私的良スレ書庫
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元スレ久「須賀君、悩みとかない?」 京太郎「はい?」
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玄「あの……Gカップ美女は何処に……?」
久「……松実さん」
玄「はい――あっ、玄でいいですよ? 苗字だとおねーちゃんと紛らわしいですし」
久「あら、そう? じゃあ、改めて玄さん」
玄「はい」
久「Gカップ美女がいると言ったけど――あれは嘘よ」
玄「…………えっ?」
穏乃「あ、『うあああああああ!』って返すんじゃないんだ」
憧「……何が始まるの?」
京太郎「……第三次大戦でない事は確かだなぁ」
玄「……えっ? ……えっ?」
京太郎「何か可哀想なくらい狼狽してるんですけど。涙目だし」
久「玄さん、残念ながら、あれは嘘なの」
憧「大事な事なので二回言いました?」
玄「あふぅ――――――」
穏乃「あ、玄さんが膝から崩れ落ちた」
憧「IH準決勝の時みたいな目をしてブツブツ言ってるわね……大丈夫なの? これ」
京太郎「いや、ちょっとメンタル弱すぎ!」
久「ふむ、燃え尽きた時の須賀君と似た反応ね。貴方もあんな感じなのよ?」
京太郎「えっ、マジっすか――というか、冷静に観察してないで、何とかして下さい。こっちまで罪悪感が」
久「もう……仕方ないわねぇ」
久「玄さん、最悪な時にもラッキーな事は起こるって事知ってる?」
玄「じーかっぷびじょじーかっぷびじょじーかっぷびじょじーかっぷびじょ――――――」
久「これ上げるから元気だして、ねっ?」
玄「――――はっ! こ、これは……!!」
穏乃「あっ、復活した」
憧「捨てたドラが返って来た時みたいね」
玄「ふぉぉぉぉぉぉぉ――――ッッ!」
京太郎「ブルース・リーばりに震えてるんですけど、何あげたんすか?」
久「和のバストアップ写真よ。浴衣とか水着とかメイド服とか厳選した諸々」
京太郎「何でそんなのを久さんが……」
久「企業秘密、ちなみに貴方には絶対あげないわ」
京太郎「うわっ、何それ、汚い、流石汚い、鬼、悪魔、ロッカー!」
久「あー、それ以上五月蝿いと――クリムゾンスマッシュでシメるから」
京太郎「《EXCEED CHARGE》はマズいっす。灰化します。そして、お願いですから、そんな不吉な事言わんで下さい」
久「さて、玄さんも復活したことだし――お悩み聞かせてもらおうかしらっ!」
京太郎「あっ、やっぱ、やるんすね」
穏乃「悩み?」
憧「禄な事にならなそうだから私帰っていい?」
久「却下」
玄「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――ッッ!」
京太郎「テンションの差が激しいっすね……」
久「玄さん、燃えよドラゴンごっこはもういいわ」
玄「あ、はい」
京太郎「そういや、あのテーマ曲が流れると、テンション上がるのは何なんですかね」
久「ちなみに、私は死亡遊戯の方が好きよ」
意味不明な突然の投下が中止されて再開されたと思ったら何故か卓球やってて頭がこんがらがってたらお悩み相談が始まった…
まるで意味が分からんぞ!
まるで意味が分からんぞ!
