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元スレ少女「コミケ行くので泊めてください!」男「は……?」
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男「それより、タクシーはどうしたんですか!」
カメコ爺「普通にパーキングに預けてきましたな」
カメコ爺「いや。もうCOMIKEは、若者たちの催しであると、一線を退いていたのですが」
カメコ爺「今朝がたの走りで“コチラ”のほうも、血が騒ぎましてな」カチャ
カメコ爺「老骨にムチ打って。最後の一日だけでもと、馳せ参じたのですぞ」
男「え……。って、コトは……」
カメコ爺「ほっほ」
カメコ爺「会場が有開に移って、ベンリになりました」
カメコ爺「今のビッグサイトでCOMIKEを出来る参加者は幸せですなwww」
男「……って! そ、その口調……!!」
カメコ爺「んん、それでは私はこれで」
カメコ爺「星の数ほどのコスプレイヤーが私を呼んでいますぞー!!」ダダダッ
男「…………」
男「はぁ」
男「血は争えない。という、コトか……」
黒ずくめ「男さん? 今のおじいさんは……。一昨日のタクシーの?」
男「ああ。ヒトに歴史あり……、だな」
黒ずくめ「さて。COMIKEは、ここからが本番です!」
黒ずくめ「僕たちも張り切っていきましょう!」
男「ああ。そうだな……」
男「って、俺も?」
黒ずくめ「そうですよ。男さん、見たところ僕と同じくらいの歳だと思いますが」
黒ずくめ「ちょっと落ち着きすぎだと思います」ドンッ
男「そ。そんなコト言われても、生まれつきで……、うわっ!」バタタッ
少女「うわっと! 男さんも叫ぶんですか? ええ、一緒に頑張りましょう……!!」
――ビッグサイト 東館外 トラックヤード
少女「はぁー……っ。疲れましたー!! 海風がキモチイイー」
黒ずくめ「カメコたちもハケたね。そろそろ、終わりにしようか」
男「もう昼前か……。よくこの炎天下の中で、突っ立ってたよ」
黒ずくめ「本当なら、もっと館内を動き回ってもいいんだけどね」
黒ずくめ「まあ。行列を眺めながらのコスプレというのも、案外悪くない」
ザワザワ ザワザワ ガヤガヤ ガヤガヤ
黒ずくめ「もっとも、その行列は。まだ解消されていないようだけど……」
黒ずくめ「さて。このあと、君たちはどうする?」
男「ん? そうだな。……どうする、少女?」
少女「そうですね! せっかくまたCOMIKEに来たんだし、島の頒布物とか、見てみたいです!!」
黒ずくめ「そうか。なら、僕は……」
金髪「おーい、黒ずくめ~……!!」
紫髪「ココにいたかー……!」
黒ずくめ「おや。騎士は遅れてやってくる、というやつかな」
男「……? あの二人は……」
黒ずくめ「今朝、話していただろう?」
黒ずくめ「ほら。本当なら今朝一緒に入る予定だった、連れの二人だよ」
男「ああ。昨日の売り子の……!」
紫髪「探したぞ!!」
黒ずくめ「そうかい? 悪いね。でも、なら連絡くれれば良かったのに」
金髪「COMIKEで電話が繋がるワケがないだろう……!」
黒ずくめ「あはは。それもそうか」
黒ずくめ「それで金髪。体調は大丈夫なのかい?」
金髪「ご安心を!! 太陽の下であれば、元気三倍なので」
紫髪「まったく。駅の屋根の下ではヘナチョコになる、金髪にも困ったモノだ……」
金髪「ぐ。あの人の量では、仕方ないだろう!」
黒ずくめ「あはは。ケンカしないで」
黒ずくめ「それよりも、せっかくコスプレ衣装を持ってきたんだろう」
黒ずくめ「昼からの立ちシゴトは、いささかキツいが。頑張るかい?」
金髪「ゼヒとも!!」
紫髪「そのために来たんだからな!!」
黒ずくめ「というコトだ。僕たちは、もう少しコスプレしていく」
黒ずくめ「男さんと少女ちゃんは、二人でも大丈夫?」
男「モチロンだ。一日目は二人だけで行動してたからな」
少女「黒ずくめさんも! あと数時間、頑張りましょう!!」
黒ずくめ「うん。思う存分、COMIKEを楽しんでね」
金髪「あの……。お二人?」
男「は?」
