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元スレいろは「わたし、葉山先輩のことが…」葉山「…俺は彼の代わりにはなれない」
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「ただいまー」
「あ、お兄ちゃんおかえりー」
冷えた体を温めるために炬燵に潜り込む
僕を癒してくれるのは君だけだよ、炬燵君。それとマッ缶。あと戸塚くらいかな。
だけ、といったな。あれは嘘だ。
あの後一色と別れ、部室に向かった
すでに由比ヶ浜は来ていて、雪ノ下と談笑していた
努めて平静にいこうと思っていたのだが、最初の一声が裏返ってしまった。
それに連られ雪ノ下もキョドってしまい、何ごとかと
由比ヶ浜に問い詰められたりしたが、なんとかいつも通りに過ごすことが出来た。
「ねぇーお兄ちゃん。雪乃さんとどうだった?」
ニヤニヤしながら聞いてくる
「あ?なんもねーよ」
「えー!なんにもないことないでしょ、なんか進展は?」
「なんだよ進展て……。別にいつも通りだったぞ」
その返答に小町は、あれー?おかしなー?なんて言っていたが、
なにもおかしいことなんかない。俺にとって、おそらく雪ノ下にとっても、
あの出来事は気恥ずかしいものではあったが、自分が一歩進むためのものだった。
だから、特にそれを引きずることもなく受け止められた。受け入れた。
過去の自分が、今の俺を見たらなんと言うだろうか。
無謀だ。学習しない。勘違い乙。なんて言うかもしれない。
もしかしたこの先、何も信じられない状態に戻ることもありえる。
だが、そんなことに対して、心の中でフッと笑う。
俺は卑屈で、陰湿で、劣悪だ。つまり闇属性。
闇属性の孤独な傷心主人公。なにそれかっこいい。俺が編集者だったら速攻でボツだね!
傷ついても、その分なにか得られれば文句がない。
開き直りではない。失敗しても、それはいい経験だとか、
青春の1ページだとかいうつもりもさらさらない。
ただ、純粋に欲しくなってしまったから。わがままを言う子供のように。
ずっと焦がれてきたもの。何度も諦め、そのたびに何度でも手に入れたがる。
傷をつけずに生きていくなんて不可能だ。だからその分の見返りがあるべきなのだ。
今まで傷を最低限に抑える生き方をしてきた。それでも、0ではない。
だから、傷の量関係なしに、見返りを求めようと思った。ただそれだけのこと。
「ふふ。小町はね、嬉しいよお兄ちゃん。成長したね~」
「何様だお前は。ていうか勉強はどうした、もう後がないぞ」
「もー!受験生にそういうこといったらダメでしょーが!やる気がなくなる以前に心が折れるよ!」
「そうなったら俺が癒してやるよ。今の八幡的にポイント高い」
「うわぁ……、今のはポイント低いよ。ちょっと気持ち悪い」
え?まじで?
やばい心折れそう。
「でも、妹である小町には効果ばつぐんだよ!あ、今の小町的にポイント高い!」
「はいはい、たかいたかい。じゃあ俺は自分の部屋に籠るとするかね」
「ほいほーい」
最後に一言、勉強がんばれよ、と言おうとしたのだが、頑張ってるやつにそれは禁句だったな。
だから、妹に対して適切な言葉を使おう。
「小町、愛してるぞ」
「……へ?……ふぇええええええええええ!?」
謎の小町の絶叫を聞きリビングをでる
なんだよ、おまえが言えって言ったんじゃねーか……
* * *
自室にて、ラフな格好に着替え、ベッドにダイブする
ふと、携帯を見てみるとメールが届いていた
「どこからだ?」
我ながら、"誰"ではなく"どこ"で思うあたり自分の友好がないのがうかがえる
「あん?一色?……さっそく泣き言いってんじゃねーだろな」
メールの相手は今日、アドレスを交換したばかりの一色いろはであった。(登録されてた名前は修正した)
『こんばんは先輩!特にこれといった用もないんですけどメールしてみました☆』
なんなんだこいつ。まあ、特に用もないならスルーでいいな、スルーで。
と、携帯を放り投げ、読みかけの本を取り出す
――――――
―――――
―――
本を読み進めて数分、携帯のバイブ音が聞こえてくる
確認してみると、予想通り一色だ
『先輩メールみました?暇だから見てますよね?返事くださいよー』
「はぁー……。用もないのになんて返せばいいんだよ」
一言
『見た。用がないなら話すこともないだろ』
とだけ送る
すると、ものの数秒で返信が来る
由比ヶ浜といい、なんで女子校生っていう生き物はこうメールが好きなのだろうか。
『ぶー、冷たいですよ先輩……泣いちゃいます。ていうかそれ、コミュ力低すぎですよー』
うわっ……わたしのコミュ力、低すぎ!?