久「とりあえず最初は玄さん――悩みはない?」
玄「モチコース、おもちの事です!」
穏乃「即答!?」
憧「玄の病気がまた始まった……」
京太郎「かつてない親近感をこの人に覚えるのは何故だろう」
久「はい、玄さんにはお薬と荒川病院の紹介状出しときますねー、次」
玄「まだ悩みを具体的に言ってないのに!?」
久「精神的疾患は、病院の方が適切な処置をしてくれるんじゃないかなーと思うのよ、私」
玄「悩みはなんと――おもちの素晴らしさを皆が分かってくれないのですっ!」
久「無視したわね、この娘」
玄「何とかできません? 死活問題なので……」
憧「そこまで悩む事なんだ……」
久「……あー、須賀君、同じ趣味でしょ? 相手してあげて」
京太郎「やっぱぶん投げるんっすね。そんな気はしてましたけど」
玄「……須賀君はおもちの素晴らしさを分かってくれる?」
京太郎「あー、まあ、おもちが素晴らしいのは当然ですけど……」
玄「だよね! だよね! おもち is GOD だよね! 蛇神も目じゃないよね! 皆がおかしいんだよね! 大きければ大きいほど良いよね!」
京太郎「ハイテンション過ぎてちょっと怖い」
久「再度言うけど、須賀君もたまにあんな感じだから」
穏乃「私は別になくてもいいと思うけどなぁ、大きいと動き辛そうだし……」
憧「というか、これセクハラじゃない? さいてー……」
京太郎「何か凄いとばっちりを受けてる気が……それはともかく、最近太腿もいいかなぁとか思いますけど」
玄「えぇっ太腿!? 邪道だよ!?」
久「……須賀君、頭でも打った?」
京太郎「いや、打ったというか、なんか衝撃的な夢を見たような……思い出そうとすると頭が……」
玄「おもちの方がすばらだよ!? 例えばこれとか――――」
卓球は映画のピンポン結構面白かったのでつい
ちょい限界、本日ここまで
ちょい限界、本日ここまで
ピンポンアニメもいいっすよね原作知らない人もマジオススメ
そういや咲→笑からスマイルでこじつけて青春卓球ものもありなんじゃないっすかね
最優先事項があるので、ながらですけどボチボチ書きます
そういや咲→笑からスマイルでこじつけて青春卓球ものもありなんじゃないっすかね
最優先事項があるので、ながらですけどボチボチ書きます
久「さて、須賀君が再教育されている間に、次いきましょうか」
穏乃「京太郎、凄い困ってる感じですよ?」
久「こういう時の為にいるんだから、へーきへーき」
憧「それでいいんだ……」
久「じゃあ次は――高鴨さん、貴方に決めた!」
穏乃「へ? 私?」
久「そ、何か困ってるとかあるわよね?」
穏乃「えっ、と――」
穏乃「んー……」
穏乃「んー…………」
穏乃「………………うん」
穏乃「無い、ですっ!」
久「いや、そんなにずばーんと元気に言われても」
憧「……しずは細かい事うだうだ悩まないからねぇ」
久「うーん……ほんと些細な事でもいいんだけど?」
穏乃「そうは言われましても……」
久「ほら、例えばカップリングで困ってるとか、そういうのとか」
穏乃「カップリング?」
久「そう、カップリング。所謂BLの」
憧「ふぁっ!?」
穏乃「……びーえる? 憧、びーえるって何?」
憧「わ、私に訊かないでっ!」
久「ふむ、BLっていうのはね――」
京太郎「そこっ! ちょっと待ったぁ!」
久「あら……須賀君、玄さんはもういいの?」
京太郎「あっ、メル友になりました。おもちの素晴らしさは、また後でゆっくりと、って感じです」
玄「えへへ……おもち友達が出来た……」
久「順調にメル友増やしてるわね……何かのフラグ?」
京太郎「特に他意がある訳では……それより、何教えようとしてんですか? その道は冥府魔道っすよ」
久「でも素質はありそうでしょ? ソウルジェムも濁らないし、セーフセーフ」
京太郎「いやいやいやいや、ソウルジェム関係なくアウトですから!」
久「淫夢の魔女。その性質は腐心――な感じに成長する筈よ」
京太郎「結局魔女化してるじゃん!」
久「貴方やっぱり、小さい娘の場合庇うわね……まぁ、中の人が某弁当アニメでノリノリで演じてたじゃない?」
京太郎「最初から腐ってて、更に、クリーチャー方向へメガ進化していった別作品のキャラと、一緒にしてはいけない」
久「ちなみに未視聴未読なら見る順番は、アニメ→原作の順番がオススメね」
京太郎「逆だと東レほどではないけど、もにょりますもんね――って、ステマですか? そしてこのネタ分かる人少ないですよ、間違いなく」
久「……」
京太郎「……」
久「で、話を戻すけど――高鴨さん、何かないかしら?」
