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元スレ紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」
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──あれあれ、これこれで。
シャル「えっ……」
箒「むう……」
鈴音「ね? そっちの方が、実際効率良いでしょ?」
セシリア「色々な方と実戦を踏むほうが、経験値も上がると思いますの」
シャル「う、うん……」
箒「し、しかしだな」
鈴音「箒だって、一夏と組み手したいでしょ? あいつがどの程度出来るかやりたいでしょ?」
箒「うっ……」
セシリア・鈴音ペアのチームワークは完璧だった。
各人獲物が同じなのだから、釣られる餌も同じである。
シャルロットと箒を陥落させるのはとても簡単だった。
シャル「そ、そうだね。その方が、ためになるよね」
箒「うむ……そうだな、うむ」
これで4人。
シャルロットを仲間に出来た。
ラウラはシャルロットに弱い。
これは1年1組の共通認識で、暴れん坊のラウラの手綱をシャルロットが操る構図が完成していた。
鈴音「さー、ラウラ教官に直訴するわよ!」
セシリア「シャルロットさん、お願い致しますわよ?」
シャル「やっぱり、僕なんだね……」
箒「適任だな」
………………。
…………。
……。
ラウラ「……」
次はやっとラウラと一夏の組む番。
最近はスキンシップが少なくなってきたと感じていたラウラは、とても楽しみにしていた。
やはり寝技を重点的に教えてやるべきか。
一夏は寝技となると、急に動きが鈍くなるからなと心の中で思いつつ岡部との組み手を流していた。
ラウラ「(それが、こんなことになるなんて……)」
一夏「組み手は、一旦中止かな」
シャル「そうだね。オカリンを休ませないと……」
鈴音「ちょうどお昼時だし良いんじゃない?」
セシリア「賛成ですわ」
箒「うむ。実のある訓練だった」
ラウラ以外は全て一夏と組み手を終えた後で、満場一致で可決する。
たらたらと冷たい汗が、顔から、背中かから流れていく。
ラウラ「まっ、待て! まだ組んでない組が1組ずつあるはずだ!」
一夏「そうだけど、凶真が伸びてちゃ無理だろう」
セシリア「結局どなたか1人あぶれてしまいますわね」
ラウラ「し、しかしだな……」
箒「さっさと岡部を部屋に連れて行った方が良いんじゃないのか?」
シャル「どうせだったら、セシリアの部屋が良いんじゃない?」
鈴音「そうね、岡部は紅莉栖に任せて私達はご飯に行きましょうよ」
ラウラ「あうあう……」
何も言えない。
何を言っても通らない。
ラウラはぎゅっと目を瞑り、これで午前の部は終了とする。とだけ小さく呟いた。
─セシリア・紅莉栖部屋─
紅莉栖「うーん……」
液晶投影ディスプレイと睨めっこをしながら、紅莉栖が呻く。
勿論見ているデータは“石鍵”の物だ。
紅莉栖「明らかにスラスター出力が低い……機能していない……」
殆どがセシリアの私物で埋まる部屋で、1人データと睨めっこを続けていた。
紅莉栖「両肩に翼型のスラスターがあるのに、機能しないってどういうことよ」
データ上には《 LOCK 》の文字が浮かび上がる。
紅莉栖「スラスターにロック? ってか、供給するエネルギーが無いんじゃどうしようも……あぁもう!」
机に突っ伏して時計の針を目で追った。
時刻はもうすぐ12時になろうとしている。
紅莉栖「お腹すいたな……食堂行く──」
──コンコン。
紅莉栖「っと、お客さん? はいはいっと」
一夏「よっ、紅莉栖」
紅莉栖「一夏……と、ソレは?」
一夏と、箒に抱えられた大きな荷物。
