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    元スレ結衣「おかえり、ヒッキー」八幡「……いつまでヒッキーって呼ぶんだ」

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    201 = 192 :

    八幡「気が早いんじゃないのか、それは……。でも、あれだな、カマクラとも仲良くしてやってくれると嬉しいかな」

    結衣「だ、だよね。それにあわよくばご両親と会えたりしちゃったら、ご挨拶とか……うわ、何着てこう……」

    八幡「だ、だから気が早いって……」

    結衣「むーん……不安なんだよー。ヒッキーがあたしを捨てちゃうのが……」

    八幡「そんなことしねぇって……」

    結衣「じゃーあー、不安、とってよ……」

    八幡「ま、またぁ?最近毎日じゃねぇか……」

    結衣「嫌?したくない?」

    八幡「そんなことはねぇけど……。いやな、ゴム代も結構バカにならんなと……」

    202 = 192 :

    結衣「……なら今日は、なしで」

    八幡「え、あぁん?いいの?マジで?」

    結衣「あ、いや、ナマはダメだよ……。使わなくて済むようなこと、しよ?」

    八幡「あ、そゆこと……」

    結衣「なに、そんなに……したいの?」

    八幡「……そりゃ、したくはあるけど。責任まだ取れねぇから駄目だよな。わかってる、すまん」

    結衣「……あたしも、したいよ。でも、デキちゃったら大変だから……ごめんね」

    八幡「いや、謝んなよ。俺が馬鹿なんだから」

    203 = 192 :

    結衣「……うん。その代わり、って言っちゃうとアレだけど……。いっぱい気持ちよくなってもらえるよう、頑張る」

    八幡「……俺も」

    結衣「明日はできないし、浮気しないよう二日分やっちゃお」

    八幡「……ちょっと怖いんだけど」

    結衣「んっふっふ、ヒッキー覚悟ー!」

    八幡「えっ、ちょ、いきなり!?いやぁぁ!」


    一一一

    204 = 192 :

    ここまで

    毎度半端でさーせん

    206 :

    乙乙 いいね

    207 :

    サキサキが本気を出すと見せかけた
    ルミルミのターンはまだですか?

    208 :



    沙希「比企谷ぁ……。飲んでないじゃん」

    八幡「の、飲んでるだろ……。俺あんま強くねぇんだよ」

    沙希「つまーんないー、比企谷、なんか面白いこと話して」

    八幡「えぇ……なんという無茶振り、俺を殺す気か。つーかお前大丈夫なのか?なんか目座ってる気がすんだけど」

    沙希「……なに、あたしの目付きが悪いって、そんなこと思ってんの?」

    八幡「言ってねぇだろんなこと……。えらい絡むなお前」

    沙希「しょーがないじゃん。あたし比企谷しか話せる人いないしー」

    八幡「いや、他にも人いんだろうが」

    209 = 208 :

    沙希「じゃあ言い方変える。あたしは比企谷と話しにここにきたのー」

    八幡「……ああ?これ店長の送別会だぞ」

    沙希「だからー、そんなのはただの口実なのー。比企谷とお酒飲めたらなんでもよかったのー」

    八幡「えー……それ、言ってもいいのか?見た目じゃよくわかんねぇけどお前すげぇ酔ってんだろ……。なんか異様に間延びした喋り方だしよ」

    沙希「んー、ちょっとだけ酔っちゃったかなぁ?にへへぇ」

    八幡「いやいやいやいや、びっくりするぐらい酔ってるって。普段とキャラ違いすぎだろ」

    沙希「なによ。普段は可愛いげがないとか思ってるんでしょどうせ」

    八幡「だってお前さ、愛想振り撒くキャラじゃないじゃん……」

    210 = 208 :