このネタ前にもやったな。
『いつも通りだ。あと、あざとい。こちとら、メールする相手なんてそうそういないからな』
『えー。結衣さんとか雪ノ下さんとやり取りしてるんじゃないんですかー?』
『たまに由比ヶ浜とすることはあるが、そんな頻繁でもないし、雪ノ下に至っては連絡先知らん』
あとは平塚先生くらいだが、あれはやり取りというよりは、
業務連絡とか、個人の日記を無理やり読まされてる感がある。
『……へー、意外です。ところで先輩、明日の放課後暇ですか?
暇ですよね、ちょっと付き合ってほしいんですけど』
なんか興味なさげなんですけど、聞いてきたのあなただよね?別に興味持たなくていいが。
てか、さっきばっちり用がないって書いてあったよな。確実に今思いついただろ。
『放課後は部活だから無理だ。知ってるだろ』
『でも、依頼なんてほとんど来ませんよね?大丈夫ですよ』
まったくもってその通り。
『どこにいって何するかによる。仕事と関係あるならついてく』
これに対する返信に少しかかったのか、間が空いてからメールが届く
『もちろん仕事です。今、受験関連で仕事中なわけですけど、少し相談事がありまして。
話が長くなるので、直接話をしたいんですけど……駄目ですか?』
……どうするかな。確かに部活は暇なことが多いし、俺一人かけたところで問題ない。
依頼を受けるかどうか決めるのは雪ノ下だ。俺が直接依頼人に合わなくても大丈夫だ。
…仕事、大変そうだしな。とりあえず、話だけでも聞いてみるか。
『わかった。じゃあ、集合場所はサイゼとかでいいか』
『ありがとうございます。というか、同じ学校にいるんですし、
校門集合とかでいいじゃないですか…。サイゼはなんかあれですけど賛成です』
『じゃあ、そういうわけで。おやすみ』
『ぶった切ってきましたね…。まあいいです、おやすみなさい』
決してもう寝る時刻、というわけではなくあいさつ的な意味だ。
仕事内容はなんだろうか。めんどうじゃないといいんだけどなー。
大体俺がやる仕事は、面倒な気がする。というか仕事自体がめんどい。
おかしいなー。
仕事から逃げているはずなのに、逆に囚われている気がするよー。
* * *
「あ、せーんぱい!」
「……なんでいる」
放課後、今日は部活を休むと伝え、校門を出ようとしてたところである。
なぜかそこで待機していた一色に捕まってしまった。
ちなみに、奉仕部の2人には何事か聞かれたが、特に隠す気もなく正直に話してきた。
最初は訝しんでいた彼女たちだったが、まだやるか決めてないということと、
内容によっては頼ってもいいかと聞いたところ、快く承諾してくれた。
「だって、店で合流って完全に二度手間じゃないですか。
どうせ、前みたいな一緒にいて恥ずかしいとかいう理由でしょうけど、
店の中で合流するのも恥ずかしいですよ。あと駅前ならどっちみちうちの学生多いですし」
ぐぬぬ……。こやつやりおる!