京太郎「収集がつかなくなったから、投げっぱなしジャーマンしやがった」
憧「あ、続けるんだ」
穏乃「えー、えっ、と――」
玄「穏乃ちゃん、がんば!」
京太郎「いや、別に頑張らなくても……」
穏乃「あっ!」
久「何か閃いた?」
穏乃「強いて言うならば――皆がジャージの下を履けって五月蝿いのが困りますね」
玄「だって――ねぇ、憧ちゃん?」
憧「当たり前でしょうに」
久「正論ではあるはね」
京太郎「確かに寒そうだもんなぁ……まあ、上はジャージ、下はパンツのみの組合せは無しだろ」
穏乃「――えっ?」
京太郎「ん?」
穏乃「……ぱんつ?」
京太郎「……うん?」
穏乃「?」
憧「ハァ……まったく、しずは……」
玄「あはは……」
久「あー、そっち方面なのね……」
久「はい、須賀君はちょっと隅の方へ行きましょうねー。しっし」
京太郎「えっ?」
玄「なるほどー、なるほどー……」
玄「須賀君、一緒におもち談義しに行こう?」
京太郎「えっ、ちょ、いきなり……あれ? またフェードアウトなの俺?」
玄「ほら、こっちこっち」
久「さて、須賀君は追っ払ったし……高鴨さん」
穏乃「?」
久「もしかして貴女――パンツ履いてない?」
穏乃「はい、履いてないですよ?」
久「いや、可愛く小首を傾げて当たり前ですみたいな目をしても、それはなしだから」
久「ハァ……高鴨さん、せめてパンツは履きなさい。可能ならスパッツかジャージの下も。ノーパン駄目、絶対」
穏乃「えぇー、でも、ずっとこうでしたし……」
憧「しず……そんなに無防備だと色々と危ないんだから」
穏乃「……憧、何が危ないんだ?」
憧「え゛っ!?」
憧「そ、それ、は、そ、の……しずは可愛いし、男の人は狼だって言うし……雑誌でも……ごにょごにょ」
穏乃「男の人が狼?」
久「ちょっと待って高鴨さん……つかぬことを聞くけど――赤ちゃんってどうやって出来るか知ってる?」
穏乃「む……馬鹿にしないで下さい。もちろん――――コウノトリが運んで来てくれます!」
久「Oh……。何、この子、天使か何か?」
憧「保健の授業とか寝てたような気はしてたけど……本当に知らなかったんだ……」
久「あー、うん、わかったわ。仕方ないわね……」
穏乃「……スマートフォンいじって何してるんですか?」
久「いえ、ちょっと資料とかを検索、っと。漫画でいいわよね……というわけで、竹井先生の性教育よ!」
穏乃「えぇっ!?」
久「あ、新子さんも手伝ってね」
憧「ふきゅっ!?」
竹井先生講義中――――
「――ほら、ここがこういう感じで」
「えっ?」
「うわーうわーうわーうわーうわー」
「で、こうなって、こう――」
「えっ? えっ?」
「あうあうあうあうあうあうあうあうあう」
――――なんやかんやあって講義終わり! 尚、新子先生は役に立ちませんでした。
久「ふぅ……キャベツ畑やコウノトリを無垢に信じている可愛い女の子に、無修正のポルノをつきつけるような快感があったわ」
穏乃「///」
憧「///」
久「あ、これ癖になりそ――玄さん須賀君、もういいわよー」
京太郎「あっ、終わったんすね」
玄「おぉー、穏乃ちゃんが、ちゃんと下を履いてるの初めて見たよ!」
憧「……急遽、宥姉のジャージ借りてきたのよ」
穏乃「うぅ……///」
京太郎「しかも何か羞恥心が芽生えてるぽいし、一体何が」
久「はい、そこ男子、詮索しない――まぁ、これで五月蝿く言われる事はないわね」
京太郎「あー、確かに……久々に解決しましたね。玄さんのは解決したか微妙ですし」
久「久だけに?」
京太郎「あっ、そういうのはいいです。照さんの持ちネタと被るので」
久「えぇー、須賀君のいけずー」
京太郎「かわいく言っても駄目っす」
久「……」
京太郎「……」
穏乃「何で睨み合ってるんだろう……」
玄「仲良しさんだね!」
穏乃「そうなのかなぁ」
憧「あー、漫才をしてるとこ悪いんだけど……」
久「あら、新子さん、何かしら?」
憧「解決したみたいだし、これで解散よね?」
久「ん?」
憧「午後から阿知賀と清澄混合で麻雀だし……その前にお昼食べないといけないし……」
久「んんっ?」
憧「……うん、しず、外にちょっと食べに行かない?」
久「はい、ちょっと待った」
憧「さて、そうと決まったら……しず、お昼何にする?」
久「そこ、露骨に無視しない」
憧「……」
久「……」
京太郎「なんか二人の間に火花が散って、しかもネコ科の動物ぽい背景が見えるんですけど」
玄「きっと須賀君の気のせいだよ?」
憧「竹井さん――私は悩みが特に無いので、解散という事でいいですよね?」
