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    元スレ上条「エイプリルフールのせいだ……」

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    151 = 117 :



    「上条さん、こんにちは! あなたの大精霊チラメイド、五和がやってきましたよ!」


    上条「…………」

    姫神「…………」

    美琴「…………」

    イン「…………」

    152 :

    どっから湧いてでやがった

    153 = 117 :

    「ちょっと恥ずかしかったんですけど……上条さんが喜んでくれると思って、わた……あ、あれ?」


    姫神「…………」

    美琴「…………」

    イン「…………」


    (……えっ? この重苦しい雰囲気はいったい……その前に、この女の人達は……?)

    上条「……えっと、五和……だよな?」

    「は、はい……五和で間違いありませんけど……」

    上条「あー……とりあえず、座ってくれ。多分、それが正解だと思う」

    「そ、そうですか……では、お邪魔します……」

    154 = 117 :

    上条の部屋には現在、四人の女性が存在する。
    上条の対面には三人、先程と変わらず姫神、美琴、インデックスが、
    上条の下家には五和がそれぞれ座っている。

    「…………えーっと」

    美琴「ねぇ、大精霊チラメイドさん?」

    「は、はい……」

    姫神「あなたは。何しに来たの?」

    「えっ……? 何しに、と言われましても……」

    イン「その変な格好、何か関係あるの?」

    「これはですね……その……」

    (うう……建宮さんがあんな事言うから着て来たのに……)

    上条(……五和がきたおかげで、エイプリルフールについて話すタイミングを逃してしまった……)

    155 = 117 :

    美琴「来たばかりで悪いけど、何も用が無かったら帰ってくれる?」

    姫神「私たちは今。大事な話をしてるから。邪魔をしないでほしい」

    「だ、大事な話……ですか?」

    イン「そうなんだよ。今、誰がとうまの恋人なのかって話をしてるから邪魔しないで」

    「そうなんですか……すいません、それなのに私……お邪魔してしまって」

    姫神「分かってくれたのなら。それで良い」

    「本当にすいませんでした……。……あれ? ちょっと待ってください」

    美琴「何よ……こっちは雰囲気壊されて迷惑してるのに」

    「上条さんの恋人が誰か、という話をしてるんですよね……?」

    イン「そうなんだよ、だからいつわには早く帰って欲しいかも」

    「えっと、それでしたら――」

    156 = 117 :

    「えっと……上条さんの恋人は、私ですよ?」

    美琴「……はぁ!?」

    イン「い、いつわ!? 何を言ってるの!?」

    「いえ、ですから上条さんの恋人は私だと」

    姫神「……上条君? また。増えたの?」ギリギリ

    上条「ひ、姫神さん……テーブルを越えての首攻撃は勘弁して頂けないでしょうか……ぐ、ぐるじい……」

    「や、やめてください! 私の上条さんが苦しがってるじゃないですか!?」ガッ

    上条(おおっ!? 露出した五和の胸が目の前に……)

    美琴「……さりげなく、『私の』って付けるあたり」

    イン「……相当自信があるみたいだね。とうま!」

    上条「は、はい……何でございましょうか?」

    姫神「説明。してね」

    上条「えーっと、何を説明していいのやら……」

    157 = 117 :

    美琴「詳しく教えてもらえるかしら……? いつ、どちらから告白したのか……!」

    「ええと、それは昨日の」

    イン「昨日!? とうま、どういう事!?」

    姫神「待って。まずは。この人の話を聞いた方が良い」

    「あれは、昨日の事でした……思い出すだけでも。……ふふふ」

    美琴(不気味な笑い……でも、見覚えがあるのは何故だろう……)

    姫神「その昨日の事を。教えて欲しい」

    「はい……あれは、私がお洗濯をしていた時の事でした――」

    158 = 117 :

    (良い天気……これならお洗濯物もすぐ乾くかな)

    「さーて、干したらお掃除を」プルルル

    「……電話? 誰だろう、もしもし?」

    『おっ、繋がった繋がった。五和、今大丈夫か?』

    「そ、その声は……上条さんですか!?」

    上条『あぁ、俺だよ。ちょっと話があるんだけど、良いか?』

    「はい! 上条さんの話ならいつでもどこでも大丈夫です!」

    上条『? まぁいいや、えーっと……あのさ、聞いて欲しいんだけど……』

    「はい、何でしょうか?」

    上条『んー……あー、やっぱり緊張するな、こういうのって』

    (緊張するような事……? それにわざわざ電話するって事は……もしかして!?)

