元スレ京太郎「俺が三年生?」誓子「えっちなこと……しても、いいよ?」
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51 = 49 :
初美ちゃんェ…
52 = 1 :
『くそ、どこいったんだ』
『絶対見つけるぞ』
『今度はあっちを探してくる』
『ああ、連れ回されてる女の子のためにもな』
京太郎「ふーっ、ふーっ……!」
初美「またなのですか? ……まさかここで私を!?」
京太郎「頼むから黙ってて!?」
京太郎(くっそう、警備員の数が増えてやがる)
京太郎(一体何でこんな……)
京太郎「……」
初美「? 私の顔になにかついてますか?」
京太郎(うん、紛れもなくこいつのせいだな!)
53 = 1 :
初美「もう、こんな所に隠れてたらなんにも楽しめないのですよ!」ガサッ
京太郎「あっ、バカっ」グイッ
初美「あうっ」
『――! 何の音だ?』
京太郎(やばい、気づかれたか……!?)
京太郎(てかなんで縁日で人も多いのに、こっちの音を正確に察知できるんだよ!)
初美「やっ、もう……いい加減にするのですよ!」ジタバタ
京太郎「あ、暴れんなって」
初美「いーやー!」
京太郎(やばいやばいやばいやばい!)
京太郎(こんなことで捕まるとか嫌すぎるだろ!)
京太郎(どうにかこうにかして、まずはこいつを黙らせないと……!)
京太郎(……ええい、ままよっ――)
54 = 1 :
ここで唐突にコンマ
高ければ高いほどいい感じです
直下
55 = 44 :
あ
57 = 48 :
……イチオオイ
58 = 1 :
コンマ61以上 熱烈なハグ
京太郎「――いいから、黙ってろよ」ギュッ
初美「ふぁっ」
京太郎「これ以上騒ぐと、口塞ぐぞ」
初美「ふ、塞ぐって……」
初美(もしかして、キスなのですか!?)
初美(そんな、心の準備がまだ――)
初美「……」
京太郎「?」
京太郎(黙ったのはいいけど、なんで目を閉じてるんだ?)
京太郎(まぁ、手で抑える必要がなくなったのはありがたい)
初美「……」ソワソワ
京太郎(……待て、もしかして勘違いしてるんじゃないだろうな)
京太郎(いや、まさかな……)
59 = 1 :
初美「……?」
初美(ま、まだなのですか?)
京太郎(まさかとは思うけど……うん)
京太郎(触れないでおこう。結果的には静かになったし)
京太郎「よし、おとなしくなってくれたか……じゃあ、戻るぞ」
初美「えっ」
京太郎「ほとぼりが冷めるまで上に退避だ」
60 = 1 :
京太郎「つ、疲れた……」グッタリ
京太郎「なんであんなことに……」
小蒔「あ、京太郎様」
小蒔「戻ってたんですか?」
京太郎「ああ、予想外のアクシデントにみまわれてな……」
小蒔「あくしでんと? そういえば初美ちゃんの機嫌が悪かったような……」
京太郎「それな……(社会的に)生きるか死ぬかの瀬戸際だったぜ」
小蒔「そ、そんなことが……!」
京太郎(しかし、腹減ったな……)グゥ
京太郎(あいつに奢ってばっかで俺はほとんど食べてないからな)
61 = 1 :
京太郎「夕飯はもうすぐだっけ?」
小蒔「あ、お腹空きましたか?」
京太郎「ちょっとな」
小蒔「お饅頭、食べます?」
京太郎「……一個ぐらいなら大丈夫か」
小蒔「お茶もご用意しますねっ」
京太郎「俺も手伝うよ。忙しかったんだろ?」
小蒔「そんな……京太郎様だって疲れてますよね」
京太郎「いいんだよ、待ってるだけってのも暇だしな」
小蒔「わかりました。あ、初めての共同作業ですね!」
京太郎「あってるような、あってないような……?」
「見てみて、やっぱり本命は姫様かしらね?」
「あんた昔から本当にそういうの大好きだったよね。正直ダルい」
「やだもぉ、じゃなきゃ駆け落ちなんてしないわよ!」
「……はぁ、白望たちはまだかな」
「あ、白望ちゃんかわいいわねぇ。うちのにちょっと面影が似てるし」
「あんたの子と違ってめんどくさがり屋だけどね。まったく、誰に似たんだろうね」