久「またまたー、新子さん、そんな事言っちゃって――実は何かあるんじゃないかしら?」
憧「いえ、無い、です」
玄「えっ、でも憧ちゃん前に――」
憧「――ちょっ! 玄!?」
久「ほら、やっぱり何かあるんじゃない」
京太郎「まあ、誤魔化したい気持ちはわかりますけどね」
久「……どういう意味?」
京太郎「黙秘権行使で」
久「それはともかく――あるなら早く白状した方がいいわよ? ほら、新子さん、ハリーハリーハリー!」
憧「ううううううぅぅ――――」
憧「あー! もうっ!」
京太郎「観念したぽいですね」
久「人間素直が一番よ」
京太郎「それ、天邪鬼な久さんが言っても説得力皆無ですから」
憧「………………………………辛いの」
久「もっと大きな声で!」
憧「――掲示板とかで! 遊んでるとか! そ、の……とか! 好き勝手言われてて! 辛いの!」
久・京太郎「……あー」
憧「……何、その『わかる、わかる』みたいな反応。凄いむかつくんだけど」
久「……新子さん」
憧「……何?」
久「きっと宿命よ、諦めて」
憧「そんな宿命嫌過ぎっ!」
久「あー、あれよ。ガハマさんと同系統だし、ほら、ゆるふわ清純ビッチ系という事で」
憧「ビッ――って、わ、わ、わたし、しょ、しょじょだもん! びっちじゃないもん!」
京太郎「ファッ!?」
憧「あっ――――あっ、ああああああああああ、あんた、なに聴いてんのよっ! わすれなさい! いまの、ほら、いますぐに!」
穏乃「あ、憧が壊れた」
玄「須賀君が凄い勢いで揺さぶられてるね」
久「首がとれそうな勢いなんだけど大丈夫なのかしら」
憧「だっ、だいたい、私だって、好きで、遊んでるとか、ありゃ相当売ってるとか、ハードオナニストとか、言われてるわけじゃ――ぐすっ」
久「はい、新子さん、そこまで。須賀君が目を回してるわ」
穏乃「憧――よしよし」
憧「ううっ……しずぅ」
玄「キマシタワー?」
久「建設しないわよ?」
京太郎「あー、酷い目にあった……」
京太郎「で、久さん、この悩みどうするんですか? あと新子さんが涙目で、めっちゃ俺を睨んでるんですけど……」
久「ふむ……須賀君が睨まれてるのはともかく、ここは――これね!」
京太郎「……眼鏡?」
久「ちなみに伊達眼鏡よ。名付けて――見た目で損をするなら、見た目を変えればいいじゃない作戦!」
京太郎「まんまですね……というか、効果あるんすか?」
久「ふっふーん、見てなさいって――新子さん、ちょっといい?」
憧「うぅー!」
京太郎「凄い威嚇してるなぁ……」
・
・
・
久「――ほら、こんな感じっ!」
憧「ちょっ、押さないでっ!」
京太郎「おぉ……眼鏡を掛けるだけで知的っぽい」
玄「ツーサイドを解いて、ポニーテールにしてるのは何か意味が?」
久「私の趣味よ」
穏乃「憧、私とお揃いだね!」
憧「……しずとお揃い……いいかも……眼鏡も確かに悪くないし……」
久「ほら、これでちょっと遊んでる感じが消えた」
京太郎「あー、まあ、確かに――久さん、ちょっと」
久「ん? 何、須賀君」
京太郎「(……でも、これ、既存の風潮に対しては何の意味もないですよね)」
久「(……本人が気に入ったみたいだから、これでOKなの)」
久「――というわけで、お悩み解決、ぶいっ!」
京太郎「これでいいんですかね……あと決めポーズしてカメラ目線はやめましょう」
久「須賀君もしない? ほら、綺羅星とか」
京太郎「しませんっ」
――ちなみに。
これを機に阿知賀麻雀部で、伊達眼鏡が流行るのだが、まあ、それはどうでもいい話だろう。
また、ついでであるが、この話の後、麻雀時。
須賀京太郎は松実宥の眼鏡姿を見る事となり、「……眼鏡もありだな」という言葉を零した。
そして、その言葉を宮永咲が耳聡く聞きつけ――
――――後日、須賀京太郎を誘い、伊達眼鏡を買いに出掛けたりするのだが、それはまた別の話である。
【わたしの、最高の友達(阿知賀麻雀部)編】―― カンッ
エンドタイトルで30分以上悩むとかいう低脳っぷり
本日ここまでー
本日ここまでー
乙
まさかメガネが最高の友達になるとは
これは淡になんとしてもメガネをかけさせるしかないな
まさかメガネが最高の友達になるとは
これは淡になんとしてもメガネをかけさせるしかないな
話の流れ等とは関係ないですが弁明すると、当初から特別扱いする気満々というか、例えるなら愛する者よ死に候え的な何かというか
前も書いたけど一条さんと湊斗さんの様に殺し愛させたいというか……あれ、この理論で進めると……咲ちゃんの胸部は将来有望?
