― ―――― ==  ̄―― ̄ ̄_
少女「だぁ……っ?! ななな、なんですか改札の向こうから!! す、捨て身の特攻ですか!?」
男「来るぞ……っ! 呑まれるな!!」
始発組「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」ドドドドドドドド
アナウンス『走らないでくださーい。危険です、大変危険です』
野次馬「がんばれー!!」パシャパシャ
野次馬「いけいけー!!」パシャパシャ
始発組「「「「「「おおおおおおオオオオオオををををををヲヲヲヲヲヲ!!!!!!」」」」」」ドドドドドドドド
アナウンス『は し ら な い で く だ さ い』
少女「だ、誰もアナウンスの言うコトを聞こうとしない……」
男「よく見るとちゃんと歩いてるヒトはいるんだけどな」
友人「嗚呼、聞き入れられるべき警鐘は虚しく響く……。狂気の中の正気こそ狂気哉……」
「「「「「「ウオオオオオオラッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァイイイイイイ!!!!!!」」」」」」
少女「ひゃあッ!!? こここ、今度は何ですか何ですか!!」
友人「この耳朶を打つ、鼓膜をつんざく、大音声……!」
男「伝説の300人が……、来た……!!」
スタッフ長「ここから先は! 始発組も! 野次馬も! 一歩も通すな!!!」
テルモピュライ
スタッフ長「駅前門を守れ!! 安全な来場のために!! 参加者を誘導しろ!!」
スタッフ「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」
| |
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| | Ⅶ州州州沁
| | Ⅶ州州州;沁
| | Ⅶ州州;州;沁
| | Ⅶ州;州;州;沁 Λ
| | Λ Ⅶ;州;州;州;沁 | |
| | | | { ̄{  ̄ 寸jijハ | | /|
| | ∨ ∨ ^'く 寸ij:i, | / | |
| | Λ |::| ./ \ 寸} | | |/
| | | / |::| / | \. 寸. | | ||
 ̄^\ | | | | j{ |::|. | | \ | Λ | | ||
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云] }| | | | j{ |::| ∨___|_〉 | 「/Λ .|| |) | | ┼ | | ||
厂 ノj| | | | || |::| ∨ |双双| //从乂 || | | | | | ,.|.___ ||
/ |(\ | | || j{ .|::| .」 |Τ⌒| /ノヘ/⌒ || | | | | | / | \ .||
/ノ\ノ⌒Y \ | | || j{ /Λ |::| _/ 人|爻爻L//´ ̄ ̄二=- _ | | | | || | l ||
イ// { 二 } } | | || j{/ { ∨:|. < /⌒\ ニ=- _ | | | || 云 云 l ||
/´ ̄ { 二入,.ノΛ | || |||〒〒 L|/ \{ ┘| |______ \.| |_|| |Ln「 | || /
\| | / / / \ .|| ||「.云/´⌒ / /^ー―┘―<__ _ \ /´ `\,.|示| /⌒∨ /
<´ ̄~~~~| i\ \_| _/ { / ⌒^''< _ `ヽ / >―く ', / / /
_| |_\ / / Y^{ ノ }/ | | {::::{>x Λ / / 'こ)二二/ /
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| | \ \/ >''´ 二Γ¨´ `:::::::....^::::::::::::::::::::{ ∨ / / ', { {
| | ⌒''冖''"´ \二二二乂 ノ八 _ ノ:::::::::::::::::::::{ ∨ / / } { / ̄
| | ∨二二√ ⌒:::::::::::::::::::::::: { ∨./ / } ∨
| | |二二乂 八_ }:::::::::::::::::::{ ∨ / } {
| | |二二√ ⌒ }:::::::::::::::::::{ { { } \
スタッフ長「行くぞ……、選ばれし300のスタッフ兵たち!!!」
