元スレ京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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151 = 1 :
左手に持ったタコスをかじりながら、優希が相槌を打つ。
「みんなおんなじこと言うんだね………」
「じょ?」
「それで先生がね、京ちゃんに昨日は何時に寝たんだって聞くとね、夜中の3時まで起きていたんだって」
「それじゃあ眠くて当然ですよ………」
和が呆れたように息を漏らす。
「3時ですって?」
部活が始まってから卓にも入らず、ずっと窓の外をぼうっと見つめていた久が反応した。
「昼休みに須賀君に会って、ぎょっとするほどくまが出来てたから聞いたけど、昨日は12時過ぎにはもう寝てたって言ってたわよ?」
「普通、先生に訊かれたら叱られないように早く寝たって答えるよのぅ?」
咲の持ってきた、京太郎が昨日までにまとめた牌譜を眺めていたまこが、視線を上げずに会話に参加してきた。
152 = 1 :
「じゃあ、やっぱりほんとは3時まで起きてたんだ…………」
「部長?」
「ん、ああいや、なんでもないわ。で、3時って答えたらどうなったの?」
「馬鹿もんって怒られて………先生がお前は帰宅部なんだから、ちゃんと勉強しろって言って、京ちゃんが麻雀部ですって答えると、じゃあ京ちゃんもインターハイでいいとこまで行ったのかって聞いてきて…………」
「あー……」
そこで優希がその先を察して息をついた。
「京ちゃんが一回戦負けですって言ったら、周りのみんなはそれを笑って…………、先生まで、じゃあお前才能ないんだから、諦めて勉強しろって。私は提出物全部出してるのに、見習え馬鹿もんって…………」
「そりゃあそうだじぇ。咲ちゃんは普通に家帰ってから勉強してるのに、同じ条件で京太郎は何してるんだじぇ全く」
「同じじゃないよ!」
「じぇっ!?」
咲が声を張ると、優希が驚いてタコスを落としそうになる。
153 = 1 :
「優希ちゃん、牌譜を40局、パソコンとか画像とか使って、私はよく知らないけど見やすい形にするのにどれくらいかかると思う?」
「じぇじぇ? うーん……作ったことないし………」
「私は何度か作ったことがありますけど………、ソフトを使って、1局が終局までフルに行われたとすると………1局あたり10分でしょうか?」
「じゃあ、染谷先輩。今日、京ちゃんが持ってきてくれた牌譜、何局分ありますか?」
「ん? 30くらいかのう? 一昨日までの残っていた分が8つ、昨日の分が21………ありゃ?」
まこの言葉が途中で途切れる。
「優希ちゃん。じゃあ大体30かける10分で、全部まとめるのに何時間かかる?」
「じぇっ!? え、えーっと、300だから、3時間!」
「何で1時間が100分なんですか………」
勢いよく答えた優希の答えに、和が頭を抑える。
「でも、確かにこの量を1日でやるのは…………」
「そう、京ちゃんはほぼ毎日、家に帰ってからも5時間近くかけて牌譜の整理をしてくれてるんだよ。もっとも全部終局までやるわけじゃないし、優希ちゃんが居ると東場はすぐに終わっちゃうから、全部が全部10分かかるわけじゃないだろうけど」
「帰ってから5時間………気が遠くなるのう」
牌譜から視線を上げたまこが、天井を仰ぐ。
154 = 1 :
「私たちが毎日8時まで部活をやって、京ちゃんが家に帰れるのが大体8時半。ごはんとお風呂を済ませて九時半。そこから短く見積もって3時間かかるとしたって、もう12時半だよ?」
「じゃあ、残りの2時間半は何してるんだじぇ? 3時に寝たんだろ?」
「いつ宿題をやるの?」
「あ…………」
そこまで説明すると、優希も理解したようだった。
「仮に宿題を1時間で済ませたとしても、それで1時半。しかも期末前で提出物も大量にあるから、到底そんなんじゃ終わらないよ。もし終わったとしても、その後京ちゃんはいつどこで自分のための麻雀の練習をするの?」
