元スレ響「貴音!?」たかね「めんような!」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
901 = 1 :
P(……少なくとも昨日までの響は、特に変わった様子はなかったと思う)
P(だから恐らく、何かあったとしたら、昨日…… それも事務所を出た後のことなんだろうが)
P(響の場合、一人暮らしだから、ご家族に話を聞くって手も使えないし……)
ねこ吉「ニャーゴ」
P「…… お前さんに話が聞ければいいけど、俺は響と違って、そんなことできないからなぁ」
ねこ吉「ウニャー」
P「ああいや、それより、まずは謝らなくちゃな……」
ねこ吉「……」
P「お前のご主人の様子が違うことに、すぐに気づいてやれなかった。すまない」
ねこ吉「ニャッ」
P「…………ん? お前、なにくわえてるんだ?」
ねこ吉「……」ジリッ
P「おい、ちょっと待てってば。ダメじゃないか、それ、ご主人様のだろ」
ねこ吉「……!」タタタッ
P「あ、こら! ……っと、持って行っちゃったか」
902 = 1 :
ガチャ
P「!」
春香「お待たせしました。プロデューサーさん、もういいですよ」
P「ああ、ありがとう。……響はどんな様子だ?」
美希「なんとかベッドに入らせて、やっと寝ついたの。泣き疲れちゃったカンジ」
P「そうか、よかった。今はまず何よりも休息が必要だろうからな」
真「わりと落ち着いてはいました。ただ、すごく沈み込んでて、反応も薄くって……」
P「そうなるのも当然だよな…… 誰とも話が合わない状態になってたわけだし」
903 = 1 :
P「担当として本当に恥ずかしい話だけど、俺は思い当たる原因が何もないんだ……」
春香「それは…… 仕方がないと思います。わたしたちも、ほとんどついていけてませんでしたから」
P「お前たちはなにか心当たりがないか? どんなことでもいいんだ、聞かせて欲しい」
美希「やっぱり、響がずっと言ってた『たかね』って名前がヒントなんじゃない?」
P「そうだな、そこは間違いないと思う」
真「その子がまるで、ずっとボクらともいっしょにいた、みたいな口ぶりでしたもんね」
P「そもそもこの『たかね』って名前自体、響は前に口にしたこと、あったか?」
春香「えっと、響ちゃんの学校のお友達のこととか、全部は知らないですけど…… 記憶にないです」
美希「ミキも、なの。961プロにも…… たぶん、いなかったと思うな……」
真「……あ! いっしょに仕事したことのある、べつの事務所のアイドルとかじゃないですか?」
P「そう思って、待ってる間、今まで付き合いのあった事務所のHPとかを記憶の限り確認してみた」
春香「それで…… どうだったんですか?」
P「『たかね』という名前も、それに苗字も…… 今のところ、どこにも該当がないんだ」
904 = 1 :
美希「…… 今までずっといっしょにいたはずなのに、ミキ、響のこと全然知らなかったのかも」
真「美希よりは響との付き合い、短いけどさ。ボクも同じこと思ってるよ」
春香「響ちゃん…… なにか、わたしたちがしてあげられることってないかな……」
P「今はそっとして、休ませてやるのが一番大事だと思う。それに、三人とも、そろそろ時間だ」
春香「……そうだ! プロデューサーさん、レッスンまでまだ余裕ありますよね?」
P「まあ…… 車だし、直接スタジオに向かえばいいからな。もうちょっと大丈夫だけど」
春香「じゃあ、響ちゃんごめんね、ちょっとだけ台所借りちゃいます!」
真「え? 春香、何するの?」
春香「ちょっとねー。そうだ、真と美希、それにプロデューサーさんは、その間に……」
905 = 1 :
906 = 1 :
響(……ん、 ……あー、朝 ……?)
響(………… ちがう、ここ、自分の部屋だ…… あれ、事務所に行ったんじゃ、なかったっけ?)
ムクッ
響(いまは…… うわっ、もう暗くなっちゃってる。どうして……?)
響(…… ああ、そうか。思い出した…… 自分、事務所でパニックになって……)
響(そこから…… どうしたんだっけ、覚えてないぞ…… ん?)