ジャキン ジャキン ジャキン ジャキン
コ ミ ケ ッ ト
スタッフ長「 C o m e G e t (来たりて取れ) !!!!!!」
スタッフ「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」ドドドドドド
始発組「「「「「「うああああああああああああああああああ!!!!!!」」」」」」ダダダダダダ
始発組「瑠璃イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」
始発組「鹿島ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」
始発組「ハルトオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
始発組「アルパカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
始発組「定価の3倍出すから売ってくれえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
始発組(ファミチキください)
始発組「フラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン」
少女「なんですか、コレは……! 改札から来た軍勢と、半裸の軍勢が、激突して……」
男「COMIKE名物、始発ダッシュ……」
男「これから始まるCOMIKEの前哨戦ともいえる壮大な儀式だ」
友人「んんwww実情はツッコんでくる始発組をスタッフが止めているだけに過ぎないwww」パシャパシャ
スタッフ「……はーい、スタッフを先頭に並んで、ビッグサイトのほうに進んでくださーい」
始発組「トホホ……」
少女「アッサリ鎮圧されちゃいましたね」
男「こんなところでいきなり体力使ってもバカだからな。始発組も、スタッフも」
友人「それでも大迫力でしたなwwwつべにうp、と……www」
友人「さてwwwこのあと我は、サークル参加者の列のほうに移動しますがwww」
友人「男氏と少女氏はどうしますかなwww」
少女「そりゃあ、私たちも列に並びますよ!」
少女「この列に並ばないとCOMIKEに参加できないんでしょう!?」
男「いや……。少女、今から並ぶのはやめておこう」
少女「ええっ? 何でですか!?」
友人「んんwwwたしかにwww初参加で朝から並ぶのは、体力的にキツすぎるwww」
友人「行列が解消される正午前後に入場するのが安パイですなwwwwww」
男「そういうコトだ」
少女「ぐぐぅ……。でも、ベテランの皆さんがそう言うなら、ソレが正しいんだろうなあ……」
男「まずは会場の外で様子を見て、雰囲気を掴んでいくとしよう」
男「俺たちは鷲ントンホテルのビュッフェを食べていくよ。たしか泊まってなくても入れたよな?」
友人「んんwwwいかにもwwwもっとも、別料金を払う必要はありますがwww」
少女「友人さん、頑張ってくださいね!」
友人「おうふwwwおにゃのこにそう言われては、頑張らざるを得ないwww」
友人「会場に来たら我のサークルチェックもよろしくお願いしますぞwwwwww」
少女「友人さーん! それじゃあ、また後でー!!」
少女「……行っちゃいましたね」
男「戦場に向かう男の背中とは、雄々しくも、どこが物悲しいモノだ」
――鷲ントンホテル レストラン
男「大人2人です」
受付「ありがとうございます。それでは、ご自由に料理をお取りください」
少女「わーい! バイキングだー!!」
男「おい、はしゃぎすぎるなよ……。他の宿泊客もいるんだから」
少女「ねえ、何を取ってもいいの!?」
男「別にいいが。……ああ、ただ、腹が膨れすぎないようにな」
男「午後からの活動に差しつかえるぞ」
少女「はーい。それじゃあ、どうしようかな……」
少女「自分で作る海鮮丼かあ! 江戸前寿司ってやつだね!」
少女「イクラ、サーモン、シラス、マグロ、明太子……」
少女「ええい、全部乗せちゃえ!」
男「…………」フッ
男「……楽しそうだな」
男「東狂のコトも何も知らなかったみたいだから、旅行したコトも無かったのかもしれないな」
男「……。……マグロの、カブト焼き……?」
男「ゲテモノは、いらんな……」
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少女「……」ニコニコ
男「……コレを取る、バカがいるとはな……」