「うわぁ…………」
いったい何時までかかるか想像した優希が、頭を抱える。
「私は本を読みこんじゃったりして遅くなっても1時には寝ちゃうけど………、京ちゃん、いったい何時間寝れてるんだろ?」
そんな大変を過ぎて過酷な状況にあって、教師から心無い言葉をもらった京太郎の心情を考えると、咲はどうしても気分が沈みこんだ。
155 = 1 :
「私たち、大会前だからって…………、どうせ京ちゃんは個人戦しか出れないからって、京ちゃんに任せ過ぎだよね…………」
咲のその言葉に、その場にいた全員が胸の中を抉られる思いだった。
自分と同級生、もしくは1つか2つ下の後輩が、毎日深夜まで起きて自分たちの牌譜を整理してくれていて、部活中でもまこが卓に混ざるときは牌譜を全部やらせ、食事や掃除、買い出しといった雑用もすべて任せていた。
大会前だから、というなら京太郎だって自分達と条件は同じはずだ。
だけど京太郎に任せておいて異を唱えなかったのはきっと、きっとこの場にいる誰もが、あえて無視し続けていた、「どうせ京太郎は1回戦負けだろうし、実力もないから練習相手にもならない。だったら自分達を優先的に練習させて、雑事は京太郎に任せればいい」という、京太郎を蔑ろにした考えに基づいてのことだ。
無論、心の底からそう思っていたわけではない。京太郎を疎ましく思うものなど、一人もいはしない。
だが成人もしていない未成熟な少女たちはどうしても、「もう一度、自分たちが優勝のような好成績を残したい」という欲が勝ってしまい、結果京太郎の境遇に目を向けることを避けてしまった。
ここで咲にその問題と対面させられて、5人は自分が今までいかに合理的ではあるかもしれないが、非道なことをし続けてきたのか、自分の心の汚さと直面させられる。
156 = 1 :
「で、でも、いぬ………じゃなくて、京太郎はそんな不満そうにはしてないじぇ! 確かに任せ過ぎだけど、これからは京太郎も混ぜてやればいいじぇ!」
優希が沈んだ空気を取り払おうとして、余計に明るい声で言う。だが、
「不満は………ずっと溜まってたんだと思うわよ」
「え?」
黙り込んでいた久が、壁に背を預けながら言う。
「あのさ………たとえ話で悪いけど、そうね………。仮にみんなが何かの科目で、毎週テストをやるとするね。それでみんなは、せいぜい頑張っても60何点かしか取れないの」
「私は80点以下はとったことないですけど………」
「むきーっ! のどちゃんひどいじぇ! 私なんていっつも20かそこらなのにー!」
「はいはい、今はそこが問題じゃないぞ」
どこかずれた発言をする二人を、まこが抑える。
「うん。それでね、隣の………ううん、クラスの前後左右の席の人が、全員毎回90点以上をとっているとするの」
「やなかんじだじぇ」
「うん。それでね、その人たちが自分を囲んで毎回これ見よがしにいうのよ。ああ、また90点だった。
100点じゃないなんて、自分は頭が悪いなぁ。100点じゃないとか恥ずかしい。90点くらい取れて当たり前だよね、とか」
157 = 1 :
「うっじぇえええええ!! なんつー腹立つ奴らだじぇ!」
胸糞の悪い想像に、優希が怒声を上げる。
「他のみんなはどう? そういうことされたら?」
「いい気分は、しませんよね………」
「いたたまれないっていうか………」
「正直、そこまでされたらみじめで泣きたくなるじゃろうのぉ」
「やっぱり、そうだよね…………」
全員の解答を聞いて、久が顔を曇らせる。
「そうやって自分のことだとわかるくせに………私って、最低ね」
「え?」
「私たちは皆………それと同じことをやって来たのよ。須賀君に」
「それって………?」
「さっき、お昼休みに須賀君に会ったって言ったでしょ? その時にね、須賀君が麻雀の教本を持ってたのよ。
お世辞にも上級者向けとは言えない、基本的なことばかりの本だったけど、勉強するなんて偉いじゃん、私もまだまだ弱いんだし見習わなきゃねって言ったの。
