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    元スレまどか「それは まぎれもなく コブラだなって」

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    101 = 100 :


    第3話「忍び寄る足音達」

    ――― 巴マミ家。早朝に訪れたさやかを、マミは快く受け入れた。
    テーブルに置かれた、2人分の紅茶とお茶菓子。マミは静かに紅茶を飲むとテーブルに置き、優しく言う。

    マミ「…そう。決心、したのね…美樹さんは」

    俯いていたさやかはゆっくりと顔をあげ、強い意志の宿った瞳でマミを見つめる。

    さやか「…うん。あたし、もう迷わない。…でも、契約をする前にマミさんに伝えたほうがいいかなって」

    マミ「そうね。…とても嬉しいわ。私が言うのも何だけど、美樹さんは少し慌てん坊さんだから…ふふふ」

    さやか「あはは、バレてましたかー」

    マミ「…願い事は、やっぱり上条君の事かしら」

    さやか「… … …はい」

    マミ「…そこまで決心したということは、どうしても叶えたい願いなのね。後悔しない、確固たる決心が」

    さやか「…昨日、まどかとジョーさんが、恭介の病室に来てくれたんです。恭介、もう自暴自棄みたいになってて、暴れようとして…」
    さやか「あたし、もうその時自分でもワケわかんなくなっちゃって、いっそ今すぐキュウべぇと契約すればこんな恭介見なくて済むって考えちゃってた」
    さやか「でも…ジョーさんが、恭介を止めてくれらから。だからあたしも、恭介と同じように、少しだけ落ち着けた」

    さやか「あたしは、ずっと一人で恭介の事考えてるんだと思ってた。でも…実際は違ったんですね。マミさん、ジョーさん、まどか…みんな、心配してくれてるんだ、って」

    さやか「だから仮にあたしが魔法少女になっても、心細くなんてない。…戦い続けられる。そう思ったんです」

    102 = 100 :


    マミ「…そう。私も、鹿目さんと美樹さんに出会うまでずっと一人だと思ってたから、よく分かるわ」
    マミ「一人ぼっちで戦って、悩むのって…すごく苦しくて、悲しくて、辛い事」
    マミ「…魔法少女になる前に私に言ってくれてありがとう、美樹さん。…全力で、あなたのサポートをするわ」

    QB「話は終わったかな。それじゃあさやか、契約をしよう」

    さやか「…うん」

    マミ「…あ、そうそう。美樹さん、一つだけ訂正しておく事があるの」

    さやか「…?え?」

    マミ「あの人『ジョー・ギリアン』さん。本当の名前は違うらしいの。…「俺の名前は『コブラ』だ」って。昨日、あの後教えてもらったわ」

    さやか「…はは、やっぱり変な名前じゃん」

    マミ「私達は、仲間。…辛い時は一人で背負いこんだり、嘘や隠し事はしないで、みんなで助け合いましょう」

    さやか「… … …うんっ!!」

    QB「それじゃあ、さやか。君の願いを言ってごらん」

    さやか「あたしは――― 」

    さやかを包み込む光。そして生まれる、新たなソウルジェム。

    103 = 100 :


    レディ「おかえりなさいコブラ。出張はどうだったかしら?」

    コブラ「もう最高だね。魔女はうじゃうじゃ湧いてるわ、魔法少女には因縁つけられるわ、退屈って言葉が懐かしいくらい」

    タートル号内。
    人目につかない丘でレディと待ち合わせたコブラは、一旦タートル号で外宇宙へと飛び立った。

    レディ「…?これは?」

    レディにグリーフシードを一つ手渡すコブラ。

    コブラ「相棒にプレゼントさ。大事にしてくれよ」

    レディ「まぁ、ありがとう。…どうせならもっと綺麗な宝石がいいのだけれどね、フフ」

    コブラ「そいつはまた後でのお楽しみ。とにかく、そいつをタートル号の方で解析しておいてくれ。何か分かるかもしれん」

    レディ「オーケー。それじゃ、朝食だけでも食べて行く?用意しておいたのよ」

    コブラ「ワオ!嬉しいねぇ、ここんところレディの手料理が恋しくって恋しくって!」

    レディ「その割には、マミとかいう子の家で随分と嬉しそうに御馳走になっていたようだけれど?」

    コブラ「…ははは、こいつぁ厳しいや」

    104 = 100 :


    仁美「ふぁぁぁ…」
    仁美「…!やだ、私ったら、はしたない」

    まどか「仁美ちゃん、眠そうだね」

    仁美「なんだか私、夢遊病というか…昨日気が付いたら大勢の人と一緒に倒れていて。それで病院やら警察やらで大変だったんですの」

    まどか「…それは、大変だったね」
    まどか(救急車呼んだのもパトカー呼んだのもわたしなんだけどね…。…もうっ!ジョーさん…じゃ、なかった、コブラさんが行っちゃうから…)
    まどか(ふぇぇ…わたしも眠くて死にそうだよ…)

    仁美「…ところで、さやかさんはどうしたのでしょう?まだ学校に来ていないみたいですけれど…」

    まどか「…うん。何かあったのかな…さやかちゃん」

    仁美「毎日元気に登校していましたのに…おかしいですわ」

    まどか(…まさか、何かあったんじゃ…!)

