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元スレほむら「結局残ったのは巴マミのソウルジェムとまどかの抜け殻だけだった」
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>>650
完全に憧れのマミさんから遠のいてダークサイドだな
完全に憧れのマミさんから遠のいてダークサイドだな
さやかだと「失恋しちゃったなハハハ・・・」にはなっても嫉妬で[ピーーー]までは行かなさそう。
負の思考が魔女を惹き付け仁美と一緒にハコの魔女の結界に掛かりそうな感じがする。
さやか「恭介取られちゃったよ・・・うっうっうっ」
ハコの魔女「・・・(絡んでこないでよ)」
さやか「ちょっと、聞いているのーーー」
ハコの魔女「・・・(誰か助けて)」
何故か気が済むまで絡んでスッキリして結界から出るさやかと、絡まれてグッタリするエリーが浮かんだ。
負の思考が魔女を惹き付け仁美と一緒にハコの魔女の結界に掛かりそうな感じがする。
さやか「恭介取られちゃったよ・・・うっうっうっ」
ハコの魔女「・・・(絡んでこないでよ)」
さやか「ちょっと、聞いているのーーー」
ハコの魔女「・・・(誰か助けて)」
何故か気が済むまで絡んでスッキリして結界から出るさやかと、絡まれてグッタリするエリーが浮かんだ。
エリーは考えるより先に殴るのが攻略法だし、問答無用で絡めば攻撃を封じる事が出来るかもしれない。さやかに絡まれて焦るエリーは見たい気がする。
>>579 の続き
--------
マミ「鹿目さんも、そろそろどうしてそんなにQBを怖がってるのか教えてくれないかしら?
美樹さんに聞いたけど、あなた動物が苦手って訳ではないのでしょう?」
まどか「ええと、はい。でもまだ……時期がこないと話しちゃいけないって……」
マミ「それはもしかして、暁美さんが言ったのかしら?」
まどか「……」(チラッともう一人のまどかに視線
それを見てマミはため息を一つ。
マミ「……気づかなかったわ。あなたたち二人とも暁美さん側の人だったのね?」
まどか。「側(サイド)ってそんな……」
--------
マミ「鹿目さんも、そろそろどうしてそんなにQBを怖がってるのか教えてくれないかしら?
美樹さんに聞いたけど、あなた動物が苦手って訳ではないのでしょう?」
まどか「ええと、はい。でもまだ……時期がこないと話しちゃいけないって……」
マミ「それはもしかして、暁美さんが言ったのかしら?」
まどか「……」(チラッともう一人のまどかに視線
それを見てマミはため息を一つ。
マミ「……気づかなかったわ。あなたたち二人とも暁美さん側の人だったのね?」
まどか。「側(サイド)ってそんな……」
マミ「まあ、なにか訳ありみたいだからこれ以上言わないけれど」
まどか「……」
まどか。「……」
マミ「そんなに怯えないで。あなたたちをどうこうするつもりは無いのよ。
隠し事されてるのは悲しいけれど、だからって怒ってる訳でもないの。
今日は暁美さんから歩み寄ってくれたんだから」
まどか。「ほむらちゃんが?」
マミ「ええ。私の疑問にはあまり答えてくれなかったのだけど、
言えないことは、誤摩化さずにはっきり『それは言えない』と言ってくれて、
彼女なりに信用を得ようとしてるって判ったわ」
マミ「だからこそ、一緒に戦うことにしたのだし」
マミ「さて。私もそろそろ出かけないといけないから」
まどか「あ、はい」
マミ「あなたは、鹿目さんを守る役割なのよね?」
まどか。「え? は、はい」
マミ「魔法少女の素質があると、
本人が望まなくても使い魔や魔女が寄ってくることがあるから
気をつけるのよ」
まどか。「それはもう」
マミ「それはそうと、あなたの変身どういう仕組みなのかすごく興味があるのだけど」
まどか。「それは勘弁してください。ほむらちゃんに怒られちゃう」
マミ「まあ、暁美さんもよく判らないって話だったから今は良いわ
あの子の言う『時期』が来るのを待つことにするから」
まどか。「は、はい」
一緒に部屋を出て、途中までは方向が同じなので、
三人で歩いていた。
まどか「あれ? 仁美ちゃん?」
