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    元スレほむら「魔法少女の日常」

    SS+覧 / PC版 /
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    タグ : - まどほむ + - 暁美ほむら + - 魔法少女まどか☆マギカ + - 鹿目まどか + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    351 :

    >>349
    > もう何も怖くない!
    > そう言いかけたけど、縁起が悪いのでそれはやめておく。

    ナイス回避

    352 = 348 :

    まどかも満面の笑みを返してくれた。

    「ごめんなさい、三十路の魔女」

    不格好な枯れ木みたいな魔女に向き直り、私は呟いた。

    今の言葉がカチンときたのか、魔女の顔が割れているブラウン管以外に三つ、にょきりと増えた。

    最初に壊れたブラウン管の暗い奥には、一つだけの人間の目玉が、ぎらんと輝いて睨み付ける。

    ああ。そうなのね。

    353 = 348 :

    あれが、貴女の『目』なのね。

    そして、ブラウン管のそれぞれに何かが映し出された。

    あれは、過去の私。

    弱い私。

    卑怯な私。

    情けない私。

    354 = 348 :

    いろんな私が映っている。

    でも。

    「ごめんなさい。効かないわ」

    魔女が、まったく変わらない私を見てぎょっと身をひるませた。

    「私には、帰る場所が、帰りたい場所があるの」

    「もう一度手を繋ぎたい人がいるの」

    355 = 348 :

    「一生、その手を離したくない人がいるの」

    「そして、その人と同じくらい大切にしたい人達もいるの!」

    「みんなと生きる! その為に、そんな過去を引きずる訳にはいかない!」

    その時、まどかに向かってミラーボールの使い魔が一体襲いかかる。

    私は盾からデザートホームルを取り出し、迷い無く撃った。

    ミラーボールは粉々になって砕け散る。

    356 = 348 :

    「あいたたっ!」

    と、ガラス片がまどかに降り注いだ。

    「ああああっ! ごっごめんなさいまどかあぁっ!」

    「ウェヒヒ。全然平気だよほむらちゃんっ!」

    まどかが指をぐっと突き出す。

    ああ、ちゃんとサムズアップで良かった。

    357 = 348 :

    「だから、ほむらちゃん!」

    「ええ!」

    大丈夫よ、まどか。

    私はもう迷わない。

    最後の一発を撃ち、空になったデザートホームルはその誓い。

    もう使う事は無いだろうそれを盾に仕舞い、もう一度魔女に向き直る。

    358 = 348 :

    この力は、貴女を守るために使う。

    死ぬためでは無い。

    生きるために。

    生きていられる最後の最後まで、私は生きる。

    「私は…生きる!」

    「そうこなくっちゃ!」

    359 = 348 :

    突然、背後から声がした。

    「さやか?!」

    振り向くと、そこには剣を周囲に並べ立てたさやかが仁王立ちしていた。

    赤い目に、満面の笑みを添えて私を見ている。

    「面白くねぇぜ!」

    頭上から声。

    360 = 348 :

    見上げると、槍を多節棍状に振り回して宙を跳ぶ杏子が居た。

    杏子も私を見ている。

    魔女が振るう腕を、槍ではじき飛ばしながら。

    「わぁっ! あんこちゃんだ!」

    「きょうこだ! Kyokoっ!」

    それだとキョコだけど黙っていよう。

    362 :

    なんという胸熱っぷり
    スレタイと序盤の鬱展開から一体誰がこんなことを予想し得ただろうか

    363 :

    序盤の鬱展開というとあれか
    DQXのβテストにほむほむ泣きながら夜な夜な打ち込んでたあれか

    364 :

    鬱展開と言うとあれか
    ほむほむ濁りが極まるどころかむしろにまどかの変態っぷりが極まってきたあれか

    365 :

    >>364
    序盤っていうかわりと現在進行形じゃないですか! やだー!

    366 :

    死を待つほむらのSSかと思ったら思春期まどかだった

    367 :

    思春期というか性春というか

    368 :

    突然、周囲にたくさん浮かんでいたミラーボールの使い魔が片っ端から弾けた。

    「暁美さん、これが終わったら、みんなでお茶しましょ」

    いつの間にか、私の横にマスケット銃を両手持ちしたマミが立ち、そしてやっぱり私を見つめてくれていた。

    「…マミ」

    ふらついた私をマミが支える。

    「無理しないで、暁美さん。私達は、みんな暁美さんの味方、お友達なのよ」

    369 = 368 :

    マミの微笑みが眩しい。

    「…マミ…さん…」

    無意識に昔の呼び方が出る。

    マミは、えっ、と言う顔をして、そして、優しく微笑んでくれた。

    さっきとは全く違う涙が溢れそうになった。

    「さぁ、早くグリーフシー…」

    370 = 368 :

    マミが胸の間からグリーフシードを取り出そうとした。

    よりによってなんでそこ?

