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    元スレ闇条「お前…ムカつくな」

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    タグ : - とある魔術の禁書目録 + - 木原くン + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    801 = 1 :



    上条「この街の発火能力(パイロキネシスト)とは随分プロセスが違うみてぇだ」

    上条「その巨人を消した時、俺にはテメェが何もしていなかったように見えたんだが」


    上条は一度言葉を切り、笑みを浮かべて


    上条「だとすると、そいつが自発的に回復したか、もしくは術者の他に核を持ってる奴がいんのか…」


    例えばこの街の発火能力なら、上条が触れた途端に炎は消えてしまう。

    だが、目の前の魔術は消えたそばから再生を繰り返した。『魔術師の不意を突くかたちで炎を消したにも関わらず』だ。

    どこの世界に炎の塊を一瞬で消されると予測できる者がいるだろうか。ましてや、魔術師は上条を完全にナメきっていた。

    そんなこと夢にも思うはずがない。

    実際、炎は消えながらもすぐに復活を遂げた。

    802 = 1 :


    魔術師の管理の外でその回復がなされたと前提するならば、

    ・魔術自体に回復命令が組み込まれていた
    ・能力の根源となる核が別に用意されている

    そのどちらかだ。そして、前者はあり得ない。もしも前者だとするなら、上条が触れた途端にその命令すら破綻してしまうはずだ。

    故に、炎の巨人の回復を説明するなら、後者である可能性が非情に高い。

    本来、能力に核があるとすれば能力者本人だ。その場合、能力者に上条が触れてしまえばそれで片がつく。今回も、上条が魔術師に触れればそれまでだろう。

    炎の巨人がこれまでと違う点は、術者本人の他に核が存在するかもしれない、というところだ。

    もしそうだとするなら、核を潰さない限り炎が再生するのにも頷ける。

    例えるなら、心臓だけが別の場所に置かれている、というところだろうか。魔術師は、どこかに巨人の心臓を隠している。

    しかし、ここまでだ。上条は魔術についてほとんど何も知らないため、その心臓がどこにあるかの検討もつかない。

    803 = 1 :


    日本語を話せても、英語が話せないのと同じだ。言葉(異能力)という概念が同じでも、畑が全く違う。

    つまり、上条にわかるのは

    (どこにあるかもわからない巨人の心臓の存在だけ、か)

    はっきりいって、かなり分が悪い。もはや、上条に巨人を打倒できる手札はない。竜の力に頼ることは、選択肢になかった。

    それくらいの意地はまだ保てる。こんな状況でも、上条は神父に負ける気がしなかった。

    残された道は、

    炎の巨人をやり過ごしながら神父を叩くか、

    (拳銃を取りに戻るか)

    それしかない。上条は、なんの恥じらいもなく敵前逃亡を選択した。



    804 = 1 :

    今日はここまでです

    805 = 787 :

    目的遂行の為になんの迷いもなく敵前逃亡するって凄いな

    806 = 1 :

    1乙 続きが気になる

    807 :

    >>806 うわ自分のスレに誤爆した。すみません、また次回です。

    808 :

    >>807
    落ち着けwwwwwwww

    810 :

    1乙 (俺も)続きが気になる

    813 = 1 :




    炎の巨人は、寮の入り口から先へは追ってこなかった。

    というより、不自然にも白いシスターに近づこうとしなかった。まるで、その高熱から彼女を守るように。

    それが意図したことなのか、そうでないのか。それとも行動範囲に限りがあるのか。上条はとりあえず思考を断念し、ただひたすらに七階を目指した。


    不用心にも、部屋の扉は開きっぱなしだった。これが魔術師が意図的に作り出した状況だと思い至るまでに時間はかからない。

    フレンダが魔術によって払われた光景が目に浮かぶ。

    テレビも電気もつけっぱなしだったが上条は構わず、拳銃を隠している金庫に土足で歩み寄る。

    もたもた鍵を開けている暇さえ惜しい。上条は自慢の脚力で、真っ白い金庫をおもいっきり蹴破った。

    814 = 1 :