響(なんだろ、これ。何枚も…… 書置き?)ガサッ
907 = 1 :
響へ
とりあえずきょうはゆっくり休むといい。
明日についてもレッスンのみの予定だったから、こっちでオフにしといた。
響の許可もなく勝手に部屋に入るのはよくないとは思ったんだが、
緊急だったし、春香と真、美希に一緒に来てもらったので勘弁してほしい。
実際のところ俺はろくに何もしてない。三人が全部やってくれたから安心してくれ。
気が向いたらでいいので、目が覚めてから余裕があるときにでも連絡をくれると助かる。
それとは別に、困ったこととか、悩みとかがあるなら、いつでも相談してほしい。
俺がすぐに解決できるようなことじゃなくても、できるかぎり力になりたいんだ。
響(…… プロデューサー……)
908 = 1 :
響(こっちの…… この字は真ので、これは、美希の……)ガサガサ
響へ
春香がいまおいしそうなお料理作ってくれてるから、起きたらまずはしっかり食べなきゃだよ!
おなか空いてると人間、頭まわんないし、気も弱くなっちゃうから。
実は、響の家族みんなにもごはんをあげるべきかなって話になったんだけど、
下手なことしないで響にまかせたほうがいいよね、ってことでなにもしてないんだ。
響のことすごく心配してるみたいだから、春香のごはんで元気出たら、相手してあげてね。
いろいろ考えちゃうときは、思いっきり体動かすのもかえっていいと思うんだ。
言ってくれればトレーニングとかいっくらでも付き合うからね、ボク。
今度のダンスレッスンのときにはいつもの調子取り戻してくるの、待ってるから。
響がうかうかしてたら置いてっちゃうよ!
909 = 1 :
響サマ
よく眠れた?
心配ごととかって、寝ちゃえばわりとカイケツしちゃうの。
ミキはね、響のこと、とくに心配はしてないよ。
だって響は、ちょっとちっちゃいだけでカンペキだって知ってるもん。
でも、ミキにこっそり話したいこととかあるんだったら教えてね?
ずっとコンビ組んでた響とミキの間にかくしごとなんてナシなの!
そうそう、響の家族ね、みんなミキのこと覚えててくれたみたい。
あらためてミキからよろしくって伝えといてほしいな!
じゃ、また事務所でね☆
910 = 1 :
響(最後のこれは、春香のだ……)
響ちゃんへ
わたしもプロデューサーさんにくっついてお邪魔しました。
響ちゃん、きっとすごく疲れちゃってるんだと思うから、たっぷり眠れますように。
さすがの響ちゃんも、起きてすぐはおなか空いてるんじゃないかな? と思って、
お台所を借りてかんたんなごはんを作っておきました。よかったら食べてね。
ちなみに材料は冷蔵庫の中身を勝手に使わせてもらっちゃいました! ごめん! >_<
いつもがんばり屋さんな響ちゃんだから、たまにはちょっとお休みしても大丈夫。
くれぐれも無理はしないでゆっくり過ごしてほしいです。
P.S.
いつでも連絡待ってるからね!
わたし、最近は夜更かし気味だから、ちょっとくらい遅くても大丈夫だよー!
911 = 1 :
響(…… プロデューサーも、春香も、真も美希も。それにきっと、事務所のみんなも)
響(自分のこと、本気で心配してくれてる。それはわかるし、すごく嬉しい)
響(――でも)
響(ここでいま、たとえば自分が、プロデューサーに、それか春香に、電話でもかけて)
響(もう一度…… 今度は落ち着いて、全部、説明できたとして)
響(心配とか同情はきっと、今以上にしてくれる。大変なんだなって、心から気遣ってくれる)
響(でも…… ……でも、それだけ、それでおしまい)
響(一番わかってほしい、思い出してほしい、貴音のことは―― 伝わらない)
912 = 1 :
響(みんなが忘れてるのは、貴音がたかねになっちゃってからのことだけじゃない)
響(そもそも、貴音が…… 最初から、いなかったことになってるんだ……)
響(けさ、事務所についたときからそうだった。春香も、千早も、やよいも、伊織も)
響(あずささんも、律子も、亜美も真美も、雪歩も、真も、みんな…… みんな、覚えてなかった)
響(最後に来た美希に聞いても―― そうだ、それで自分、かっとなって)
響(そうだ…… それから、ピヨ子に、最低の八つ当たりして…… 謝らなくちゃ……)
響(まず誰よりもピヨ子に謝って、迷惑かけたみんなにも、プロデューサーにも謝って……)
響(謝って、 ……それから? それから、自分、どうしたらいいんだ?)
