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    元スレ響「貴音!?」たかね「めんような!」

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    251 = 1 :


    【まちにまった】

    たかね「みてください、たかぎどの! わたくしのおべんとうです!」

     高木「ん、どれどれ? おお、彩りもあざやかで、とても美味しそうだね」

    たかね「はい! ひびきが、もたせてくれたのです!」

     高木「ほう…… これは我那覇君が作ったのか。忙しいだろうに、見事なものだ」

     律子「たかね、それ、ちょっと私にも見せてよ」

    たかね「どうです、りつこじょう! おいしそうでしょう!」

     律子「ほんとね、それに栄養バランスもよさそう。伊達にカンペキ名乗ってないわね、響も」




     高木「…… それで、音無君、なぜ君がそんなに打ちひしがれているのかね」

     小鳥「響ちゃんのお弁当から溢れる女子力が高すぎるんですピヨ……」ズーン

    たかね「んむ…… これもびみでふ、これも、あむ」

    252 = 1 :


    【菊地真の場合】

      「ねえたかね、ボク今からランニングに行くんだけど、よかったら一緒に来ない?」

    たかね「はて…… らんにんぐ……、とは?」

      「走るってこと。ちょっと寒いけど、たまには外に出て体動かすのも楽しいよっ!」

    たかね「おそとをはしる…… おもしろそうです!」

     伊織「…… ちょっと真、高い高いでたかねをグロッキーにしたの、忘れてないでしょうね?」

      「も、もちろん。今日はボクのトレーニングっていうより、たかねを外に連れてってあげようと思ってさ」

     伊織「どうだか。あんまり無理させたらダメよ」

      「ちぇっ、信用ないなぁ…… そんなことしないって」

    たかね「まこと。わたくしも、ごいっしょしたいです」

      「よおし、じゃあさっそく行こう!」

    253 = 1 :


      「ちょっと歩くけど、たかね、大丈夫?」

    たかね「もちろんです。わたくし、もうごさいなのですから」

      「あははっ、そうだったね! 頼もしいや」

    たかね「まことはまいにち、うんどうをするのですか?」

      「うん、ボクはやっぱり身体を動かすのが好きだからさ。トレーニングにもなるし」

    たかね「それはやはり、あいどるとして、かつやくするために?」

      「一番はそれだね! ダンスはもちろん、それ以外でも何かと体力いるから」

    たかね「なるほど。くろうがおおいのですね」

      「あとは女の子として、スタイルをきれいに保てるようにってのもあるかな」

    たかね「すたいる…… というと、たいけいのことですか?」

      「そうそう。たかねみたいによく食べる子には運動するの、おすすめだよ!」

    たかね「うっ…… け、けんとう、いたします……」

    254 = 1 :






      「よーし、じゃ、まずは準備体操から! ボクがやってみせるから、マネしてみて」

    たかね「すぐにはしるのではないのですか?」

      「うん、いきなり動こうとしたら、身体がびっくりしちゃうからさ」

    たかね「む、それはいけませんね」

      「一通りやったらいよいよ走ってみよう。大丈夫、いきなり無茶はさせないよ」

    たかね「おてやわらかに、おねがいします」

      「まっかせといて! そうだ、のどがかわいたらしっかり水分をとることも大事だからね」

    たかね「はいっ!」

    255 = 1 :


      「はいさーい、ただいまー! ……ん、あれっ? たかねは?」

     伊織「ああ、さっき真が、一緒にランニングしようって誘って連れて行ったわよ」

      「へえ、真が? たかねにはハードな経験になりそうだなぁ」




    ガチャ

      「ただいまー……」

    たかね「…… も、もどりました…… うっ」ヨロヨロ

     伊織「あら、もう終わり? おかえりなさい、ずいぶん早かったわね」

      「お、ちょうどいいところに。おかえり真、たかねも…… って、たかね、どうしたの」

    256 = 1 :