    「はーい、みんな揃っているかしらー?それじゃあ朝のHRを…」
    さやか「ごめんなさーーーいっ!!遅刻しましたーーーっ!!」
    「!!!」

    早乙女先生が教室に入ろうとした矢先、後ろから大慌てで来たさやかが前にいた先生に気付かず教室内に突進してくる。
    その体当たりを食らった先生は、衝突事故のような勢いで黒板に頭からぶつかるのだった。

    さやか「…あ」
    まどか「…あ」

    「… … …」

    「美樹さんはいつも、とっても元気ねぇ…?…先生も、とっても、嬉しいワァ…」ニコニコ

    そう言いながら満面の笑みを浮かべる先生の背後には、ドス黒いオーラが禍々しく煙をあげていた。

    さやか「ぎゃあああああああああ!!すいませんすいませんすいませんーーっ!!」

    まどか(…良かった、いつも通りのさやかちゃんだ…)

    105 = 100 :


    そして、昼。各々の生徒が昼食を持ち、それぞれの食事場所に分散していく。

    さやか「ね、仁美。顔色悪いし、お昼は保健室借りて休んでれば?少し寝たほうがいいよ」

    仁美「え…?でも、私は単なる寝不足で…」

    さやか「だからこそだよ。放課後にいつものお稽古事もあるんでしょ?今のうちに休んでおかないと身体壊しちゃうよ?」

    仁美「… … …そうですわね。それでは、そうさせてもらいましょう」

    さやか「よっし、それじゃ、保健室まで一緒するよ。ほら、まどかも一緒に」

    まどか「え?う、うん…」

    仁美「申し訳ございません、さやかさん、まどかさん」

    さやか「いいのいいの、途中で倒れたら大変だし、行こう行こう」

    まどか(…どうしたんだろ?さやかちゃん。…なんだか、仁美ちゃんを保健室に行かせたがってるみたい)

    仁美を保健室まで送り届けると、さやかはまどかの方を振り返る。

    さやか「さ、まどか。一緒にお昼食べよっ、屋上で」

    まどか「屋上…?」

    さやか「実はさ、呼んであるの。マミさんと、コブラさん!」

    106 = 100 :


    まどか「魔法少女に!?」
    コブラ「なったぁ!?」

    さやか「うん、今朝にね。…2人にも、ちゃんと伝えないといけないと思って」

    まどか「ど、どうして…?」

    さやか「まぁ、理由は色々あるんだけどさ。…何より、あたしの叶えたい願い、しっかり見つけられたから。後悔なんてしない、命懸けでも、叶えたい願いが」

    コブラ「…」

    マミ「私と相談をしたの。願いのためなら、その命を戦いに捧げても構わない…その決意があるから、キュウべぇとの契約を、しっかり見届けさせてもらったわ」

    QB「そして願いは叶えられ、さやかは魔法少女になったというワケさ」

    さやかの手には、太陽に照らされ、煌めく青のソウルジェムの指輪があった。

    まどか「…やっぱり、上条くんの事?腕を…治したの?」

    さやか「…うん。昨日はありがとう、まどか、コブラさん。2人が来てくれたから、あたし、決められたんだ」
    さやか「ずっと考えてた。マミさんが言ったように、他人の願いを叶える前に自分の願いをはっきりさせる、って事。あたしは、恭介の何になりたいんだ、って」
    さやか「昨日、恭介の腕の事…ずっと治らないってお医者さんに告げられた、って2人とも聞いてたよね?…その時ね、あたし、もう自分なんかどうなってもいいから恭介の腕を治したいって考えたんだ」

    さやか「でも、それは少し違うんだって…その後分かったの。…あたしには、仲間がいる。先輩のマミさんが、コブラさんが…そして、あたしの可愛い嫁のまどかがね、えへへ」
    さやか「あたしがどうしようもなく自暴自棄になっても、助けてもらえるかもしれない。…逆に、誰かがピンチになったら、あたしが救えるかもしれない!」
    さやか「恭介も、マミさんも、コブラさんも、まどかも、助けられるかもしれない!…だから、どんなに怖くても大丈夫だって!…そう思って、あたしは魔法少女になった」

    107 = 100 :


