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    元スレエルシィ「私の神にーさまがコミュニケーション不全なわけない」

    SS+覧 / PC版 /
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    タグ : - エルシィ + - エルシー + - ベジータ + - 九条月夜 + - 五位堂結 + - 桂木桂馬 + - 桂馬 + - 神のみぞ知るセカイ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 = 129 :

     そう、この中にはセカイの全てが詰まっている。

     完全無欠で、究極の一が。

    歩美「は」

    歩美「はははははははっ、そーだ。そーだった、そういえばアンタはそういうやつだった」

    歩美「はー、バッカバッカしー」

    桂馬「馬鹿馬鹿しいとは何事だ。ここには人類の全てが詰まっているんだぞ」

    歩美「ところでさー、ひとつ気になったんだけど」

    歩美「桂木ってさ、マジで、女の子に興味ないの?」

    桂馬「ちょ、おい、近いって」

    152 = 129 :

    歩美「いいからっ、答えてよ」

    桂馬「ふっ、ボクは2進数のセカイの人間。血と肉を持ったリアル女子等に興味は――」

    歩美「本当?」

     気づけば彼女の顔が、ボクの前髪に触れる位置まで近づいていた。

     黒々とした瞳が、モニタの僅かな光を映しこみ、夜の河のようにゆらゆら揺れている。

     睫が震えるように瞬いた。ぷっくりと膨らんだ唇が、誘うように開く。小さく真っ白な歯が、闇の中で蠢く。

     燃え立つような朱に染まった頬が網膜を裂いてちらついた。ボクという観念が消える。存念が失せる。確固たる理想が止揚する。

    歩美「ね、試してみない?」

    桂馬「――た、試す」

    歩美「桂木の手、やらかいね」

    153 = 129 :

    桂馬「ボクに、ふれるな……」

    歩美「ここから先、任せてもいいかな」

     甘えるようなその声に、思考が硬直化した。

     攻略はゲームの延長。遊戯は遊戯でも命をかけたゲーム。ベットの対象はボクの命だ。

     首筋に巻かれた重たげな契約が、常に囁いている。

    154 = 129 :

     大脳が燃えるようにじんじんと疼く。

     歩美のことを想う。

     青く、涼やかな清流を駆ける、雌鹿のように引き締まった身体が、今目の前にある。

     深く座り込んだ椅子に圧し掛かるようにして、熱い吐息が耳元に触れた。

    歩美「ね……」

     意識が白濁していく。曙光は見えない。

    エルシィ「はいはーい、時間切れー。時間切れでーす!」

    桂馬「げっ」

    歩美「っ!!」

     歩美はボクを突き飛ばすと、真っ赤な顔をして走り出していった。

     あ、なんだったんだ今の。落ち着け、たかがリアルだ。

     曖昧なリアルの駄フラグを立ててる場合じゃないぞ。

     ふと気づくと、エルシィが両腕を組んでじっとりとした目線を向けていた。

    155 = 129 :

    桂馬「なんだよっ、行ったんじゃなかったのか」

    エルシィ「にーさまの、えっち」

    桂馬「はぁ!? いいがかりだっ!! ボクが、毒フラグに乗るとでも」

    エルシィ「でもー、いい雰囲気でしたー。私が止めなければー攻略でもないのにー」

    桂馬「う、うるさいなっ、次だ、つぎっ」

    エルシィ「ごまかそうとしてます。攻略でもないのにーキスをー」

    桂馬「さっさと行けっての!」

    桂馬「……クソ、これだからリアル女子は。前振りも無くルート開放しようとするんじゃない」

     それにしても、歩美は女神なのか。

     キスすれば、いっそはっきりしたかもな。

     正直、主導権を取られるのは苦手だ。

    157 = 129 :

    とりあえず今日は終了

    159 :

    さすが「ばかっ、ばかっ、ばか!!!」の歩美
    破壊力が凄いな

    160 = 150 :

    >>1おつ!

