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元スレ紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」
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γ世界線では鈴羽を凌ぐ身体能力
自力で動画を添付出来るDメール開発
ダイバージェンスメーター開発
基本的にスペックは高いんだよな
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ダイバージェンスメーター開発
基本的にスペックは高いんだよな
>>136 続き
─我輩は猫である(名前はまだ無い)─
束「でーきたーっ!! さすが束さん、天才だなぁー。
昨日の今日で出来ちゃうなんて天才だなーでもちょー疲れたー」
束の眼前に鎮座する石のような鉄の塊。
暗闇に飲まれた室内で、ディスプレイの微かな明かりが岡部倫太郎の専用機を照らした。
束「さてさて、これがどうなるか楽しみだね。
早くデータ欲しいなー、どうなるのかなー」
くー「IS学園にお運びしますか?」
束「にゃ! 気が利くね、くーちゃん!
それじゃ、お願いしよっかな。場所は……うん、お部屋の前で良いよもう」
くー「……はい」
束「どうせ、いっくんと同室だろうし何とかなるってなるって。
それより束さんは眠いので寝ちゃいまーす! おやすみー!! やー久々疲れたー!!!」
くー「……行って参ります」
ディスプレイに突っ伏し寝てしまった束にタオルケットをかけ、深夜のIS学園へと銀髪の人影が潜入した。
この日、幾重にも張り巡らされた警告機が作動することは無かった。
─我輩は猫である(名前はまだ無い)─
束「でーきたーっ!! さすが束さん、天才だなぁー。
昨日の今日で出来ちゃうなんて天才だなーでもちょー疲れたー」
束の眼前に鎮座する石のような鉄の塊。
暗闇に飲まれた室内で、ディスプレイの微かな明かりが岡部倫太郎の専用機を照らした。
束「さてさて、これがどうなるか楽しみだね。
早くデータ欲しいなー、どうなるのかなー」
くー「IS学園にお運びしますか?」
束「にゃ! 気が利くね、くーちゃん!
それじゃ、お願いしよっかな。場所は……うん、お部屋の前で良いよもう」
くー「……はい」
束「どうせ、いっくんと同室だろうし何とかなるってなるって。
それより束さんは眠いので寝ちゃいまーす! おやすみー!! やー久々疲れたー!!!」
くー「……行って参ります」
ディスプレイに突っ伏し寝てしまった束にタオルケットをかけ、深夜のIS学園へと銀髪の人影が潜入した。
この日、幾重にも張り巡らされた警告機が作動することは無かった。
─自室─
──シャコシャコシャコ……。
一夏「シャルに負けたのが悔しくて、良く眠れなかったな……」
早朝。
未だに眠っている岡部倫太郎を他所に、織斑一夏は歯を磨きながら思い悩んでいた。
織斑一夏のIS戦成績はこのところ芳しくない。
“白式”が第二形態へ移行し、攻撃力や攻撃の幅も増えたがエネルギーの問題も大幅に増えた。
更識 簪(さらしき かんざし)のお陰で多少のエネルギー問題は解決されたものの、未だに多数の問題を抱えている。
ラウラ・ボーデヴィッヒ。シャルロット・デュノア。この二人に一対一での戦闘では全く持って歯が立たなくなっていた。
以前より差が開いてしまったとすら一夏は感じていた。
一夏「来週のクラス内対抗戦……頑張らないと……」
──シュィィィイイイイン!!!