    さやか「後悔なんて一つもしていないよ。魔法少女が叶えられる願いは一つだけど、あたしが叶えられる願いは、無限大なんだからっ!」

    コブラ「…いい目になったな、さやか。そんな顔が出来るなら何も心配する事ないぜ」

    マミ「でしょ?…ふふ、私の後輩は優秀なのよ」

    さやか「でへへ」

    まどか「… … あの、その…わたし、わたしっ…!」

    さやか「…まどか」

    さやかはゆっくりとまどかに近づくと、頭にポンと右手を置いて、にんまりと歯を見せて笑う。

    さやか「あんたが引け目を感じる事は何も無いの。まどかはいつも通り、あたしの友達で、可愛いおもちゃで、さやかちゃんの嫁でいてくれればいいのだー!」

    まどか「えぇぇ…それもちょっと…」

    マミ「…鹿目さんは、魔法少女にちょっと詳しい、普通の中学生。それでいいと思うの。…だから、これからもよろしくね?私達の、大切な仲間なんだから」

    まどか「…はい」

    QB「…」

    コブラ「出来れば、疲れたらマッサージとかもお願いしたいねぇ。特にマミは重い物ぶら下げて肩こりが酷い…いででででっ!」

    笑顔でコブラの足を踏みつけるマミ。

    108 = 100 :


    さやか「3人とも、放課後は空いてる?ちょっと来て欲しいところがあるんだ」

    まどか「…?」

    さやか「へへ、実は恭介にサプライズプレゼントしようと思ってね。ま、とにかく暇なら病院まで来てよ、詳しくは後で教えるからっ!」

    マミ「…ふふふ、美樹さんの事だから何となく想像ができるけれども、楽しみだわ」

    さやか「えへへへ…それじゃ、また後でっ!」

    さやかはそう言って元気に手を振ると、屋上から慌ただしく出ていく。

    まどか「さやかちゃん、魔法少女になって…良かったみたい。あんなに嬉しそう」

    コブラ「…ああ。頼もしい仲間になるぜ、ああいう目をした奴はな」

    マミ「そうね。…私も張り切って後輩の指導にあたらなきゃ」

    まどか「…えぇと…ところで、コブラさん。あの、ここ学校の敷地内なんですけれど…よく入り込めましたね…?」

    コブラ「ん?なぁーに、忍び込むのは俺の専門なんでね。必要なら監獄でも軍事基地でも銀行でも、どこでも潜り込める」

    マミ「…あまりおススメできない特技よね、正義の魔法少女の仲間としては」

    109 = 100 :


    ――― その後。

    さやか「そっか、退院はまだ出来ないんだ」

    恭介「うん、足のリハビリがまだ済んでないしね」

    さやか「でも、本当に良かった…恭介の手が動くようになって」

    恭介「…さやかの言っていた通り、本当に奇跡だよね、これ…」

    さやか「…」

    自然に笑顔になるさやか。

    恭介「… … …」

    さやか「…どうしたの?」

    恭介「さやかには…酷いこと言っちゃったよね。それに、さやかの友達にも。…いくら気が滅入ってたとはいえ…」

    さやか「変な事思い出さなくていいの。あたしが皆に謝っておいたし…今の恭介は大喜びして当然なんだから。そんな顔しちゃだめだよ」

    恭介「…うん」

    さやか「…そろそろかな?」

    恭介「?」

    さやか「恭介、ちょっと外の空気吸いに行こ?」

    110 = 100 :


    恭介「さやか、屋上に何か用なの?」

    さやか「いいからいいから」

    屋上へと上がるエレベーター。車椅子のハンドルを握るさやか。不安そうな恭介。
    そして、屋上へ到着したエレベーターの扉が開く。その向こうには…。

    恭介「…!みんな…!」

    上条恭介の家族、病院関係者…そして、鹿目まどか、巴マミ、コブラ、それぞれの姿があった。

    皆、恭介の復活を心待ちにしていた人達ばかり。恭介とさやかは、拍手に出迎えられた。

    さやか「本当のお祝いは退院してからなんだけど、足より先に手が治っちゃったしね」

    歩み寄る、恭介の父親。そして差し出されたのは、以前愛用していたバイオリン。

    恭介「…!それは」

    恭介父「お前から処分するように言われていたが、どうしても捨てられなかった」
    恭介父「さあ、試してごらん」

    少し戸惑いながら、それを受け取る恭介。しかし、戸惑いはやがて微笑みにかわり、弦がしなやかに美しい音色を奏で始める。

    まどか「わぁ…!」
    マミ「素敵な音色ね…」

    コブラ「酒の合いそうな音色だね。一杯ひっかけてもい…いでででででーーーっ」

    笑顔でコブラの足を踏みつけるマミ。

    さやか(…後悔なんか、あるわけない。…まどか、マミさん、コブラさん)
    さやか(あたしの願い、叶ったよ)

    111 = 100 :


    ――― その様子を近くの観光タワーから見つめる杏子。そしてその傍にいるキュウべぇ。

    杏子「マミに加えて、謎の魔法少女、ワケの分からない筋肉男…更に新しい魔法少女、ねぇ。見滝原も随分騒がしくなったもんだ」

    QB「ボクにもわけがわからないね。元々魔女の発生率が他の都市と比べて桁違いに高い場所だから魔法少女が増えるのは納得が出来るけど、ボクの知り得ない人間が2人もいるなんて」