あ、火柱キックの影響で満足して即興で思い留まったとかもないです
交通事故により短期で記憶喪失を繰り返す50回目のファーストキスな京咲なんてなかった
まあ、冗談は置いておいて、ボチボチ書きます
前も書いたけど一条さんと湊斗さんの様に殺し愛させたいというか……あれ、この理論で進めると……咲ちゃんの胸部は将来有望?
あ、火柱キックの影響で満足して即興で思い留まったとかもないです
交通事故により短期で記憶喪失を繰り返す50回目のファーストキスな京咲なんてなかった
まあ、冗談は置いておいて、ボチボチ書きます
とある祝日。清澄高校麻雀部。いつもの部室。
そして部室内に鎮座する、以前迄は存在しなかった日本が誇る文明の利器。
つまり――炬燵。
京太郎「ふぅ……」
布団を引き寄せ、炬燵の温もりの中にすっぽりと包まれながら、須賀京太郎は思わずといった風情で息を吐いた。
ちなみに、何故炬燵が部室にあるかといえば――竹井久が、商店街の福引きで当てたからだ。
福引き券一枚で一発自摸るあたり、流石“悪待ち”といったところである。
まあ、当てたところで、六人用の炬燵は、竹井久にとって不要であったのだが。
家に元々炬燵はあることだし。
――となれば。
当たった炬燵は部室にでも置こうか、となるのは自然な流れであろう。
そういう訳で、須賀京太郎は竹井久から平日に事前に相談を受け、炬燵を部室へ設置する為、休日の午前から学校に赴いた次第である。
まあ、雑用雑用アンド雑用とかいうことなかれ。
須賀京太郎本人から、設置を手伝おうかと言い出したわけで。
聞いた以上、放っておく程薄情ではなかっただけの話だ。
また、更に補足しておくと、炬燵の学校までへの運搬は業者に頼んでいた。当然である。
常識の範疇である手荷物の類ならともかく、かなりの重量がある荷物を長距離運ばせるとかいう行為は、この世界線ではあり得ないのだ。
……全自動卓?