一夏「……なっ!」
水状の刃が突如ドアの向こう側から、貫き。一夏と岡部の部屋のドアを切り裂いた。
???「ふう。お邪魔しまぁす」
一夏「何やってるんですか、楯無さん」
楯無「あら……? 一夏くんったら随分と早起きさんなのね?」
ドアを斬り破って登場したのは、IS学園2年生で生徒会長。
更識 楯無(さらしき たてなし) であった。
ドアを斬り裂いたであろう、蛇腹剣“ラスティー・ネイル”はその手になく、何時も通り“惨状”と書かれた扇子が開かれていた。
参上と惨状をかけているのだろう。
一夏「ドアの修理、申請しておいて下さいよ……」
楯無「やん。怒っちゃやーよ? おねーさんは一夏くんの寝顔を見に来ただけなの。
それなのに、もう起きてるなんて……きみ、 な ま い き だ ぞ♪」
楯無はツンツン、と扇子で一夏の鼻先を突付いた。
一夏「……怒りますよ」
楯無「もー、一夏くんってば何時にもましてイケズなんだから。
どうしたの? 悩みがあるならおねーさんが聞いてあげようか?」
一夏「別に……無いですよ」
楯無「(可愛いんだから……)
ふふっ、それより一夏くん。ドアの目の前にあーんな大きな荷物置いておくの、おねーさんは関心しないかな?」
一夏「荷物……? 何のことですか?」
楯無「あら? 自覚無し?」
一夏「???」
楯無「うーん、じゃぁ直接見てみた方が早いわね。こっちこっち」
一夏「これ……は……」
一夏と岡部の部屋の前。
廊下には黒い石のような塊が鎮座していた。
触るとひんやりとしていて、鉱石のようで鉄のような不思議な雰囲気を醸し出している。
楯無「何かしら、これ?」
一夏「さぁ……俺は知りませんけど」
楯無「うーん、じゃぁやっぱり……彼、関係かしらね?」
一夏「彼?」
楯無「岡部──倫太郎」
岡部倫太郎。
そう呟いた楯無の瞳は何時ものような柔和な輝きは無く、鋭く冷たい更識家頭首のソレであった。
一夏「凶真の物ってことですか……?」
楯無「さぁ? 直接聞いてみないと……」
岡部「なっ、なんだコレは!! 何故ドアが無くなってるんだ……」
楯無「あはっ。都合よく起きたみたい♪」
一夏「これだけ騒げば誰だって起きますよ……」
岡部「ワンサマー! これは一体……な、んだコレは」
一夏「おはよう、凶真。起こしちゃったみたいでごめんな」
楯無「はぁい」
岡部「む? 誰だ貴様は」
一夏「えっと、この人は……」
楯無「更識 楯無。IS学園2年生で生徒会長をやってるわ。よろしくね?
岡部──倫太郎ちゃん?」
岡部「なっ……倫太郎ちゃん?」
楯無「うーん、ちょっと長いかしら? 倫ちゃん? うん、倫ちゃんなんて良いんじゃない?」
一夏「それって鈴と発音が被りませんか?」
楯無「あら……それはちょっと困っちゃうわね。うーん……」
岡部「うーんではない! おい、ワンサマーなんだこの異様に馴れ馴れしい女は」
楯無「もう、今さっき説明したばかりじゃない」
岡部「そう言う意味では、あぁもう。話しが通じん。
フェイリスより質が悪いな……」
一夏「ふぇいりす?」
岡部「あぁ、すまん。こちらの話しだ」
楯無「で、倫ちゃんはコレが何か解る?」
一夏「結局、それに落ち着くんですか?」
楯無「だって、可愛いもの。字面で違いは解るわよ、きっと♪」
岡部「(この手の人種は苦手だ……)」
一夏「まぁ良いか。で──凶真、解るか?」
岡部「いや、さっぱりだが……」
楯無「うーん、おねーさんのレーダーにはコレが倫ちゃん関係だってずびずばキてるんだけど……。
ねぇ倫ちゃん。本当に心当たりない?」
岡部「だから、無いと言っているだろう。それに、貴様さっきから馴れ馴れしいぞ。
第一お姉さんお姉さんと言っているが俺の方が年上だろう、どう考えても」
楯無「いやん。年齢なんて関係無いわ。おねーさんはおねーさんだもの。ね? 仲良くして欲しいな?」
岡部「(っく……顔が近い……)」
楯無「うふっ……照れちゃって、倫ちゃんも一夏くんと同じ位可愛いかもしれないわね」
一夏「(凶真……楯無さんに目を付けられたら、すまん。守れそうに無い)」
紅莉栖「──岡部?」
岡部「紅莉……スティーナか。どうしたこんな時間に」
紅莉栖「いや、朝食を一緒に食べにって……なに、これ?」
岡部「解らん……」
楯無「あら、貴女が噂のクリちゃん?」
