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元スレほむら「結局残ったのは巴マミのソウルジェムとまどかの抜け殻だけだった」
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>>101
駄目なことはないけど、作者だけがageるようにすると更新がわかりやすいから、そうしてるスレは多いね
駄目なことはないけど、作者だけがageるようにすると更新がわかりやすいから、そうしてるスレは多いね
まどかの事をLALのアリシアだという評価を下した人がいたけどマジでアリシアだなww
乙ー
乙ー
最終回でほむほむが最終編のオルステッドエンドみたいなことにならないか心配です
ほむらが気が付いたのは、どこかのホテルの一室のようだった。
ほむら「ここは……?」
まどか「ほむらちゃん! ほむらちゃん! ごめんね! ごめんねぇ……」
まどかが泣いていた。
杏子「はあ……、安心しな。もうアンタとやりあう気はないよ」
どこか疲弊した表情の杏子がいた。
どうやらここは杏子のねぐららしい。おそらく不法占拠であろう。
ほむら「……なにかあった、というより知ったようね」
杏子「あんた、死んでたんだよ。ってか知ってたのかい?」
ほむら「ええ」
あのあと杏子はほむらがいきなり死んだ(ように見えた)のには、
それこそ人工呼吸か救急車かとかなりうろたえたらしい。
何処で見ていたのかそこにQBが現れて、それで杏子は真相を知ったそうだ。
まどか「こんなのって酷いよ……」
真実を知った杏子は人目につく場所から一旦ほむらの身体をねじろに運び、
そのあと学校に乗り込んでまどかを捕まえて来たのだそうだ。
ほむら「助けてくれたのね。礼を言うわ」
杏子「べ、べつに。勝負とか言ってる場合じゃねえし。
それにアタシは無抵抗の相手をヤルほど落ちぶれちゃいねえよ」
本当に危ないところだった。油断するな、なんて人の事は言えない。
美樹さやかの時のように投げ捨てられていたらそこで終わっていたところだった。
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん?」
何か引っかかることがあった。
杏子「おい、これってマミも知ってることなのか?」
ほむら「知らないと思うわ。今なら言えば信じると思うけれど」
前に瀕死の時に『ソウルジェムが無事なら死なない』と言ってある。
あの状況を経験している彼女ならば理解も早いであろう。
それよりも。
ほむら「まどか、美樹さやかはどうしてる?」
先ほど引っかかったのは美樹さやかである。
まどか「え? さやかちゃんは今日お休みだって聞いたけど……」
いやな予感がした。
他の子を探すといっていたQBが簡単に現れたことも気になる。
【CAUTION】
仮定法で選択・分岐を示唆する記述があったらそれが警報です。
耐性のない人は警報があったら至急高台に避難してください。
車での移動は危険です。車は置いて徒歩でなるべく高いところへ避難して次のループが始まるまで戻らないでください。
高台とは: 安全なハッピーエンドSSのこと
と、不/謹/慎な警告をだしておきます。
仮定法で選択・分岐を示唆する記述があったらそれが警報です。
耐性のない人は警報があったら至急高台に避難してください。
車での移動は危険です。車は置いて徒歩でなるべく高いところへ避難して次のループが始まるまで戻らないでください。
高台とは: 安全なハッピーエンドSSのこと
と、不/謹/慎な警告をだしておきます。
佐倉杏子はせっかく来たんだからしばらくこの辺りに居ると言っていた。
あとで、巴マミにも挨拶に来るそうだ。
彼女のいう『挨拶』が物騒な意味でないことを祈りたい。
あのあと、まどかは学校に戻ったが、
ほむらは学校へは行かないで、気になった美樹さやかを確認に行った。
だが、彼女は風邪でも引いたようで普通に休んでいた。
気にしすぎだろうか?