少女「あれ、ダメでした?」
男「……いや、食いきれるのならいいが」
少女「ですよね、いただきまーす!」ガツガツ
男「…………」モグモグ
少女「うわはー、新鮮だなぁ! カンヅメとは鮮度が違う!」
少女「塩の味がしない……!? 獲れたてだと、こうも違うのか……」
少女「ううっ、ツンツンする! ワサビが! ぎょえー!!」
男(うまそうに食う、というか……、ニギヤカな奴だ)
少女「ごちそうさまでしたー!!」
男「うまかったか?」
少女「うん、とっても! また食べたいな!」
男「そうか……、じゃあ、今日の昼食もここにするか」
少女「え? いいんですか!?」
男「ああ。ランチもディナーも、ビュッフェをやってるみたいだからな」
少女「やったー! 次は何を食べようかな……、お肉かな……、中華やイタリアンもあったな……」
男(やれやれ。デカい娘でも出来たような気分だ)
男(まあ、サイフはコイツ持ちなんだが)
少女「もう7時ですね! いよいよCOMIKEに行きますか!?」
男「いや、まだ早い。どこかで時間をつぶそう」
少女「ええ……。早くビッグサイトに入りたいですよぅ」
男「そう急くな。開場は10時、今から行っても三時間並ぶだけだ……」
男「それに、COMIKEの待機列は、地獄だぞ?」
少女「むぅ。地獄冥府、何するものぞ!」
少女「こう見えて、ガッツはあるほうですから、地獄程度、ヘでもありませんよ!」
男「ほう。そう言うなら、見に行ってみるか。待機列を」
少女「よしきた!」
――ビッグサイト周辺
シトシト
ザワザワ ザワザワ
少女「ゔ……」ムアッ
男「ぐ……。雨で気温が低いとはいえ、すさまじい熱気だな」
男「むしろスチームされている気すらする……。蚊がうっとうしい!」プゥーン
少女「こ、これは……。キツいですね……」
男「だから言っただろう。地獄だと」
男「レインコートを貸してやる。服を濡らすなよ。蒸れてヒドいコトになるからな」
少女「ありがとうございます! わお、花柄……。用意シュートーですね!」
男「登山も同じ……、モノらしい。すぐに天候が変わるところが」
男「ちなみにCOMIKEで傘は推奨されない。気を付けろ」
少女「え? どうしてですか?」
男「ああなるからだ」
待機列「いてっ、傘の骨が目に入った!」
待機列「ちょっと、水滴がこっちに流れてるのよ! 落とさないでよ!」
待機列「す、すみません……!」
スタッフ「待機中の皆様! 傘はキケンです! せめて相合い傘になってくださーい!」
スタッフ「持っている方はレインコートを着てください! ゴミ袋でも構いません!」
スタッフ「積極的にメジェド様になっていくのです!」
少女「な、なるほど……」
男「夏はまだいいが、冬コミの時の降雨は死活問題だ」
少女「どうしてですか?」
男「雨に打たれて凍えて死ぬ」
少女「ああ……」
男「ヒドい時は雪になるらしいが。いずれにしろ、レインコートは必須装備の一つだ」
少女「それでも今から並べば、どれくらいになりますかね?」
男「さあな。まあ、すぐには建物に入れまい……。ちょっと、友人に電話してみるか……」
プルルルルル
男『おい、俺だ。大丈夫か? まだ繋がる程度ではあるが』
友人『んんwww男氏wwwwwwヤケモーニンwwwwwwぴゃっwww』
友人『我ほどの猛者が小雨程度でくたばるハズがありませんなwwwwww』
男『ならいいんだが。今、待機列の始発組の場所はどこくらいだ?』
友人『んんwww逆三角形はまだ遠いですなwwwwww』
男「……だ、そうだ」
少女「うう……。なかなか建物にも入れないのに、皆どうして並んでるんでしょうか?」
男「それは友人も言ってただろう? 徹夜組と同じ」
男「目当ての頒布物を手に入れるためだ」
男「もちろんアニメグッズショップやネット通販に委託される頒布物もあるが」
男「COMIKE当日限りというモノも少なくない」
男「ソレを、たとえ苦しい思いをしてでも、手に入れる……」
男「ここはそんな“戦士”たちの集まる場所なんだ」
少女「戦士……」
男「わかってきたか? COMIKEの、“戦場”たる由縁が」
少女「……ええ。ほんの、少し」
男「…………」
男「……たしかに、COMIKEは楽しいコトばかりじゃない」
男「だが、試練を乗り越えた先にこそ、これだけの人が集まる理由はある」
少女「理由……」
男「俺やお前では、とうてい推し量れないような、理由がな」
ザァー
男「……まあ、開場までの時間を並ばないのなら、COMIKEもそれほど苦痛じゃない」