    沙希「そ、そうだけどさぁ……。あたしだって、あたしだってねぇ……」

    八幡「え、ちょっ、離せっ。あた、みえ……」

    沙希「いいから」

    八幡「よくねぇっ。み、みんなに見られてるだろが……」

    沙希「…………あ」

    八幡「はぁ…………」

    店長「やぁやぁ、相変わらず仲がいいねぇ君達は」

    八幡「あ、店長。お疲れす。今までほんとお世話になりました」

    沙希「……あ、店長ー。比企谷クビで」

    八幡「はぁ!?なんでだよ……」

    店長「はっは。もう僕にはそんな権限はないよ」

    211 = 208 :

    沙希「いや、冗談なんで。比企谷やめるんならあたしもやめまーす」

    店長「それは困るなぁ。……前から聞きたかったんだけど、川崎さんと比企谷くんは付き合ってるの?」

    沙希「あ、あたしと、こいつが?付き合って?えー?」

    八幡「……いえ、付き合ってませんよ。俺、一応彼女いるんで」

    沙希「………………」

    店長「あ、そうなの?人は見かけによらないもんだね」

    八幡「なんすかそれ、失礼じゃないですかね……」

    店長「はっは、いや失敬。そりゃ大学生にもなったらそれぐらいは普通だね。じゃあまた後で」

    八幡「あ、はい」

    212 = 208 :

    沙希「………………」

    八幡「…………なんだよ」

    沙希「……比企谷、おかわり」

    八幡「まだ飲むのかよ……もうやめとけって」

    沙希「うるさい。比企谷のも頼んどくから。すいませーん」

    八幡「……参ったな」


    一一一


    店長「それじゃあみんな、今までありがとう、また何処かで」

    八幡「お疲れ様でした」

    沙希「おつかれさまでしたぁー」

    店長「じゃあね、比企谷くん、川崎さん」

    213 = 208 :

    八幡「はい、今まで本当にお世話になりました」

    沙希「お世話にー、なりましたぁ」

    店長「……川崎さん、大丈夫?」

    八幡「いえ、あんまり……。見たことないぐらいぐでんぐでんです」

    沙希「…………ダルい」

    八幡「おい、そんなとこで座んなよ」

    沙希「つかれたー」

    八幡「…………こりゃ駄目だな」

    店長「比企谷くん、悪いけど川崎さん連れて帰ってもらえる?」

    八幡「え、なんで俺が」

    店長「川崎さんと仲がいいの君ぐらいだもん。じゃ、よろしくね。しっかり頼むよー」

    214 = 208 :

    八幡「いや俺、こいつの家とか知らな……ちょ、えー……。みんな薄情だなおい……」

    沙希「比企谷、おんぶしてー」

    八幡「うるせっ。とりあえず立て、座るならそこに公園あるからベンチにしとけ。ほら、掴まれ」

    沙希「んんー……」

    八幡「肩、貸すから……。大丈夫か?歩くぞ?」

    沙希「うん……」



    八幡「はーっ、はーっ、力ぜんっぜん入ってねぇよお前……」

    沙希「うぅ……頭ガンガンする……」

    八幡「ちょっと座って休んどけよ。だから今は、体に力入れろぉおお歩けぇぇ」

    215 = 208 :

    沙希「比企谷、近いよ……」

    八幡「仕方ねぇだろが……どうしろってんだ俺に」

    沙希「比企谷ぁ……。あたしじゃ、ダメなの……?」

    八幡「な、何がだよ」

    沙希「由比ヶ浜じゃなきゃ、ダメなの……?」

    八幡「…………ああ」

    沙希「…………そう」

    八幡「………………離すぞ」

    沙希「疲れた……ダルい……」

    八幡「……ちょっと待ってろよ、水買ってくるから」

    沙希「行かないで……」

    216 = 208 :

    八幡「いや、そこの自販機だから。見えるだろ?置いてきゃしねぇから安心しろ」

    沙希「わかった……」

    八幡「…………な、なんなんだあいつ。酔うと幼児化すんのか……?」



    八幡「ほら、かわさ……って、寝んのかよこんなとこで。いい加減にしろよこいつ……」

    沙希「………………」

    八幡「はぁ…………」


    一一一


    八幡「うあ……寝汗ひでぇな。川崎は……まだおやすみか。この野郎、ぐっすり寝やがって……」

    217 = 208 :

