私的良スレ書庫
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元スレ少女「コミケ行くので泊めてください!」男「は……?」
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男「……ふん。ヤケに洋画みたいな訊き方だな」
男「じゃあ、あえて“もっと悪いニュース”から聞かせてもらおうか」
友人「……待機列の途中で、我らが立てていた仮設がありましたなwww」
男「ああ。今日はチケット入場者が多いとかいう……」
男「……まさか」
友人「結論から言って大アタリですなwww」
友人「ホールに入ってから、注意深く観察しておりましたがwww」
友人「明らかに列の長さがおかしい」
男「……!」
友人「いくら大手といっても、最初に並ぶチケット組は100人もいませんな」
友人「だが見る限り、一列あたり、そのおよそ倍の人数……」
友人「それが、何ヶ所も」
男「……さすがに、偶然じゃ済ませなくなってきたな」
男「ハナシが本当なら、チケット組の動員数は、1000人近いというコトになる」
男「それらが、カモフラージュが目的でも、あるいはそれ以外の目的でも」
男「示し合わせもしないのに集まれるハズが無い」
男「つまり、コレは……」
友人「ああ。マチガイありませんな」
友人「組織的な犯行。彼らは打ち合わせた上で、今日、この場に集まっている」
友人「何者かが背後にいる、と考えるべきですな」
男「……スケールが大きくなってきたな」
友人「悔しいですが、我らにどうこう出来るハナシではありませんな」
友人「死神氏ほどの、実力者なら、また別かもしれませんが……」
男「…………」
男「……これだけ大規模に人間を動かしての、目的はなんだ?」
友人「パっと思いつくのは、転売価格のつり上げですな」
友人「同じグループで頒布物を独占し、一定の金額で出品するコトで、相場のインフレを図る」
友人「転売の一回あたりの利益を増やそうとしているワケですな」
男「……コメの買い占めや、出し渋りみたいなモンか」
友人「原理的には。一種の寡占ですからな。ギルド制にも近いモノを感じますな」
友人「……ですが、コレは、黒幕が目先の利益に囚われている場合のハナシ」
友人「もっとタチが悪ければ。あるいは……、…………」
男「…………」
友人「……いや、考えても仕方ありませんな」
友人「今は目先の問題に取り組むべきですぞ」
男「……! そうだ、少女……!」
少女「男さーん! 友人さーん! 最後尾、コッチみたいですよー!!」
男「いたか……! わかった、今行く!!」
友人「…………」
男「……それで、友人。もう一つだけ質問だ」
男「“悪いニュース”、というのはなんだ?」
友人「…………」
男「……当ててやろうか」
友人「……構いませんぞ」
男「…………」
男「今から黒ずくめさんの列に並んだところで、新刊は買えない」
友人「…………」
――行列 先頭部分
係員「黒ずくめ完売! 黒ずくめ、完売しましたー!!」
少女「え……っ。ちょ、ちょっ。黒ずくめさんとこの係員さん!!」
少女「完売したってどういうコトですか!?」
係員「す、すいません。予想外に、並んでいる方が多く……」
係員「新刊は、すべて売れてしまったのです」
少女「……!!」
男「…………」
係員「だ、だが、既刊ならまだあるので!」
係員「良ければ、お買い求めいただければ、と……!」
少女「……ハイ。わかりました……」
友人「…………」
男「……予想通りか」
友人「そのようですな」
男「これが、組織的なファンネルのチカラか」
友人「死神氏もファンネルのチームを組んでいますが……」
友人「さすがに一つの大手を全滅させるほどではありませんな」
男「……さすがに完売したと聞いて、列を抜けるヒトも多いな」
友人「…………」
男「お前はどうする?」
友人「……正直言って、他にも狙っているサークルはありましたが……」
友人「このまま男氏と少女氏を置いていくのも夢見が悪いし、ココに残りますなwww」
男「…………」
男「……いや、なら行ってこい」
友人「…………」
友人「男氏……」
男「ほら、こう話している間にも、他の列には人が並んでる」