    杏子「まぁ、いいさ。アンタの言っている通り、ここは絶好の狩場だ。…それに、新人が1人くらい増えたところでアタシにとっちゃどうってことないね」

    QB「とるべき行動は色々多いようだね。どこから手をつけるんだい?」

    杏子「ふん…」

    杏子「とりあえず、新人に先輩が教育でもつけてやる、ってのはどう?」

    112 = 100 :


    ――― 少し時間が経って、高いビルの屋上。先程までの病院の様子を観察していたほむらは、物思いにふけていた。

    ほむら「…美樹さやか」

    ほむら(彼女も、魔法少女に…。まぁ、予想の範疇ね、今まで何度かその世界も見てきた)
    ほむら(あとは佐倉杏子。私が知る見滝原に集う魔法少女は、まどかも含めて…五人)
    ほむら(…あの男を除いて)

    その時、ビルの屋上の扉が開いて誰かが入ってくる。

    ほむら「!?」

    驚いて振り返るほむら。そこに現れたのは、まどかだった。

    まどか「…ほ、ホントにこんな所にいたんだ、ほむらちゃん…!」

    ほむら「… … …どうして?」

    まどか「え、えっとね…?コブラさんが、あっちのビルの屋上にほむらちゃんがいる、って教えてくれて…」

    ほむら(有り得ない…病院からこのビルまで、数百m離れているのよ。私だって、魔法を使って観察していたというのに…)

    113 = 100 :


    ほむら「…それで、私に何か用かしら?」

    まどか「あ、そ、そうだよね…。急に来てごめんね、ほむらちゃん。えっと…その、さやかちゃんが、魔法少女になったの」

    ほむら「知っているわ」

    まどか「え!?し、知ってるの!?」

    ほむら「ええ。…それで?」

    まどか「う…だから…新しい魔法少女も、1人増えたから…」

    ほむら「私も、貴方達の仲間になれと言うのかしら」

    まどか「… … …うん。マミさん、凄く頼りになるし、さやかちゃんだって一生懸命頑張ろうとしてる。…コブラさんは…あはは、よく分かんない人だけど、とっても強いし…」
    まどか「だからね、ほむらちゃんも…私達と一緒に戦ったら、きっと…」

    ほむら「…」

    まどか「きっと…私達、ほむらちゃんの力になれる。だから…」

    ほむら「…」
    ほむら(力に…なれる。魔法少女が私の力になれなかった時間が、幾つあったかしら)
    ほむら(ある時は力及ばずワルプルギスの夜に負け、ある時は互いを殺し合い…ある時は)
    ほむら(私自身が、その魔法少女…まどかを、[ピーーー]時も…っ!)

    114 = 100 :


    まどか「…ほむらちゃん、前にマミさんに言われてたよね?グリーフシードの奪い合いじゃなくって、ほむらちゃんは何か別の意志があって戦ってるって」
    まどか「わたしにも分かるの。ほむらちゃんは、絶対に…『何か』をしようとしているって」

    まどか「そしてその何かを、私達のためにしてくれているって」

    ほむら「…!」

    まどか「わたし…まだ、魔法少女になれなくて。臆病で、弱虫で、嘘つきだから…」
    まどか「でも、私は少しでも力になりたいの。さやかちゃんの、マミさんの、コブラさんの…そして、ほむらちゃんの!」
    まどか「だから…一緒に戦って、みんなで頑張ろうよ。みんなで、魔女を…!」

    ほむら「…甘いわ」

    まどか「!」

    ほむら(私達全員…五人の力を使えば、ワルプルギスの夜に勝てるかもしれない。でも、そう信じるたびにどこか歪が起きて、私達は夜を迎える前に崩れていった)
    ほむら(あと二週間、私達が力を合わせてしまえば、きっと…どこかで私達は崩壊してしまう。だから私は、一人で時間を繰り返してきた)
    ほむら(…でも…)
    ほむら(この時間軸では…私はどうするべきなの?…今度こそ、ワルプルギスの夜を迎えられ、倒せて…まどかと朝を迎える事が出来る?)
    ほむら(… … …)

    ほむら「…私達魔法少女は皆、誰かを救えるほど余裕があって戦っているわけじゃないの」

    まどか「…ぅ…」

    ほむら「叶えた願いの代償を支払うために、必至に戦って、その命を削っている。…だから、仲間として戦うなんて、出来るはずがない」

    まどか「…」

    ほむら「…でも、考えておくわ」

    まどか「… …え!?」

    ほむら「少なくとも私は、貴方達の敵じゃない。…それだけは覚えておいて」
    ほむら「貴方が私の忠告を忘れないと約束をしてくれるならの話だけど」

    まどか「!!! …う、うんっ!!…ありがとう、ほむらちゃん!!」

    心からの笑みを浮かべる、まどか。その笑顔につられ、ほむらの表情も少しだけ緩んだ気がした。

    115 = 100 :


