のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,062,863人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ穂乃果「最近さ……」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    401 :

    楽しかったぜお前との恋愛ごっこォ!
    だろ?

    402 :

    他人を平気で犯しちゃうやつだからなぁ

    403 :

    1はもう前半の話忘れてそう

    404 :

    玲緒とかいうのはオリキャラなのか?

    405 :

    サンシャインにおる?

    406 :

    雪穂がキッパリ言い放ってくれてなんかスッキリしたわ

    407 :

    ことりといいツバサといい逆ギレするのが面白い
    皮肉じゃないぞ、そこがこのSSのドロドロ感出てて良いと思ってる

    408 = 400 :

    というかわざわざ福岡まで行ってアイドル襲ったのか
    アグレッシブだな

    409 :



    >>403
    一応後半にいくにつれて矛盾が出てこないように見直してはいますが、何か気になる箇所があればご指摘いただければと思います。


    >>404


    オリジナルキャラクターです。
    オリキャラを出すのは躊躇しましたが、話を膨らませるために名前をつけました。
    何卒ご理解いただければと思います。


    >>408

    通り魔事件とは別問題というツバサの発言にある通り、福岡のスクールアイドル通り魔事件にあやかって起こしたものなので、福岡のほうの犯人とは全く関係ありません。

    410 :

    雪穂「とりあえず1枚目から……」




    『ツバサへ。


    この手紙を読んでる頃には、俺はもうツバサのそばにはいないんだと思う。
    ごめんな、一人で突っ走って。

    でもA-RISEをどうしても優勝させてあげたかった。
    μ’sなんかより俺はずっとずっと君たちの方が素敵だと思うから。


    だから、俺がいなくなっても泣かないで笑ってて。
    俺はツバサちゃんの笑顔が大好きだから。
    あ、もちろんツバサちゃんのこと大好きだよ?


    大好きというか……愛してる。



    もしも、もしもだけど。
    もし、この世界が辛くて辛くて仕方なかったら迷わず俺のもとにおいで。


    俺はいつだって君を待ってる』







    雪穂「なにこれ、寒……鳥肌立ちますね……」



    雪穂「で、肝心の2枚目は……」



    ガサ

    411 = 134 :

    英玲奈「やめろ……っ、読むな!!!」


    バサッ!


    雪穂「……は?え?いきなりなんなんですか!!」


    英玲奈「よ、読まないでくれお願いだ!!」



    雪穂「はぁ?なんで英玲奈さんが怒るんですか、本当意味わからない……んーと?」



    『さて、本題に移ろう。

    ツバサ、この1ヶ月の疑似恋愛はどうだった?
    本当ツバサは可愛いよ。可愛いぐらい騙されてくれた。


    ねぇ本当に気づかなかった?
    途中で英玲奈と僕が入れ替わってたことに。
    気づかなかったとしたら、ツバサは俺のどこを好きだったんだろうね?


    そんなの本当の愛っていうのかなあ。滑稽だねツバサ。
    俺じゃない"玲緒"に好きだとか愛してるだとか言っていたんだよ。


    もちろん、俺はツバサのこと全くこれっぽっちも愛してはいない。
    上手く利用されてくれて助かったよ、ありがとう。


    それと、ツバサとのセックスはビデオに撮ってとあるサイトに映像を公開してるから興味があったら見てみるといい。


    今までありがとうツバサ。
    本当に君は可愛い人だったよ。』




    雪穂「……あの」

    英玲奈「……っ」


    雪穂「まっったく理解出来ないんですけど。」


    英玲奈「わ、私は玲緒に成りすましてツバサと会っていたんだ……」


    雪穂「ふぅん……で?ツバサさんはなんで気付かなかったんですか?男と女でしょう?」


    ツバサ「……背格好が、声が、似てるから、二人とも」


    雪穂「ははっ……そんなんだから貴女は利用されたんですよ。見分けつくでしょう普通。ましてや相手は自分の好きな人と、スクールアイドルとして共に活動してきた仲間ですよ?