    ズドンという轟音の後、グニャリと歪んだ鉄板の隙間に、黒光りするそれらが姿を見せる。ザッとみて一〇丁以上。

    上条はそそくさと二丁を選び、弾倉のストックをポケットにねじ込むと来た道を引き返し始めた。

    尻尾を巻いて逃げ出した戦場へ。

    本当は手榴弾の類が欲しいところだが、不幸体質の上条は自室にそれを置いておく気にならなかった。暴発事故など起きてはシャレにならない。

    以前フレンダが室内で爆弾をいじくっていた時は、問答無用で部屋から放り出したほどだ。

    駆け下りていく階段から、炎の巨人が揺らす空気が見える。まだ逃げられてはいないらしい。

    上条は片方のセーフティレバー下ろし、左手で固く握った。マガジンには、学園都市製の衝槍弾頭(ショックランサー)が込められている。


    「オムツでも交換していたのかな?」


    不良神父は、炎の巨人を隣に置き相変わらずの余裕を保っていた。上条ならば、あまりの熱でのたうち回っているところだろう。

    にも関わらず平気で立っているところを見ると、あの熱は魔術師本人には影響がないらしかった。

    815 = 1 :


    上条は取り合わず、左手で銃を構え臨戦態勢をとる。これ以上時間はかけられない。冥土返しと呼ばれるあの医者にも、死んだ人間を蘇らせることは出来ないのだから。

    あのシスターが三途の川を渡る前に病院へ運ばなければならない。逆に言えば、それができれば必ず助かる。医者の腕は本物だ。

    上条は魔術師の頭に照準を合わせると、迷いなく引き金を引いた。


    「魔女狩りの王!!」


    魔術師の声に合わせて、炎の巨人が彼の盾になる。

    巨人の体内に突っ込んでいった衝槍弾頭は、炎中に大きな風穴を開けるも、神父には届かなかった。

    (衝槍弾頭でも駄目か…)

    学園都市が誇る衝槍弾頭は、特殊な衝撃波を纏った銃弾だ。威力は普通の銃弾を遥かに凌ぐ。

    おまけに、銃弾との空気との摩擦で特殊な溝が消えてしまうため、敵にその技術が渡る危険もないというスグレモノだ。

    816 = 1 :


    (なら…)

    上条は再び大地を蹴り、矢のような速度で巨人に肉薄すると、轟々と燃える爆炎に再び右手を突っ込んだ。ガラスの弾けるような音とともに、炎が上条の右手を避ける。

    が、すぐに再生する。


    「だから何度やっても――

    上条「そうじゃねぇ」


    神父の声を上条が上塗りする。上条は、その服と前髪を焦がしながら、単純な答えに辿り着いた。

    上条は一度バックステップで巨人から距離を取ると、拳銃を左手から右手に持ち直した。

    不良神父が何かに気づくよりも早く、獣のように巨人に飛びかかった上条が、まず一発目を発する。

    乾いた銃声の後、衝槍弾頭は溶けて消えたが、遅れてきた衝撃波の槍が炎の中に風穴を開けた。ほぼ同時に、上条がその右手を突っ込み、長さの問題を解消する。

    二発目は―――。

    ガラスの弾けるような轟音のなか、とうとう巨人の身体を貫通した銃口が火を噴いた。

    817 = 1 :


    上条に衝槍弾頭の軌道を負う余裕はない。風穴を埋めるように襲ってきた爆炎が、上条の右腕を容赦なく襲う。

    絶叫は二人分。

    上条と魔術師は、ほぼ同じタイミングでアスファルトの上を転がった。

    半袖のカッターシャツは右側を大きく焼失していた。露出した右腕がぷすぷすと小さな煙を立てる。

    何とか立ち上がった上条の目論見通り、炎の巨人はもう随分と小さくなっていた。あれでは盾にすることもままならない。

    銃口は神父の右胸に火を噴いた。利き腕によって放たれた一発は、間違いなく魔術師の肺に穴を開けたはずだ。

    力を供給できなくなったのか、炎の巨人は今にも消えようとしている。おそらく、もう一度右手が触れれば今度は復活できない。

    勝負はついた。

    上条は己の惨状をまじまじと見つめ、なんだかんだ言いながら結局苦戦してしまったことに歯噛みする。

    右腕の火傷は一般人なら失神するレベルに達していた。上条は手早く下腹部のシャツを破り取ると、火傷を覆い隠すように結びつける。

    かなり大胆になったボロボロのシャツは、パッと見アブナイ人に見えなくもないが、上条は気にせずに拳銃を持ち替え、魔術師に歩み寄った。

    818 = 1 :