~~
そして夕方になって。
まどか「あ、ほむらちゃん」
ほむら「今、帰り?」
まどか「うん。マミさんのところ行ってたの。もうすぐ通学始めるって」
ほむら「そう」
まどか「ほむらちゃんもマミさんに会いに行こうよ。会いたがってたよ?」
ほむら「必要ないわ」
ほむらの答えにまどかがしゅんとなる。
成り行きでこうはなってはいるが、『敵対していない』というだけで十分だった。
いまさら巴マミと馴れ合うつもりは無い。
まどか「……今日も、魔女探し?」
ほむら「ええ。そうよ」
まどか「ほむらちゃんもこの街のために戦ってるんだよね」
ほむら「街のため、というわけではないわ。結果的にそうなっているけれど」
まどか「危険な戦いをしてるってこと、街のみんなは何も知らないなんて。
マミさんだってあんなことに……」
まどかは表情を曇らせていた。
ほむら「そういう契約で私たちはこの力を手に入れたのよ。
魔法少女は誰のためでもない。自分自身の祈りの為に戦い続けるの。
誰にも気付かれなくても、忘れ去られても。
それはしかたの無いことだわ」
まどか「わたしは知ってるよ? そんな身体になって戦ってるってことも。
絶対忘れない。 ほむらちゃんのことも、マミさんのことも!」
ほむら(まどか……)
抱きついてしまいたい衝動を押さえつけて、ほむらは言った。
ほむら「……あなたは優しすぎる」
まどか「え?」
ほむら「忘れないで。その優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ」
そう言って、ほむらは歩き出したが、まどかは付いてきた。
ほむら「付いてこなくてもいいわ」
まどか「わたしの家、こっちだから」
まどかがわざわざ遠回りをしている事は判っていたが、
魔女狩りはまだ出現を待っている段階なので好きにさせていた。
街中を歩いているうちに日はすっかり暮れて、街灯には明かりがともっていた。
そんな中、
まどか「あれ? 仁美ちゃん?」
まどかが志筑仁美を見つけて、駆けて行きながら声をかけた。
まどか「仁美ちゃーん! 今日はお稽古ごとは?」
ほむら(あれは……)
ほむらは魔女の気配に気付いていた。
まどか「仁美ちゃん! ねえ、仁美ちゃんてば!」
まどかも志筑仁美の首に魔女の接吻を見つけたようだ。
仁美「あら、鹿目さん。ごきげんよう」
まどか「どうしちゃったの? ねえ、どこ行こうとしてたの?」
仁美「何処ってそれは……、ここよりずっと良い場所、ですわ」
まどか「ひ、仁美ちゃん」
仁美「ああ、そうだわ。鹿目さんも是非ご一緒に。ええ、そうですわ。それが素晴らしいですわ!」
ほむら「……まどか。あなたはもう帰りなさい」
仁美「あら暁美さん。あなたもいかがですか? さあ!」
一度ほむらの方へ振り返ってそう言った志筑仁美は、
くるっと向きを変え、また誘われるようにして向かっていた方向へと歩き始めた。
まどか「で、でも……仁美ちゃんが」
ほむら「危険だから、彼女は私に任せて」
まどか「わたしに出来ること、無いかな?」
ほむら「無いわ。早く行って!」
まどか「う、うん気をつけてね……」
ふらふらと歩く志筑仁美をほむらは黙って追いかけていた。
やがて、魔女に取り付かれた人達が同じ方向へ歩いていくのに出くわした。
ほむら(あそこね……)
魔女が居ると思しき場所を確認後、
志筑仁美に追いつき有無を言わさず鳩尾に魔法を込めた拳を入れた。
彼女は意識を失いほむらにもたれるように崩れ落ちた。
『任せて』と言った手前、こうした訳だが彼女をどうするか?