    桂馬もげろ

    162 :

    新着レスあったから来たのか?と思ったら……
    しかもサンデー合併でねーしww

    163 :

    これ以上考えても時間の無駄か。次。
     
    三人目~青山美生~

    美生「ど、どうも」

     猫目で、明るい髪色で、デコが出てて、ツインテールで、小柄な子の登場だ。

     サクサク流してこー。

     美生は緊張しているのか、部屋に入ったきり微動だにしなかった。
     塗り固められた、彫像のようにうっそりと立つ姿を見ながら、ボクは激しく強張っていく肩の凝りと、
    この夜を越えていくことの出来る可能性を想った。

    164 = 163 :

    美生「あの、私たち初対面よね、ほぼ」

     最初に口火を切ったのは、彼女だった。ボクはギロチン首をさすりながら、眼鏡の弦の座りを無意味にいじると、応えた。

    桂馬「ほぼ?」

    美生「その、あなたには売店の前で、小銭の使い方を聞いたことがあるわ」

     攻略直後に会った?

    165 = 163 :

    桂馬「あー、そういえば、外パンの」

     結と入れ替わっていた時期にパン屋で会う前に、一度顔を会わせていたかも知れない。

     それに同じ学内で、学年なら何度かすれ違っていたこともありうる。

     もっとも、興味ないから気にしたこともなかったが。

     そんな事をつらつら考えていると、目の前の症状は、わざとらしい咳払いをして、

     一歩前に出て、見上げるようにしてボクの顔を覗き込んだ。

    美生「私、2Aの青山美生、よ。貴方は?」

    166 = 163 :

    桂馬「桂木桂馬」

     既知の人間に自己紹介されるとこんな気分になるのか、とややテンションを下げながらも観察は怠らない。

     そういえばディアナがいっていた。女神は封印の力を使い果たし動けなくなっている、かもしれない、と。

     美生の記憶は完全に書き換えられていた。だが、本当に居ないと断定していいのだろうか。

    167 = 163 :

     彼女ら、の中に女神が居たとしても、力が残っていなければ、人格の表層上に出てこられない、ということもある。

     ディアナは、宿主の表面に出て、身体を自由に動かすまで十年かかっている。

     ボクの仮説では、女神はボクと出会いやすい位置に存在する。

     新悪魔の、エルシィではなく、もっと上のやつらがボクをバディに選び、

     駆け魂を出す方法を恋愛に沿うよう誘導していったのは女神に愛を与え、覚醒を促すものだったとしたら。

    168 = 163 :

     ある程度は当たりを付けていたのかもしれない。

     会いやすい、顔を合わせやすい、共通点を見つけやすい。

     そういった点では、楠は学年がひとつ上にもかかわらず、姉を通してだがエンカウント率は極めて高かった。つまりは、女神として疑える。

     いや、同クラスの歩美やちひろを除けばダントツかもしれない。他の対象者を考察してみよう。

     かのんは出席自体が稀だ。彼女はひとまず置いておくとして。

    169 = 163 :

     ここで、美生を考えてみると、同学年でもあり、バイトを行っている固定キャラという属性も付随する。

     即ち、いざという時、イベントは起こしやすいし、居場所の特定も便利だ。

     ここまで穿って考えると、彼女の家の没落も、父親の死すら疑わしくなってくる。

     やるだろうか。

     あるだろうな、やつらはどういいつくろおうと、悪魔だ。

    170 = 163 :

     仮定として、女神の覚醒が段階的で、記憶の保持が遡って復活するかもしれない、

     という可能性を残しておくと、こいつの中に女神が居ても、別段不思議ではない。

     黙り込んだボクが気を害していると勘違いでもしたのか、

     美生は、所在無げに佇んでいたが、思い切ったように顔を上げると、一気にいい放った。

    171 = 163 :

    美生「な、なによ。私は結に付き合ってお店に来ただけで、その、庶民なんかに興味なんてないんだからねっ! 
    前々からなんとなく気になってなんかないんだからっ!」

     いわでもいいことをいってしまい、顔を伏せる美生。

     それにしても、なんというツンデレ率。

     正直、最近流行ってないぞ。

    美生「ねえ、私たち、どこかで会ったことってないわよね」

     美生が不安げに、眉を八の字にして尋ねてきた。

    172 = 163 :

    桂馬「うん?」

    美生「な、なによ。なにかいいなさいよっ。これじゃあ、私がいい寄ってるみたいで、その。
       別に、いつもの私はそんなに軽い女じゃなくて、そのホントよ、信じてっ、あなただけなんだからっ」