    魔術師は苦しそうに顔を歪め、血みどろの胸を片手で抑えながら、随分荒い呼吸にならない呼吸を繰り返している。

    もはや銃は必要ない。ちょっと足であの手をずらせば、空気漏れした風船にように肺がしぼみ、彼の息の根は文字通り止まる。


    上条「なんだよ寂しいな。もう軽口は叩けねぇのか?」


    魔術師は吐血しながらも精一杯空気を吸う。怪訝そうに眉をひそめ、上条を睨み上げる。

    どうやら、もう言葉も発せないらしい。

    おそらくIDのない彼を受け入れてくれる病院もない。もっとも、この男を逃がす気もない。

    (急がねぇと…)

    勝利の余韻に浸っている暇もない。上条は最後に魔術師の眉間に銃口を向け―――、


    カツン、カツン、と。


    異常なほどに正常な足音は、淡々と、どこか怒りの色を匂わせながら迫ってきた。

    819 = 1 :



    「息はありますか?ステイル」


    鬱陶しそうに目を細めた先に、長身の女。長い黒髪を後ろで束ねたポニーテール。

    ざっくりと袖の切られたTシャツは腹の上で縛られており、同じく片方をざっくりと切断されたジーンズを履いている。

    腰には二メートルはあるかという日本刀がぶら下がっていた。


    (クソが。いねぇわけねぇとは思っちゃいたが今来るかクソッタレ!!)


    女は、上条の握るモノを見つめ、


    「それ以上は、私の魔法名にかけてさせません」



    820 = 1 :

    投下終わり

    823 :

    乙!!
    うわ原作よりも早いタイミングでねーちん来たか……
    火傷もしてるしねーちんから事情を聴いて説教する時間はなさそうだなー

    てかフレンダ戻ってきてー!!!

    824 :


    この状況でどうねーちんをいなすか…

    825 = 1 :




    神裂火織は、目の前に映る光景がひたすらに信じられなかった。

    調べでは、上条当麻は能力を持たない学生だったはずだ。この街の超能力開発で、実用レベルの能力を発現できなかった無能力者(レベル0)。

    それが上条当麻だったはずだ。

    だが、目の前に広がっていたのは、信じて疑いもしなかった天才・ステイル=マグヌスの敗北の光景だった。出血量もさることながら、呼吸がおぼつかない。

    恐らく肺を損傷したのだろう。危ない状態であることは、誰の目にも明らかだった。

    周囲の惨状を見れば、彼が切り札である『魔女狩りの王』を使ったことは容易に想像がつく。

    あれを打開することなど、ましてやただの高校生に―――。

    だが、目の前の惨状は間違いない。紛れも無い現実だ。

    つまり、『情報に不備があった』、それしか考えられない。

    826 = 1 :


    なぜなら。


    神裂「ただの高校生が所持しているものには見えませんが、その――」


    高校生が持つもにしては不自然極まりない、黒光りする自動式拳銃。

    握り方ひとつ見ても、とても素人が今しがた拾ったようには見えない。付け焼き刃で正確に肺を狙えるはずもない。


    上条「ああ、落ちてたんだよ」


    つまらないことを。神裂は吐き捨てるように言って、軽く七天七刀の柄に触れる。ずしりとした重みが伝わる。

    胸騒ぎを感じ駆けつけたため、七閃の用意はない。七閃は神裂の得意戦法だが、前準備が必要な攻撃であるため今回は使えない。

    (とにかく、今はステイルから標的を私に移さなければ)


    神裂「ステイルからどきなさい。さもなくば――」

    827 = 1 :



    神裂火織は聖人の身体能力を持って、一瞬のうちに少年の懐へ入り込んだ。風の音さえ神裂より遅れてくる。

    柄に手をかけた神裂に対し、少年は瞬時の判断で七天七刀の柄頭を片手で抑えていた。抜かせない。少年は言外にそう語っていた。

    聖人の肉体を持ってすれば、たかだか抑えこまれた程度で剣を封じられることはない。

    が、神裂はこの速度に対応した少年に驚きを隠せないでいた。上条当麻は役立たずの無能力者(レベル0)。情報の不備は、もう疑いようもない段階にきている。


    両者は、まばたきの間に互いの実力を認めた。




    828 = 1 :