「ブーメランもほどほどにねー」
「は?」
62 = 1 :
白望「ふぅ……」
エイスリン「シロ、オツカレ?」
白望「ちょっと夕飯食べて気が抜けたかも」
エイスリン「? イツモノコトダヨ?」
白望「ダル……」
白望(疲れてる、というより戸惑ってる)
白望(状況の整理がまだ追いついてないのかな)
春「お風呂の準備できたけど、入る?」
エイスリン「ロンオブモチ!」
白望「どこで覚えてきたのそれ。面白外人みたいな」
エイスリン「Hmm……リンカイ? ビデオデイッテタ」
白望「……そんなのあったっけ?」
春「小瀬川さんは?」
白望「私は……後でいいや」
白望(ちょっと考え事もしたいしね)
春「わかった、じゃあ用意だけしておく。あんまり遅くなる前に入って」
白望「ん、ありがとう」
エイスリン「ヒトップロ、アビテクル!」
白望「いってらっしゃい」
63 = 1 :
京太郎「やりぃ、俺の勝ちだ!」
「また負けたかー。お前今日はついてるなぁ」
京太郎「ん、ああ、まあ……」
京太郎(エイスリンとあれやこれやあったしな……)
京太郎「ポーカーやめてスピードでもやる?」
「ダメだ、お前反射神経いいし」
京太郎「なんだ、つまんないなー」
「やめだやめ。俺は向こうで小瀬川さんと飲んでくるけど、お前は?」
京太郎「未成年に酒勧めようとすんなよ」
「まったく、変なところで真面目だな」
京太郎「いいから行けって、俺は適当に暇つぶしてるから」
「お、夜這いか?」
京太郎「あーもう、うるさい!」
64 = 1 :
京太郎「まったく、こっちをからかうことばかり言いやがって」
京太郎「夜這いなんかしたら……受け入れそうなやつはいるな」
京太郎「違う違うっ、夜這いはどうでもいいんだよ!」
京太郎「いやでも、万が一って事態もあり得るし……」
京太郎「……よし、念のためだ。もしそういう状況に陥ったときに言うセリフでも考えてみるか」
――コンコン
京太郎(暴れんな、暴れんなよ……とか?)
京太郎(いや、なんか睡眠薬盛った後に言いそうなセリフだし)
京太郎(なぁ……スケベしようや……とか?)
京太郎(いや、これはさすがに気持ち悪い)
京太郎(お前が好きだぁぁーー!! お前が欲しいぃぃーー!!)
京太郎(いや、うるせぇよ。夜這いしに行って自分で大声あげまくるってどういうことだよ)
京太郎(でも、直球ってのは悪くないな)
京太郎(そんなに熱くなくてもいいから、ここはストレートに――)
――ガラッ
65 = 1 :
巴「お風呂空きましたけど――」
京太郎「――お前のことが好きだったんだよ……!」
巴「え、えっ……!?」カァァ
京太郎「……あれ?」
巴「えと、それはさすがに……あっ、けして嫌だとかそういうことではないんですけど……」モジモジ
京太郎「か、狩宿?」
巴「やっぱり姫様を差し置いてというのは……と、とにかくっ」
巴「こ、心の準備がまだできませんっ……!」ダッ
京太郎「待てっ、狩宿さんウェイトウェイトっ!」
66 = 1 :
巴「……はぁ、演劇の練習だったと」
京太郎「う、うんまぁ、そんな感じ。悪い、ノックにも気づかなかった」
巴「あ、いえ……勘違いしたのはこっちですし」
京太郎「ホント悪い。今度なんかお詫びするよ」
巴「簡単にお詫びなんて言っちゃダメですよ? これがはっちゃんだったら好き放題されちゃうんですから」
京太郎「……たしかに」
巴「じゃあ、お風呂にはいつでも入れますから」
京太郎「ああ、親父たちにも伝えとく」
巴「お願いしますね」
京太郎「風呂ね……旅館じゃないから男女分かれてないんだよな」
京太郎「ま、だいたい時間で分けてるから大丈夫だとは思うけど」
67 = 1 :
京太郎「やっぱり広いなー、一人だと尚更」
京太郎「親父達は後で入るみたいだし、独り占め状態か」
京太郎「……落ち着かないな」
京太郎「まぁ、ゆっくりはできるか」
――カラカラ
京太郎(あれ、もう来たのか。早いな)
――シャー
京太郎(うちの親父にしては静かだな。小瀬川のおじさんか?)