まどか。「本当だ」
まどか「お稽古事、どうしたんだろう?」
まどか。「って、まさか」
と、前回の記憶がある方のまどかは一人で先に仁美に駆け寄った。
まどか「あ、まどかさん?」
マミ「どうしたの?」
後からマミともう一方のまどかも追いついてきた。
まどか。「マミさん! 仁美ちゃんの首見て!」
マミ「!! これは!?」
魔女の接吻だ。
仁美「あら? まどかさんが二人いますわ。どうしたことかしら?」
まどか「ねえ、仁美ちゃん、どうしちゃったの?」
仁美「でもそれはすばらしいことかも知れませんわ。
さあお二人とも一緒に行きましょう!」
マミ「魔女に操られてるわ」
まどか「え!?」
まどか。「マミさん、なんとかできないですか?」
マミ「魔女を倒してしまうのが一番良いのだけど」
まどか「仁美ちゃんは?」
マミ「ちょっと待ってね」
マミはふらふらと何処かへ行こうとしている仁美に近寄って首筋に手を当てた。
まどか「あ! 仁美ちゃん!?」
仁美は急に糸が切れた操り人形のように倒れかけ、マミがそれを支えた。
マミ「この子をお願い。魔女を倒せば気がつくはずだから」
まどか「は、はい」
マミ「あなたもよ。二人でこの子を見ててあげて。お友達なのでしょう?」
まどか。「はい」
[ほむらサイドに移ります]
ほむら「巴マミ」
マミ「あら暁美さん。早かったわね」
ほむら「魔女の気配を感じたら、あなたもここに向かってるようだったから」
ほむらは今日魔女が出現する場所を知っていたので、
マミとの待ち合わせ場所はその近くに設定していた。
だから、マミが直接魔女の場所に向かっているのをすぐに察知できたのだ。
マミ「それなら話は早いわ。早速魔女退治よ」
ほむら「ええ」
この時間軸で巴マミとほむらの共闘一回目である。
だがこのとき、二人なら楽勝と思って油断したのは巴マミだけでなかった。
ほむら「巴マミ」
マミ「あら暁美さん。早かったわね」
ほむら「魔女の気配を感じたら、あなたもここに向かってるようだったから」
ほむらは今日魔女が出現する場所を知っていたので、
マミとの待ち合わせ場所はその近くに設定していた。
だから、マミが直接魔女の場所に向かっているのをすぐに察知できたのだ。
マミ「それなら話は早いわ。早速魔女退治よ」
ほむら「ええ」
この時間軸で巴マミとほむらの共闘一回目である。
だがこのとき、二人なら楽勝と思って油断したのは巴マミだけでなかった。
結界に入ってすぐ、使い魔のがさつな攻撃でなく、
魔女の直接攻撃に遭うことも予想できない事態ではなかったかったのに。
マミ「……え? この前の魔女?」
それは、銃を構える何者かの視点で、
魔女の顎の結合部に銃弾を何発も打ち込んでいるシーンが
古くさい箱形のTVの画面に映し出されていた。
ほむら「な、なんで!?」
マミ「……わたし?」
画面には首を挟まれた巴マミ。
視点の主は、魔女の顎をこじ開けようと奮闘している。
勿論、これはほむらの記憶だ。
それをこの使い魔は本人ではなく巴マミに見せつけているのだ。
ほとんど千切れかけている首の映像。
切断面が露になっていてかなりグロい。
巴マミの視線はそれに釘付けになっている。
マミ「この手、暁美さんよね?」
ほむら「こ、これは、精神攻撃よ! 真に受けては駄目!」
マミ「止まっている? 時間操作……?」
取れかかった首を支えつつマミを寝かせて、
頭を定位置に直し、首に布を巻いている。
比較的『最近』のことで、
記憶にも鮮明に残っている衝撃的な場面だったため、
ほむらも魔女を倒すのを忘れて見入ってしまっていた。
場面が変わる。
QB『壊れやすい体のままで魔女と戦ってくれなんてとてもお願いできないよ』
マミ「え?」
ほむら「だ、だめ! 聞いては駄目よ!」
ようやく、それが魔女の幻惑であることを思い出したが、
見入ってしまった時点で時既に遅く、ほむらもいつの間にか幻惑に取り込まれてしまっていた。
実際は画面に映っているのだが、
巴マミと二人で自分の過去のシーンの中に立っているような感じもする。
感覚がどこか夢の中のように曖昧なのだ。
それでいて見ている映像は鮮明だった。
現実の身体は別の時間軸の時のようにどこかに倒れているのだろうか?