紫髪「状況を鑑みるに。黒ずくめと一緒にコスプレをしていてくれたのですか?」
少女「ええ! 黒ずくめさんのおかげで、コスプレ、めっちゃ楽しめました!!」
金髪「そうですか。それは良かった」
紫髪「黒ずくめの奴、ごメイワクをおかけしませんでしたか?」
紫髪「……たとえば、薄い本のネタにしようとするとか」
男「あ。あはは。アハハ……」
金髪「まったく。今日も我々を置いて、勝手に行ってしまうし」
金髪「まあ。我々が足カセになって、COMIKEを楽しめないよりは、よほど良いですが」
紫髪「世話の焼けるヒトだ……。だが、それがいい」
少女「お二人も、コスプレを?」
金髪「ええ。今日は、西洋騎士の衣装ですね」ガサゴソ
少女「おわ。カタそうなメタルプレートだ……!」
金髪「見た目だけですよ。実際は利便性を考え、軽い素材を使って作っています」
少女「自作なんですか! スゴい……!!」
紫髪「今日はお二人とも、ありがとうございました。まったく、金髪が倒れなければ……」
男「あ……。いえいえ、良いんですよ。ソレ、俺たちにも責任ありますし」
紫髪「……?」
男「とにかく。黒ずくめさんをお願いしますね」
金髪「ええ、もとより」
紫髪「ところで、お嬢さん。なかなか良い腕の筋肉をしていますね。普段の運動は何を?」
少女「へ? 私ですか……?」
金髪「おい、紫髪!!」
紫髪「痛い痛い痛い。エリを引っ張るコトはないだろう!」
男「ははは……。それじゃあ、お元気で!」
金髪「ええ。お二人も、ご武運を!!」
少女「ふう……。ホントCOMIKEには、色んなヒトが参加してるんですね~」
男「ああ。俺たちの知ってるヒトでも、全然知らないヒトと友達だったりする」
男「そんなヒトの考えてるコトが見られるのも。COMIKEの良いところだ」
男「さて。このあとは、島の頒布物を見に行くんだったか?」
少女「ハイ! そうだ、たしかコスプレのままでも歩いていいんでしたよね!?」
男「いやいや、着替えていくぞ。俺の格好を見ろ……」
少女「あ。たしかに、ビニール袋かぶったままじゃ、キツそうですもんね……」
男「まずは逆三角形のところで着替えよう。そのあとは、東館の島めぐりだな」
――東館 ホール内
ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ
少女「うう……。もうお昼だというのに、スゴい人ですね!!」
男「そうだな。むろん、大手の行列が、いまだに生き残っているのもあるが……」
男「……ん? 大手の行列が、いまだに生き残ってる?」
少女「どうかしましたか?」
男「……いや、なんでもない。本来なら、コレが正常なんだが……」
男「とにかく。スゴいな、今年のFG○の勢いは……」
男「外も行列が長いが。アレは島か、島だよな? トンデモナイ量の血栓だ」
友人「FG○は去年の年末がキッカケで大ブレイクしましたからなwww」
男「そうそう。あの時の採集決戦の盛り上がりといったら……」
男「ってぇ、友人!!?」
友人「男氏wwwヤケモーニンwwwwwwぺゃっwwwwww」
白い死神「おっと。俺もいるぜぇ」
少女「友人さんに、死神さん……!」
男「お前ら、今日は何して……。というか、なんで島の内側に座ってるんだ?」
男「まるでサークルみたいに」
友人「んんwwwそれはwww死神氏の本を売っているからですなwww」
少女「し、死神さんの本!? サークル参加してたんですか!?」
白い死神「そんな驚くコトか? 俺だってファンネルばっかやってるワケじゃない」
白い死神「せっかくCOMIKEに参加するんだ。同人誌の一冊くらい書くさ」
少女「で、でも……。今日って三日目。男性向けの日でしたよね」
少女「その、死神さんも、やっぱり?」
白い死神「ん……? ……いや、違う。違う!」
白い死神「嬢ちゃん、三日目はエロ同人ばかりだと思ってないか?」
白い死神「三日目は評論、解説本の日でもある。俺が出してるのは、コレだよ」ピラッ
少女「……? コレは……」
少女「『白い死神の絶対失敗しないファンネル術』?」