「……たしかにそうだが、二人一緒に歩いてるところを見られる方がやばいだろ。
言っとくが俺は、嫌われ者だぞ」
「全然やばくないです。それに先輩のことなんか誰も見えてませんよ、自意識過剰です」
「おい、俺は透明人間か」
もしくは、幻のシックスメン。
「とにかく、もう合流しちゃったわけですし、今更時間ずらすなんてさせませんよ?」
ニコッとはにかみながら歩き始める。
やめろよ、可愛いじゃねーか。
「……つーか、いいのかよ。葉山とかに見られでもしたら」
「今は部活中なので問題ありません」
そういえばそうだったな。
こいつは部活出てるのだろうか。
しかたなく、自転車を押して歩く
「一色、カバンこっちよこせ」
「え!?な、なんでですか?なにするつもりですか!?」
「別になんもしねーよ……。チャリあるし、カゴにいれてけばって意味だ」
一色は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔に変わる
「先輩、あざといですよ。もしかして口説いてるんですか?すみません今は無理です」
「うぜぇ……。ま、べつにいいならかまわねぇよ」
「まあ、お言葉に甘えるんですけどね」
というと自分のカバンを自転車のカゴに詰める
おい、今の無駄なやり取りはなんだったんだ。
そんな風に思いつつもこんなのも悪くはないな、なんて思ってる俺がいた
* * *
「さて、何食べましょうか。甘いものですかね。それともガッツリいっときます?」
「ドリンクバーくらいでいいだろ……。そんなかかるのか」
「そりゃかかりますよー、今日は帰しませんからね?せーんぱい」
「あざといっての。ちょっと妹に飯いらないって断りいれてくる」
「え?……あ、はい」
といって席を立つ
残された一色は小さな声でつぶやく
「にへへ~。ほんと先輩はお人好しですね~」
そう言った一色の頬は、だらしなく緩んでいた
「しかし、どうしますかね。まさか時間かかるっていうのを信じるとは思いませんでしたからねー。
なんとかして引き延ばさないと、先輩の妹さんに悪いですねー」
そこには、今更ながら仕事の内容を何にしようか悩んでる生徒会長がいた
――――――
――――
――
「悪いな、少し時間かかった。妹のやつにダル絡みされてな」
「いえいえ、おかげで考える暇もできましたしー。妹さんと仲いいんですね~」
俺がいない間仕事のこと考えてたのか。なかなかきちんと会長やってるんだな。
「そうか。まあ、小町ほどかわいい妹ならそりゃ可愛がるだろ」
「……シスコン。そこまで言われると気になっちゃいます。どんな子なんですか?」
「あー、一言で言うとお前みたいな感じだ」
「え、え?せ、せんぱい、こんなところで急に告白ですか!?」
「は、ばっかちげーっての!性格の特徴がだいたい似てるってだけだ。実際は全然違う」
「でも、わたしを可愛がりたいって意味にも聞こえます。
すみませんまだちょっと恥ずかしいんで無理です」
「なぜそうなる。あーもうこの話はやめだ。つーか仕事しに来たんだろ」
「お、せんぱ~い。やる気満々じゃないですか~」
う、うっぜぇ……
* * *
「で?具体的になにするんだ」
「えっとですね、せっかく私が生徒会長になったんですから、他と違うことやりたいんですよ。
1年生にして仕事をきちんとこなし、ユニークな発想とイベントを思いつくなんて、
ポイント高いじゃないですか?」
そこらへんが小町っぽいんだよな。小町のほうが100倍可愛いけど。
「そこで思いついたのが、我が校を受ける受験生の緊張を和らげるようなイベント。
終わった後の労いのイベントって感じなんですけど、どうでしょう?」
なるほどな。確かに受験てのは将来を決めるであろう大事なイベントだ。
故に緊張するし、体調も崩しやすい。それを和らげることで万全の状態で試験に臨んでもらう。
総武校の印象もよくなるし学校側としても、受験生にしても双方にプラスの効果を得られる。
まさにWin-Winの関係だね!
