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元スレ金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」
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嫌な音がした。
「────────」
大質量の金属が、硬い何かを叩いた時の音。
「──そんな、鉄の塊で……」
重々しく黒光りする金属の腕を持った敵は、己の首を──命を護った。
「人の頭、殴ったら……」
護る為に、人体を司る脳が入っている箇所へ、その腕で払った。
「────────」
殴られた人は、苦痛の声すらあげなかった。
「死んじゃ、う……」
敵の首を捉えていた白い制服の人の両手に、力が入っていないのが見える。
あと一瞬でも時間があれば、敵の首をへし折ったであろうその手は、弛緩してしまっている。
「やだ……」
手だけではない。
腕も、脚も、首も、何もかも──。何もかも、力が入っていなかった。
重力に従い、私の愛しい人は、崩れるように落ちていった。
「────────」
大質量の金属が、硬い何かを叩いた時の音。
「──そんな、鉄の塊で……」
重々しく黒光りする金属の腕を持った敵は、己の首を──命を護った。
「人の頭、殴ったら……」
護る為に、人体を司る脳が入っている箇所へ、その腕で払った。
「────────」
殴られた人は、苦痛の声すらあげなかった。
「死んじゃ、う……」
敵の首を捉えていた白い制服の人の両手に、力が入っていないのが見える。
あと一瞬でも時間があれば、敵の首をへし折ったであろうその手は、弛緩してしまっている。
「やだ……」
手だけではない。
腕も、脚も、首も、何もかも──。何もかも、力が入っていなかった。
重力に従い、私の愛しい人は、崩れるように落ちていった。
今年の秋は例年より寒いそうですが
瑞鶴との濡れ場はまだですか
瑞鶴との濡れ場はまだですか
「…………!」
「──それでは人を殺せん!」
再度、その手は敵の首に食らいついた。
「人間を甘く見るからこうなる!!」
間髪入れず、肋骨の直下へ内臓を抉るような角度で拳が敵を襲う。
そう──『慢心は最大の敵』
提督が何度も言っていた事だ。
「ッぁ゙──!?」
咳に近い、吐き出すような悲鳴。
今まで無表情だった敵が、初めて苦悶の表情を浮かべた。
明らかに拳一つ分はめり込んでいたのだ。耐えれるはずがない。
敵の視点はブレて、一瞬だけ無防備となった。
その一瞬で、提督は敵の背後を取る。右腕の根元付近で首を捉え、逃げれないように左腕でロック。更に、左手は後頭部をの右側面を掴んでいた。
絞めるのではなく、折る為の組み方。
──首があらぬ方向にへし曲がり、身体は先程の提督と同じように崩れるのだろう。
その生々しい姿を見たくなくて、私は目を堅く結んだ。
「──それでは人を殺せん!」
再度、その手は敵の首に食らいついた。
「人間を甘く見るからこうなる!!」
間髪入れず、肋骨の直下へ内臓を抉るような角度で拳が敵を襲う。
そう──『慢心は最大の敵』
提督が何度も言っていた事だ。
「ッぁ゙──!?」
咳に近い、吐き出すような悲鳴。
今まで無表情だった敵が、初めて苦悶の表情を浮かべた。
明らかに拳一つ分はめり込んでいたのだ。耐えれるはずがない。
敵の視点はブレて、一瞬だけ無防備となった。
その一瞬で、提督は敵の背後を取る。右腕の根元付近で首を捉え、逃げれないように左腕でロック。更に、左手は後頭部をの右側面を掴んでいた。
絞めるのではなく、折る為の組み方。
──首があらぬ方向にへし曲がり、身体は先程の提督と同じように崩れるのだろう。
その生々しい姿を見たくなくて、私は目を堅く結んだ。
………………………………。
……おかしい。骨の折れる音がしない。
首の骨だ。とてつもなく嫌な音がするはずなのに、なぜ聴こえないのか。
恐る恐る、現実を見る為に瞳を開いた。
「────え?」
敵は変わらず立っていた。その代わり──。
「……提督?」
なぜか、提督がぐったりと敵の背に乗せられていた。
「どうして……?」
「キヲ ウシナッタヨウダ」
「────っ!?」
恨みや怨念を帯びたドス黒い声で、敵はそう言った。
「サスガダナ……。ニドメノシヲ、カクゴシタ」
二度目の死? どういう事……?