そしたらね、すっごい怖い声で、須賀君が嘘をつくなよって言ってたの」
「嘘?」
158 = 1 :
「うん。私もびっくりしてね、須賀君は慌てて笑ってごまかしたんだけど、私は言いたいことがあるなら言ってって言ったの。そしたら須賀君は、部長でまだまだ弱いとか、冗談でもたちが悪いって言ったのよ。私は自分のことを、そんな絶対的に強いとは言えないし、自分より強い人も知っているから、だから私は自分のことをまだまだだなって思ってるって答えたの。
そしたら…………」
京太郎に怒鳴られた時の恐怖を思い起こして、久の手足が小さく竦む。
「須賀君が、嘘つくなよって、ものすごい形相で怒鳴ってきたの。
そんなに強いくせに自分を貶めるようなことを言って、何が面白いんだよ、あんたで弱いなら俺は―――って、
そこで言葉切ってたけど、多分、あんたで弱いならそれより弱い俺は何なんだよって、言いたかったんだと思う………」
5人は、京太郎のその言葉に考え入った。
「もし―――さ、私たちが、私たちなんかじゃ及びもつかない人たちの雑用を毎日押し付けられて、その状況でさらに、その人たちが自分のことを弱い弱いってこき下ろしてるのを聞いたら、どう思うかな………。
私だったら、やっぱり自分がみじめでたまらなくなっちゃうと思うな………」
159 = 1 :
久は窓の外を向いて、土砂降りで真っ暗になった空間を見つめた。
「私………部長失格ね」
「そ、そんなことはないです!」
年長者に向かってはいつもの語尾を伴わず、敬語を使って話す優希が声を上げた。
「部長以外の人が私たちの部長になるなんて、考えられないです! 全国で会って来たどんな強い人たちよりも、部長以上に最高の部長なんていません!」
「ありがと。でも、須賀君にとってはそうじゃなかったと思う。考えてみれば、本当に麻雀を知らないのにうちの部に来てくれたのは須賀君だけ。なのに私は………、そんな素人の彼を指導することをしなかった。本当なら、先輩としてそんな彼を真っ先に指導しなきゃならなかったのに。
自分がこの部に居られるのは実質1年しかないからって、試合に出れる面子のことしか考えていなかった。
しかも……インハイ後も、内定がもらえたからって有頂天になってた。
自分がまだ主役で麻雀を続けられるんだって思ったら、それでいっぱいになっちゃって………。
それまでずっと後回しにしていた須賀君を鍛えることすら、都合よく忘れてた…………私…………」
「この4カ月………まだ1年の彼と、引退した私の4か月じゃ、比べ物にならないのに…………
須賀君に………どうやって謝ればいいんだろう…………」
160 = 1 :
ここまでです。
小出しにするとなかなか仲直りまで遠い。
清澄連中があくどい立場になっていますが、主は別に清澄嫌いではありません。
ただ、そもそも5人いなけりゃ部活にならないのに、完全初心者なのに来てくれた京太郎にもう少し感謝してもいいんじゃないかなぁと思います。
でもタコスはどっちかと言えば嫌い。人間を人間扱いしないやつは問答無用で嫌い。
犬呼ばわりとか冗談も何回も言えば真実になる。
161 = 1 :
後関係ない話ですけど、咲実写化らしいですね。
京ちゃんが存在消されたりしないか心配です。
出たとしても完全なこてこてのギャグ要員とか止めてくれ。ましな扱いを。
162 :
乙!
そりゃ二年も人集まらんかったわな、こんな人達じゃあ
163 :
乙
スレ主もタコスって人間扱いしてやれよww
164 :
乙です
仲直りはよ
165 :
おもしろい
166 :
わかる、いくら仲のいいことからの冗談でも人に対して犬と呼ぶことが平然と出来る優希はちょっとアレだと思う
167 :
消えるどころかむしろ出番マシマシまであるでしょ
168 :
乙です
実写ドラマについてはデスノレベルに主役が改変されなければ咲ちゃんが麻雀部に寄る理由ないし大丈夫
だと思いたい
169 :
乙!
