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元スレエリカ「入れ替わってる……!?」 みほ「貴女の名は」
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エリカ「……」
エリカ(やっぱり……)
エリカ(睡眠時無呼吸症候群って、そーいう病気じゃないわよね……)
エリカ(むしろイビキというか、変な音は出すみたいだし……)
エリカ(でも私はそういうのもなく、ずうっと静かだったっていうけど……)
エリカ(……)
エリカ(あれは本当になんだったのかしら……)
エリカ「……」
エリカ(あとは何ググろうかしら)
エリカ「……」
カコカコカコ
検索窓『西住みほ 現在』
エリカ「……」
エリカ「アホくさ」 カコカコカコ
エリカ「さっさと寝ましょ」
エリカ「きっと疲れがたまっているんだわ」
エリカ「ん……」
エリカ「はっ!」
エリカ「不味い、寝すぎt――――」
エリカ「……」
エリカ「これ……」
エリカ「起きた瞬間感覚で寝坊を理解するやつだと思ったけど……」
エリカ「この体の動かなさといい、この景色といい、まだ夢を見てるみたいね」
エリカ「前に見たのと、同じ夢だわ……」
エリカ「意外と……」
エリカ「夢に入るとすんなり前の夢を思い出せるものね」
エリカ「……」
エリカ「確か、視界を変えるには目玉を動かす感覚だったわね」
エリカ「よいしょっと」 グリン
エリカ「……」
エリカ「!?」
エリカ「ちょ、何やってんのよこれ!?」
エリカ「こんな真っピン……うわっ、三突に旗生えてる……」
エリカ「え、何よあの悪趣味な成金みたいなゴールドは……秀吉でも乗ってるの……?」
エリカ「最悪だわ……戦車を何だと思ってるのかしら……」
エリカ「ま、まさか私も……」
エリカ「……」
エリカ「うげっ、少なくとも中はガーリーに……」
エリカ「何よこのクッションやミラーは……」
エリカ「戦車道に不要でしょ……」
エリカ「大体こんなの転倒した時危ないでしょうに」
エリカ「私の体をこんなにしちゃって……」
エリカ「……」
エリカ「いや違う違う、私の体じゃない!」
エリカ「Ⅳ号をこんなにしちゃって、の言い間違いよ!」
エリカ「いくら夢とはいえ、Ⅳ号を自分と完全に認識するだなんてそんな」
エリカ「……」
エリカ「しっかし暇ね……」
エリカ「戦車道の時間くらいさっさと来てくれればいいのに、夢なんだし」
エリカ「……」
ガラガラガラ
エリカ「!」
エリカ「誰か来――――」
みほ「……」 コツコツコツ
エリカ「あんた……」
みほ「……」 カンカンカン
ガチャ
ストン
みほ「……」
みほ「ふう……」
エリカ「……」
エリカ「なんて顔してンのよアンタは」
みほ「……」
みほ「おかしいな……」
みほ「落ち着く……」
エリカ「ちょっ、何寄りかかってきてるのよ!!」
みほ「……」
みほ「そういえば……」
みほ「昔も、何かあったら、こうして戦車の中で過ごしてたっけ……」
みほ「……」
みほ「私ね……」
エリカ「……なによ」
みほ「……」
みほ「戦車道、嫌いなんだ……」
エリカ「はぁ!?」
みほ「昔は、楽しくやってたような気はするのに……」
みほ「もう、それも思い出せなくて……」
みほ「……」
みほ「色々と、責任とかも、あったのに」
みほ「逃げ出してきちゃった……」
エリカ「何よ……」
エリカ「アンタには才能もあって、環境もあって……」
エリカ「私には逆立ちしたって手に入らないものを持ってるくせに、逃げ出して……」
エリカ「なのに……」
みほ「なのに……」
エリカ「なのにアンタは……」
みほ「この前ね……」
みほ「楽しかったんだ……」
みほ「みんなで、下手くそだけど、頑張って……」
みほ「戦車道、嫌だったのに……」
エリカ「何よそれ……ッ」
みほ「みんな……優しいんだ……」
みほ「一緒に居ると、気楽で、すっごく楽しくて……」
エリカ「何よ……」
エリカ「私だって……あんたの……ッ」 ギリッ
沙織「あれ、みぽりん早いねー」
みほ「あっ、ええと、ちょっと……」 アハハ
