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元スレ紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」
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神妙にしろ、と言わんばかりの圧力を岡部にかけ続けるセシリア。
岡部はこのような時、このような態度を取る女性に対して何を言っても無駄であることをラボで、さらにはIS学園で学んでいた。
岡部「(鳳凰院モードでも……無駄だろうな……)」
セシリア「それでは、暫く目を瞑っていて下さいな。この高性能電動シェーバーで根こそぎ綺麗にしてさしあげます」
一夏「ん? それって男性用のだよな? なんでセシリアがそんな物持っているんだ?」
セシリア「そ! そそ、それは……その、何時の日かい、いち……どなたかにしてさしあげようかと……」
ごにょごにょと、言葉尻が小さくなっていくセシリア。
例の如くその真意は思い人である、一夏本人にだけは届かなかった。
一夏「紅莉栖、どういう意味だ?」
紅莉栖「今、全部説明していた訳だが」
一夏「?」
セシリア「(一夏さんときたら、無駄毛一本見当たらないんですから使う機会など今まで一度たりとも巡っては来ませんでしたが……。
丁度良い実験体が居たのですから、使わない手はありませんわ!)」
岡部「(とでも考えているのだろうな……)」
紅莉栖「(とでも考えているのでしょうね)」
一夏「?」
セシリア「それでは、剃りますわよ?」
岡部「高性能シェーバーだ。不安は無いが、それでも慎重に頼む」
セシリア「心得ました」
ヴィー、ガリガリ。
ガリガリ。
電動シェーバーが髭を毛根から断つ独特の音を響かせながら、岡部の肌を露出させていく。
高性能と言うだけあって、肌には傷が付かず尚且つ毛根から剃り落とす業物である。
大した量を蓄えていた訳でも無かったので髭剃りは2.3分程度で全てが終わった。
セシリア「ふう……出来ましたわ。結構神経を使うものですのね」
一夏「おお、ちょっとした違いだけど随分スッキリした感じがするな」
岡部「うむ……何となく、心許ない感じがするが……」
紅莉栖「……」
コトン、と電動シェーバーを置いたセシリアの手には既に別の容器が握られている。
先ほどまでは無かった霧吹きや、ドライヤーまで何時の間にかそこには用意されていた。
岡部「……それは?」
セシリア「ワックスですわ」
シュッシュ、と霧吹きを岡部の頭髪にかけ、水分を馴染ませた。
容器から、乳白色の粘質を掬い手に馴染ませる。
本人は全く気にしていなかったが、その姿はどこか妖艶さを含み一夏は自然と頬を赤らめていた。
岡部「出来るのか……?」
セシリア「代表候補生として、モデル業もやっておりますの。
もちろん専属のヘアメイクも付いておりますが、学園生活でのヘアメイクは全て自身でやっておりますのよ?」
殿方程度の髪を弄るなど造作もございませんわ。そう言うと、頬を歪めながらセシリアが笑った。
もちろん、この男性用ワックスも何時の日か一夏の髪を弄るために用意したものである。
岡部「その、いきなり変わりすぎてもアレなのでな。その……」
セシリア「心得ておりますわ。今のかたちのまま、綺麗にまとめるだけにいたします」
岡部「そうしてくれ……」
セシリア「(この流れのまま、次は一夏さんの番ですわよ? さぁ、お掛けになって?)」
一夏『セシリアの指使いって上手いな。どうせなら毎日やって貰いたい、なんてな』
セシリア『一夏さんが望むのであれば、別に私は毎日して差し上げてもよろしくってよ?』
一夏『本当か!? なら頼むよ。変わりと言っちゃなんだが、俺も毎日セシリアの──』
一夏「セシリア?」
セシリア「はい!?」
一夏「手が止まってるけど、どうかしたか?」
セシリア「え? ……え?」
白昼夢。
もとい、妄想。
岡部「何か問題でもあったか……?」
セシリア「い、いえ。(私としたことが、また妄想など……)」
紅莉栖「……」
それからは、妄想を無くし集中して髪型作りに専念する。