913 = 1 :
響(みんなに謝って? "貴音"なんていなかった、自分の勘違いだった、って、言って?)
響(勘違いなんかじゃないのに? 貴音は、たかねは…… たしかに自分たちの仲間で、友達で)
響(自分は―― 自分だけは、こんなにはっきり、全部、全部覚えてるのに!?)
響(…… なんで…… なんで、なんで、なんで、っ!!)
響「………… わかんない…… わかん、ない、よ、貴音ぇ…… 自分、どうすればいいの、わかんないよぅ……」
914 = 1 :
本日の投下は、これでおしまいです。
915 :
ここでやめちゃうの・・・
乙
916 :
たぶんたかね(貴音)が知ってる(記憶してる)分の記憶(記録)が消されてるから、最初にたかねが気絶してる間に撮った写メが残ってるんじゃないかな
あれはたかねはしらないから記憶にもないし消されてはないといいが…
918 :
乙です
ハム蔵なら…ハム蔵ならきっと何とかしてくれるはず…
919 :
>>918
いぬ美なら匂いで場所を探しだしそう
920 :
ハム蔵「まだ慌てるような時間じゃない」
921 :
まだかな
922 :
もう響と俺の心をえぐるのはやめて…やめてクレメンス…
救いを、どうか救いを
923 :
>>922
救いが仮にあってもお前にとっては救いとは限らないがな
924 :
あけおめ
925 :
>>924
いまごろ!?
926 :
あと一ヶ月ちょいでこのSS一年になるんだな
一年ってこんな早かったかな…
927 :
>>873
今更だけどここもしりとりつながってるんだろ? わかってるよ
と思ったら今度は最後と頭でループしてるとはやりおる
で、続きはまだかね
928 :
マジだ…さすがいっちー…
929 :
まだかなまだかな
930 :
もう一ヶ月以上たったぞ…
931 :
投下がある時は大量投下してくれるから俺は耐えられる
932 :
あと二週間ちょいで二ヶ月か…
933 :
生存報告だけでもいいから待ってる
934 :
1周年おめでとう。待ってる
しかし作中ではまだ1ヶ月くらいしか経ってないとは…
935 :
あと四日しかないやんけ!
936 :
生存報告です。
毎度ぎりぎりのお知らせで本当に申し訳ありません。
来月上旬までには更新できる予定です。
どうか、今しばらくお待ちいただけると幸いです。
937 :
待ってるぞ
939 :
生存報告ありがたい。待ってるよー
940 :
もうすぐ上旬終わるな
941 :
中旬入ったぞー
942 :
もうすぐ一ヶ月だが>>1は大丈夫なのか?