沙織「練習試合、近いもんねー」
華「やっぱり、勝ちたいですものね」
優花里「確かに相手は超名門校!」
優花里「ですが、西住殿が率いてさえくれれば!」
麻子「……」
沙織「麻子も何か言いなよー」
麻子「眠い……」
みほ「ふふ……」 クスクス
エリカ「何よ……」
エリカ「戦車道嫌いです、なんて言っておいて……」
エリカ「楽しそうじゃないの……」
エリカ「アンタが嫌だったのは……戦車道じゃなかったんじゃない……」
エリカ「……」
エリカ「何でそれを……」
エリカ「黒森峰から居なくなる前に、言ってくれなかったのよっ……!」
エリカ「貴女のそういう所が、私はっ……」 ギリッ
エリカ「……」
エリカ「楽しそうに、しちゃって……」
みほ「シュトリヒというのは――」
エリカ「……」
エリカ「こんなところで……」
エリカ「こんな素人に、初歩的なことを教えて……」
エリカ「貴女はもっと、レベルの高い所で、上を目指せる存在じゃないっ……」
エリカ「私は……」
エリカ「私は、まだ、アンタに勝ってないのに……」
エリカ「何で、こんなところで――ッ」
エリカ「……」 パチ
エリカ「……」
エリカ「最悪の目覚めだわ……」
エリカ「リアリティがあるし……」
エリカ「あれが夢で私の深層心理だとしたら、本当に最悪よ」
エリカ「……」
エリカ「確か……」
エリカ「くそやかましい片眼鏡が、我々大洗女子とか言ってたっけ……」
エリカ「……」
ポチポチポチ
検索窓『大洗女子 戦車道』
エリカ「……」
エリカ「戦車道廃止の記事ばかりね……」
エリカ「……」
エリカ「そりゃそうよね」
エリカ「あんな夢に影響を受けるなんて、とんだ間抜けだわ」
エリカ「……」
小梅「あっ、い、逸見さん……!!」
小梅「その、だ、大丈夫!?」
エリカ「……は?」
小梅「その……」
小梅「昨日、また久しぶりに呼吸が止まってたっていうか……」
エリカ「えっ」
小梅「さすがにそれは睡眠時無呼吸症候群とは違うんじゃないかって、隊長前も言ってたから……」
小梅「隊長、必死で心臓マッサージをしようとして……」
エリカ(隊長ほんと良心すぎて有り難い……)
小梅「胸と胸の間を押した瞬間、逸見さんの口からハンバーグが」
エリカ「は?」
小梅「胸と胸の間を押した瞬間、逸見さんの口からハンバーグが」
エリカ「二度言われてもやっぱり理解できないんだけど」
小梅「私達も何がなんだかよくわからなかったんだけどね……」
小梅「胸と胸の間を押すと、まるで砲撃のように、口から昨日食べてたハンバーグが発射されて……」
小梅「ほら、あの天井のシミ、昨日発射されたハンバーグが着弾したあとだよ」
エリカ「ええっと、うん、ちょっと待って」
エリカ「ハンバーグって着弾って単語を使うものじゃあないと思うのだけど」
エリカ「ようするに、その、口から吐いたっていうことなの?」
小梅「うん……」
小梅「でも吐瀉物って感じじゃなくて、ちゃんと固形だったよ」
小梅「あと、これ以上部屋が汚れると困るからって、途中で窓をあけて……」
小梅「外のゴミ捨て場に飛んでいくように、直下さんが上半身を持ち上げて調整したんだけどね」
小梅「なんていうか、こう、割りと性格に真っ直ぐハンバーグが飛んでいったの」
エリカ「頭が痛くなってきたわ……」
小梅「とりあえず、隊長も含めて皆いっぱい心配してたんだよ」
エリカ「皆……って……」
エリカ「私のその痴態はどこまで広まったのかしら」
小梅「さあ……」
小梅「とりあえず、この前直下さんがラインで拡散してたけど」
エリカ「あの野郎、SNSに流出するってことはとっても重いのよっ!!」
小梅「あと、隊長もやっぱりすごく心配していて……」
小梅「最初はこの部屋に泊まって看病するって言ってたんだけど……」
エリカ「ええ!?」
エリカ「そ、そんな恐れ多い……!」
小梅「うん」
小梅「その事実知ったら、息吹き替えした逸見さんがそのままハンバーグ喉につまらせて自害しそうだったから……」
小梅「ちゃんと止めておいたよ」
エリカ「ちょっと」
小梅「逸見さん、隊長の通り道に置いてある小石をどけることに命を賭けてるとこあるもんね」
エリカ「私を何だと」
