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    元スレ京太郎「俺が三年生?」誓子「えっちなこと……しても、いいよ?」

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    51 = 49 :

    初美ちゃんェ…

    52 = 1 :




    『くそ、どこいったんだ』

    『絶対見つけるぞ』

    『今度はあっちを探してくる』

    『ああ、連れ回されてる女の子のためにもな』


    京太郎「ふーっ、ふーっ……!」

    初美「またなのですか? ……まさかここで私を!?」

    京太郎「頼むから黙ってて!?」


    京太郎(くっそう、警備員の数が増えてやがる)

    京太郎(一体何でこんな……)


    京太郎「……」

    初美「? 私の顔になにかついてますか?」


    京太郎(うん、紛れもなくこいつのせいだな!)

    53 = 1 :



    初美「もう、こんな所に隠れてたらなんにも楽しめないのですよ!」ガサッ

    京太郎「あっ、バカっ」グイッ

    初美「あうっ」


    『――! 何の音だ?』


    京太郎(やばい、気づかれたか……!?)

    京太郎(てかなんで縁日で人も多いのに、こっちの音を正確に察知できるんだよ!)


    初美「やっ、もう……いい加減にするのですよ!」ジタバタ

    京太郎「あ、暴れんなって」

    初美「いーやー!」


    京太郎(やばいやばいやばいやばい!)

    京太郎(こんなことで捕まるとか嫌すぎるだろ!)

    京太郎(どうにかこうにかして、まずはこいつを黙らせないと……!)

    京太郎(……ええい、ままよっ――)

    54 = 1 :

    ここで唐突にコンマ
    高ければ高いほどいい感じです


    直下

    55 = 44 :

    57 = 48 :

    ……イチオオイ

    58 = 1 :



    コンマ61以上 熱烈なハグ


    京太郎「――いいから、黙ってろよ」ギュッ

    初美「ふぁっ」


    京太郎「これ以上騒ぐと、口塞ぐぞ」

    初美「ふ、塞ぐって……」


    初美(もしかして、キスなのですか!?)

    初美(そんな、心の準備がまだ――)


    初美「……」

    京太郎「?」


    京太郎(黙ったのはいいけど、なんで目を閉じてるんだ?)

    京太郎(まぁ、手で抑える必要がなくなったのはありがたい)


    初美「……」ソワソワ


    京太郎(……待て、もしかして勘違いしてるんじゃないだろうな)

    京太郎(いや、まさかな……)

    59 = 1 :



    初美「……?」


    初美(ま、まだなのですか?)


    京太郎(まさかとは思うけど……うん)

    京太郎(触れないでおこう。結果的には静かになったし)


    京太郎「よし、おとなしくなってくれたか……じゃあ、戻るぞ」

    初美「えっ」

    京太郎「ほとぼりが冷めるまで上に退避だ」


    60 = 1 :




    京太郎「つ、疲れた……」グッタリ

    京太郎「なんであんなことに……」


    小蒔「あ、京太郎様」


    小蒔「戻ってたんですか?」

    京太郎「ああ、予想外のアクシデントにみまわれてな……」

    小蒔「あくしでんと? そういえば初美ちゃんの機嫌が悪かったような……」

    京太郎「それな……(社会的に)生きるか死ぬかの瀬戸際だったぜ」

    小蒔「そ、そんなことが……!」


    京太郎(しかし、腹減ったな……)グゥ

    京太郎(あいつに奢ってばっかで俺はほとんど食べてないからな)

    61 = 1 :