    沙希「…………むにゃ………………」

    八幡「死ぬほど疲れたんだからな……。気持ちわりぃ、シャワー浴びるか……」



    沙希「…………ん。……ベッドだ。どこ?ここ……」

    沙希「うぅ……いたた……。昨日送別会行って、えーと……緊張してたから飲み過ぎて……」

    沙希「ダメだ。さっぱり思い出せない……。こんなの初めてだ……」

    沙希「てか、誰の家……?昨日のメンバーだと、やっぱり比企谷……?」

    沙希「なんで誰もいないんだろ。んー……」

    沙希「トイレ借りて、いいかな……」

    沙希「………………」

    218 = 208 :

    八幡「あっ。まっ…………」

    沙希「…………きゃあああ!」

    八幡「おまっ、叫ぶなっ!」

    沙希「なんで比企谷、はだっ……むぐっ」

    八幡「こ、ここは俺んちだ、静かにしてくれ頼む……。まだ5時なんだぞ……」

    沙希「ぷはっ!いいから、服、着ろおお!」

    八幡「………………。すまん」


    一一一


    八幡「……落ち着いたか?」

    沙希「…………うん。なんか、ごめん……」

    八幡「どこまで覚えてんの?」

    219 = 208 :

    沙希「送別会で飲みすぎたとこまで、かな……。どうやって店出たのかもイマイチ……」

    八幡「一応、俺の名誉のためにざっと説明しとくな」




    沙希「…………ちょっと、思い出してきた」

    八幡「そうか、よかった」

    沙希「なんか公園?みたいなとこ、二人で行ったよね?」

    八幡「おお、行ったな。ベンチで寝始めたんだよ、お前」

    沙希「……そこ行くとき、あたしさ……。その、変なこと、言ったよね。記憶がおかしくなければだけど……」

    八幡「……別に、変なことは言ってないんじゃないか」

    220 = 208 :

    沙希「……覚えてるんだ」

    八幡「そりゃ、まぁな」

    沙希「…………この際だから、もう一度聞かせて。曖昧な記憶にしときたくないんだ。あたしの、あたしじゃ、ダメなのかな……」

    八幡「…………別にお前が駄目なわけじゃないだろ」

    沙希「ごめん。そんなのじゃあたしが納得、っていうか……踏ん切りがつかない。ちゃんと、終わらせたい」

    八幡「…………それでも、お前に不満なんて、駄目なところなんてない。俺はお前より先に由比ヶ浜と知り合って、先に好きになっただけだ」

    沙希「……どこが、好きなの?」

    八幡「…………いろいろあるけど、あいつは誰よりも優しくて、俺のことを想ってくれてて……。俺はあいつのことをもっとわかりたいと思った。だから、傍にいたい」

    221 = 208 :

    沙希「比企谷、一途そうだよね。由比ヶ浜が羨ましいな……」

    八幡「一途ってか、なんだろうな。俺そんな器用じゃねぇから、一度には一人しか見られないんだと思う。だから……」

    沙希「…………そっか」

    八幡「……ああ」

    沙希「そっか…………」

    八幡「…………泣くなよ」

    沙希「…………泣いてない」

    八幡「そうか」

    沙希「こういうの初めてだからさ、よくわかんないんだけど。別にあんたと何も始まってなかったんだけど………たぶん、初恋、だったんだ」

    八幡「………………」

    222 = 208 :