失神した岡部がソコには居た。
ラウラ「訓練中の事故だ。大したことは無い」
紅莉栖「って、え!? 事故……?」
シャル「あー、大丈夫だよ。ラウラがちょっと、はしゃいじゃっただけだから」
シャルロットの言葉に、ラウラは少しだけ頬を膨らました。
フン。と可愛く悪態を付くだけついて視線を外す。
鈴音「そういうこと」
一夏「無理やり起こすのも可哀想だし、保健室に行くほどでも無いしで」
箒「この部屋にと決まったんだが」
セシリア「よろしいかしら?」
紅莉栖「うん、まぁ……異論は無いが……」
一夏「良かった。えっと、じゃぁ紅莉栖のベッド……は、勿論コッチだよな」
ドーンと佇む、豪華なセシリア用のベッドを見てから確信する。
紅莉栖「うん。適当に寝転ばせておけば起きるでしょ」
鈴音「これで大丈夫ね? さっ、食堂に行きましょ!」
セシリア「ささ、一夏さん。勿論エスコートして下さるんでしょ?」
鈴音が一夏の左腕。
セシリアが右腕に絡みつくようにしがみ付いた。
箒「な、何をしている!!」
シャル「そんなぁ、ずるいよ一夏ぁ」
ラウラ「貴様……私とは組み手もしなかったくせに……」
一夏「わっわっ、ちょっと待てって! 凶真も寝てるんだし、あぁもう……ごめんな、紅莉栖」
紅莉栖「気にしないで一夏。私は岡部が起きたら一緒に食堂へ行くから」
何時も通り、一夏が嵐を纏いながら食堂へと向かっていった。
この光景を見ても、特に何も思わなくなった当り私も慣れて来たんだろうかと紅莉栖も笑った。
紅莉栖「ふぅ」
ギシッ、とベッドに腰を下ろして意識を失っている岡部の顔を見つめる。
紅莉栖「鳳凰院凶真さんはまた気絶されてたのでありますか……」
言葉に棘は無く、語尾には優しさが感じられるほどだった。
ふと手が伸び、岡部の髪をかき上げる。
紅莉栖「頑張っちゃってまぁ……ヒゲも伸びてきてるぞー、おかべー……おーい」
小声で呼びかけるも岡部は反応を返しはしない。
段々と紅莉栖の頬が紅潮していく。
紅莉栖「だ、誰も居ない」
キョロキョロと、辺りを見回すもここは自室。
同室のセシリアはたった今、一夏達と食堂へ行ったので当分帰っては来ないだろう。
紅莉栖「お、おきろー……」
すうすう、と気持ち良さそうに寝息を立てる岡部の耳元で囁く。
──ドキドキ。
心臓の音が、大きくなっていく。
顔面は完全に赤くなり、目元が潤む。
──ドキドキ。
個室で、しかも自室での2人きりと言う環境に紅莉栖の心臓は跳ね回っていた。
こんなにも岡部の顔を凝視したのは何時ぶりだったのかと、思いを馳せる。
段々と顔が近づく。
紅莉栖「……」
唇と唇が重なりそうになった。
その時……。
岡部「ん……っ」
──ガタタタッ!!
岡部「ん……?」
紅莉栖「岡部? オハヨウ。アンタまた気絶したらしいわよ!」
一瞬でベッドから椅子へと飛び退いた紅莉栖。
もちろん、寝起きの岡部には何が起きたか解らない。
岡部「助手……? んん……」
ズキン、と頭が痛む。
徐々に思考がクリアになっていき、自分が今どこに居るのかを把握した。
岡部「この部屋は、助手の部屋か。調度品がなにやら凄まじいことになっているが」
紅莉栖「それらは全部セシリアのだ。私のは殆ど無いわよ」
岡部「そうか……」
紅莉栖「っち、タイミング悪すぎだろうが……これだから童貞は……」
岡部「何を1人でぶつぶつと言っているんだ?」
紅莉栖「なんでもない! あー、そう言えばお腹すいてるんだった。
岡部、食堂行くわよ」
岡部「ん……今、何時だ?」
紅莉栖「昼の12時30。ここに運ばれて10分もしないで目覚めたわよ」
岡部「そうか、また気絶してしまったようだ」
くくっ、と自嘲気味に笑う。
ここへ来て何度目の失神だと。
紅莉栖「代表候補生相手にしてるんだから、当然と言えば当然の結果よ」
