私的良スレ書庫
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元スレ久「須賀君、悩みとかない?」 京太郎「はい?」
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まずは腰のベルトを明確にイメージ――これが重要だ――しつつ、両腕を腰溜めに構える。
そこから素早く空気を斬る右正拳。
次いで、左手を掌底の如く鋭く突き出しながら、右腕を引く。
スカイ――――と、伸ばした左腕をゆらりと空へ流して、悠々と左掌で時計周りの孤を描き静止。
その瞬間、右手で自身の眼前をびしっと斬り上げ、同時に左腕を腰溜めへ。
咲・和・優希「「「…………」」」
京太郎「変――身」
もうちょっとダイナミックに動いた方がいいかもとか思いつつ、決め切った。
やはりライダーは変身と声に出してこそだろう、とも思う。
京太郎「やっぱ動きのキレが重要だよな」
咲「えっと、京ちゃん……」
――突然。
背後から遠慮がちな宮永咲の声が聞こえた気がした。
京太郎「…………」
……うん、聞かなかった事にしよう。……いや、むしろ幻聴だろう、そうに違いない。……ま、一応確認するか。
そんな事を考えて、振り向いた。
咲・和・優希「「「…………」」」
あたかも残念なものを発見したかのような視線を向ける三人がいた。
京太郎の主観からすれば、いる筈のない三人だ。
というか、いて欲しくなかった。
何時ぞやのようにいっそ殺せとすら、過ぎったりしている。
京太郎的には咲だけならマシだったのだが、その他二人に見られたらしい事が大層厳しかった。
咲だけの場合と比較すると、精神的ダメージが三乗――いや、それ以上になるのだ。
取り敢えず三人を見なかった事にして、咲達に背を向け再度屋外の景色を見遣る。
何をするでもなく遠い目をしたまま、きっと幻覚に違いない、昨日遅くまでラノベを読んで眠たいせいだ――と、自分を無理矢理納得させた。
咲「幻覚じゃないから」和「幻覚じゃありません」優希 「幻覚じゃないじょ」
全く同時に、三者からのツッコミが入った。
考えていた事がそのまま口に出でてしまっていたらしい。
京太郎「なるほど……」
三人に背を向けたまま呟き、腰に手を当て天を仰いだ。
ここでは天井しか見えなかった。室内なのだから当然だろう。
京太郎「……ちなみにどの辺りから?」
咲「えっと、装甲ノ構から……かな」
京太郎「クラスメートに変身ポーズを見られたんですが」
久「須賀君、私にも解決できない悩みよそれは」
久「須賀君、私にも解決できない悩みよそれは」
あー最初からかーと思いつつ、自分の頬をつねってみれば痛みを感じる。京太郎としては認めたくはなかったが、夢とかではないようだ。
つまり紛れも無い――現実。しっかりと、そう認識した。
京太郎「……この世界線はなかった事にしよう……うん、そうしよう、それがいい、間違いない」
和「なかった事にはなりませんから……」
再びツッコミが入った。
そっかー、そりゃそうだよなーと、落胆して長い嘆息を一つ。続いて、それならばと、屋外に続く窓の方へと歩を進める。
優希「……何してるんだ?」
京太郎「何って、いざ空へってやつだ」
振り向き、そんな単純明快な答えを笑顔で告げた。目は全く笑っていなかったけれど。
天に還る時が来たのだ(京太郎が)って感じだ。
優希「お、おう……」
気圧されたように後退る優希を尻目に、衝動に従って窓を開け放ち――。
咲「ちょっ……! 京ちゃん待って!」
そこで京太郎の異常を悟ったのか、駆け寄った咲がひしっと腰に抱き着いてきた。
体重をかけられ、窓からベランダへ向かおうとする動きが止められてしまう。
京太郎「咲――止めるな。俺は飛ばなくちゃならないんだ」
咲「なんでっ!?」
京太郎「だって……俺はもうライダーだから――スカイライダーみたいに飛ばなくちゃならない!」
咲「意味が分からない上にライダーじゃないから! それに重力低減装置がないから飛べないよ!」
京太郎「はーなーせー!」
咲「あっ……駄目! 抑え切れない――皆手伝って! これ本気だよぉ!」
良く判っていらっしゃる。実際、京太郎はわりと本気で錯乱していた。現実逃避ともいう。
喜劇染みたやり取りをぽかんと眺めていた原村和と片岡優希が、慌てたように駆け寄り――京太郎は二人に腕を掴まれた。
男女の体格差があるとはいえども、流石に三人がかりで引き止められては、ずりずりと窓から後退してしまう。
和「す、須賀君! 早まっては駄目です! えっと、その……今日見た事は忘れます!」
優「そ、そうだじょ! それにノリノリな仮面ライダーごっこを見られた位で大袈裟だじぇ! 私なんてほらマントとか付けてたし!」