    京太郎「夕飯はもうすぐだっけ?」

    小蒔「あ、お腹空きましたか?」

    京太郎「ちょっとな」

    小蒔「お饅頭、食べます?」

    京太郎「……一個ぐらいなら大丈夫か」

    小蒔「お茶もご用意しますねっ」

    京太郎「俺も手伝うよ。忙しかったんだろ?」

    小蒔「そんな……京太郎様だって疲れてますよね」

    京太郎「いいんだよ、待ってるだけってのも暇だしな」

    小蒔「わかりました。あ、初めての共同作業ですね!」

    京太郎「あってるような、あってないような……?」


    「見てみて、やっぱり本命は姫様かしらね?」

    「あんた昔から本当にそういうの大好きだったよね。正直ダルい」

    「やだもぉ、じゃなきゃ駆け落ちなんてしないわよ!」

    「……はぁ、白望たちはまだかな」

    「あ、白望ちゃんかわいいわねぇ。うちのにちょっと面影が似てるし」

    「あんたの子と違ってめんどくさがり屋だけどね。まったく、誰に似たんだろうね」

    「ブーメランもほどほどにねー」

    「は?」


    62 = 1 :




    白望「ふぅ……」

    エイスリン「シロ、オツカレ?」

    白望「ちょっと夕飯食べて気が抜けたかも」

    エイスリン「? イツモノコトダヨ?」

    白望「ダル……」


    白望(疲れてる、というより戸惑ってる)

    白望(状況の整理がまだ追いついてないのかな)


    「お風呂の準備できたけど、入る?」


    エイスリン「ロンオブモチ!」

    白望「どこで覚えてきたのそれ。面白外人みたいな」

    エイスリン「Hmm……リンカイ? ビデオデイッテタ」

    白望「……そんなのあったっけ?」

    「小瀬川さんは?」

    白望「私は……後でいいや」


    白望(ちょっと考え事もしたいしね)


    「わかった、じゃあ用意だけしておく。あんまり遅くなる前に入って」

    白望「ん、ありがとう」

    エイスリン「ヒトップロ、アビテクル!」

    白望「いってらっしゃい」


    63 = 1 :




    京太郎「やりぃ、俺の勝ちだ!」

    「また負けたかー。お前今日はついてるなぁ」

    京太郎「ん、ああ、まあ……」


    京太郎(エイスリンとあれやこれやあったしな……)


    京太郎「ポーカーやめてスピードでもやる?」

    「ダメだ、お前反射神経いいし」

    京太郎「なんだ、つまんないなー」

    「やめだやめ。俺は向こうで小瀬川さんと飲んでくるけど、お前は?」

    京太郎「未成年に酒勧めようとすんなよ」

    「まったく、変なところで真面目だな」

    京太郎「いいから行けって、俺は適当に暇つぶしてるから」

    「お、夜這いか?」

    京太郎「あーもう、うるさい!」


    64 = 1 :




    京太郎「まったく、こっちをからかうことばかり言いやがって」

    京太郎「夜這いなんかしたら……受け入れそうなやつはいるな」

    京太郎「違う違うっ、夜這いはどうでもいいんだよ!」

    京太郎「いやでも、万が一って事態もあり得るし……」

    京太郎「……よし、念のためだ。もしそういう状況に陥ったときに言うセリフでも考えてみるか」


    ――コンコン


    京太郎(暴れんな、暴れんなよ……とか?)

    京太郎(いや、なんか睡眠薬盛った後に言いそうなセリフだし)

    京太郎(なぁ……スケベしようや……とか?)

    京太郎(いや、これはさすがに気持ち悪い)

    京太郎(お前が好きだぁぁーー!! お前が欲しいぃぃーー!!)

    京太郎(いや、うるせぇよ。夜這いしに行って自分で大声あげまくるってどういうことだよ)

    京太郎(でも、直球ってのは悪くないな)

    京太郎(そんなに熱くなくてもいいから、ここはストレートに――)


    ――ガラッ

    65 = 1 :



    「お風呂空きましたけど――」


    京太郎「――お前のことが好きだったんだよ……!」


    「え、えっ……!?」カァァ

    京太郎「……あれ?」

    「えと、それはさすがに……あっ、けして嫌だとかそういうことではないんですけど……」モジモジ

    京太郎「か、狩宿?」

    「やっぱり姫様を差し置いてというのは……と、とにかくっ」


    「こ、心の準備がまだできませんっ……!」ダッ


    京太郎「待てっ、狩宿さんウェイトウェイトっ!」


    66 = 1 :