    上条当麻は、左手で馬鹿みたいに長い刀の柄頭を抑えていた。目で見てから動いていれば、今頃上条の肉体はスライスされていたに違いない。

    だが、見る前に察知したからこそ、上条は肉片にならずに済んでいた。

    しかし、全く安心できない。

    敵は、おそらく今までに対峙した誰よりも強い。生体電気を操る御坂美琴よりも体感速度は速いように思える。


    上条「テメェも…魔術師か」


    危機一髪の状況で、ようやく絞り出した言葉は十人並みのものだった。もっとも、この質問に意味はない。

    言葉にされるまでもなくわかっていた。すなわち、これは時間稼ぎ程度のものでしかない。

    (とにかく距離を取らねーと…)


    神裂「はい。神裂火織、と申します」


    上条「へえ。でも名前なんてどうでもいいや」

    上条「選べ」

    829 = 1 :



    神裂の鋭い目がさらに細められる。無数の針のような威圧感が上条を襲う。

    だが、上条は全く臆しない。もう時間をかけられないことは、上条がよくわかっていた。


    上条「今ここで、このデカブツと一緒にあの世へ行くのか――


    仲間を貶されたことに怒りを示したのか、神裂の膝が銃弾のように上条の鳩尾へ飛んでくる。

    上条は飛んでくる膝に左手を乗せると、その威力を利用して後ろへ大きく飛んだ。距離が三メートルほど開く。


    上条「大人しく逃げ帰って、恐怖に怯えながら暮らすのか。選ばせてやる」


    上条は左手に銃を構えると、神裂の眉間に照準を合わせた。

    弾倉に詰められた弾は、残り一二発。ポケットに替えのマガジンがいくつかあるが、はたしてこの相手を前に交換のチャンスがあるかどうか。

    830 = 1 :


    上条は、今になって衝槍弾頭(ショックランサー)を選んだことを後悔していた。

    衝撃波の槍によって威力こそ眼を見張るものがあるが、この弾は通常のものに比べやや速度が落ちる。例えるなら、後ろにパラシュートを付けたようなものだ。

    普通気にするような誤差ではないが、相手が神裂のような達人ならば、わずかな速度の差でさえ命取りになる。


    だが―――。不思議と、負ける気はしない。

    上条は自分の強さを正しく理解している。まだまだ竜(ソコ)を見せなくても、この程度の敵にはやられない。

    それに―――――。


    神裂「話になりませんね。いいでしょう。あなたを倒し、禁書目録とステイルを回収させてもらいます」

    神裂「こちらとしても、早めに決着を付ける必要がありますので」

    神裂「あなたがステイルを倒したことで、人払いの刻印は効果を失っています。時期に人がやってくるでしょう」

    831 = 1 :



    上条は、人一倍視野が広いばかりか、目を瞑っても気配や呼吸、音で正確に敵を追うことができる。

    だから、もう気づいていた。

    この戦いは、既に急ぐ必要がなくなっていることに。


    上条「そうだな。なら、仲間と一緒に死ぬんだな?」


    神裂が腰を落とすのも構わず、上条は大きく息を吸い込み、


    上条「刀だ!!」


    叫んだ。


    神裂「なにを――ッ!?」


    神裂の声など、もう上条は聞いていない。

    次の瞬間、神裂火織の腰から七天七刀が消失した。



    832 = 1 :

    投下終了なり。

    836 = 824 :


    ここでフレンダか

    837 :

    なにこれ興奮してきた

    838 :

    乙!
    続きがスゲー楽しみだ!

    839 :

    フレンダが活躍しているだと?

    840 :

    おつおつ
    続きが気になるわけよ

    841 :

    乙。
    ステイルに以外と苦戦したなww
    原作よりダメージ大きいのに、ねーちんとの連戦はキツイ。

    842 :

    フレンダぁー!よくやった!!

    843 :

    原作でゲンコツ一発でのびたステイルとは思えんな

    まぁ、強化されてもボロ雑巾なんだが

    844 :


    ステイルがぼこぼこにされる描写が上手いSSにハズレないなwww

    そしてフレンダGJ!!

    845 :

    フレンダが役に立っているけど、活躍していい気になっているところで失敗するのもフレンダだしなあ。

    846 :

    面白い!!!

    847 = 841 :

    ねーちんの服だけ消してほしい(小並感)

    848 :

    「服だ!!」

    849 :

    実際あの服って魔術的意味があるからパワーダウン狙いという名目で……
    だが、この時点でそのことを知らない上条さんからしたらその選択肢はどちらにしろ無いだろうが

    850 :

    投下なり


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