岡部「……」
そうして失神する度に、紅莉栖に慰められる。
これもパターンだなと内心で笑っていた。
紅莉栖「そんなことより、私はお腹がすいてる訳だが?」
岡部「もう昼か……そう言えば俺も、腹が減ったな……」
何時ぶりだろうか。
岡部が食欲をあらわにしたのは。
紅莉栖「へぇ、てっきりまた食欲が無いだとか、胃が痛いだとか言うのかと思ったら」
岡部「全くだ。依然として胃は痛いし、食いたくも無いはずなんだが……腹が減った」
紅莉栖のベッドで大の字に寝転がりながら、岡部は答えた。
紅莉栖「ふむん。宜しい、では今日は私が学食の牛丼をおごってやろう」
岡部「卵に、それとドクペも付けてくれ」
紅莉栖「む……。いきなり現金なやつね」
けれど、紅莉栖の顔は笑っていた。
紅莉栖「きっと一夏達のことだから、まだ食べ終わって無いでしょう。さっ、行きましょう」
すっ、と手を差し出す。
岡部は一瞬、ほんの一瞬だけ躊躇った後にしっかりとその手を掴んで起き上がった。
事情が事情だから
しゃ~ないッスよ(・ω・)
更新舞ってます( ̄∀ ̄)
しゃ~ないッスよ(・ω・)
更新舞ってます( ̄∀ ̄)
乙
自分のペースでやってくれ。
身体が一番大事なんだからな?
自分のペースでやってくれ。
身体が一番大事なんだからな?
頂けるレスの半数以上が、>>1の体や身辺を慮ってのものとか何やら嬉しいやら恥しいやらです。
こんばんわ。
何時もありがとうございます。
本日は本当に短いですが、箸休め程度ですが、更新しますです。
少量でも良いから更新していかないと!
こんばんわ。
何時もありがとうございます。
本日は本当に短いですが、箸休め程度ですが、更新しますです。
少量でも良いから更新していかないと!
>>864 続き。
─食堂─
セシリア「──と、言うことで。午後の部はこの私、セシリア・オルコットがお時間を頂戴致しますわ!」
バン! と机を叩き、セシリアが高らかに宣言する。
遅れて食堂へやって来た岡部と紅莉栖はキョトンとするばかりだった。
岡部「なにが、と言う訳なのだ。Ms.シャーロック」
牛丼を食べながら岡部が答える。
“牛丼さんぽ”の物とは少し違い、肉その物が良いらしくとても柔らかく上品な味だった。
倍率、数万倍と言われるIS学園の食堂は素材の質が良い。
─食堂─
セシリア「──と、言うことで。午後の部はこの私、セシリア・オルコットがお時間を頂戴致しますわ!」
バン! と机を叩き、セシリアが高らかに宣言する。
遅れて食堂へやって来た岡部と紅莉栖はキョトンとするばかりだった。
岡部「なにが、と言う訳なのだ。Ms.シャーロック」
牛丼を食べながら岡部が答える。
“牛丼さんぽ”の物とは少し違い、肉その物が良いらしくとても柔らかく上品な味だった。
倍率、数万倍と言われるIS学園の食堂は素材の質が良い。
セシリア「倫太郎さん? 前々から思っていたのですけれど……私の名前は、セシリア・オルコットですのよ?」
鈴音「そーよ、私も思ってた。アンタ人の名前間違えすぎじゃない?」
紅莉栖「(今更です。本当にありがとうございました)」
我関せずとばかりに、紅莉栖も牛丼を食べ進める。
箒「私も、時々だが間違えられてる気がするな」
シャル「僕もなんだよね……オカリン、1人ずつちょっと名前を呼んでみてくれるかな?」
岡部「急にどうしたと言うのだ、そんな面倒なことは──」
鈴音「良いから言いなさいよ」
ピシャリと鈴音が言葉を遮る。
どうも、ガールズ達は名前を間違って呼ばれていることに違和感を感じていたようだった。
岡部「……“しのののの”に“シャーロック”。“大陸娘”に“ヂュノア”それに“眼帯娘”」
1人ずつ目を見て、堂々と名前を間違える岡部。