他人の髪型とは言え、お洒落にかけては一家言を持つセシリアにとって中途半端な仕事は許せなかった。
セシリア「さっ、出来ましたわ。前掛けをとって下さいな」
岡部「あぁ」
セシリア「背筋は伸ばす。猫背にはならない。顎は引く。倫太郎さんは折角上背があるのですから、シャンとしてほうが宜しくてよ?」
岡部「こ……こうか?」
セシリア「……え、えぇ。いいと……おも、います……わ」
それまでしたり顔だったセシリアの顔が固まる。
予想以上の姿がそこにはあった。
無造作に蓄えた無精髭が無い。
髪型は前髪だけを適度に上げ、両サイドを垂らすように流す。
明後日の方向に飛び出した髪の毛も全て、流れるように違和感無く“髪型”として見立てられている。
元々、顔の形が悪いほうではない岡部である。
無精髭と、適当に掻き揚げただけの髪型。
上背はあるのに猫背気味の姿勢。
マイナスポイントを重ねすぎて気付きにくいが、このようにシャンとまとめれば俗に言う──。
“イケメン”がソコに立っていた。
セシリア「(コレは……想像以上に……)」
いくら背伸びしても、未だ15の少女である。
セシリアからすれば岡部は充分すぎるほど大人であり、姿だけで言えば魅力的な男性に見えた。
勿論、この場に居るもう一人の少女にとっても……。
一夏「おお! カッコ良いな、凶真!! 大人の男って感じだぞ!!」
紅莉栖「…………」
セシリア「(私としたことが、一夏さんと言う者がありながら一瞬でも見とれてしまいましたわ……。
ですが、これならバッチリ当初の目的通り。
一夏さん派の女子を倫太郎さん派に輸出出来ますわね……!)」
キラーンとセシリアの瞳が光る。
恋する乙女のにとって、幾ら魅力的な男性と言えど自分が恋した男性以外は全て関係無いその他の男。
自らの恋に利用出来るのなら、利用して然るべきなのである。
岡部「た、大して変わりは無いだろう、なぁ助手──」
──ツカツカ。
部屋の中。距離にして数歩。
紅莉栖は一直線に岡部の前に立ち、そして──。
──ぐしゃぐしゃ!!
綺麗に整われた岡部の頭髪を両手で掻き毟り、何時もの無造作なんちゃってオールバックへと元に戻した。
岡部「なっ……!?」
一夏「えぇ!?」
セシリア「……はい?」
紅莉栖「調子のんな! 岡部がカッコ付けたって、孫にも衣装で良い気味よ! 茶が臍で沸くわね!」
ここにもまた1人、恋する乙女。
しかし、この学園の女子達と違い随分と素直になれない女の子。
その女の子の心を掻き毟るに充分な破壊力を、セシリアは造型してしまった。
普段の牧瀬紅莉栖なら考えられない行動である。
時間に囚われ幾日も紅莉栖と過ごした岡部ですら、初めて目にした奇なる行動。
この空間において、彼女がとった行動を理解出来る人間は岡部を含めて誰も居なかった。
勿論、彼女自身でも。
紅莉栖「(しまったぁぁぁあ!! 私ってば、なんて行動を……お、落ち着くのよ。そ、素数を……)」
一瞬の静寂。
それを打ち破ったのは他でもない、岡部だった。
岡部「ふ、ふ……」
一夏「えっと、あー……凶真?」
岡部「フゥーハハハハ! なるほどな、そう言うことか助手よ」
セシリア「???」
一夏「???」
もはや、置いてけぼりの一夏とセシリア。
頭の上にはクエスチョンマークを浮かべるばかりである。
岡部「やはり、このメァッドサイエンティスの鳳凰院凶真にはこの髪型こそが似合う。そうであろう……?」
紅莉栖「あっ、あの……えぁっと……つまり、その通りでだな……」
岡部「気にするな、じょしゅーぅ。統率の取れた髪型など、この俺には似合わない。解っていた事だフゥーハハハハ!!」
一切話しについていけない、一夏とセシリア。
奇怪な行動を取り、顔を赤らめ明らかに動揺する紅莉栖。
状況を打破する策が見つからず、鳳凰院凶真に逃げた岡部。
三者三様の有様を作り、無駄に時間だけが過ぎて行った。
>茶が臍で沸くわね!
お腹にヤカンをのっけて得意げに笑う助手を幻視して吹いた
お腹にヤカンをのっけて得意げに笑う助手を幻視して吹いた
くそぅ…ニヨニヨしちまう…
これもしかしてセッシー達がオカリンに惚れるって展開あるのかな???