咲「男の子ならきっと良くある事だから! 恥ずかしくないよ! 多分!」
フォローのつもりなのかもしれないが、しかし京太郎にぐさぐさと言葉の刃が突き刺さり、精神的な何かを削ってくる。
ああ、ばっちり見られたんだよなと改めて認識。現実はなんて理不尽なのだろう、とも思う。
京太郎「 ……べよ」
咲「な、何? 京ちゃん」
京太郎「跳べよぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」
そんな感じで悲痛な叫びが木霊した。
麻雀部部室内。
そこには炬燵に入った四人の男女がいた。
三人――宮永咲、原村和、片岡優希は炬燵の卓上に各々の昼食を広げ、食事をしながら雑談中。
そして残る一人――須賀京太郎は炬燵に入り、食事もとらず、うつ伏せの姿勢でクッションに顔を埋めていた。
正気に戻ったとはいえ、先程の精神的負傷がまだ癒えていないからだった。
まあ、竹井久がいなかったのが不幸中の幸いだろう。いた場合、確実に弄ってくる。そこら辺容赦がないのだ。
京太郎「ああ……海の底で物言わぬ貝になりたい」
咲「誰にも邪魔をされずに海に帰りたいの?」
右隣から律儀にツッコミが返って来た。
それを受けて、あなたをひっそりと思い出させて――ではなく、ボケたつもりはなかったんだけどなと思いつつ、京太郎はもそもそと起き上がった。
同情の色が混じった目線が集まるのを感じながら、卓上の『仮面ライダー1971-1973』を手に取り、再び寝っ転がって読書開始。
暫くの間、仮面ライダー本によって自分を慰めた。別に卑猥な意味ではない。
この傷を癒やすには、名作の力が必要だと感じただけの話だ。熱血系の曲を聴いたり歌ったりするのもありなのだが。
咲「……京ちゃん、お昼食べないの?」
拗ねた様子を見兼ねたのか、咲が尋ねてきた。
反応しないでいると、続けてぽつりと小さく漏らす。
咲「折角一緒に食べようと思って部室に来たのに……」
そう、そこが今回の計算違いだったのだと思う。
炬燵に入る前に、何故部室にいたのかと疑問を覚え訊いてみたところ、京太郎が部室へ向かうのを目撃したとの事。
それならば、部室で昼食を……といった運びになったらしい。
天気も良いし、三人はいつもの中庭辺りで食べるのだろうと、勝手に決め付けていたのがマズかった。
おかげで酷く恥ずかしいところを目撃されてしまった訳で。
また改めて考えると……O星Aさんのせいでもあるかもしれない。
変身ポーズを決めてみようとする切欠となったのだから。
あわあわの呪い恐るべし。
いや待て、もしかしたら……乾巧って奴の仕業かも――。
――それはともかく。
咲の言葉で、いくら気心が知れた面子とはいえ、このまま不貞腐れているのも格好悪すぎるだろうと思い至り、身を起こす。
わざわざ一緒に食事をとろうと言ってくれているのだし、空気を悪くするのは本意でない。
咲「あ、復活した」
優希「今日はこのままなのかと思ったじぇ」
和「須賀君、さっきの事は忘れますから、ね?」
三人の視線が京太郎に集まった。
持参していた弁当を食べながら――片岡優希は弁当ではなくタコスであるが――三者三様の反応だ。
京太郎「優しくされたらされたで、この場合なんか辛いものがあるな……」
仕方ないなぁ京ちゃんは……と言わんばかりの、生暖かい目を向けてきている咲を横目に、購買で買ったカレーパンの封を勢い良く切った。
そのままろくに味わいもせずがつがつと齧る。羞恥心を誤魔化す意味を多分に含んだ行為だった。
優希「京太郎」
半分程になっていた最後のタコスをぺろりと平らげた優希が、正面から真剣な眼を向けてきた。
京太郎「……何だ?」
優希「逆に考えるんだ、見られちゃってもいいさって」
京太郎「まあ確かに、元々そういうつもりなら、ボケと一緒であんまり恥ずかしくないけどなぁ」
だけれども、今回は笑いをとりにいった訳でもないし、不測の事態だ。
逆転の発想も何も、出来れば見られたくはなかったと、胸の内で愚痴りつつ、カレーパンを平らげた。
続けざまに焼きそばパンの包装を解きながら、皆を見遣る。もうすぐ食べ終わりそうになっている。
優希に関しては完食済みであるし、和も京太郎からすれば小さく可愛らしい俵むすびを一個残すのみ。
一番食べるのが遅い咲ですら、主菜含めて残すところあと僅かで――。
京太郎「――お、咲、そのミートボール美味そう。一個もらっていいか?」
咲「うん、いいよ」
はい――と、上下逆にした箸で差し出されたミートボールを、ぱくりと頂く。
トマトベースのソースがどこか懐かしい味わいだ。
京太郎「ふむ、冷凍食品じゃないな」
咲「昨日の晩御飯の残り物だけどね」
京太郎「晩飯つーと、味的には……スパゲッティってとこか」
