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    元スレエルシィ「私の神にーさまがコミュニケーション不全なわけない」

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    タグ : - エルシィ + - エルシー + - ベジータ + - 九条月夜 + - 五位堂結 + - 桂木桂馬 + - 桂馬 + - 神のみぞ知るセカイ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    101 = 81 :

    桂馬「どーいうつもりなんだよ、お前は!! いきなり出てきて!!」

    ディアナ「どういうつもりか、と聞きたいのはこちらのほうです。天理というステディがありながら他の女性にうつつを抜かすとは」

    ディアナ「このような暴挙、天が許しても女神が許しません」

    ディアナ「天理がここにくるのにどれだけ勇気をふりしぼったか、その脳みそで理解しているのですか」

    ディアナ「あの女性にはとっとご退場願って、とっとと私とイチャイ……もとい、天理と愛を育む作業を続行しなさい。勘違いしないでくださいね、これは全部天理のためですので。愛が育たなければ、女神の力も取り戻せないのですよ?」

    102 = 81 :

    こいつ、一息で喋りやがって。

    「ちょっと待った!!」

    「婚約者だのなんだの、いきなりなんの話なんだ。いきなり出てきて失礼な」

    ディアナ「失礼? いうにも事欠いて彼になんて事を」

    桂馬「いまのは絶対ボクにじゃないぞ!! わざとやってるだろ!! おまえ!!」

    ディアナ「そう、私と桂木さんは、あなた・おまえで呼び合う親密な関係なのです」

    103 = 81 :

    「……先ほどと、かなり雰囲気が違うな」

    ディアナ「と、いうわけで同じ学園の先輩後輩程度の仲よりかは、私たちの方が深い関係なので、お引取り願いませんか」

    「――どうやら桂木の生活態度改善には、外因的要因の排除も必要なようだ」

     バキッ、バキバキッ!!

     楠は、両拳の間接を鳴らすと、上体をややかがめ、猫科の猛獣が飛び掛る寸前に行う、筋肉のしなりを見せた。

    104 = 81 :

    ディアナ「愚かな、たかが人間風情が」

    「私は桂木のような男でも簡単に見捨てたりはしない」

    ディアナ「愛の力を見せ付けてあげましょう」

    桂馬「やめろ――やめろ」

     グラップラーどもが、必殺の気合を引っさげ、激突の潮目を見極めるため、じりじりと間合いを詰めていく。

    「ふっ」

    105 = 81 :

     最初に仕掛けたのは、楠だ。限界まで引き絞られた弓から、矢が放たれるがごとく、右の回し蹴りが、空間を裂いて唸った。

     ディアナは、咄嗟に紙一重の差で後方に飛ぶ。足先の触れた前髪が、数本ちぎれ、宙に舞った。続いて、楠の正拳が弾丸のように打ち出される。ディアナは、左手でパリィすると同時に、右ひざをかがめ楠のわき腹に肘うちを叩き込んだ。

     がくりと、倒れこむかに見えた楠は、そのままの勢いを殺さずヘッドバッティングをディアナの額に見舞った。

     ディアナは額を押さえ、低くうめく。

    106 = 81 :

     楠のローキックが、ピンポイントでディアナの左腿を叩きこまれた。痛みに耐えかね、倒れこんだかに見えたディアナだが、そのまま転がるようにして、地を這うと、両腕をブリッジの要領で床に突き立て、両足をまっすぐ矢のように垂直にし、楠の胸に蹴りを見舞った。

     楠は牽制の蹴りを放った後、壁に手をつき呼吸を荒げる。わずかに彼女の方が分が悪いように見える。

     しかし、なぜこんな展開に。

     神のみぞ知るセカイは軽いラブコメじゃなかったのか。

    「……八歩蟷螂拳の穿弓腿。素人ではないようだな」

    ディアナ「天理の愛の深さをおもい知りなさい」

     もう、やだこの女神。

    107 :

    神のみぞとか見たことないけど格闘モノだったのか

    108 :

    格闘物がみたい方はアルバトロスの方をどうぞ

    110 :

    おもしれえwwwwww

    111 = 81 :

    桂馬「待てよ……」

     もう、こいつらほっておいてここから逃げ出せばいいんじゃないだろうか。

     そう思っていた時期が、ボクにもありました。

     けれど。

    112 = 81 :