状況を聞けば聞く程、畜生清澄の印象が強くなっていく…。
更に言うなら来年、大して強くないのに雑用ばっかりやらされてる先輩がいて後輩がどう思うのかまで考えて欲しかったと思う。
170 :
女性受けも狙った恋愛もの路線になるかもしれないしなぁ
171 :
>>168
咲ちゃん例によって迷子で麻雀部の部室前に
優希「お?入部希望者だじぇ」
咲「いえ、あの…そういう訳じゃ…」
優希「まぁいいから1回打ってくじぇ」
これだけで京ちゃん必要なくなる気がするんですがw
172 :
アニメとか漫画なら女しか出てこない謎世界でも喜ぶ人がいるから商売成り立つけど
実写だったら男女の恋愛要素入れないと誰にも相手にされないからねえ
173 :
男女の恋愛要素入れるとなると、和が「私はあの人に勝ちたい」と人鬼を追うむこうぶちクロスのほうが客受けしそうだな。
でもそれむこうぶち実写化したほうが早いよねって突っ込まれそう
174 :
京太郎の存在が消されるだけならまだマシかな…
最悪なのは和が男になってタコスワカメ京太郎が消されてる世界か
175 :
そもそもメインキャラが『宮永咲』でない可能性も……
176 :
そもそも麻雀やらない可能性も・・・
177 :
対局に時間かかるからソードマスターヤマトみたいに最終回で卓囲んでそのまま終了かな
178 :
こんばんは、ちょこっとだけ投稿するよ
179 = 1 :
「すいません、お風呂を貸してくれただけでもありがたいのに、服まで………」
旅館の仲居さんが俺の服を洗濯してくれている間、俺はおじさんの服を借りていた。
俺やおじさんの体形に合う旅館の浴衣がなかったため、おじさんが気を利かせてくれたのだ。
「はは、中々にあってるじゃないか」
「そ、そうっすか?」
格好いい、真っ黒なシャツに銀色のジャケットを羽織る。
おじさんのまねをしてシャツの襟をわざと立ててみようとちょっと試してみたが、あまりにも格好つけすぎているのでやめておいた。
「やっと年相応な面になったな」
「え?」
鏡の前で、襟をいじって照れていた俺を見て、煙草をくわえたおじさんが笑う。
どうやらそれが最後の1本だったようで、箱はくしゃりと握りつぶしてしまった。
「さっきよりはずいぶんましな顔になった。年相応のガキの顔だ」
「そ、そうっすか…………」
180 :
おう待っとったゾイ
181 = 1 :
恥ずかしいやらなんやらで、俺はおじさんの方に正座して向き直る。
「え、えっと、俺、須賀京太郎って言います。おじさんは………?」
「俺か? 俺は赤木…………赤木しげるだ」
赤木さん。そう名乗ったおじさんは、部屋の隅に置いてあった座布団を俺によこした。
「あ、ありがとうございます」
お礼を言って、座布団の上に座る。
畳の濃い香りが漂う部屋に、赤木さんの煙草の臭いが強くなっていく。
「ああ、煙草は苦手だったかい。だが悪いな、これが今ある最後の一本だから、吸い切らしてくれ」
「は、はい」
別に煙草はどうでもよかったのだが、威圧感に似つかわしくない赤木さんの気づかいに緊張してしまう。
「くくく………取って食おうってわけじゃねぇ、そう固くなるな」
「は、はい………」
182 = 1 :
そんな俺の戸惑いすら見透かしたかのように、赤木さんは笑って気を利かせてくれる。
そのまま何度か煙を吐いて、雨音だけが聞こえてくる時間が続いた。
「ん………待たせたな」
赤木さんが短くなった煙草を灰皿に押し付け、俺と向き合う。
「この雨で散歩にもいけねぇし、せめて煙草だけ買いに行こうとしたらお前さんが居たんでな。まぁ、ジジイの暇つぶしに付き合わされてると思ってくれて結構だ」
「いえ、そんな………! 赤木さんが着てくれなかったら、あのまま濡れて風邪ひいてただろうし………」
スッ
その時、部屋のふすまが開けられて、仲居さんがやって来た。
「失礼いたします。お飲み物をお持ちいたしました」
「おう、ご苦労さん」
仲居さんは、湯気の出るような熱いお茶を俺の前に置いて、赤木さんの前にはビールの小瓶とコップを置いた。