    沙希「あたしも知らないうちに始まってて、でも何もできないまま大学も別々になっちゃって」

    沙希「本屋でバイトしてるあんた見つけてさ、チャンスだとか思ってやり始めたのに結局また何もできなくて。時間ばっかり経っていって……」

    沙希「で、今終わったの。比企谷がちゃんと終わらせてくれた」

    八幡「………………」

    沙希「思ってたより、ずっと、辛いね。しんどいね……」

    八幡「……そうだな」

    沙希「…………えぐっ…………落ち着いたら、帰るから……」

    八幡「しんどいなら、もう少しいても……」

    沙希「ううん。あいつに悪いから、いい。由比ヶ浜がいい子だってのはあたしも知ってるから……」

    223 = 208 :

    八幡「…………すまん」

    沙希「……でも、もう少しだけ…………ひっく…………」


    一一一


    結衣「たっだいまー」

    八幡「ただいまーっと」

    結衣「そうそう、昨日の送別会どうだった?」

    八幡「あー、まぁ……なんかいろいろあった。疲れた」

    結衣「なに、いろいろって。行かなきゃよかったとか思ってるの?」

    八幡「……いや、そんなことはないぞ。行って、よかったかな」

    結衣「ふーん。なんか珍しいね」

    224 = 208 :

    八幡「んーまぁ、店長には最後の挨拶できたしな……。……由比ヶ浜?どした?」

    結衣「…………沙希」

    八幡「…………あん?」

    結衣「沙希、来たでしょ」

    八幡「……なんでわかんの?」

    結衣「こんな青がかかった長い髪、沙希以外にいるわけないじゃん。しかもなんでベッドに……。ヒッキー」

    八幡「は、はい」

    結衣「そこに座る」

    八幡「はい……」

    結衣「……どういうことなの?」

    八幡「お、怒ってる?」

    結衣「怒ってないと思ってる?」

    225 = 208 :

    八幡「…………思ってない。好きなだけ罵ってくれ」

    結衣「あたしが別れるって言い出すとは思ってないんだ」

    八幡「おも…………え?わか…………えっ!?」

    結衣「………………」

    八幡「まま待て、落ち着け由比ヶ浜。ちゃんと説明する、頼む待て」

    結衣「ヒッキーが落ち着きなよ」

    八幡「わ、わかった。いや、それはほんと困る。嫌だ絶対に」

    結衣「なんで?」

    八幡「なんでって、俺が好きなのは由比ヶ浜……お前だけだから」

    結衣「そっか。うん、もういいよ」

    八幡「よくない。…………え?いいの?」

    226 = 208 :

    結衣「いいよ。そもそもあたしが別れるなんて言えるはずないし。前も言ったじゃん、あたしはヒッキーから離れられないって」

    八幡「だったら、なんであんなこと……」

    結衣「あたしの性格が悪いだけだよ。ヒッキーのこと信じてるけど、いつだって確認しないと不安なんだ……」

    八幡「……すまん」

    結衣「隠すなら隠すでいいけど、ちゃんとバレないようにしてよ……。もう、バカ」

    八幡「あー、いや、隠すってのも……。やましいことはしてないんだけどな」

    結衣「そうだと思ってるよ、あたしも。でもね、ヒッキーのことばっかり頭の中いっぱいにしても、何があったかなんてわかんないんだよ……」

    八幡「……だよな。わかった。話す」

    227 = 208 :

    結衣「……うん」



    八幡「…………だから、ちゃんと終わらせた。バイトはやめないつってたけどな」

    結衣「そっか……」

    八幡「しんどいんだな。終わらせる方も」

    結衣「……それはヒッキーも、沙希も真剣だからだよ。あたしはこれまでそんな辛くはならなかったから」

    八幡「そうか……なんか申し訳ねぇな。俺なんかが」

    結衣「だからモテてるって言ったじゃん。あとそんなこと言うのはあたしにも、沙希にも失礼だよ」

    八幡「……悪い」

    結衣「……後悔、してる?」

    228 = 208 :