    ――― その一方、コブラ達のいた世界での話。

    タートル号が、ブラックホールに飲み込まれた宙域付近。そこに停泊をしている、二つの宇宙船があった。
    いずれの船も『海賊ギルド』の紋章が刻み込まれている。その二つの船同士の交信。

    ギルド幹部「『ソウルジェム』というものを知っているかね?クリスタルボーイ」

    ボーイ「知らんな」

    ギルド幹部「だろうな。太古の昔…いわばおとぎ話に登場するような、陳腐な噂だからな。…だが、もしそれがあれば…我々は宇宙そのものを塗り替えられるかもしれんのだ」

    ボーイ「そんな話のために俺を雇ったというのか?」

    ギルド幹部「ククク…そう言うな。これは確かな情報なのだ」
    ギルド幹部「この付近で観測されたブラックホール…。今はもう消滅してしまっているが、我々がそのブラックホールのデータの解析に成功した」
    ギルド幹部「そしてそのブラックホールが行きつく先…その先に、一つの反応があったのだよ」

    ボーイ「ほう」

    ギルド幹部「我々の知るところによる、ソウルジェムという宝石…伝えられているデータに似たエネルギーの反応がな。非常に強いパワーを秘めた宝石だ」
    ギルド幹部「その石の力は強く…伝説では、どんな願いでも一つだけ叶える事が出来る程の力を秘めた物と言われているのだ」

    ボーイ「くだらんお伽話だな。それで、俺にその石コロを探しに行けというのか。ギルドにも随分舐められたものだ」

    ギルド幹部「そう言うなクリスタルボーイ。…お前をこの役に選んだのは、理由がある」

    ギルド幹部「そのブラックホールに、飲み込まれた船が一隻あった。…タートル号だ」

    ボーイ「…!コブラ…」

    116 = 100 :


    ギルド幹部「我々のこの時代に、ソウルジェムは存在しない。だが、ブラックホールの先には確かに、太古の昔に存在したといわれるソウルジェムのデータに似た反応が出ているのだよ」
    ギルド幹部「だがホール事態は非常に小さいものでね。ギルドの艦隊が入り込めるほどではない。まして、銀河パトロールとの抗争もあって戦力をそちらに削る事もできない」

    ボーイ「…つまり、俺に乗り込めと?」

    ギルド幹部「君が適任なのだよ、クリスタルボーイ。依頼は必ず遂行する、無敵の殺し屋…まして君は、そのコブラに因縁があるのだろう?」

    ボーイ「…」

    ギルド幹部「我々ギルドの繁栄に、ソウルジェムが必要なのだ。そしてこれは本部からの直々の命令だ。…行ってくれるな、クリスタルボーイ」

    ボーイ「…いいだろう。くだらんお伽話に付き合ってやる」
    ボーイ「…ソウルジェムを手に入れ、コブラを、この手で…。…舞台としては上出来だ」

    ギルド幹部「必要なら部下も数名つけるが?」

    ボーイ「必要ない。宝石の数個など、俺一人で十分だ」
    ボーイ「コブラもそうであるように…俺も、殺しに関しては一人の方が仕事をしやすいんでね」

    ギルド幹部「いいだろう。それでは、君の船の前に人工ブラックホールを作る。また、君の船にもその装置を用意しておいた。帰還の時に使用したまえ」

    クリスタルボーイの乗る小型の船の前に、黒い渦が巻き起こる。そして、それに飲み込まれていく一隻の宇宙船。

    ボーイ「クックック…俺とお前とは、やはり深い因果で結ばれているようだな。…今度こそ貴様の息の根を止めてやる…コブラ!」

    117 = 100 :


    ―― 次回予告 ――

    さやかの特訓が始まった!一人前の魔法少女になれるよう、俺も勿論手伝うつもりだぜ。
    だがそう簡単な話じゃないみたいだ。あの赤い魔法少女が、今度はそのさやかに因縁をつけてきた。
    一方、俺の方にも一人、厄介な来客が現れやがった!クリスタルボーイぃ!?ったく、ゴキブリ以上にしつこい野郎だねあのガラス人形は!
    だがヤツの目的は俺を倒すだけじゃないみたいだ。何か別の目的があるらしいんだが…ロクでもない事に決まってるな!お前の思い通りにはさせねぇぜ!


    次回【ソウルジェムの秘密】で、また会おう!

    118 = 100 :

    NGワードが…orz
    >>113 訂正
    × ほむら(私自身が、その魔法少女…まどかを、[ピーーー]時も…っ!)
    ○ ほむら(私自身が、その魔法少女…まどかを、殺してしまう時も…っ!)

    というわけで3話終了です。私って、ホント、地味。
    皆様のおっしゃられている通り、コブラを出すにあたってどうしてもクリスタルボーイも…という欲望に従順になってしまい、今回の登場となりました。
    上手く物語に絡ませられるか、皆様からどう映るか不安でいっぱいなところですが、しっかりやっていきたいと思います!
    コメント、イラスト、議論…本当にいろいろとメッセージをいただき、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします。
    それでは、また会おう!

