私的良スレ書庫
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元スレエリカ「入れ替わってる……!?」 みほ「貴女の名は」
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ちょっとだけ投下します。朝が早いから切り悪くても終わります、申し訳ない。
エリカ「何だったのかしらこの試合……」
エリカ「まあでも、アンツィオの秘密兵器が分かったのは収穫、かしら……」
エリカ「練習試合とはいえ、黒森峰は遅れを取れないものね」
エリカ「今後、アンツィオとの試合の際はP40対策を徹底させなくちゃ」
アンチョビ(修理費すごいことになりそうだなあ……)
アンチョビ(また屋台で稼がないとだが……)
アンチョビ「今日は豪勢に食べるぞーーーーっ!」
アンチョビ「当然! アンツィオ持ちだぁ!」
ワァァァァァァァァァ
エリカ「相変わらずこの馬鹿騒ぎはやるのね……」
エリカ「……」
エリカ「うちでやるより楽しそうにしてるじゃないの」 ムッ
エリカ「まあそりゃ、厳格な黒森峰としては、あまり馬鹿騒ぎをさせるわけにはいかないけども」
アンチョビ「お、食べてるか~?」
みほ「はい!」
華「本当に美味しいですねえ~」
アンチョビ「お、おお、すごい食べっぷりだな……」
エリカ「バカなのよそいつ、胃も頭も」
エリカ「……」
みほ「えへへ……」
エリカ「……」
エリカ「楽しそうに笑っちゃって……」
エリカ「……所詮戦車は輪の外」
エリカ「あの子が遠いわね」
エリカ「……」
エリカ「ああ、でも……」
エリカ「隣に居たはずなのに、あの時と、遠さは変わらない、わね……」
ペパロニ「お嬢ちゃん、いい食いっぷりだねえ!」
ペパロニ「もっと茹でちゃうよお~?」
沙織「ええ!?」
沙織「さすがに華もお腹いっぱいじゃ……」
華「もちろん頂きます」
沙織「ええ!?」
麻子「まるでブラックホールだな……」
ペパロニ「山ほどあるぞお!」
麻子「予算もないのにか」
ペパロニ「ケチケチしたら負けなんだよ!」
ペパロニ「ほーら、アラビアータにゴルゴンゾーラ、更にはトマトと生ハムのペンネパスタだ!」
優花里「おお、本当に山盛り……」
沙織「パット見色んなのが混ざってて綺麗だけど、食べ進めると融合してグロくなりそう……」
ペパロニ「この山盛りのペンペンペンネを食べきれるかなァ!?」
華「ええ」
華「どか食いは淑女らしからぬと、顔をしかめられてきましたが――」
華「私は力強い女性でありたい」
沙織「真顔で何言ってんの!?」
華「もう迷いません……また1から食べはじめます」
沙織「前菜から!?」
華「むしろ0から、胃袋という宇宙を始めてみます」
ペパロニ「くっ……こりゃあ一口食べたら宇宙を見ながら脱衣するレベルのモンを作らなきゃ勝てないかもな」
沙織「これなに!? ねえなんなのこれ!?」
みほ「あはは……」
アンチョビ「ノリと勢いは暴走するとこうなるという見本だな」
アンチョビ「……それより……」
アンチョビ「ちょっといいか?」
みほ「え?」
アンチョビ「いや、ちょっとした、与太話をしようと思ってな」
エリカ「……」
エリカ「ん、なによあの2人、近付いてくるわね」
みほ「ええと、与太話って……」
アンチョビ「あー……」
アンチョビ「いや、本当に与太話さ」
アンチョビ「大事なシリアスな話なんかじゃないよ」
みほ「はあ……」
アンチョビ「……いや、そーいうのも大事かなって、思うんだ」
アンチョビ「黒森峰だと、こういうの、なかっただろう?」
みほ「……っ!」
アンチョビ「杏のやつ、あれでいて、ちょっぴり強引なところとかあるからなあ」
アンチョビ「やりたくないのに戦車道をさせられてるなら、力くらい貸そうかと思っていたが……」
みほ「アンチョビさん……」
みほ「……」
みほ「お気遣い、ありがとうございます」
みほ「でも――大丈夫です」
みほ「私、今は、戦車道が楽しいですから」 ニコ