男「加えて組織的なファンネルの攻撃があったなら」
男「ウカウカしてるヒマは無いんじゃないか?」
友人「…………」
友人「……そうですな。ありがとう」
友人「……少女氏、少女氏」
少女「…………なんですか?」
友人「申し訳ないが、我、他のサークルも回らざるを得ない」
友人「ついては、ひとまずココでお別れ、というコトに……」
少女「…………」
少女「……そうですよね。友人さんには、友人さんのCOMIKEがありますもんね」
友人「本当に、申し訳ない」
少女「いいんですよ。友人さんが謝るコトじゃありませんって」
男「…………」
男「……それじゃあ、俺たちはとりあえず、黒ずくめさんのところまで並んでみる」
男「そのあとの予定は特に決めていない。また、縁があれば会うとしよう」
友人「……どうか、黒ずくめ氏によろしく、と」
友人「それでは……、また会いましょうぞwwwwww」タタタッ
少女「…………」
男「…………」
少女「……行っちゃいましたね」
男「ああ。第一の目的がダメになっても、すぐに第二、第三に頭を切り替えなきゃいけない……」
男「それが、COMIKEという戦場でもある」
少女「…………」
少女「……本当に、戦場なんですね」
男「…………」
ザワザワ ガヤガヤ
少女「……なんか、列、ガランとしちゃいましたね」
男「ほとんどが新刊目当てのヒトだろうからな」
男「それに、友人のように、複数の目的を持っているほうが普通だ」
少女「…………」
男「…………」
男「……薄情だなんて、思わないでやってくれ」
少女「わかってますよ」
少女「……スイスイ、進めちゃいましたね」
男「そうだな。……おっ、どうやら先頭みたいだぞ」
黒ずくめ「あっ……。少女ちゃん、男さん。来てくれたのですか」
男「ああ。いちおう、約束だったからな」
少女「…………」
黒ずくめ「……あの。少女ちゃん……」
男「ああ、すまん。コイツやっぱ、熱さにやられて疲れちまったみたいでな」
男「ああいや、黒ずくめさんのせいじゃないよ。俺たちが勝手に疲れただけだ」
黒ずくめ「…………」
少女「…………」
男「……すまん。既刊はまだあるか?」
黒ずくめ「あ……。はい、3種類ほどありますよ」
男「では、一冊ずつ、お願いする」
黒ずくめ「ありがとうございます。1500円です」
男「はい、コレで」チャリン
黒ずくめ「……たしかにいただきました。良かったら、楽しんでくださいね」ニコ
少女「…………はい」
男「…………」
黒ずくめ「…………」
男「……友人のヤツも、並んでたんだがな」
黒ずくめ「すいません。新刊無いなら、並ぶ意味無いですよね」
黒ずくめ「僕が、もっと正確に、需要を読めていれば……」
男「……いや。少なくとも今回は、黒ずくめさんの責任じゃないかもしれん」
黒ずくめ「……?」
男「まあ友人のヤツにでも、会ったら尋ねてみてくれ」
男「それとアイツ本人も、黒ずくめさんによろしく、と言っていた」
黒ずくめ「……そうですか」
男「まだ二日目は始まったばかりだ」
男「俺なんかが、エラそうに言うのも、ナンだが……」
男「頑張ってください」
黒ずくめ「あ……。……ありがとう」
少女「…………」
黒ずくめ「…………」
黒ずくめ「…………そうだ、少女ちゃん!」
少女「は!? え、えっと、ハイ!?」
黒ずくめ「コレ、僕の連絡先です」
黒ずくめ「その、厚かましいかもしれないけど……」
黒ずくめ「今日並ばせちゃったコト。お詫びがしたいので」
黒ずくめ「また夕方にでも。かけてくれると、嬉しいな」
少女「……わ。わかり、ました……」
黒ずくめ「…………」
男「…………」
男「……それじゃあ、これで」
黒ずくめ「ありがとうございましたー。次の方ー……」
少女「…………」
男「…………」
少女「…………」
男「……アソコの日陰で休むか」
少女「……ハイ」
ドサ
男「ふーっ、やっぱ荷物重いな……」
少女「…………」
男「なんだかんだで、二日目、始まってまだ30分か」
男「みんな忙しそうだなー」
少女「…………」
男「……そんなに、気、落とすなよ」
男「既刊は買えたんだしさ」
少女「…………」
男「別に、黒ずくめさんのサークルのコト、前から知ってたワケじゃないし」
男「新刊も既刊も似たようなモンだろ?」