男「しばらく冷房の効いている場所で時間を潰すか」
男「そして、開場の10時ごろになったら、また戻ってくるとしよう」
少女「10時ですか? でもこの人の量、開場しても行列はすぐには解消されませんよね?」
男「ああ。だが、見るだけでも、聞くだけでも価値はある」
男「これもまたCOMIKE、というようなモノが、な」
少女「……?」
男「あとで、できるだけビッグサイトへ近づける場所に陣取るぞ。ついてこい」
少女「はーい」
――ビッグサイト周辺
男「ここらへんでいいだろう。雨もやんできたな」
男「時間は……、よし、まもなく10時だ」
少女「待機列はまだ長いですねー」
少女「むしろ、さっきより延びたような気も……」
男「そりゃ、始発の後も、人はどんどん来る」
男「いま上からビッグサイトを見下ろしたなら、人がゴミのようだろう」
少女「事実だとしてもソレはちょっとヒドいんじゃないですか?」
男「…………」
男「いちおう友人にも電話してみるか」プルルルル
ケータイ「プルルル! プルルル! プルプルプル!」
ケータイ「ぼく悪いケータイじゃないよー(繋がりませんの意)」
少女「通じませんね……。ココ、電波が悪いんでしょうか?」
男「いや、これもCOMIKEでは当然だ。むしろさっき繋がったのは運が良かった」
少女「へ?」
男「COMIKEでは皆が一斉にケータイを使うから、電波が入りにくくなるんだ」
男「だから各ケータイ会社の移動Wi-Fi基地なんかもやってくるがな」
少女「へえ……。じゃあ伝令兵を飛ばすしかないですね」
男「もっとも、午前中は人間の移動もままならんがな……、と」
アナウンス『お待たせしました。ただいまより、COMIKE 92――――』
アナウンス『一日目を、開催します!!』
ババババババババババババババババババババババババババババババ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
待機列「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」
ババババババババババババババババババババババババババババババ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
少女「な、なんですかこの音?! じじじ地震ですか! それともバクチク!?」
男「いいや、どちらでもない。今のアナウンスが聴こえたか?」
少女「え? たしか、COMIKEを始めると……」
男「そうだ。そして今のは、アナウンスとCOMIKE開始に対する、来場者たちの拍手だ」
少女「は、拍手!? こ、この爆音が、ですか?!」
男「ああ。何万人もの人間が一斉に拍手すれば、爆音となり会場の外にもとどろく……」
男「ただの人間でしかない俺たちが、そんな爆音を起こすことが出来る……」
男「なんとも面白いコトじゃないか?」
少女「……。たしかに……」
男「それだけ参加者たちは、COMIKEの開催を喜び、祝っているというコトだ」
男「俺たちも拍手するぞ。遅れて出るとはいえ、俺たちも参加者だからな」パチパチパチ
少女「えっ……。あっ、ハイ!」パチパチパチ
男「…………」パチパチ
少女「…………」パチパチ
少女「……男さんって、意外とリチギですね?」
男「そうか? COMIKEを前にして、俺もテンションが上がってるのかもな」
男「俺も参加者の一人として、COMIKEのはじまりはスナオに嬉しい」
少女「…………」
少女「……いいですね、なんかそういうの。一体感、っていうんですか」
――ビッグサイト周辺
男「…………」スイッ スイ
少女「……男さん、さっきから何してるんですか? ケータイばっかいじって」
男「ああ、悪い。ヒマしてたか?」
少女「そりゃヒマですよ。COMIKEが始まってしばらく経ったのに、会場には入れず! 列にも並ばず!」
少女「だったら私のハナシ相手にくらいなってくださいよー!!」
男「お前はケータイ持ってないのか?」
少女「あるけど繋がりません!!」
男「ケータイ会社間でも繋がりやすさの格差があるらしいな」
男「今、現在のビッグサイトのようすをリサーチしていた」
少女「ほう! それで、中では何が?」
男「傘をさしている人も減って、雨による混乱は減ったようだが……」
男「それと同時に、正常な混乱が訪れたようだ」
少女「正常な混乱……?」
男「ああ。とりわけ、不慣れな大手の列が、とんでもないコトになってるらしい」
プルルルルル!!!