    桂馬「おい、ちょっと」

    美生「本当よ、こんな気持ち。自分でも抑えられない。どうしてなの、わからないの」

     小柄な美生が、崩れるようにして、ボクの胸の中に倒れこむ。清潔なシャンプーの香りが漂う。それにしても、ボクの部屋には何かリアル女

     子のテンションをおかしくする物質でもあるのか。甚だ疑問だ。

    173 = 163 :

    美生「この感じ」

    桂馬「ととっ」

     触られるのは苦手だ。ボクは自分の顔が紅潮していくのを感じ、

     またそれが妙に気恥ずかしく、とめどなく頭の芯が茹っていくのを止められない。

     どーして、現実の女は我がままで、非効率的で精度が低いのにこんなに柔らかいんだ。

     美生のちっちゃな指先にある白い爪が、視界の隅をちらつくたび、息苦しくなる。

     こんなもの、物理的反射だ、動物的情動だ、と頭の中で連呼しても、その先に続くイメージだけが勝手に肥大していく。

    174 = 163 :

     ああ、くそ。リアルの壁は、思った以上に重厚で難物だ。

    美生「ごめんなさい」

     潤んだ瞳が、心細げに秋波を送ってくる。

     意図的なものなのか、それとも無意識の産物なのか。女は生まれながらにして娼婦だ、

     とはよくいったもの。全ての現実を踏破すると誓った胸に、あっさりと亀裂が入る。

    美生「はしたないってわかってるのに。もう少しだけ、もう少しだけ」

     子犬のように彼女が頬を摺り寄せた。

     と、その時。

     カーン、カーン、カーン、と。 

    エルシィ「はーい、はなれてくださーい。コーヒーブレイクです!」

    175 = 163 :

    フライパンを叩きながら、羽衣でティーセットを持ち上げつつエルシィが入室してきた。

    桂馬「とりあえず、落ち着いて話そう。時間はある」

    美生「うん」

     どう考えても、初対面の人間同士が行うスキンシップではない。

    176 = 163 :

     あの夜の続きを、そのまま補完していると考えたほうが理解しやすい。

     美生も記憶といくらか残った感情のギャップに戸惑っているのか。少し離れたクッションに腰掛け、

     ちらちらボクの顔色を伺っているのが見て取れた。

    エルシィ「うー」

     エルシィは、親の敵を見るような目で、ボクをにらみ付けると部屋を出て行った。

     あいつ、扉の向こうで聞き耳でも立てているのか……?


    『ドアの向こう側』

    ハクア「ど、どうだった! ねえ、どうだったの!?」

    エルシィ「うー、美生さまと抱き合ってましたっ」

    「不純な。男女七歳にして席を同じゅうせず、という言葉を知らんのか」

    天理「桂馬くん」ショボン

    ちひろ「……まさか、あいつにそんな甲斐性が」

    177 :

    月夜がヤバい

    178 = 163 :

    かのん「ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ」

    ~再び桂馬の部屋~

    美生「ねえ、ひとつだけ聞かせて」

     絶対ひとつで終わらんな、これは。

     今みたいに切り出した場合、女の問い詰めはひとつじゃ終わらないんだよっ!

     ゲームでは。

    美生「貴方は、私と夜会に出かけたの?」

    桂馬「おかしな質問だな。どうして、それをボクに問う」

    179 = 163 :

    美生「それは」

    美生「記憶が判然としないの。私の記憶では、運転手だった森田と行ったことになってる」

    美生「森田にダンスを教えて、いっしょに踊って」

    美生「あいつは、その最初は手に触れただけで真っ赤になって」

    美生「なんだか私も、つられてすごく照れくさくて、でも不思議といやじゃなくて」

    美生「そして、最後に、そのキスを」

    桂馬「じゃあ、それが真実だ。いずれもボクには関係ない」

    美生「ちがうの、ちがうのよっ!! それでは嫌なのっ!! そんなことあってはならないっ!!」

     美生の悲壮な顔。セカイがパースペクティブを失い、セピアに染まった。

     視界が逆転すると同時に、身体の内側が激しい搔痒を覚える。

     ボクの胸が、ずきりと痛んだ。

    美生「大切な誰かがいってくれた」

    180 = 163 :

