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    元スレ上条「エイプリルフールのせいだ……」

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    351 = 117 :

    上条「…………」

    「…………」



    イン「短髪、妄想ってどんな感じだったの?」

    美琴「やってみれば分かるわよ」

    神裂「しかし、妄想と言われましても……どうすれば良いのでしょうか」

    イン「私もどうしたら良いのかさっぱりなんだよ……あいさと短髪はすぐ思いついて羨ましい」

    美琴「……それだけ、業が深いって事かもしれないけどね」

    姫神「確かに。でも。大学生というのはリアル過ぎる気が」

    美琴「い、良いじゃない別に!」

    352 :

    上条「ただいま、あー……今日も疲れた」

    「あっ、お帰りなさい、当麻さん。今日もお勤めご苦労さまでした」

    上条「んっ……良い匂いがする」

    「ふふっ、今日は鯛の煮つけですよー」

    上条「鯛か……腹が減って、疲れもどうでも良くなってきた」

    「当麻さん、先にお風呂にしますか? それともご飯にしますか?」

    上条「そうだな……五和、もう一つ選択肢は無いのか?」

    「えっ……? あ、あの……それは……」

    上条「そっか……無いんだな、残念だよ」

    「ううっ……当麻さん! あまり意地悪しないでください……」

    上条「悪かったって。とりあえず、飯から先に済ませるかな」

    「もう……分かりました、今用意しますので着替えて待っていてくださいね」

    353 = 117 :

    上条「おおっ! 美味そうだ……もう食べても良いか?」

    「その前に……はい、どうぞ」

    上条「ああ、ありがとう。このおしぼりが無いとな……では」

    上条「いただきます」

    上条「あむ……うん! 美味い!」

    「良かった……気に入って頂けたようで何よりです」

    上条「五和の料理を気に入らない訳ないだろ? 幸せってこういう事なんだろうな……」

    「大げさですよ、ふふっ。当麻さん、はい、あーん」

    上条「あーん……いや、五和と結婚して良かったよ」

    「そ、そんな事言っても何も出ませんよ」

    上条「いいよ、五和が居るなら他には何も要らないからさ」

    「当麻さん……ほ、ほら、ご飯が冷めちゃいますよ」

    354 = 117 :

    上条「あー、美味しかった……ごちそうさま」

    「当麻さん、お風呂も沸かしてありますけどどうしますか?」

    上条「よし……入ろうかな、五和も一緒に入るか?」

    「えっ!? そ、その……私は洗い物を」

    上条「それなら俺がやるからさ、良いだろ?」

    「当麻さん……もう。……分かりました、先に入っていてください」

    上条「……それで来ないってのは無しだぞ」

    「だ、大丈夫ですよ。……恥ずかしい、というのが本音ですけど」

    上条「もう夫婦なんだからそんなに恥ずかしがんなくてもな……」

    「それでも恥ずかしいものは恥ずかしいんです……ほら、待っててくださいってば」

    上条「あぁ、待ってるからな?」

    355 = 117 :

    風呂

    「し、失礼します……」

    上条「ずいぶん遅かったな、何かあったのか?」

    「その、……恥ずかしくて」

    上条「もう夫婦なんだ、そんな事気にする間柄でも無いだろ?」

    「それはそうですけど……」

    上条「とりあえず、体洗ってさっさと入ろうぜ。このままだと風邪ひいちまうからさ」

    「……分かりました。当麻さん、お背中流しますよ」

    上条「本当か? じゃあ、頼むよ。そのまま前も……」

    「し、しません! もう……失礼します。よっ……んっ、力加減、どうですか?」

    上条「丁度いい……あー、気持ちいい……」

    「ふふ……はい、終わりましたよ」

    356 = 117 :

    上条「よっと……二人で入るには少し狭いんだよな」

    「いつかは二人で広いお風呂のあるお家住みたいですね……」

    上条「……頑張らないと」

    「期待してますよ、当麻さん」

    上条「でも、個人的には……これ位狭い方が密着してて」

    「ちょ、ちょっと……どこ触ってるんですか……もう」

    上条「……五和」

    「と、当麻さん……! だから、――んっ」

    357 = 117 :