      「それがさー…… たかねが出発前にアクエリ飲み干しちゃって、ランニングどころじゃ……」

     伊織「……とんだアクシデントね」

    たかね「うぷっ…… そんな! すいぶんをとれ、といったのは、まことではありませんか!?」

      「運動中に補給しようねって話で、スタート前に飲めなんて一言も言ってないからね、ボク」

      「っていうか、たかね…… 味につられたんでしょ」

    たかね「…… な、なんのこと、でしょうか……? ぬれぎぬは、やめてください」

      「こんなお腹しちゃって、説得力ないぞ」タプタプ

    たかね「ああっ、ひびき、おやめなさい…… うっぷ」

      「ごめんなー、真。せっかく連れて行ってくれたのに」

      「や、ボクはぜんぜん構わないけどさ。じゃ、改めて自分の分、ランニングしてくるよ!」

    たかね「おお…… なんというたいりょく……」

      「感心してる場合じゃないぞー」タプタプ

    たかね「うぷっ」

    257 = 1 :


    【再戦】

    ガタンゴトン

    たかね「いきますよ。では…… "めんような"!」

    乗客3(なんでそれで始めようと思ったんだろう、この子)

      「こっちの番だね、"な"…… じゃあ、"ナポレオンコクジャク"」

    乗客4(…… 孔雀って、種類とかあったんだな……)

    たかね「なかなかやりますね、ひびき。く…… "くしなだひめ"」

    乗客5(面妖とかってレベルじゃねえ…… こどもクイズ王決定戦かなんかに出てろよ……)

      「よくそんなの知ってたなー。"メンハタオリドリ"」

    乗客6(両方とも、さっきからなに縛りなんだ、これ)

    たかね「れんぞくして、とりにこだわるとは…… わたくしをあなどっておりませんか?」

      「カンペキな自分には、ハンデくらいないとね。それよりたかね、"り"だぞ、"り"」

    たかね「り、り…… ううん……」

    258 = 1 :


    【初めての共同作業です】

    たかね「ごちそうさまです。さて、ひびき、わたくし、ひびきのおてつだいをしたいです」

      「うん? たかね、今でもお皿運んでくれたりするじゃない、十分だよ」

    たかね「もっとなにか、ありませんか?」




      「じゃあ次のお皿渡すぞー、いい?」バシャバシャ

    たかね「いつでもだいじょうぶです」

      「ほいっ、よろしく。表も裏も、よーく拭いてね」

    たかね「はいっ!」キュッ キュッ

      「しっかしたかね、どうしたのさ、急に」

    たかね「びみなおべんとうのおれいに、とおもったのです」

      「そんなこと気にしなくていいのに。いや、ありがたいけど」

    たかね「『はたらかざるもの、くうべからず』、というではありませんか?」

      「あはは、なるほど。それなら、明日もおいしいおべんと作ってあげないとな!」

    259 = 1 :


    【天地無用】

    たかね「…… ふむふむ」ペラ

      「……」カリカリカリ

    たかね「ほほう…… ……ほう!」ペラッ

      「……」カリカリ

    たかね「おお、なるほど……」ペラ

      「…… ラノベ、おもしろい? たかね」

    たかね「ええ、さいこうです。ちわき、にくおどる、とはこのこと!」

      「そりゃよかったさー。自分の課題終わるまで、もうちょっとそれ見ててねー」カリカリ

    たかね「ふふ、わたくしがよみおえるまえに、おわるとよいですね、ひびき」

      「そーだなー。ところでさ、たかね」カリカリ

    たかね「はい?」ペラ

      「それ、上下逆さまだぞー」カリカリ

    260 = 1 :


    【傷つけられたぷらいどは】

      「もー、スネなくていいってば。5歳でラノベ読めるほうが珍しいんだから」

    たかね「……」ムスー

      「それより自分、ストレッチしたいから、ちょっと手伝ってよ、たかね」

    たかね「…… なにをすれば、よいのです?」プクー

      「自分が座って前に身体倒すから、背中を押してもらえるかな」

    たかね「わかりました」




      「じゃ、始めるねー」グイー

    たかね「はい」グイー

    261 = 1 :


      「おっ、そうそう、そんな感じ、うまいぞたかね」ググー

    たかね「はい」グイー

      「ありがと、そのくらいでもういいよー」ググー




    たかね「はい」グイー

      「…… おーい、たかねー? 押すのはもういいって――」グググ

    たかね「……はい」グイー

      「ちょっ、たかね、もう、あだだっ、やめっ!?」ググググ

    262 = 1 :


    【やられたら】




      「さーて、じゃあ、今度はたかねもストレッチ、しようか」ゴゴゴゴ

    たかね「あの、その…… あれは、ほんの、できごころというもので……」ガクガク

      「そういえば、貴音、最初のうちは身体すっごく硬かったもんなー」

    たかね「ひ、ひびき、なにをいっているのです……?」

      「子供の頃からやってれば、いくらかマシになるよ、きっと」ワキワキ

    たかね「…… そのてのうごきは、なんなのですっ!?」






          \ めんようなーっ!? /

    263 = 1 :


    本日の投下は、これでおしまいです。

    264 = 1 :

    なお、今更ですが、誤変換の訂正をさせていただきます。

    >>68
    × 完璧 → ○ カンペキ

    265 :

    乙、可愛いよ!