    ……その依存具合はもはや病気ですよね。
    それで愛し合ってたとか……そんなの騙されて当然ですよ


    英玲奈さんも英玲奈さんですよね?
    仲間を騙していて何とも思わなかったんですか?
    ていうか、なんでそんなことしてたんですか?」



    英玲奈「……私、は」


    雪穂「だいたい、お姉ちゃんの病室で話すことじゃないですよね、迷惑極まりないです。さっさと話してどっかいってくれませんか」





    英玲奈「……私は、……ツバサのことが好き…だったんだ」

    412 = 134 :


    ツバサ「……!」


    英玲奈「だけど、女同士……ましてや一度頂点に立ったスクールアイドルだから、そんなこと言えるわけなくて……


    ある日、玲緒に調子が悪いから1日だけでいい、玲緒に成りすましてツバサに会ってくれないかと頼まれた。

    ツバサが玲緒に惹かれていることは分かってたよ。
    ……ツバサは分かりやすいから。

    だからいつも玲緒が羨ましかった。
    何度も男になりたいと思った。
    ツバサに好きだと……愛してると言われたい、言いたい一心だったんだ…


    ツバサが言った通り、私と玲緒は年が2つ離れているがよく似ている。
    声もこれをもう少し低くした感じだ。
    兄に成りすますのは私にとって難しいことじゃなかった。
    髪もウィッグをかぶって誤魔化した。



    1度だけ。
    そう、決めていたけれど……"玲緒"に見せる顔があまりにも綺麗で、可愛くて。
    ……独り占めしたいと思ったから、それから何回も私は玲緒を演じた。


    すまない、ツバサ!
    でも私のこの気持ちは嘘じゃないんだ、騙していたわけじゃーーー」




    バシンッ



    英玲奈「……っ」


    ツバサ「気持ち悪い」


    英玲奈「……でも!私は!」


    ツバサ「……私だけ、バカみたいじゃない。
    英玲奈も、あんじゅも……」


    英玲奈「あんじゅは関係な……」


    ツバサ「…私、知ってたのよ。玲緒さんがあんじゅのこと好きなの……知ってた。」







    あんじゅ「……ふふっ」

    413 = 134 :


    英玲奈「……あんじゅ?」


    あんじゅ「黙って聞いてれば2人とも……ふふっ、
    はぁ、面白い……でも、そろそろ私の前から消えて」


    ツバサ「あ、あんじゅ?何言って、」

    あんじゅ「目障りだから消えてって言ってるの。ずっと何も言わずに聞いてきたけどもう限界。
    ツバサも英玲奈も子ども過ぎる……最低よ、2人とも。」


    ツバサ「何言ってるのよ!悪いのは英玲奈で、」


    あんじゅ「人のせいにしか出来なくて、そうしないと自我を保てないなんて……餓鬼ね。」


    ツバサ「なっ!?」


    あんじゅ「いい?玲くんが好きなのは私。玲くんが大事なのは私と英玲奈。
    そして、玲くんに共犯にツバサを使わせたのも、私。
    ツバサなんて所詮手駒だったのよ。


    μ’sも私にとって邪魔だから、玲くんと話して潰そうって話になったのよ」



    ツバサ「……私だけが、何も知らなかったっていうの」


    あんじゅ「そうねー……だって気づかなかったじゃない?私は実際自分の手を汚すこともなかったし、玲くんとツバサは本当いい仕事してくれたわぁ」



    あんじゅ「μ’sの皆さんも、私の予想以上にいろいろゴタゴタしてくれて面白かったわ!ありがとうね?」


    雪穂「何のために……そんなこと……」



    あんじゅ「んー……"退屈だったから"かしら。……ただ単にμ’sが邪魔だったからなのかも?」

    414 :

    ややこしくなってきたぞ

    417 :

    フィクションですから

    418 :

    なんか読んでたらロシアのエリチカおそロシアって思いついた。すまん。

    419 :

    英玲奈が酷いと思ってたらあんじゅはより下衆だった

    420 :

    よく今までグループ成立してたな…

    421 :

    英玲奈「犯人は私の兄だ...」ナンダッテー!?
    ツバサ「実は犯人と恋人なの」ナンダッテー!?
    英玲奈「ツバサと会っていたのは私だ」ナンダッテー!?
    あんじゅ「でも本命は私よ」ナンダッテー!?

    うーん……

    422 = 421 :

    英玲奈「犯人は私の兄だ...」ナンダッテー!?
    ツバサ「実は犯人と恋人なの」ナンダッテー!?
    英玲奈「ツバサと会っていたのは私だ」ナンダッテー!?
    あんじゅ「でも本命は私よ」ナンダッテー!?