    「……わ、私ったら何を」

    上条「わ、悪い……でも、仕方ないというか」

    美琴「……何考えてたのか分かんないけど、鼻の下伸びてるわよ」

    上条「なっ……」

    姫神「大丈夫。下心も心だから」

    上条「と、とりあえず五和とはこんな感じで……」

    (……もう少し時間があれば上条さんと、って違う違う……)

    姫神「次はあなた達のどちらかだけど。どうする?」

    イン「うーん……とうまとしたい事……」

    神裂「なかなか思いつかないものですね……どうしたら良いでしょうか」

    上条「まぁ、無理して考える事でもねーからな」

    姫神「では。その代わりに私がもう一度」

    美琴「それは駄目よ。本当に無いの? コイツとしたい事」

    イン「……私は、とうまと一緒に居られれば良いから」

    上条「インデックス……?」

    358 = 117 :

    イン「とうまと一緒に居られれば私は幸せだもん。一緒にご飯食べて、
        どこかに出かけて……それで一日が過ぎれば幸せかも」

    上条「そんな普通な事で満足なのか?」

    神裂「何事も無いのが一番ですから。……特にあなたの様な人ならば、尚更」

    イン「うん、とうまが怪我しなければ私も嬉しいから、それが私の願いかも」

    「インデックスさん……」

    美琴「……本当ね、どっかの誰かがボロボロになってもすぐに立ち上がるから、
        こうやって心配しなきゃいけなくなるのよ」

    上条「……すいません」

    姫神「大丈夫。それに関しては。半ば諦めてるから」

    イン「どうせまた、誰かが困ってたら助けに行くんでしょ?」

    上条「まぁ……見過ごす事はしないと思う」

    美琴「アンタは絶対行くわよ、誰が止めてもね」

    「そんな上条さんだから、そばに居たいと思うんですよ」

    神裂「ええ、だから何も気にせずそのままでいてください。分かりましたか?」

    上条「……あぁ、遠慮なくそうさせてもらうよ」

    359 = 117 :

    姫神「上条君。そろそろ決められそう?」

    上条「……誰を選ぶか、か。この五人の中で、俺の恋人を……」

    美琴「……やっぱり、時間は必要よね。少し焦り過ぎたかな……」

    「そうですね……上条さん、少しお一人で考える時間を」

    神裂「ですが、私達はそろそろ学園都市から去らなければいけませんから……」

    姫神「それだと。不公平になる可能性が高い」

    イン「不公平?」

    姫神「そう。会えない時間。別の人が上条君にアプローチしたら。差が出来てしまう」

    上条「で、でも、そのアプローチとやらをしなければ……」

    姫神「私。すると思う」

    美琴「……私も、アンタに会わないでいるのは多分無理だから」

    イン「そこはとうまのためにも我慢してあげた方が良いと思うんだよ」

    美琴「アンタは一緒に住んでるから、絶対的有利になっちゃうでしょうが!」

    イン「あっ……それもそうだね」

    360 = 117 :

    「そうしますと、やはり……」

    イン「とうまに決めてもらうしか……」

    神裂「ありませんね……」

    美琴「どうなの? 今、答えを出せる?」

    上条「……誰かを選ぶんだよな」

    姫神「今こそ。男を見せる時」

    上条「……分かった、選ぶよ」

    上条「俺が……俺が選ぶのは――」

    361 = 117 :

    上条「俺が選ぶのは、い」

    姫神「……っ!」

    (い……? って事は……いつわの「い」!? 上条さん……)

    イン(い、だから……インデックスの「い」だ! とうま……私)

    上条「い、い……」

    ・イン(…………っ!)

    上条「――いや、ちょっと待ってくれ」

    「うっ……」 イン「えー……」

    美琴(……ほっ、良かった)

    362 = 117 :

    上条「俺が選ぶのは、か」

    (か!? 「か」って事は……)

    神裂(「か」で始まるのは私だけ……つまり、これは……!)

    上条「か、か……」

    美琴(嫌、お願い……!)