    「……はぁ、演劇の練習だったと」

    京太郎「う、うんまぁ、そんな感じ。悪い、ノックにも気づかなかった」

    「あ、いえ……勘違いしたのはこっちですし」

    京太郎「ホント悪い。今度なんかお詫びするよ」

    「簡単にお詫びなんて言っちゃダメですよ? これがはっちゃんだったら好き放題されちゃうんですから」

    京太郎「……たしかに」

    「じゃあ、お風呂にはいつでも入れますから」

    京太郎「ああ、親父たちにも伝えとく」

    「お願いしますね」


    京太郎「風呂ね……旅館じゃないから男女分かれてないんだよな」

    京太郎「ま、だいたい時間で分けてるから大丈夫だとは思うけど」


    67 = 1 :




    京太郎「やっぱり広いなー、一人だと尚更」

    京太郎「親父達は後で入るみたいだし、独り占め状態か」

    京太郎「……落ち着かないな」

    京太郎「まぁ、ゆっくりはできるか」


    ――カラカラ


    京太郎(あれ、もう来たのか。早いな)


    ――シャー


    京太郎(うちの親父にしては静かだな。小瀬川のおじさんか?)


    ――チャポン

    68 = 1 :



    白望「……ふぅ」


    京太郎「……」

    白望「……え?」

    京太郎「奇遇、だな?」

    白望「……ダル」


    京太郎(ナイスおもち! ……じゃなくて!)

    京太郎(なんでこいつタオルで体隠してないんだよっ)

    京太郎(あ、自分一人だって思ってたら特に隠さないか……でもなくて!)

    京太郎(どうして小瀬川がここに……)

    69 = 1 :



    白望「……あんまり見ないで。さすがに恥ずかしい」

    京太郎「あ、悪い。今出るから」

    白望「なんで?」

    京太郎「なんでって……色々まずいだろ」

    白望「いいよ、別に。減るもんじゃないし……ちょっと恥ずかしいけど」ボソッ

    京太郎「いやいや、もうちょっと恥じらえよ」

    白望「そういうのダルいから」

    京太郎「はぁ~、わかった。あんまり気にしないことにする」

    白望「ん」

    京太郎「俺はあったまったら出てくから、そっちも好きにしろ」

    白望「わかったよ」

    70 = 1 :



    京太郎「……」

    白望「……」


    京太郎(なんて)

    白望(言ったけど)


    京太郎(くそっ、海綿体に血が……!)ギンギン

    京太郎(体隠さないから一瞬全部見えちゃったんだよ……)

    京太郎(収まる気配がない……これじゃ出るに出られない!)


    白望(まいったなぁ……普通に恥ずかしいや)カァァ

    白望(ちょっと見栄張っちゃったかな)

    白望(湯船から出たらまた全部見えちゃうし……)


    京太郎「……」

    白望「……」


    ((どうしよう……))


    71 = 1 :




    京太郎「……ま、まだ出ないのか?」

    白望「そっちこそ……」

    京太郎「俺はまだまだ。ほんの数ミクロンしかあったまってないからな」

    白望「私も、普段長風呂だから」


    京太郎(って、なんで我慢大会みたいになってんだよ!)

    京太郎(いい加減限界だぞ……)

    京太郎(……なんとかなんないか)


    白望(……なんでこんなダルいことになってるかな)

    白望(さすがにもうキツいよ……)

    白望(どうにかしないとね)

    72 = 1 :



    京太郎(方法その1、羞恥心を捨て去る)

    白望(でも、それが原因でこんなことになってるんだよね……)

    京太郎(方法その2、相手の目をそらす)

    白望(でも、そんな目を引くものはここにはないんだよね……)

    京太郎(相手になにをするでもなく、見られないように脱出する方法――)

    白望(そんなの――)


    ((――ある……!))