    エルシィ「神にーさまーただいま戻りましたー」

     悪魔が。

    ちひろ「へー、ここがエリーの家かー。中々オシャレな店じゃん」

    歩美「わ、私はたまたま部活が休みだから来たんだからねっ。ホント、たまたまだから。別に他意はないんだからねっ」

    「へーここが、桂木くんのおうちかい」

    かのん「こ、こんにちわー」

    美生「失礼するわ」

     こんな時に真価を発揮するなんて、思いもしませんでした。

    エルシィ「にーさま、あの……」

    桂馬「……」

    エルシィ「あの、なんですか。もしかしてすごく怒ってます」

    桂馬「ごめん、エルシィ」

    113 = 81 :

    エルシィ「なんですか、急に改まって」

    桂馬「ボク、おまえのこと誤解してた」

    桂馬「おまえって、本当に悪魔だったんだなーって」

    「な、なんだなんだ急に。桂木のクラスメイトか」

    ディアナ「またお邪魔虫が、ぞろぞろと」

    桂馬「こら、ヘッポコ。ちょっとこい」

    エルシィ「いたい、いたい、はなしてくださーい」

    桂馬「どういうつもりでこの面子を集めてきたんだよ!!」

    114 = 81 :

    エルシィ「え? えーと」

    エルシィ「特には」

    桂馬「お前にロジックを求めたボクが馬鹿だったよ」

    エルシィ「まあまあ、いいじゃないですか。みんなにーさまの知り合いですよ。記憶無いけど」

    桂馬「全然よかーない」

     ボクが気まずいんだよ。もしかしたら、こいつの頭の中にはボクの存在がインプットされてないのか?

    ディアナ「もしかして桂木さん、この方たち」

    桂馬「……」

    桂馬「そーだよ。ボクが攻略した相手ばかりだ」

    ディアナ「――(ムカッ)」

    115 = 81 :

    ~当人達の談~

    ちひろ「いやー、別に寄る気はなかったんだけどさー、エリーがどうしてもっていうんで」

    歩美「私はちひろが行くっていうから。特に桂木がどうこうっていうわけじゃ」

    「ボクは、途中でたまたま会ってね。友達の家に遊びに行くのに理由はいらないだろ」

    美生「私は、その、今日はバイトも無かったし。結にたまたま行き会わせて」

    かのん「その、私今日休みだから。桂木くんの家、喫茶店だっていうし。この前のテストの時のお礼もしてないし」

    「だから、私が先口だっていっているだろうが」

    ディアナ「全て天理の為です」

    ~証言おわり~

    116 = 81 :

    麻里「……」ぎゅ~っ(←自分の頬を抓ってる)

    麻里「え、なに、どういうことなのエルちゃん?」

    エルシィ「そのー、にーさまはみんなに愛されてるってことで」

    桂馬「こら、うまくまとめたつもりか。ヘボ悪魔」

    117 = 81 :

    どーして事態を悪化させるのだ。PFPを完全にスリープ状態にしておいてよかった。

     月夜ルートが収束するところだった。

    麻里「まー、こんなに桂馬の友達が来てくれたなんて初めてじゃないかしらー。よし、今日はおごっちゃう。みんな好きなもの頼んでねー」

     母さんのはからいに、黄色い歓声が飛ぶ。それぞれ、なんとはなしに紹介をしあっているようだが、ギャルゲで鍛えたボクにわかる。

    桂馬「なんという、うわべ感」

     かのんについてはノータッチですか。そうですか。母さんも触れないようだが。

     メガネか? メガネのせいで気づかないのか?

     キャッキャッ、ウフフ

    118 = 81 :

    桂馬「よーし」

    エルシィ「あ、なにしてるんですかー。皆さんとおしゃべりしましょうよ」

    桂馬「馬鹿な、いまこそ千載一遇のチャンス。ゆーっくりとやつらに気づかれないようドアまで移動するんだ」

     ちなみに失敗は、即、死だ。

     戻ってCG回収も不可能。

    ハクア「こんちわー!!桂木ーっ、エルシィー! 元気にやってたーっ、て」

     ドアの所までステルス移動していたのに。どうして、こうも、邪魔をするんだ。
     
     事態は、今最悪の時を迎えている。

     残念、桂木桂馬の冒険は終わってしまった!!

    ディアナ「現実逃避しないでください」

    119 = 81 :

    ハクア「あ、アレ、アレアレ!? ね、ねえ桂木、もしかして私お邪魔だった?」

    ちひろ(鎌だ……イベント帰り? 桂木の知り合い? オタ友? 女? 美人?)

    歩美(でっかい鎌)

    かのん(え、なに? 鎌?)

    (コスプレ?)

    美生(変なカッコ。鎌?)

    (……だ、だれなのだ、もう! これ以上増えないでくれ)

    ディアナ(新悪魔の方。確かハクアさん)

    120 :

    頭の輪っか大丈夫なのかww

    121 :

    原作知らんけど楽しいwwwwww

    122 :

    原作知らんけどエルシィってマジでこんなに残念な子なの?