    うーん……

    423 :

    嫌いじゃない

    424 :

    この流れ、あんじゅが死人に口なしで発言したのじゃなければ・・・・・・・・自分の考えとは違う物語になることを切実に、切に祈りたい気分ですが続き待ちます

    425 :



    ツバサ「…今までよく私たちとやってこれたわね、そんな嘘をついたままで」


    あんじゅ「玲くんとの約束だったからね。A-RISEを優勝させる、って。それに英玲奈もツバサも分かってたでしょ?
    たった1曲でずっとやってきて、その1曲でラブライブに優勝した、なんて。

    流石にファンも飽きると思うけど?」


    英玲奈「まさか、裏から手を回したっていうのか」


    あんじゅ「だって2人とも新曲作る気なかったじゃない?
    なら、優勝するためにやることはひとつよね」





    雪穂「あの……話ややこしすぎるんですけど、なんなんですか?ここは暴露場じゃないんですよ。

    てことは、なんですか?μ’sがこんだけ悩んだのは全部A-RISEの皆さんのとばっちりってことですか?
    亜里沙の決心の行動も……あんじゅさんの手のひらで転がされていたってことですか?」



    あんじゅ「そうなるのかしらね」


    雪穂「最低ですね、本当」


    あんじゅ「話はこれで終わりよ。……さよなら2人とも」



    英玲奈「お、おいあんじゅ!!」


    ツバサ「英玲奈、止めなくていいわよあんなやつ」


    英玲奈「でも……!」


    ツバサ「これだけ聞いてまだ英玲奈もあんじゅの味方するっていうなら私はもう知らないわ。A-RISEも抜ける」


    英玲奈「なっ……!ラブライブはどうするんだよ!」


    ツバサ「棄権するわ。こんな状態でできるわけないもの」


    英玲奈「そんな……」


    ツバサ「結局、玲緒さんのしたことも無駄になったわ……っ」


    英玲奈「いくらなんでも、ちょっと許せない……な」



    雪穂「じゃあ、復讐しましょうよ」

    426 = 134 :


    ツバサ「復讐……?」


    雪穂「許せないなら復讐したらいいんですよ。同じ目に合わせたらいいじゃないですかあんじゅさんを」


    英玲奈「いや、しかし、」


    雪穂「英玲奈さんは甘いんですね。だからいろんな人に利用されるんですよ、わかんないんですか?」


    英玲奈「……っ、わ、わかった、……そうだよな、もうあいつは仲間でもなんでもない…」


    雪穂「手伝いますよ、復讐なら。……μ’sの皆さんも一緒にね」


    穂乃果「……ぁ、」


    雪穂「大丈夫だよ、お姉ちゃん。…殺したりはしないからさ」


    穂乃果「……」


    雪穂「どうしますか?決めるなら今のうちですよ」







    ツバサ「ーーやるわ。」


    英玲奈「……私も、」










    雪穂「……決定ですね。途中で取り消しはなしですよ?」





    穂乃果「…………」


    雪穂「……私が出る幕じゃないのは百も承知だけど、お姉ちゃんを守りたい。仇を討ちたいの。…許してねお姉ちゃん」


    穂乃果「……」コクン




    雪穂「さぁ、では行きましょうか。私達の復讐劇の始まり、ですね」






    427 = 134 :

    ◆あんじゅSide





    あんじゅ「はぁ……は、っ、はぁっ…」



    あんじゅ「誰も追いかけてはこない……か、そうよね…私が壊したんだものね…」



    あんじゅ「……これで、よかったの?玲くん…
    これで玲くんは救われた?



    これで……私は玲くんの1番になれた?」




    あんじゅ「……なんて、もう聞けないのに。バカよね、律儀に約束を守って」










    ……憎かった。
    私より玲くんに愛されてるツバサが。



    ……憎かった。
    無条件に玲くんの特別な存在でい続けられる英玲奈が。



    全ては嫉妬。
    嫉妬と羨みでここまでやってきた。


    玲くんの1番になりたい一心で。
    ただひたすらがむしゃらに言うことを聞いてきた。



    あとどれだけ。
    あとどれだけ自分を犠牲にしたら私は誰かの1番になれるんだろう。



    今でも忘れない。
    心の拠り所を探して、探して、探して。
    やっと玲くんという居場所を見つけた時に降りかかった言葉。



    "あんじゅは2番目が良く似合うね"



    428 = 134 :



    昔からそうだった。
    どんなに頑張っても、何を頑張っても1番にはなれない。


    そのうち、私は「1番」という言葉や立場欲しさに生きるようになった。




    『ねぇ、あとどのくらいで玲くんの1番になれるの?』

    『もう少しだよ、あと少し』



    その言葉を信じて今日までやってきた。
    正直ツバサより好かれてる自信はあった。


    だってツバサって恋愛になると面倒なタイプだから。
    私みたいに落ち着いて立ち振る舞いが出来たほうが、玲くんは好きだと思った。



    なのに。

    なのに、なのに。



    いつだって玲くんは私の目の前で言うの。



    『ツバサは本当に可愛い彼女なんだよ』って。



    なにそれって思った。
    そんなのわざわざ目の前で言わなくてもって。


    だけど負けたくなかった。
    奪い取りたかったの。


    玲くんの「1番」は私なんだって。
    そしてツバサに言いたかった。

    玲くんにはあなたより大事な人がいるのよ、って。

    429 = 134 :