「ああ、姉ちゃん。この、フグ刺し頼めるか?」
赤木さんがルームサービスのメニューを指さしながら尋ねる。
「申し訳ありません、最近は天気が良くなくて、業者も来れなくて御品切れとなっております」
「そうかい(´・ω・`)」
赤木さんはとても残念そうな顔をした後、ビール瓶を開けた。
183 = 1 :
赤木さんはとても残念そうな顔をした後、ビール瓶を開けた。
「京太郎、酒はイケる方か?」
「い、いやっ、俺未成年すから!? ばれたら部活の皆にも、迷惑が…………」
赤木さんの冗談めかした問いかけに、俺は跳び上がって答えた。
そしてその言葉尻が、沈んでいく。
「部活の連中が、どうかしたのか?」
「えっと…………」
「構わねぇ。どうせ俺しか聞いていないんだ、遠慮なくぶちまけちまえ」
俺は机の上のお茶を飲まず、うつむいたままポツリポツリと話し出した。
「赤木さん。清澄高校って知ってますか?」
「すまん、俺は世間一般のことに疎くてな」
「すぐそこの高校で、そこの麻雀部は滅茶苦茶強いんです。初出場で、インターハイベスト4とかやってのけちゃうくらいに」
「へぇ、そりゃすごそうだ」
かかか、と赤木さんが軽い笑い声を上げる。
184 = 1 :
「男子が俺一人、それと女子五名のたった六人だけの部活なんすけど……。あいつらは、本当に化け物じみた強さなんです」
「お前さんはどうなんだい。それなりに、腕に自信はあるのか?」
「いえ、全然……………」
膝の上に置いた拳を握り締める。
「俺は、麻雀初めて1年も経っていないんですけど………全然だめです。多分条件が同じでも、そこらの学校の麻雀部の生徒より弱いと思います。いっそ、笑える程に才能がなくて………」
掌に、握り締めた手の爪が食い込む。
「努力は、正直めちゃくちゃしてるって言えると思うんです。毎日あいつらの傍にいてその牌譜をとって、強い人たちの打ち方をこの目で見て感じて、家に帰ってからも、毎日2時間以上自分で勉強して、夜遅くまで頑張って…………」
胸の痛みが再びよみがえる。最近の辛いとしか感じられない日々が、頭の中一杯にフラッシュバックする。
185 = 1 :
「なのに、あいつらは、俺なんか置いてどんどんさらに強くなっていくんすよ………。
人が100メートル走を律儀に頑張ってるときに、タクシー使ってそばを追い抜かれていく感じっす………。
でも、別にそれはいいんです。その手伝いは正直、辛いっすけど………、ある意味それも幸運なことだと思えるんです。でも…………」
「でも………何だ?」
「でもあいつらは…………そんだけ急成長していく自分たちを、弱いっていうんです………。
元から化け物じみてるくせに、最近はさらに強くなって………それでも、まだまだ弱い、まだまだ勉強しなきゃって………。
それで………そんなあいつらを傍で見ていて、じゃあ、お前たちより弱い俺は何なんだよって………思い始めたんです」
視界が、涙で歪む。
「お前たちで弱いっていうなら………じゃあ、俺はただの雑魚じゃないかって。
そりゃ、もともと俺は雑魚っすよ。あいつらが一流じゃなくて二流なら、俺は三流どころか五流っすよ。
でも、あいつらだけがさらに強くなっていって、それを傍で見せつけられて、自分たちは弱い弱いって、ずっとこき下ろされて………みじめで………!」
ポタリ、と膝の上で握り締めた拳の上に、涙が落ちた。
赤木さんは、何も言わずにビールをもう一杯、コップに注いでいた。
「……………それが、お前の煙っちまってる原因かい?」
「……………」
俺は黙ったまま頷いた。
赤木さんは、注いだばかりのビールを一口飲み、コップを置いてしばらく黙った。
186 = 1 :
短いけどここまでです。
次回が説教シーンなので、ひとかたまりドンと行きます。
説教が訳の分からないものになってないか、何度見直してもスゲー不安です。
187 :
乙
熱くても三流は嫌だよね
188 = 1 :