    八幡「してるわけねぇだろ。俺には一人しか選べないんだ。ならどうするかなんて決まってる」

    結衣「……ありがと。でもさ、沙希はいい子だと思うよー。あんな子なかなかいないよ?」

    八幡「だろうなぁ。不器用なのと無愛想なの以外完璧だよな、あいつ」

    結衣「料理もあたしなんかよりずっとできるし、足長くてスタイルもいいし」

    八幡「……もうやめとけ。俺はそんなとこ見て好きになったり嫌いになったりしねぇから。結衣、好きだ」

    結衣「…………なんでわかったの?」

    八幡「今のはわかりやすかったぞ」

    結衣「うー……先手を取られるなんて初めてかも……。ヒッキー、あたしも大好きだよ」

    八幡「……おお。今度のお前の誕生日、どっか晩飯食いにいくか」

    229 = 208 :

    結衣「う、うん。どこいくの?」

    八幡「……なんかその、いい感じのとこ」

    結衣「未定?」

    八幡「おお。でもちゃんと考えとく……。あ、高級フレンチだとか、ドレスコードがいるようなとこは想像するなよ。無理だあんなの」

    結衣「そんなとこはあたしも落ち着かないかなぁ……」

    八幡「そうか、助かるわ……。カジュアルでいける、微妙に小洒落たようなとこ探しとく……」

    結衣「む、無理しないでいいよ?」

    八幡「いいんだ、無理させろよ。お前の誕生日ぐらい格好つけさせてくれ……」

    結衣「ヒッキー、カワイイ……」

    八幡「ど、どうも……」

    230 = 208 :

    結衣「……あたしは、ヒッキーといけるならほとんどどこだっていいんだ。これはほんと。でもね、ヒッキーがそうやって、あたしのことちゃんと考えてくれてるんだなって思えるのが、何よりもすっごく嬉しい」

    八幡「俺もお前のそんな顔が見たくてやってんだから、おあいこだな」

    結衣「えへへぇ……幸せすぎてとろけちゃうなぁ」

    八幡「あ、誕生日プレゼント何が欲しい?当日一緒に買いに行こうぜ。もうお前が欲しくて俺に買えるものが思い付かねぇんだよ」

    結衣「んー、何がいいかなー……。候補考えとくからさ、いろいろ見て回ろうよ」

    八幡「……そだな。んじゃ今日は何しますかね?」

    結衣「えーとね、今日はー………………」


    一一一

    231 = 208 :

    ここまで

    まだまだ続く

    232 :

    乙!サキサキには残念な結果になったけど1つ区切りをつけてガハマさんとまた絆を深めたのかね~

    233 :


    なんかやりとりがホワルバ2を連想させるわ

    235 :

    胸焼けしてきた

    236 :

    >>208
    座ってた……

    なんか目座ってる気がすんだけど
    →なんか目据わってる気がすんだけど

    238 :

    いっすねー 乙

    239 :



    結衣「ねね、ヒッキー。来年の夏休みは就活でそれどころじゃないかもしんないよね?」

    八幡「かもなぁ。状況次第だけど、卒論もあるし今年ほど暇じゃないだろうな」

    結衣「社会人なったら夏休みすらないかもよ?」

    八幡「やめろ、働きたくなくなるからやめろ。お前は無職の俺を養えるのか?」

    結衣「わわ、わかんないけど、頑張るよ!なんでもする!ちゃんと家事も!」

    八幡「……お前にだけ働かせるわけねぇだろ。家事ぐらいなら俺に任せろ」

    結衣「うぅ、なんでこんな人好きになっちゃったんだろ……」

    240 = 239 :

    八幡「アホか、冗談だよ冗談。お前にだけ苦労させてたまるか。なるべくいいとこ就職できるように努力はしてるよ」

    結衣「ヒッキー……なんか、いつの間にかまともな人みたいになってる……」

    八幡「感動してもらうポイントが違うんだが」

    結衣「あ、いや……あの、そういうこと言ってもらえて、超嬉しいです……」

    八幡「お、おお……」

    結衣「ヒッキー……すき…………」

    八幡「………………で、夏休みがどうかしたのか?」

    結衣「あ、そうそう本題忘れるとこだった。だからさ、今年がのんびりできる最後の夏休みになるかもじゃん?」

    八幡「おお、まぁそうだな」

    241 = 239 :