    別にツバサみたいに特別、玲くんが恋愛対象として好きってわけじゃなかった。


    ただ、玲くんは1番に私を見つけてくれた人だったから。
    誰も気づかない私の悩みを優しく受け止めてくれた人だったから。



    ……この人なら私を「1番」にしてくれると思ったから。
    あの時から、私はずっとそれを信じてきた。



    あの時……そう、あの日から。








    ーー
    ーーーー








    玲緒「おっ、久しぶりだねぇアンちゃん。」



    あんじゅ「玲くん!久しぶりね。今帰り?」


    玲緒「そうそう。今日も勉強漬けでさ〜未来の名医師は辛いよーなんつってね」


    あんじゅ「とかいってまたトップクラスなんでしょ?
    私知ってるわよー?」


    玲緒「全然!いつも綱渡り状態だよ。癒しが欲しいなー、なんて。ははっ」


    あんじゅ「癒し……」


    玲緒「まぁ、癒しが本当に必要なのはアンちゃんの方かな?
    大変そうじゃんA-RISE。強敵出現だって?」


    あんじゅ「!う、うん……そうなの…みんな予想以上に戸惑ってて…」


    玲緒「そうなんだ……」


    あんじゅ「トップスクールアイドルがこんなこと言っても仕方ないのわかってるけれど、やっぱり不安なのよね」


    玲緒「こら、アンちゃん!」


    あんじゅ「!?ふぁ、ふぁへ……?」


    玲緒「あははっ、な、何?って言ってる?はは、こんなふうにトップスクールアイドルA-RISEの優木あんじゅちゃんの頬っぺたむにーって出来る男なんて俺ぐらいだよなあ」


    あんじゅ「ぷはっ、な、いきなり何っ?」


    玲緒「……笑っててよ」


    あんじゅ「……えっ」

    430 = 134 :


    玲緒「そうやって、笑っててよ。俺、アンちゃんの笑顔が一番好き」


    あんじゅ「……"1番"?」


    玲緒「うんそう。1番。誰の笑顔よりアンちゃんの素の笑顔が俺は好きだよ。」


    あんじゅ「それは……英玲奈とツバサよりも?」


    玲緒「うん、もちろん。」


    あんじゅ「私が……1番……私が、1番」


    玲緒「大丈夫、アンちゃん大丈夫だよ。誰かが必ず誰かの1番なんだ。
    だから焦る必要なんてない。
    アンちゃんはアンちゃんらしく、そのままでいて。」


    あんじゅ「わ、私っ……!」


    玲緒「ん?」


    あんじゅ「わ、たし……は、私は、玲くんの何番め…かな…」


    玲緒「……んー」


    あんじゅ「ご、ごめんなさい、変な意味じゃなくて、その、……きゃぁ!?」


    玲緒「何番目になりたいの?」


    あんじゅ「れ、玲くん、顔近……!」


    玲緒「ねぇ、アンちゃん。アンちゃんの中で俺は何番目?」


    あんじゅ「…………め」


    玲緒「聞こえない」


    あんじゅ「い……ちばん、め」


    玲緒「そうなんだ、嬉しいな。じゃあ俺も教えてあげる。
    アンちゃんはね……」


    あんじゅ「……っ」














    玲緒「2番目。……アンちゃんは2番目が良く似合うよ」

    431 = 134 :