この敵が何を言っているのか、私には分からなかった。
武器を失った私を前に、敵は背を向けた。
──私の愛しい人を乗せたまま。
……おかしい。骨の折れる音がしない。
首の骨だ。とてつもなく嫌な音がするはずなのに、なぜ聴こえないのか。
恐る恐る、現実を見る為に瞳を開いた。
「────え?」
敵は変わらず立っていた。その代わり──。
「……提督?」
なぜか、提督がぐったりと敵の背に乗せられていた。
「どうして……?」
「キヲ ウシナッタヨウダ」
「────っ!?」
恨みや怨念を帯びたドス黒い声で、敵はそう言った。
「サスガダナ……。ニドメノシヲ、カクゴシタ」
二度目の死? どういう事……?
この敵が何を言っているのか、私には分からなかった。
武器を失った私を前に、敵は背を向けた。
──私の愛しい人を乗せたまま。
「待ちなさい!!」
どうして防衛手段を持っていない私を見逃すのか──。そんな疑問が頭に巡っていたが、私が声を掛けた理由は一つだけだ。
「その人を連れて行かせない」
愛しい人が攫われそうになっているのだ。敵は私を見逃しても、私はそれを見逃せない。
「…………」
敵は振り向くだけで、何も答えなかった。
「……ブキガ ナイヨウダガ?」
「腕があります」
「ウデヲ チギロウ」
「まだ歯があります」
「アタマヲ ツブソウ」
「怨念になってでも、戦います」
「……………………」
どうして防衛手段を持っていない私を見逃すのか──。そんな疑問が頭に巡っていたが、私が声を掛けた理由は一つだけだ。
「その人を連れて行かせない」
愛しい人が攫われそうになっているのだ。敵は私を見逃しても、私はそれを見逃せない。
「…………」
敵は振り向くだけで、何も答えなかった。
「……ブキガ ナイヨウダガ?」
「腕があります」
「ウデヲ チギロウ」
「まだ歯があります」
「アタマヲ ツブソウ」
「怨念になってでも、戦います」
「……………………」
ジャキッ──と、弾を装填する聞き慣れた音がした。
本能で何がくるのか理解し、回避行動を取った──けど。
「がっ──ッ!!」
轟音と共に、私の身体は吹き飛ばされた。
視界が目まぐるしく流れ、そして、身体に衝撃が走った。
「か、はッ……!」
……まだなんとか浮いている。完全には沈んでいない。
「待、ちなさ……い……!」
けれど、腕を伸ばすも、身体が動かない。
「待ちな……さい、よ……!!」
敵は今度こそ背を向け、その姿が小さくなっていった。
「待って……! 待っ、て……よ……!!」
意識が遠くなる──。
身体が言う事を聞いてくれない──。
やめて……その人を連れて行かないで──。
お願いだから動いてよ、私の身体──。
「て、いと……く…………」
その言葉を最後に、私の意識は闇に落ちた────。
……………………
…………
……
本能で何がくるのか理解し、回避行動を取った──けど。
「がっ──ッ!!」
轟音と共に、私の身体は吹き飛ばされた。
視界が目まぐるしく流れ、そして、身体に衝撃が走った。
「か、はッ……!」
……まだなんとか浮いている。完全には沈んでいない。
「待、ちなさ……い……!」
けれど、腕を伸ばすも、身体が動かない。
「待ちな……さい、よ……!!」
敵は今度こそ背を向け、その姿が小さくなっていった。
「待って……! 待っ、て……よ……!!」
意識が遠くなる──。
身体が言う事を聞いてくれない──。
やめて……その人を連れて行かないで──。
お願いだから動いてよ、私の身体──。
「て、いと……く…………」
その言葉を最後に、私の意識は闇に落ちた────。
……………………
…………
……
~母港~
金剛「…………」
瑞鶴「……惨敗だったわね」
金剛「…………皆は?」
瑞鶴「無事よ。小破が二隻であとは皆、掠り傷程度。修理と補給をして、自分の部屋に戻るように指示しておいたわ」
金剛「………………大破したのは、私だけですね」
瑞鶴「……金剛さんは、あの戦姫と戦ったのでしょう? 沈まなかっただけでも凄いわよ」
金剛「あんなの、戦いなんかじゃありません。本当の意味で、私の攻撃は意味がありませんでした」
瑞鶴「…………提督さんは?」
金剛「たぶん、生きています。気を失い、連れて行かれました……」
金剛「提督は、とても勇敢に戦いました……。私の攻撃が一切効かない戦姫を相手に、あと一歩で殺せる状況まで持っていきました……」
金剛「…………」
瑞鶴「……惨敗だったわね」
金剛「…………皆は?」
瑞鶴「無事よ。小破が二隻であとは皆、掠り傷程度。修理と補給をして、自分の部屋に戻るように指示しておいたわ」
