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    元スレ京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」

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    みんなの評価 : ★★
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    401 = 1 :

    南3局 ドラ9m
    親 優希 21000
    南家 京太郎 12700
    西家 まこ 32800
    北家 和 33500

     優希が親の南3局。

     とにかくここで点を稼いで、トップ二人を最低でも満貫ツモで射程圏内に入れるところまではいきたい。

     つまり2万点より上に行きたい。

     そんな時俺の配牌

     112356688s 2p 8m8m ツモ:6s

    (うおっ!?)


     14牌の内、10牌が索子で、しかもつながりも悪くない。

     これはもうまっすぐに索子の染め手に向かうことにして、打2p。


    (頼むぜ………!)


     ここで粘れなければ、ほぼ負けが確定する。

     他3人の怪物が、5,6巡でツモ上がるなんてことが起きないように、必死に祈る。

    402 = 1 :

     そんな俺の祈りが通じたか、11巡目。


    (す、すごいことになったな…………)


     京太郎手牌

     1112345666888s


    (え、えっと………多分、1-4-7sと、2-5sと、3-6sも………だよな? 七面待ち?)


     比較的わかりやすい清一色多面張になってよかった。

     待ちが分からなくてチョンボとかいやすぎる。
     
     しかし、これならいけるはずだ。

     ここで上がれることを期待して、ツモ山に手を伸ばす。

     ツモは8s。

     上がることは出来ないが………


    (8sなら………うん、暗槓で7面待ちのままもう一度ツモが出来る。他のみんなは………)

    403 = 1 :


     まずトップの和。

     こちらは南4局で楽に逃げ切る余裕がほしいのか、筒子の染め手気配だ。

     2位の染谷先輩とは微差だし、欲を言えばここでもう一度満貫でも上がっておきたいのだろう。


     上家の優希。

     妙な捨て牌をしている。七対子か、三色あたりだろうか?

     しかし七対子なら、単騎待ちによさそうな一九字牌を多めに捨てているし、多分タンピン三色の方ではなかろうか?

     となると端に近い8sはまだ比較的安全牌ではある。

     678の数字を見てみると、6sと7mが捨てられているので、もっと下の方の三色だろうと当たりをつける。


     そして、今回俺から執拗に直撃をとっている染谷先輩。

    まこ捨て牌
     4p 6p 東 白 8m 3s 8s 1p 9s 9s 


    (こりゃどう見ても萬子の染め手だろ………)


     初手4pというあたりで、もうまともな手ではないのが分かる。

     また変な待ちということも考えられなくはないが、ラスト2局のこの状況で安い悪待ちをするだろうか?

    404 = 1 :

     とにかく、3人ともに対して、今引いて来た8sは安パイだ。


    (いや………でも、待ちを減らさずにもう一度7面待ちのツモに挑戦できるなら、やるべきじゃないのか?)


     もし上がれれば、清一色嶺上ツモで倍満。リターンもこれ以上なく十分だ。


    「よし………槓!」


     8s四枚をさらす。

     暗槓なので先に新ドラ表示牌がめくられる。

     新ドラは7sだ。


    (頼む………!)


     上がれる可能性だって、かなり高いこの嶺上ツモ。

     汗ばむ手で持ってきたその牌は………


    2m


    (絶対切れねえええええええええ!!!!!!)

     よりによってここで萬子引いてくるかと無言で叫びつつ、どうしたらいいか考える。

    405 = 1 :

    京太郎手牌

     1112345666s カン:8888s ツモ:2m

    (ここで2mをツモ切れば7面待ちのまま………。でも、萬子は染谷先輩に絶対捨てられない。せめて5mが捨てられていたら、2-5-8mの筋がほぼ消えて別だけど。
     とにかく、聴牌を維持するなら…………)


     涙を呑んで、俺は打2s。


     三暗刻確定と言えば聞こえはいいけど、上がっても60符2翻の3900どまりだ。

     どうしてこうなった。

     咲だったらここから1sと6sで槓して三槓子とかやってのけるんだろうけど………。

     あ、いや。6sが新ドラ表示牌だし、咲でも無理か。

    406 = 1 :

    「ん、リーチじゃ!」


     次の番、染谷先輩が打5mでリーチをかけた。


     (2-5m通ったんかい!)