もしかしたら使い魔が運搬している最中なのかもしれない。
非常にヤバい状態である。
ほむらが焦っている間に、映像の中のQBは、
魂がソウルジェムに封じられていることのメリットを解説しきってしまった。
QB『……魔法少女との契約を取り結ぶ僕の役目はね。
君たちの魂を抜き取ってソウルジェムに変えることなのさ』
マミ「……効率のいい身体? ……肉体は外付けのハードウェア?」
マミの視線は使い魔の画面に向いたままだ。
場面が変わる。
さやか『あのさあ、キュウべえがそんな嘘ついて、一体何の得があるわけ?』
マミ「美樹さんが魔法少女になってるわ……鹿目さんも?」
ほむら「!! これは駄目よ!」
ほむらは慌てて巴マミの方へ向かおうとしたが、思うように動けなかった。
完全に魔女の精神世界に取り込まれている。
すぐに殺されないのは、こいつが精神的にいたぶって自滅に追い込む性質だからだろうか。
ぱたぱたと、ほむらにとって印象の強かったシーンが切り替わって行き、
とうとう決定的な場面が映し出された。
杏子『さやか……。ちくしょう……、こんなことって……」
まどか『ひどいよ……こんなのあんまりだよ……』
杏子のソウルジェムが目の前で打ち抜かれる。
そのときのほむらの視線そのままに、巴マミが視界に入る。
マミ『ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない!』
マミ「ソウルジェムが……魔女に……!?」
ほむら「しっかりして! これは魔女が作り出した幻想よ!」
マミ『あなたも! 私もっ!!』
マミ「でも、暁美さんの記憶なんでしょ? いくら精神攻撃でも無いものは見せられないはずよ!」
ようやくほむらの方に振り返ったマミの表情は画面に映った『あのマミ』と同じだった。
映像の巴マミに感情移入してしまったようだ。
ほむら「げ、現実はまどかも美樹さやかも魔法少女じゃないわっ!」
マミ「そうか。あなたの魔法って時間操作なのね。
過去に戻ってやり直したいなんて願えば確かに……」
そこまでを確信させるに十分な映像を見られてしまったようだ。
ほむら「巴マミ……」
もう巴マミは駄目かもしれない。
こんな形で真実が伝わってしまうなんて。
魔女は余程ほむらの記憶が気に入ったのか画面が増えて様々な時間軸の場面が同時並行して映し出されていた。
ほむら「……私にそれを見せても無駄よ」
それは単に戦い続けた記憶だ。今さら改めて見てもどうということはない。
と、思っていたのだが。
魔法少女になって初めて巴マミの指導を受けた場面。
そして、共闘して初めて自分の手で魔女を倒した記憶が映し出された。
まどか『やったぁ、すごい、すごいよほむらちゃん!』
ほむら(まずいわ。ここで心を動かしたら……)
感情の揺れにつけ込まれてしまう。
だが、次の瞬間、積み上がったTVが一斉に吹き飛ばされ、
二人が居た空間が割れるようにして消滅した。
「情けねーな。魔法少女二人がかりで何やってるんだ?」
ほむら「……」
マミ「え?」
乙です。
この時間軸では杏子はほむらと初対面か。タイミング的には記憶TVは見てないかな。
しかし、マミがどう反応するのか……?
この時間軸では杏子はほむらと初対面か。タイミング的には記憶TVは見てないかな。
しかし、マミがどう反応するのか……?