    266 :

    お腹タプタプのたかねか…さぞかし可愛いんだろうなニヤニヤがとまらない

    267 :

    そろそろ響にお泊まりロケの仕事が入りそうだな

    268 :

    >>257
    今気づいたけどこれ響とたかねがしりとりしてるだけじゃなくて
    乗客含めた全員の会話のやりとりもしりとりになってるんだな

    269 :

    うわ本当だ

    270 :

    マジだ…気付かなかった…イッチーやるな

    271 :

    やるな…

    272 :


    【手も届かない】

      「もう5歳だもんね、たかね。ひとりでお顔洗えるよね?」

    たかね「も、もちろんです。そこで、しかとみていなさい、ひびき」

      「おっけー」

    ジャー

    たかね「…… では、いざ……!」パシャ

    たかね「ひゃっ!? つ、つめたっ!」

      「大丈夫ー?」

    たかね「…… い、いまは、ゆだんしただけなのです、こんどは…… ひゃあ!」バシャ

      「……」

    たかね「……あの、ひびき。きょうはなぜか、おみずが、つめたいです」グス

      (お湯の出し方わかんないって、素直に言えばいいのに)

    273 = 1 :


    【もとは左右非対称】

      「んしょっと…… よし、きょうもカンペキっ!」ギュッ

    たかね「……」ジーッ

      「ん? どうしたの、たかね。自分の顔になんかついてる?」

    たかね「ひびきはいつも、そのかみがたなのですね」

      「うん、そうだぞ。これが自分のトレードマークだからね」

    たかね「あたまのうえのつのも、そうですか?」

      「つの……? ああ、これもまあ、そうかな」

    たかね「わたくしも、なにか、とれえどまーくがほしいです」

      「うーん…… でも、たかねの場合は髪の色だけで目立つし、それに髪留めもあるしさ」

    たかね「そうです! ひびき、わたくしにもつのをつけてください!」

      「はあ!?」

    たかね「かみがたをかえると、『じょしりょく』があがるともききました。さあ!」

      「いや、これは意図的にやってるわけじゃないんだってば!」

    274 = 1 :


    【ほっとけない】

    たかね「あっ、ひびき! みてください、ねこさんです」

    野良猫「……」

      「あれっ、ここらでは見かけたことない子だなぁ。おっはよー!」

    野良猫「……」ジリッ

    たかね「おびえているのでしょうか?」

      「知らない場所で緊張してるのかも。ねえねえ、キミ、どのへんから来たの?」

    野良猫「シャーッ」

    たかね「…… きげんがわるいようですね。いきましょう、ひびき」

    野良猫「……」タタタッ

    たかね「ひびき……? たちどまって、どうしたというので――」

      「ちょっと待ってー! そっちはここらのボスの縄張りど真ん中だから、こっち行ったほうが!」

    たかね「ひ、ひびき!? そちらは、ちがうみちで…… ああっ!?」ズルズル

    275 = 1 :


    【二度あることは】

    たかね「まったく。みずしらずのねこさんに、どれだけかまけるのですか」

      「で…… でも、あのままだとあの子、ケンカになるのが目に見えてたし……」

    たかね「それで、ひびきがちこくしたらどうするのです。ほんまつてんとうですよ」

      「大丈夫だってば。現にほら、十分間に合う時間だから」

    たかね「それとこれとは、はなしがべつです!」

      「ううー…… それは、そうかもしれないけど……」

    たかね「たしかに、ねこさんはかわいいです。しかし、しょせん、ゆきずりのえんで……」

      「だって…… ……ん?」




    たかね「……そのために、がくぎょうのためのだいじなじかんを、おろそかにしては…… ひびき?」

    野良犬「ぐるるるるる」

      「そんな邪険にしないでよー。自分、今から学校なんだけど、キミはこれからどこ行くの?」

    たかね「ひびき、とりあえず、そこになおりなさい」

    276 = 1 :