     何だか東1局でも似たようなことがあったなと思いつつ、心の中だけで叫ぶ。
     
     和は安パイの打9p。

     優希も引いて来た牌とにらめっこをした後、染め手に対して危険牌の中切り。

     だがこれは通った。優希もかなり手が進んできているとみていいだろう。

     そして俺の番。

     7面とは言わずとも、せめて2面待ちには戻れるように索子を渇望する。

     ツモ:7s
    (やった………!)
     

     これで2mを切れば、改めて俺の待ちは5,7,8s待ち。

     8sは暗槓で種切れだけど、5,7sはまだ3枚ずつ待ちがある。

     清一色ドラ1の跳満。7sで上がるかツモれば倍満の逆転への手だ。

     喜んで2mを切ろうとした瞬間。

    407 = 1 :

     ゾワヮ!

    (ひっ――――!?)


     得体のしれない気持ち悪さが、2mを持った手に奔った。

     とっさに2mを手の中にしまい込んで、真っ白になった頭を働かせる。

     息を落ち着けて、染谷先輩の河をよく見る。


    (あの捨て牌………染め手じゃないとしたら?)


     染谷先輩の捨て牌は、確かに萬子の染め手に見えるが、それだけではない。

     一九字牌が、あまりに多すぎる。

     つまり初めの初手4pなどは、チャンタに向かったためではなかろうか?


    (それでもし………もしだぞ? 思った以上に萬子の端っこの数牌が集まったから、後から萬子だけのチャンタに向かったとしたら?)
     リーチ直前の5巡。
     3s、8s、1p、9s、9sの捨て牌が、実は途中まではそれらを用いたチャンタに向かうための牌だったとしたら?


     河を改めて眺めてみる。

     …………1mと9mが、一枚も見当たらない。


    (和は筒子の染め手だから、1mを手牌に持ってるなんてあるはずがない。
     優希も1pと2sを捨てていてあの捨て牌だから………多分、345あたりの三色?)


     どっちにしろ、二人の手の中に、1mがあるわけがない。

    408 = 1 :


    (仮に1mか9mが全部染谷先輩のところに行ってるとすると………123、789あたりの萬子は超危険牌だ………!
     いや、俺の捨て牌も含めて8mはもう場に3枚出ているから、123の方が危険だ。
     それに今日染谷先輩は悪待ちをするって堂々と言っていた。
     だからこの5-8m捨てが、特に2mを誘うためのものだとすると…………だめだ、絶対に捨てられない!)


     2mを掴んでいた手を放し、脳みそをさらに回転させる。


    (2mは絶対に捨てられない! じゃあどうする?)


     多分3人ともに通りはするだろうが、今引いて来た新ドラの7sを捨てて、2m単騎?

     そんな馬鹿なと、すぐに否定の声が響く。

     この手はどう考えても2m切りだ!

     でも、いくらそうしようとしても2mが手から離れてくれない。

    409 = 1 :

    (京ちゃん……?)


     後ろでずっと見ていた咲は訝しんだ。

     勝てる勝算もある8s暗槓で危険牌を持ってきてしまい、それを万全を期して抱え込んだまではいい。

     決して振らないよう、安手になるのも我慢して立派に立ち回った。

     だが、5-8mが通るのだし、もうここは100%安全とはいいがたいが、2m切りでいいはずだ。


    (え…………!?)
     

     次の瞬間、咲は目を疑った。


    「…………リーチ!」


     京太郎。ツモ切りリーチ、打7s。


    (きょ、京ちゃん何してるの!?)


     ここはリーチをかけるにしても、2m切りの5,7s待ちだろう。

     なのに、ドラをツモ切ってまで2mの単騎待ちリーチ。

    410 = 1 :

    (ツモ切りリーチ…………?)