紅莉栖「くっ、くり!?」
楯無「更織 楯無。ここの生徒会長やってるの、よろしくね」
紅莉栖「生徒会長……?(って、確かロシアの正式な代表じゃ……)」
楯無「まぁまぁ、そう肩肘張らずに仲良くしましょうね♪」
紅莉栖「はぁ……」
楯無「で、クリちゃんもこの塊の正体を知らないっと……」
紅莉栖「(ちょっと、岡部! どういうことだ、説明を希望する!)」
岡部「(知らん。俺も今さっき起きたところで状況が掴めんのだ)」
──コツコツコツ。
千冬「どこの馬鹿者だ! 朝っぱらから騒いでいるのは」
一夏「ちっ、千冬姉ぇ……」
千冬「一夏……やはりお前か……」
一夏「いやっ、その……違うくて……でもまぁ結果……はい、そうです」
──コホン。
千冬「んんっ。織斑、状況を説明しろ。ドアが無くなっている理由もな」
一夏「えっと……ドアは盾無さんで、この塊は……」
楯無「~♪」
一夏「この塊は朝起きたらここにありました」
千冬「起きたらあった?」
一夏「はい」
千冬「(こんな巨大な物を人知れず廊下に放置出来る人間など……。そういう事か……)
岡部、ちょっと来い」
岡部「む?」
千冬「良いから来い。
こいつに一度でも触れたか?」
岡部「いや、一切触れてないが……」
千冬「触ってみろ。指輪をしているのは右手か? なら右手でな」
紅莉栖「えっ! まさか……)」
楯無「(……そういうこと)」
一夏「?」
岡部「こんな得体の知れない物に触れと言うのか……」
千冬「良いから触れ。命令だ」
岡部「っく……」
恐る恐る岡部はその塊に右手を差し出した。
──ブゥン。
《“コア”確認 起動》
岡部「なっ!?」
塊に右手が触れた瞬間、岡部の身体はソレに飲み込まれた。
一夏「えっ! 凶真!?」
紅莉栖「岡部っ!!」
千冬「……」
楯無「……」
岡部の身体を完全に飲み込んだ塊は暫くするとその形を変形し始めた。
ぐにょりぐにょりと形を変えていく。
その様はまるで、映画に出てくる知性を持った液体金属の変形のようだった。
千冬「これは……」
楯無「この形は……」
《形状記憶 固定完了 フォーマット・フィッティング開始》
岡部「(なんだ、何が……起こった? 暗くて何も見えない……)」
一夏「IS……なのか?」
紅莉栖「岡部……」
《フォーマット・フィッティング 終了》
黒一色だった機体の色は淡いクリーム色がベースのものへと変化していた。
千冬「今のが……」
楯無「ファースト・シフト……?」
一夏「初期設定が終わったってことか……?」
紅莉栖「でも、この形って……」
岡部「むっ……視界が一気に開け……ぬぁっ!? なんだコレは!?」
操縦者の知覚を補佐する役目を担うハイパーセンサーに岡部は戸惑いの声を上げる。
先ほどと打って変わって、岡部の視界は全方位が知覚出来る世界へと変貌を遂げていた。
そのフォルムは独特で、一切の肌の露出が無く端から見れば搭乗者が岡部倫太郎だと解る要素は何一つ無かった。
岡部「これが……俺のIS-インフィニット・ストラトス-か」
短めで申し訳ありませんが、これで本日の投下は終了です。
ありがとうございました。
画像がいつまで持つか解りませんが……。
簡易キャラ紹介。
・篠ノ之 束(しののの たばね)
http://kie.nu/.BV
箒の姉であり、ISの発明者。
1人でISの基礎理論を考案、実証し、全てのISのコアを造った自他共に認める「天才」科学者。
ISを開発したことから政府の監視下に置かれていたが、物語開始の3年前に突如行方をくらませる。
失踪後も唯一コアの製造方法を知っているため、現在も各国から追われている。
現在も失踪中で、所在地は不明。
・更識 楯無(さらしき たてなし)
http://kie.nu/.BW
IS学園2年生で生徒会長。裏工作を実行する暗部に対する対暗部用暗部「更識家」の当主。
明瞭快活で文武両道、料理の腕も絶品で更に抜群のプロポーションとカリスマ性を持つ完璧超人。
IS学園の生徒でありながら自由国籍権を持ち、ロシアの代表操縦者。
在学生で唯一の現役の代表者である。
肉弾戦・IS戦の双方ともに作中屈指の実力を持ち、自他共に認める「IS学園最強」。
・更識 簪(さらしき かんざし)
http://kie.nu/.BX
上記、楯無の実妹。
日本代表候補生。
今後の当SSに登場するかは不明。