白い死神「そうだ。俺が教えられるコト、っていったら、やっぱコレしかないからな」
白い死神「あの白い死神がレクチャーするファンネル術。キョーミあるだろ?」
男「なるほど……。たしかに、白い死神のネームバリューは、強いな」ペラッ ペラッ
参加者「あっ、死神さんですよね? 新刊1部ください!!」
白い死神「はいよー。良いファンネルライフを、心がけてな」ポンッ
男「死神……。お前、考えたな」
白い死神「おうともよ! おかげで本はバカ売れ!」
白い死神「いやー、来年もサークル参加しちゃおっかなー!!」
男「だけど。お前、ファンネル術なんか教えちゃっていいのか?」
男「他のヤツにも知れ渡ったら、これから動きにくくなるんじゃないのか?」
白い死神「ちっちっち。俺がテクニックのすべてを書いたと思ってるのか?」
白い死神「こんなのは、俺の108あるファンネル技術の、序ノ口に過ぎん!」
白い死神「それに、知れ渡ったら知れ渡ったらで、ソレを逆用する手段もある」
白い死神「そう。たとえどんな状況であろうとも。俺は頒布物を、迅速、かつカクジツに……」
白い死神「狙い撃つ!!」
少女「うーん、カッコイイなあ……!」
白い死神「おや嬢ちゃん。俺はチケット組だぜ? 本当に尊敬しちゃっていいのかい?」
少女「ええ。死神さんはチケット組ですが、転売しないだけ、志の高いヒトだと思います」
少女「……それに。出し抜き合うのが人間ならば。助け合えるのも、また人間だと思うので」
白い死神「……嬢ちゃん。ちょっと、成長したな」
少女「えへへ……」
友人「こうして少年は大人への階段を上っていくのですなwww」
男「少女だけどな。で、お前たち。今朝は何をしていたんだ?」
少女「やっぱり、今日の頒布物のファンネルですか?」
白い死神「んー? まあ、そんなところだな」
友人「そんなところですなwwwwww」
男「…………」
男「……おい、友人」
友人「んん?wwwなんですかなwwwwww」
男「今日は行列が正常に伸びているな」
男「三日目だから比較的多いとはいえ、少なくとも、すぐに消滅しているなんてコトは無い」
男「……何をした?」
友人「んんwwwそれはwwwちょっとwww」
友人「お花を摘みにいっただけですなwwwwww」
男「そりゃトイレだ」
白い死神「まあ、俺たちには俺たちの戦いがあったのさ。深く追究せんでくれ」
男「……そうか。まあ、そう言われちゃ、引き下がるしかないが……」
少女「死神さーん! それじゃあ、新刊1部、くださいなー!!」
白い死神「おうよ。良いファンネルライフを心がけてな」
男「え。ファンネル、するのか……?」
少女「いえ、する機会があるかはわかりませんが。後学のため、というやつです!」
白い死神「まあ、そういう目的で買ってるヤツが一番多いだろうな」
男「やっぱりキョーミあるよな。そういう、裏の部分みたいなの」
男「それじゃあ、俺たちはこれで」
少女「えーっ、もう行くんですかー?」
男「他のところも周るんだろう。一ヶ所に長く留まる時間は無い」
男「あと数時間とはいえ、この暑さだ。気を抜くなよ」
白い死神「言われなくとも。こう見えて、お前なんかより何度もCOMIKEに来てるからな」
友人「上に同じですぞwwwwww」
男「ははは。まあ、屋内じゃ、比較的熱中症もマシ……」
バタン
少女「……!!」
友人「んん……!」
白い死神「な……!」
男「ちっ。言ったそばからか。おい……」
少女「ソコのヒト!! 大丈夫ですか!!」ダッ
男「……!」
初心者「う、うーん……」
少女「良かった。まだ意識はある。いま、汗を拭いて……」
少女「何か飲み物は持っていますか?」
初心者「い。いや。何も……」
少女「何も持っていない!? どうしてですか!!」
初心者「まさか、COMIKEが、こんなにキツいとは……」
少女「初心者の方ですか……。……、……」
男「お、おい。少女……」
少女「男さん! スポーツドリンクを分けてあげてください! 持ってるでしょう!?」
男「あ、ああ。だが、さすがにぬるくなってるぞ……」
少女「構いませんから。さあ、早く!!」
男「お、おう。そらっ」
ポイッ
少女「キャッチ!!」パシッ
