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    元スレ冬馬「プロデューサー、人間やめるってよ」

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    401 :

    伊織とPが異母兄妹だったりしてな

    402 :

    あんまり先読みっぽい事言うのやめようぜー。

    403 :

    謎解きはあずさ
    鍵は伊織…?
    じゃあ小鳥はなんだ?

    404 :

    俺の嫁

    405 :

    どうして毎度毎度予想書く奴が現れるんだろう

    406 :

    今だけ使える魔法の言葉がある。
    夏だから

    407 :

    ピヨちゃん空気すぎて存在忘れてたww

    408 :

    だから予想書くやつは黙っててめぇのメモ帳にでも書いてろって
    本当学習出来ない馬鹿が多いよな

    409 :

    >>1が禁止も注意もしてないし仕方ないよ。
    我慢しなきゃ

    410 :

    荒れてるなぁ…だからわしゃ予想はよそうと言ったんじゃ!

    411 :

    >>409が云うとおりだよな。
    それに予想とかで1人が何レスも使って書いてる訳じゃないんだし
    別に良いんじゃないの?保守がてらこんな感じか?って位で書く分には…
    …予想はよそうと言ったんじゃ!…プックックッww

    412 :

    >>1が言う言わないにしろ、読み物で先の展開を予想するのは無粋だろ
    後、>>411は無駄に煽るな

    413 :

    上げんなよ…

    414 :

    >>411
    保守せんでも終わるまで落ちないとか
    言いたいことは色々あるが
    sageろ、と言っておこう

    415 :

    ※これ以降、残酷な描写が入ります。ご注意下さい。

    416 = 1 :

    初めは虫だった。

    カブトムシやクワガタ、カナブンなどの手足をもいだ。
    俺の手の中で芋虫になったそれらを見て、俺はゲラゲラと笑った。

    次第に虫では飽き足らなくなった。

    小動物を、ひどいやり方でいじめた。

    そのうち、それらの命を奪うようになった。

    もがきながら苦しむ動物の姿に、俺は酔うようになった。
    生殺与奪を俺が握る事で、俺は矮小な時分ではなくなった。そんな気がしていた。

    この頃、俺は自分が社会という歯車から、逸脱していこうとしているのを理解していた。
    徐々に自分が普通でなくなっていく。その自覚はあった。
    それでも、歯止めはきかなかった。

    このままいくと、俺はやがて動物では飽き足らなくなるだろう。
    そのうち俺は、とんでもないことをしでかす。
    そう確信していた。

    それは恐怖だった。

    しかし……

    痛快で甘美な幻想でもあった。

    捨てられ、寂しさから社会を恨み、愛を知らない俺が、反社会的な存在に堕ちていく……

    『人殺しの子』そう揶揄される俺が、本物の人殺しになる。

    俺の存在と行為が、社会を脅かす。

    それを思うと、何故か俺は笑みが押さえられなかった。

    そしてそのうち俺は、とうとうひとつの事件を起こす。

    417 = 1 :

    施設のそばで、うろついていた野良犬。
    俺は、夜中に施設を抜け出し、その犬をさんざんなぶった挙げ句に……殺した。

    そして俺は……その首を切断すると、施設の門柱に突き刺した。

    付近一帯は、大騒ぎになった。

    418 = 1 :

    一睡もできず、重い身体を起こした私は、それでも765プロに出社した。
    私の顔を見ると、みんなが次々とやって来て声をかけてくれる。

    千早「本当に大丈夫なんですか? あの、顔色とか目が……」

    「きょうは休んだ方が、いいんじゃないかー」

    私はぎこちなくだが微笑んだ。

    「大丈夫よ。今日もがんばって行きましょう」

    そうしていると、律子さんがやって来た。
    私たちは頷き合うと、社長室へと向かった。

    社長室に入ると、また私たちは驚いた。
    そこには、社長だけでなくもう一人の人物がいた。

    律子「小鳥さん……帰ってきたんですか」

    小鳥「……はい」

    沈んだ表情と声。
    きっと社長から、この間のあらましは聞いているのだろう。

    高木「悪いが、裏からこっそり入ってもらった。まずは事情を聞きたかったのでね」

    「小鳥さん、聞きたいことがあります」
    私は、間髪入れずに聞いた。

    「小鳥さんが、プロデューサーさんと初めて会った施設で、当時なにか変わった事がありませんでしたか?」

    小鳥「……聞きたいこと、わかるわ」

    「なにか、あったんですね……」

    小鳥「みんな……わかっているみたいですね。プロデューサーさんのこと……」

    「昨日、気がつきました」

    高木「? なんの事だね?」

    小鳥「それも含めて、私の知っている事を全部お話します。あれは……もう、10年前の事ですね」

    419 = 1 :