    美生「私の笑顔を見たいって」

    美生「私の心に住みたいって」

    美生「例え、私の記憶が誰かに消されようと、その人はずっと居るの」

    美生「もうダメだって思った時も、つらくて泣きそうな時も、顔すら思い出せないその人を思えばがんばれるのよ」

    美生「ごめんね、それがあなたのような気がしたの」

    美生「ホント、馬鹿みたい。迷惑よね」

    美生「私の勘違いよね」

     寂しそうに笑う彼女の横顔を見た時、ボクは初めてこの契約を心の底から呪った。

     人の記憶をいじるんだ。

     代償を理解していたつもりだったけど、事実それはつもりでしかなかった。

     人間のココロまでは、どんな精巧な機械も演算できない。

    181 = 163 :

     ここでたやすく彼女に、それはボクだと云えたらどんなに楽だろう。

     もし、彼女の中に女神が居なかったら? これからも攻略は続けなければならないんだぞ。

     その時、この感情は枷になる。

     指先から全身が冷えていくように、ボクのココロを凍結させる。

    182 = 163 :

     神に感情はいらない。必要なのは冷徹なロジックと鋼のメソッドだ。

     目の前の女を人間と認めるな。今はまだ、見切りが出来ない。

     愛を与えるということが、これほどに重いとは、知らなかった。

    183 = 163 :

    美生「ねえ、キスして」

    美生「そうしたら、きっと」

     女神はいずれ出さなければならない。なら、躊躇う必要などないはずだ。

     ボクは無言で、美生を引き寄せる。

     瞬間を永遠に感じる。

     唇が触れ合う。頭の奥で明度の高いランプが灯る。

     頬に、あたたかな涙を感じた。

    美生「なに?」

    桂馬「なにか、思い出せたのか」

    美生「な、なにも、でも」

    美生「もう一度したら、思い出せるかも」

     上気した頬で、恥ずかしそうに呟く。落胆と怒りと、悲しみを同時に感じた。

    桂馬「ひとつだけ教えてくれ。お前の中に、女神はいるか」

    184 = 163 :

    美生「女神? なに、言葉遊びかしら。それよりも――」

    桂馬「そうか。じゃあ、ボクの用事は済んだ。出て行ってくれないか」

    美生「え」

     努めて平静に喋ったつもりだ。

    美生「え、え、なんで? ね、ねえ。そんなに私とするの嫌だった?」

    185 = 163 :

    桂馬「ああ」

     この上も無く彼女の顔が歪んだ。今度は冷静に云えたと思う。

    美生「うそよ。だったらなんで」

    桂馬「理由なんか無い。しいていえば、相手が君だからだ」

    美生「っ!」

     鋭い嗚咽が聞こえた。たまらず顔を背ける。

     視界の端に、彼女の唇が僅かに動くのを感じた。

    美生「――さよなら、無駄な時間取らせたわね」

     無理に微笑もうとしたのか、その相貌がますます幼く見えた。握り締めた拳。ボクは汗ばんだ手のひらを、開きまた握った。

     消え入りそうな声とともに扉が閉まる。地上から音が消えたような気がした。

     誰も居なくなった部屋に息を呑むような、激しい孤独を感じる。

     知らず、右腕で死の首輪を掴んでいた。窓際に近寄り、闇に沈んだ道路を眺める。

     眼下に点在する街路灯が濡れたような光を放射している。

     小さくなっていく美生の背中を見ながら、ボクは確かな決別を感じる。

     窓際のカーテンを閉める。

     もう二度と、振り向かなかった。

    186 :

    ここに来てシリアスっ……!

    187 :

    続き来てた
    シリアスパートもなかなかどうして良いな
    超gj

    188 :

    ここにきてより面白くなってきたな

    すげえ

    189 :

    こっちでも美生はリストラ枠なのか。それは残念に思うけど更新感謝

    190 :

    美生との決別か……

    191 :

    四人目~中川かのんさん~

    桂馬「気を取り直していくか」

    桂馬「人間の体細胞なんて2ヶ月で全部入れ替わるし」

    かのん「抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、抱き合ってるのはウソ、ウソ、ウソ、ウソ、ウソ」

    桂馬「でも、このドアは開けたくない気がする」

    192 = 191 :

    桂馬「……でも、開けるしかないのか」

     ガチャリ

    かのん「――はっ」

    かのん「じーっ」

    かのん「ど、どうも」

     かのん、か。会う機会の頻度から考えると、こいつはボクの仮説からかなり離れているんだよな。

    そもそも、テスト受けにしか来てないぞ、たぶん。

     かつての攻略相手、つまりは女神候補のひとりに数えられるが、エンカウント率は低い。

     まだるっこしいことはやめて、直に行くか。

    193 = 191 :