    結衣「というわけで、海に行こうよ、海」

    八幡「……いいか由比ヶ浜。海に行って死ぬ奴は毎年たくさんいるが、行かなくて死んだ奴は一人もいねぇんだよ」

    結衣「あんまり家にずっといたら腐って死んじゃうよ」

    八幡「一応生命維持活動はしてるから腐敗はしねぇと思うんだが……」

    結衣「いいじゃん行こーよー、うーみー。夏の思い出つくろーよー」

    八幡「……暑いじゃん」

    結衣「海冷たいよ」

    八幡「……人多いじゃん」

    結衣「祭りは行ってくれるのに?」

    八幡「えーと…………」

    242 = 239 :

    結衣「……水着、見れるよ?」

    八幡「そ、そうだな。考えとく……」

    結衣「えっ!?そんなんでいいの!?」

    八幡「なんで驚くんだよ。そんなんでとはなんだ」

    結衣「いやだって……それ以上のたくさん見せてるし……」

    八幡「ま、まぁそうなんだけどな。水着はそれはそれで別腹と言うか」

    結衣「まぁいいや……行けるならなんでも。嬉しいなー。水着買いに行くから今度付き合ってね?」

    八幡「海よりそっちのがキツいわ、マジで。変質者みたいな目で見られるの確実だし」

    結衣「じゃあ腕組んどこうよ。それなら大丈夫でしょ?」

    243 = 239 :

    八幡「せめて手繋ぐで許してくれ……」

    結衣「仕方ないなぁ。でもまた憧れを叶えてもらえるから、すっごい楽しみ。約束だよ?」

    八幡「おお。約束は守るよ、絶対に」

    結衣「よし、じゃあ夏休みにこなしたいことリストを作ろう。ヒッキーもどんどん言ってよ」

    八幡「……へいへい」


    一一一


    八幡「………………ん?」

    八幡「うおっ。なんかどんどん写真が際どくなってくんな……」

    八幡「送ってくれって言わなくても送るようになってるし、あいつ実は楽しんでんじゃねぇのか……」

    244 = 239 :

    八幡「あいつ、リベンジポルノとかそんなこと考えてねぇんだろうなぁ。無防備だなー、そんなことする気ないけど」

    八幡「まぁ、ありがたく頂きますが。保存……と。一応隠しフォルダ……と」

    八幡「…………結構増えたな」

    八幡「………………」

    八幡「………………」

    八幡「………………ふぅ」

    八幡「…………っ!だ、誰だこんな時間に……」

    陽乃「ひゃっはろー。比企谷くーん、暑いーあけてー」

    雪乃「ちょっと、姉さん酔いすぎよ。遅いんだから騒がないで、迷惑でしょ」

    245 = 239 :

    陽乃「このぐらいなら平気だよー。うるさいなぁ雪乃ちゃんは」

    八幡「………………」

    雪乃「ここは防音のしっかりしたマンションとは違うのよ。場をわきまえなさい」

    八幡「……人ん家の真ん前で住んでる場所を見下さないでもらえますかね」

    陽乃「あ、比企谷くんおひさー。朝まで寝かせてー」

    雪乃「あ、比企谷君……。ごめんなさい、いきなり押し掛けてしまって」

    八幡「…………俺の家は酔っぱらいの簡易宿じゃないんだが」

    雪乃「わ、わかってるわよそんなの。姉さんが暑いもう歩けないどうしてもって暴れだして……」

    陽乃「えー、雪乃ちゃんだって行くって言ったら嬉しそうにしてたじゃない。嘘はダメよー」

    246 = 239 :