    【つのつの二本】

    たかね「ことりじょう」

     小鳥「ん、なあに?」カタカタカタ

    たかね「あたまにつのをはやすには、どうしたらよいのですか?」

     小鳥「…… 頭に、ツノ……? ええっと、どういうこと?」カタカタ

    たかね「ひびきや、みきや、まこと…… あずさもですね。みなのあたまにはえている、つのです」

     小鳥「あ…… ああ、なるほど! あのねたかねちゃん、それはアホ毛って言うのよ」

    たかね「あほげ……?」

     小鳥「そう、元は美容用語だったらしいんだけど……」




     小鳥「……というように、キャラクターの外見を構成する重要な要素であるだけじゃなく、内面をもある程度表現することのできる画期的な記号としてのアホ毛が」

    たかね「あ、あの、ことりじょう、もうじゅうぶんです、よくわかりましたから」

    277 = 1 :


     小鳥「いいえ、まだよたかねちゃん、大事なのは――」

    たかね「……? ことりじょう、きゅうにだまって、どうしたのですか?」




     律子「……続けていいですよ。大事なのは、なんですか、小鳥さん」

    たかね「おや、りつこじょ…… ……!?」

    たかね(りつこじょうのあたまに、ないはずの、つのがみえて……!? めんような!)




     小鳥「だいじなのは、おしごとをすることです」カタカタカタカタ ターンッ

     律子「そうですよね」

     小鳥「はい、そうです、りつこさん」カタカタカタカタカタカタ

     律子「……たかね。この通り、案外かんたんに生えるのよ、ツノなんて」

    たかね「そ、そのとおり、ですね……」ブルブル

    278 = 1 :


    【萩原雪歩の場合】

     雪歩「はい、どうぞ、たかねちゃん」

    たかね「ありがとうございます、ゆきほ。では、さっそく」ズズ

     雪歩「……」

    たかね「む…… これは、さきほどのものより、ほのかにあまいきがします」

     雪歩「じゃあ次は、これ。どうかな?」

    たかね「いただきます。 ……はて、これは、みっつまえにのんだのと、おなじものでは?」

     雪歩「…… すごい! 本当にちゃんと違いがわかるんだね、たかねちゃん」

    たかね「ゆきほの、おちゃのいれかたがじょうずだから、あじがわかるのだとおもいますよ」

     雪歩「そんなぁ、えへへ、わたしなんか……」

    279 = 1 :


     高木「律子君。萩原君は、たかね君を相手に何をしているのかね」

     律子「なんでも、"利き茶"みたいですね。たかねが微妙な味の違いもわかるとかで」

     高木「ほう…… ところで、音無君はなぜ体育座りを?」

     律子「たかねがやってるのを見て、小鳥さんも一緒に挑戦したんですよ。それで、見事に――」

     高木「音無君にそうした嗜みがあったとは。いや、こう言ってはなんだが、意外な」

     律子「――雪歩が冗談のつもりで出したペットボトルのお茶と最高級の玉露を、逆に答えちゃったんだそうです」

     高木「…… それは…… うむ、なんと言ったらいいのか……」

     小鳥「違います、違うんです社長! わたし今日、お昼に激辛カレーなんか食べちゃったから舌の調子がぁぁ!」ガバッ

     高木「うおっ、お、落ち着きたまえ…… 事務所で玉露をいただく機会などそうないのだから、仕方がないよ」

     律子「社長、そんな悲しいフォロー、やめてください」

    280 = 1 :


     雪歩「じゃあせっかくだから、おいしいお茶の淹れ方も教えてあげるね」

    たかね「どうぞ、よしなにおねがいします、ゆきほ」

     雪歩「うふふ、はい、こちらこそ。では、まずこうやって…… 人数分のお湯呑みに、お湯を注ぎます」

    たかね「おゆのみに? ……ただのおゆを、ですか?」

     雪歩「こうするのには、いくつか理由があるんだよ。ひとつは、これでお湯呑みを温めるため」

    たかね「…… なるほど。うつわがつめたいと、おちゃがひえてしまう、ということですね」

     雪歩「そう、正解。それに、どれくらいの量のお湯がいるか、計ることもできるし」

    たかね「たしかに、ごうりてきです!」

     雪歩「あと、あんまりお湯が熱いとお茶が苦くなっちゃうから、ちょうどいい温度に冷ますためでもあるの」

    たかね「む、わたくし、にがいのはにがてですから、きをつけなくては」

    281 = 1 :