――チャポン
68 = 1 :
白望「……ふぅ」
京太郎「……」
白望「……え?」
京太郎「奇遇、だな?」
白望「……ダル」
京太郎(ナイスおもち! ……じゃなくて!)
京太郎(なんでこいつタオルで体隠してないんだよっ)
京太郎(あ、自分一人だって思ってたら特に隠さないか……でもなくて!)
京太郎(どうして小瀬川がここに……)
69 = 1 :
白望「……あんまり見ないで。さすがに恥ずかしい」
京太郎「あ、悪い。今出るから」
白望「なんで?」
京太郎「なんでって……色々まずいだろ」
白望「いいよ、別に。減るもんじゃないし……ちょっと恥ずかしいけど」ボソッ
京太郎「いやいや、もうちょっと恥じらえよ」
白望「そういうのダルいから」
京太郎「はぁ~、わかった。あんまり気にしないことにする」
白望「ん」
京太郎「俺はあったまったら出てくから、そっちも好きにしろ」
白望「わかったよ」
70 = 1 :
京太郎「……」
白望「……」
京太郎(なんて)
白望(言ったけど)
京太郎(くそっ、海綿体に血が……!)ギンギン
京太郎(体隠さないから一瞬全部見えちゃったんだよ……)
京太郎(収まる気配がない……これじゃ出るに出られない!)
白望(まいったなぁ……普通に恥ずかしいや)カァァ
白望(ちょっと見栄張っちゃったかな)
白望(湯船から出たらまた全部見えちゃうし……)
京太郎「……」
白望「……」
((どうしよう……))
71 = 1 :
京太郎「……ま、まだ出ないのか?」
白望「そっちこそ……」
京太郎「俺はまだまだ。ほんの数ミクロンしかあったまってないからな」
白望「私も、普段長風呂だから」
京太郎(って、なんで我慢大会みたいになってんだよ!)
京太郎(いい加減限界だぞ……)
京太郎(……なんとかなんないか)
白望(……なんでこんなダルいことになってるかな)
白望(さすがにもうキツいよ……)
白望(どうにかしないとね)
72 = 1 :
京太郎(方法その1、羞恥心を捨て去る)
白望(でも、それが原因でこんなことになってるんだよね……)
京太郎(方法その2、相手の目をそらす)
白望(でも、そんな目を引くものはここにはないんだよね……)
京太郎(相手になにをするでもなく、見られないように脱出する方法――)
白望(そんなの――)
((――ある……!))
京太郎(なんで気づかなかったんだ、こんな簡単なことに!)
白望(相手から隠すのは、見られたくない部分だけ)
京太郎(つまり――)
白望(要するに――)
((――相手に背中を向けて移動すればいい!))
73 = 1 :
京太郎(そうと決まれば……)クルッ
白望(早速背中を向けて……)クルッ
――ザパッ
「「――!?」」
京太郎(なっ、今の音……!)
白望(同時に、立ち上がった?)
京太郎(くそっ、考えることは一緒だったってことかよ……!)
白望(ダル……このまま進んだら入口でぶつかるし)
京太郎(どう、切り抜ける……?)
――ガラッ
74 = 1 :
「いやぁ、小瀬川さんも飲みますねー」
「いえいえ須賀さんこそ。おかげで足元が危うい危うい」
京太郎「……」
白望「……」
「あれ、なにやってるんだお前ら」
「し、白望っ!? なんで京太郎くんと風呂に……!」
京太郎「……ダル」
白望「そう言いたいのは私なんだけど」
75 = 1 :
京太郎「くっ、やっと解放された……」
白望「足が痺れた……」
京太郎「まさかこの歳であんな説教くらうとはな」
白望「ごめん、お父さんが勘違いしちゃったみたいで」
京太郎「いや、勘違いしてもしかたないだろ」
京太郎(裸の男女が風呂場で……ましてや俺の方はアレだったしな!)