ありがとうございました。
画像がいつまで持つか解りませんが……。
簡易キャラ紹介。
・篠ノ之 束(しののの たばね)
http://kie.nu/.BV
箒の姉であり、ISの発明者。
1人でISの基礎理論を考案、実証し、全てのISのコアを造った自他共に認める「天才」科学者。
ISを開発したことから政府の監視下に置かれていたが、物語開始の3年前に突如行方をくらませる。
失踪後も唯一コアの製造方法を知っているため、現在も各国から追われている。
現在も失踪中で、所在地は不明。
・更識 楯無(さらしき たてなし)
http://kie.nu/.BW
IS学園2年生で生徒会長。裏工作を実行する暗部に対する対暗部用暗部「更識家」の当主。
明瞭快活で文武両道、料理の腕も絶品で更に抜群のプロポーションとカリスマ性を持つ完璧超人。
IS学園の生徒でありながら自由国籍権を持ち、ロシアの代表操縦者。
在学生で唯一の現役の代表者である。
肉弾戦・IS戦の双方ともに作中屈指の実力を持ち、自他共に認める「IS学園最強」。
・更識 簪(さらしき かんざし)
http://kie.nu/.BX
上記、楯無の実妹。
日本代表候補生。
今後の当SSに登場するかは不明。
乙です
申し訳ございませんでした
投下が始まっていたことに気づきませんでした
申し訳ございませんでした
投下が始まっていたことに気づきませんでした
*岡部倫太郎の専用ISのグラフィック。
ゲーム
ZONE OF THE ENDERS
の“ジェフティ”を想像しながら書いてます。
http://kie.nu/.C0
IS 銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)
http://kie.nu/.C1
のような感じに素肌が見えないと思って下さい。
アニメ版では搭乗者無しの福音ですが、原作では搭乗者ありなので、後者の方を参考にしています。
雑談ですが、投下途中でも前でも後でも全く気にしません。
レスが頂ける=読んで貰っている。
それだけで嬉しくモチベーションに繋がっています。
それではありがとうございました。
ゲーム
ZONE OF THE ENDERS
の“ジェフティ”を想像しながら書いてます。
http://kie.nu/.C0
IS 銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)
http://kie.nu/.C1
のような感じに素肌が見えないと思って下さい。
アニメ版では搭乗者無しの福音ですが、原作では搭乗者ありなので、後者の方を参考にしています。
雑談ですが、投下途中でも前でも後でも全く気にしません。
レスが頂ける=読んで貰っている。
それだけで嬉しくモチベーションに繋がっています。
それではありがとうございました。
>>171
次はいつ?
次はいつ?
面白いなぁ。
このオカリンはどこまで凄いことをやらかしてくれるのか、ワクワクせざるを得ない。
γ世界線のオカリンが厨二的に最高なエージェントっぽかったから、
そんな感じで周りには見られているのかね?
……変身ヒーローみたいでイイっ!
でも、体力無いのは致命的か……ww
楽しみにさせていただきます!
乙乙。
このオカリンはどこまで凄いことをやらかしてくれるのか、ワクワクせざるを得ない。
γ世界線のオカリンが厨二的に最高なエージェントっぽかったから、
そんな感じで周りには見られているのかね?
……変身ヒーローみたいでイイっ!
でも、体力無いのは致命的か……ww
楽しみにさせていただきます!
乙乙。
っつーかオカクリならISのコアくらい自力で・・・(ガチャ
おっと誰か来たようだ。
おっと誰か来たようだ。
>>151
鈴羽の時点で、ただのプロ5人がかりでも圧倒してたのに、それを上回るγオカリン強すぎワロタ。
鈴羽の時点で、ただのプロ5人がかりでも圧倒してたのに、それを上回るγオカリン強すぎワロタ。
まっちょしぃなんか出てきたら世界観崩壊もいいとこだろ
IS素手でぶっ壊しちまうじゃねぇか……
IS素手でぶっ壊しちまうじゃねぇか……
>>187
まっちょしぃがISに乗ったっていいんだぜ?
まっちょしぃがISに乗ったっていいんだぜ?