     雪歩「じゃあ次は、お急須にお茶っ葉を入れます。だいたい一人ぶんがおさじ一杯くらい」

    たかね「ひとりにつき、いっぱいですね」

     雪歩「そうそう。そしてここに、お湯呑みで冷ましてたお湯を注いで…… ちょっと待とうね」

    たかね「すぐについでは、いけないのですか?」

     雪歩「うん、お茶の成分がお湯に浸み出すのを静かに待つの。お茶っ葉の種類によって、30秒から1分半くらいかな」

    たかね「はい! それでは、まちましょう!」




     雪歩「出来上がったら、人数分のお湯呑みに、少しずつ順番に注いでいくよ。さて、どうしてでしょう?」

    たかね「ええと…… おちゃのこさが、ばらつかないように…… でしょうか」

     雪歩「よくできました! 注ぐのは最後の一滴まで、お急須に残らないように、しっかりとね」

    282 = 1 :


    たかね「なぜさいごまでなのですか?」

     雪歩「お湯が残ってるとね、次に同じ葉っぱでお茶を淹れたときの味が変わっちゃうんだよ」

    たかね「ほほう」

     雪歩「それに、お茶のおいしさは最後の一滴にぜんぶ詰まってるって言うくらいだから、飲まないのはもったいないの」

    たかね「おお、そうだったのですか……!」

     雪歩「うん。だから今回のその一滴は、たかねちゃんの分に注いでおくね」

    たかね「なんと! ありがとうございます、ゆきほ」

     雪歩「どういたしまして。淹れ方もだけど、結局、おいしく飲んでもらいたいな、って気持ちが大事なんだよ」

    283 = 1 :


     雪歩「というわけで社長、律子さん、お茶が入りましたよ。少し休憩しませんか?」

    たかね「わたくしも、おてつだいしました!」

     高木「それはいいね。さっそくいただこう」

    たかね「わたくしがおもちします! どうぞ、たかぎどの、りつこじょう」コト

     律子「ちょうど喉が渇いたとこだったわ。ありがとう雪歩、たかね」




     小鳥「…… そうよね、雪歩ちゃんのお茶の味もわからない味オンチのわたしに、出すお茶なんてないわよね……」

     雪歩「あっ、小鳥さんには別メニューを用意してます!」

     小鳥「えっ?」

    284 = 1 :


     雪歩「やっぱり淹れ方がダメダメだから、玉露とペットボトルのお茶を間違われちゃうんですぅ……」

     小鳥「そ、それは…… あの、雪歩ちゃん、わたし本当に申し訳ないと思ってて」

     雪歩「いいえ! 悪いのは小鳥さんじゃありません、わたしが未熟なのがいけないんですっ!」

     小鳥「…… ええと、それはそれとして、別メニュー、って……?」

     雪歩「決めたんです…… 二度と小鳥さんが間違わないくらい、おいしくお茶を淹れられるようになってやる、って!」

     小鳥「そ、そう、それはすごくいいことだと思うわ」

     雪歩「だから、小鳥さん! 試飲役として特訓に付き合ってほしいんですぅ!」

     小鳥「えっ」




     律子「ああ、おいしい…… 日本人でよかったわ」ズズ

     高木「温まるな、生き返るようだ。とても上手にできているよ、たかね君」ズズー

    たかね「あ、あの、ふたりとも、ことりじょうはほうっておいてよいのですか……?」ズズ

    285 = 1 :


    【土か金属か】

      「おっ、豚肉が安いなー! たかね、夕飯はお鍋にしようか」

    たかね「なっ!? お、おなべを…… たべるのですか?」

      「うん、寒いんだし、あったかいもの食べようよ。自分がおいしいの作ってあげる!」

    たかね「…… あじつけのもんだいでは、ないようにおもいますが……」

      「甘いなーたかね、シンプルだからこそ味付けとかが大事なんだぞ」

    たかね「それに、あしたからのおりょうりにさしつかえませんか」

      「え、どうして?」

    たかね「だって…… おなべを、たべるのでしょう?」

      「そうだけど、それが明日からとどう関係するの?」

    たかね「…… あとはもう、わたくしがかくごをきめるだけ、ということですね……」

      「ちょっと待って、なんかひどい勘違いがある気がしてきたぞ」

    286 = 1 :