    上条「――考えてるんだけど、なかなか言いづらいな」

    神裂「なっ……」

    姫神(……危ないところだった)

    363 = 117 :

    上条「俺が選ぶのは、ひ」

    美琴(ひ? ……あっ、あの人は)

    姫神(姫神の「ひ」……嬉しい。上条君。私の事を)

    上条「ひ、ひ……」

    イン(ううっ……あいさが選ばれるなんて……)

    上条「――ひえっくしゅん! うー……少し寒いな」

    姫神(…………)

    364 = 117 :

    上条「俺が選ぶのは――み」

    神裂(「み」……! これは、まさか……)

    美琴(キタキタキター! 御坂の「み」! 美琴の「み」!)

    上条「み、み」

    (……この流れだと多分違いますよね)

    上条「――御坂」

    神裂「……っ!?」 イン「ええっ!?」 姫神「そ。そんな……」

    美琴「や、やった……私がえら 上条「御坂、電撃出てるから少し落ち着いてくれねーか?」

    美琴「……へっ?」

    上条「電化製品が壊れるかもって気になって、落ち着いて考えられなくて……」

    美琴「……ふ、ふふ……ふふふふふ」

    上条「み、御坂?」

    美琴「ふっざけんじゃないわよおお!!」

    上条「ひいっ!?」

    365 = 117 :

    美琴「さっきから何度フェイントかけたら気が済むのよアンタは!」

    上条「フェイント……?」

    姫神「上条君。わざとだったら悪質。無意識でもやめて欲しい」

    イン「とうま……私達はみんな緊張してるんだよ、だから決めるなら早く決めて!」

    上条「そう言われましてもですね……その……」

    神裂「……あなたが決められない場合、どうなるか分かりますか?」

    上条「ええと、どうなるのでございましょうか……」

    姫神「私達が。寝られない日々が続く」

    上条「そ、そうなのか……」

    美琴「……気になって寝られる訳無いじゃない」

    「上条さん、私達は誰も恨みません……だから、決めてくれませんか?」

    上条「……分かった。でも、あと一分だけ待ってくれ」

    イン「……とうま、私の事は気にしないでね。私は一人でも……大丈夫だから」

    上条「あぁ、ありがとうインデックス……」

    366 = 117 :

    この五人の中から決める。四人には悪いが、それでも良いと言ってくれた。
    だったら、一番だと思った人を選べば良い。……それが誰なのか。


    五和――俺の事を守るために『神の右席』に立ち向かってくれた。
    優しくて、強い、きっと俺の事を支えてくれる……俺も五和も力になれたら嬉しい。


    姫神――記憶の中では俺が最初に助けたのは姫神だった。……でも、逆に俺は姫神に守られた。
    アイツは俺のために命を捨てようとしてくれた……二人なら何があっても乗り越えられるだろう。


    神裂――強さの中に様々な悩みを隠して生きてきた、そう土御門は言っていた。
    今はインデックスや天草式とも一緒に居られる事もできる。神裂はもう悩む必要は無いかもしれない。
    でも、俺は神裂に何度も助けられた……恩を返すのは俺の方だ。神裂の「幸福」、それを俺も一緒に……。


    御坂――死ぬ決意を一度はしたがそれを助ける事ができた。俺もアイツには何度も世話になってる。
    きっと、御坂は俺のために笑ってくれるし涙も流してくれる。一緒に居られれば、最高だろうな。


    インデックス――俺と「上条当麻」を繋ぐ女の子。でも、今はそれ以上に大切な存在だ。
    記憶がどうとかじゃない、今インデックスと一緒に居る時間は守りたい……失いたくない。
    インデックスの居ない生活なんて……今は考えたくない、考えられない。それなら――。

    367 = 117 :

    上条「……決めた、俺なりの答えを出すよ」

    美琴「……そう、アンタが決められるとは思ってなかったけど」

    「上条さんの選んだ答えなら、きっと間違いありません」

    姫神「私は。どんな答えでも大丈夫」

    神裂「遠慮なく、言ってください」

    イン「とうま、とうまの選んだ人は……誰?」

    上条「……あぁ、俺が選んだのは――」

    368 = 117 :