三週目では時間操作が出来、魔女化したさやかを殺れる割り切れるほむほむを拘束、実戦経験が豊富なあんこを奇襲で潰し、実戦経験で劣りほむら程の切り替えが出来ないまどかは後回しと、錯乱しているとは思えない的確な行動を取っていた。契約で得た特徴か、あんこ並みに精神がタフかどうかは知らないけどマミはMP切れ以外の魔女化はなさそう。
あんこが殺られる時は外野の妨害で隙が出来た時だし、この段階だとマミから逃げ切るぐらいの事は出来そう。
あんこが殺られる時は外野の妨害で隙が出来た時だし、この段階だとマミから逃げ切るぐらいの事は出来そう。
気がつくと二人は折り重なるようにして床に倒れていた。
ほむら「……佐倉杏子」
杏子「あん? おまえ、どこかで会ったか?」
あたりを見回すと結界は消えていた。
助けてくれた、というより、魔女を倒した結果として助けた形になっただけのようだ。
マミ「あなたは……」
巴マミはまだ心ここに在らずといった感じで現状がよく判っていない風に見える。
ほむら「……悪いけど、今は引いてくれないかしら?」
佐倉杏子はほむらとマミが戦闘どころじゃない有様なのを見て言った。
杏子「ま、面白いモン見れたし、マミに貸し一つってもの悪かないな」
『面白いもの』というのはマミが魔女に無様に敗北してたことを言っているのだろう。
ほむら「……佐倉杏子」
杏子「あん? おまえ、どこかで会ったか?」
あたりを見回すと結界は消えていた。
助けてくれた、というより、魔女を倒した結果として助けた形になっただけのようだ。
マミ「あなたは……」
巴マミはまだ心ここに在らずといった感じで現状がよく判っていない風に見える。
ほむら「……悪いけど、今は引いてくれないかしら?」
佐倉杏子はほむらとマミが戦闘どころじゃない有様なのを見て言った。
杏子「ま、面白いモン見れたし、マミに貸し一つってもの悪かないな」
『面白いもの』というのはマミが魔女に無様に敗北してたことを言っているのだろう。
杏子「じゃあ、この辺の魔女、勝手に狩るけど、いいよな?」
ほむら「好きにしなさい。後で挨拶にいくから」
マミ「ま、待って、勝手なこと言わないで」
ほむら「一旦引きましょ。今のあなたじゃあの子の相手は無理よ」
杏子「あんたにも貸し一つだからな」
ほむら「判ってるわ」
杏子「じゃあな。楽しみにしとくよ。挨拶とやらを」
杏子が去った後、
ほむら「……」
マミ「……どうしたの? 急に付き合いが良くなったわね?」
ほむらは家に向かう巴マミの後ろを黙って付いて歩いていた。
ほむら「そんな気分なのよ」
マミ「そう……」
ほむら「……」
マミ「佐倉杏子に助けられるなんて」
ほむら「あっちはそのつもりは無かったみたいだけど」
マミ「そうね」
その後、マミの家に着くまで互いに無言だった。
ほむら「……」
マミ「……どうしたの? 急に付き合いが良くなったわね?」
ほむらは家に向かう巴マミの後ろを黙って付いて歩いていた。
ほむら「そんな気分なのよ」
マミ「そう……」
ほむら「……」
マミ「佐倉杏子に助けられるなんて」
ほむら「あっちはそのつもりは無かったみたいだけど」
マミ「そうね」
その後、マミの家に着くまで互いに無言だった。
マミの部屋。
マミ「なにか話があるのでしょう?」
巴マミはほむらの分まで紅茶を用意してからリビングに落ち着いた。
その様子を見ていたほむらは思わずこう言ってしまった。
ほむら「余裕なのね。意外だわ」
マミ「あら、どういう意味かしら?」
ほむら「結界の中で見たでしょう?」
マミ「じゃあ私から聞くわ。
あれはあなたがいままで経験したことで間違いないのかしら?」
もう覚悟を決めるしか無いだろう。
マミ「なにか話があるのでしょう?」
巴マミはほむらの分まで紅茶を用意してからリビングに落ち着いた。
その様子を見ていたほむらは思わずこう言ってしまった。
ほむら「余裕なのね。意外だわ」
マミ「あら、どういう意味かしら?」
ほむら「結界の中で見たでしょう?」
マミ「じゃあ私から聞くわ。
あれはあなたがいままで経験したことで間違いないのかしら?」
もう覚悟を決めるしか無いだろう。
ほむら「……そうよ」
マミ「何か、緊張しているのね」
ほむら「ええ。しているわ」
マミ「私が『ああ』なると思っているの?」
ほむら「思ってるわ。巴マミは魔法少女が魔女になると知って冷静で居た試しが無い」
巴マミの表情が硬くなったのを感じた。
マミ「そう。あなたは私がああなるのを何回も見たのね?」
ほむら「見たわ。あなたは私の目の前で死んでいった。数えきれないくらい何回も。
先を知っているからなんとかしようとも思ったわ。
でも駄目だった。何回繰り返してもあなたは、あるときは自分勝手に、
またあるときは私にすべてを押し付けて舞台から降りてしまう。
私が手にかけたこともあったわ」
マミ「……それで、あなたは今まで私にあんな態度だったのね?」
ほむら「そうよ。今ならわかるでしょ?