    (こ、告白……!? まさか、今までのおしぼり大作戦が報われる時が来たっていうの!?)

    (……なーんて、そんな事ある訳が)

    上条「……よし、言うぞ。実は、俺――」

    159 = 117 :



    上条『俺、五和の事が……その、好きなんだ』

    「…………えっ?」

    上条『あれ? 聞こえなかったか……?』

    「か、上条さん!? もう一度、もう一度お願いできますか!?」

    上条『あ、あぁ……俺、五和の事が好きなんだ』

    (好きなんだ……好きなんだ……好きなんだ……好きなんだ……)

    上条『……五和? おーい、五和?』

    (……ハッ、つい心の中でエコー再生を。で、でも……)

    「か、上条さん……聞き間違いじゃない、ですよね?」

    上条『あぁ、聞き間違いじゃねーよ』

    「上条さん……私、私……嬉しいです」

    160 = 152 :

    これは刺される

    161 = 117 :

    上条『えーと、五和……一つ聞いても良いか?』

    「はい……何でしょうか?」

    上条『(嘘つくのって)こんな感じで良いのかな? ちゃんと伝わったか?』

    「もちろんです……上条さんの(愛の)言葉、ちゃんと私に届きました」

    上条『そっか、不安だったけど、俺の(エイプリルフールの)言葉は届いたのか。良かった……』

    「上条さん……私、この日を忘れません……」

    上条『俺もだよ。俺もこういうのは(エイプリルフール)初めてだからさ』

    「上条さんもですか? 実は、私も……こういうのは初めてで……」

    上条『そうなのか……五和は真面目そうだし、それも納得がいくな』

    「……上条さん、近いうちに会いに行っても良いですか?」

    上条『会いに? まぁ、いつ来てもらっても良いけど』

    「本当ですか!? 待っててくださいね、上条さん!」

    上条『? よく分かんねーけど、じゃあ待ってるよ』

    162 = 117 :

    「――という訳です、それで私はここに来ました」

    姫神「…………」バンッ 美琴「…………」ダンッ イン「…………」ドンッ

    上条「ひいっ!? 机を叩くと近隣の方々にご迷惑がですね……」

    姫神「上条君。覚悟は。良い?」

    上条「な、何の覚悟でございましょうか……? って胸元から出て来たそれはスタンガンですよね!?」

    美琴「それくらいじゃ足りないわよ。……もっともーっと強いスタンガンが欲しくない?」ビリビリ

    上条「死ぬから! それ絶対死ぬから! い、インデックスはそんな事はしないよな……?」

    イン「とうま、良い事を教えてあげるね」

    上条「良い事……?」

    イン「うん。物事にはね……限度ってものがあるんだよ!」

    上条(ついにインデックスまで……俺、死ぬかも……)

    163 :

    これは上条さんが悪い
    早急に処刑すべき

    164 = 116 :

    これは自業自得wwww
    しかも自分が悪いことを自覚して無いあたりタチが悪い

    165 = 117 :

    「あの……すいません、私だけ状況が理解できてないのでこういうのもアレなんですけど、
        上条さんが脅えてますし、もう少し優しくしてあげてはいかがでしょうか……?」

    美琴「……そうね、確かにコイツが可哀想かもね。でも、全てを聞いてもそう思えるかしら?」

    姫神「あなたもきっと。上条君の所業を知れば。怒りを抑えられないと思う」

    「……大丈夫です。私は上条さんの事なら、どんな事でも受け止めて見せますから」

    上条(五和……お前だけが救いだよ……)

    イン「じゃあ、教えてあげるね、いつわ」

    姫神「ちょっと。耳を貸して」

    「は、はい……」

    姫神「――君が。――の――――で。―――――だったり」

    「え、ええっ!?」

    姫神「さらに。――――――。とか――――――」

    「そ、そんな……」

    上条(……頼む、五和。俺は信じてるぞ……)

    166 = 131 :

    魔神、吸血鬼、電子レンジ
    さあ、選べ!