    四ヶ月後

    刀夜「母さん、そろそろ時間だろうか」

    詩菜「ええ、当麻さんはもう少しで来るはずですよ」

    刀夜「しかし、当麻が帰ってくる前に新しい家が出来て良かった……」

    詩菜「本当ですね。これなら、当麻さんの連れてくる女の子も迎える事ができますから」

    刀夜「あぁ、当麻が誰かを連れてくるとは思わなかったけどな」

    詩菜「刀夜さんと違って、決断がすぐにできて私も嬉しいです」

    刀夜「か、母さん……だけど、本当に驚いたな。当麻が電話で――」

    369 = 117 :

    上条『父さん、今年の夏も帰ろうと思うんだ』

    刀夜『そうか、私も母さんも嬉しいよ。いつ頃帰ってくるんだ?』

    上条『八月の頭とかに。それと……他の人を連れってても良いかな?』

    刀夜『他の人……なるほど。当麻、女の子を連れてくるつもりだな』

    上条『ま、まぁ……そんな感じで……』

    刀夜『良いだろう。当麻の恋人なら、私達も歓迎するぞ』

    上条『ありがとう、じゃあまた連絡するから』

    370 = 117 :

    刀夜「これは案外、孫の顔を見るのも早いんじゃないか?」

    詩菜「あらあら、刀夜さんはもうおじいちゃんになったつもりなのかしら」

    刀夜「で、母さん。当麻が連れてくる女の子は誰だと思う?」

    詩菜「そうですね……私は、御坂さんの娘さんだと思います」

    刀夜「御坂さん……あぁ、大覇星祭の時の女の子か。なるほど……」

    詩菜「刀夜さんは、あの外国の女の子だと思うんですか?」

    刀夜「あぁ、あの子と当麻の間には特別な何かがある気がする。きっと、あの子を選ぶだろう」

    詩菜「あらあら、男の人でないと分からない何かがあるのかしら」

    刀夜「そうかもしれないな。……おっ、噂をすれば」

    詩菜「タクシーが来ましたね。きっと、当麻さんと恋人さんはあの中に……」

    371 :

    姫神さん大勝利だろ? そうだろ?

    373 :

    そこでまさかの……

    374 :

    6人乗りのタクシーだな

    375 :

    土御門だろ

    376 :

    ハーレムこい

    377 :

    五和に頑張っていただきたい

    378 :

    まさかの百合子で

    379 :

    新キャラだな

    380 :

    5人の内から選ばないといけないってのは上条さんがぶち[ピーーー]の好きな幻想ですよ。

    381 :

    私です

    382 :

    1万人乗りのタクシーじゃね?

    383 :

    まさかのヴェント期待

    384 :

    テッラで

    385 :

    一万人乗ったらそれはタクシーじゃねぇよ…
    しかし1万人乗りタクシー希望ww

    386 :

    そして新たに生まれた上条当麻町

    388 :

    妹以外にもいるんじゃね

    389 :

    上条「おーい、父さーん、母さーん」


    刀夜「当麻が来たぞ。……母さん、予想はどうやら」

    詩菜「ええ、私の勝ちですね」

    刀夜「うん? 何を言っているんだ母さん、当麻の横を見てみなさい」

    詩菜「ええ、見ていますよ」

    刀夜「何だ、見えているのか。当麻の横に居るのはどう見ても」

    詩菜「はい、御坂さんの娘さんですね」

    刀夜「……母さん? 私には、外国の女の子が横に居るように見えるんだが……」

    詩菜「……あらあら、本当ですね」

    刀夜「……どういう事なのだろうか」

    390 = 117 :

    上条「父さん母さん、久しぶり」

    刀夜「あ、あぁ……久しぶりだな当麻。それに」

    美琴「お、お久しぶりです……」

    イン「ええっと、とうやにしいなだよね。元気そうで私も嬉しいんだよ」

    詩菜「え、ええ……あなたもお元気そうで」

    刀夜「当麻、お客さんはこの二人なのか? 私はてっきり……」

    上条「あー……実は、あっちのタクシーにも」

    刀夜「……うん?」


    神裂「海ですか……潮風が心地よいですね」

    「楽しみだったんですよ、日本の海というのも久しぶりですから」

    姫神「あそこに居る二人が。当麻君のご両親みたい」

    391 = 117 :