未来仕様で超軽量化されているのだろう。全自動卓回しが捗る。
そういう設定という事に今した。
2050年頃ならおかしくはない筈。科学の力ってすげー、という事で一つ。
――二人きりの部室。
久「冬といえばやっぱりこれねー……」
右隣に陣取った竹井久が、卓上に顎を乗せ、だらけきりながら言ってくる。
全くもって同感であった。
京太郎「ですねー……」
久「須賀君……私、炬燵は日本文化の宝だと思うのよ」
京太郎「いきなり大袈裟っすね」
久「何というか、別種の暖房器具にはない『趣(おもむき)』というものが、あると思わない?」
京太郎「あー、まー、確かに……」
相槌を打ちつつ、炬燵の上に手を伸ばす。
卓上の籠に入った蜜柑をとるためだ。
ちなみに、超高校級の保健委員は関係ない。
ついでに、中の人はベン・トーの梅様と同じ人だ。MもSもいけるハイブリット仕様なのだろうか。
それはともかく、炬燵と蜜柑。
これは冬場に於ける最強タッグの一つである。
例えるなら、どこぞの舞姫コンビや、東南――青竜朱雀コンビの如し。
京太郎「……ところで、それをノムリッシュ的に言うと?」
戯言に付き合うか――と思い、どうでもいい事を訊いてみる。
久「アナザーアーティファクトにはない『ウォモス・ムスキ』というものが、他を圧倒すると幻想(おも)わない?」
京太郎「即答っすか。翻訳はえーすね」
久「ふっふーん。翻訳Lv1くらい簡単よ」
豆知識といい、こういう謎スキルは何なのだろう。
そしてドヤ顔で誇る事ではないのではないか。
須賀京太郎は、そんな事を考えながらティッシュを敷き、蜜柑の皮を剥いて一房口にした。
蜜柑は程良く甘かった。
京太郎「……」
久「……」
じっと、注視されている。
何かマズイ事をしてしまったのだろうか。
久「須賀君」
京太郎「何ですか?」
久「あーん――」
そう告げ、親鳥に餌をねだる雛のように口を開けてくる彼女。
……なるほど。
京太郎「……無精しないで自分で剥いて下さい」
久「質問に答えたんだから、それ相応のお礼があって然るべきじゃないかしら?」
京太郎「えー……」
久「ほら、早く、早く――」
久「フライトアテンダントがファーストクラスの客に酒とキャビアをサービスする感じで」
京太郎「時でも止めるんですか?」
ツッコミを忘れずに入れ、溜息を一つ。
とりあえず蜜柑を一房――。
久「あ、薄皮も剥いてね」
……注文多いな、おい。
内心で文句を零しながらも大人しく従い、一房彼女の口元へ持っていく。
久「――――♪」
ぱくり――と。
ついで、もきゅもきゅと食べながらご満悦な様子だ。
久「あ、どんどん剥いてね」
……一房じゃねーのかよ。まあ、抵抗してもきっと無駄だろう。
経験則からそう予測して、剥く運ぶ剥く運ぶの作業を繰り返す。
勿論、合間に自分の分も食べはしているが。
そうこうしていると出し抜けに、ポケットに入れていたスマートフォンがぶるぶると震えた。
素早く取り出し、画面をタップ――メールだ。
From:MSSSS
件名:ReReReRe眼鏡
本文:昨日の件だが、今部内の後輩に借りて掛けてみたので送る。
添付ファイル:012i.jpg
簡潔な本文と、添付ファイル。
京太郎(これはあれか。昨日麻雀の事で質問した後――)
京太郎(眼鏡の話題振った時に、眼鏡似合いそうですよね見たいなーって、冗談でどうでもいい事俺が送ったから返してくれたのか)
律儀な人だ――と思いつつ、添付ファイルを開く。
画面に表示される黒髪ロングの美人さん@眼鏡装備。
切れ長の眼は玲瓏。そして怜悧な眼差し。
知的な感じが大層強調されている。委員長属性とかありそう。
あと少しばかり照れた様子。
京太郎(……ふっつーに似合ってるなぁ)
To:MSSSS
件名:ReReReReRe眼鏡
本文:凄く似合ってます。保存しました。
――送信。
暫し後、再度スマートフォンが震える――受信。
From:MSSSS
件名:ReReReReReRe眼鏡
本文:消せ馬鹿者。あと後輩が自分も送れと激しく五月蝿いので添付する。率直な感想でも送ってくれ。辛辣でもいい。むしろ辛辣にしろ。
添付ファイル:044i.jpg
――快活そうな金髪の少女@眼鏡装備。何故か決めポーズ付き。
IHで見たことがある。白糸台の大将だった彼女だ。
京太郎(あれだな……)
京太郎(似合ってないわけじゃないんだけど……つか、辛辣にしろって)
京太郎(…………)
To:MSSSS
件名:ReReReReReRe眼鏡
本文:眼鏡で打ち消せれていないアホっぽい雰囲気。無理に眼鏡掛けなくていいんじゃないですか? ――なんちゃって。
弘世菫の期待に応えるため、辛辣な感じで、送信。
正直、ちょっと気が引けていたりしていた。
京太郎(……文面の最後で、冗談として受け取ってくれるよな?)
――受信。
From:MSSSS
件名:ReReReReReReRe眼鏡
本文:もし直接会うことがあったら100回泣かす! 絶対許さない! 絶対に! だそうだ。まあ気にするな。
京太郎(あー…………
京太郎(やっべ――気にするなと言われても、なんか地雷踏んだ気がするんですが、それは)
残念ながら、きっと気のせいではないだろう。
直接会わない事を祈るしかない――そして時間を置かず、再度受信。
From:宮永照
件名:
本文:どう?