    119 :

    >>1乙ヒュー!

    120 :

    うるさい!そんな事より>>1乙だ!!

    121 :

    双樹リタルボーイ化の予感!

    122 :

    乙!やっぱり来やがったか!!
    つーかマミさんが段々レディみたくなってきたな
    重いもののくだりで腹痛くなったww

    123 :

    乙ですたー!
    クリボー来たー!!

    クリボー「よーし!今日はマミマミでオ○ニーだ!!」

    コプラ「お前・・・まさかそれが目的かぁ??」

    まどか「そ、そんなの絶対おかしいよ///」

    124 = 96 :

    なんだろう、コブラさんが居るだけでバイオリンケースにサイコガンが入ってる様にしか思えないww

    125 :

    クリボー「魔法少女が色々消耗してくると、ソウルジェムの中身がドロドロに濁ってくるだろ?」



    クリボー「あのドロドロを何かに利用出来ないかな?」

    126 :

    乙!
    なるほど、一応世界観としては繋がってる設定なのか

    127 :

    クリボー「QBを銃で打つとドロドロした白い何かになるだろ」



    クリボー「あれを何かに利用できないかな!?」

    128 = 100 :

    クリボーネタがひどすぎるwwww

    クリボー「なんでお前が鬱クラッシャーで俺がオ○ニーキャラなんだーッ!!」

    129 :

    130 :

    NGワードはEメール欄にsaga(さげじゃなくてさが)って入れれば自動解除されるってばっちゃが言ってた。

    131 :

    >>129 なんてことをするつもりなんだwww

    1乙!

    132 :

    >>130
    こ、こうでしょうか…?

    133 :

    乙でした!
    続きが気になりますね、らしい!

    134 = 130 :

    >>132
    うん、そう。それからアッシのEメール欄のようにsage sagaってすると、sageとsagaが同時に発動する。
    sageたい時はそうするといいよって話。

    135 = 132 :

    ありがとうございました…!初心者でホント申し訳ない…!

    136 :

    >>1乙。
    確かにsagaが無いせいで、1~2話の「魔力」や「浮遊」って単語が「魔翌力」「浮翌遊」になってるなw

    137 :

    期待っす。コブラって、懐かしいなぁ

    138 :

    このSSだと、まどマギの世界がコブラの世界の直接の過去っぽいけど
    コブラの時代にインキュベーターの立場ってどうなってるんだろう

    139 :

    >>138
    絶対的善であるアフラマズタ側ではない事は確か。
    つかこの話題は危険だな。この先のネタ展開について触れちまうかもしれない。

    140 :

    >>138
    ソウルジェムが伝説になってることから思うに、古代火星人みたいに滅んでる可能性もあるんじゃないかな。インキュベーター

    141 :

    こんなスレができていたとは…
    ヒューッ!

    142 :

    1です、お世話様です!
    4話の調整ができましたので次より投稿してまいります!
    つたないSSですが、スペースコブラを聞きながら待機していただけると幸いですw
    それでは、よろしくどうぞ!

    143 = 142 :


    第4話「ソウルジェムの秘密」


    さやか「く、ゥ…ッ!はぁ、はぁ…!」

    美樹さやかは、苦戦をしていた。
    青の魔法剣士に対するのは、落書きの魔女・アルベルティーネ。弱ったさやかに対しここぞとばかりに使い魔を繰り出してくる。
    魔女の攻撃は、落書きを実体化させ突進をさせる事。飛行機の落書きにのった使い魔達は次々とさやに特攻し、襲い掛かってきた。

    さやか「ぐ…このぉッ!!」

    さやかは剣で次々と使い魔を斬り捨てていくが、それだけに留まってしまっている。魔女の攻撃を防ぐ事に精一杯で踏み込めない。完全なる劣勢。

    さやか(駄目…突破口が見えないっ…!このままじゃあ…!)

    まどか「ね、ねぇ、マミさん、コブラさん!やっぱりさやかちゃん一人じゃ無理だよっ!助けてあげないと…っ」

    マミ「…」

    コブラ「…さやか、助けが必要かい?」

    だがコブラの問いかけに、さやかは力強く答える。

    さやか「必要ないッ!!あたしは…まだやれるッ!!」

    まどか「…そんな、さやかちゃん…!」

    144 = 142 :


    さやか(このままじゃ、いずれあたしの体力が尽きて、負ける…!)
    さやか(…それならいっそ…!)