少女「…………」
少女「……そうじゃ、ないんです」
男「…………」
少女「……なんて、いうか。なんて言ったら、いいんだろう。この気持ち」
少女「ゴチャゴチャしてて、うまくコトバに言い表せません」
男「…………」
男「ムリに、口に出す必要は、無いんだぞ」
少女「…………」
少女「……そうですね」
男「…………」
少女「…………」
男「スポーツドリンク……、飲むか?」
少女「……ありがとうございます」
ゴクゴク
少女「…………」
男「…………」
チャポン
少女「……ああ、そうだ」
少女「ちょうど、このスポーツドリンクみたいなモノなのかもしれませんね」
男「……? 何がだ」
少女「今の私です」
少女「スポーツドリンクって、冷たいほうがオイシイじゃないですか」
少女「ぬるくても、飲めるけど、オイシくなくなる」
男「…………」
少女「それと一緒ですよ」
少女「たしかに私は、既刊を買えました」
少女「あの黒ずくめさんが作った本なんだから、きっと面白いモノだと思います」
少女「……だけど、新刊は買えなかった」
少女「私は、黒ずくめさんの新刊を買うために、朝起きて、ココまで来たのに」
少女「……たしかに、目的のモノは、そこにあるけれど」
少女「正直、満足なんて出来ないです」
男「…………」
少女「…………」
少女「あー、私、なんでこんな苦労してるんだろう……」
少女「なんで私が、こんなしんどい思いしなきゃならないんだろう……」
少女「なんて、思いますね。正直言って」
男「…………」
男「……腹立つか?」
男「俺たちの前に買っていったヤツらが」
少女「いいえ。そんなコトはありません」
少女「これは、競争ですから」
少女「勝つ者がいれば、負ける者がいる」
少女「生きる者がいれば、死ぬ者がいる」
少女「そこに善も悪も関係ありません」
少女「ただ、私が劣っていた、ってだけですから」
男「…………」
少女「…………でも」
少女「常識とか、摂理とか、理屈とか」
少女「そんなの全部抜きにして言うと」
少女「悔しいなぁ…………」
男「…………」
バタン
少女「!?」
男「……? なんだ、今の音……」
参加者「おい、ヒトが倒れたぞ!!」
参加者「ど、どうしよう。まずは119番か……?」
男「お、オイ!! COMIKEで救急車なんて呼ぶ奴があるか!!」
参加者「なっ?」
男「ここで呼んだところで広いビッグサイトのどこに探しに来てくれるんだ!」
男「まずは救護室だ!! どこにある!?」
参加者「きゅ、救護室なら、逆三角形のところに……」
男「なら救護室行って、車イスかタンカ持ってこい! コイツは俺が何とかする!!」
参加者「わ、わかった……!」ダダッ
徹夜組「う、うーん……」ビクッ
男「おい、大丈夫か……。ちっ、アワ吹いていやがるな」
男「しかも大量の汗……」
男「どう考えても熱中症だな。急に晴れてきたからか」
男「少女! 俺はコイツを運ぶ。お前はコイツの荷物を……」
少女「…………」
男「……? おい、少女!!」
少女「えっ? あっ、ハイ……!」
男「俺はコイツを日陰まで運ぶから、お前はコイツの荷物を持ってきてくれ!!」
少女「は、ハイ……。わかりました!」
男「ぐっ……。しかし、体臭がスゴいな。昨日風呂入ってないな、コイツ」
男「しかも、目の下のクマ。さては徹夜組か……」
徹夜組「…………」ズリズリ
少女(病人か。私も、ちょっと、チョーシ悪かったしな……)
少女「はっ。それよりも、荷物、荷物……」
少女「あった! この紙袋かな……」
少女「…………」
少女(……中身、何が入ってるんだろう)チラッ
少女「…………、……!!」
少女(……これ、黒ずくめさんの、新刊……!?)
少女「…………」ゴク
少女「……」キョロ
少女「……」キョロッ
少女「……」キョロ
少女「……、……」ドクッ
少女「…………」ドクッドクッ
少女(……今なら、誰も見てない)ゴクッ
少女(……今なら、バレない)
少女(今なら、この本を取っても、誰も気づかない)
少女(…………)
少女(……な、何を考えてるんだ、私は……)
少女(……でも、一冊くらい)
少女(私だって、並んだんだし、買えてもオカシくなかった……)
少女(そうだ。今なら誰も見てない。誰も、誰も……!)