    小鳥の回想(プロデューサー失踪10年前)

    岡山の玉野市にある、子供向けレジャーランドでの営業を終えた私は、ここからフェリーで一時間程度の島に児童福祉施設があると聞いた。

    小鳥「営業……いっちゃおうかな」

    私は軽い気持ちで、施設を訪問した。

    テレビにも出ない、マイナー芸能人の私でも子供達は歓迎してくれた。
    その中で、一際異彩を放つ少年がいた。

    暗い瞳。
    陰鬱な表情。
    けれど、整った顔立ちに私はドキリとした。
    決して心中を表に出さない所も、なんとなく神秘的に感じた。

    小鳥「えっと、P君だっけ」

    「……なんだよ」

    うんうん。不良っぽい口調。
    予想通りの話し方に、私はなんだかおかしくなった。

    小鳥「うふふ。かわいいなーP君」

    私がP君に抱きつくと、P君はやや鬱陶しそうにしながらも、黙っていた。

    可愛い。
    胸がキュンとした。
    ショタ愛好家としての血が騒ぐ!

    420 = 1 :

    だが、彼が施設の中で孤立していることは、すぐに気がついた。

    彼に話をしていると、ほかの子供達がヒソヒソと耳打ちをしてくる。

    子供1「そいつに関わらない方がいいよ」
    子供2「殴られるよ」
    子供3「そいつ、人殺しの子なんだぜ」
    子供4「昨日の門柱も、犯人はそいつだぜ。絶対!」

    私が聞き返す間もなく、彼は他の子供達に殴りかかっていた。
    その後はもう、てんやわんやだった。
    止めに入った施設の人に、私は後で聞いてみた。

    小鳥「あの……昨日の門柱って、何かあったんですか?」

    施設の人は、躊躇ったが話してくれた。

    『昨日、門柱に……首だけになった犬の死体が……』

    聞いただけで、私は目眩がした。
    だけど同時に、そんな事を彼がしたとは思えなかった。
    いや、正確には思いたくなかった。

    421 = 1 :

    ……
    どうやら俺は、眠っていたようだ。
    10年前の事、あれも夢だったのだろうか?

    いや、そうじゃない。
    それだけは……
    あの事だけは、ぼんやりとした今の頭でも鮮明に思い出す。
    それだけ、衝撃的な出来事だった。

    422 = 1 :

    Pの回想2(プロデューサー失踪10年前)


    事件の後、俺は施設の職員に詰問された。
    俺は否定も肯定もせず、黙っていた。
    証拠を残すようなヘマは、しなかった。
    俺が何を聞かれても黙っているので、結局この件はうやむやになった。

    次の日、自称アイドルだと名乗る女性が、施設に慰問にやって来た。
    音無小鳥という、正直聞いた事もない芸能人だったが、なるほど綺麗な顔立ちをしていた。

    何を気に入ったのか、彼女は俺につきまとった。
    抱きつかれて俺は、不思議と嫌ではなかった。
    思えば初めて触れる、女性。
    俺は、嫌じゃなかった。

    だがそんな気分でいたのも、その日だけだった。
    動物を虐待し、人間らしさを捨てるように無くしていく日々。
    もう自分が、どうなるかは自分でもわかっていた。
    俺はやがて、とんでもない犯罪を犯すだろう。

    怖い……

    でも楽しみだ……

    アンビバレンスな心理の中、俺は為す術もなく人でなくなっていった。

    423 = 1 :