でももう良いの。
ここに来たのはせめて今後に悪影響が無いようにするためだから」
マミ「確かに、私に銃を向けている場面もあったわね」
ほむら「あなたはどういう訳か魔法少女の運命に絶望しただけでは魔女にならないから」
マミ「え……そうなの?」
ほむら(あれ、反応が?)
巴マミはなにやら『心底意外だ』という表情をした。
ほむら「そ、そうよ。魔法少女のまま錯乱して近くの他の魔法少女を皆殺しにしようとするから」
マミ「そ、それは……酷いわね」
ほむら「あなたみたいな強力な魔法少女がそんな暴れかたしたら射殺するしかないでしょ」
マミ「……」
ほむら「だから、そういうことなのよ」
マミ「そ、そういうことなのね」
彼女はほむらの言葉で『そうなった巴マミ』がいかに酷い有様か
改めて認識したようだった。
マミ「夕飯食べるでしょう?」
ほむら「どうしてそうなるの?」
マミ「だって今日は泊まっていくのでしょう?」
ほむら「馴れ合うつもりは無いわ」
マミ「じゃあ、なんで家に上がったの? あなたなら外から見張ることだってできたはずよ」
ほむら「バスルームとか外から見えない所もあるわ」
マミ「あら。じゃあ一緒にお風呂にも入ってくれるんだ?」
ほむら「何を言っているの?」
マミ「一人でシャワー浴びてるうちに何かあるかもしれないわよ。
そのためって言ったわよね?」
ほむら「それは……」
これは『余裕』と見るべきか。
だが、巴マミは今、自分の錯乱を盾にほむらに甘えてきている。
統計的に見てこれは『良くない予兆』であろう。
マミ「……嬉しいわ。一緒に台所に立ってくれるなんて」
ほむら「必要だからよ」
毒を盛って心中なんてされたらたまらない。
もちろん一般の毒くらいで魔法少女は死なないが、
使う毒によってはしばらく行動不能にはなるくらいはあり得るのだ。
ほむらは本気でそう危惧していたのだが……。
マミ「判るわよ」
ほむら「何の話?」
マミ「馴れ合わないっていうのは、情がわいてしまうと、
いざというとき躊躇ってしまうからでしょ?」
ほむら「……そうよ」
マミ「でも、もう既に迷っている」
ほむら「……」
マミ「……ごめんなさいね」
ほむら「どうして謝るの?」
マミ「正直、あなたが来てくれて助かったと思ってるの」
ほむら「私はあなたを殺しにきたのよ」
マミ「でもああならないことを期待もしている。そうでしょ?」
ほむら「そうね。夢くらい見ても良いでしょ?」
マミ「夢か……ずいぶん薄い期待なのね」
ほむら「今の状況で私はあなたがどんな顔して微笑んでも安心なんて出来ないのよ」
マミ「……別の世界で私はあなたに沢山迷惑かけたようね」
ほむら「……」
マミ「でも、そのほんの少しの期待が私には希望になるわ。
正直不安なのよ。
私は魔法少女を殺して歩くようになってしまうかもしれないから」
ほむら「自覚は在るのね」