男「―――おい」
少女「あっ……」
男「…………」
少女「…………」
男「……お前、いま何をしようとしていた」
少女「…………」ガチガチ
少女「ち、違う。これは、これ、は……」
男「…………」
男「その袋を貸せ」
少女「……!」
男「いいから、早く」
少女「……うん」ガサ
男「…………」
男(黒づくめさんの本……)
男(そういうコトか)
スタッフ「すいませーん! このあたりで倒れたヒトはどちらですか!?」
男「あ、コッチです!!」
スタッフ「うわ、これはヒドい……。とにかく、アワを拭いて……」
スタッフ「ひとまずタンカに乗せます。手伝ってくれますか?」
男「ええ。わかりました」
少女「…………」
男「……少女。ついてこい」
少女「え……っ。あっ、ハイ……」
男「…………」
――救護室
スタッフ「天使さん! 急病患者です!!」
天使「またですか。どうせ熱中症でしょう」
スタッフ「え、ええ……。おそらく」
天使「そこのベッドに転がしておいてください。え、ベッドが足りない……?」
天使「ならばマットで構いません。とにかく汗をふき、氷で体温を下げるように」
スタッフ「は、ハイ……!」
男「す、スゴいテキパキしてる……」
白い死神「スゲーだろ? アレであのヒト、“ビッグサイトの天使”って呼ばれてるんだぜ」
少女「し、死神さん!! いつの間に……」
白い死神「よう。なんかタイヘンだったみてーだな」ビッ
男「死神か。どうした、もう引き揚げか?」
白い死神「半分そうだな。なんと、この時間でもう、めぼしい大手が全滅しちまってな」
白い死神「これから数時間、並び続けるつもりだったんだが、やるコトも無し」
白い死神「仕方ないから、島中を回る前に、逆三角形に涼みに来たってワケだ」
男「なるほど……。今日は大荒れのようだな」
白い死神「おっ、わかるかい? まあ、さすがにここまでロコツじゃあねぇ」
白い死神「それはそうと、あんたら、黒ずくめさんトコのは買えたかい?」
男「…………」
少女「……、……」
男「…………」フルフル
白い死神「おっと。アソコも、先発で行ったのに、ヤラレちまったか……」
白い死神「まあ、COMIKEに来たらそういうコトもあるって。落ち込むな」
男「そういう死神。お前の首尾はどうだった?」
白い死神「俺か? 俺はまあ、予定通りさ」
白い死神「各自ファンネル、分担して、一つ目の狙いの獲物は仕留めた」
白い死神「だが、まあソコまでだな。二つ目を並ぶ余裕は無かった」
白い死神「なんでも大手や準大手が一瞬で根こそぎヤラレたってハナシだ」
白い死神「こりゃ、今日のオークション……。荒れるぜ?」
男「やはり転売目的だと思うか」
白い死神「そりゃそうだろ。俺たちみたいに、身内でシュミを分担してるだけならまだしも」
白い死神「ここまで大規模で組織的なのは、そうとしか思えねえ」
白い死神「しかしヤッコさん。ここまでハデにやれば明日警戒されると、わからんのかね」
白い死神「いや。今日、目立つコト、それ自体が目的というセンもあるか……」
男「陰謀の考察はソッチでやってくれ」
男「俺たちは純粋にCOMIKEを楽しみに来てるだけなんだからな」
白い死神「おや。その割には、面倒ゴトに巻き込まれたみてーだが?」
男「ふん……。黒ずくめさんトコの、帰りにな。タマタマだ」
少女「…………」
白い死神「お前が持ってる紙袋は、ソコでぶっ倒れてるあんちゃんのか?」
男「ああ。置いていきたいんだが、どうにもタイミングが無くてな……」
白い死神「いいじゃねえか。どうせこの後の予定も無いんだろ?」
白い死神「しばらくジャマにならないココで涼んでようぜ」
白い死神「ん……。ちょっと、その袋の中身、見せてもらってもいいか?」
男「…………」
白い死神「ははっ、盗りゃぁしねーよ」
少女「……、……」
白い死神「どれどれ。……げ、黒ずくめ持っていやがるのか」
白い死神「何コイツ、チケット組?」
男「いや……。俺が確認したところ、クサかったし、クマも出来てた」
男「たぶん、昨日の夜から並んでる徹夜組じゃないかな」
白い死神「徹夜か……。成仏しろよ」
男「死んではいないと思うけどな」
白い死神「いや、わからんぜ? 比較的涼しいとはいえ、灼熱の夏コミだ」
白い死神「……もっとも、ビッグサイトにあの天使ある限り、死人は出さないだろうが」