小梅「そう言ったら隊長、何か微妙な苦笑いを浮かべて納得してくれたよ」
エリカ「なに、あんたは羞恥で私を死に追いやりたいの???」
エリカ「……」
エリカ「ちゃんとお礼と謝罪に行ってこい、なんて言われなくても分かってるけど……」
エリカ「戦車道の授業、今日ないのよね……」
エリカ「まあ、居残り自主練はどうせ出るんだけど……」
エリカ「ああああああ気不味い……」
エリカ「何よハンバーグ射出って!」
エリカ「真っ直ぐ正面に射出って!!!」
エリカ「これじゃまるで……」
エリカ「……」
エリカ「まるで、人間戦車よね……」
エリカ「……」
エリカ「……」 ギュッギュッ
エリカ「……うん、やっぱり射出なんてされないわね……」
まほ「今されても困るがな」
エリカ「わひゃあああああ?!」 ピョイン
まほ「どうやら少々愉快な動きを出来る程度には元に戻ったようだな」
エリカ「た、たたたたた隊長っ!」
まほ「心配したぞ」
エリカ「す、すみません! すみません!」
まほ「いや、いい。エリカが無事ならば、それで」
エリカ「隊長……」 ジュン
まほ「それにしても、変な嘔吐をもうしなくなったようで安心した」
まほ「今のトライで射出されていたら、ハンバーグが通行人に直撃していただろうからな」
エリカ「すみません、無思慮でした……」
まほ「ああ」
まほ「次からは気を付けてくれ」 ポン
エリカ「はい……」
エリカ「……」
エリカ(締める所は締める厳しさがあり、それでいて優しさも感じる……)
エリカ(少し、不器用な所はあるけど、それでも、私より……)
エリカ「……」
エリカ(私にも……これだけの器があれば……)
まほ「……」
まほ「あの病気の症状だが……」
まほ「私でも分かる範囲で調べようとは思ったのだが……」
まほ「どうにも特殊すぎて、なかなかな……」
エリカ「そ、そんな! わざわざ隊長のお手を煩わせるようなことじゃあ……」
まほ「いいんだ、させてくれ」
まほ「エリカには、未来の黒森峰を背負って貰わなくちゃならないんだ」
まほ「……」
まほ「終わってからでは、何もしてやれないからな」
エリカ「隊長……」
まほ「まあ、エリカは私と違ってインターネットを使いこなしているから」
まほ「エリカの方が、こういうのは早く調べられるのかもしれないが……」
エリカ「い、いえ、そんな使いこなしているわけじゃ……」
エリカ「……」
エリカ「それに……」
エリカ「……」
まほ「それに……なんだ?」
エリカ「あ、いえ……」
エリカ「……」
まほ「何かあるなら、言ってみてくれ」
まほ「言ってみて――その後後悔したなら、そう言ってくれれば、私はその内容を忘れることを約束しよう」
エリカ「隊長……」
エリカ「……」 ギュッ
エリカ「ネットでも、調べきれなかったことがあって、その……」
エリカ「私の病気とは、あんまり関係ないと言えばないのですが……」
まほ「?」
エリカ「その……」
エリカ「あの子の……転校先っていうのは……」
まほ「あの子……ああ、みほのことか……」
まほ「そういえば二人は、友人だったな」
エリカ「……」
エリカ(友人、か……)
エリカ(正直――本当にそうだったのか、大分怪しいけどね……)
まほ「……そうだな」
まほ「エリカには教えておこう」
まほ「みほは――」
まほ「今、大洗女子にいる」
エリカ「――――――っ!」
まほ「……大洗女子は、遠い昔に戦車道をやめた学校だ」
まほ「みほとはもう、戦車道で見えることはないだろ」
エリカ(う、そ……)
まほ「……」
まほ「私は立場上、もう、みほの傍に居続けることは出来ない」
まほ「だから……」
エリカ(大洗って、あの夢の……)
まほ「エリカは、せめて……」
まほ「戦車道以外の道ででも、みほの傍にいてやってくれ」
エリカ(いや、でもまさか……)
まほ「……」
まほ「エリカ?」
エリカ「あ、はい!」
まほ「聞いているか?」
エリカ「も、勿論です!」
まほ「そうか、ならいいんだ」
まほ「……それじゃ、私は授業があるから」
まほ「放課後の訓練には顔を出すか?」
まほ「今日は大事を取って休んでいても構わないが」
エリカ「……」