    エルシィ「にこにこ」

    ハクア「じーっ」

    桂馬「あのな、お前ら」

    桂馬「いったい、いつの間に入ってきたんだ。内包型ウイルスか!? かのんが話しにくいだろう。出てけよ」

    ハクア「出てけ? ンまぁ、私たちを追い出してどんな卑猥なことをするつもりなのよ。この、変態クズ男!!」

    桂馬「エルシィ」

     ボクはこめかみに軽い疼きを感じ、利き手で最初にハクアを指し、次に出口を示した。

    エルシィ「えっと、私はハクアを止めたんですけど」

    エルシィ「ハクアはかのんちゃんが一番危ないって」

    桂馬「何を考えてるんだ」

    194 = 191 :

    ハクア「だって(その子が、ずば抜けてかわいいから)」

    エルシィ「じーっ」

    桂馬「なんだよ」

    エルシィ「あのぅ、にーさま、何かありましたか? その雰囲気が」

    桂馬「ふいんき (←なぜか変換できない)がどうしたんだ」

    195 = 191 :

    エルシィ(神にーさま、いつもより元気ないです。何かあったんでしょうか)

    かのん「あのう、何の話でしょう」

    ハクア「私たちのことは気にしないで、桂木がわるさしないよーに、見張ってるだけだから」

    かのん「……大変申し訳ないんですけど、席外してもらいません?」

    ハクア「え?」

    エルシィ「え?」

    かのん「え?」

     なに、この展開。悪い予感しかしない。

    196 = 191 :

    桂馬「わかった、こうしよう」

     ガチャ、

    ハクア「アンタが部屋を出て行ってどーする」

    桂馬「わかった」

    かのん「……」

     ガチャ

    ハクア「だから、ふたりで出て行ってもしょーがないでしょ!!」

    桂馬「どーしたいんだよっ!!」

    桂馬「もしかして、アレか。お前はあれなのか?」

    ハクア「//////」

    ハクア「だ、だれがヤキモチなんかお前なんかに妬くかっ! バカっ!! 自意識過剰!! 変態男っ!!」

    桂馬「ちょっ、まっ、まだボクはなにもいっとらんっ!」

    ハクア「なによっ、なんでそいつの肩ばっか持つのよっ!」

    エルシィ「ハクア……」

    ハクア「もー知らん!! 桂木なんか、こんにゃくに頭ぶつけて死ぬれっ!!」

    197 = 191 :

     ハクアは、真っ赤な顔をして叫ぶと、低反発マクラをモニタに叩きつけ、部屋を駆け足で去っていった。今日はいったい、何しに来たのか。

    エルシィ「……にーさま、ハクア怒って出て行っちゃいましたよ」

    桂馬「追いかけてやれ」

    エルシィ「はい」

     排除完了。

     さて、ぬるいリアルの壁などでは、真理に到達したボクを遮ることなど出来ない。

    桂馬「さ、お邪魔虫は追い払った。何か話があるんじゃないか?」

    かのん「うん、その。この間のお礼もまだ、だったから」

    198 = 191 :

    かのん「桂馬くんに教えてもらったおかげで、私ちゃんと百点取れたんだよ」

    かのん「いつもはお仕事であんまり勉強できないから、学校にはテスト受けに来てるだけになっちゃってるけど」

     一度喋りだすと、最初のぎこちなさはどこにいったのだろうか。

     エルシィもかくや、という勢いで、取りとめも無い話のやりとりをボクらは始めた。

     こうして話すと、特に変わった話題でもないが、とうとうと彼女のお喋りは流れていく。

     おそらく、アイドルという仕事上、かような無為の時間もほとんど取れないのだろう。

     学校に来ないのであれば、腹を割って話す友達も作れないのか、

     彼女は自分の仕事のこと、日常のちょっとしたこと等をさもうれしそうに話していた。

     聞き役に徹しているボクは、注意深く彼女の表情を見ながら、情報を集めていく。

     どいつもこいつも、このくらい話してくれれば攻略は楽なのに。

    かのん「――で」

    199 = 191 :

    桂馬「よし、次の選択肢だ!」

    200 = 191 :

     キスの事を聞く
     懐のスタンガンについて
     西川かのんについて


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