天使「氷が溶けてきました。至急、冷凍庫から新しいモノを取り出してください」
天使「起きましたか。保護者に連れていってもらいなさい、救護室のスペースは有限なのです」
天使「また徹夜組ですか。ルールを破った畜生の治療は後回しです」
男「……天使?」
白い死神「はっは。あの無慈悲な働きも含めて、神の使い、“天使”と呼ばれてるのさ」
白い死神「対となる死神の二つ名を持ってる俺としては、どうしても意識しちゃうね」
男「勝手に意識しておけ……」
白い死神「まあ実際、あの女がCOMIKEに赴任してから」
白い死神「ビッグサイトからの病院送りの数は劇的に減っている」
白い死神「病院に行かせず蹴り出しているだけ、ともいうが……」
白い死神「対処は的確で、治療は確実だ」
白い死神「野戦病院さながらの、この地獄じゃあ、崇め奉られような」
男「野戦病院か……。たしかに、そんな感じだな。ココは」
男「ベッドにも置かれず、ザコ寝してる患者が多いのが、特に」
白い死神「“戦場”の病院なんだから、野戦病院でマチガイないね」
白い死神「俺の仲間も何度かお世話になったコトがある」
白い死神「チケット組だとバレたら、白い目で見られたがな! はっはっは!」
男「ふーん。チケット組とか、関係あるのか?」
白い死神「ああ、関係大アリだ。あの天使、ルール違反者には、かなり厳しい」
白い死神「チケット組の患者はすぐに追い出され、徹夜組の患者は対処を後回しにされる」
白い死神「根っからのレイシストってヤツだぜ、アイツぁ」
男「それは、ある意味で公平ともいえるような気がするが……」
白い死神「違いない! あれほどの正義の執行者は、あとはスタッフ長くらいだね!」
白い死神「ほら、徹夜組のあんちゃんも。ソコに転がされていやがる」
徹夜組「…………」
男「まだ起き上がらないか」
男「よほど、ムリをしていたんだな……」
白い死神「徹夜組なら、ただの善良な被害者ってワケか」
白い死神「まあ、今日に当たった運が悪かった、としか言いようが無いな」
少女「…………」
男「善良、ねえ」
白い死神「おや。男も、徹夜組差別主義かい?」
男「そこまでポリシー持ってるワケじゃないが……」
男「まあ、徹夜はいけないコトなんじゃないか?」
白い死神「はん。俺に言わせれば、身勝手に徹夜組を叩くヤツこそ、本当の悪だね」
少女「……どういうコトですか?」
男「少女……」
白い死神「おや、少女ちゃん。復活かい? さっきからずいぶん、おとなしかったが」
少女「キョーミのある話題だったので」
少女「身勝手に徹夜組を叩くヤツこそ、本当の悪……って、どういうコトですか?」
白い死神「いやあ、深い意味は無いがね」
白い死神「―――事情も知らないで、準備会という公式が禁止しているのをいいコトに」
白い死神「安全な立場から、無責任に、正義をかざして非難する」
白い死神「そういった行為は、ムショーに腹が立つんでな。小市民的には」ギリ
少女「…………」
少女「……その、“事情”っていうのは?」
白い死神「…………」
白い死神「……ちと、深いハナシになるがね」
白い死神「徹夜組が、なんで徹夜行為を行うのかは、知ってるか?」
少女「え……。そりゃ、欲しい頒布物があるからですよね」
少女「でも、だからってルールを破るのは、ダメだと思います」
白い死神「ああ、そうだな。実際ダメだ」
白い死神「だが徹夜組だって、ルールを破らずに、欲しいモノが手に入るなら」
白い死神「はじめから徹夜なんてしないさ。そうだろう?」
少女「……。そりゃ、まあ……」
白い死神「どう考えてもルールに問題があるんだよ。準備会の標榜する、な」
白い死神「だから徹夜組は、いくら禁止しても、無くならない」
白い死神「そして、ルールを破って並んで、頒布物を手に入れようとした、徹夜組の末路が」
白い死神「そこのあんちゃんだ」
徹夜組「…………」
少女「…………」
白い死神「俺としても、さすがにいたたまれないね」フルフル
白い死神「黒ずくめは辛うじて手に入れているが、他にも欲しいモノがあったろう」
白い死神「だが、ココでぶっ倒れたせいで、その計画はオジャンだ」
男「たしかに徹夜組のほうが、俺たちなんかより、よほどCOMIKEに真剣なのかもしれないな」
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