    あんじゅ「ーーーーー」


    玲緒「?どうしたの?……1番目だと思った?」


    あんじゅ「そ、そういうわけ、じゃ……っ、ぅ…」


    玲緒「よしよし、泣かないで、ごめんね意地悪して。
    でも、1番には出来ないんだよ……俺はツバサと付き合ってるから」


    あんじゅ「……ツバサと?」


    玲緒「そう。ツバサ可愛いんだよ。すぐ顔真っ赤にして、甘え上手でー……」


    あんじゅ「私の方が、ツバサより良い彼女になると思うけれど」


    玲緒「……そうかもね?」


    あんじゅ「ツバサと付き合ってても、いいわ。
    でも私とも付き合って。今は2番目でも、いつか絶対、私の方がツバサよりいいって言わせて見せるから……っ!」


    玲緒「いいの?俺、ツバサにベタ惚れだよ?」


    あんじゅ「いいっ!私のことも彼女にして!!私のことも抱きしめてキスして……っ」


    玲緒「……分かった。アンちゃんがそれでいいなら」




    ちゅっ



    あんじゅ「…っ」


    玲緒「緊張してる?……可愛い」




    ちゅ……っ、くち……





    あんじゅ「んんっ……ふ、ぁ…!」


    玲緒「……1番に、してもいいよ。」


    あんじゅ「…!して、くれるの…?」


    玲緒「俺の手伝いをしてくれたら、だけど」


    あんじゅ「する……っ!それで1番にしてくれるなら!」








    玲緒「俺はね



    スクールアイドルを廃止させたいんだ。」

    432 = 134 :




    あんじゅ「す……スクールアイドル、を、廃止…?
    でも、それじゃあ……」


    玲緒「そう、確かに今よりずっとどの学校も輝きは薄くなるだろう。
    でも、考えてごらん。スクールアイドル程危険なものはない。

    スクールアイドルとはいえ、見た目やパフォーマンスはアイドルに匹敵する。そのためにファンも大勢いる。
    それはA-RISEだってそうだろう。


    だが、所詮学校単位で行われている活動だ。
    実名は割れているし、調べようによっては住所や連絡先も簡単に手に入る。
    ……たかが高校生がこんな危険な環境に足を踏み入れること、アンちゃんは考えたことあるか?


    例えばそうだな。
    熱狂的なファンが家まで押しかけてきて君を襲ったり、はたまたアンチが君の背後からナイフで切りつけるかもしれない。

    ……考えたことあるか?」




    あんじゅ「……な、ぃ」


    あんじゅ「そう。一旦落ち着いて考えればわかりそうなことも、学校側も本人たちも気づいていない。
    それはスクールアイドルが普及してるから。
    でもね、人間がみんないい人だとは限らないんだよ」


    あんじゅ「……」


    玲緒「だから、いかにスクールアイドルが危険かってことを本人たちに身をもって知ってもらいたい。

    それを世間に知ってもらって、もう二度とスクールアイドルが普及しないようにしたいんだ。


    ……難しいことだとも、今の環境に逆らうことだとも分かっている。
    それでも、アンちゃんは俺のことを手伝ってくれるのか?

    君はスクールアイドルだ。
    一歩間違えれば、自分の立場もなくなるかもしれない。

    そんな危険な橋を渡ってまで、俺の手を取ってくれるか?」



    あんじゅ「……、ツバサ、は…英玲奈は、知ってるの」


    玲緒「それとなくは話しているし、2人にも少し手伝いはしてもらう予定ではいる。
    けど、本当の目的と手段を話すのはアンちゃんにだけだよ。

    アンちゃんだから、こうして頼んでる。」


    あんじゅ「私が、いなきゃだめ…なのね?」


    玲緒「情けない話…もし、アンちゃんがいなかったら、俺の計画は失敗してしまうかもしれない」



    あんじゅ「……わかった。やるわ。…私、やる。……だって、玲くんの役に立ちたいもの」


    玲緒「ありがとう……本当にありがとう…アンちゃんがいてくれてよかった、本当に…。アンちゃんだけだよ、俺の支えになってくれるのは」


    あんじゅ「ふふっ……いつでも頼っていいのよ」

    433 :

    このクソ野郎をぶん殴りたいがもう死んでいるというジレンマ

    434 = 134 :



    ……それから、ずっと玲くんの側にいて、玲くんを手伝ってきた。
    盗撮や盗聴。……事件勃発時のビデオ録画を担当していたからツバサとは会うことはなかった。




    ターゲットは最大のライバルとなるはずだった、μ’s。



    正直…自分と同じぐらいの歳の女の子たちが、たった1人の人の欲望のためにズタボロに傷ついていく様は見ていていい気分になるものじゃなかったし、何度も罪悪感に苛まれた。




    でも。


    誰かの変わらないはずだった"1番"が"1番"じゃ無くなる時、絆にヒビが入るその瞬間を目の前で見た時は言い表せない高揚感が私を包んだ。


    自分が階段を上ってその人達を抜かしていくような感覚に陥ったりもした。


    私は楽しんで見てたんだ。
    誰かと誰かがぶつかって、壊れるところを。
    嘆き悲しみ苦しんで沈んでいくところを。




    隣にいる玲くんがクスッ、と笑って
    『やっぱりアンちゃんに話してよかった』なんていうから私はもっと調子に乗った。



    そして、ある日知ったんだ。








    ……この計画には、玲くんを含めた16人の命が掛けられてるいることに。







    μ’sの9人はもちろん、私達A-RISEも例外ではない。
    そして、μ’sメンバーの妹たち2人と、μ’sメンバーの1人の母親でもある音ノ木坂学院の理事長の計15人。