まだ日が暮れたばかりとはいえ、下手に放置すると魔女以外の危険に晒しかねない。
一瞬、まどかを帰すのは早すぎたか、とも思ったが、
魔女を倒す前に彼女が目を覚ませばどの道危険なので、まどかは先に帰らせて正解であろう。
結局ほむらは気絶した彼女を近くの茂みに隠し、魔女の居場所へと向かった。
倉庫のような建物の中に、魔女に操られた人々が集まっていた。
ほむらは魔女の魔力をより強く感じる方へと向かった。
魔女との相性が悪かったとしかいいようが無い。
この魔女は別の時間軸で一度倒しているが、
その時は攻撃を受ける前に爆破してしまったからどういう性質の魔女か判っていなかった。
ヤツは精神攻撃を仕掛けてきたのだ。
記憶の狭間を見透かされる。
それはほむらの意思なんて関係なく、ただ垂れ流すように。
不細工なハコにあの連れてきた『物言わぬまどか』が映し出される。
――ひとりは寂しいから。
違う。
――嫌われるのが怖いから屍体でよかった。
そうじゃない。
――物言わぬまどかの身体を抱きしめるほむら。
体臭、いや死臭に近いそれにドキドキする倒錯。
やめて。
――必要もないのに彼女の服を脱がせ身体を拭き、また服を着せてみた。
そのとき感じた気持ちの高ぶり。
一度淀みに嵌ると、それに感応するかのようにそんな記憶ばかりが映し出される。
やがて衝撃が走り、叩き落される感覚があって、
その直後、暗闇に放り出された。
魔女が攻撃の矛先を変え、どこかに行ってしまったように感じた。
だけどまだ起き上がれない。
さっきの精神攻撃の余韻が続いていた。
――別の時間軸でまどかに怖がられた記憶。
心が折れそうになる程の痛み。
ああ、まどか。
――力及ばず、まどかは契約してしまった。最悪の魔女になったまどか。
――誰にも頼らないと決めて一人で戦ったあの日々。
――過去の自分をお願いと言ったまどかのソウルジェムを撃ったあの瞬間。
――誰も未来を信じない。誰も信じてくれなかったあの日。
――魔法少女が魔女を生み出すと知った時の衝撃。
――何も知らなかった私。
初めて魔女を倒して、まどかに抱きしめられたあの時、
ただ嬉しかった――――。
そうだ、魔女を倒さなきゃ……。
視界が開ける。一瞬眩しかったが、すぐに薄暗い天井が見えた。
さやか「……なにやってんの転校生」
ほむら「え?」
そこは倉庫のような建物の中。
周りには魔女に引き寄せられた人たちが累々と横たわっていた。
ほむらはその中で一緒に倒れていたのだ。
さやか「あんたなにやられてんのよ? 魔女はあたしが倒しといたわよ」
騎士礼装のような衣装。手にはサーベルに似た剣。
ほむら「美樹さやか、あなたは……!」
美樹さやかは魔法少女になっていた。
まどか「さやかちゃん……」
さやか「いやあ。ごめんごめん。危機一髪ってとこだったよね?」
まどかは結局追ってきて結界に巻き込まれてたらしい。
帰れといったのになぜ言うことを聞かないのか……。
まどか「その格好……」
さやか「あはは、まあ、なに? 心境の変化というのかなぁ?」
まどか「……」
さやか「大丈夫だって、初めてにしちゃ上手くやったでしょ、あたし」
まどか「でも……」
二重の意味でなんたる失態。
さやか「なにも泣くことないでしょ? まどかとはずっと友達だよ?」
まどか「ちがうの、そうじゃないの……」
さやか「?」
美樹さやかの所へは一度は見に行っているだけに、そのタイミングの悪さが悔やまれる。
後、もう少しだけ待ってくれれば、
契約前にまどかからソウルジェムの真実を聞く機会さえあれば、
思いとどまってくれたかもしれないのに。
さやか「転校生」
ほむら「……」
ほむらは既に立ち上がり、傍らで二人の会話を聞いていた。
さやか「あんたに言っておくことがある。マミさんの留守はあんたなんかに任せられないから」
このあと、さやかが真実を知れば彼女の破滅は促進されるだろう。
それによって巴マミがもう一つの真実を知ったなら絶望するだろう。
絶望の連鎖が始まってしまう……。
さやか「これからマミさんのところへ報告に行くんだ。まどかも来なよ」
まどか「う、うん」
ほむら「美樹さやか、わたしからも言っておくことがあるわ」
まどか「や、やめてよほむらちゃん」
ほむら「真実を知るのは早いほうがいいわ。遅かれ早かれ判ることだし」
さやか「何の話してるのか知らないけど、別にあんたは来なくてもいいわよ」
ほむら「あなたも関係することなのよ」
まどか「ほむらちゃん……」
懇願するようにまどかが不安そうな瞳をほむらに向けていた。
ほむら「……わかったわ。まとめて話した方が手間にならないものね」
話すタイミングはこれで良かったのだろうか?