咲「当たり、良く分かるね」
京太郎「そりゃ、それ位はな」
他愛のない会話をしつつ焼きそばパンの攻略に移ったと同時に、右斜め前の和が行儀良く手を合わせた。
どうやら完食したようだ。
和「ご馳走様でした」
優希「あ、のどちゃん蜜柑とってー。――半分こしよ?」
和「ん、いいですよ」
優希に請われ、蜜柑を取ろうと手を伸ばしている。
やや遠い位置にあったため身を乗り出す形となり、衣服に包まれた二つのメロン――念の為だがこれは暗喩である――が卓上でたぷんと歪んだ。
京太郎「――――ッ!」
咲「…………」
その『天・下・御・免!』と、何処からか音が聞こえてきそうな光景を、京太郎は勿論見逃さなかった。
以前の胸に視線事件の事もあるため、和の注意が逸れている瞬間を感覚で狙い、たわわな果実を脳内キャメラで記録してから、さり気なく目を逸らす。
視線が不快なら、気付かれないようにすればいいじゃない理論の集大成――正に匠の技。何か努力の方向を間違っている気がしなくもない。
京太郎(それにしても……)
パンを食べながら沈思。当然脳裏に浮かんでいるのは――胸についてであった。
大きく見えるかどうかは体格等にもよるが、Gカップ辺りから凄いと認識している。
いや、別にそれ未満が駄目という訳ではなく、E~Fあたりでも充分に大きいとは思うし、大きさが全てだとは考えてはいない。
だが、何といっても『G』は“影技(シャドウスキル)”的に古代ラテナイ語7番目の文字であり、『最強』の意を表す文字。
一線を画すという意味で、『G』の二つ名は伊達ではないだろう。
咲「……京ちゃん」
しかし一方で、和は出会った当初から、そのGすら超越してJカップ。
世界には彼女以上の存在がいるとはいえ、重力に逆らい自己主張しているあの二つのメロンは、『最強』の称号すら生温い。
誠にけしからん……いいぞもっとやれ。
それに須賀ウターに狂いがなければ、彼の果実は現在Kカップ。
つまりJからKへ――云わばジャックフォームからキングフォームへの進化。
成長というものが如何に偉大か思い知らされる。ウェイ!とか聞こえなくなった位に感動モノだ。
咲「京ちゃんってば」
もしかして父親が恵(けい)だけに恵まれる運命にあるのだろうか。胸部的な意味で。
まさか凍牌的な意味以外でもこじつけれるとは、夢にも思っていなかった。
京太郎(そういや――)
――と、以前松実玄から、Hカップ以上で凄いという旨の長文メールを受信していた事がふと過る。
良くある意見の対立というやつだろう。
彼女のその凄いかどうかに関しては、彼女自身を基準にしている――京太郎の見るところ松実玄はGカップだった――のかもしれない。
彼女も十分に凄い範疇だと思うのだが。
咲「…………」
京太郎「っ!?」
あれこれと考えていると突然、右太腿に鈍い痛みが走った。
痛みの発生源の方向――右隣を見れば、ツンドラの如き凍てついた咲の視線とぶつかる。
どうやら炬燵の中で太腿を抓られているようだ。何故と、アイコンタクトしてみる。
咲「……口元が緩んでるから」
……なるほど。
視線の冷たさから察するに、チラ見がバレてるぽい。そのせいでどこか刺々しい感じなのだろうと納得した。
しかし、もっとこう寛容な心で接して欲しかった。
咲の場合和と比べれば起伏無しに等しい板だからといって、胸関連で対応が辛辣になるのは如何なものか、とも思う。
咲「…………」
アイコンタクトでやめてくれと送っているにも関わらず、一層ぎゅっと抓られる。
ついでに咲の視線が極寒から絶対零度へと変化していた。解せぬ。
突然ですが宣伝です!
ここの屑>>1が形だけの謝罪しか見せていないため宣伝を続けます!
文句があればこのスレまで!
加蓮「サイレントヒルで待っているから。」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401372101/
ここの屑>>1が形だけの謝罪しか見せていないため宣伝を続けます!
文句があればこのスレまで!
加蓮「サイレントヒルで待っているから。」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401372101/
そこのSSの評判下げたくてやってる荒らしだからそういう反応は逆効果だぞ
2ヶ月なにも書き込み無し
html化依頼されてからすぐ書き込み
これはエターコースですわ
html化依頼されてからすぐ書き込み
これはエターコースですわ
私的に立て込んでいまして、一旦HTML依頼します申し訳ありません
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