    【ミニでも大きい】

    たかね「ふむ、つまり…… ぶたのおにくを、おなべでにるのですね」

      「そうそう。牛はちょっと値が張るし、お鍋にはあんまり合わない気がするし」

    たかね「ほかには、なにもいれないのですか?」

      「まさか! ほうれんそうをメインにして、にんじんとかごぼうとか、色々とね」

    たかね「どのようなあじになるのか、そうぞうがつきません……」

      「そこは自分にまかせといてよ」

    たかね「…… ところで、まさかとおもいますが、ひびき…… ぶたたは、いずれ……?」

      「今度はなに言い出すんだたかね!? ブタ太は自分の大事な家族だぞ!」

    たかね「だ、だいじにそだててから…… おもむろに……!?」

      「うがーっ、ちがーう! そんなことしないってば!」

    287 = 1 :


    【速攻型】

    グツグツグツ

    たかね「じょうやなべ?」

      「毎夜、常に食べても飽きないくらいおいしいから『常夜鍋』っていう名前なんだって」

    たかね「なんともすばらしいなまえですね。 ……さて、ひびき、まだですか?」ソワソワ

      「お肉の色も変わったし、そろそろかな。じゃあ仕上げに、ほうれんそうを入れてっと」

    たかね「おお…… みどりが、めにもあざやかです」

      「…… よし、もうよさそう。お皿ちょうだい、取ってあげるよ」

    たかね「はいっ! おねがいします!」

      「こんなもんかな、っと…… はい、まだ熱いから気をつけてね。好き嫌いもダメだぞー」




      「さて、じゃあ自分の分……」

    たかね「ひびひ!! なふなっへひまいまひふぁ、ふぎをくだふぁい!」モゴモゴ

      「うん、気に入ったのはよーくわかったから、落ち着いて食べような、たかね」

    288 = 1 :


    【〆】

      「どうだった? シンプルだからこそのおいしさでしょ?」

    たかね「たんのう、しました…… たしかに、これなら、まいにちでもかまいません」ケプ

      「よかった。それじゃあ、最後にもう一品作ってくるぞ」

    たかね「もうひとしな……? しかし、もうほとんどおつゆだけですし、それに、おなかも……」

      「そこは出来てからのお楽しみ。やっぱりお鍋を食べるなら、シメがなくちゃ!」

    たかね「しめ?」




    たかね「……こ、このかおりは!?」

      「ふふふ、お待たせー。たかねが喜ぶのっていえば、やっぱりこれだよね」

    たかね「らぁめん!! おなべが、らぁめんになっております!」

      「お肉とかのダシが出てるからすごくおいしいんだ。どう、これならまだ入るんじゃない?」

    たかね「もちろんです! はやく、はやくいただきましょう!」

    289 = 1 :


    【めらんこりぃ】

    たかね「これと…… このかーどです!」ピラ

      「あー、違ってたなー、ざんねーん」

    たかね「むむ…… どうぞ、ひびきのばんですよ」

      「じゃあ、さっきたかねの開けたこれと…… これっ!」ペラ

    たかね「あ、ああっ!?」

      「あっ、しまっ…… じゃなかった、ラッキー。カンで選んだやつが当たったぞ!」

    たかね「なんとひれつな! わたくしを、りようするとは、ひびきぃ……!」

      「ふふふ、勝負の世界はきびしいのさー。さて、ペアができたから、次も自分のターンだなー」

    たかね「…… い、いたしかたありません……」

      「じゃあ、これと…… ……たしか、これだったかな?」ピラ

    たかね「あっ!」

      「あっちゃー、しまったあ! これじゃ、次でたかねに取られちゃうぞー」

    たかね「ふふふ、ゆだんしましたね、ひびき! わたくしのばんです!」

    290 = 1 :


    【炭酸には違いない】

      「きょうはお風呂にこれ、入れようか」

    たかね「それは……? せっけんですか?」

      「いや、違うよ。ほら、見てて」 チャポ

    たかね「……? なにもおこりませんよ、ひびき」

      「それが、もうちょっとすると……」

    ジュワワワワワ

    たかね「ひゃっ!? あ、あぶくがたくさん!」

      「これ入れると、温まりやすくなるんだ。じゃ、溶けてる間にシャンプーしようか」

    たかね「おお…… しゅわしゅわとして…… あっ、それに、おゆにいろが!」

      「確かに見てると楽しいよね。ま、さておき、シャンプーを」

    たかね「……はたして、どんなあじがするのでしょうか?」キラキラ

      「言うんじゃないかと思ってたぞ」

    291 = 1 :