これもしかしてセッシー達がオカリンに惚れるって展開あるのかな???
乙です
おもしろいわーホントおもしろいわー
待ってるよー(^-^)/
おもしろいわーホントおもしろいわー
待ってるよー(^-^)/
幼少期オカリンをみればわかる、あれがイケメンにならないはずがないとな…
乙
乙
幼少期オカリンをみればわかる、あれがイケメンにならないはずがないとな…
乙
乙
なかったことになる仲間の痛みを全部心に刻み込んだり
幼なじみを救うために何度もタイムリープを繰り返したり
自分が消えるの分かってて愛する人を救うために15年間タイムマシン研究に没頭したりする程度のイケメンだしな
幼なじみを救うために何度もタイムリープを繰り返したり
自分が消えるの分かってて愛する人を救うために15年間タイムマシン研究に没頭したりする程度のイケメンだしな
>>1です。
>>915
なるほど、つまり>>1000行く前に次スレを用意しなければならないと。
完全に消化しきってから立てるつもりだったので助かりました。
>>916
焦った紅莉栖を表現しようと>>1も焦ってみたんですが、焦りすぎたようです。
孫→馬子ですはい。
進行率ですが、プロット見てみたらここまでのお話が12行でまとまってます。
膨れすぎて何処まで進んでるのか>>1でも良く解らない状況になってきました。
12行のプロットを消化するのに1スレ使いきる勢いなので、ちょっと考え物です。
>>500位で終わると思ったんですが、無駄に長くなってしまった。
個人的に半分は終わった、と思いたいですハイ。
恋愛面につきましては、やはり>>1が明記すると興が削がれるかなと思いましたのでココはスルーさせて頂きますです、はい。
>>915
なるほど、つまり>>1000行く前に次スレを用意しなければならないと。
完全に消化しきってから立てるつもりだったので助かりました。
>>916
焦った紅莉栖を表現しようと>>1も焦ってみたんですが、焦りすぎたようです。
孫→馬子ですはい。
進行率ですが、プロット見てみたらここまでのお話が12行でまとまってます。
膨れすぎて何処まで進んでるのか>>1でも良く解らない状況になってきました。
12行のプロットを消化するのに1スレ使いきる勢いなので、ちょっと考え物です。
>>500位で終わると思ったんですが、無駄に長くなってしまった。
個人的に半分は終わった、と思いたいですハイ。
恋愛面につきましては、やはり>>1が明記すると興が削がれるかなと思いましたのでココはスルーさせて頂きますです、はい。
>>918
案外楯無くらいなら落ちるんじゃね?
案外楯無くらいなら落ちるんじゃね?
オカクリと言うがこのssって、どちらかと言わずともIS寄りじゃね?
原作読んでないから知らんが、会長が男に惚れるシーンが想像できんな……。
オカリンが押され気味なのは、ラボメンガールズのJK達(?)が押せ押せって面々じゃなかったからと、勝手に脳内補完。
毎度毎度乙なんだぜ>>1っくん。
現実優先で、無理しないようにな。
と、転職したが早速体調を崩した俺が言ってみる。
オカリンが押され気味なのは、ラボメンガールズのJK達(?)が押せ押せって面々じゃなかったからと、勝手に脳内補完。
毎度毎度乙なんだぜ>>1っくん。
現実優先で、無理しないようにな。
と、転職したが早速体調を崩した俺が言ってみる。
>>1です。
ぷろっと
岡部、IS適性発見
入学
一日目
この三行を文章に起こすだけで㌧でもない文章量になります。
恐ろしい恐ろしい。
今日は投稿出来るかな どうかな 微妙かなって報告です。
****
ちょっと質問なのですが、携帯でのみこのSSを読んでる方って居るでしょうか。
たまーーーーーにAA使ったりしていたんで、気になってました。
良かったら教えて下さい。
ぷろっと
岡部、IS適性発見
入学
一日目
この三行を文章に起こすだけで㌧でもない文章量になります。
恐ろしい恐ろしい。
今日は投稿出来るかな どうかな 微妙かなって報告です。
****
ちょっと質問なのですが、携帯でのみこのSSを読んでる方って居るでしょうか。