男「……っと。友人から電話だ。少しは繋がりやすくなったか」ピッ
男「もしもし。どうした?」
友人『んんwww男氏www繋がりましたなwwwwww』
友人『それで、貴殿らは今どこに?www』
男「ビッグサイトの近くだが。いま行っても、まだ待機列のエジキだろう?」
友人『んんwwwそれがですなwwwwww』
友人『たった今、入場規制が解除されたようですぞwww』
男「なんだと! 30分も早いぞ、マジか!?」
友人『大マジでござるwww休憩に戻った我がファンネルからのタレコミwww』
男「そうか……。なら今から入る。ありがとう!」
友人『なんのwwwwwwぴゃっwwwwww』
少女「えっ、えっ? 男さん、ついに会場に入るんですか!?」
男「ああ。通例では、正午まで入場者数が制限されているんだが……」
男「今日は規制解除が少し早かったらしい。……お、スレにも情報が来たな」
男「よし! それじゃあ、行くぞ!」
少女「やったー!!」
男「ああ、先に行っておく。会場に入ったら、絶対に俺から離れるなよ」
少女「えっ、急に情熱的ですね。どしたんですか? キャラじゃないですよ?」
男「…………」
男「忠告はしたからな」
――ビッグサイト 入口
l ̄ ̄li ,.、 ll ̄ ̄l
_______|__|l____,z_壬个爻_z、____l|__|______
\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:、'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::::/
\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::/人\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::/
\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;//圭\\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:/
,ィE\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::/イニニニニト、\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:/
, イ:l:l:E圭\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'/イ三三三三三三ト\;::'::;::'::;::'::;::'::;::/
, イ:l:l::レ''´  ̄ ̄\;::'::;::'::;::':/iニニニニニニニニニニi\;::'::;::'::;::'/
, イ:l:l::レ'´_____ l三三三liY\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/Yl三三三l _________
,イ:l::l::レ''´ \/\/\/i l三三三liil;;;;;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \;;;;lil三三三l ト、\/\/\/\/\/
::l::レ''´∠二∠二∠, ヘ l三三三liil;;;;l l;;;lil三三三lへヽ'二ヽ'二ヽ'二ヽ'二
-- 、 「 ̄l| l ̄ ̄l |升l三三三liil;;;;l l;;;lil三三三lヒ|__イ「 ̄|三i三i三
| l l| l__l |干l三三三liil;;;;l l;;;lil三三三l;;| i─‐i l |r-i|「r──‐
少女「おおーっ! アレは! アレこそは!!」
少女「COMIKEの象徴たる、東狂ビッグサイトですね!!」
男「COMIKEといえば、やっぱあの逆三角形だよな」
ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ
ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ
ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ
少女「うひゃぁーっ! 見渡す限りの、ヒト、ヒト、ヒト……!」
少女「朝の待機列もスゴかったですが、これは、比べモノになりません!」
男「ううん……。やっぱり実際にこれだけのヒトが動いてるのは」
男「いつ見ても、圧巻だな」
少女「いったい、これだけのヒトが、どこから来たんでしょうか?」
男「そりゃ中心は、首都圏近郊だろうが……」
男「なんといっても日本最大の同人誌即売会。北は北海堂、南は冲縄」
男「はては海外からも参加者が訪れるというハナシだ」
少女「海外からも……。他の国には、同じようなイベントは無いんでしょうか?」
男「あるにはあるだろうが。だが、数十万人規模となると、そうは無いだろうな」
少女「なるほど……。まるで観光地のお祭ですね!」
男「正しく祭だな。年に二度の大イベント、それが、COMIKEだ」
少女「むふぅー……。ソレに、私が、今から、参加できるんですね!!」
男「楽しそうだな」
>>91
凝ったAAあって草
凝ったAAあって草
少女「そりゃそうですよ! 夢にまで見た、リアルのCOMIKE!」
少女「ソレが今、目の前にあるんですから!!」
男「元気なのは良いコトだ」
男「だが、度を過ぎたヒートアップは禁物だ。そら」ポイッ
少女「わとと。これは……、スポーツドリンクですか?」
男「ああ。特に夏コミは、夏の気温と会場の熱気で、体力が激しく奪われる」
男「だから30分に一回くらいのペースで、こまめな水分と塩分の補給を心がけろ」
男「俺が何も言わなくてもな」
少女「……マジでスポーツみたいですね」
男「スポーツじゃない。戦いだ」
少女「……ええ。そうだったですね」キュポ
少女「んっ、んっ、んっ。……ぷはー! ただのスポーツドリンクなのにオイシイ!」
男「……わかってると思うが、あまり一気に飲むなよ」
少女「えっ! わ、わかってますとも! 資源は大切に!」
男「そうじゃなくてだな。まだストックはリュックにいくらかあるが……」
男「あまりヒンパンに便所に行かれると、困る」
少女「トイレですか……? 用を足すのは、早いほうですよ? お腹も強いし」
男「誰がそんなハナシをしろと言った。ちょっと、ついてこい」
――仮設トイレ前
ゾロゾロ ゾロゾロ…
ゾロゾロ ゾロゾロ…
少女「も、もう既に大量の行列が……!」
少女「コレはいったいどこに並んでるんですか!?」
男「別に会場の中じゃないぞ。ソコだ」ビッ
少女「ソコって。……ま、まさか……、トイレですか!!」
男「ああ。覚えておけ。人気サークルのコトを大手というが……」
男「COMIKEでの最大手サークルは、人気作家でも、大企業でもない」
男「―――トイレだ」
少女「ト、トイレ……。パっと見でも、数十人の列が、いくつかありますよ?」
男「こんなの序の口だ。これからもっと増える」
少女「えぇ……」
男「いちばんヒトが混む時間帯ともなると、1時間待ちとかにもなる」
男「さながら夢の国の人気アトラクションだな」
少女「な、なるほど……。さすがにトイレに時間取られたくはないですね」
男「だから一気にガブ飲みするなよ。女のお手洗い待ちはいただけん」
男「だけども、もし催したら、絶対に言えよ」
男「糞尿垂れ流し事件はカンベンだ……」
少女「またまたぁ。いちおう文化人の集まりですよ? そんなコトが……」
男「…………」
少女「……あるんですか」
男「行列は、長いからな。加えて炎天下。体調はすぐに崩れる」
少女「……食事中の方もいるかもしれないんですよ」
男「なら次はソイツの番だ……」
少女「シャレになってません」
男「とにかく、終了は16時。企業サークルはもう少し長く続くが……」
男「それまでは耐えられるように調子を整えてくれ」
少女「ラジャー。ちょっとやそっとで体調を崩す私ではありませんとも」
男「その慢心がクライシス。ボウシを渡しておく、外すなよ」ポフッ
少女「わふ。キャップですか、カッコいいですね!」キュッ
男「まあ、今日は気温が低いから、無用の長物かもしれんがな……」
男「あと頭痛がしたら、それは水分不足の影響だ。エンリョせずに俺に言え」
男「それと、タオルとウェットティッシュも持っておけ。……何故かはわかるな?」
少女「ハイ! 生乾きはヒドいものです!」
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