    刀夜「……当麻、まさかとは思うが」

    上条「えっと……あの三人も俺が連れてきた。……マズかった?」

    詩菜「五人ですか……頑張れば何とかなるとは思いますが」

    上条「ごめん……お願いします」

    刀夜「当麻、一つ聞かせてくれないか。お前が連れてくるはずだった彼女というのは……」

    上条「……実は」


    上条「――この五人とも、俺の恋人だ」


    刀夜「……な、何!?」

    詩菜「あらあら……」

    392 = 117 :

    新・上条宅

    神裂「神裂火織と申します……不束者ですが、よろしくお願いいたします」

    「は、はじめまして。いつも当麻さんにはお世話になっています……」

    姫神「姫神秋沙です。お義父さん。お義母さん。どうかよろしくお願いします」

    美琴「何よそれ……えっと、私もよろしくお願いします」

    イン「とうや、しいな、これお土産なんだよ」

    刀夜「あ、あぁ……ありがとう」

    詩菜「あらあら……当麻さん、これはどういう事なのかしら」

    上条「それは……そのですね」

    姫神「当麻君が決められなかったから。こうなってしまいました」

    刀夜「決められなかった?」

    「はい、当麻さんにこの五人の中から選んで頂くようお願いしまして」

    詩菜「その結果が、こうなったという事ですか?」

    神裂「ええ、その通りです」

    393 = 117 :

    回想

    上条「――駄目だ、やっぱり俺には選べない……ごめん!」

    美琴「え、選べないって……」

    上条「仕方ねえだろ……お前達全員可愛いし優しいし、選びようがねえんだよ!」

    姫神「開き直った。でも。それだと」

    「時間を取らなければ、って事になりますよね」

    上条「そうして頂けたらありがたいのでございますが……」

    神裂「それでは先ほど話したように、不公平という事になってしまいますね」

    イン「そうだね、……とうま、時間があったら本当に決められる?」

    上条「あぁ……絶対とは言い切れないけど」

    394 = 117 :

    姫神「……やっぱり。最終的にはこうするしか」

    美琴「そうね……まぁ、なんとなく分かってはいたけど」

    「ええ……今までの事を考えると、やはり」

    神裂「……他の女性が増えるよりは」

    イン「うん、それは困るからね。じゃあ……」

    上条「あの、何の話をしているのかさっぱり分かんねーんだけど……」

    姫神「上条君。『選べない』ではなくて。『選ばない』という選択肢はどう?」

    上条「選ばない……誰とも付き合わないって事か?」

    「その逆です。この五人全員……上条さんの恋人に、という事です」

    上条「……はい?」

    395 = 117 :

    美琴「アンタが決められないなら、決めなくても良いようにする。そういう事よ」

    上条「いや、ちょっと待てって……それはいくら何でも」

    姫神「他の女の子まで来られたら困るから。こうするしか無いと思う」

    上条「お、おい……さすがにそれは無しだろ? 俺が言うのも変だけどさ……」

    「もちろん、いつまでも全員とお付き合いする、という訳ではありません」

    神裂「あなたが一人に決める事ができれば、その時に言ってください」

    美琴「それまでは私達全員、アンタの彼女。良いわね?」

    上条「良いわねって……駄目だと思うのが普通だろ、他の方法を」

    姫神「もう一度確認する。他の女の子には邪魔されたくない」

    美琴「さらに、全員公平にする。そのためにはこれが最良だと思うわけ」

    上条「いや、男としては最悪だと思うんだけど……」

    396 = 117 :