金剛「………………大破したのは、私だけですね」
瑞鶴「……金剛さんは、あの戦姫と戦ったのでしょう? 沈まなかっただけでも凄いわよ」
金剛「あんなの、戦いなんかじゃありません。本当の意味で、私の攻撃は意味がありませんでした」
瑞鶴「…………提督さんは?」
金剛「たぶん、生きています。気を失い、連れて行かれました……」
金剛「提督は、とても勇敢に戦いました……。私の攻撃が一切効かない戦姫を相手に、あと一歩で殺せる状況まで持っていきました……」
瑞鶴「……すごいよね、提督さんって」
金剛「……はい。私よりも、ずっとずっと強くて、勇ましくて、最後まで諦めませんでした……」
瑞鶴「…………これからどうしよう……」
金剛「総司令部の人が来て、私達を解体するはずです。そういう書類を見た事があります……」
金剛「その人達が来るのは、恐らく三日後です。提督がそんな電報を打っていました……」
瑞鶴「三日……。あと三日で、私達は……私は……」
金剛「…………」
金剛「瑞鶴、一つ、聞いても良いですか?」
瑞鶴「……何?」
金剛「私や他の艦娘には話せない、提督と瑞鶴の秘密って、なんですか?」
金剛「……はい。私よりも、ずっとずっと強くて、勇ましくて、最後まで諦めませんでした……」
瑞鶴「…………これからどうしよう……」
金剛「総司令部の人が来て、私達を解体するはずです。そういう書類を見た事があります……」
金剛「その人達が来るのは、恐らく三日後です。提督がそんな電報を打っていました……」
瑞鶴「三日……。あと三日で、私達は……私は……」
金剛「…………」
金剛「瑞鶴、一つ、聞いても良いですか?」
瑞鶴「……何?」
金剛「私や他の艦娘には話せない、提督と瑞鶴の秘密って、なんですか?」
瑞鶴「…………」
金剛「…………」
瑞鶴「……解体されて普通の女の子になっても、殺されるわよ」
金剛「……構いません。どうせ、艦娘は解体された後、いきなり消えるんです」
瑞鶴「──え?」
金剛「元帥という人が言っていました。解体された艦娘は、ある日突然に姿を消すらしいです」
瑞鶴「…………」
金剛「だから、言ってください。今回、何か裏があるのでしょう?」
瑞鶴「…………分かったわ」
……………………
…………
……
金剛「…………」
瑞鶴「……解体されて普通の女の子になっても、殺されるわよ」
金剛「……構いません。どうせ、艦娘は解体された後、いきなり消えるんです」
瑞鶴「──え?」
金剛「元帥という人が言っていました。解体された艦娘は、ある日突然に姿を消すらしいです」
瑞鶴「…………」
金剛「だから、言ってください。今回、何か裏があるのでしょう?」
瑞鶴「…………分かったわ」
……………………
…………
……
金剛「そうですか……瑞鶴は深海棲艦から……。それに、総司令部からそんな命令が……」
瑞鶴「…………」
金剛「……どうしてですか」
瑞鶴「え……?」
金剛「どうして、無理矢理にでも提督を連れて逃げなかったのですか」
瑞鶴「何を言ってるのよ金剛さん……そんな事──」
金剛「そうしていたら、提督は連れ去られなかったじゃないですか!!!」
金剛「どうしてですか!? どうして貴女は提督と一緒に逃げなかったのですか!?」
金剛「どうして……どうして…………?」
瑞鶴「…………」
金剛「ごめんなさい……八つ当たりをしてしまいました……」
瑞鶴「ううん……私も金剛さんの立場なら、同じ事を言ったと思う」
金剛「ごめんなさい……」
瑞鶴「…………」
金剛「……あと、三日ですか」
……………………
…………
……
瑞鶴「…………」
金剛「……どうしてですか」
瑞鶴「え……?」
金剛「どうして、無理矢理にでも提督を連れて逃げなかったのですか」
瑞鶴「何を言ってるのよ金剛さん……そんな事──」
金剛「そうしていたら、提督は連れ去られなかったじゃないですか!!!」
金剛「どうしてですか!? どうして貴女は提督と一緒に逃げなかったのですか!?」
金剛「どうして……どうして…………?」
瑞鶴「…………」
金剛「ごめんなさい……八つ当たりをしてしまいました……」
瑞鶴「ううん……私も金剛さんの立場なら、同じ事を言ったと思う」
金剛「ごめんなさい……」
瑞鶴「…………」
金剛「……あと、三日ですか」
……………………
…………
……
川内「う~~~~~~ん…………」
神通「どうしたの、川内?」
川内「いや、あの敵なんだけど、なーんか違和感っていうか引っ掛かるっていうかなんというか、そういうのがあったんだよねー……」
那珂「なんかって、何ー?」