    数日後、島にある水瀬財閥の別荘に財閥の人がやって来るという知らせを聞いた。

    「なにが財閥だ!」

    そう悪態をつく俺に、施設の奴らは口々に言った。

    「それなら別荘に侵入してみろよ」「できねえくせに」「本当は怖いんだろ」

    頭にきた俺は、水瀬財閥の別荘に忍び込んだ。
    城かと思う館の中で、俺はそれを見た。

    最初は人形が、置いてあるのかと思った。

    綺麗な人形が、座っていた。

    俺は惚けたように、その人形に見入った。
    整った顔立ち。
    綺麗な髪。
    艶やかな肌。
    全てが美しかった。

    芸術などの素養とは無縁だった俺が、初めて『美』というものを肌で感じた瞬間だった。

    そして驚いた事に、その人形は立って歩き出した。

    人形だと思っていたのは、人間……
    生きて動いている、人間だった。

    424 = 1 :

    伊織「……あんた、だれ?」

    少女の質問にも、俺は口がきけなかった。

    人間……?
    これが人間?
    本当に人間?

    人間とは、こんなに美しいのか?

    俺はなんだ?
    なんなんだ……

    途端に俺は、猛烈に自分が醜く感じた。
    目の前にいる、この美しい物が人間なら、俺はなんなのだろう……

    いや、これが人間なんだ。
    本物の人間。

    じゃあ俺は……なんだ……?

    伊織「? へんなの」

    少女は、足早に立ち去っていった。
    その後、警備の人間が俺を見つけ捕まえた。
    俺は、抵抗しなかった。
    いや、茫然自失だった。
    覚えていないが、車に乗せられて施設に送られたらしい。

    425 = 1 :

    それから数日、俺は呆然として過ごした。

    ただ、あの人形のように美しい少女が、頭から離れなかった。
    そして次第に、また憎しみと怒りがわき上がってきた。

    あれが、人間。
    俺は、醜くおぞましい生き物。

    なぜだ?
    なんでなんだ!?

    怒りは胸に渦巻き、やがて黒い欲望に変わっていった。

    あの少女を……
    あの人間を……

    殺してやりたい……

    ころしてやりたい……

    アイツヲコロシテヤリタイ……

    426 = 1 :

    小鳥の回想2(プロデューサー失踪10年前)


    東京に戻ってから、私は彼に手紙を出した。
    彼だけにだと、不審に思われるかも知れないと思い、全員に出した。
    彼からの返事は、書き殴ったような文字で、不可解な内容だった。

    『俺を止めて欲しい』

    意味がわからなかった。
    げれど、それがなんらかのSOSである事はわかった。

    私は、再度手紙を出した。
    具体的にどうすれば良いのか、と。

    返事は一週間後に来た。
    前回とは打って変わって落ち着いた文字が並んでいた。

    『俺は将来、東京へ出て働きたい。どうすればいいんでしょうか?』

    それを読んで、私は少し安心した。
    そして返事を書いた。

    もし良ければ、私を頼って来て欲しい。
    相談に乗るし、力にもなる。

    そこまで書いて、私は赤面した。
    年下の美少年を囲う……そんなふうに取られやしないか恥ずかしくなった。
    慌てて私は、書き加えた。

    けれど、今は先ず勉強に勤しみなさい。
    全てはそれからよ。

    427 = 1 :

    それから、彼からは定期的に手紙が来るようになった。
    最初の印象から、荒んだ文章を予想していたが、内容は紳士的ともいえるものだった。
    成績が上がると、素直に嬉しいという文字が手紙に綴られた。

    この子は悪い子じゃない。
    あの時の犯人も、この子じゃない。
    誤解されやすい子なんだ。

    その時はまだ、私もそう思い文通を楽しんでいた。

    5年が経った。
    彼からの手紙に、上京して大学に入学するとあった。
    近かったこともあり、私は自分の近所のアパートを紹介した。

    久しぶりに会った彼は、もう子供ではなかった。
    青年。

    私はドキリとした。

    それから私達は、頻回に会った。
    何かにつけて私は彼を援助し、頼られた。

    けれど、それだけの関係だった。

    私もそれでいい、そう思っていた。

    それから間もなく、私にとっての転機がやってきた。

    428 = 1 :

    一旦ここで、止まります。
    本来なら残酷描写がある場合は、1に書くのが速報ルールのようですが、寡聞にして理解していませんでした。
    本日分の投下で、気分を害された方がおられましたら本当に申し訳ありませんでした。

    429 :