また本編とは関係ない雑談なんですが、最近脳内でアカギと咲のキャラを入れ替えることがマイブームです。
鷲巣麻雀で 安岡さん(頑張る凡人。最近超覚醒) → 京太郎
仰木(後ろで20年間フラグ立て続けてきた戦犯) → 和
とか置き換えるとすごいしっくりきます。
その状況とかもいろいろ妄想が膨らむんですが、それで1本書けそうなくらいなんでここまでで^^;
189 = 1 :
アカギでも咲でも、頑張る凡人枠が大好きです。
最近の安岡さんはめっちゃ戦力として頑張ってるよ
190 :
乙でした
安岡さん、確実にアカギと鷲巣に引っ張られて成長しとるよなw
191 :
おつです
部長的には「てっぺん獲るわよー」と参加したのにベスト4で終わっちゃったからまだまだ弱いって思ってるんじゃないかな。
まぁだからと言って京太郎の現状に納得できるかどうかは別問題だけど
192 :
正直アカギとかそっち系の運のどうこうだの流れがどうこうだので考えたらさ、
京ちゃん真面目に麻雀始めてから少なくとも部活で1位になれた事すらない可能性が割とあるし、
大会前の時点で「俺が麻雀やると絶対に負ける」って無意識に刷り込まれてる可能性。
他の麻雀漫画になるが、「卓についた瞬間から常時背中煤け続けてる」とか「いつでもご無礼可能」とかそんな感じになってたとしたら……。
りつべブログの男子麻雀とアニメでの京ちゃんのトビっぷりが矛盾しまくってるし、本気でそう言う状況なのありえなくはないんだよね。
193 :
>>192
真面目に描写されてないだけだぞ…
まあその点置いておいてもちょっと負けすぎな感はあるな
咲和は天才だし優希もとんでもない成長速度だから仕方ないともいえるが
194 :
>>男子の試合は能力も特になくて地味です。
男子って高校生以下の男性のことなのかそれともプロ含めた面子のことなのかで話が変わるね
「最近の男は情け無い」なのか「男は麻雀に向いていない」なのか
195 :
>>192
アニメ全国編EDのユキのポーズが実は伏線でしたーwwとかやるりつべだぞ。
つかその京ちゃんのシーン以外は大体連携取ってやってるはずなのに、そこ「だけ」アニメスタッフが暴走ギャグやる理由が無い。
>>194
んでそれがどっちにしたって「男子のそれも県一次予選の場であそこまで盛大に吹き飛びまくった」って京ちゃんの状況が明らかにおかしい事には、なぁww
多少なりとも麻雀してるシーンがある中で、だと亦野さんがマタンゴ言われる切欠になったアレと泉の焼き鳥の被害が大きい部分足したみたいな感じだし。
亦野さん:結構高火力の喰らいまくってたけどまぁ上がれはしてる
泉:焼き鳥だが一発一発はそこまで
京ちゃん:原作通して「上がった描写すらないし作中で京ちゃんが入ってた卓の結果見ても上がったこと無いと考えても矛盾すら起こらない」&「その予選描写だと最低が跳満レベル」
作中描写とりつべブログでの話が全部事実と仮定すると、マジで京ちゃんの評価↓になる。
「クソ雑魚ナメクジばっかの現男子高校生の中でもぶっちぎりで話にならないクソ雑魚ナメクジ」
196 :
ということは京ちゃんはわざと振り込んで初心者のふりをしてるってことにならないかな?
197 :
京太郎「今日はこれ、上がってもいいんだよな」
198 :
初出場で優勝の清澄(しかも美人揃い)でたった一人の男子、となると相当マークや恨み食らうことになって、
いざ試合が始まるとすぐに弱いと見抜かれ、あとは個人戦の定石「弱い奴からむしって稼ごう」に飲まれる。
相手同士で和了って展開が紛れるより、山越しや低目見逃し使ってでもで狙われることにならないか?
まあ、作者がこうですと言ったらどうにもならないけど・・・
199 :
長文の応酬やめーや
200 :
こんばんはー
これ以上見直しても自分じゃ改善でき無さそうだったし、そろそろ投下していくよー
みんなの評価 : ★★
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