エリカ「そう、ですね」
エリカ「少しばかり気分が優れないので、今日も休めたらと」
まほ「わかった。伝えておこう」
まほ「……」
まほ「さっき、言ったこと……」
まほ「頼んだぞ、エリカ」
エリカ「はい!」 パァァァァァ
まほ「じゃあな、お大事に」 スタスタスタ
エリカ「ありがとうございました!!」 ペッコリン
エリカ「……」
エリカ「頼むと言われて思わず笑顔で応えたけど……」
エリカ「何を頼まれたのか、全く聞いていなかった……」 ズーン
エリカ「今更聞けないし、どうしたら……」
エリカ「今日は休んでもいいって言ってたし、私の身を案じてくれていたし……」
エリカ「とりあえず、急がないとまずいような内容じゃないだろうけど……」
エリカ「ああ、どうしよう……」
エリカ「……」
エリカ「いや、どうしようは、それよりも……」
エリカ「昨日の夢と、記憶にない昨日の私のことよね……」
エリカ「ありえない……」
エリカ「ありえないはずだけど……」
エリカ「でも、でも……」
エリカ「あの子の転校先は当たっていたし……」
エリカ「ネットにない情報だから、どこかで無意識に目にしていたり耳にしていた情報じゃない……」
エリカ「それに、あの夢を見た日は、私の意識がなくて、まるで人間戦車みたいになっている……」
エリカ「た、多分、間違いない……」
エリカ「そんなの、信じられないけど……」
エリカ「でも、隊長すら知らない大洗戦車道復活が、本当のことだとしたら……」
エリカ「私はリアルな夢を見ていたんじゃあない……」
エリカ「Ⅳ号戦車に憑依していたんでもない……」
エリカ「私……私……Ⅳ号戦車と――――」
エリカ「今更聞けないし、どうしたら……」
エリカ「今日は休んでもいいって言ってたし、私の身を案じてくれていたし……」
エリカ「とりあえず、急がないとまずいような内容じゃないだろうけど……」
エリカ「ああ、どうしよう……」
エリカ「……」
エリカ「いや、どうしようは、それよりも……」
エリカ「昨日の夢と、記憶にない昨日の私のことよね……」
エリカ「ありえない……」
エリカ「ありえないはずだけど……」
エリカ「でも、でも……」
エリカ「あの子の転校先は当たっていたし……」
エリカ「ネットにない情報だから、どこかで無意識に目にしていたり耳にしていた情報じゃない……」
エリカ「それに、あの夢を見た日は、私の意識がなくて、まるで人間戦車みたいになっている……」
エリカ「た、多分、間違いない……」
エリカ「そんなの、信じられないけど……」
エリカ「でも、隊長すら知らない大洗戦車道復活が、本当のことだとしたら……」
エリカ「私はリアルな夢を見ていたんじゃあない……」
エリカ「Ⅳ号戦車に憑依していたんでもない……」
エリカ「私……私……Ⅳ号戦車と――――」
なんかこのエリカあなたの部屋はあの日のままにしてあるからいつでも安心して還ってきなさいとか言い出しそう
眠たいので早く終わりそうですが、そんな何日にも渡ってやるようなネタでもないので、サクサクやりたいと思います
(ここで2度目くらいのオープニング曲がスタート)
エリカ「……」 ポチポチポチポチ
メール『メモ』
メール『今まで起きた入れ替わりは二回』
メール『相手はいずれも大洗女子のⅣ号戦車』
メール『車長はあの西住みほ』
メール『操縦手や、みほと寝たというナルコレプシー』
エリカ「……何って名前だったかしら……」
エリカ「まあいいわ」
エリカ「夢のように記憶が薄れきる前に、メモを取らないと……」
メール『通信手は脳味噌ゆるふわタケベサオリ』
メール『装填手は小型犬ゆるふわアキヤマユカリ』
メール『砲手はトリガーハッピー黒髪ハナ』
エリカ「……」
エリカ「前、あれだけ練習してたのよね……」
エリカ「……」
エリカ「あの子が、大洗で戦車道を続けてるのは、やっぱり納得いかない……」
エリカ「私は……戦車として、どうしたら……」
エリカ「……」
エリカ「……」
エリカ「いやいやいや、何よ戦車としてって、落ち着きなさい私」
エリカ「とにかく、情報がいるわね……」
エリカ「特に、入れ替わってた時の“私”の情報」
エリカ「……」