    それはあらゆる方向から見出される"死"。
    肉体的な自殺や他殺だけじゃない。
    社会的や精神的な意味での死も含む。




    ー逃げられない、と直感で感じた。




    命を天秤に掛けられていると気付いたのは、もうとっくに終盤で。


    それは、取り返しのつかないところまで来ていた。
    泥沼に両足を突っ込んだまま何処にも行けずにただ立ち尽くしていた。


    435 = 134 :


    玲くんが殺される前の日、彼はお見舞いに行った私に笑顔で言った。



    『自分がやってきたことは間違いじゃなかった』と。





    …彼は、最初から分かっていた。




    いずれ殺されることを。
    それを見越しての計画だった。





    手渡された紙に書かれた最後の"仕上げ"。
    私だけに託された幕引き。




    他の誰でもない"私だけ"が出来ること。
    "私だけ"が最後まで玲くんの役に立てる、その喜びに心を踊らさずにはいられなかった。





    「もしも自分が殺されたら」


    そう題名が書かれた小さく折りたたまれた紙には、
    ツバサと英玲奈を挑発し、A-RISEを解散まで追い込むこと。

    そして、事実は一切周りに他言しないこと。


    その2つが書かれていた。





    "私だけ"が彼の行動の全てを知り、
    "私だけ"が最後まで彼の支えになった。

    その事実と彼が最後に言った言葉。



    「これで、ツバサより君の方が少しだけ1番になれたかもしれないな」





    その言葉を聞いた瞬間に、"良心"と言う名の糸はぷつん、と音を立てて切れた。




    …スクールアイドルなんてもうどうでもいい。


    目指すのは私の中の"1番"の人が実現させようとした夢。
    彼の夢を果たすのが私の役目。


    そうすれば、私が彼の1番になる。
    誰よりも、私が。彼の、1番に。

    436 :



    そう、彼の。




    私にとっての彼。




    彼って、誰だっけ。





    彼、バカね、彼っていうのは、統堂玲緒……玲くんのことなのに、忘れてたの?




    玲くん、私1番になれた?


    ねぇ、ねぇ、ねぇ?



    玲くん、答えてよ。



    私、私は、玲くんの為に、為に







    あれ



    私は誰の"1番"になりたかったんだっけ



    誰が私を"1番"にしてくれるんだっけ





    彼だよ。忘れないでよ。彼、だよ、



    あれ、でも彼は



    彼は、此処には、







    あんじゅ「もう……いない、んじゃない」





    あんじゅ「もう、私には、"1番"にしてくれるひとが、いないんじゃない……っ!」


    437 = 134 :



    あんじゅ「馬鹿だ、私!もう玲くんはこの世にいないのに!!本当に1番になれるかなんてわからないのに!どうして!どうして本当のこと言わなかったの!!!」


    あんじゅ「私は2人を傷つけただけ……ただ、2人を…」




    あんじゅ「玲くんの目的……、はは……は、そっか…
    そうね、分かっちゃったわ……







    玲くんは、ただ、英玲奈を守りたかっただけなのね」




    あんじゅ「ツバサにかけた言葉も、私にかけた言葉も全部全部嘘。

    本当のことは、本当のことは英玲奈にかけた言葉が全て。


    簡単なことじゃない……あははは…どうして分からなかったのかしらね」




    あんじゅ「もう、居場所は、ない。自分が壊したのよ、私が、



    私が、










    私が最初から死ねばよかったのかもしれない」

    438 :

    ようやくわかったかも。この男、スクールアイドルを自分のものにしたかったのか。全員から奪い取って。

    439 = 134 :