マミ「あなたは言ったわ。
私は魔法少女の運命に絶望しただけでは魔女にならないって」
ほむら「経験上そうだったってだけで何も確証はないのだけど」
マミ「それは多分、私の願い事が『助けて』だったからだわ」
ほむら「……?」
マミ「『助けて』すなわち『私の命を助けて』。
いままで余り考えたことは無かったのだけど、
私の魔法少女としての希望は生きることそのものなんだわ」
ほむら「生存本能ってこと?」
マミ「そうよ。これは私の想像だけど、あなたの記憶の中の私は
ショックの余り魔法少女と魔女を同一視してしまったんだと思うの」
マミ「それで魔法少女は死ぬしかないと結論した。なのに魔女にならなかった。
つまり表面では絶望してても本能でそれでも生き続けたいと願っていたのよ」
ほむら「魔法少女は死ななければならない、殺さなければならないから、
その為に『生きる』ってこと?」
マミ「言われてみて判ったわ。
そうなってしまっても私、絶対自殺なんて出来ない、
生きる目的がどんなに歪んでも生き続けてしまうだろうって」
ほむら「興味深いわね。あなたの自己分析が聞けるなんて」
マミ「ありがとう。興味を持ってもらえて嬉しいわ」
ほむら「それで?」
マミ「その前に、夕飯にしましょう? もう出来るから」
キッチンから再びリビングに移動して。
マミ「結局、一緒に居てくれるのね。それもこんなに近くで」
ほむらはマミの隣に座っていた。
ほむら「別にあなたの為じゃないわ。
さっきも言った通り今後に悪影響を残さない為に
最良だと思う選択をしているだけよ」
マミ「それでも良いわ」
今ここでほむらが見捨てれば巴マミは錯乱するのを押さえられないだろう。
ほむらには判っていた。
彼女が今の所、こうして誰かと話をすることで精神を保っていることを。
実際、今日の巴マミは饒舌だ。
ほむらが聞きたいかなんて関係なく料理の味とか紅茶の入れ方とか、
とにかく、いつ食べているのかと思うくらいにしゃべり続けていた。
ほむら(今回も巴マミは駄目なの?)
そんな不安を抱えつつ、
『もうこうなったら見極めるまでつき合うしかない』とほむらは腹をくくっていた。
マミ「結局、一緒に居てくれるのね。それもこんなに近くで」
ほむらはマミの隣に座っていた。
ほむら「別にあなたの為じゃないわ。
さっきも言った通り今後に悪影響を残さない為に
最良だと思う選択をしているだけよ」
マミ「それでも良いわ」
今ここでほむらが見捨てれば巴マミは錯乱するのを押さえられないだろう。
ほむらには判っていた。
彼女が今の所、こうして誰かと話をすることで精神を保っていることを。
実際、今日の巴マミは饒舌だ。
ほむらが聞きたいかなんて関係なく料理の味とか紅茶の入れ方とか、
とにかく、いつ食べているのかと思うくらいにしゃべり続けていた。
ほむら(今回も巴マミは駄目なの?)