    有った方が良い程度でローカルルールでは無かったと思うが
    基本的に建て逃げNGHTML化依頼出さないのNGぐらいのはず

    430 :

    ここまで精神崩壊したPは初めて見たな


    ギャグ系だけじゃなくてシリアス系も上手く構成されてておもしろい
    次の更新も楽しみにしてます

    431 :

    ワクワクが止まらない

    432 = 408 :

    毎度毎度気になる所で止めやがるぜコイツ…(褒め言葉)

    433 :

    このPもしかしてヨハンリーベルトじゃね

    434 :

    なんて所で止めるんや・・・はよぉ・・・

    435 :

    何故か、ギャルゲ板某スレのネタである「赤羽根Pシリアルキラー説」を思い出した

    436 :


    あずささんの推理が勘違いであってほしかったんだが…確定の様になってきたな…

    437 :

    今回も素晴らしいな 乙

    438 :

    乙です。765プロ潜入に並んで更新が蝶楽しみなSSだな~

    439 :

    最終的にどうなるか気になるな

    765プロ潜入動かなくなったな…

    440 :

    >>433でモンスター思い出した
    確かにヨハンみたいだ

    441 :



    もうハッピーエンドは見えないな

    442 = 438 :

    決行さえしなければ、HAPPYは無理でもベター位は…

    443 :

    >>442Pは決行したくなくて、出て行ったんじゃないのか?

    結局、何をする気かはわからないが…

    444 :

    小鳥さんマジ小鳥さん

    445 :

    その夜、私は彼を食事に誘った。

    小鳥「それでねーそれでねー」

    「小鳥さん?」

    小鳥「ん? なに?」

    「なにか、あったの?」

    小鳥「……なにか、って?」

    「変だよ。今日」

    努めて明るく振る舞っていたつもりだったが、彼にはお見通しだったようだ。

    小鳥「私……引退することになったの」

    「……そうなんだ」

    小鳥「結局、ランクCにもなれなかったな……」

    「小鳥さん、綺麗だし歌も上手いのに……」

    小鳥「芸能界って、それだけじゃあね。プロデュースっていうの? 上手く戦略を練って売り出してくれる人がいたら……少しは違ったのかな……」

    「小鳥さん」

    小鳥「え?」

    「お疲れさまでした」

    小鳥「うん……ありがとう」

    労われて、少し嬉しかった。
    悔しさと、残念な気持ちはあったが、恐れていた程の哀しみは無かった。
    素直に言えば、彼の前でわんわんと泣いたらどうしようかと、自分でも恐れていたのだ。

    446 = 1 :

    小鳥「えへへへへー、それでねー。そんでねー」

    「小鳥さん……へべれけじゃないですか」

    小鳥「ろうよお、はじめてのんらんらもーん☆」

    「こりゃダメだ」

    気がつくと、私は彼の部屋で寝ていた。
    どうやら酔っぱらった私を、彼が介抱して運んでくれたらしい。
    時は、真夜中。
    思わず私は、自分の衣服の乱れを確認する。

    小鳥「……紳士ね。ちょっと残念……でもないか」

    布団を私に譲り、自分は畳の上で寝ている彼に私は言った。

    何度か来た事のある部屋だが、改めてみると殺風景だった。
    テレビはあるが、今時の若者らしくなくDVDの類も無かった。

    本もあまり無い。
    その少ない蔵書は、経営に関する著書で付箋が貼ってあった。
    中を見る。
    付箋の箇所は、全て水瀬財閥に関する記述だった。

    小鳥「?」

    447 = 1 :

    そして私は、そのページを見つけた。
    そのページは、水瀬財閥の総帥である、後に765プロに所属する伊織ちゃんの父親が、インタビューに答えていた。

    『娘ですか? 伊織というのですが……』

    伊織、という名前の部分に赤で何度もグルグルと丸が書かれていた。
    ページの余白には、その名前が所狭しと書かれていた。

    伊織伊織伊織伊織伊織伊織伊織伊織伊織……

    初めて目の当たりにする、彼の不可解な一面。
    いや、異常な面というべきか。
    脳裏にふっと、当時聞いた事件を思い出す。

    『昨日、門柱に……首だけになった犬の死体が……』

    まさか……

    その夜はそれ以上、眠れなかった。

    次の日、彼はいつも通りだった。
    異常な面など、微塵も無い。

    私はお礼を言って、別れると水瀬財閥について調べた。
    驚いたことに、彼のいた小豆島に水瀬財閥の別荘があったという。

    私は、初めて彼に疑念を抱いた。

    448 = 1 :