    さやか「でやあああああッ!!」

    マミ「…っ!美樹さん!?」

    決心をしたさやかは、勢いよく魔女に向けて駆けていく。つまり、防御を完全に捨てた体勢。使い魔達の突進を次々と受けるが、それでもさやかが止まる事はない。
    攻撃を受けた瞬間に、回復。彼女の契約が癒しの祈りによるものなので、ダメージに対する回復力は他の魔法少女とは桁違いにある。さやか自身がそれを知っているのだった。

    だから、捨て身の特攻に全てを賭ける。

    「!!」

    この特攻に魔女も驚いたのか、涙を流すような悲しい表情を浮かべる。だがそんな事は構いもしない、魔女の眼前までさやかは迫っていた。

    さやか「これで、トドメだぁーーーっ!」

    魔女の眉間に、剣を突き刺す。
    血のような黒い液体が噴出したかと思うと、魔女は消滅した。

    そして結界が解かれ、四人は元いた路地裏へと戻る。

    さやか「はぁ、はぁっ…!」

    さやかの手には、魔女を倒した証…グリーフシードがしっかりと握られていた。

    145 = 142 :


    まどか「さやかちゃんっ!」

    膝をつき、荒く息をするさやかに駆け寄るまどか、マミ、コブラ。まどかはいち早くさやかに駆け寄ると力の抜けたようなさやかを抱きしめた。

    さやか「へ、へへ…あー、やっぱりまどかはあたしの嫁だねー」

    まどか「さやかちゃん…っ!大丈夫…!?あんなに、あんなに無理しなくても…!」

    涙を浮かべながらさやかをギュッと抱きしめるまどか。

    さやか「無理しなくっちゃ。あたしも早く、一人前の魔法少女にならなくっちゃね。…どうだったかな、マミさん。あたしの戦い方」

    初めての実戦、魔女との戦いにさやかは一人だけで戦いたいとマミとコブラに申し出た。初め、マミは反対をしていたがさやかの強い希望があり、それを通してしまった。

    マミ「…そうね。初めての戦いにしては上出来よ。自分の魔法能力をもう理解しているし、それをしっかり活かせている」
    マミ「ただ…少し、美樹さんの戦いは捨て身すぎるわ。あんなにダメージを受けてしまっては、ソウルジェムの濁りも強くなってしまう」

    言いながらマミはさやかに近づき、さやかのソウルジェムとグリーフシードをくっつけ、穢れを取り除いた。ソウルジェムは光を取り戻し、さやかもまどかからそっと離れ、立ち上がる。

    さやか「でも、あたしの持ち味ってそれくらいしかないと思うし…」

    マミ「だからこそよ。ああいう戦い方は余程苦戦した時だけにしないと…。コブラさんはどう思う?」

    コブラ「ああ、悪い。さやかの肌に見とれて戦いに集中できなくってね。いやー、なかなか露出度の高い衣装だ。三年後が楽しみだぜ」

    さやか「え… お、おわぁぁっ!?」顔を赤くするさやか。

    マミ・まどか「…」

    コブラ「ハハ…ハって、あ、いやぁ、ジョーダンだよ、ジョーダン」

    146 = 142 :


    QB「それじゃあ、その真っ黒になったグリーフシードはボクが貰おうか」

    さやか「?どうするの?」

    キュウべぇにグリーフシードを手渡すさやか。そしてキュウべぇは、そのグリーフシードを背中に取り込む。

    QB「きゅっぷい」

    まどか「えぇ!?た、食べるの!?」

    QB「これもボクの役目だからね」

    コブラ「随分な偏食だな。あんなもの、健康に良くっても食う気にゃなれないぜ」

    QB「別に好き好んで食べるわけじゃないよ。ただ、あのままじゃあグリーフシードが魔女化してしまうから」

    コブラ「…」
    コブラ(やはりおかしいな、グリーフシードは魔女から生まれる種だ。そいつが魔法少女の穢れを吸い込むと、再び活性化し、魔女が孵化するだと?)
    コブラ(そもそも、その穢れとかいうシステムとそいつを吸い込む種…。つまり魔法少女と魔女は、単なる別種族じゃない事を現している)
    コブラ(…ソウルジェムとグリーフシード。そして、そいつを食らうキュウべぇ。やはり全ては無関係じゃないって事だな)

    マミ「どうしたのかしら?コブラさん」

    コブラ「いや、マミの肌もなかなか綺麗で悪くないなと感心していてね」

    マミ・さやか・まどか「…」

    コブラ「すいませんでした」

    147 = 142 :


    マミ「さてと、それじゃあそろそろ解散にしましょうか?今日の見滝原パトロールと特訓はこれまでよ」

    さやか「うん、まどかもマミさんもコブラさんも、付き合ってくれてありがとう!」

    マミ「大切な後輩のためだもの、当然よ。それに、美樹さんは覚えが早いから…確実に成長しているわ。次からは、一緒に戦いましょう」

    さやか「…!は、はいっ!」

    コブラ「さぁーて、それじゃあ巴さんのお宅でディナーパーティとしゃれ込みますかね」

    まどか「あ、あの…わたしもお邪魔していいですか?」

    マミ「ええ、勿論大歓迎よ。一人で食べるのよりずっと楽しいし…それに、鹿目さんも大切な後輩ですもの。」

    まどか「ありがとうございますっ! …ティヒヒ、実はお夕飯、マミさんのお家で御馳走になるって言ってきちゃったんです」

    マミ「うふふ、それなら大丈夫ね。」

    さやか「あ、ごめんなさいマミさん!あたしは、ちょっと寄るところがあって…」

    マミ「あら、そうなの…?残念ね」

    まどか「さやかちゃん、寄るところって、どこか行くの…?」

    さやか「な、なんでもないのっ!大したところじゃないからっ!…それじゃみんな、また明日ーっ!」

    何か慌てたように夜道を駆けていくさやか。それを見送る三人。そして…。

    コブラ「… … …それじゃあ、尾行開始といきますかぁ。にぃひひ」

    マミ「ええ、うふふ」

    まどか「ウェヒヒヒヒ」

    QB「人間は何を考えているのか分からないね」

    148 = 142 :