エリカ「……」
アンチョビ「……そっか」
アンチョビ「そんな感じの顔してたけど、それが聞けてよかったよ」
アンチョビ「アレでいて、お前の姉も気にはしているだろうからな」
みほ「ええ、そうですか?」
アンチョビ「ああ」
アンチョビ「あいつもアレでいて大変なんだよ、立場とか」
アンチョビ「戦車道を嫌になって転校したなら自分が連絡しない方がいいだろうって言ってたしな」
みほ「お姉ちゃん……」
エリカ「……ふん」
エリカ「そこまで心配されて愛されてたのに裏切って大洗で戦車道してるんだから、大したタマよアンタは」
アンチョビ「たまには連絡くらいしてやってくれ」
アンチョビ「メアドは変わってないし、知ってるだろ?」
みほ「はい」
アンチョビ「あとこれがラインIDで、こっちが逸見の森のIDだ」
エリカ「おいちょっと待ちなさいおいコラおい」
アンチョビ「なんだ、スマホじゃないのか」
みほ「あ、はい」
みほ「転校で一人暮らしまでさせてもらってるから……」
アンチョビ「そりゃそうか……」
アンチョビ「高いもんなあ、スマホ……」
アンチョビ「私も屋台の宣伝やらで使うから安いの持ってるけど、負担すごいもんなー」
みほ「黒森峰の人は、結構持ってましたけど」
アンチョビ「あいつら金持ってるもんなー」
アンチョビ「森作れる程度には」
みほ「森……?」
アンチョビ「ああ」
アンチョビ「西住流マニアの集まる森だし、私たちは『しほマニアファミリー森の雑貨屋さん』みたいな扱いしてる」
エリカ「野郎」
アンチョビ「ああ、それと――」
アンチョビ「ほら、これ」
みほ「?」
みほ「なんですか、これ……?」
アンチョビ「いや、詳細は教えてもらえなかったんだが……」
アンチョビ「サンダースの娘で、一人やたらとⅣ号に怯えてる子がいるらしくてな」
みほ「ふえ?」
アンチョビ「よほどのトラウマがあるのか、その、名誉に関わるから秘匿って言われるような状態になっているらしい」
みほ「はあ……」
アンチョビ「なんでも、幽霊の声が聞こえたとか」
みほ「幽霊……?」
アンチョビ「ああ」
アンチョビ「何でも、通信を傍受していたら、ファイアフライに撃たれて痛い~~って声が入ったんだとか」
エリカ「!?」
みほ「それって……」
アンチョビ「まあ、イタズラか、何かの影響で違う所の音声が入っただけだとは思うんだけどさ」
アンチョビ「一応、渡しておこうかと思ってな」
みほ「ふえ?」
アンチョビ「その傍受機」
アンチョビ「それを介せば戦車の声が聞けるかもしれないぞ?」
みほ「あ、それはちょっとロマンチックかも……」
エリカ「そお? あんた趣味どうかしてるんじゃないの」
アンチョビ「こってり絞られて傍受なんてしないって誓わされたうえに、呪われた傍受機なんて要らないんだってさ」
アンチョビ「確かに渡したからな」
アンチョビ「まあ、それをくれた奴を安心させてあげるためにも、それを使って愛車と会話しているといいさ」
アンチョビ「……ツモる話もあるだろうから、私はパスタでも茹でてくるし」
アンチョビ「好きに話しなよ」
みほ「あ、えっと……」
みほ「ありがとうございます!」
アンチョビ「いいっていいって」
アンチョビ「……戦車道を1から立て直すのって、辛いもんな」
アンチョビ「たまには愛車にくらい」
アンチョビ「そんでもって、気がついたら仲間に」
アンチョビ「それも無理なら、他校の人間にくらい、愚痴っちゃってもいいんだからな!」
みほ「……」
みほ「本当に、ありがとうございます……!」
みほ「……」
みほ「いい人だったなあ……」
エリカ「そう?」
エリカ「甘ちゃんなだけよ」
みほ「……」
みほ「これ、どうしよう……」
みほ「……」
スッ
みほ「あー……」
みほ「あーあー」
みほ「聞こえますかー、なんちゃって……」
みほ「……」
エリカ「いや、通信機じゃなくて傍受機なんだから、ヘッドホンに向けて喋っても意味ないでしょ」
みほ「え!?」
みほ「い、今の声……」
エリカ(しまった――――っ!)