箒「のが一つ多いような気がするんだが……」
岡部「そんなことは、ない」
箒「そっ、そうか……なら良い」
セシリア「ですから、シャーロックとは一体なんですの!?」
岡部「シャーロックはシャーロックだ。そんな事も知らんのか?」
セシリア「知っているとか知らないとか、そう言う意味ではありませんの!」
鈴音「大陸娘ってなによ! 良いから名前で呼びなさいってば!!」
岡部「解れば良いだろう。貴様の祖国は中国だ、何も間違った事は言っていないではないか」
鈴音「確かに中国だけど、それとコレとは関係無いでしょうが!」
シャル「えっと、僕のは発音がちょっと違うかな? “ぢゅ”じゃなくて、日本語で“でゅ”で良いんだよ」
岡部「はっはっは、ついついフランス訛りが出てしまったようだな。気にするな、ヂュノア」
シャル「フランス語でもその発音じゃないんだけどなぁ……」
一夏「それでもって、ラウラは眼帯娘か……」
ラウラはと言うと、何故か放心状態のようで元気が無かった。
岡部の付けた眼帯娘のあだ名を呼ばれても静かにココアを舐めている。
ラウラ「……」
岡部「気にするな。眼帯はチャームポイント……その道の人間からすればお洒落アイテムとも呼べる代物だ」
まさに暖簾に腕押し。
ガールズ達の意見は全て、岡部の良く解らない理論によって突っぱねられるしかなかった。
岡部「──で、午後の云々と言うのは一体?」
セシリア「そうでしたわ。名前の件はいずれ決着をつけるとして……」
紅莉栖「(無理だと思います)」
セシリア「午後の訓練はラウラさんに引継ぎまして、この私が面倒を見させて頂きますわ」
岡部「そうなのか? 眼帯娘」
意外な展開と言えた。
一番張り切っていたラウラが、午前中だけの訓練で時間をセシリアに渡すなど思いも寄らない。
ラウラ「……あ、あぁ」
食後のホットココアをちろちろ飲みながら頷く。
その顔はどこか覇気が無く、元気が無い。
ラウラ「(私だけ一夏と組み手が出来なかった、私だけ一夏と組み手が──)」
岡部と紅莉栖が合流する前。
食事の席の話しは専ら、一夏との組み手だった。
その話しに自分だけ入れず、ラウラはどんどんと覇気が無くなっていった。
岡部「解った。午後はシャーロックに任せるとしよう」
鈴音「んで、何するのよ?」
セシリア「そのことなんですけれど……午後は私と、紅莉栖さんのお部屋で行います。
ですので、参加者は4名のみ。倫太郎さんと一夏さん。私と紅莉栖さんで行いますわ」
箒「どう言うことだ?」
鈴音「どう言うことよ?」
シャル「つまり、僕達は……?」
ラウラ「(一夏と組み手が──)」
一夏「はは……」
岡部「……」
紅莉栖「……」
また面倒そうなことに、と岡部・紅莉栖は同じような目線で年下の女子達を見つめる。
そして一夏も何時も通り、乾いた笑いをこぼすことしか出来なかった。
セシリア「一夏さん。そして、ついでに倫太郎さん改造コーディネイトを致します!」
岡部「コーディ……」
紅莉栖「ネイト……?」
その場に居たセシリアとラウラ以外の人間が首を傾げた。
特訓ではなく、コーディネイト? と。
そろそろ1000か。すげぇな。
俺なんて結局失踪しちまったよ……
俺なんて結局失踪しちまったよ……
乙
ちょっと気になったんだけど
> 箒の要望で、寸止めではなく顔面と急所以外への攻撃を禁止した本格的な組み手になっている。
これ逆じゃないとすごい危ないんじゃない?
ちょっと気になったんだけど
> 箒の要望で、寸止めではなく顔面と急所以外への攻撃を禁止した本格的な組み手になっている。
これ逆じゃないとすごい危ないんじゃない?
>>1乙
無理すんなよ!自分のペースでやればいいのだ!
無理すんなよ!自分のペースでやればいいのだ!