「未来ガジェット研究所、まっちょしいだ。」
「正面からいかせてもらおう、それしか能が無い」
「正面からいかせてもらおう、それしか能が無い」
「馬鹿な…!ISはまっちょしぃの拘束衣だとでも言うのか…!」
>>191
社長やめろwwwwwwwwww
社長やめろwwwwwwwwww
>>170 続き
─職員室─
千冬「はぁ……」
柄にも無く、織斑千冬は深い溜息を付いた。
原因は今朝方に起きた岡部倫太郎の専用ISに他ならなかった。
千冬「束め……もう少し、時と場所を考えられなかったのか」
言葉を吐いた直後に、そんなことを期待出来る友人ではない。
と、思い出し自分に悪態を付くしかなかった。
その後は少々……と付けるには控えめなほど騒ぎになった。
寮の廊下でISを完全展開したのであれば、他の部屋の生徒が気付かないはずもなく、その場は完全に岡部専用機のお披露目会場と相成ってしまった。
ご丁寧なことにも、完全展開後に束のホログラフィックによる機体説明まで始まってしまったので尚の事だった。
─職員室─
千冬「はぁ……」
柄にも無く、織斑千冬は深い溜息を付いた。
原因は今朝方に起きた岡部倫太郎の専用ISに他ならなかった。
千冬「束め……もう少し、時と場所を考えられなかったのか」
言葉を吐いた直後に、そんなことを期待出来る友人ではない。
と、思い出し自分に悪態を付くしかなかった。
その後は少々……と付けるには控えめなほど騒ぎになった。
寮の廊下でISを完全展開したのであれば、他の部屋の生徒が気付かないはずもなく、その場は完全に岡部専用機のお披露目会場と相成ってしまった。
ご丁寧なことにも、完全展開後に束のホログラフィックによる機体説明まで始まってしまったので尚の事だった。
束「はろはろーん! この説明が流れてるってことは、ファースト・シフトが終わったってことだね。
うんうん、良いことだ!
どんな形になったのかな? ホログラフの束さんじゃ見れないから、リアルタイムで観測出来ないのはちょっと残念かなー。
まっ、良いや。簡単に説明しちゃうよ? 準備は良い? 良くなくても始まっちゃうからね!
この映像は一度きりだから聞き逃しても束さん知らないからねー」
篠ノ之 束のホログラフが廊下で演説したものは衝撃的なものだった。
一学校の、それも廊下でするような内容では無い……と言う意味も含めて。
──今、君が纏っているのは第5世代相当の新型IS。
この、たった一言が世界へどれだけの影響を与えるかを束は理解しているのか?
織斑千冬がどれだけ思いを馳せ様とも、ホログラフの演説が止まる事は無論、ありはしなかった。
演説の最中に人が人を呼び、何時の間にか廊下は大混雑。
見渡せば自らが受け持つクラスの生徒……専用機持ちも集合していた。
束「第5世代相当……って言うのは、厳密には違うってことね。
第4世代のコンセプトが全領域・全局面展開運用能力。
これが完成・完結してない訳だから、次にシフトする先がまだ無い訳。
つまり、この機体が目指した場所は全く違う訳だよ」
──コアと搭乗者による、完全自立進化型。
束「バススロット無し! 初期装備無し! もーなんも無し!
フィッティングが終わって、ファースト・シフト移行しないとどんな装備なのか。
ましてや、フォルム自体もコアと搭乗者任せだから想像付かないわけ。
後の装備は箒ちゃんの乗ってる“紅椿”と同じように“無段階移行”(シームレス・シフト)にお任せ!
っちゅーか、“無段階移行”に完全依存だね、うん。後は頑張れ! いじょう!」
──ブツン。
速射砲の様に用件だけを言い終わると、ホログラフは消えてしまった。
ざわつく廊下。
“完全自立進化型”そんな世界的発表をこんなところでしてしまったのだ。
騒ぎが簡単に収まるはずが無かった。
取りあえず、生徒を部屋に戻さねばと千冬が口を開こうとした時。
──ブツン。
束「いやー忘れてた! まだ見てる? 見てなくても喋るけどねー。
その子の名前は──“石鍵”(いしかぎ)。
君がその子を、石くれで出来た鍵のままにするのか。それとも世界を開く鍵にするのか。楽しみにしてるよん。
完全自立進化だからね、第1世代に劣るスペックにもなれば、それこそ本当にそのまま第5世代になるのかもしれない。
全ては君次第だー! なんちゃって」
──ブツン。
こうして岡部倫太郎専用IS “石鍵” はIS学園1年寮の廊下で誕生した。
千冬「噂は既に校内全ての生徒に行き渡っているだろう……場所は地味だが、最高に派手で迷惑なお披露目だ」
山田「私はその時間、まだ眠っていたので直接見れなかったのは残念ですが……」
千冬「山田先生はもう少し早めに起きる習慣を付けた方が良い」
山田「あう……すみません。
でも、即時万能対応機すら机上の空論だったのに“完全自立進化型”ISなんて……」
千冬「また、荒れるだろうな」
山田「えぇ……岡部君も、一夏君 箒さん同様にどこにも所属していない専用機持ちになってしまいました。
これから先、日本人生徒3人の所属について各国が荒れるでしょうね」
千冬「生徒を守るのも教師……担任の務めだ。副担任にも頑張って貰うだけさ」
山田「あう……が、頑張ります」
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