    ――― 上条恭介家の玄関先。
    聞こえてくる美しいバイオリンの音色は、そこに恭介がいる事を証明していた。
    しかしさやかは、その音色を玄関先で聞いているだけだった。

    さやか「…」
    さやか(恭介…退院したなら連絡くれればいいのに…)
    さやか(…練習、してるんだ…)
    さやか(…)

    そっと踵を返すさやか。しかし、その先には一人の少女が立っていた。

    さやか「!」

    杏子「折角来たのに会いもしないで帰る気かい?随分奥手なんだねぇ」

    さやか「だ、誰…?」

    杏子「…この家の坊やのためなんだろ?アンタが契約した理由って」

    さやか「…ッ!アンタも、魔法少女…!?」

    杏子「…おいおい」
    杏子「先輩に向かって『アンタ』はねーだろ?生意気な後輩だね」

    149 = 142 :


    その様子を、物陰から見ている三人。

    コブラ「…げぇ、アイツは…」

    まどか「あの時の人…!今度はさやかちゃんに襲い掛かるつもり…なのかな…?」

    マミ「あれは…佐倉さん…!」

    コブラ「!?知り合いか、マミ」

    マミ「ええ。…二人も佐倉さんに会ったことがあるの?」

    コブラ「会ったなんてもんじゃないよ。この間、熱烈な歓迎を受けたところでね」

    マミ「おかしいわ、佐倉さんは隣町を中心に魔女を狩っていた筈なのだけれど…」

    まどか「この前はコブラさんを襲ってきたんです…。さやかちゃんに…何か用事、なのかな」

    マミ「とにかく、私が直接話を…」

    コブラ「いや、ここは少し様子を見ておこうぜ。かの女が何を目的にしているのか分からない。…危なくなったらすぐ前に出る準備はしておいて、な」

    マミ「…そう、ね」
    マミ(…佐倉さん…)
     
    QB「…」

    マミはソウルジェムを握り、コブラは左腕に右腕をかけながら、その会話を聞いている。

    150 = 142 :


    杏子「一度だけしか叶えられない魔法少女の願いを、くだらねぇ事に使いやがって。願いってのは自分のためだけに使うもんなんだよ」

    さやか「…別に、あたしの勝手でしょ!アンタなんかに関係ない!」

    杏子「…気に入らないね」
    杏子「そういう善人ぶってる偽善者とか、何を捨てても構わないとか考えてる献身的な自分に惚れてる姿とかさ」
    杏子「…ホント、気に入らない」

    さやか「…もう一度言うよ。あたしが何を願おうと、何のために戦おうと…アンタには関係ない事でしょ。何?それとも単なる憂さ晴らし?」

    杏子「… …美樹さやか…だっけ?魔法少女として、あんたにちょっと指導にきたのさ」

    さやか「必要ない。あたしには…仲間がいる」

    杏子「…ぬるい。ま、指導ってのは建前さ。…実はあたしも、見滝原で活動を始めようと思ってね」

    さやか「え…」

    杏子「ここの魔女の発生頻度、異常に高いんだよねぇ。…まるで、何か大きな事が起きる前触れ、みたいな感じに。まぁとにかく、魔法少女としては絶好の狩場なわけ」
    杏子「それなのにあんたらときたら特訓だの何だの…しまいにゃ、魔女になるであろう使い魔ですら倒しちまう始末だ。グリーフシードを集めるのに効率が悪すぎるんだよ」

    さやか「…!放っておけって言うの!?」

    杏子「人間四、五人食わせりゃ、アイツらは魔女に成長する。弱い人間を魔女が喰らい、あたしら魔法少女がその魔女を喰らう。…基本的な食物連鎖の話さ」

    さやか「…!」
    さやか「違う…間違ってる!!魔法少女っていうのは…。魔女から人を守るのが魔法少女なの!!…人を守らなきゃいけないのに、魔女に成長させるために人を食べさせるなんて、そんなの、間違ってる!」

    杏子「…ばーっかじゃねーの。くだらない…くだらないくだらないくだらない。やっぱどこまでいっても巴マミの後輩だね」

    さやか「っ、マミさんの事…知ってるの!?」

    杏子「…どうでもいいじゃん。…それよりさぁ、アタシにいい考えがあるんだけど、どう?」


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