添付ファイル:001i.jpg
京太郎(なんで照さんからも)
京太郎(…………)
京太郎(こう改めて見るとやっぱ姉妹だよなぁ……)
京太郎(雰囲気とかはちょっと違うんだけど、全体的に良く似てる)
余談だが殺し屋の目はしていなかった。
むしろ営業スマイル全開だ。
そういえば、スマイルと言えば、公式であった、あの凶悪な笑顔は何なのだろう。
悪鬼の笑みなのだろうか。小さい子が見たら泣くレベルな気がするのだが。
京太郎(…………)
To:宮永照
件名:Re
本文:似合ってます。まるで文学少女みたいです。
無難そうな文面を選び――送信。
すいません普通に詰まったオチじゃなくて途中で、これはO星Aさん出したせい間違いない
あわあわの呪い恐るべし、絶対許さない
本日ここまで
あわあわの呪い恐るべし、絶対許さない
本日ここまで
返信内容はありのままの君の方が素敵です。って意味でしょ
乙でした
乙でした
京太郎(……今度は地雷踏まないよな?)
京太郎(…………)
京太郎(うん、別に貶めてるわけでもないし、問題ないはず)
京太郎(さっき地雷踏んだのは弘世さんのせいだしな)
京太郎(結構お茶目なとこもあるんだよな……弘世さん。仕方ない)
京太郎(まあ、そもそも発端は――面識ない相手にわざわざ感想を聞こうっていうのが、間違ってるんじゃないのか?)
京太郎(確か大星さんだっけか……)
京太郎(…………)
京太郎(返信から察するに、絶対褒められるとでも思ってたのか?)
京太郎(もし本気だとしたら、どんだけ自分の容姿に自信があるんだよ? って話だよな)
京太郎(…………)
京太郎(そりゃ俺にも辛辣に書いた責任はあるだろうけど、ある程度は事実な上に、空気読んで冗談って受け取れよ)
京太郎(だいたい、100回泣かすとか小学生か。そして何で俺が100回も泣かされなきゃいかんのか。そこまで重罪か?)
京太郎(…………)
京太郎(考えてたら段々腹が立ってきた)
――断りを入れるとすれば。
須賀京太郎は普段なら、その程度で本気で腹を立てる程狭量ではなかった。
ただ何と言うか――『絶対許さない! 絶対に!』、このフレーズが、やたらと引っ掛かっていた。
具体的に言うと『それお前関連のネタじゃねーだろ。いいからお前はドーナツでも喰っとけ』みたいな感覚。
更に何故か、友人である原村和が、びっみょーに馬鹿にされた気もした。
つまり、狙ったわけではないだろうが、見事に京太郎の神経を逆撫でしていたのだ。
まあ当然――それが八つ当たり染みた理不尽な感慨である事を、京太郎自身は理解していた。
件の大星なんとかさんが、実際に怒っているかどうかも定かでない事。
あれが彼女なりの冗談かもしれない事も判っている。
それでも、何となく腹が立ったのである。
ロジックではないだけに、難しい問題だった。
微妙にサンライトイエロー、もといヒートアップしそうになる感情を宥める為、深呼吸をして息を吐く。
続いて、件の金髪の少女@眼鏡装備画像が添付されていたメールを、精神衛生上の理由から削除。
ゴミ箱にポイーだ。
京太郎(落ち着け、女の子相手に大人げない)
京太郎(だいたい直接関わる事なんでまずない。忘れろ忘れろ)
そうこう考えていると――メールを受信した。しかも三通。
一通は登録してないメールアドレスだった。受信順にまずは――。
From:宮永照
件名:ReRe
本文:褒めてくれるのは嬉しいけど、他の女の子と比較されると微妙に傷つく。例えそれが私の妹であっても。いや却って妹だからこそ。
京太郎(…………)
京太郎(やっべ、また地雷踏んだぽい)
京太郎(まあ……それは傷ついても仕方ない。俺がわる――――って!?)
脳内が疑問符で埋め尽くされた。
次いで、きさま! 見ているなッ! (脳内を)――と、驚愕し、思わずきょろきょろと部室内を見渡してしまう。
当然、部室内には現在二人しかいなかった。そりゃそうである。
京太郎(…………)
京太郎(照さんってエスパー?)