少女「はい、コレをどうぞ。自分で飲めますか?」
初心者「あ。ありがとう……」グビグビ
白い死神「……はーぁ。少女ちゃん、テキパキしてるねぇ……」
友人「我らが出る幕も無かったようですなwww」
男「ああ。そうだが……」
男「ふっ」
白い死神「ん? どうした、男」
男「いや……、な」
男「お前の言う通り。アイツも、ちょっと成長したな、と思ってさ」
少女「めまいは収まりましたか? 良かった」
少女「でも、まだ体が熱を持っていますね……」
少女「念のため、救護室に行きましょう」
少女「ほら、肩を貸してください」
初心者「あ。ありがとう……」
少女「あ。戦利品の入った袋は、絶対に忘れずに!」
少女「放っておいて盗まれても、私、知りませんよ!!」
初心者「は、はい……」
――救護室
少女「スミマセン! 熱中症の方、一人です!!」
天使「了解です。スタッフさん、この方を。ベッドへ運んでください」
ドサ…
少女「ふーうっ」
天使「おや……。貴女は、たしか。昨日もお越しになっていましたね」
少女「え? あ、ハイ。そうですね」
男「おーい、少女。大丈夫かー……?」
天使「そう。彼と一緒に」
天使「二日間に渡り、ご協力を感謝します」ペコリ
少女「えっ、あっ、そんな! 何も頭を下げなくても……!」
少女「COMIKEの参加者としてトーゼンのコトをしたまでですよ!!」
天使「いえ。このCOMIKEは、本当に患者の数が多い……」
天使「実情。この救護室の機能だけでは、まったく対応できないのです」
少女「…………」
天使「加えて、この広い会場中の、すべてにスタッフがいるワケではない」
天使「物陰で倒れている患者の方を、見逃してしまうコトもあるのです」
天使「だから、貴女がたのような有志の協力者は、とてもありがたい」
天使「私の働きだけではすべての患者を救うコトは出来ません」
天使「ですが、皆さんの協力があれば、それも可能となる」
天使「ですから。そんな貴女の、尊い志に」
天使「正しい心を持った貴女にこそ、敬意を表したいのです」ペコリ
少女「わ。わわ。そ、そんな……! 頭を上げてください!」
天使「そうですか」ガバッ
少女(上げた)
天使「では、私は患者の看病と、次なる患者の対処があるので、これで」
天使「貴女たちも、健康に気をつけて、COMIKEを楽しんでください」
少女「は……、ハイ!! わかりました!!」
男「…………」
少女「男さん!!」
男「よう。少女。天使さんから直々に、感謝されたみたいだな」
少女「ええ、そうなんですよ! あんなヒトから褒めてもらえるなんて。光栄です……!」
男「いや。お前は、特別なコトをしたんじゃない」
男「良いコトをしたんだから、当然、感謝された」
男「それだけのハナシだろう?」
少女「……!」
少女「……私、なれましたかね」
少女「“助け合える参加者”、ってやつに」
男「…………」
男「ああ。なれたとも」ポンッ
少女「……!」
男「お前は、俺の。誇りだ」
男「この俺が保証する。お前は、良い参加者だとも」
少女「う……。う、うぅ……」
少女「男さぁぁぁん!!!!」ガバッ
男「ちょっ、おい! こここ、こんなところで抱きつくな……!」
少女「男さん、男さぁん。私、嬉しいですよぉ……」グスグス
参加者「カップル…?」
参加者「チワゲンカ…?」
参加者「イヌモクワナイ」
参加者「…リアジュウバクハツシロ」
男「ち……、違う!! 本当に違うからぁ~っ!!!」
少女「ぐす、ぐすっ。……。おじいちゃん……」
――ビッグサイト 逆三角形下
参加者「3!」
参加者「2!!」
参加者「1!!!」
ピンポンパンポーン
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!
アナウンス『これにて、COMIKE 92を――――』
アナウンス『―――終了します!!』
アナウンス『皆さん、お疲れ様でした。また冬に、お会いしましょう!!』
ピンポンパンポーン
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!