    京太郎(なんで気づかなかったんだ、こんな簡単なことに!)

    白望(相手から隠すのは、見られたくない部分だけ)

    京太郎(つまり――)

    白望(要するに――)


    ((――相手に背中を向けて移動すればいい!))

    73 = 1 :



    京太郎(そうと決まれば……)クルッ

    白望(早速背中を向けて……)クルッ


    ――ザパッ


    「「――!?」」


    京太郎(なっ、今の音……!)

    白望(同時に、立ち上がった?)

    京太郎(くそっ、考えることは一緒だったってことかよ……!)

    白望(ダル……このまま進んだら入口でぶつかるし)

    京太郎(どう、切り抜ける……?)


    ――ガラッ

    74 = 1 :



    「いやぁ、小瀬川さんも飲みますねー」

    「いえいえ須賀さんこそ。おかげで足元が危うい危うい」


    京太郎「……」

    白望「……」


    「あれ、なにやってるんだお前ら」

    「し、白望っ!? なんで京太郎くんと風呂に……!」


    京太郎「……ダル」

    白望「そう言いたいのは私なんだけど」


    75 = 1 :




    京太郎「くっ、やっと解放された……」

    白望「足が痺れた……」

    京太郎「まさかこの歳であんな説教くらうとはな」

    白望「ごめん、お父さんが勘違いしちゃったみたいで」

    京太郎「いや、勘違いしてもしかたないだろ」


    京太郎(裸の男女が風呂場で……ましてや俺の方はアレだったしな!)


    京太郎「しかし、もうすぐ日が変わるな」

    白望「新年だね……エイスリンたちは下かな?」

    京太郎「だろうな、小蒔たちも色々忙しくしてるんじゃないか?」

    白望「じゃあ」

    京太郎「そうだな」


    白望「とりあえず、ここでゆっくりしてようかな」

    京太郎「せっかくだし一緒に下降りるか」


    白望「……ダル」

    京太郎「よし、じゃあ早速行こうぜ。初詣だ初詣」ガシッ

    白望「ちょっ」


    76 = 1 :




    白望「さっきより人多い、ダルい……」

    京太郎「そりゃ初詣が本番だからな」

    白望「そもそもこの組み合わせがおかしいよ」

    京太郎「俺とお前か?」

    白望「私はほっといてエイスリンと一緒にいればいいのに」

    京太郎「まぁそう言うな。一緒に説教くらった仲だろ」

    白望「どんな仲なのさ、それ」

    京太郎「一緒に風呂に入った仲でもあるしな」

    白望「……帰る」

    京太郎「待て待て! 冗談だから!」ガシッ

    77 = 1 :



    京太郎「さて、気を取り直して……どこ行く?」

    白望「あそこのベンチ」

    京太郎「休む気満々か! 却下」

    白望「うるさいなぁ、もう」

    京太郎「せっかくだし年越しそば食おうぜ、年越しそば」

    白望「海老天がいい」

    京太郎「あ、あったっけ?」

    白望「それ以外は却下で」

    京太郎「ま、マジかぁ……」

    白望「……なんて、冗談――」


    京太郎「よし、持ってくるから座って待ってろ――じゃ」


    白望「――だったんだけど、行っちゃったね」

    白望「さすがに待ってなきゃダメだよね」

    白望「……ダルいなぁ」


    78 = 1 :




    京太郎「うーん、やっぱ天ぷらそばはないか」

    京太郎「どうすっかなぁ」

    京太郎「最悪出前でも……ん?」

    京太郎「そっか、エビを食わせる店自体はあるんだな……」

    京太郎「……まぁ、やってみるか」


    79 = 1 :