川内「それが分かんないんだよなぁ……なんなんだろ…………」
川内「む~~~~~~~~…………」
神通「思い出したら、教えて? もし提督が帰ってこなかった場合、提督を見つける手掛かりになるかもしれないから」
那珂「那珂ちゃんも何かおかしい所があったか思い出してみる!」
神通「うん。私も頑張って探してみるね」
神通「……提督、帰ってきてくれますよね?」
……………………
…………
……
神通「どうしたの、川内?」
川内「いや、あの敵なんだけど、なーんか違和感っていうか引っ掛かるっていうかなんというか、そういうのがあったんだよねー……」
那珂「なんかって、何ー?」
川内「それが分かんないんだよなぁ……なんなんだろ…………」
川内「む~~~~~~~~…………」
神通「思い出したら、教えて? もし提督が帰ってこなかった場合、提督を見つける手掛かりになるかもしれないから」
那珂「那珂ちゃんも何かおかしい所があったか思い出してみる!」
神通「うん。私も頑張って探してみるね」
神通「……提督、帰ってきてくれますよね?」
……………………
…………
……
暁「…………」
響「…………」
雷「…………」
電「…………」
島風「…………」
雷「司令官、大丈夫かしら……」
響「……帰ってきた時、唯一行方を知っている金剛さんが塞ぎ込んでしまっていたからね」
暁「…………もしかして、死んじゃったんじゃ……」
島風「そんな事ない!! 提督は簡単に死ぬような人じゃないよ!」
電「そ、そうです! きっと道に迷ってるだけなのです!」
響「私も死んでないと思うよ」
暁「気休めはやめてよ……余計に辛いわ……」
響「気休めなんかじゃないよ。確証とまではいかないけれど、信用できる事がある」
響「…………」
雷「…………」
電「…………」
島風「…………」
雷「司令官、大丈夫かしら……」
響「……帰ってきた時、唯一行方を知っている金剛さんが塞ぎ込んでしまっていたからね」
暁「…………もしかして、死んじゃったんじゃ……」
島風「そんな事ない!! 提督は簡単に死ぬような人じゃないよ!」
電「そ、そうです! きっと道に迷ってるだけなのです!」
響「私も死んでないと思うよ」
暁「気休めはやめてよ……余計に辛いわ……」
響「気休めなんかじゃないよ。確証とまではいかないけれど、信用できる事がある」
暁「────っ! な、なに!?」
響「金剛さんさ」
島風「金剛さん?」
響「そう。金剛さんがこの鎮守府に居る事が、司令官が生きているという証だと私は思っているよ」
電「あの……どうしてですか?」
雷「あ、なんとなく分かったかも」
響「雷は察しが良いね。──金剛さんが、そんなに簡単に提督の側を離れると思う?」
暁「……ないわね、それは」
響「もし司令官が死んでしまってるのなら、金剛さんは後を追うと思うよ、ほぼ間違いなく」
雷「そうよね。普段の金剛さんを見ていたらそう思うわ」
響「だから、金剛さんが生きているという事は司令官が生きている──私はそう思ってる」
暁「で、でも……もしかしたら死ぬのが怖くなったって可能性もあるでしょ?」
響「勿論そうかもしれない。あの塞ぎ込みっぷりならそれも納得できる」
響「でも、私は前向きに考えるよ」
響「────そう、簡単に死ぬわけないじゃないか」
……………………
…………
……
響「金剛さんさ」
島風「金剛さん?」
響「そう。金剛さんがこの鎮守府に居る事が、司令官が生きているという証だと私は思っているよ」
電「あの……どうしてですか?」
雷「あ、なんとなく分かったかも」
響「雷は察しが良いね。──金剛さんが、そんなに簡単に提督の側を離れると思う?」
暁「……ないわね、それは」
響「もし司令官が死んでしまってるのなら、金剛さんは後を追うと思うよ、ほぼ間違いなく」
雷「そうよね。普段の金剛さんを見ていたらそう思うわ」
響「だから、金剛さんが生きているという事は司令官が生きている──私はそう思ってる」
暁「で、でも……もしかしたら死ぬのが怖くなったって可能性もあるでしょ?」
響「勿論そうかもしれない。あの塞ぎ込みっぷりならそれも納得できる」
響「でも、私は前向きに考えるよ」
響「────そう、簡単に死ぬわけないじゃないか」
……………………
…………
……
提督「…………っ」
戦姫「……起きたか」
提督「…………」ジッ
提督(ここはどこだ……? 暗くて良く分からん……。腕は……ちっ、何かに縛り付けられているな)
提督(深海棲艦がこんなに……。というか、こいつらもあの武装を取れるのか)
提督(……ん?)