    瞬間、無性にいらっとしたけど我慢。

    マミがそれを私に差しだそうとしたその時、魔女が動き出し、先程より素早い動作で私とマミの間に腕を振り下ろす。

    そのまま私達は分断された。

    「にゃろっ! 空気読めっ!」

    さやかが更に剣を出せるだけ出し、魔女に向けてショットガンみたいに飛ばす。

    371 = 368 :

    だけど、魔女は腕の鞭で剣を全部弾き、そのままさやかに腕を振り下ろした。

    やはりまだ精度が、威力が足りてない。

    「わぁっ!」

    剣を出せるだけ出してしまった為、無防備になっていたさやかが吹き飛ばされる。

    「あーあ、しょうがねぇなぁ。りゃっ!」

    杏子が槍を伸ばし、魔女の胴体の中心、スポーツカメラマンが持っていそうな望遠レンズを付けた一眼レフ目がけて突き出した。

    372 = 368 :

    レンズの割れる音。同時にみしり、と胴体に槍がめり込む音を立てて突き刺さる。

    カメラは粉砕され、フィルムがまた舞い散った。

    「ギャアアアアアッ」

    「……!!」

    まどかは涙目で唇を噛んで叫ぶのを我慢している。

    偉いわ。まどか。

    373 = 368 :

    「へへっ!」

    杏子は、予定通りの攻撃成功に余裕の表情で、にやりとする。

    でも、次の瞬間眉根を寄せた。

    「なっ?!」

    槍が、抜けない。

    魔女が怒号を上げて体をよじった。

    374 = 368 :

    「わあぁっ!」

    槍に振り回される形になった杏子が、必死にそれを抜こうと踏ん張る。

    その杏子目がけて腕が襲い、抜こうか手を離そうか、一瞬の迷いを見せた杏子を直撃する。

    「ぐあっ!」

    杏子も吹き飛んだ。

    杏子まで!

    375 = 368 :

    「はあぁっ!」

    マミが構える。

    周囲には無数のマスケット銃。

    「ダンサデルマジックブレッド!」

    さっきの使い魔達ではマックスまでゲージが溜まってなかったらしい。

    万能ミキサーみたいな技名と共に全ての銃が一斉に火を噴いた。

    ちなみにアップデートで私も出ているので遊んでほむ。Android版では主役ほむぅ!

    376 = 368 :

    縦横無尽に腕を張り巡らしてガードするけど、マミの銃器の勢いが勝る。

    魔女の腕は、六本とも粉々に砕け散った。

    本当に、惚れ惚れする破壊力。

    「今よっ!」

    マミがさやかと杏子に振り向く。

    でも、二人の様子がおかしい。

    377 = 368 :

    「美樹さん? 佐倉さん?」

    二人が、頭を抱えて膝をついていた。

    ダメージは大した事ない筈なのに。

    「あっ!」

    私は気付いた。

    「マミ! この魔女は精神攻撃もっ!」

    378 = 368 :

    声と同時に、マミの手からマスケット銃が落ちた。

    しまった!

    「うああ…! いや…いや…! パパ…ママ…」

    「父さん…どうして母さんを…モモを…」

    「まどか怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

    杏子まで精神攻撃に…! この魔女、想像以上に危険だわ。

    379 = 368 :

    「…みんな…」

    腕を失いながらも、勝ち誇ったかのようにそびえ立つ魔女。

    伊達に処女じゃない。

    そう言って鼻息を荒くしているように見える。

    私は、それを睨み付ける。

    この魔女に対して、勝ち目は…分からない。

    380 :

    > 「まどか怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

    さやかwwwwww

    381 :

    さやかちゃん魔女化しそうwwwwww

    382 :

    >ちなみにアップデートで私も出ているので遊んでほむ。Android版では主役ほむぅ!