そんな不安を抱えつつ、
『もうこうなったら見極めるまでつき合うしかない』とほむらは腹をくくっていた。
食後も、ほむらは巴マミにつきまとうようにしていた。
マミの方はそれに慣れたのか、
ほむらに色々手伝いを頼むようになっていた。
相変わらず喋り続けているのだが。
そして、少し時間を飛ばして
ここは風呂場。
マミ「髪を洗ってあげるわよ」
ほむら「いらないわ」
マミ「えー、あなたの髪さらさらで触り心地よさそうなのに」
ほむら「だったら後で気の済むまで触らせてあげるから大人しく暖まってなさい」
マミ「もう。じゃ、あとで約束よ?」
ほむら「……」
そして、ほむらが身体を洗い終わって。
マミ「さあ、いらっしゃい」
浴槽に足を伸ばして浸かり、手を広げてそんなことを言う。
マミの上に乗りだっこされる形で入れというのだ。
ほむら「私はあなたと一緒に居るつもりだけれど、
何でも言うことを聞くと思ったら間違いよ」
マミ「えー」
ほむら「横を開けなさい。私が入れないでしょ」
マミ「でも一緒に入るんだ」
ほむら「見極めるまでつき合うと言ったわ」
それは夕食が終わってからマミに向かってそう宣言していた。
マミ「うふふ……」
風呂を上がって。
ほむら「……」
マミ「どうしたの?」
ほむら「そういえば髪を巻いていないあなたを見るのは初めてだったわ」
マミ「あら。どうかしら?」
ほむら「新鮮だわ」
癖っ毛ではあるが湿って癖が伸びていて、マミは普通に下ろした髪型をしている。
結構な長さである。
マミ「新鮮、か」
ほむら「え、ええ」
目をそらす。
湯上がりで上気した顔。湿気を帯びた癖のある髪。
正直、『可愛い』とか思ってしまったのだ。
ほむら「……」
マミ「どうしたの?」
ほむら「そういえば髪を巻いていないあなたを見るのは初めてだったわ」
マミ「あら。どうかしら?」
ほむら「新鮮だわ」
癖っ毛ではあるが湿って癖が伸びていて、マミは普通に下ろした髪型をしている。
結構な長さである。
マミ「新鮮、か」
ほむら「え、ええ」
目をそらす。
湯上がりで上気した顔。湿気を帯びた癖のある髪。
正直、『可愛い』とか思ってしまったのだ。
ほむら(不覚だわ。風呂場でも裸でべたべた寄ってくるのは『気持ち悪い』と感じてたのに)
マミ「なあに?」
ほむら「別になんでもないわ」
マミ「それはそうと」
ほむら「なにかしら?」
マミはドライヤーとヘアブラシを持って、
何やら期待の眼差しをほむらに向けていた。
マミ「約束よ?」
ほむら「ハァ……判ったわ。お願いするわ」
マミ「♪」
ほむら(背後に立たせるのは不安なのだけど……)
嬉々としてほむらの髪にドライヤーを当てる巴マミに、
ほむらが危惧してるような気配はなかった。
マミ「……当然のように一緒の布団に入ったわね」
ほむら「私は本気よ」
マミ「もしかして私、貞操の危機かしら?」
ほむら「それはないわ」
マミ「冗談よ。真顔で即答しなくてもいいのに……」
ほむら「あなたがどっちに転ぶかまだ判らないから」
マミ「見極めるって話?」
ほむら「そうよ。黙って私の目の届かない所へ行って
魔法少女を殺し始めたりしないって保証はないもの」
マミ「私はむしろ暁美さんを見極めたいわ」
ほむら「何のことかしら」
マミ「私はあなたを封じる方法を知ってるわよ」
ほむら「そうだったわね」
マミ「なのに、無防備にこんな近くで寝そべってて良いの?」
ほむら「……」
マミ「いざとなれば私を殺さないといけないのでしょう?」
ほむら「……」
マミ「もう、そんなつもりはないのではなくて?」
ほむら「それは……」
自分でもよく判らなかった。
情を押し殺し、巴マミを『終わらせる』覚悟でここに来た筈だった。
なのにマミの指摘通り、ただ近くに居るってだけで、
目的を遂行しずらい状況に身を置いてしまっている。
だが、今最悪の結果を回避する為に『なるべく傍に居る』という選択は正しいはずだ。
すくなくともこうして、ほむらが話し相手になることで彼女は平静を保っているのだから。
マミ「もう十分よ。私は『ああ』はならない」
ほむら「そう断言できる?」
マミ「全て知っていても尚、誰かの為にずっと戦ってきたあなたがいるわ。
そうなんでしょう?」
あの魔女が出した映像でそこまで把握していたのか。
マミ「最後は魔女になるからといって、死ぬことを結論にするのは間違いだって、
あなたは身をもって教えてくれたのよ」
ほむら「別に教えるつもりはなかったわ」
マミ「そんなあなたが、もしかしたら、おかしくなった私に殺されるかもしれないのに、
私を気遣ってこうしてそばに居てくれる」
ほむら「そんな大層なものじゃないわよ」
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