    167 = 130 :

    ゲームだとあっさり上条さんの敵に回ってたよね五和

    168 = 117 :

    姫神「説明完了」

    上条「い、五和……?」

    「……上条さん?」

    上条(おぉ、穏やかな顔……それはまさに聖母の様な 五和「…………」ガンッ

    上条「ひいっ!? い、五和さん……?」

    「上条さん! どういう事ですか!? 私を、私だけを愛してくれるって言ったじゃないですか!?」

    上条「そ、そこまでは言ってないような……」

    「言い訳しても駄目です! 上条さん……私、信じてたのに……」

    上条「五和……」

    姫神「私も。信じていた。でも。……裏切られた」

    美琴「……アンタがそんなヤツだとは思わなかった、正直幻滅したわよ」

    上条「……何も、言う事はありません」

    イン「とうま、後悔してる?」

    上条「……あぁ、俺が間違ってた」

    上条(エイプリルフールって、難しいものだったんだな……俺なんかがやるんじゃなかった……)

    169 = 117 :

    姫神「……でもね。上条君」

    上条「……姫神?」

    姫神「私達は。上条当麻という人に。本当に感謝している」

    上条「感謝……?」

    美琴「そうよ、アンタのおかげで今、私はこうやって毎日を楽しむ事ができる」

    イン「……とうまが居なかったら、今の私は無かったと思う」

    「私は……上条さんに何度も助けられました。だから、あなたと一緒に居る事ができた」

    上条「でも、俺は……酷い事を……」

    姫神「もういいよ。私達は。上条君が」

    美琴「……アンタが」

    イン「とうまの事が」

    「上条さんの事が……」

       「大好きだから」

    上条(……みんな、そこまで……俺は、……俺は)

    170 = 117 :

    美琴「……だから、アンタにちゃんと選んで欲しいの」

    イン「とうまの選んだ人は……誰?」

    姫神「誰に。本当の想いを伝えたかったの?」

    「上条さん、自分の気持ちに素直になってください。……誰が選ばれても、大丈夫ですから」

    上条「ち、違うんだ! ごめん……俺、実は……」

    イン「……とうま?」

    上条「俺、昨日の事は……本当は、全部……エイプ――」

    ガラッ

    「し、失礼します、上条当麻!」

    上条「リルフー……ってまたか!? 誰だよ!?」

    171 :

    じ、じゅうはっさいさん!?
    上/条さんになってしまう

    172 = 117 :



    神裂「あ、あなたの堕天使エロメイド……神裂火織じゅうはっさいです! 愛をとど……えっ?」


    上条「…………」

    姫神「…………」

    美琴「…………」

    イン「…………」

    「…………」

    173 :

    これは恥ずかしい・・・・

    174 = 117 :

    神裂「……あの、上条当麻。これは、その……」


    姫神「…………」

    美琴「…………」

    イン「…………」

    「…………」


    神裂「い、五和までなぜここに……それにこの状況は、いったい……」

    イン「……とうま、出番なんだよ」

    上条「……ごめん、アレ見ると俺の心の古傷が痛みだすから目を合わせたくない……」

    神裂「なっ……! 私はあなたのために……!」

    「……女教皇様、とりあえず座ってください」

    神裂「はい……?」

    美琴「……もう大体予想はつくけど、先に進まないから座って」

    神裂「わ、分かりました……失礼します……」

    175 = 117 :

    上条の部屋には略。上家に神裂が座りました。現在左手には神裂(堕天使エロメイド)、
    正面に左から姫神、インデックス、美琴、右手には五和(大精霊チラメイド)、上条は正座。


    神裂「……あの」

    美琴「ねぇ、堕天使エロメイドさん?」

    神裂「そ、その名で呼ばないでください……」

    姫神「もうだいたい分かるけど。あなたはどうしてここに来たの?」

    神裂「それは……その……」

    イン「そのトンデモな格好、何か関係あるの?」

    神裂「これはですね……ええと……」

    神裂(……土御門があの様な事を言うから着て来たというのに……)

    「……上条さんに、見せたかったんですよね?」

    神裂「な、なぜそれを!? ……ハッ、五和、まさかあなたも……」

    「……はい」

    姫神(私も。巫女さんの格好にすれば良かったかも)

    上条(クソッ! エイプ、まで言ったのに! 言ったのに!)