    白望「……寒い」

    白望「遅いな……なにやってるんだろ」

    白望「律儀に待ってるなんてバカらしいよね」

    白望「でも、ここで帰るのもダルいし……」


    京太郎「お、ちゃんと待ってたか」


    白望「別に、動くのがダルかっただけ」

    京太郎「まぁ、なんでもいいけどな。ほら」

    白望「これ……あったんだ」

    京太郎「てかお前、ないのわかってて言ったろ」

    白望「冗談のつもりだったんだけどね。すぐ行っちゃうから」

    京太郎「せっかく作ってきたんだ、ありがたく食ってくれ」

    白望「作った?」

    京太郎「ああ、材料分けてもらってさ。そばの上に乗っけた」

    白望「まさかそこまでするなんて」

    京太郎「どうだ、これでもう帰るなんて言えないだろ」

    白望「しょうがないね……ダルいけど付き合うよ、初詣」

    京太郎「んじゃ、そば食おうぜ」


    80 = 1 :




    京太郎「小蒔たちは見当たらないな」

    白望「エイスリンもいないね」

    京太郎「だれかと一緒にいるとは思うけどな」

    白望「この人の多さだからね……ダルい」

    京太郎「ま、俺らは俺らで楽しもうぜ」

    白望「……」


    白望(付き合うとは言ったけど、やっぱりまずいかな)

    白望(エイスリンにもだし、それに神代さんも……)

    白望(見つかったらダルいどころじゃなくなるかな)


    京太郎「なにぼーっとしてるんだよ、ほら」グイッ

    白望「……引っ張らなくてもちゃんと歩くよ」

    京太郎「でもはぐれたらダルい、だろ?」

    白望「……先回りとか、ダルい」


    81 = 1 :




    京太郎「なにお願いした?」

    白望「受験合格」

    京太郎「うわ、思い出したくないこと思い出した……」

    白望「そっちは?」

    京太郎「いや、俺は……」

    白望「人に聞いといて言わないのは不公平」

    京太郎「なんというか、目標を見つけるのがお願いというか」

    白望「なにそれ」

    京太郎「悩み多き年頃ってやつ?」

    白望「ふーん、余裕あるんだね」

    京太郎「どうせ高校出るまでには決めなきゃいけないことだしな」

    白望「ま、頑張って……勉強の方も」

    京太郎「だからそれはやめようぜ……」


    82 = 1 :




    京太郎「お賽銭投げ込んだし……次、どうする?」

    白望「なんでもいい」

    京太郎「なんでもいい、ね」

    白望「こういう意見はダルかった?」

    京太郎「いいや、あれだけ戻りたがってたのにって思って」

    白望「……別に、人ごみにも寒さにも慣れただけだから」

    京太郎「じゃあまだ連れ回せるってことだよな」

    白望「お好きに。もう諦めたから」

    京太郎「とか言って、本当は楽しんでるだろ?」

    白望「そういうのダルい」

    京太郎「あ、はい」


    83 = 1 :




    京太郎「もらってきたぞ」

    白望「……甘酒?」

    京太郎「せっかくだしな、一回は飲んでおこうと」

    白望「私は二回目だけど」

    京太郎「あー、嫌いだったか?」

    白望「別に、いただきます」


    京太郎「うん、甘ったるくてあったまるな」

    白望「……今更だけど、君って馴れ馴れしいね」

    京太郎「よく言われるな、それは」

    白望「そんな仲良いわけでもないのにさ」

    京太郎「ちょっ、この前一緒に遊んだろ」

    白望「そういう時は豊音とかエイスリンがメインで、私はおまけみたいなものだしね」

    京太郎「俺はそう思ったことはないけどな……」

    白望「まあ、なんでもいいけどね……ゴメン、ダルいこと言ったね」

    84 = 1 :



    白望(ダメだ、なんかもやもやしてる)

    白望(二人に悪いと思ってるから?)