    なんだかとっても余裕そう

    383 :

    蘇える腹パンの悪夢

    384 :

    まどか何したんだよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

    385 :

    >「と…ま、まぁ、とにかく色々あってですねあたしは元からこの力正義のためにって思って得ましただから今はほむらも救いたいって思う! て言うか救わせてくださいたのんますって感じですマジでリアルで何が辛いってまどかからの感情の籠もってない氷の視線が辛いんですそれだけでソウルジェムがマジでゴボゴボ濁るんですいやホントに! ほむらがむしろ気にしてないからって本気で哀れんでくれるのがうれし切ないんです! あああああああの視線思い出しちゃったあああああああ!」
    これじゃね

    386 :

    >>382
    どのソフトだっけ?

    387 :

    >>386
    どきどきフィナーレじゃね?

    ざっくり見なおして、最初の鬱描写のなかでも所々で小ネタがあったけど、
    一番空気が変わったのはやっぱりデザートホームルが出たあたりからだと思うww

    388 :

    乙!!
    この状況下でも、まどかさんなら・・・まどかさんなら何かやってくれる!

    389 :

    だがここから一気に絶望の展開へと堕ちたらエネルギーも潤って愉悦の極みではないかね(暗黒微笑)

    390 :

    お帰り下さい

    391 :

    私にもう武器は無い。

    体も満身創痍でボロボロ。

    何より、元より強くないこの私。

    でも、まどかを、みんなを守りたい。

    その気持ちだけはあふれ出ている。

    ふふ。

    392 = 391 :

    昔の私なら、こんな『気持ち』なんて何の役にも立たないって、鼻で笑う対象だったのに。

    でも、今は違う。

    魔法少女は、奇跡を起こす存在。

    そして、奇蹟って、心の強さが原動力。

    だから。

    私のソウルジェムよ。

    393 = 391 :

    私の魂よ。

    私の事が嫌いで無いなら…どうか、最後にもう一度奇蹟を…!

    みんなはまだうずくまっている。

    でも、みんなは強い。立ち上がろうともがいている。

    少し、特殊な攻撃に戸惑っているだけ。

    みんな、負けてなんかいない。すぐに立ち上がる。

    394 = 391 :

    大丈夫。

    その間、私が守るわ。

    魔女が手を再生し始めている。

    いけない!

    軋む両足を踏ん張り、思い切り跳躍する。

    目指すは胸に生えている杏子の槍。

    395 = 391 :

    自分の武器が無いなら、あれを使って…!

    でも、私の跳躍と同時に、再生してしまった腕が四方から襲いかかってきた。

    動きもさっきよりも早い。

    二つは避けたけど、三つ目、下から襲ってきた腕をアッパーみたいに喰らってしまった。

    「ああっ!」

    体が無防備に浮き上がる。

    396 :

    残りの三本が、杭のような指を突き立ててめちゃくちゃに私に迫る。

    盾を構えるけど、まともに受け止められない。

    背中、お腹、手足、頭、数え切れない打撃が襲う。

    私の体はお手玉みたいに宙を舞い、一瞬停滞して落下を始めた。

    痛みで意識が飛びかける。

    そして、一番鋭い爪が、私を串刺しにしようと飛んで来た。

    397 = 396 :

    だめっ!

    まだ、私は終われない!

    私は、まだっ!



    『ほむらちゃんっ!』



    まどかぁっ!



    「ギッ?」

    魔女がブラウン管の頭を傾げた。

    398 = 396 :

    三つの頭で捉えていた私が消えたから。

    「…ここよ。三十路の魔女」

    天を仰いでいた魔女が、はっとして視線を水平にする。

    「大丈夫。あなたも別の世界では、誰かと仲良くなれるわ。…恋仲かどうかは知らないけど」

    「ギィィィッ?!」

    どうしたの? たった今まで空中に居た私がここに居て、驚いたかしら?

    399 = 396 :

    魔女の視界の先。

    そこに、杏子の槍の先端に乗りながら、大きな弓矢を構えた私が立っている。

    握っているだけで力がみなぎる弓。

    これは…。

    この弓は…。

    噛みしめるように呟きながら、目玉のある壊れたブラウン管目がけ、渾身の力を込めて輝く矢を放った。

    400 = 396 :

    光の矢は腕を貫き、魔女の目玉を貫き、そのまま頭を突き抜け、空を飛びながら光を放って霧散する。

    「『まどか』の…弓…」

    あの時の世界で見た、まどかの弓。

    まともなまど…じゃなくて、アレじゃない…じゃなくて、とりあえず今のまどかと違うまどかの弓。

    あの時の貴女を、助けられなかったのに。それなのに、『まどか』は私を助けてくれたのね。

    …ありがとう。


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