    176 :

    なんだサルか

    177 :

    美琴「来たばかりで悪いけど、何も用が無かったら帰ってくれる? まぁどんな用かは想像がつくけど」

    姫神「私たちは今。大事な話をしてるから。手短にお願い」

    神裂「大事な話……とはいったい何でしょうか?」

    イン「それはね、誰がとうまの恋人なのかって話なんだよ」

    神裂「なるほど……申し訳ありません、邪魔をしてしまいましたね……」

    「女教皇様……多分、女教皇様も同じ理由だと思うんですけど……」

    神裂「同じ理由……? こ、恋人!? 上条当麻の恋人の話をしているのですか!?」

    178 = 117 :

    美琴「そうよ……で、今度はどういう感じで来るのかしらね……」

    神裂「上条当麻の恋人が誰か、という話をしてるんですよね……?」

    イン「そうなんだよ、もう一人増えたからちょっと困るけど」

    神裂「恋人の話でしたら、私は関係ありませんね……その話も気になりますが」

    美琴「そうよね、やっぱり関係ない……って、ええっ!?」

    姫神「……これは。予想外」

    イン「ほ、本当に恋人の話では無いの!?」

    上条(あれ? ……あっ、俺……確か神裂には……や、ヤバい! 多分、きっと物凄くヤバい!)

    神裂「ええ、違います。私がここに来たのは――」

    179 = 117 :

    神裂「上条当麻との祝言を、いつにするか決めるために来ました」

    美琴「……はぁああ!?」

    「しゅ、祝言!?」

    イン「祝言……?」

    姫神「……つまり。結婚式の事」

    イン「なっ!? と、とうまぁ!?」

    上条「……あ、あの……これは」

    美琴「ど、どういう事なのか説明しなさいよゴルァ!!」

    姫神「さすがの秋沙ちゃんも。これには大激怒」

    イン「とうま! とうま! とーうまー!!」

    上条「ち、違うんだ! ……って、あの……い、五和さーん?」

    「ふふふ……何もかも……ズッタズタに……」ジャキ ジャキ

    神裂「い、五和! なぜ槍を研いでいるのですか!?」

    「さぁ、何故でしょうね……ふふ、ふふふふ……」

    上条(……一つ嬉しい事があった。神裂がベランダから来たおかげで、スフィンクスは逃げられた)

    上条(スフィンクス、俺の分も……強く生きてくれ)

    180 :

    カオス過ぎて最早何がなんだか……

    181 :

    もっと増えそうな予感……

    182 :

    上条「俺は…生きる!生きてスフィンクスと添い遂げるっ!」

    イン「何!?スフィンクス様の想い人とこんなところで会うとは」

    183 = 181 :

    >>182
    その配役だとイン/デックスになってお兄様役がねーちんになっちゃうじゃないですかやだー!

    184 :

    >>55

    185 :

    実はあと約一万人以上呼ぶことも可能だったり

    186 :

    美琴「……一度、落ち着いた方がいいわね」

    姫神「同感。詳しく聞かせてもらえる?」

    神裂「……私ですか? 何を話せば良いのでしょうか?」

    イン「昨日、とうまに言われた事をそのまま話して」

    「……そうすれば、どうして祝言なんて言葉が出たのか理由が分かりますから」

    上条(五和の雰囲気が怖い……)

    神裂「分かりました。昨日、上条当麻から電話がかかってきたのです」

    美琴「その時に言われた訳ね」

    神裂「ええ、上条当麻に……その……はい」

    姫神「……顔を赤らめる程の事だったみたい」

    イン「……そうみたいだね。早く話して欲しいんだよ」

    神裂「あれは、私がお昼を食べ終わった後でした――」

    187 = 117 :