気づけば3時半
来週は明日くらいからあんまり投下できなくなりますので12月まで終わらなさそうですが、
年内完結目指してがんばりますのでお付き合い頂ければ幸いです
来週は明日くらいからあんまり投下できなくなりますので12月まで終わらなさそうですが、
年内完結目指してがんばりますのでお付き合い頂ければ幸いです
乙
声でバレるかな…でもエリカの声帯ってわけじゃないしどうなんだろ…
声でバレるかな…でもエリカの声帯ってわけじゃないしどうなんだろ…
マキバオーも意思ある乗り物とレースで戦う漫画みたいなものだし、エリみほコンビが意思疎通して世界を獲るかもしれない
あんまり投下出来ませんが、またしばらく投下できそうにないので、少しでも進めたいと思います
みほ(なんだろう……)
みほ(エンジン音のようだったけど、でも、言葉になっていた……)
みほ(エンジン音をつなぎ合わせて歌わせるMADみたいな感じではあるけど――)
みほ(でもそもそも、今はエンジンは切っているはず)
みほ(それに、傍受機越しにしか、その音は聞こえなかった)
みほ(つまり――――)
みほ「本当に……」
みほ「貴女は、Ⅳ号戦車なんですか?」
エリカ「……」
みほ「……」
エリカ「……」
みほ「……」
みほ「そう、だよね……」
みほ「返事なんて、あるわけ、ない、よね……」
エリカ「……」
エリカ(仕方ないじゃない……)
エリカ(普通、戦車なんてしゃべらないのよ)
エリカ(私が喋っちゃうことで、どうにかなっても困るし……)
エリカ(意識ある時バラされたら最悪だし)
エリカ(喋るわけにはいかないわ)
エリカ(それに、普通戦車なんて喋らないんだもの)
エリカ(すぐに納得するでしょ)
みほ「Ⅳ号、なんて呼び方失礼だよね」
みほ「初対面の人に、貴女人間ですかって言うようなものだし」
みほ「ごめんね、なんて呼べばいいのかな。あんこうさん?Ⅳちゃん?」
みほ「それとも、お母さん戦車につけられた名前でもあるのかな」
エリカ「そういうことじゃないわよ天然なのあんた!?」
みほ「……!」 パァァァァ
エリカ(しまった……!)
みほ「やっぱり、偶然じゃない……!?」
みほ「こんなことって……」
エリカ「……」
エリカ(ああああああ……)
エリカ(どうする、どうするのよ私!?)
エリカ(続きはウェブに回せないわよ!?)
エリカ(どうすれば……)
みほ「嬉しい……」
みほ「小さい頃、ずっと戦車が友達だったから……」
みほ「嫌なことがあったら、いつも戦車に逃げ込んで……」
みほ「お家の中で、いつでも味方してくれた戦車に、命があるなんて……」
エリカ(無いわよ!)
エリカ(……いや、まあ、私がこんなことになってるし、絶対ないとは確かに言い切れないけども!!)
みほ「いっぱい、お話したいな……」
みほ「お友達なんだし、私のことは『みほ』って呼んで!」
みほ「その、私は、なんて呼んだらいいかな?」
みほ「教えて?」
みほ「貴女の名は?」
めちゃ短くて申し訳ありませんが、寝ないと不味いので投下を終了します
次は最速で金曜、下手したら月曜まで投下無いです
申し訳ありません
次は最速で金曜、下手したら月曜まで投下無いです
申し訳ありません
入れ替わりを願ったのがエリカで、入れ替わってるときに交流するのがみほ
つまりみほは当て馬で最終的にはエリカ×Ⅳ号か……
つまりみほは当て馬で最終的にはエリカ×Ⅳ号か……
エリカ「どうした、忘れちまったのかよ副隊長。お前の一番のファンの顔を!」
お久しぶりです
相変わらずスローペースで申し訳ない
いけるところまでは投下したいと思います
相変わらずスローペースで申し訳ない
いけるところまでは投下したいと思います
エリカ「……」
エリカ(名前、か……)
エリカ(そういえば――)
エリカ(自己紹介、したこと、なかったっけ……)
エリカ(初めて会話したときにはもう、私は隊長の右腕候補として知られていて……)
エリカ(同時に、あの子もそうだったから……)
エリカ「……」
エリカ(いや、でもさすがに今『はじめまして逸見エリカです』なんて言うわけにはいかないわよねえ……)
みほ「……」
みほ「あ、もしかして……」
みほ「日本語じゃなくて、外国語じゃないと伝わらないのかな……」
みほ「私、英語くらいしか出来ないけど……」
みほ「えっと、わっちゅあねーむ?」
エリカ「そーいう問題じゃないしさっきまで日本語で喋ってたでしょうが!!」
みほ「……!」 パァァァァ
エリカ「しまった……」
エリカ(うう、だめだ、今の状態のこの子相手だと調子が狂う……!)