     それを見ていたまこもまた、同じように訝しんだ。

     索子の染め手で、8sが暗槓で種切れだから、その周辺で待ちの無さそうな7sを切ってリーチというのはわかる。

     ただ、ツモ切りリーチというのがどうにも解せない。


    (つまり1巡前には張っとったんじゃろ?
     ならばなぜリーチをする?)


     追っかけリーチ、というのは点差がある状態でやるのは、ほとんどやけくその思考放棄にも似た行為だ。

     まこは自分の手を見下ろす


    まこ手牌
     1111223m 999m 北北北

     2,3m待ちの、高めはリーチ・面前混一色・チャンタ・一盃口・ドラ3のツモれば3倍満の怪物手。

     途中までは1pや9sの対子も使ってチャンタ役牌ドラ3の跳満を狙っていたのだが、予想外に萬子の端牌が伸びた。

     言い換えれば、萬子の染め手さえ警戒していれば絶対に振り込むことはない。

     図らずも都合よく2mを誘いやすい捨て牌になってしまったが………それにしたって、万が一を考えて金輪際萬子を出さなければ済む話だ。

     よって、捨て牌を選ぶ権利を失うリーチはここではしてはならない行為だ。

    411 = 1 :

    (惜しいのぉ、京太郎。焦る気持ちはわかるが、そりゃさすがに無謀が過ぎるわ)


     倍満を一度上がった収入がなければ既にここまで来る前にトンでいたとはいえ、安い悪待ちとたった一度の3900を除けばすべて満貫以上の点しか出ていないこの魔卓で、よくここまで叩けるようになったと褒めるつもりでいたが、この分ではねぎらいの言葉はまた今度かなと思い、まこがツモる。

     引いて来たのは4p。

     和に厳しい牌だ。


    「チー」


     幸いロンではなかったが鳴かれ、すでに3枚見えている東を切った。

     まぁ京太郎の一発も消せたし、トントンと思うことにする。

     そして、ことが起きたのは優希の番。

    412 = 1 :

    (よし………何とかなったじぇ)

     優希手牌
     234m 34455p 345s 88m ツモ:5m


     京太郎の読み通り、345の三色狙いの手。

     先ほどまではタンヤオ・平和のみで逆転は難しそうだったが、この5mで3-6s待ち聴牌。

     3pを引いてこれれば、タンピン三色一盃口の満貫手だ。

     リーチをかければ跳満の手。

     我ながら南場に入ってよくこの手を作れたと感心する。


    「よっしゃ! リーチだじぇ!」


     打2m。


    「すまんのぉ、優希」

    「じぇ?」


     まこが勿体ぶりながら、その手を倒す。


    「それ、通らんわ。
     リーチ・面前混一色・チャンタ・ドラ3で倍満じゃ。
     裏は………乗らんから、16000点じゃな」

    「じぇえええええええええええええええええ!!!?
     なんだじぇその待ちぃいいいいい!?」

    413 = 1 :

     100%安全だと思った2mで振り込み、年頃の女子にあるまじき悲鳴を優希が上げる。

     だがそれを聞いて、俺は息を大きく吐いて安心した。


    「安心しろよ、優希」

    「はぁ? 何がだじぇ!」

    「きょ、京ちゃん………? それ、狙ってやったの………?」

    「ああ、正直うまくいくとは思わなかったけど………」


     後ろの先に見守られながら、手牌を倒す。


    「頭ハネだ」

    414 = 1 :

    京太郎手牌

    111345666s 2p カン:8888s ロン:2p

    「リーチ・三暗刻。
     裏は乗らないけど、60符3翻で7700だ」


     リーチをしたのは槓も一つ入っているので、上がれたときに裏ドラが乗って満貫以上の手になってほしかったからだが、7700ならまぁ満貫みたいなものだ。


    「りゃ、2m単騎!?」

    「え、だって、7sを切ってるのに………!」


     皆が俺のリーチ宣言牌と、待ちの2mを見て驚愕の声を上げる。

     染谷先輩の悪待ちにも驚きの声は上がっていたけれど、これが今日一番の驚愕だったらしい。


    「驚いた………。京太郎。
     おんし、それ狙って待っていたんか?」

    「ええ。絶対うまくいくわけないって、俺自身やけくそ気味にそう思っていたんですけど………。
     でも、それでもこの2mは絶対に切ったらダメだって思ったんです」