943 :
たかね「――びき、ひびき。おきてください! ひびきーっ!」
響「ん、ううん…… わかった、わかったぞ、すぐ起きるって、たか、ね…… ……!?」
たかね「あっ、ようやくおき…… ぷっ! どうしたのですか、ひびき。おくちが、ひらいたままですよ」
響「たかね…… たかね!? たかねぇっ!!」
たかね「ひゃあっ!? ひびき? ど…… どうか、したのですか?」
響「たかねだ、たかね、よかった…… ウソじゃなかった! ちゃんと、たかねはここにいるじゃないか!」
944 = 1 :
たかね「…… ふふ、とうぜんでしょう。わたくしは、とけていなくなったりしない、ともうしましたよ?」
響「うん…… うん、そうだよねっ…… あはは、自分寝起きでちょっと混乱してたぞ、ごめんごめん」
たかね「まったくもう…… さあ、ひびき! びみなあさごはんを、おねがいします!」
響「まかせといて、びっくりするくらいおいしいの作ってあげるから!」
響「そうだよ、やっぱりなんかの間違いだったんだ、今までのは全部、悪い――」
響「ゆ、 め ……か。だよね、わかってたよ…… わかってたさー」
響「………… 悪い、夢、なら、もういいかげん、覚めたっていいはずだぞ……」
945 = 1 :
【Waning Crescent / 28.9】
響(いくらカンペキだって言っても、自分だって風邪くらいひいたことはあるし)
響(お仕事の関係で、公欠扱いにしてもらったこともあるけど……)
響(………… 二日続けて学校サボったのなんて、考えてみたら、初めてかもしれないや)
響(昨日はオフにしといた、ってプロデューサーが書いてくれてたけど)
響(きょうもお休みさせてほしい、って言い出したのは、自分)
響(プロデューサーも、何も聞かないで、すぐわかったって言ってくれて……)
響(こんなことしてたって、なんにもならないのはわかってる…… わかってる、けど)
946 = 1 :
響(おととい、目が覚めてから。何度も家中ひっくり返して、なにか痕跡がないか、ずっと探した)
響(…… なんにもない。ほんとに、きれいさっぱり残ってない)
響(ジェルジェムとか、たかねに直接関係ないものはいくつか見つけたけど)
響(たかねが着てた服とか靴とかはもちろん…… 使ってたお箸や歯ブラシなんかも、全部、なくなってる)
響(ピヨ子のカメラだけじゃない。自分のスマホのデータも、そこだけ抜け落ちたみたいに消えてた)
響(送信履歴まで…… みんなに送ったメールも画像も、当然、残ってないらしくて)
947 = 1 :
響(自分の家族も、いぬ美とねこ吉、それにハム蔵は、断片的に覚えてるみたいだけど……)
響(あとのみんなは、ほとんど忘れてる。そもそも、貴音にすら会ったことないって感じになってる)
響(結局、ほかに見つけられたのって言ったら)
響(自分が選んであげた髪留めと…… なんでか残ってた、シャンプーハット。そして)
響(貴音にプレゼントするつもりで買って、クリスマスにたかねにあげた、三日月のイヤリング……)
響(………… こんなので…… 貴音が、たかねがいたことの証拠になるわけない……!)
948 = 1 :
響(昨日も今日もみんなが、なにかにつけてメールをくれる)
響(絵文字をいつもよりいっぱい使ったり、事務所とかで撮った写真を送ってくれたり……)
響(気にかけてくれてるのが、痛いくらいわかる)
響(だから、言えない。言えるわけ、ない)
響(そういうことしてほしいんじゃない、って)
響(自分のことなんてどうでもいいって、気なんかぜんぜん遣ってくれなくっていいんだって)
響(自分がみんなにしてほしいことなんて、ひとつだけ)
響(ただ、貴音の…… たかねのこと、せめて思い出してくれたら、それでいい。それだけ、なのに)
949 = 1 :
響(結局、ここに戻ってきちゃう。昨日からずっと、堂々めぐりだ)
響(みんなに貴音のことを、思い出してもらうために)
響(もう、アイドル、一緒にできないとしても…… せめてもう一回、貴音に会うために)
響(いま、自分にできることって、なにがある?)
響(それがずっとわかんない。…………わかんないから、なにもできない)
950 = 1 :
【Waning Crescent / 29.3】
響「…… よし、っと」
響「お待たせみんなー、夕飯、できたぞー。おいで」
響(自分がどうだろうと、みんなのご飯はちゃんと用意してあげなきゃいけない)
いぬ美「くーん」
ねこ吉「ニャン」スタスタスタ
響(でも、準備してる間は、ほかのこと考えなくていいから…… ちょっと助かってるとこもある)
ブタ太「ブヒッ」
うさ江「……」ピョン
響「買い置きのがメインでごめんね、みんな。明日には買い物、行けると思うから」
響(買い物、か。 ……自分一人だから、持てる荷物、減っちゃうな)
みんなの評価 : ★
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