労いのイベントというのもいいだろう。
張りつめていた緊張感をなくし、リラックスさせることができる。
しかし、このどちらにも穴がある。
「発想自体はなかなかいいな。だが問題もある。まずは前者の案だが、
緊張を和らげるというのは非常にいい。では、緊張を和らげうるイベントとは何か。
インパクトの強い物か、そうでないのか。そうでない場合あまり効果がない場合がある。
それに、インパクトが強いと覚えたことを忘れかねない。実際はそんなことないかもしれないが、
そこは問題じゃない。逃げ道を与えてしまうことが問題なんだ。万が一受験に失敗した場合、
あのイベントのせいで内容が飛んだ、どうしてくれる。なんて責任問題になりかねない」
「う、うわぁ…。それはひどい話ですね……」
「次に後者だ。アフターケアまでしてくれるのは本人たちにとって嬉しいだろう。
ここまで頑張ってきて、やり終えた人たちにプレゼントを与えるというのは、
好印象だし、いい気分転換だ。だが、失敗した人はどうする。自身がない、
落ちたかもしれない、そんな不安な気持ちを抱えた人たちからしたら、
終わったねーなんていって騒いでる人たちがいるのは気に食わないだろ。」
「な、なるほど……。先輩って頭いいんですね~見直しました」
「……このくらい誰でも思いつく。で、それに対するプランはあるのか」
「ないです」
「は?」
おい、こいつ本気でただ自分がやりたいことやるだけだったのかよ……
「あ、ち、違うんですよ!?私ひとりじゃ厳しかったので、このプランを考える
パートナーが欲しかったんです」
「そうだな、確かにひとりで考えるのにも限界がある。自分じゃ気付けない
ポイントってのはあるからな。そのために会議があるわけだし。」
「で、ですよね~。と、いうわけで協力してほしいんですけど……お願いできますか?」
……乗りかかった船だし、その対象には小町も入るからな。
あの毒虫は知らん。勝手に落ちろ。
「わかった、手伝おう」
「ほ、ほんとですか!?」
「ああ。しっかしそうなると、俺だけじゃ厳しいな……。
雪ノ下たちにも手伝ってもらうとするか」
「え…あ、はい。そのほうがいいですよね……」
…? ああ、こいつ雪ノ下が苦手なのか?
「雪ノ下たちとは俺を通してやってけばいい。お前は生徒会メンバーをメインに動いてくれればいい」
まあ、それが普通なんだが。
しかし、一色の歯切れは悪い。ぼそぼそとなにか呟く
「やー、そういうことじゃないんですけどー……。わかりましたそちらはお任せしますね」
「ああ、了解した」
「せんぱい……、ありがとうございます」
「気にすんな、そういう部活だ」
と告げると、少し困ったような笑い方をする
「頼りにしてますよ、先輩」
そのあとは軽いアイデアを出していく作業に移り、ある程度でたところで解散ということになった
* * *
「もう、暗いし送ってくぞ」
「いえ、そんな遠くありませんし、気にしなくて大丈夫ですよ」
ん?てっきり口説いてるんですか?とか聞かれるかと思ったが。
まあ、はっきり断られてるのを無理して送る必要はないな。
「そうか、じゃあまたな」
と、背を向けて走り出そうとすると、控えめに背を引かれる
「おい、一色?」
「先輩……。雪ノ下さんとか、結衣さんのこと…どう思ってます」
どう思ってるとはどういうことだろうか。
どんな人物かだろうか。あるいは…
いやいや、とかぶりを振る
「雪ノ下は……何でもできているようで、実はできない。不器用な奴、て感じか。
由比ヶ浜は……アホだな。うん。でも、そのアホさになんども救われた。
俺も…雪ノ下も…」
「…そうですか。じゃあ、わたしは?」
「おい、さっきからどうしたんだ?おまえ――」
といったところで一色にさえぎられる
「答えて…くれませんか?」
といわれて考える
俺にとって一色とはどんな存在だ。
生徒会長に半ば無理やり推薦したことで負い目がある。
いや、ちがう。こいつはもう大丈夫だ。生徒会長として充分やっていける。
ならば、負い目を感じる必要もない。
じゃあ、なぜこいつを手伝う?
奉仕部だから。仕事だから。……はたしてそうだろうか。
それならば雪ノ下たちと共に話を聞けばよかった。
俺が個人的に話を聞きたかった?