エリカ「今のところ、動き回ったって報告は聞いてないのよね」
エリカ「……赤星が言うとおり、物にも魂はあった」
エリカ「でも自我まではない、植物みたいなものってことかしら」
エリカ「問題は、胸の間を押したらハンバーグが射出されるやつよね……」
エリカ「おそらく砲撃スイッチってことなんだろうけど……」
エリカ「心臓マッサージ不要って皆に伝えるとはいえ、初見の人間にされたら押されるのは間違いない」
エリカ「……ハンバーグ以外吐いてたかきいて、ハンバーグだけなら夕飯以外は弾にならないってことかもしれないし……」
エリカ「これから毎日、夕食はウィダーインにでもしようかしら……」
エリカ「赤星」
小梅「どうしたの、逸見さん」
小梅「ハンバーグ吐きそうなら、ポリバケツか的を用意するけど」
エリカ「水洗便所でもう一度水難遭ってみる?」
小梅「それで、どうしたの逸見さん」
エリカ「ちょっと、長文のメール送ったから」
小梅「メール?」
エリカ「……昨日とか、この前とか、おかしくなったことがあったでしょ」
エリカ「私なりに、そのときの情報をまとめて、対策を書いておいたわ」
エリカ「まあ基本は放置してってことなんだけど……」
エリカ「またああならないとは限らないし」
エリカ「またああなったら、その時どうだったか、貴女に観察と報告を頼みたいの」
小梅「ふえ、私でいいの?」
エリカ「……ま。ルームメイトだしね」
小梅「ルームメイトなら、直下さんもだけど」
エリカ「あの子は、まあ」
エリカ(まあ、これで少しでも傷を浅くするとして……)
エリカ(実際これからどうするかよね)
エリカ(そんなに頻繁に入れ替わらないといいんだけど、でも……)
エリカ(この感じの頻度だと、きっと、また――)
エリカ(……)
エリカ(眠れないわね……) パカ
エリカ「……」 カチカチカチ
『西住みほ』
エリカ(……)
エリカ(載ってる情報は、どれを見ても、私も知ってるものばかりね)
エリカ(西住流の後継者である西住隊長の右腕として、最高のパフォーマンスをする、史上最強のナンバー2……)
エリカ(……)
エリカ(あの子は……)
エリカ(私がどうしても欲しかったソレを、欲してなんてなかったのね……)
エリカ(そんなこと書いてる記事、どこにもないけど……)
カチカチカチ
エリカ(あ、水着グラビア)
小梅「あ、ごめん逸見さんそういうことするならお手洗いを使ってほし――」
エリカ「わざわざベッドを登ってきてまで何出歯亀してるのかしら」
小梅「ぼ、ボクササイズでキレを身に着けた右ストレートで梯子から落とすの普通に危ないよ逸見さん」 イテテ
直下「どうしたの、何かすごい音したけど」
エリカ「なんでもないわよ、アホがちょっと落下しただけ」
小梅「あのね、逸見さんが眠れぬ夜は君の名をググるよ的なロマンチックな行為を」
エリカ「赤星」
直下「え、誰の名前誰の名前?」
小梅「それがね、みほさんだったの」
エリカ「赤星!!!!」
直下「あー……やっぱり、逸見さんってそうなんだ」
小梅「さっき昔戦車道雑誌でいやいや撮ったっていうグラビア画像を……」
エリカ「バカ星!!!!!!!!!!!!!」
直下「まあまあ、思春期ならそういうことも」
エリカ「ちょっと!」
小梅「ツンデレってやつだったんだね」
エリカ「ここぞとばかりに死ぬまでマウント取ろうとしてくるんじゃないわよ!」
直下「バイブもローターも持ち込み禁止だからないけど……」
直下「代わりにプラズマダッシュモーター使うか?」
エリカ「使うわけないでしょそんなもん!!」
直下「じゃあ、スタビライザーポール」
エリカ「使わないってーの!」
エリカ「大体実際使われたらアンタちょっと困るでしょうが!」
エリカ「はあ……」
エリカ「まったく頭が痛いわ……」
エリカ(天下の黒森峰とはいえ、やはり所詮は女子高校生ね……)
エリカ(マリオカートに夢中でミーティングに来ないような子もいるし)
エリカ(やはり戦車道の授業程度だと、練度はあれど、意識の面で一流なのは極わずか、か)
小梅「あ、それと逸見さん」
エリカ「なによ、私はもう寝るわよ」
小梅「夕食、食べてなかったみたいだけど……」