    ……公園……




    雪穂「……と、言うわけです。」


    「……聞きたく、なかったわ」


    「黒幕が…A-RISEのメンバーだなんてね」


    英玲奈「すまない……本当に、私達も気付かなくて」


    海未「いえ、気付かなくて当然だと思いますし、そんなに気に病む必要は……」


    絵里「さて……それじゃあ本題の復讐をするか否かだけども。
    ……私は、したい。亜里沙のこともあるし、正直許せない気持ちの方が大きいもの。」


    花陽「私も……この怒りをどうしたらいいかわからないです…」


    「…同じことしてやりたいわね」


    海未「罪を償っていただければそれでいいのですが…」


    にこ「なに甘いこと言ってんのよ、目には目を、歯には歯をっていうでしょ。それじゃ足りないから2倍返しでもしてやろうかしら」


    「まぁまぁにこっち。抑えて、抑えて」


    ことり「いいんじゃないかな、それでも♪
    ことりはぁ、お母さんの分も一緒に痛い目にあわせたいかな」



    雪穂「……決まり、みたいですね」


    英玲奈「……あぁ」



    雪穂「ツバサさん」


    ツバサ「!な、なに?」


    雪穂「全員一致で復讐希望です。いいですか?」


    ツバサ「え、えぇ……いいわよ」


    雪穂「じゃあ……ツバサさんと英玲奈さんは、ここに1時間後あんじゅさんを連れてきてください。」


    英玲奈「ここに……か…?」


    雪穂「えぇ。この近くに、例の倉庫がありますから。
    好きなだけ復讐。できますよ」

    440 = 134 :



    ツバサ「ここに……私達があんじゅを…」


    雪穂「大丈夫ですよ、殺しはしません」


    ツバサ「当たり前でしょ…!」


    雪穂「何ですか?びびってるんですか?……あんだけ酷いことされたのによくまだ擁護する気になれますね。そういうの偽善者っていうんですよ。

    ただ単に怖いだけでしょう」


    ツバサ「本当……貴女の言葉は頭にくるわね」


    雪穂「光栄ですよ」


    英玲奈「じゃあ……行こうか、ツバサ」


    ツバサ「えぇ……」


    雪穂「私達は先に倉庫で待っていますから、必ず1時間後に連れてきてくださいね。それでは」
















    英玲奈「…………ツバサ」


    ツバサ「分かってる……これで、いいとは思わない
    だって、仮にもずっとやってきた仲間よ
    そんな仲間を売るなんてこと、」


    英玲奈「…でも、このままっていうわけにもいかないだろう……とりあえず様子を見て、ヤバそうだったら外にあんじゅを避難させよう。
    それでいいか?」


    ツバサ「えぇ、そうしましょう」


    441 = 134 :

    ……1時間後、倉庫……

    ガチャ!
    ガチャガチャッ!!


    英玲奈「ちょ、ちょっと待ってくれ!!なんで私達まで縛られてるんだ!」


    ツバサ「そうよ!!話が違うわ……!!」



    雪穂「当たり前じゃないですか。途中で逃がされたりしたら困りますからね。
    ……ツバサさん、さっきから自分のこと棚にあげすぎじゃないですか?
    ツバサさんも立派な共犯なこと、忘れてないですよね?」


    ツバサ「……っ!」


    「……雪穂ちゃん目が据わっとる、あかんな…何するかわからんよこれ…」


    にこ「やらせればいいじゃない。それだけのことをこいつらはしてきたのよ」


    絵里「そうよ、今更かばう理由なんて無いわ」


    「そうかも、しれんけど……」


    「やりたくないなら、やらなくていいのよ」


    「……やりすぎは、あかんよ?」


    海未「えぇ、頃合いを見てきちんと引きます」


    雪穂「じゃあ、まずはこれ、です。皆さんに行き渡りましたか?」


    花陽「これ……普通のマチ針、だね」


    ことり「あー、ことり分かっちゃった♪
    これこうやるんだよね、えいっ!」


    ブスッ!!



    ツバサ「ーいぃっ…!!!」

    英玲奈「ツバサ!!」


    ことり「まだまだ足りないよ〜?みんなが受けた苦しみはこんなものじゃない、よっ!」


    ブスッ、ヅプッ!!


    あんじゅ「っ……!ぅ!あぁ……っ!!」


    にこ「痛い?痛いわよね!!こころたちはもーーっと痛かったのよ!!」


    ツバサ「っあぁっ!!」


    英玲奈「もうやめてくれ……!!!責任なら、私がとる!あいつの妹の私が……!」


    ガンッ……!