……どうだろうか。
一つだけ思い当たるとしたら――――
「ほっとけない、可愛い妹……みたいな存在…かもな」
最後のほうに行くにつれ、声は小さくなっていったが、一色にはしっかりと聞こえていたようで
「なんですかそれ。口説いてるんですか?」
その声音は、いつもの明るく、あざといものに戻っていた
「ちげーよ。じゃあもう大丈夫そうだし、いくな」
「せんぱい」
呼ばれて振り向こうとするが、それは拒まれた
後ろからなにかに抱き着かれている。いや、この場において一色意外に思いつかないのだが
「お、おい?一色?」
なにか言ってるようにも聞こえるがその音は小さく、外の喧騒もあってか聞くことは叶わない
「えへへ。ちょっと感極まっちゃいました~。それじゃ先輩、おやすみなさい!」
と言って、その場を逃げるように去っていく
俺はうるさく、鳴り止まない心臓を誤魔化すように全力で自転車を漕ぐ
一体何のつもりだったのだろうか。最後のほうの一色はなにかおかしかった
「……あー、さぶ」
少し、頭を冷やしてから帰るか。
途中MAX缶コーヒーを買い公園に寄っていく
暖かい缶を手の中で少し転がし、一気にあおる
「……あっま」
その日飲んだコーヒーは、いつもより甘く感じた
終了
いろは視点で甘いやつ行こうかと思ってたけどなんかシリアスになっちゃったな
いろは視点で甘いやつ行こうかと思ってたけどなんかシリアスになっちゃったな
乙
原作読んでるけど副会長の名前なんか覚えてないからへーきへーき
原作読んでるけど副会長の名前なんか覚えてないからへーきへーき
面白いな
所々原作に似てる部分があって読んでて楽しい
いろはす~
所々原作に似てる部分があって読んでて楽しい
いろはす~
やっちまいましたね。
あれはさすがにまずかったですかね。
別れ際に、自分がしたことを思い出しつつ、うわー、なんて言いながらごろごろと自室のベットを転がる
いやー、だって仕方ないじゃないですか。なんかそういう雰囲気だったじゃないですかー。
空気に流されて行動するのは、これで二回目
一度目は、葉山先輩への告白
ほんと、先輩はわたしを狂わす。
自分自身の行動に、驚かされる。
「ふへへ、かわいい妹~。えへへへ~」
先輩に言われた言葉を反芻しては、湧き上がる気持ちを抑えられず、枕をぎゅっと抱きしめる
はあ~本格的にわたしは先輩にお熱のようです。
でも、いまいっても絶対無理ですからねー。我慢我慢。
「あれ?妹みたいな存在ってよく考えたらマイナス?」
よく聞く話で、『妹のように可愛がる』とか『妹みたいな存在』っていうものは、
恋愛対象になってないようなことがしばしばある。
といっても、友達と話を合わせるために読んでいる恋愛系の少女マンガの知識だったりで、
実際にはわからない。だが、あり得る話だ
先輩に妹がいるのは知っているし、わたしに似ているとも言ってた。
ということは、今の評価はまずい気がする。
でも、思っていたよりはいい結果だった。
まだ先輩のことをよく知っているわけじゃないけど、拒絶される可能性は十分あった。
それを考えると、出だしとしてはいいのかもしれない。
今はそれでもいいだろう。まだ始まったばかり。
とりあえずは余韻に浸りたいと思った。
「は~、切ないです。せんぱいー」
悶々とした気持ちを抱えたまま、気がつけば微睡の中にいた
* * *
朝、学校にて
先輩に会えないかな~なんて思いつつ、昇降口周辺を見回していた
すると偶然にも、その姿を発見する
「あ、せんぱ―――」
しかし、その言葉は最後まで言えなかった
「よう」
「あら、おはよう。比企谷くん」
その場に雪ノ下雪乃の存在があったからだ
「昨日、一色に仕事を頼まれてな。ちょっと俺一人じゃ厳しいから力を借りたい」
「ふふ、わかったわ。それにしても、仕事嫌いなあなたが積極的に仕事をしにいくなんて、
皮肉な話ね」
「まあな。むしろ今仕事の辛さを経験することで、将来仕事に就くもんかと決意するまである」
「なぜそうなるのか全く理解できないのだけれど……」
呆れたように溜息を吐く