    「理由は?」

    「先輩の捨て牌です」

    415 = 1 :

     すっかり真剣な顔になった染谷先輩が、俺の方をまっすぐ見て聞いて来た。

     俺は上がった後の高揚感とか、うまくいったときの達成感とかを抑えて呼吸を整えつつ、自分が先輩のラスト5巡の捨て牌から考えた推理を説明した。


    「和と優希が19m辺りを持っているわけはないし………。
     じゃあ全部それを染谷先輩が持っているとしたら、2mは絶対切れないって思ったんです。
     それに、今日の先輩は意地悪な待ちばっかりしてきますから、5-8mが通るのもかえってわざとらしい気がして」

    「いやそれは本当に偶然じゃったんじゃが…………」


     まこは言葉を切って真剣に考え込んだ。

     京太郎の推理は正しい。

     だがそれだけではこの打牌は片づけることが出来ない。

    416 = 1 :

    「なぁおんしら………、もし京太郎の立場だったとして、2m単騎なんてできたか?」

    「無理ですよ………5-8mが通る以上、安全とは言い切れませんが、上がれた時の点の期待値や上がりやすさから考えても、ここは清一色に走ります」

    「そうだじぇ。ふつーここは迷わず清一色多面張だじぇ」


     一緒に卓を囲んでいた二人は、首を横に振った。

     
    「咲はどうじゃ?
     おんしはよく対子系の手に進むが」

    「もしかして………1sと6sで槓が出来ればやったかもしれません。
     でも、今回6sは切れていたし…………やるとしても、清一色に向かってから1s槓で嶺上開花を決めるまでだと思います」

    「そうか…………」


     まこは戦慄した。

     自分は答えていないが、こんなもの迷わず2m切りの清一色に受けるに決まっている。

     京太郎にも無論その発想はあっただろうが…………、それでもそのわかりやすい誘惑を跳ねのけ、満貫には一歩及ばなかったが7700を手にした。

     仮に2mを切っていたら、一発がついて10翻の倍満に振り込んでトビ終了となっていた。

     だが………それどころか、10人が居たら9人は振り込んで終わりだった状況をかいくぐり、頭ハネでまこの独走すら許さずほぼ満貫を手にし、残り南3,4局での逆転も可能な位置にたどり着いた。

    417 = 1 :

    (こいつ…………本当に京太郎か!?)

     最近、それこそ和に国士を振り込んでしまうことはあったが、あの頃からだんだんうまくなってきていることは感じていた。

     だがこれは、あまりにも異様だ。

     こんな打牌、常人にできるものでは、否、下手な上級者では思いつくことすらできないだろう。


    「京太郎おんし………こわくはなかったんか?」

    「え?」

    「そう読み切ったまではええが………それが本当にあっていると、自信があったんか?
     もしかしたら、全部自分の間違いかもしれないって、思わなかったんか………?」


     染谷先輩の、どこか呆然としたような問いかけに、俺はなんだか少し、くすぐったいような気持ちになった。


    「もちろん思いましたよ。さっきも言ったけど、ほぼやけくそでしたし。
     でも………何て言ったらいいのか…………その…………」


     自分でもうまく言い表せなくて、何というべきか戸惑ってしまう。

     数秒かけて言いたいことを頭の中でまとめて、順番に話す。

    418 = 1 :

    「もし………2m切りに行かなかったら、負けるっていう確信はあったんです。
     2mも通りそうな牌で、普通は切ってもいい牌だったし、切ろうって最初は考えたんです。
     でも、よくわかんないんすけど………理性は2mを切れっていうのに、体と直感がどうしても2mを切らせてくれなかったんです。
     今まで頭で考えて手この牌は通らないなってわかることはあったんですけど、こんな風に体そのものが切らせてくれないのは初めてで………。
     それで、ああやっぱりこの2mは切れないなって思ったんです。切ったら絶対振り込むって。
     じゃあ何を切るかっていうと、1sあたりで回しても後手に回るだけだって思ったから………。
     今の自分のこの読みと直感と一緒に、行きつくところまで心中してやろうって、前に突っ込んでリーチをかけたって感じなんです」