たまーーーーーにAA使ったりしていたんで、気になってました。
良かったら教えて下さい。
>>936
夜中更新のときは大体携帯から見てまっせ。
夜中更新のときは大体携帯から見てまっせ。
携帯ユーザーも立派な読者さんですはい。
AA系SSでも無いのに使用して文章として見難くなるのなら得策では無いでしょう。
どうしても使いたい時だけ、使わせて頂きます。
永遠に……。
嬉しいですが、物語でプロットも一応あり、最後までの道筋もあるので時がくれば終わります。
お気持ちは大変嬉しいです。
2スレ目の中盤終盤。行って3スレ目の序盤には書き終わるんじゃないかなと目算しています。
みじかーいですが、今日も投下出来そうです。
AA系SSでも無いのに使用して文章として見難くなるのなら得策では無いでしょう。
どうしても使いたい時だけ、使わせて頂きます。
永遠に……。
嬉しいですが、物語でプロットも一応あり、最後までの道筋もあるので時がくれば終わります。
お気持ちは大変嬉しいです。
2スレ目の中盤終盤。行って3スレ目の序盤には書き終わるんじゃないかなと目算しています。
みじかーいですが、今日も投下出来そうです。
>>911 続き。
─セシリア・紅莉栖部屋─
セシリア「~~♪ ~~♪」
一夏「……」
上機嫌なセシリアの奏でる鼻歌。
ヴァイオリンを嗜んでいるだけあって、鼻歌だと言うのに音程は正確でとても心地の良いものだった。
セシリア「(はぁ、幸せですわぁ)」
その後、強引に次は一夏の番です。と化粧台に座らせたあと始まった一夏のヘアチェンジ。
ヘアメイク担当は勿論、セシリア・オルコット。
セシリア「無造作ヘアーも似合いますが……先ほどの倫太郎さんのように前髪をかき上げるのも様になりますわね♪」
わしゃわしゃと髪をいじくり、数分毎に髪型を換えていく。
着せ替え人形よろしくなすがままの一夏の顔には疲弊が溜まっていた。
─セシリア・紅莉栖部屋─
セシリア「~~♪ ~~♪」
一夏「……」
上機嫌なセシリアの奏でる鼻歌。
ヴァイオリンを嗜んでいるだけあって、鼻歌だと言うのに音程は正確でとても心地の良いものだった。
セシリア「(はぁ、幸せですわぁ)」
その後、強引に次は一夏の番です。と化粧台に座らせたあと始まった一夏のヘアチェンジ。
ヘアメイク担当は勿論、セシリア・オルコット。
セシリア「無造作ヘアーも似合いますが……先ほどの倫太郎さんのように前髪をかき上げるのも様になりますわね♪」
わしゃわしゃと髪をいじくり、数分毎に髪型を換えていく。
着せ替え人形よろしくなすがままの一夏の顔には疲弊が溜まっていた。
一夏「(コレは一体何時間続くんだ?)」
セシリア「オールバックも似合いますわね……紅莉栖さん! 紅莉栖さん!」
紅莉栖「はいはい……」
呼ばれて、億劫な声を出しながら答えたのは名前を呼ばれた当人。
その手にはセシリアに渡されたデジカメが握られていた。
セシリア「次はこの髪型でお願いいたしますわね」
紅莉栖「セイ、チーズ」
──パシャ。
やる気の無いカメラマンがシャッターを切る。
このように、セシリアが気に入った髪形が出来たらツーショットを撮影する。
ツーショットと言うのは説明するまでも無く、一夏とセシリアである。
毎度毎度、腕を絡めて実に親密そうに。
一夏「(うぅ、胸が当ってるんだよなぁ……)」
セシリア「(少々あざといかもしれませんが、何時ものメンバーが居ない今こそスキンシップを深めるチャンスですわ!)」
岡部「………………」
岡部はと言うと、午前中の疲れや今までの疲れがドっと出たのか撮影に飽きて、何時の間にか紅莉栖のベッドで横になっていた。
紅莉栖が文句を言おうとする前に、岡部はそのまま寝てしまった。
紅莉栖「(もう……。私のベッドだぞ……)」
ゴクリ、と喉が鳴ったのは紅莉栖。
紅莉栖「(べ、別に……!)」
何か、言い訳を心の中の自分に言おうとしたが直前でそれを辞めた。
内心とはいえ、それを考えてしまったら今夜は眠れなくなる、そう思ったからだった。
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