巴マミの部屋でほむらはソウルジェムの秘密について語っていた。
さやか「はぁ? QBが嘘いってるっていうの?」
ほむら「嘘ではなくてあいつは『聞かれなかったから』と言うでしょうね」
まどか「本当なんだよ。わたしほむらちゃんが動かなくなっちゃったの見たんだよ?」
さやか「あたしがこのソウルジェム? それで身体は抜け殻……そんな馬鹿な」
マミ「ほむらさん。あなたは最初から知っていたのよね? だからあの時……」
『ソウルジェムが無事ならあなたは死なない』と、そう言った。
伏線が役立ってか巴マミはすぐに理解できたようだった。
さやか「ま、マミさん?」
マミ「どうやら本当のことようね」
さやか「そんな……!」
ほむら「私を疑うならQBに聞いてみなさい。あいつは聞けば答えるわ」
まどか「ほむらちゃん、だからわたしたちが魔法少女になること反対してたんだ」
マミ「でも、どうして最初からそういわなかったの?」
ほむら「最初からそう言って信じてくれた人は一人もいなかったわ」
一応、巴マミも美樹さやかも信じたようだった。
だが、美樹さやかはまだこのままでは駄目だ。
彼女は放っておくと回りに多大な影響を及ぼしながら破滅に向かって突き進んでしまう。
巴マミはどうだろう?
今から彼女だけにでもその先の真実を話してまおうか?
もしこのタイミングで信じてくれて、その真実を受け止めることが出来たなら、
これから高確率で起こるであろう美樹さやかの破滅を阻止する力になる気がする。
マミ「まどかさん、ほむらさん」
まどか「はい?」
ほむら「……」
マミ「あなたたちは先に帰ってもらえるかしら? 私はさやかさんにお話があるから」
ほむら「わかったわ。まどか、行きましょう」
まどか「う、うん」
ほむらはまどかを家に送った後、すぐにマミの部屋に舞い戻った。
戻ったといっても部屋には入らず、その近くから会話だけを聞いていた。
当初から用意してて、今まで使われずに来た仕掛けがよくやく役に立った。
巴マミと美樹さやかの動向はこのあとの展開を大きく左右するファクターだ。
だから、ほむらは無視するわけには行かなかった。
さやか「……あたし、恭介の手が治るんなら、
それと引き換えに戦いの運命を背負っても後悔しないって思ってたのに」
マミ「決心が揺らいだの?」
さやか「わかりません。でも一瞬、『そんなことならやっぱり』って思っちゃって」
マミ「そう。それだけ?」
さやか「だけって、ちっとも『だけ』じゃないですよ。あたし一人で舞い上がって、
全然判ってなかったのかもって」
マミ「なら大丈夫よ。気付けて良かったじゃない。
そんなものあなたの決心で塗りつぶしてしまえばいいわ。
舞い上がって上等でしょう?」
もうすこし話は続いた。
ほむらには、この相談の効果があったかどうか判断つかないが、
それでも、美樹さやかに巴マミという頼るべき人物がいることがプラスに働くことを祈った。
さて。土曜か。
4時5時くらいまで余裕なんだが、この先アレだしどうしようかな。
4時5時くらいまで余裕なんだが、この先アレだしどうしようかな。
さやかが帰ってから、ほむらは巴マミの部屋の呼び鈴を押した。
マミ「待ってたのよ」
ほむら「べつに来るとは言ってなかったわ」
マミ「そうじゃなくて、ずっと魔女退治の報告に来てくれないかなって思ってたのに、
今まで一度も来てくれなかったじゃない」
ほむら「必要ないわ」
マミ「それで、やっと顔を見せてくれたのが、
さやかさんのお披露目会ってどういうことなの?」
ほむら「何を甘えているの?」
マミ「でもうれしいわ。わざわざこうして一人で会いに来てくれるなんて」
ほむら(話を聞いてないし)
マミ「さやかさんが魔法少女になったのだし、そろそろ私も復活しないといけないわよね」
ほむら「……あなたはさっきの話がショックではなかったの?」
マミ「驚いたわ。でも今更って気もするから。私は魔法少女になってなかったら
今頃生きてなかった。それと比べたらたいしたこと無いわ。
『魂がソウルジェム』って言われてかえって納得したくらいなのよ」
もともと完全を期待してはいなかったということか?