ハヽ/::::ヽ.ヘ===ァ
{::{/≧===≦V:/
>:´:::::::::::::::::::::::::`ヽ
γ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
_//::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ モッピー知ってるよ。
. | ll ! :::::::l::::::/|ハ::::::::∧::::i :::::::i ここの読者さんはみんな優しい人だって。
、ヾ|:::::::::|: ⌒ト- ::::/⌒ヾj::/:::l
ヾ:::::::::| x=ミ V x=ミ /::::/
∧::::ト “ “ ノ:::/!
/::::(\ ヽノ / ̄) |
| ``ー――‐''| ヽ、.|
ゝ ノ ヽ ノ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
読んでくれる人が居る限り、頑張りたいですよね。
短めですが添削が終り次第また来ます。
>>1乙
がんばれよいろいろと!!
がんばれよいろいろと!!
>>879 続き。
─セシリア・紅莉栖部屋─
セシリア「前々から気になっていたんですの。倫太郎さんのその風貌」
半ば強制的に、セシリアの化粧台に備え付けられた椅子に着席させられている岡部。
美容院などで掛けられる前掛けのような物まで掛けられ、鏡に映る自分の顔は冷や汗をかいていた。
岡部「な、何をする気なのだ……助手よ、どう言うことだコレは!」
鏡越し。斜め後ろに、一夏と隣並びで立っていた紅莉栖へとSOSの意味を含めて訪ねた。
しかし、紅莉栖はさぁねと答えるだけで要領を得た回答は貰えない。
紅莉栖もセシリアの意図を測りかねていた。
セシリア「そもそも、ISと言うのは──」
割愛。
要するに、セシリアからするとIS操縦者たるもの最低限身嗜みはキチっとせねばならない。
そう言うことであった。
─セシリア・紅莉栖部屋─
セシリア「前々から気になっていたんですの。倫太郎さんのその風貌」
半ば強制的に、セシリアの化粧台に備え付けられた椅子に着席させられている岡部。
美容院などで掛けられる前掛けのような物まで掛けられ、鏡に映る自分の顔は冷や汗をかいていた。
岡部「な、何をする気なのだ……助手よ、どう言うことだコレは!」
鏡越し。斜め後ろに、一夏と隣並びで立っていた紅莉栖へとSOSの意味を含めて訪ねた。
しかし、紅莉栖はさぁねと答えるだけで要領を得た回答は貰えない。
紅莉栖もセシリアの意図を測りかねていた。
セシリア「そもそも、ISと言うのは──」
割愛。
要するに、セシリアからするとIS操縦者たるもの最低限身嗜みはキチっとせねばならない。
そう言うことであった。
セシリア「──と、言う訳ですわ。御分かりになりまして?」
岡部「(な、長い……)」
一夏「(セシリアって以外と、こういうところキッチリしてるんだよなぁ)」
紅莉栖「(英国貴族だからなのかしら……)」
セシリア「倫太郎さん? 聞いていますの? それとももう一度ご説明を──」
岡部「いーっや! 解った。なるほど、そう言う訳か。うむ」
10分以上も長々と講釈を聞かされたとあって、もう一度それを聞くのは御免だった。
岡部にとっても、後ろで待機している紅莉栖や一夏にとっても。
紅莉栖「(って、何で私まで立って話し聞いてるんだろ。
別に鏡越しに岡部の顔なんて見ていたい訳じゃないんだから、ベッドに座って待ってれば──)」
意味の無い立ち見をしている現状に気付き、紅莉栖が化粧台に背を向けた。
セシリア「ですから、まずはその無精髭を処理させて頂きますわ。
それから、その中途半端に整えたおつもりの髪もきっちり仕上げてさしあげます」
──くるり反転。180度。
まるで、その場でターンをしたように紅莉栖は改めて化粧台へ。
鏡越しの岡部に視線を戻した。
一夏「く、紅莉栖……? なんで、ターンをしたんだ?」
紅莉栖「気分よ。気にしないで」
一夏「お、おう」
岡部「ちょっと待て、髭まで剃るのか?」
セシリア「当然です。そのような無精髭がこのIS学園で許される道理などありはしませんわ」
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