京太郎「しかし、もうすぐ日が変わるな」
白望「新年だね……エイスリンたちは下かな?」
京太郎「だろうな、小蒔たちも色々忙しくしてるんじゃないか?」
白望「じゃあ」
京太郎「そうだな」
白望「とりあえず、ここでゆっくりしてようかな」
京太郎「せっかくだし一緒に下降りるか」
白望「……ダル」
京太郎「よし、じゃあ早速行こうぜ。初詣だ初詣」ガシッ
白望「ちょっ」
76 = 1 :
白望「さっきより人多い、ダルい……」
京太郎「そりゃ初詣が本番だからな」
白望「そもそもこの組み合わせがおかしいよ」
京太郎「俺とお前か?」
白望「私はほっといてエイスリンと一緒にいればいいのに」
京太郎「まぁそう言うな。一緒に説教くらった仲だろ」
白望「どんな仲なのさ、それ」
京太郎「一緒に風呂に入った仲でもあるしな」
白望「……帰る」
京太郎「待て待て! 冗談だから!」ガシッ
77 = 1 :
京太郎「さて、気を取り直して……どこ行く?」
白望「あそこのベンチ」
京太郎「休む気満々か! 却下」
白望「うるさいなぁ、もう」
京太郎「せっかくだし年越しそば食おうぜ、年越しそば」
白望「海老天がいい」
京太郎「あ、あったっけ?」
白望「それ以外は却下で」
京太郎「ま、マジかぁ……」
白望「……なんて、冗談――」
京太郎「よし、持ってくるから座って待ってろ――じゃ」
白望「――だったんだけど、行っちゃったね」
白望「さすがに待ってなきゃダメだよね」
白望「……ダルいなぁ」
78 = 1 :
京太郎「うーん、やっぱ天ぷらそばはないか」
京太郎「どうすっかなぁ」
京太郎「最悪出前でも……ん?」
京太郎「そっか、エビを食わせる店自体はあるんだな……」
京太郎「……まぁ、やってみるか」
79 = 1 :
白望「……寒い」
白望「遅いな……なにやってるんだろ」
白望「律儀に待ってるなんてバカらしいよね」
白望「でも、ここで帰るのもダルいし……」
京太郎「お、ちゃんと待ってたか」
白望「別に、動くのがダルかっただけ」
京太郎「まぁ、なんでもいいけどな。ほら」
白望「これ……あったんだ」
京太郎「てかお前、ないのわかってて言ったろ」
白望「冗談のつもりだったんだけどね。すぐ行っちゃうから」
京太郎「せっかく作ってきたんだ、ありがたく食ってくれ」
白望「作った?」
京太郎「ああ、材料分けてもらってさ。そばの上に乗っけた」
白望「まさかそこまでするなんて」
京太郎「どうだ、これでもう帰るなんて言えないだろ」
白望「しょうがないね……ダルいけど付き合うよ、初詣」
京太郎「んじゃ、そば食おうぜ」
80 = 1 :
京太郎「小蒔たちは見当たらないな」
白望「エイスリンもいないね」
京太郎「だれかと一緒にいるとは思うけどな」
白望「この人の多さだからね……ダルい」
京太郎「ま、俺らは俺らで楽しもうぜ」
白望「……」
白望(付き合うとは言ったけど、やっぱりまずいかな)
白望(エイスリンにもだし、それに神代さんも……)
白望(見つかったらダルいどころじゃなくなるかな)
京太郎「なにぼーっとしてるんだよ、ほら」グイッ
白望「……引っ張らなくてもちゃんと歩くよ」
京太郎「でもはぐれたらダルい、だろ?」
白望「……先回りとか、ダルい」
81 = 1 :
京太郎「なにお願いした?」
白望「受験合格」
京太郎「うわ、思い出したくないこと思い出した……」
白望「そっちは?」
京太郎「いや、俺は……」
白望「人に聞いといて言わないのは不公平」
京太郎「なんというか、目標を見つけるのがお願いというか」
白望「なにそれ」
京太郎「悩み多き年頃ってやつ?」
白望「ふーん、余裕あるんだね」
京太郎「どうせ高校出るまでには決めなきゃいけないことだしな」
白望「ま、頑張って……勉強の方も」
京太郎「だからそれはやめようぜ……」
82 = 1 :
京太郎「お賽銭投げ込んだし……次、どうする?」
白望「なんでもいい」
京太郎「なんでもいい、ね」
白望「こういう意見はダルかった?」
京太郎「いいや、あれだけ戻りたがってたのにって思って」
白望「……別に、人ごみにも寒さにも慣れただけだから」
京太郎「じゃあまだ連れ回せるってことだよな」
白望「お好きに。もう諦めたから」
京太郎「とか言って、本当は楽しんでるだろ?」
白望「そういうのダルい」
京太郎「あ、はい」
83 = 1 :
京太郎「もらってきたぞ」
白望「……甘酒?」
京太郎「せっかくだしな、一回は飲んでおこうと」
白望「私は二回目だけど」
京太郎「あー、嫌いだったか?」
白望「別に、いただきます」
京太郎「うん、甘ったるくてあったまるな」
白望「……今更だけど、君って馴れ馴れしいね」
京太郎「よく言われるな、それは」
白望「そんな仲良いわけでもないのにさ」
京太郎「ちょっ、この前一緒に遊んだろ」
白望「そういう時は豊音とかエイスリンがメインで、私はおまけみたいなものだしね」
京太郎「俺はそう思ったことはないけどな……」
白望「まあ、なんでもいいけどね……ゴメン、ダルいこと言ったね」
84 = 1 :
白望(ダメだ、なんかもやもやしてる)
白望(二人に悪いと思ってるから?)