    神裂「確かにそうかもしれませんが……私達はそれで構わない、というのは理解してください」

    上条「……お前達は本当にそれで良いのか? 俺は……駄目だと思う」

    イン「とうま、良く考えてみて。誰かを選ぶって事はどういう事か」

    上条「一人選ぶから……四人には申し訳ない事になるか」

    「では上条さん。……今、インデックスさん以外を選ぶ事はできますか」

    上条「何でインデックスだけ……全員から考えてるつもりなんだけど」

    神裂「今、あなたが他の女性を選んだとき、この子はあなたと一緒に過ごす生活を続けると思いますか?」

    上条「……無いだろうな」

    美琴「で、アンタはそのシスターと離れる事はできるの? 今じゃなくても、いつかはそうなる事になる」

    上条(インデックスと離れる……そんな事、考えてみなかったな。……あぁ、そうか。インデックスと離れるなんて――)

    上条「……今は、無理だ」

    姫神「うん。そう言うと思った」

    397 = 117 :

    イン「とうま、私はね、とうまの邪魔になりたくない。だから好きな人を選んで欲しい。……でも」

    イン「……とうまと一緒に居たいっていうワガママの方が今は強いんだよ」

    上条「インデックス……」

    イン「だから、私は誰かと一緒でもとうまのそばに居られればそれで良い」

    神裂「……この子が悲しまない選択、あなたにはそれを選んで頂きたいのです」

    上条「それは……インデックスを選べって事か?」

    神裂「……はい、と言う事ができないのが正直な気持ちです。私を選んで頂きたい、という思いもあります」

    姫神「それなら。その二人とも一緒に幸せにしてあげれば良い。そうは思わない?」

    上条「……いや、それでも」

    美琴「難しく考えちゃダメ、今まで不幸だった分ちょっと幸せになってみても良いじゃない」

    「……もちろん、恋人になった後でも、それぞれ違った方法で上条さんにアプローチします」

    姫神「だから。誰かを選ぶ事ができるまで。どう?」

    美琴「選ぶのはアンタよ、……どうする?」

    上条「俺は――」

    398 = 117 :

    刀夜「――それで、全員が当麻の恋人と」

    上条「……そういう事になりまして」

    詩菜「あらあら……皆さんはそれで良いのかしら?」

    イン「うん、私達で決めた事だからね」

    姫神「一番にはなりたいけど。失うよりかは幾分か良いと思うので」

    詩菜「でも、本当にそれで良いのでしょうか……」

    神裂「私達はそれでも良いのですが……やはり、普通に考えればあるまじき事ですから」

    「迷いが無い、という訳ではありませんね……」

    詩菜「そうですか……刀夜さん。刀夜さんはどう思いますか?」

    刀夜「……当麻」

    上条「……あぁ」

    刀夜「――その手があったのか」

    全員「えっ?」

    399 = 117 :

    刀夜「いや、なるほど、その発想は――っ!?」

    詩菜「刀夜、さん?」

    刀夜「か、母さん……?」

    詩菜「あらあら、あらあら……刀夜さん、ちょっとこちらに来ていただけますか?」ゴゴゴ

    刀夜「いや、これは冗談で、決して本当にそんな事を思ってる訳では」

    詩菜「ええ、とりあえずこちらに……皆さん、少々お待ちくださいね?」

    刀夜「か、母さん、落ち着い 詩菜「はーい、刀夜さん。こっちですよ」 

    刀夜「と、当麻! 助けてくれ!」

    上条「父さん、俺が言うのもなんだけど自業自得だ」

    刀夜「ひ、ひいっ――」


    神裂「……あの父親あって、この子あり、という事でしょうか」

    美琴「……そうみたいね」

    400 = 117 :

    詩菜「みなさん、お待たせいたしました」

    「い、いえ……大丈夫ですか?」

    刀夜「えぇ、先程は失礼な事を言って申し訳ない……さて、当麻」

    上条「……今度は変な事言わないでくれよ」

    刀夜「安心しなさい。……とりあえず、現状では当麻の恋人が皆さん全員だという事は分かりました」

    詩菜「常識的に考えて、おかしいというのは皆さんも分かっていらっしゃるんですよね?」

    神裂「……それは、承知の上です」

    刀夜「当麻、責任はお前にある。それも分かっているな?」

    上条「……自分でも、情けねー事をしてんのは分かってる」

    イン「……とうま」


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