ほむら「あなたに話があってきたのよ」
マミ「気なら変わってないわ。今もあなたに一緒に戦って欲しいと思っている」
ほむら「その話なら良いわ」
マミ「いいの?」
まどかは目下のところ魔法少女になる気はないのだし、
そのきっかけになるような問題が発生するとしたら一般人であるまどか周辺よりも魔法少女サイドだから、
現時点で巴マミと行動を共にすることは問題ないと考えていた。
それに美樹さやかは当然共闘するだろうし、
やりようによっては佐倉杏子も仲間に引き込める可能性があった。
ワルプルギスの夜に向けての戦力確保という点においては、好ましいことなのだ。
だか、巴マミのあまりに嬉しそうな表情にほむらは一瞬『後悔』した。
ほむら「い、良いわよ。美樹さやかは良い顔しないでしょうけれど」
マミ「ううん。私が説得するから。ほむらさん、これからよろしくね」
ほむら「いいかしら? もう一つ大事な話があるのだけど……」
マミ「いいわよ」
にこにこと嬉しそうな巴マミであるが、
これから話すことは下手をすればそれを絶望のどん底に落とすような内容である。
だからこれは賭けなのだ。
巴マミがほむらを友好的に受け入れている今の状況なら、
あの残酷な真実に耐えられるかもしれない、という。
ほむら「……」
どう切り出そうか考えたが、結局、
ほむら「ソウルジェムが汚れ切ったら、魔法少女は魔女になるわ」
まずは飾らずにストレートにそう言ってみた。
マミ「……」
ほむら「巴マミ、聞いてる?」
マミ「……」
ほむら「……」
マミ「……」
巴マミは指輪のある手をテーブルに置いた。
ほむら「?」
そしてソウルジェムを具現化させ、テーブルの上に置き、
マミ「……」
立ち上がったかと思うと、何処からか重そうなガラスの置物を持ってきて、
ほむら「どうしたの?」
それを両手で振り上げた。
ほむら「ちょっ!?」
ほむらは慌てて魔法少女化して時を止めて、
置物の落下地点にある彼女のソウルジェムを回収した。
そしてマミの背後に移動して彼女を背中から羽交い絞めにしてから時を戻した。
マミ「放してっ!」
ほむら「やめなさい!」
ガラスの置物が絨毯に転がって鈍い音を立てた。
マミ「魔法少女が魔女を生むなら、私たち、死ぬしかないじゃない!!」
ほむら「いいから、いったん落ちついて!!」
マミ「うわぁぁぁぁぁぁん……!!」
ほむら(……失敗した。巴マミはもう駄目だわ)
まさか一言で錯乱するとは思わなかった。
言葉だけでは信用さえしてもらえないと思っていたのだ。
そして、そこから話を進めていくつもりだったのに全くの想定外だ。
あるいは、ベテランといわれた巴マミのこと、
『魔法少女が魔女になる』と言われて全て説明が付くような出来事を、
過去にいくつも経験していたのかもしれない。
いままで「まさか」と思って否定していたことが、
ほむらの言葉で一気に決壊したのだと考えればこの豹変振りも説明がつくだろう。
だかそんな探求も、もはや意味をなさない。
さすがほむほむww
三週目もこんな感じで魔女化の事実を伝えたんだろうか
三週目もこんな感じで魔女化の事実を伝えたんだろうか
ほむら「やっぱりあなたは真実に耐えられないのね」
マミ「もう殺して……」
泣き崩れる巴マミ。彼女のソウルジェムはほむらの手の中にあった。
ほむら「そのつもりよ」
マミ「……ひどい」
ほむら「私に何を期待しているの? 慰めて欲しいのなら他を当たりなさい」
マミ「冷たいのね」
拗ねた顔をしてそんなことをいう。
どうやら他人に愚痴を言うくらいの余裕は出てきたようだ。
少なくとも近くの魔法少女全員と心中しようとした時よりはマシと言える。
だがどのみち駄目ならほむらが手をかけることになる。
最初からその覚悟でこの『賭け』に臨んだのだ。
ほむらは、ソウルジェムをマミに返して言った。
ほむら「私はあなたを慰めたり励ます言葉をもっていないわ。