    英玲奈「ーーーっ!っか、はっ……」


    雪穂「……煩い。黙って見ててくれませんか」

    442 = 134 :


    ツバサ「は、ぁ……はっ……」


    雪穂「……マチ針はもういいです、」


    海未「これからどうするのです?」


    雪穂「そうですね……じゃあ、……脱いでください。」




    ツバサ「ーーーえ?」


    あんじゅ「ぬ、げ……って」



    雪穂「はぁ……物分かり悪いですね。服を脱げって言ってるんです。なんなら脱がしましょうか?」


    ツバサ「……っ」



    バサ……

    プチン、プチン……バサ……



    花陽「……これからどうするの?」


    雪穂「写真を撮ります。」




    あんじゅ「ーーー!い、いや……!」


    にこ「嫌じゃないわよ。そうやって、うちの妹たちも叫んだはずよ、あんたたちと同じようにね!」




    パシャ……パシャッ



    「あら、絵里撮るの上手いじゃない」


    絵里「まぁね、この怯えた目、すっごくいいわ」


    「な、そこらへんにしとこ……?な…?」


    海未「希は復讐したくないのですか?」


    「そ、そういう訳やないけどこのやり方はなんか違う気がするんよ……」


    海未「そうですか。なら、外でお茶でも飲んできたらどうですか?」


    「な!なんでそうなるん!?」


    海未「こういうひとたちには、身をもって痛みを知ってもらわないとダメなんですよ」


    「みんな……みんな目を覚ましてよ!この人たちはあの男の人じゃないんよ!
    みんなを苦しめたあの人やないんよ!!

    この人たちを苦しめたってなんの意味もないんよ!
    ……なんで、なんで誰も聞いてくれへんの…!?

    なんでよぉ……っ」

    443 = 134 :


    絵里「……希。無理よ、もう。」


    「無理やない!!こんなの、あの人がしてたことそのまま別の人にやってるだけやん!ウチらも変わらんよこんなの……っ!
    ウチは参加しない!復讐なんてしないっ!!!

    別の方法があるはずやから……っ、だから、みんなもうやめて……」


    雪穂「……希さん。」


    「雪穂ちゃ……考え直してくれーー」


    パンッッ


    「……た…………」


    雪穂「いつまで寝ぼけたこと言ってるんですか?
    復讐なんてしない?馬鹿なこと言わないでください。
    貴女を襲うように仕向けたのは紛れもなくそこにいる女ですよ。……憎くないんですか、これでも。」


    「でも、でも、ウチ、」


    雪穂「はぁ……これ。押してください、この機械のボタン」


    「な、なにこれ、これ押したら爆発とか、」


    雪穂「するわけないです。いいから安心して押してください。"私達には"害はないですから。」


    「…………分かった…」


    ポチ……


    ビーー!!ビーー!!ビーー!!


    「!?な、な……!?」


    花陽「さ、サイレン……!?」


    にこ「なによ故障……?」


    絵里「あれ……男の人が入ってきた……?」



    雪穂「……お二人は統堂さんとの経験もあるみたいなのできっと大丈夫ですよね」


    「っ、ぁ……あ……ご、ごめ、ごめん、なさ…」


    絵里「希、大丈夫だから。あなたは何も悪いことしてないのよ。ただ男を呼んだだけでしょ?」


    「でもっ……このままじゃ2人が男の人に……!」


    あんじゅ「ぃ、いや……こないで、いや……っ!」


    英玲奈「やめてくれ!!お願いだから!やめてくれええええええっ!!」


    ツバサ「いやあああああああああああ!!!!!!!!!」


    絵里「……いい眺めね。希の痛み、少しは味わえたかしらね」

    「…………」

    444 = 134 :


    雪穂「あーあ、やりなれてないんですか?
    ちょーっと襲われたぐらいですぐ意識飛ばして……水でもかけます?死んじゃいますかね?」


    海未「そのままでいいんじゃないですか?……あ」


    雪穂「……どうしたんですか?」



    海未「髪、切ってあげましょうよ」


    花陽「髪……ハサミで?」


    「バッサリ切っちゃうといいわこの機会に」



    英玲奈「や……め、……もう、やめ……っ」




    にこ「この長くてくるくるの髪鬱陶しいわね、一思いにいっちゃいましょ」


    ジャキッジャキッ
    バサバサ


    ことり「こっちのおでこちゃんはどうする〜?」


    雪穂「あ、それなら……」




    ヴーーーー



    雪穂「これ、使いましょう。……バリカン、一回使ってみたかったんですよね」


    花陽「そ、それは……ちょっと……」


    雪穂「別にさっきから何もしない花陽さんには頼むわけないです。
    …真姫さんやりますか?」


    「私?……そうね、面白そうだから、少しだけ…」







    ヴィーーーガガガ



    絵里「ハラショー面白いぐらい髪がなくなっていくわね!」


    「(知らない……こんなの、ウチが知ってるμ’sやない…)」



    445 :



    ここまで

    447 :

    狂ってるな(褒め言葉)

    448 :

    もはやすべてが狂ってしまったんやなぁ
    穂乃果ちゃん助けてー

    449 :

    もうどうやっても再起不能だろう

    450 :

    凛ちゃんは何処へ


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について