――ビッグサイト 屋上
男「ああ……。ついに、終わったか」
少女「終わって……。しまいましたね」
男「…………」
少女「…………」
少女「夕陽が……」
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ミ;i:i;;;、、`、;ヽ ;:;;;〃;ixxxi ;;;,;:,ゞ;:〃:;ヽ'l;;;;;;彡i〃巛i;、 ミ彡ミ;;;;(,;:,ゞ;:〃:;ヽ'fl丶、、';;;丶;;丶
男「…………」
少女「ステキだなぁ……」
少女「私。夕陽というモノがこんなにステキなモノだとは思いませんでした」
少女「そりゃあ、ハナシに聞いたコトはあります」
少女「夕陽を描いたキレイな絵も、映した美しい写真も見たコトはあります」
少女「見目麗しい夕陽を形容するたくさんのコトバがあるのも知っています」
少女「……でも。実物の夕陽は、こんなにも“ステキ”だ」
少女「陳腐なコトバですが。自分の目で見て、初めてわかるコトも、あるのだと」
男「…………」
少女「私は。このCOMIKEに来て、そう、心から思いました」
男「……楽しかったか? この三日間は」
少女「ハイ! それは、とても!!」
男「…………」フッ
男「なら、良かった」
少女「さて。私はもう、行かなくてはなりません」
男「こんなに早くにか? 日付が変わるまでには、まだ時間があるぞ」
少女「ええ。でも、日があるうちに、動かないと……」
少女「“ヤツら”が、来てしまいますから」
男「……!」
少女「まあ、この街のヒトたちも。ある種ファンタジックなくらいに」
少女「なんか戦闘力高いみたいですし。心配はしていないのですが」
少女「それでも。東狂のヒトたちに、これ以上、私のせいで」
少女「メイワクをかけるのは、本意ではありません」
男「…………」
男「そうか」
少女「あっ、でも! 昨夜はそのまま帰るつもりだったので、荷物は全部持っていますし!」
少女「戦利品は帰ってから、たっぷり堪能させていただきます!!」
少女「ただ、友人さんの既刊のシリーズをすべて読めないのは、心残りですが……」
男「……。後から、同人誌を送る……」
男「なんてコトは、出来ないんだよな」
少女「……ハイ。ザンネンながら」
少女「……つきましては。男さんとも、ココでお別れというコトに」
男「…………」
男「……お前は、良いヤツだ」
男「きっと帰っても。元気でやれる」ポンッ
男「がんばれよ」
少女「……!!」
少女「―――ハイっ!!」
――シーサイド線 国際展覧場駅前
男「さて。ここまで来れば、タクシーの一つもあるかと思ったが……」
少女「あ。あのクルマは……!」
___00 __ ∩ ∩
└‐┐l ___n_ ___n_ ___n_└┘/7 ∪ ∪
(ノ フl.「 フl.「 フl.「 <ノ ○ ○
,、-,、
´,,r'´,,、'⌒'ヽ, ` .、
〃/〃,r'⌒`ヾ ` .、
!il! i,l',l'i, ,-─- 、 ,'´",, ` .、
i l i!i 〃'⌒`' 、`ヽ、∵'` ` .、 ,,.
,i i i!i. {'l〃,、-,、 ヽ,ヽヽ ` .、 ` .., _____,, -'''"´
, i i i!\{i! i'r'~`',ミ ヽ,゙i}i、 _,ィ≦
'i,i .'i, ,i〃´` 'i, ','i i,}, ≠==≦、 ,ィ≦≦≦
':, 'i,' i,'i, ( ) i 'i, l゙} {==(◎)==j {≦≦≦≦
'i, 'i、、 i ! i'} ゞ===' ゝ≦≠"´
:' , 'i、 、`ー''" i ,i'i,i'l} : ,,.. ''"
∵ ,' , .'h、 `-,、,,ノ ,i!l川 ; __,,.. ''" ,,
:'', '. ・ .`-,、,,_,,,ノ斗' { 《≧イ ,,.. ''"
≠彡 \ ( ,,.. ''"
`ー─── "
運転手「お呼びですかな」スチャ
男「運転手さん! あなた……」
運転手「ほっほ。カメラ爺とは、一日限りの、かりそめの姿」
運転手「やはり本来の私は。しがない運転手ですので」
男「しがない……?」
運転手「ほっほ。東狂という街の日常ですからな」
少女「運転手さんのタクシーなら安心ですね」
少女「それでは、男さん。私はこれで」
男「―――ああ」
少女「あっ。覚えていますよね、チャームのコト!!」
男「ん……? ああ、コレか」ジャラ
少女「ソレ! ビビっとくる女性に出会ったら、渡すんですよ!」
男「そんなに重要なコトなのか?」
少女「ええ。それは、もう!」
少女「一人の女の子が、COMIKEの楽しさを知るコトが出来るかどうかの、分水嶺なんですから!」
男「……ああ。そこまで言うのなら。一生をかけて、覚えておこう」ジャラ
少女「なら、良いんです」パタン
少女「それでは、男さん! ―――お元気で!!!」
男「―――。……、お前もな!!」
ギュルルン!! ギュルルン!!
ブロロロロロ…
男「…………」
男「……ふっ」
友人「んんwww男氏wwwココにいたのですかなwww」
男「友人。死神の設営の撤収は、終わったのか?」
友人「モチロンですぞ。それよりも、少女氏は……?」
男「…………」
友人「…………」
男「あいつは、行ってしまったよ」
友人「……そのようですな」
友人「もう少し待ってもらえれば、残りの同人誌も送れたのですがな」
男「その時間も彼女には惜しい。アイツには、アイツの現実があるからな」
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