受け止められないのならあなたは邪魔にしかならない」
マミ「だったら殺して。あなたの手にかかるのなら本望だわ」
ほむらは盾の中から銃を取り出した。
マミ「一度はQBに助けられた命。そして二度目はあなたに救われたわ」
胸に抱いているソウルジェムに狙いをつけて銃を構える。
マミ「あのときあんなふうに助けてくれて嬉しかったの」
手が震える。
マミ「あのときから憧れてたのよ。あなたに」
ほむら(そんなこといわないで)
マミ「会うのが待ち遠しかった」
ほむら(やめて。私は私の都合であなたを助けただけ)
マミ「魔女になってみんなに迷惑をかけるくらいなら死んだ方がいいの」
ほむら(なんて身勝手な。なにもかも私に背負わせてあなたは舞台から降りてしまう)
既に、巴マミの目には狂気の色が宿っていた。
涙が溢れる。
でもまどかを救うため。
暴走を始める前に巴マミを今ここで終わらせなければ……。
このとき、
このとき仮に、だ。
「だったらあなたの命は私が預かる。勝手に死ぬなんて許さない」と言葉を紡ぐことが出来れば、
違った結末があったのかもしれない。
だが、ほむらには彼女の命を自分に繋ぎとめ、背負っていくだけの覚悟も余裕もなかった。
この『賭け』には、そういう『覚悟』こそが必要だと知るには、
ほむらの精神はまだ幼すぎたのだ。
ほむらは引金に指を這わせた……
「転校生ーーーーっ!!」
ガラスを蹴破って蒼い影が飛び込んできた。
ほむらはそのまま突き飛ばされて壁に激突した。
「あんた、マミさんに何をした!!」
ほむら「……美樹さやか」
二人の間に割って入って来たのは魔法少女に変身した美樹さやかであった。
さやか「最初会ったときから何か企んでるって思ってたけど、とうとう本性現したわね!」
剣を向けられたまま、ほむらはゆっくり立ち上がり、服の乱れを払ってから言った。
ほむら「だた真実を教えてあげただけよ」
さやか「嘘だ! 変なこと吹き込んでマミさんをどうにかしようとしてるんでしょ!」
ほむら「あなた一体どうしたの?」
多少疑われてはいたが、こんな酷くは無かった気がする。
マミ「さやかさん……」
さやか「マミさん、何を言われたの? 大丈夫だからね。マミさんはあたしが守るから!」
いや、この状況なら無理もないか。
巴マミは泣いていてほむらはそれに銃を突きつけていたのだから。
ほむら「それならそれで良いわ。
巴マミが死のうとあなたが魔女になろうともう勝手にすれば良い」
さやか「はあ? 何言ってるのよ? 戯言いうのもいい加減にしてよね!」
ほむら「だけど、まどかを苦しめることだけは許さない!」
さやか「だったらどうするっていうの!」
ほむら「どの道あなたの破滅は防げない。だったらあなたもここで終わりにするわ」
そして時間を停止した。
でも殺せなかった。
美樹さやかも巴マミも、居なくなってしまえばまどかが苦しむ結果になる。
ほむら(どうしてなの? こんなことの為に時間を何度も繰り返してきたんじゃないのに)
結局、時間を動かしてさやかを挑発し、ベランダに移動した。
さやか「くそっ!」
そして時間停止を繰り返しながらさやかの剣を避け続け、そのまま屋上に誘導。
ほむら(こんなことしてても、何の解決にもならないのに、私はまだ希望を捨てられずにいる……)
さやか「はぁ、はぁ、はぁ……馬鹿にしてぇ!」
彼女が消耗するまでそれを続けていた。
ほむら「……」
さやか「いいよ。次で決めてやる」
巴マミの真似だろうか?
さやかのマントから多数の剣が現れて、それが空中に浮かび、
全ての切っ先がほむらの方を向いていた。
さやか「うぉぉぉぉぉぉーーーーっ!!」
さやかのうなり声とともにその凶悪な切っ先の奔流がほむらになだれ込んできた。
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