白望(もっと考えればわかりそうだけど……)
京太郎「そこまでストレートに言われると驚くけど、別にダルくはないな」
白望「そう?」
京太郎「要するに、そっちとしては友達の友達って感覚だったわけだ」
白望「……」
京太郎「でもちょっとでも本音を出したんならさ、それこそ友達の第一歩だろ」
京太郎「だから、あらためてよろしく」
85 = 1 :
白望「……なんで君と私が似てるなんて言われるんだろうね」
京太郎「はとこだからか?」
白望「外見だけの話じゃなくてさ」
京太郎「ふむ……じゃあ、クラスに来たばかりで馴染めていない留学生がいたとする」
白望「いやに具体的だね」
京太郎「ただの設定だ。……それで、お前はそいつをほっとくか?」
白望「それは……」
京太郎「ダルいからほっとかない、だろ」
白望「……あたってるけど、どうして?」
京太郎「俺も同じだからだ」
京太郎「目に入らなかったらそれはそれでいいんだよ」
京太郎「でも、目に入って気にしちゃうとアウトだ」
京太郎「もやもやして、ほっておけなくなる」
京太郎「つまりさ、自分のためだ。スッキリしたいからそうしてるようなもんだ」
86 = 1 :
京太郎「俺としてはこんなとこだな」
白望「結構自己中だね、君」
京太郎「これでも丸くなったとは思うんだけどな」
白望「でも、そっか……たしかにそうだね」
京太郎「加えて言うなら、そのエゴっぷりで誰かと仲良く出来たら儲けもんってところか」
白望「……その開き直りっぷりは羨ましいな」
京太郎「そんな褒めんなよ」
白望「別に褒めてないけど……まあ、半々ってところ」
京太郎「半分もありゃ十分だよ。ほら、冷めるぞ」
白望「まだ温かいから大丈夫――」ドンッ
「あ、ごめんなさーい」
「ほら、急がないと遅れるって」
「おいてかないでよー!」
87 = 1 :
京太郎「なんだあいつら……大丈夫か?」
白望「上着にはかかってない、けど」
京太郎「ああ、靴か」
白望「まいったなぁ」
京太郎「歩けるか?」
白望「歩ける……けど」ヌチャ
白望(……気持ち悪い)
京太郎「こりゃ、一回上に戻ったほうが良さそうだな」
白望「だね、洗っときたいし」
京太郎「よし、とりあえず靴は脱いどけ」
白望「脱いだら歩けないんだけど」
京太郎「心配すんな、歩く必要なんかないから」
88 = 1 :
京太郎「お客さん、乗り心地は?」
白望「……別に」
京太郎「はは、ダルくはないってとこか」
白望「転んだら困るから前見て」
京太郎「はいはい」
白望(……なんでおんぶされてるんだろ)
白望(ラクだからいいんだけどさ)
白望(でもやっぱり、なんかもやもやするな)
89 = 1 :
京太郎「そういや、昔からの付き合いなのか?」
白望「いきなりなに?」
京太郎「臼沢と鹿倉」
白望「そうだけど」
京太郎「俺と久ちゃんもそうなんだよ」
白望「知ってる」
京太郎「だろうな」
白望「仲良いよね。口説いたの?」
京太郎「なんでそうなるんだよ……逆だ。口説かれた」
白望「ふーん、どんなふうに?」
京太郎「興味津々か」
白望「多人の馴れ初めを聞くのはダルくない」
京太郎「えっと、そうだな……」
京太郎「私の誕生日に辛気臭い顔すんなって蹴飛ばされた」
90 = 1 :
京太郎「そんなんだから軽く喧嘩になったりしたな」
白望「それ、本当?」
京太郎「当時は俺もトゲトゲしててさ」
白望「なんか想像できないけど」
京太郎「俺の髪、自毛だから。それで色々あってさ」
白望「……」