    白望(もっと考えればわかりそうだけど……)


    京太郎「そこまでストレートに言われると驚くけど、別にダルくはないな」

    白望「そう?」

    京太郎「要するに、そっちとしては友達の友達って感覚だったわけだ」

    白望「……」

    京太郎「でもちょっとでも本音を出したんならさ、それこそ友達の第一歩だろ」


    京太郎「だから、あらためてよろしく」

    85 = 1 :



    白望「……なんで君と私が似てるなんて言われるんだろうね」

    京太郎「はとこだからか?」

    白望「外見だけの話じゃなくてさ」

    京太郎「ふむ……じゃあ、クラスに来たばかりで馴染めていない留学生がいたとする」

    白望「いやに具体的だね」

    京太郎「ただの設定だ。……それで、お前はそいつをほっとくか?」

    白望「それは……」

    京太郎「ダルいからほっとかない、だろ」

    白望「……あたってるけど、どうして?」

    京太郎「俺も同じだからだ」


    京太郎「目に入らなかったらそれはそれでいいんだよ」

    京太郎「でも、目に入って気にしちゃうとアウトだ」

    京太郎「もやもやして、ほっておけなくなる」

    京太郎「つまりさ、自分のためだ。スッキリしたいからそうしてるようなもんだ」

    86 = 1 :



    京太郎「俺としてはこんなとこだな」

    白望「結構自己中だね、君」

    京太郎「これでも丸くなったとは思うんだけどな」

    白望「でも、そっか……たしかにそうだね」

    京太郎「加えて言うなら、そのエゴっぷりで誰かと仲良く出来たら儲けもんってところか」

    白望「……その開き直りっぷりは羨ましいな」

    京太郎「そんな褒めんなよ」

    白望「別に褒めてないけど……まあ、半々ってところ」

    京太郎「半分もありゃ十分だよ。ほら、冷めるぞ」

    白望「まだ温かいから大丈夫――」ドンッ


    「あ、ごめんなさーい」

    「ほら、急がないと遅れるって」

    「おいてかないでよー!」

    87 = 1 :



    京太郎「なんだあいつら……大丈夫か?」

    白望「上着にはかかってない、けど」

    京太郎「ああ、靴か」

    白望「まいったなぁ」

    京太郎「歩けるか?」

    白望「歩ける……けど」ヌチャ


    白望(……気持ち悪い)


    京太郎「こりゃ、一回上に戻ったほうが良さそうだな」

    白望「だね、洗っときたいし」

    京太郎「よし、とりあえず靴は脱いどけ」

    白望「脱いだら歩けないんだけど」

    京太郎「心配すんな、歩く必要なんかないから」


    88 = 1 :




    京太郎「お客さん、乗り心地は?」

    白望「……別に」

    京太郎「はは、ダルくはないってとこか」

    白望「転んだら困るから前見て」

    京太郎「はいはい」


    白望(……なんでおんぶされてるんだろ)

    白望(ラクだからいいんだけどさ)

    白望(でもやっぱり、なんかもやもやするな)

    89 = 1 :



    京太郎「そういや、昔からの付き合いなのか?」

    白望「いきなりなに?」

    京太郎「臼沢と鹿倉」

    白望「そうだけど」

    京太郎「俺と久ちゃんもそうなんだよ」

    白望「知ってる」

    京太郎「だろうな」

    白望「仲良いよね。口説いたの?」

    京太郎「なんでそうなるんだよ……逆だ。口説かれた」

    白望「ふーん、どんなふうに?」

    京太郎「興味津々か」

    白望「多人の馴れ初めを聞くのはダルくない」

    京太郎「えっと、そうだな……」


    京太郎「私の誕生日に辛気臭い顔すんなって蹴飛ばされた」

    90 = 1 :