京太郎(ま、冗談は置いといて、咲も妙に勘が鋭いけど――姉妹だからやっぱそういうとこも似てるのか?)
性懲りもなく、そんな事を考えながら――。
To:宮永照
件名:ReReRe
本文:申し訳ありません……あと、なんで分かるんですか?
――謝罪と疑問をそのまま素直にメールへ乗せて、送信。
続いて、受信していた別のメールを閲覧。
From:supernova_hapalochlaenafasciata@(以下略
件名:ほめろ!
本文:あわいちゃんお宝画像第二弾を喰らえ!
添付:044i2.jpg
京太郎(…………)
――理解不能理解不能理解不能理解不能。
理解できるのは、このメールの送り主がきっとアホなのだろう、という事だけだった。
取り敢えず画像は放置。次。
From:MSSSS
件名:迷惑かけるすまん
本文:淡に須賀のメールアドレスと電話番号がバレた。というか照が教えた。武運を祈る。ああ、淡というのは、さっきの100回泣かす!の奴だ。
――あ、なるほど、理解『可』能。
と、納得しつつ、別に教えるのは構わないが、お知り合いになるなら出来ればあの眼鏡でおもちな人の方がいいなぁ、などと思う。
京太郎(確か、渋谷さん、だっけ?)
京太郎(中々に、すばらなおもちをお持ちの方だった。あと――)
IHで観た時の印象が、強く残っていたのだ。
ちなみに珍しい事に、おもちの事だけではなかった。
何となく曖昧に心惹かれるものがあったのだ――以前松実宥に感じたものと、同種の印象である。
それはともかく――首を横に振り意識を引っ張り戻し、なんちゃら淡さんとやらのメールを改めて確認。
添付画像を開くと再びなんちゃらなんとかさん@眼鏡装備。
今度は決めポーズを変えてきやがっていた。何が彼女をそこまで駆り立てるのか。
京太郎(なんで今度は変身ヒーローぽいポーズなんだ? CV:大塚芳忠さんな相方でもいるのか?)
京太郎(…………)
京太郎(もしそうだとしたら、羨ましいぞ)
ちなみにさっきのは、そのうち悪魔化しそうな魔法少女ぽいポーズだった。
あとCVに関しては、串田さんボイスで我慢すべきであろう。どっちも素晴らしいのだから。
京太郎(やっぱり、こいつなんかアホっぽい……)
改めてそう認識しながら、大星淡のドヤ顔カオス画像を見ていると、不意に電流が走った様に直感した。
――自分とこいつはきっと相反すると。
そう、例えるなら――。
龍と虎、ジョーカーとエターナル、絶望サイドと希望サイド、ベイ中尉とシュライバー、湊斗景明と足利茶々丸、二階堂連と佐藤洋等々。
まあ、そんな感じ。ツッコミ所は気にしない。
単に京太郎の直感を、適当に変換して羅列しただけであるので、特に意味はない上に、実際相反するかどうかも定かではない。
またついでに、須賀京太郎と宮永咲で敢えて例えるなら。
雨と花、伊庭いつきと穂波・高瀬・アンブラー、黄金と水銀、凶月刑士郎と凶月咲耶、湊斗景明と綾弥一条、佐藤洋と白粉花等々。
京太郎主観とも原作ともキャラ付け云々とも、全く関係ない戯言である。気にしてはいけない。
京太郎(…………)
京太郎(本文と件名もむかつく――)
躊躇なく操作して、大星淡のメールアドレスを迷惑メールリストに叩き込み、メールも返信せず削除。
須賀京太郎にしては、大層厳しい対応方法だった。
ファーストコンタクトの印象は重要、という事だ。
直接会ってたりすれば、また違うのだろうが。
京太郎(さて、もし直接電話してきた場合はどうするか――)
京太郎(…………)
京太郎(ま、流石に面識のない相手に、いきなり電話してくる馬鹿はいないだろ)
そう楽観し、加えて、もしもが起きれば、その時はその時で考えたら良いだろう――と結論付ける。
尚、流石にブツ切り着拒とかいう、太古の最恐を彷彿とさせる凍てつくコンボは、発想すらしていなかった為、まだまだ温い方であった。
アルコール入ってるとセーブできてない垂れ流し状態はまずい本日ここまで
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