     まこは今度こそ言葉を失った。

     自分の読みと共に心中する。

     口にするのはたやすいし、そういう考えがあるのはわかるが、実践するのは至難の業だ。

     全国の決勝にまで行ったまこにはそれが分かる。

    419 = 1 :

     麻雀に必要なものは何か? という質問があったとする。

     多分一番多く挙がる答えは、「運」だろう。

     確かに毎回天和でも上がれれば、それで確実に勝てる。

     だがそれはあまりにも非現実的だ。

     神でもない人間は、配られた配牌と持ってくる牌で戦うしかない。

     全国を経たまこは、おそらく麻雀に必要なものは3つあるのだと考えた。
     

     まず3番目に大事なのが「運」。

     これは何も先ほど言ったような非現実的なほどの運ではなく、人並みの、絶対に毎回5シャンテンから始めるとか言ったようなことが起きない、どんな相手とも同じ土俵で戦える程度の平運があればいいということだ。


     2番目が「読み」。

     これも当然必要だ。

     基本的な筋読みは当たり前として、風越の福路美穂子のような相手の手牌をすべて読み切りかねないほどの決定的な読み。

     これがあれば、麻雀で負けることは劇的に減るだろう。

    420 = 1 :

     そして1番、最も大切なもの。

     それが「自分の読みを信じる勇気」。


     いくら超人的な読みを持っていても、その100%当たる読みを自分で信じられなければ意味がない。

     弱気に流れ、確率という分かりやすい万人が信じる指標があれば、ついついそちらへ逃げてしまいたくなることが、麻雀には多々ある。

     本当は正しいのに、自分でも荒唐無稽に見えてしまって………結果、自分の読みを信じずに楽へと逃げてしまう。

     それで結果勝利を逃すようなことがあれば、もうそれは悔やんでも悔やみきれない。

     そんな事態を避けるために、自分で「これだ!」と読んだなら、その自分の読みを信じぬく心の強さが、麻雀には必要なのだ。


     それを、京太郎は持ち始めている。

     本人に自覚はないかもしれない。

     負けが常だった京太郎にとって、今回は単に運が良かったかもしれない。

     勇気を出したら、運よく当たったあてずっぽうのように本人は感じているかもしれない。

     だが、違う。

     今京太郎は、この卓を囲んでいる面子の中で、麻雀に一番大事な資質を最も持っている人間となっている。

    421 = 1 :

     じんわり、とまこの胸の中に温かいものが流れる。

     京太郎が才能の片鱗を、自分たちに見せつけてくれたことが、とてもうれしい。

     ずっとひどい目に遭っていた、辛い目に遭わせてしまった後輩が、自分を打ちのめしてくれたことが嬉しい。

     そりゃあ京太郎以外の3人は全然本気ではない。

     が、それでももう京太郎は自分たちのサンドバッグでも何でもない。

     牙を以って、隙あらば自分たちを打ち倒さんとする一人の雀士だ。

    422 = 1 :

    「ほれ、優希。
     点棒くれよ。16000点よかましだろ?」

    「う、う~ん。何か釈然としないじぇ」


     命拾いしたのには違いないが、それでも7700もかなり痛い出費だ。

     これが3900程度ならと呟きながら、優希が点棒を取り出すが………。


    「あー……すまん、ふたりとも」

    「はい?」


     点棒をもらう直前、染谷先輩が申し訳なさそうに頭を掻いた。


    「最初に言っておかなかったのが悪いんじゃが………うち、雀荘じゃからその………大会ルールと違って、ダブロンありなんじゃ」

    「へ?」

    「つまり………」


     染谷先輩が一瞬視線を飛ばして、点数を計算する。


    「23700点の直取りで………優希がトビ終了じゃ」 


     俺と優希の悲鳴が、店に響き渡った。

     それを後ろで見ていた赤木さんは、腹を抱えてうずくまっていた。

    423 = 1 :

    ここまでなのよー

    正直闘牌シーンはもう書きたくないけどまだ一山残ってるのよ。

    A4でもう67ページだけど終わるころには100超えそう………(´;ω;`)ウッ…

    424 :

    乙乙
    表情豊かな赤木さん

    426 = 398 :

    面白い……!