    神裂(……久しぶりに鯛茶漬けを食べる事ができるなんて、今日はいい日ですね)プルル

    神裂「電話……? 誰からでしょうか……」

    上条『よう、神裂。久しぶりだな』

    神裂「その声は……上条当麻? 電話とは珍しいですね」

    上条『ああ。土御門に教えてもらったんだけど、嘘じゃなかったみてーだな』

    神裂「それで、私に何か用ですか? まさか……あの子に何か!?」

    上条『いやいや、そんなんじゃねーよ。その……話が、あるんだ』

    神裂「話、ですか? 構いませんが……」

    神裂(わざわざ電話をしてまでする話……魔術師? いえ、その様な報告は無かったはず)

    上条『あー……神裂? 今から言う事は、俺も言い慣れてなくておかしいかもしんねーんだけど……』

    神裂「はあ……」

    上条『俺なりに考えた言葉だ、最後まで聞いて欲しい』

    神裂「分かりました、どうぞ話してください」

    上条『俺、実は――』

    188 = 117 :



    上条『神裂の事が、その……好きになっちまったみたいなんだ』

    神裂「は、はい!?」

    上条『……正直、神裂の事を考えない日は無いくらいだ。一日中、考えてる事もある』

    神裂「私の事を、一日中……?」

    上条『……ああ、気持ち悪いって思うかもしれねーけど。それだけ、お前が魅力的って事なんだ』

    神裂「か、上条当麻!? 今日はどうしたのですか!?」

    上条『……悪いか? 今日、俺がこんな事を言ったら駄目なのか?』

    神裂「駄目、ではありませんが……その、突然でしたので……」

    上条『そうだよな……悪い、やっぱり俺、こういうのは苦手みてーだ……』

    神裂「あっ……違います、迷惑という訳では無いのですが……」

    神裂(な、何故急にこんな……でも、不思議と……悪い気はしませんね)

    189 = 117 :

    神裂「確認なのですが、あなたは、私の事を……その、」

    上条『……ああ、好きだ。神裂と一緒に居たい、そう思ってる』

    神裂「ほ、本当に私なのですか? あなたの周りには私よりも素敵な女性が……」

    上条『優しい人、綺麗な人、確かにたくさん居る。……でも、俺はこの言葉(嘘)を神裂に伝えたいんだ!』

    神裂「……私を、選んでくれたというのですか? こんな、私をですか……?」

    上条『ああ、神裂火織を俺は選んだ。……恥ずかしいけど、俺が(嘘をつく相手として)最初に選んだ人だ』

    神裂「その……あなた気持ちは、……嬉しいです。……ですが、それを受け止める訳にはいきません」

    上条『えっ……? 神裂、どういう事だよ!?』

    神裂「……怖いんですよ」

    上条『……怖い? 何が怖いんだ、話してくれるか?』

    神裂「ええ、分かりました……。怖いもの、それは……失う事です」

    190 = 117 :

    上条『失う事……』

    神裂「私は、『幸運』であると自分でも思っています。……それは、
        例えば周りの者だけが傷つき、自分だけが助かるという形としても表れます」

    上条(……あれ? 何か話が読めねーぞ……神裂なりに俺の嘘に合わせてくれてんのか……?)

    神裂「……私の『幸運』のせいで周りの者が傷つく、それが嫌で仲間を遠ざけた事もありました。
        今ではそれは間違いだったと言えますが、それを怖がっていたのは事実です……」

    上条『……それが、俺と何が関係あるんだ?』

    神裂「あなたの『不幸』、そして私の『幸運』、それが合わさった時……もしかしたら……」

    上条『神裂……?』

    神裂「……私の代わりに、あなたが命を落とす事になるかもしれません。
        くだらない、と思うかもしれませんが、そう考えてしまうのです……」

    上条『……失うのが怖いってのは、そういう事か』

    神裂「はい……ですから、あなたはもっと素敵な、私ではない誰かを選んでください……」

    上条『……いや、それはやめとくよ』

    神裂「えっ……?」

    191 = 117 :