    Pの回想3(プロデューサー失踪10年前)


    ただ堕ちていくだけだった俺に、人生の目標ができた。

    別荘で見た、あの少女を殺す。
    それを想うだけで、俺は陶酔と興奮を覚えた。

    夢で、何度もあの少女に会った。

    皮肉なもので、殺人のターゲットが定まったことで俺の精神は安定した。
    もはや、動物の虐待などに興味はなかった。
    俺が狙っているのは、もっと大物だ。
    美、そのものだ。

    その目標を達成するためには、どうすればいいのか?
    この島でくすぶっていては、到底無理だ。
    まずは東京に出て、水瀬財閥に近寄らないと……

    俺は、あの音無小鳥からの手紙に『俺は将来、東京へ出て働きたい。どうすればいいんでしょうか?』と書いて送った。
    確か、それ以前にも何かを書いて送った気もするが、内容は覚えていない。

    彼女からの返事は、相談に乗るし援助もするという内容だった。
    そして『今は先ず勉強に勤しみなさい。全てはそれからよ』と書き添えられていた。

    もっともだ。
    俺は彼女の助言に、感謝した。
    ほとんど生まれて初めて、誰かに感謝というものをした。

    東京に出るにしても、水瀬財閥に近づくにしても、学力や学歴は必要だ。
    俺は、勉強に没頭した。
    さして良くなかった成績は、少しずつ上がった。

    疲れたり、苦しい時も、あの少女を思い出すだけで忘れられた。

    449 = 1 :

    俺は奨学金を得る資格を得て、上京した。
    初めての都会だったが、何かにつけて小鳥さんが援助をしてくれた。
    勉学に勤しみながら、俺は水瀬財閥について調べていた。

    ある経済誌で、ついにあの少女の名前を見つけた時、俺は歓喜した。
    その夜は眠れず、伊織という名前を書き続けた。

    ついに俺は、ターゲットとする少女の名前を知った。

    水瀬伊織……
    俺が殺す者の名だ……

    やがて大学卒業がせまった俺は、水瀬財閥の関連企業への就職活動をしていた。

    そんな時、小鳥さんがとある芸能プロダクションに事務員として勤めることになった。
    765プロダクションというその事務所は、女性アイドルを主力に活動していく予定だという。

    自身もアイドルだった小鳥さんは、その経験を生かして仕事をするらしい。
    可愛い娘ばかりが、候補生だと自慢気に説明する小鳥さんは、その候補生達の写真を俺に見せてくれた。

    その中に、彼女がいた。
    水瀬伊織……
    見間違いようのない、美しい少女。
    あの時より更に、美しさに磨きがかかっていた。

    言葉を失う俺に小鳥さんは、まだプロデューサーが一人しかおらず、困っていると漏らした。

    俺は、自分がそのプロデューサーになりたいと、その場で嘆願した。

    小鳥さんは、頷くと社長に引き合わせてくれた。

    450 = 1 :

    小鳥の回想3(プロデューサー失踪約1年前)


    高木さん。いや、高木社長に誘われて私は彼が新規に立ち上げるプロダクションで働くことになった。
    既に候補生が何人もおり、その中に水瀬伊織ちゃんがいたことに、私は驚いた。
    なんでも、社長と伊織ちゃんのお父さんは昔からの知り合いで、その縁で頼まれたらしい。

    私は内心の動揺を表に出さないよう注意して、彼に候補生みんなの写真を見せた。
    予想していたように……
    いや、恐れていたように彼は伊織ちゃんの写真に釘付けになった。

    小鳥「でもまだ、プロデューサーが一人しか決まっていないのよね。プロデューサーがいない大変さは、私も身をもって知ってるし」

    「俺が! 俺でよかったらプロデューサーになりたい!」

    ああ……
    やはりそうなんだ。
    彼は、あの伊織ちゃんになんらかの特別な感情を持っているんだ。

    私は迷ったが、彼を高木社長に紹介した。
    話はすぐに決まった。


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