    【ふぁむれうた】


      「えーっと、たかねは寝かせた、みんなケージに戻した、モモ次郎は出した、家計簿もつけた、っと」


      (うーん、寝るにはちょっと早いかな? まぁでも、明日もあるし、自分もそろそろ……)


    ガチャ


      「ん?」

    たかね「……ひびき? ひびき、ですね?」

      「あれっ、たかね、どうしたの。眠れない? トイレ?」

    たかね「…… ふ、ふぇ、う、わぁ、うわああああん……」

      「え、ええ!? ちょっと、どうしたの、大丈夫!? どこか痛い? たかねってば!」

    292 = 1 :






      「そっかー…… 怖い夢、見ちゃったかー」

    たかね「わっ、わたくし、おきて……、も、ひっく、どこにも、……ひびきも、だれも、いな、くてっ、ひっ、えぐ」

      「だーいじょうぶさー、たかね。それはただの夢で、自分、ちゃんとここにいるからさ」




    たかね「あの、ひびき…… そこに、いますか……?」

      「だいじょうぶ。自分、ここにいるよ。たかねが眠れるまで、一緒にいてあげるから」

    たかね「ひびき…… どうか、ずぅっと、そばにいてくださいね」

      「当たり前だぞ。自分はたかねを置いていなくなったりしないよ、約束する」

    たかね「はい……」

      「…… そうだ、たかねが安心して寝られるように、子守唄を歌ってあげるよ」

    293 = 1 :



      「……♪ まいぬはま うりてぃ あしぶわらんちゃが わらいぐぃぬちゅらさ ゆすにまさてぃ」

       (前の浜に下りて遊ぶ子供たちの笑い声は、ほかのどんなものよりきれいさー)


      「♪ ふぃしうちゅる なみうとぅや わんなちぇる うやぬ ふぁむれうたぬぐとぅに うたぬぐとぅに」

       (さんご礁に打ち寄せる波の音は、自分を産んでくれた親の歌う、子守唄みたい)


      「 ♪ しゅらよい しゅらよ にごたくとぅ しゅらよい しゅらよ かなしょーり……」

          (かわいい子、きみが願ったことが、どうか、叶いますように)








      「…… たかね、もう眠れたかな? 今度はちゃんと、いい夢見るんだぞ」

    294 = 1 :


    本日の投下は、これでおしまいです。

    295 = 1 :

    響の歌った子守唄に興味のある方は『ファムレウタ』で検索してみてください。
    曲名は「子守唄」を八重山方言で読んだものだそうです。とても良い曲です。

    方言に詳しくありませんので、歌詞の意味の正確性は保証できません。
    解釈のひとつとして捉えていただければ幸いです。

    296 :

    来たと思ったら終わってた!

    297 :

    ん、やっぱこうして改めて見てみると響は家庭的だし奥さんにしたら幸せになれるだろうな…さすが俺の嫁

    298 :

    魚粉入り付け汁

    299 :


    【寝て起きて忘れて?】

    たかね「…… むにゃむにゃ……」

      (幸せそうな顔しちゃってまぁ…… よく眠れたみたいでよかったけどさ)

      「たーかねー、朝だぞ、あさー! 起きる時間だぞー」

    たかね「ん、むぅ…… ひび、き……? ……ひびき!」ガバ

      「おっ、今日はねぼすけじゃないね。えらいぞ、たかね…… って」

    たかね「ひびきぃ……」

      「おっと……、どうしたのさ、急に」

    たかね「……」ギュウゥ

    300 = 1 :



      (まだゆうべの夢のこと、引きずってるんだな。この歳じゃそれも仕方な――)


    たかね「なんだか、いつもよりおなかがすきました……」グゥ

      (……そりゃね、あれだけ泣いたら、体力使うしおなかも減るよね)

      「はいはい、すぐ準備するからちょっと待ってて」

    たかね「それから、ひびき?」

      「なあに?」


    たかね「とてもすてきなおうたでした。また、きかせてください」


      「……ふふ、泣き虫のたかねが寝られないときは、また歌ってあげるよ」

    たかね「わ…… わたくしは、ないてなどおりません!」

      「ん、まずは顔洗っておいでー」


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