小梅「食べても大丈夫だよ」
エリカ「……はあ?」
小梅「そりゃあ、また病気かなにかで発射されちゃうかもしれないけど……」
小梅「お部屋が汚れるだけなら、一緒に片付ければいいだけだから」
小梅「ご飯を抜いて、逸見さんが隊長崩しちゃう方が、その、嫌だなって」
エリカ「……」
エリカ「ふん」
エリカ「私のこと気にかけてる暇があるなら、早く寝なさい」
エリカ「明日は朝早くから練習あるでしょ」
小梅「ふふ……そうだね」
小梅「おやすみ、逸見さん」
エリカ「……おやすみなさい」
直下「布団に潜って指挿れたあとはちゃんと洗ってから寝るんだよ」
エリカ「出来ればそのまま眠りから覚めてこないで」
エリカ「ん……」
エリカ「くあ……」
エリカ「……」
エリカ「ああ、またこの景色」
エリカ「ということは……」
ガラガラガラ
みほ「……」
華「いよいよですね」
みほ「うん……」
エリカ「やっぱり、今日はⅣ号になってるってことね」
エリカ「……ん?」
エリカ「人数が少ないような……」
エリカ「秋山と武部、あとあのナルコレプシーはどこに……」
華「本当に、大丈夫なのでしょうか」
みほ「うん」
みほ「冷泉さん、朝、思ったよりも弱いみたいで……」
みほ「迎えにいかないと……」
エリカ「……」
エリカ「はあ!?」
エリカ「あ、あの女を朝から私で迎えに行く気なわけ!?」
エリカ「さすがに甘やかしすぎというか、何、あんたアイツの寝起き知ってるくらい、その……!」
華「あ、あら?」
みほ「どうか、しましたか?」
華「いえ……なんだか、全然上手くエンジンがかからなくて……」
エリカ「そんな舐めた理由で戦車を動かそうなんてねぇ」 ガミガミクドクド
みほ「ちょっと見せて下さい」
エリカ「あっ、ちょ、バカどこ触って……!」
みほ「朝早くからごめんね」
みほ「まだ眠いかもしれないけど……」
みほ「動いてくれると嬉しいかな、なんて」 サワッ
エリカ「ひゃうっ」
華「……?」
華「こういうときは、話しかけると効果が……?」
みほ「あ、ううん」
みほ「ええと、なんていうか……」
みほ「小さい頃、上手く動かないときは、こうしてたんだ」
みほ「訓練では、お姉ちゃんの補佐をするため車長に専念させられたけど……」
みほ「それでもよく、お姉ちゃんと一緒に戦車を動かすのが好きで」
みほ「でも上手く動かない度、こうしてお願いすると、不思議と、ちょっと動いたりしたんだ」 アハハ
エリカ「ばっかじゃないの」
エリカ「そんなオカルト、効果あるわけないでしょ」
エリカ「……まあ、今の私がオカルトの極みみたいなものではあるけどさ」
華「ふふ……とても素敵だと思います」
華「お花だって、言葉をかけて育てると綺麗になると言いますし」
華「きっとそういう戦車への愛情が、上手く動かすコツなんですね」
エリカ「……」
エリカ「愛情、ね……」
エリカ「まったく、特別に力を貸してあげるんだから感謝しなさいよ」 キュラキュラキュラ
華「ええと、次右でしたっけ」
みほ「はい、そこで止めて下さい」
華「空砲というのは……」
みほ「これを」
エリカ「……空砲ってまさか」
みほ「目覚まし作戦、開始します!」
華「照準はどこに合わせればいいんでしょう」
華「空砲ですし、あそこを歩いているおじいちゃんの頭とかでも……」
エリカ「ねえこの娘マジで砲手やらせて大丈夫? いつか人殺さない?」
ズドン
華「はぁ……」 ウットリ
エリカ「ううん……」
エリカ「やっぱり自分の体で砲撃されるって変な感じね……」
エリカ「人間ポンプってこんな感じなのかしら……」
おじさん「なんだ!?」
おばさん「どうしたの!?」
みほ「すみません、空砲です」
おじいさん「大変じゃあ、空襲警報だそうじゃ!」
みほ「あ、ええと、そうじゃなくて、その、音だけを出すための」 ワタワタ
おじいさん「防空壕じゃあ、防空壕に駆け込むんじゃあ!」
華「どうしましょう、やはり撃っておきましょうか……?」
エリカ「やはり、じゃないわよ何狙いを定めてんのよ」
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