ザッ────ピシッ!
提督「……なぜ敬礼をした。しかも全員」
戦姫「……起きたか」
提督「…………」ジッ
提督(ここはどこだ……? 暗くて良く分からん……。腕は……ちっ、何かに縛り付けられているな)
提督(深海棲艦がこんなに……。というか、こいつらもあの武装を取れるのか)
提督(……ん?)
ザッ────ピシッ!
提督「……なぜ敬礼をした。しかも全員」
戦姫「単刀直入ですが、貴方に我々の上官になって頂きたい」
提督「断る」
戦姫「そうですか……。理由をお聞きしても?」
提督「何の目的か言ってくれるのなら考えもするが、いきなり上官になれと言われても納得する馬鹿は居るまい」
戦姫「なるほど。ごもっともです」
戦姫「私達は沈んだ──いや、死んだ艦娘です」
提督「知っている」
戦姫「ご存知でしたか。話が早くて助かります」
戦姫「……貴方は、似ているのです」
提督「似ている?」
戦姫「はい。私達の──」
ヲ級「…………」テテテ
戦姫「あっこら!」
ヲ級「♪」ギュー
提督「断る」
戦姫「そうですか……。理由をお聞きしても?」
提督「何の目的か言ってくれるのなら考えもするが、いきなり上官になれと言われても納得する馬鹿は居るまい」
戦姫「なるほど。ごもっともです」
戦姫「私達は沈んだ──いや、死んだ艦娘です」
提督「知っている」
戦姫「ご存知でしたか。話が早くて助かります」
戦姫「……貴方は、似ているのです」
提督「似ている?」
戦姫「はい。私達の──」
ヲ級「…………」テテテ
戦姫「あっこら!」
ヲ級「♪」ギュー
戦姫のセリフがカタカナ表記だと見づらいだろうと平仮名で打ってくれる>>1は優しいのですね・・・
提督「……このヲ級。もしかして」
戦姫「はい。貴方の鎮守府へ偵察に行った者です」
戦姫「この通りかなり自由奔放者で、甘えたがりなのです」ハァ
ヲ級「♪」
提督「……なぜこんなに懐くんだ」
戦姫「すみません。言うのが遅くなりましたが、貴方は私達の提督に似ているのです」
提督「……ただ似ているだけではここまで懐くとは思えん。しかも敵だろう」
戦姫「────という名前をご存知ですか?」
提督「私の父親だ」
戦姫「なるほど。だから……」
戦姫「あ……すみません。勝手に納得してしまいました」
提督「良い。話せ」
戦姫「ここに居る者達は全員、貴方の父親が保有していた──いたっ」
ヲ級「…………」ペシッペシッ
戦姫「あ、ああ分かった言い直す。言い直すから叩かないでくれ。……こほん。失礼しました」
戦姫「はい。貴方の鎮守府へ偵察に行った者です」
戦姫「この通りかなり自由奔放者で、甘えたがりなのです」ハァ
ヲ級「♪」
提督「……なぜこんなに懐くんだ」
戦姫「すみません。言うのが遅くなりましたが、貴方は私達の提督に似ているのです」
提督「……ただ似ているだけではここまで懐くとは思えん。しかも敵だろう」
戦姫「────という名前をご存知ですか?」
提督「私の父親だ」
戦姫「なるほど。だから……」
戦姫「あ……すみません。勝手に納得してしまいました」
提督「良い。話せ」
戦姫「ここに居る者達は全員、貴方の父親が保有していた──いたっ」
ヲ級「…………」ペシッペシッ
戦姫「あ、ああ分かった言い直す。言い直すから叩かないでくれ。……こほん。失礼しました」
戦姫「……全員、貴方の父親を慕っていた者達なのです」
提督「…………」
戦姫「特にその──貴方がヲ級と言った者は、私達の提督に懐いていました」
戦姫「本当はもう一隻、妹の空母が居るはずなのですが、どこに居るのか……」
提督「……非常に理解できない所がある」
戦姫「なんでしょうか」
提督「私の父親は誰もが厳しすぎるのでは、と思われる厳格な人だった。実際に父が指揮をしている所を見た事があるが、懐くとは到底思えない」
提督「それなのに、なぜこんなに懐いている」
戦姫「ああ……とても厳しかったです……それはもう、タービンが爆発しそうなくらい……」ドヨーン