    上条『そこまで真剣に考えてねーけどさ、俺は(嘘をつく相手に)神裂を選んだ。それを変えるつもりは無い』

    神裂「で、ですが……」

    上条『俺が死ぬかもしれない、なんて心配を今頃されてもな……実際、何度も死にかけてる』

    神裂「それはそうかもしれませんが……」

    上条『でも、俺はこうして生きてる。そのいくつかは……神裂、お前のおかげだ。
        お前が戦ってくれたから、俺はこうして今生きていられるんだ』

    神裂「それでも……それでもいつかは! ……あなたが死んでいく様を見るかもしれない!」

    上条『だったら、守ってくれよ、俺のそばでさ。「不幸」な俺を、その「幸運」で助けてくれ』

    神裂「私の、『幸運』で……」

    上条『ああ、そうしたらいつか、俺の「不幸」が移ってお前は幸せになるかもしんねーだろ?』

    神裂「……本気で、そう思っているのですか」

    上条『俺は本気だよ、本気でお前に(嘘の)言葉を届けてるつもりだ』

    神裂「……上条、当麻」

    上条(……俺も神裂に何とか合わせてるけど、大丈夫かな)

    192 = 117 :

    神裂「……分かりました。そこまで言われてしまったら、考えを改めなければいけませんね」

    上条『改める?』

    神裂「ええ、あなたの言葉を受け止めます。……そばに、居させてください。これから先も、ずっと」

    上条『神裂……』

    神裂「……こういう事には、慣れていないので……色々とご迷惑をお掛けするかもしれませんが」

    上条『ああ、そんなの気にしなくて良いって。俺も(エイプリルフールは)初めてだったからさ』

    神裂「そうなのですか? ……何故かはわかりませんが、少し嬉しいですね」

    上条(嬉しい? 神裂も真面目だし、嘘をついたりつかれたりするのが嬉しいって事か……?)

    193 = 117 :

    上条『……じゃあ、用件も済んだし。そろそろ切るよ、時間とって悪かったな』

    神裂「えっ……切ってしまうのですか? もう少し話を……いえ、拘束する訳にはいきませんね」

    上条『悪いな、今度ゆっくり話す時間があればいいいんだけどさ』

    神裂「それでしたら、その……今すぐに会いに行ってもよろしいでしょうか?」

    上条『今すぐ? いや、それは流石に無理なんじゃねーか?』

    神裂「……いえ、決めました。やはり直接会いに行きます」

    上条(あっ、そういう事か。会いに行くってのは嘘なんだな……また騙されるとこだった)

    神裂「迷惑でしょうか……?」

    上条『いやいや、神裂が来てくれたら俺も嬉しいよ! じゃあ、待ってるぞ!』

    神裂「はい、今すぐ準備しますから待っていてくださいね」

    上条『おっと、そうだ神裂。一つ頼みたい事があるんだけど』

    神裂「頼みですか? ええ、あなたの頼みなら何でも応えましょう」

    上条『じゃあ、五和の連絡先を教えてくんねーか?』

    神裂「……五和の、ですか?」

    194 = 117 :

    上条『ああ、神裂なら知ってんだろ?』

    神裂「ええ、知ってはいますが……」

    神裂(何故、五和に連絡を取る必要が……建宮やステイルならともかく、五和……)

    神裂(……いけませんね、何を疑っているのでしょうか。不安など、感じる必要はありません。……多分)

    上条『神裂? おーい、聞こえてるかー?』

    神裂「……五和の連絡先ですね。では、今から言います」

    上条『ああ、頼む』

    神裂(……私も、未熟ですね。今日の事なのにすぐ嫉妬するなんて……)

    上条『神裂? また黙っちまったけどどうしたんだ?』

    神裂「な、何でもありません」

    195 = 117 :