    雪乃「ちょ、嘘を言ってるのはどっちよ、そんな事実はどこにもないわ。比企谷君、わかってるわよね?」

    八幡「えー、どっちでもいいんで、ここで騒がないでもらえますか……」

    陽乃「そーう?じゃあ上がるねー、お邪魔しまーす。ひゃー涼しーい」

    八幡「あっこらっ、まだ許可した覚えは……」

    陽乃「うわー、せまーい男くさーい。でもきちんと片付いてるじゃない、感心感心」

    雪乃「ごめんなさい……」

    八幡「……お前じゃないだろ、悪いのは。けどちょっと恨むからな」

    雪乃「……ひっぱたいてでも連れて帰りましょうか。そのぐらいしないと姉さんは動かなそうだし」

    247 = 239 :

    八幡「あ、いやさすがにそこまでは……。お前らの関係悪化させたら俺も寝覚めが悪い」

    雪乃「……申し訳ないわ、本当に。今度何かお詫びを考えておくから」

    陽乃「雪乃ちゃん何してるのー?早くおいでよー。ほら、比企谷くんのジャージ落ちてるよ。拾い放題だよー」

    八幡「あぁもう、本当になんなんだこの人は……。もういい、入れよ。あの人おとなしくさせてくれ。お前だけ帰られるとそっちのが大問題だ」

    雪乃「……わかったわ。お、お邪魔します……」

    八幡「やっぱこうなるのか。俺が悪いのか?これ……。すまん由比ヶ浜……」

    雪乃「?」

    八幡「なんでもねぇよ」

    248 = 239 :

    陽乃「比企谷くーん、布団ちゃんと干してるー?おー、寝心地はそれなりにいいじゃない」

    八幡「で、当然のように人のベッドを占拠すると……」

    雪乃「……姉さん。いい加減にしないと本気で怒るわよ。どこまで彼に迷惑をかけるつもりなの。これ以上何かやったら無理矢理にでも連れて帰るからね」

    陽乃「うわー、雪乃ちゃんが怒ったー。でもここまでだから大丈夫だよ。大人しく寝るからさ。本当に眠いんだよー……」

    雪乃「100歩譲って寝るのはいいとしても、ベッドから降りなさい。そこは比企谷君の寝る場所よ」

    八幡「あー、いいよ雪ノ下。俺朝まで起きとくから。大人しくしてくれるんならそっちのがありがたい」

    雪乃「でも、それは……」

    249 = 239 :

    陽乃「わーい比企谷くんありがとー。じゃあおやすみー」

    八幡「…………嵐だな、まるで」

    雪乃「こんなに厚かましい人、姉さん以外に見たことがないわ」

    八幡「陽乃さんはべろべろみたいだけどお前はそうでもねぇんだな。迎えに来ただけか?」

    雪乃「いいえ、二人で食事をしてたのよ。姉さんが途中でワインを飲み初めて、私も多少は付き合っていたのだけれど……それがよくなかったわ」

    陽乃「…………んん…………すー…………」

    八幡「……なんかあったの?陽乃さん。こんななるほど羽目外す人じゃねぇだろ」

    雪乃「いろいろと、あるみたいよ。家のこととかね」

    八幡「……そうか。陽乃さんも人間らしいとこ、あるんだな」

    250 = 239 :

    雪乃「決して姉さんの厚顔無恥な振る舞いを認めるわけじゃないし、許してあげてとは言えないけれど……。あれはきっと、あなたに甘えているのよ」

    八幡「そうは思えんが……。それになんで俺なんだよ」

    雪乃「うまく言えないけど、あなたが偏屈で変人だからじゃないかしら」

    八幡「うまく言えなさすぎだろ。罵倒されてんのかと思ったわ」

    雪乃「まさか。褒めているのよ」

    八幡「相変わらず歪んでんな。変人はお前もだろ」

    雪乃「酷いこと言うわね、怒らせたいの?」

    八幡「なんなのこの理不尽な仕打ち……」

    雪乃「…………ふふっ、久しぶりね。こういうやり取りも」


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