みほ「……」 ドキドキ
エリカ「……」 ドキドキ
みほ「……」 ドキドキ
エリカ(……この子の期待に満ちたソレとは違う意味でドキドキするし心臓に悪いわね……)
みほ「名前は……教えてもらえないんだね……」
エリカ「……」
エリカ(なによ、そんな顔して……)
エリカ(戦車が名乗らないなんて、普通じゃない……)
みほ「じゃあ、ちょっと、お話、しない?」
エリカ「……は?」
みほ「私、ね」
みほ「その、ちょっと、変わったお家で育ったっていうのもあって、お友達の作り方、よくわからなくて……」
みほ「今までだったら、こうやって拒まれちゃうと、その、迷惑だったかなって、怖くて距離を取っちゃってたけど……」
みほ「……」
みほ「でもね、こんな私にも、友達ができたんだ……」
みほ「一人オドオドしてた私に、優しく声をかけてくれたんだ……」
みほ「それで、思ったの」
みほ「私、こうなりたかったんだなあって」
みほ「……こんな風に誰かと接することが出来る女の子になって、きっと、皆と仲良くしたかったんだなあ、なんて」
エリカ「……」
みほ「だから……」
みほ「今更、遅いかもしれないけど……」
みほ「私からも、少し、踏み出してみようかな、なんて」 エヘヘ
みほ「……そうやって、思えたから」
みほ「この学校に来て、そういう風に変われたから」
みほ「戦車さんが、ちょっと、心を閉ざしても――」
みほ「友達になりたい私から、少しづつ、歩み寄らなくちゃ」
エリカ「……」
エリカ(ほんと、変わったわね……)
エリカ(……)
エリカ(あの連中が、あんたを変えた、か――)
みほ「だから、その」
みほ「仲良くなるには、まず自分を見せることだって聞いたから……」
みほ「私のこと、お話しようかなって」
みほ「それで――」
みほ「もし、友達になろうって思ってくれたら、その……」
みほ「私のことを『みほ』って呼んでほしいなって」
みほ「その、下の名前で呼ぶのって、お友達ーって感じがするから……」 エヘヘ
みほ「それに、そのときは、お名前、教えてくださいね!」
エリカ「……」
エリカ(なによ)
エリカ(名前くらい――何度だって、呼んであげたのに)
エリカ(そりゃあ、厳しい環境だったし、私もライバルを求めていたから、アンタの望む環境じゃなかったかも、しれないけどさ……)
エリカ「……」 パチ
エリカ「……」
あの後、2人でダラダラと喋った。
勿論、こっちはほとんど口を開かなかったけど……。
それでも、時折、思わず声を漏らしてしまった。
エリカ(……どうして、こんなに、もやもやするのかしら)
戦車であるからこそ、あの空気を共に出来たことは分かっている。
でも、あの時見せた、私の知らないあの子の顔が、愛おしくて、それ故に憎くて。
あの関係に心地よさを感じていた自分も含めて、如何ともし難い苛立ちを覚えた。
エリカ(……)
エリカ「って、どこよここ……」
エリカ「あの子の顔は知ってる要素があるにはあったけど、この天井120%知らない要素しかないんだけど……」
小梅「あ、起きた?」 カパッ
エリカ「わ゙ーーーーーーーーーーーっ!」
小梅「あはは、逸見さんでもそんなコミカルな悲鳴あげられるんだね」
エリカ「いや、アハハじゃないわよ!!」
エリカ「何急にゼロ距離で――」
エリカ「って、ちょぉわああああああああ!?」
小梅「もー、二度目はしつこいよー?」
小梅「そこまで取り乱す姿、確かに貴重だけども」 パシャコーン
エリカ「ちょ、何撮ってンのよ!」
エリカ「っていうか、なんでアンタ天井隅から生えてンのよ!?」
小梅「人間は天井からは生えないよ?」
エリカ「わかったうえでだから何なのって聞いてるのよ。マジトーンでアホを見るような視線やめろ」
小梅「ここ、通気口になってるの」
小梅「だからこうして忍び込めたんだ」
エリカ「ああそ……忍び? え?」
小梅「大変だったんだよー」
小梅「逸見さん、とうとうおまわりさんの前でも暴れたらしくって」
エリカ「!?」
小梅「なんでもおまわりさん相手にハンバーグを射出したとか……」
エリカ「な、なななななな……!」
小梅「その後偶然居合わせた人が乳首のイグニッションを切ってくれたみたいだけど……」
小梅「大騒ぎになって、でもなんとか収集がついて、こうして病室で寝かされてたんだよ」
小梅「その一報を受けて、こうして駆けつけてきたんだから」
エリカ「そ、そう……そこはありがとう……」
エリカ「でも今の話を聞いても、通気口からわざわざ来た理由がわからないのだけど……」
小梅「ああ、それ?」
小梅「最近勉強した忍道を使ってみたくて……」
エリカ「居ても立ってもいられなくて入り口以外から入るのやめなさい」
エリカ「っていうか、変な学校かマンモス校くらいしか扱ってないそんな変な選択科目をなんでまた」
小梅「なんで、って――」
小梅「10連覇未達の戦犯として居場所を失って戦車道やめようか迷ってたことがあったから」
エリカ(ふ、触れづらッッ)
エリカ(ただでさえ滅茶苦茶デリケートな話題なのに、そんなハイライトのない瞳で言われたら触れられないわよっ)
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