「俺が理解しているから何も問題ない」
「問題しかないのだけれど……。ほんと、小町さんが大変ね」
「そうだな、うまく専業主夫になれなければ小町に養ってもらうしかないからな」
「それはどうなのかしら……」
彼女はふいに笑うと
「あなたのことだから、なんだかんだ言いながら働くのでしょうけど、
もしそうなったら私が面倒を見てあげるわ」
先輩は顔を赤らめ、焦ったように言う
「お、おい。変な勘違いされるぞ」
「え?……あ、あぅ、ち、ちがくて、その……」
「いや、いい。わかってる」
「……わかってないじゃない」
軽くむくれて、小さな声でつぶやく
てっきり慌てた雪ノ下さんが先に行ってしまうのだと思っていたが、
二人はそのまま校内を歩いていく
その光景をみて、胸が絞めつけられた
「……っくはぁ。…きっついなぁ」
先輩、いつの間にあんな仲良くなってるんですか。
ついこの間までびみょーな感じだったのに、進むの早すぎですよー。
「……かなわないなぁ」
しばらくその場を動けず、思考が停止していた
もたもたしてられない、ってことですよね。
しかしあの人相手に駆け足では意味がない。
どうすればいいんだろう……
先ほどとは一転、わたしの気分はどん底に落ちていた
* * *
「おい、またか会長」
「はやかったですねー。昨日まではうきうきしてたのに」
現在、生徒会室でわたしは机に伏せていた
なんだか、ここがわたしの安らげる第二の場所な気がする。
第一は当然先輩。
役員たちとは友達、のような間柄ではないが、それなりに気を抜ける人たちだった
取り繕わなくてよくなったのは、わたしの想い人が露呈し、距離が近まったからかもしれない
「だってー、衝撃的なものをみせられてー、そりゃこうもなりますよー」
「……別に何があったか話せとはいわんが、相談事ならいつでも聞くぞ。
仕事に支障が出るからな」
「やっぱツンデレだねー」
「なかなかテンプレの人だったんですね、副会長さん」
この微妙な関係が妙に落ち着く
打ち明けてしまおうか、とも思ったがそれに意味はない
そうだ。今はこの仕事をどうするか決めないと。
グダグダしてる暇があったら、やれることをやる。
わたしが先輩に近づけるチャンスは、今はこれしかない。
だからちゃんとやんなきゃ。
キリッとした表情をみせ、役員たちに口を開く
「みなさん聞いてください。一つイベントを考えてまして―――」
ちんこくれよ。ヒキタニくん。
は?何いってんのお前?夏の暑さにやられたのか?
俺は君にヤられたいよ。比企谷。
マジで大丈夫か?
八幡。僕、八幡のおちんちん欲しいな。
あんたたち、いい加減にしてくんない? てか隼人も悪のりしすぎ。
はやはちとつキター
擬態しろし
は?何いってんのお前?夏の暑さにやられたのか?
俺は君にヤられたいよ。比企谷。
マジで大丈夫か?
八幡。僕、八幡のおちんちん欲しいな。
あんたたち、いい加減にしてくんない? てか隼人も悪のりしすぎ。
はやはちとつキター
擬態しろし
今思うと八幡を落としやすそうなのって、いろはすぐらいだよなー
ゆきのんは守りだし
ガハマはゆきのんに気を使うし
川なんとかさんはブラコンだからなー
いろはすちゅよしゅぎぃー
ゆきのんは守りだし
ガハマはゆきのんに気を使うし
川なんとかさんはブラコンだからなー
いろはすちゅよしゅぎぃー
結依って雪ノ下に気を遣ったことなんかあったっけ?
原作見てて逆ならよく見掛けるけど
原作見てて逆ならよく見掛けるけど
「――――ということなんだが」
奉仕部にて、昨夜一色に頼まれた仕事を2人に説明した
「なるほど……。彼女、しっかり仕事をしているのね」
「ね!……一時はどうなるかと思ったけど、ちゃんと会長やれてるんだ」
ツッコむところそこかよ……
確かに、自分からイベントの提示してくるのは意外だったが。
「で、どう思う」
「そうね、現状だとあなたの言ったように失敗する可能性が高いわ。
なにかそれを打破するものを見つけないといけないのだけれど」
「あ、じゃあさ、自由参加で試験前日にっていうのはどう?