『うわっ、こいつの髪真っ白だ!』
『全部白髪とかハンパねーな!』
京太郎「ま、そんなの今更気にしてないけどな」
白望「色々あるよね、そういうのホントダルい……」
京太郎「でも、認めてくれる一言があるってだけで違うもんだ」
『そのかみ、お日さまにあたるとキラキラしてきれいじゃない』
京太郎「久ちゃんってさ、きっと男だったら絶対修羅場ってたと思うな」
白望「……それ、君が言うの?」
京太郎「うっ……俺の話は置いとこうぜ」
91 = 1 :
白望(自毛で色々あって……そんなとこまで一緒なんてね)
白望(認めてくれる一言か……)
京太郎「そういや綺麗だよな、お前の」
白望「私の?」
京太郎「その髪、月の光に透かすとさ」
白望「……ダル」
白望(――ダルく、ない)
京太郎「はは、キザったらしかったか?」
白望「ホントダルい」
白望(――ダルくなんか、ない)
白望「……」ギュッ
京太郎「なんだ、疲れたのか?」
白望「君の背中はダルくないから……」
京太郎「気に入ってくれたようでなによりだよ」
白望「ホントもう……」
白望(もやもや、増えちゃったな)
92 = 1 :
京太郎「それじゃあ、エイスリンは小瀬川と帰るのか」
「まあ、陸路で長野経由だとどうしても時間かかるしな」
京太郎「それにしては俺たちは車なんだな」
「車じゃなきゃカピのやつを連れてこれないからな」
京太郎「それもそうか」
白望「ちょっといい?」
京太郎「なんだ、もうすぐ出るんだろ?」
白望「その前に一つ、言っておこうと思って」
「……さて、俺は母さんのとこに行ってくるか」
京太郎「ん、ああ」
93 = 1 :
京太郎「それで、言いたいことってなんだ?」
白望「……ちょいタンマ」
京太郎「?」
白望「……迷ったけど、これに決めた」グイッ
京太郎「――んむっ!?」
白望「――んっ」
京太郎「……えっと、なにこれ」
白望「別に、エイスリンともしてるでしょ」
京太郎「いやいや、そういう問題じゃなくてっ」
白望「嫌だったなら謝るけど」
京太郎「正直役得……ってそうでもなくてっ」
白望「とにかく、言いたいことは言った……つもり」
白望「それじゃあ……君といるの、ダルくないから」
94 = 1 :
京太郎「……言いたいことって」サスサス
「終わったか?」
京太郎「おわっ! いたのかよ!」
「白望ちゃんが向こうに行ったから頃合かと思ってな」
京太郎「……そうかよ」
「それで……どうだった?」
京太郎「なにがだよ」
「したんだろ、キス」
京太郎「やっぱり見てたんじゃねーか!」
「だから見てないって。推測とカマかけだ」
「白望ちゃんが顔赤くしながら離れてった」
「そして戻ったらお前も顔赤くして唇をさすってた」
「むしろ簡単すぎるな」
京太郎「頼むからもうやめてください……」
95 = 1 :
エイスリン「シロ、カエリイッショ!」
白望「……」
エイスリン「ドシタノ?」
白望「ああ、ごめん」
エイスリン「ダイジョブ?」
白望「具合は悪くないよ」
白望(でも……)
白望「エイスリン」
エイスリン「What?」
白望「せめて悔いが残らないようにしたいね」
エイスリン「?」
白望「ごめん、ダルいこと言った」
96 = 1 :
ようやく終了……長かった
インハイ決勝戦大将卓の1.5倍弱……
ともあれ、安価はまた今度です
おやすみなさい……ってもう朝か
それじゃ
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