提督「…………」
戦姫「────はっ! し、失礼しました!」ピシッ
提督(よっぽど厳しく仕込まれたんだろうなこれ……)
戦姫「……ですが、それは人前と仕事だけです。それ以外ではとてもとても、お優しいお方でした……」
戦姫「ああ~……美味しかったなぁ、あの間宮アイスクリーム……」
提督「……………………」
戦姫「!!!! しっ失礼しました!!」ピシッ
提督「…………」
戦姫「特にその──貴方がヲ級と言った者は、私達の提督に懐いていました」
戦姫「本当はもう一隻、妹の空母が居るはずなのですが、どこに居るのか……」
提督「……非常に理解できない所がある」
戦姫「なんでしょうか」
提督「私の父親は誰もが厳しすぎるのでは、と思われる厳格な人だった。実際に父が指揮をしている所を見た事があるが、懐くとは到底思えない」
提督「それなのに、なぜこんなに懐いている」
戦姫「ああ……とても厳しかったです……それはもう、タービンが爆発しそうなくらい……」ドヨーン
提督「…………」
戦姫「────はっ! し、失礼しました!」ピシッ
提督(よっぽど厳しく仕込まれたんだろうなこれ……)
戦姫「……ですが、それは人前と仕事だけです。それ以外ではとてもとても、お優しいお方でした……」
戦姫「ああ~……美味しかったなぁ、あの間宮アイスクリーム……」
提督「……………………」
戦姫「!!!! しっ失礼しました!!」ピシッ
ちょっとご飯食べてきます。
ヲ級ちゃんが出てきたら皆も出てきてちょっとワロタ。
ヲ級ちゃんが出てきたら皆も出てきてちょっとワロタ。
>>539
お前だったのか
お前だったのか
>>538
ということはこの甘えん坊ヲ級ちゃんは…!!
ということはこの甘えん坊ヲ級ちゃんは…!!
>>542
赤城さんだな(すっとぼけ)
赤城さんだな(すっとぼけ)
>>543
翔鶴だろ
翔鶴だろ
提督「……お前、よく父から罰を受けていただろ」
戦姫「…………はい。よく吊るされていました……」
提督(私は今、血は逆らえないという言葉を心の底から実感した)
戦姫「それで、深海棲艦となった艦娘は普通、記憶を無くすらしいのですが……どういう訳か私達はあまり記憶が消える事なくこうしているのです」
戦姫「提督への信頼や想いが魂に刻み込まれたのでは、という事で納得していますが、実際の所は分かりません……」
戦姫「そして……私達は提督の事を忘れる事ができません。確かに厳しかったですが、それも優しさだったのです」
戦姫「その優しさを……私は、私達は忘れられませんでした……」
提督「……だから、父と似ている私に提督になれと」
戦姫「勝手な言い分だとは分かっています。でも、万が一……いえ、億や兆、那由多の果ての一つしか可能性がなくても、私達はそれに縋りたかったのです」
提督「…………」
戦姫「…………」
戦姫「…………はい。よく吊るされていました……」
提督(私は今、血は逆らえないという言葉を心の底から実感した)
戦姫「それで、深海棲艦となった艦娘は普通、記憶を無くすらしいのですが……どういう訳か私達はあまり記憶が消える事なくこうしているのです」
戦姫「提督への信頼や想いが魂に刻み込まれたのでは、という事で納得していますが、実際の所は分かりません……」
戦姫「そして……私達は提督の事を忘れる事ができません。確かに厳しかったですが、それも優しさだったのです」
戦姫「その優しさを……私は、私達は忘れられませんでした……」
提督「……だから、父と似ている私に提督になれと」
戦姫「勝手な言い分だとは分かっています。でも、万が一……いえ、億や兆、那由多の果ての一つしか可能性がなくても、私達はそれに縋りたかったのです」
提督「…………」
戦姫「…………」
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