自由なら参加した人の責任だし、こっちに被害は来ないんじゃない?」
ガハマさんがちょっと黒いこと言ってる……
だが、それではまだ弱い。
「それも無理でしょうね。試験前日というのは最後の追い込みをしたい大事な時期なわけだし、
リラックスさせたいという目的のイベントなのだから、全員参加型でないとあとあと問題が出るわ」
「人が集まるかどうかも怪しいしな。やるんなら当日ちょっとした息抜きになるモノになるが……」
「それだとやはり、そのイベントのせいで落ちた…なんて話も出てくるでしょうし」
「うわー……。なんか難しいね」
雪ノ下は小さく嘆息し、由比ヶ浜はちょっと引いているようだ。
「……なんか悪いな、勝手に依頼受けてきて頼んじまって」
というと二人は微笑む
「気にしないでちょうだい。これは奉仕部の活動なのだし、あなた一人にやらせる方が不服だわ」
「そーそー。……あたしたちもヒッキ―に頼られて嬉しいんだよ」
別に私は……、なんて雪ノ下が続け、またまたーなんていいながら由比ヶ浜がじゃれつく
……別にいいんですけど、よそでやってもらえませんかね。美少女二人の絡みなんて目の毒だ。
「そうか、ありがとう。んで、話を戻すが――――」
そのあともいくつか意見を出しては、問題点を指摘するという作業が続いた
昨夜同様、有用な意見は出せず、改めてこの依頼の難易度を実感した
なにせ前例がない。どこかにはあるのかもしれないが、手元に情報はなく、
また、俺や雪ノ下まで知らないとなればそれが上手くいったものではない、と想像できる。
とりあえず、一旦生徒会と連携を取った方がいいのだろうか。向こうでも意見交換はしているだろう。
……一色が、雪ノ下を苦手としているようなのが気がかりだが、そうもいってられない。
「……直接生徒会と話し合うか」
「そうね……。生徒会主催なのだし、向こうの意見も聞きたいところね」
「じゃあ今から行く?あたしが連絡取ってみるよ」
「いや、いい。俺から連絡入れる。受けたのは俺だしな」
由比ヶ浜は、そっか、といって携帯をしまう。が、違和感に気付き慌てたようにまくしたてる
「って、ヒッキーいろはちゃんのメアド知ってるの!?いつ?どこで!?」
雪ノ下もまた怪訝そうにこちらを軽く睨んでいる
「別に驚くことじゃねーだろ。昨日だよ。連絡先知ってた方が連携取りやすいからな」
「……そうね。一色さんも、あなたとなら気兼ねしなくていいでしょうし」
その視線は相変わらず鋭い
こわいからやめてくれ。由比ヶ浜もなにか納得いっていないようでプクーッと頬を膨らませる
つついてやろうか。や、恥ずかしいんでやりませんけどね。
とりあえず一色にメールで伝える
するとすぐに返信が来て、今すぐにでもやりたいとのことだった
その旨を二人に伝え、共に生徒会室へ向かった
* * *
「えー、皆さん今日はお集まりいただきありがとうございます」
「そういうのいいから。普通に始めてくれ」
「むっ!先輩、これはわたしの生徒会長としての進行の練習なんですよ!」
「確かに実践してみることは大事ね」
「ですよね~!や~い先輩怒られてやんの~」
「いや、別に怒られてはいないだろ……。むしろ今のお前の態度に怒ってるぞ」
「ええ!?すみませんでした!」
「……いえ。始めてもらえるかしら」
「はい!それではまず、今回の議題についてですが――――」
雪ノ下が苦手なのかと思ったがそうはみえない。
それを隠すことができるのも、彼女のスキルの一つなのだが。
進行もしっかりできている、他の役員とも以前のような距離はないようだ。
ここまでのまとめのような話が終わり、会議は次の段階に進む
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