    神裂「――その後、五和の連絡先を伝えて通話は終了しました」

    姫神「…………」バゴンッ 美琴「…………」ドガンッ イン「…………」ズガンッ 五和「…………」ズドンッ

    上条「ひいいっ!? つ、机が壊れる……」

    美琴「あ、アンタ本当にどういうつもりなのよ!?」

    イン「とうま! もう何も聞かないから! とうまをイギリス式の拷問で徹底的に悔い改めさせるんだよ!」

    姫神「今だけ。幻想殺し殺しになりたい」

    上条「だ、だから、その……」

    「……私の時よりも情熱的な告白なんて。上条さん! 私より女教皇様の方が良いんですか!?」

    神裂「私の時……? 五和、どういう事ですか?」

    「文字通りの意味です……私も上条さんに告白されたんですよ! ……女教皇様の後に」

    神裂「……上条当麻、詳しく聞かせて頂けますか?」

    美琴「私が説明してあげるわ、コイツの悪行を全部残さずにね!」

    上条(……俺、死んだかも)

    196 = 117 :

    美琴「説明、終わったわよ」

    神裂「……そうですか、そういう事ですか」

    上条「か、神裂さーん……? ほら、あの……俺は救われぬ者だから……」

    神裂「…………」

    上条「救って欲しいなー、なんておも 神裂「……ふんっ!」 轟!

    上条「……っ!? つ、机が跡形もなく……」

    神裂「上条、当麻?」

    上条「ち、違うんだ! これはだな、つまり……」

    神裂「――言い訳してんじゃねえよ、このスケコマシ野郎が!!」

    上条「ひいいいっ!?」

    197 = 117 :

    上条「お、怒ってらっしゃる!?」

    神裂「怒るに決まってんだろうが! テメェが言ったのは何だったんだ、あぁ!?」

    上条「すいません! ごめんなさい! だから命だけは、命だけは!」


    美琴「……アレよね、ほら。他の人が怒ってるのを見ると」

    姫神「妙に。冷静になったりする」

    イン「そうだね。私達もあんな感じだったのかも」

    「えっと……止めないと多分、上条さんが死んじゃいますけど……」

    姫神「あなたは。止める気がある?」

    「……ごめんなさい、上条さん。正直、もっとやれって思ってしまいました……」

    美琴「同感ね」

    198 = 117 :

    「でも、一つ気になる事があるんですよ」

    美琴「気になる事?」

    「はい、一度冷静になって考えると、やっぱり変だなって思う事が」

    イン「いつわ、教えてくれる?」

    「その……上条さんがこんな事をするでしょうか?」

    姫神「それは。私も思っていた」

    美琴「……私もよ。おかしいわよね、急に何人にも好きだって言うなんて」

    イン「今までとうまと一緒に住んできけど、鈍感なとうまが好きだ、なんて絶対言わないと思うんだよ」

    「皆さんもそう思いますか?」

    姫神「きっと。何かあるに違いない」

    美琴「……もう一度、聞いてみる?」

    イン「そうした方がいいかも。あれが終わってからね」


    神裂「大人しくしろっつってんだろうが、このド素人が!!」

    上条「し、死ぬ! 本当に死ぬから助けて!」

    199 = 117 :

    数分後

    美琴「そろそろ止めた方が良いわね」

    姫神「うん。上条君に死なれたら困る」

    「女教皇様、一度落ち着いてください!」

    神裂「……五和、あなたも邪魔をしようというのですか?」

    イン「ちょっと待って、冷静になって考えて欲しいんだよ」

    神裂「何を考えると言うのですか!? 私は、覚悟を決めたというのに……!」

    美琴「それよ、それ。良く考えてみて、コイツが歯の浮くような台詞をポンポン言うと思う?」

    神裂「……それは」

    『テメェらずっと待ってたんだろ!?インデックスの記憶を消さなくてもすむ、
     インデックスの敵にまわらなくてもすむ……そんな誰もが笑って、誰もが望む最高な(略)』

    神裂「戦闘中の言葉を考えれば、言いそうな気もしますが」

    姫神「そういうのではなくて。恋愛に関する事に限定すれば」

    神裂「……確かに、言われてみればそうですね」

    上条(はぁ……はぁ……俺、生きてるよな……?)

    200 :

    面白い


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