    428 = 427 :

    しかもまこの手チャンタつかないから跳満どまりじゃねえかうわあああああああ
    裏ドラが2mで3mに一つ乗ったことにしといてくださいいいいいい

    429 :

    オカルト麻雀ではよくある事だな

    430 :

    まこが8s切ってるけど、京ちゃん河から拾ったの?

    432 = 1 :

    あばばばばばばばばば
    もうやだ二度と闘牌シーンなんて書かないいいいいいいいい。゚(゚ `Д)ノ。゚ヽ( )ノ゚。ヽ(Д´ ゚)ノ゚。。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウワァァァン!!

    433 = 1 :

    書きなおそっかな………(´;ω;`)ウッ…

    434 :

    まこの手は三暗刻つくから倍満のままでヘーキヘーキ

    435 = 429 :

    お、オカルト麻雀だから…
    読む人が脳内補完するからヘーキヘーキ

    437 :

    最近ss読んでて闘牌シーン書ける人ってすごいなぁと改めて思った
    時々原作が休載する理由もきっとこれだよね

    闘牌シーン面白いから頑張ってください

    439 = 1 :

    ツイッター上で「あれ? 京ちゃんは?」とかいった類の書き込み見るたびに心臓に「ドスドスドスドス!」と小さな剣が突き立てられていく感覚でした。
    分からないよ。怒りより先に悲しみが先行するよ。ぶっちぎりだよ。

    >>437 ありがとう(´;ω;`) 今年中にもう一度くらい更新できるように頑張るよ。

    440 :

    実写は目が腐るから見る価値なし!

    441 :

    今更だけどさ>>372で喰い替えしてるけど
    咲の大会マージャンルールって喰い替え無しでしょ?
    場末の雀荘だからなんとも言えないけど、普通喰い替えは無しの方が多いと思うんだけど…

    442 :

    喰い変えにも色々有ってな
    喰った牌と同じ牌を捨てるのを禁止してるやつ(手牌123で1を喰って1を切る)
    晒した牌と同じ牌も捨てるのを禁止してるやつ(手牌223で1を喰って2を切る)
    今回のパターンは234が手牌に有って、1を喰って23を晒して4切りだから双方に該当しないかと
    寧ろ今回の場合喰い変えになるなら、23334って手牌の時1を喰って4を切るって出来なくなるぜ?

    443 :

    まーアカギでも市川戦で「6m鳴き9m切りはなしだ」って言われていたから
    かなりグレーゾーンなのはスレ主もわかってるんですけどね。

    さらに言えば今の今まで赤ドラの存在を忘れてました。

    444 :

    そういえば咲って赤が1枚多かった記憶が
    闘牌はややこしいし、間違ってもしゃあないさ

    真面目に京太郎が麻雀してる話好きだから続き待ってる

    445 :

    赤ドラなんてないのが普通だし
    つーかなんで咲世界は赤5pだけ2枚なんだよ
    バランス考えろよ

    446 :

    >>445
    赤5pが2枚ある麻雀牌も売ってる
    っていうか俺が買ったのには2枚入ってた

    447 :

    麻雀格闘倶楽部もそうだな

    448 :

    >>442
    >寧ろ今回の場合喰い変えになるなら、23334って手牌の時1を喰って4を切るって出来なくなるぜ?
    23334から1を鳴いて4切りを喰い替えって言って出来ないんだぜ
    喰い替えで検索していろいろ調べてみるんだぜ

    449 :

    出来る雀荘もあるよ
    鳴いた牌でなければセーフってルールも存在する

    450 :

    麻雀かじっただけだけど、赤5ピンって2枚が普通だと思ってたわ……
    ネトマとかでも赤ありにしたら2枚だし


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