    京太郎「そんなんだから軽く喧嘩になったりしたな」

    白望「それ、本当?」

    京太郎「当時は俺もトゲトゲしててさ」

    白望「なんか想像できないけど」

    京太郎「俺の髪、自毛だから。それで色々あってさ」

    白望「……」


    『うわっ、こいつの髪真っ白だ!』

    『全部白髪とかハンパねーな!』


    京太郎「ま、そんなの今更気にしてないけどな」

    白望「色々あるよね、そういうのホントダルい……」

    京太郎「でも、認めてくれる一言があるってだけで違うもんだ」


    『そのかみ、お日さまにあたるとキラキラしてきれいじゃない』


    京太郎「久ちゃんってさ、きっと男だったら絶対修羅場ってたと思うな」

    白望「……それ、君が言うの?」

    京太郎「うっ……俺の話は置いとこうぜ」

    91 = 1 :



    白望(自毛で色々あって……そんなとこまで一緒なんてね)

    白望(認めてくれる一言か……)


    京太郎「そういや綺麗だよな、お前の」

    白望「私の?」

    京太郎「その髪、月の光に透かすとさ」

    白望「……ダル」


    白望(――ダルく、ない)


    京太郎「はは、キザったらしかったか?」

    白望「ホントダルい」


    白望(――ダルくなんか、ない)


    白望「……」ギュッ

    京太郎「なんだ、疲れたのか?」

    白望「君の背中はダルくないから……」

    京太郎「気に入ってくれたようでなによりだよ」

    白望「ホントもう……」


    白望(もやもや、増えちゃったな)


    92 = 1 :




    京太郎「それじゃあ、エイスリンは小瀬川と帰るのか」

    「まあ、陸路で長野経由だとどうしても時間かかるしな」

    京太郎「それにしては俺たちは車なんだな」

    「車じゃなきゃカピのやつを連れてこれないからな」

    京太郎「それもそうか」


    白望「ちょっといい?」


    京太郎「なんだ、もうすぐ出るんだろ?」

    白望「その前に一つ、言っておこうと思って」

    「……さて、俺は母さんのとこに行ってくるか」

    京太郎「ん、ああ」

    93 = 1 :



    京太郎「それで、言いたいことってなんだ?」

    白望「……ちょいタンマ」

    京太郎「?」

    白望「……迷ったけど、これに決めた」グイッ

    京太郎「――んむっ!?」

    白望「――んっ」


    京太郎「……えっと、なにこれ」

    白望「別に、エイスリンともしてるでしょ」

    京太郎「いやいや、そういう問題じゃなくてっ」

    白望「嫌だったなら謝るけど」

    京太郎「正直役得……ってそうでもなくてっ」

    白望「とにかく、言いたいことは言った……つもり」


    白望「それじゃあ……君といるの、ダルくないから」

    94 = 1 :



    京太郎「……言いたいことって」サスサス

    「終わったか?」

    京太郎「おわっ! いたのかよ!」

    「白望ちゃんが向こうに行ったから頃合かと思ってな」

    京太郎「……そうかよ」

    「それで……どうだった?」

    京太郎「なにがだよ」

    「したんだろ、キス」

    京太郎「やっぱり見てたんじゃねーか!」

    「だから見てないって。推測とカマかけだ」


    「白望ちゃんが顔赤くしながら離れてった」

    「そして戻ったらお前も顔赤くして唇をさすってた」


    「むしろ簡単すぎるな」

    京太郎「頼むからもうやめてください……」


    95 = 1 :




    エイスリン「シロ、カエリイッショ!」

    白望「……」

    エイスリン「ドシタノ?」

    白望「ああ、ごめん」

    エイスリン「ダイジョブ?」

    白望「具合は悪くないよ」


    白望(でも……)


    白望「エイスリン」

    エイスリン「What?」

    白望「せめて悔いが残らないようにしたいね」

    エイスリン「?」

    白望「ごめん、ダルいこと言った」



    96 = 1 :

    ようやく終了……長かった
    インハイ決勝戦大将卓の1.5倍弱……

    ともあれ、安価はまた今度です
    おやすみなさい……ってもう朝か

    それじゃ


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