    123 :

    >>122
    いえす

    124 :

    寧ろ原作は更に残念

    125 :

    残念すぎて母性本能わきまくり

    126 :

    原作エルシィはバンドしながらう~う~言ってるだけだからな

    127 :

    エルシィ メルシー イヤラC

    129 :

    エルシィ「どうしたのーハクア、遊びに来たの?」

    ハクア「うん、そうなんだけど。いま、大丈夫?」

    桂馬「全然大丈夫じゃない!」

    ハクア「お前には聞いてない!」

     ゴッ

    桂馬「んがっ」

     いちいち鎌で殴るなよ。

    130 = 129 :

    歩美(なんだ、エリーの知り合いか……って、なんで安心してるかー、私ーっ!!)

    ディアナ「どうも、お久しぶりです。ハクアさん」

    ハクア「あ、あー。天理久しぶり」(←知り合いを見つけてちょっと、ほっとしている)

    エルシィ「えー、なになにーっ。ハクア、天理さんといつの間に仲良くなったのー」

    ディアナ「ええ。この間、桂木さんとデゼニーシーでデートをした時にですね。軽く、会いまして」

    131 = 129 :

    チラッ。

     その時ボクは、店内の人間全員が、真昼に白竜が蛇行するのを見たような顔つきで、こっちを注視したのを理解した。

     やめろー、やめろー。ナイスボートだ。このルートだけは、このルートだけはっ!

    ちひろ「え、デート!! 桂木がっ、ってかこの子とっ!?」

    歩美「え、え、え? なに、なんなの?」

    「へー、やるじゃないか」

    エルシィ「えー、私も知りませんよー。ハクアー!」

    132 = 129 :

    ハクア「私も行ったんだから、てか、さり気に私を従にするなー!」

    かのん「……桂木くん、それほんとう?」

    エルシィ「えー、ハクアばっかりずるいー。にーさま、なんで私も連れて行ってくれなかったんですかー」

    桂馬「ディアナ、お前は、ボクに恨みでもあるのか?」

    133 = 129 :

    あと、エルシィ。お前に発言権は無い。

    ディアナ「恨み? そんなものはありませんよ。私は天理のために、よりよい選択肢を取り続けるのみです」

    桂馬「この中に女神がいるかもしれないだろ。お前の発言は、パワー減につながるんじゃないか」

    ディアナ「……失念していました。私としたことが。これも全て桂木さんのせいです」

    桂馬「おい」

     くそ、このままではどうしようもないな。全然話が進まない。

     月夜に今日中に確かめて置かなければならないこともあるし、ゲームも進めておきたい。

     使いたくは無かったが、再びやるしかないのか。

     あの、禁断の強制展開技を。

    「――っ!?」

    134 = 121 :

    気になる所で!

    135 = 129 :

    ボクが対象を物色し始めると、一番近場にいた楠が距離を開けた。

    かのん「あの、どうしたんですか。急に」

    「いや、何故だか急に悪寒が……」

    桂馬「……ちっ」

    ディアナ「桂木さん、もしやいつぞやと同じような手を使うつもりでしたか?」

    ハクア「いつぞやって、あの、ノーラの時の、胸を、さ、さわ、ってなに考えてんのよっ!!」

    ハクア「変態!! 不埒者!」

    136 = 129 :

     安心しろ、ハクア。お前は大丈夫だ。何しろ掴む所がないからな。

    ハクア「なぜかしら。いま、非常に不愉快なオーラを感じたわ」

     ダメだな。女神や悪魔は、以外に勘が鋭い。

     そうだな、かのんにするか。意外と、トロそうだし。

    かのん「?」

    ハクア「だから、やめろっていってんの!!」

    137 = 129 :

     やむを得ない、プランBだ。ボクは、携帯を隠しながらメールを打ち、速やかに送信した。

    ハクア「あ、ちょっと。桂木、いま妙な動きしなかった? なに、隠してるのっ。見せなさいっ! このーっ」

    桂馬「だが断る」

    ディアナ「やめてください。この人にあまりくっつかないで、と以前にもいいませんでしたか?」

    ハクア「だれがこんなやつにくっつくかっ! 気色悪いっ!」

     ハクアの鎌が、うなりをあげてボクの腰に叩き込まれる。

     耐えろっ、耐えるんだっ!!

    歩美「ちょっと、やりすぎじゃないの!? やめたげなさいよ!」

    ちひろ「そうだー。コスプレ女は帰れー!」

    ハクア「だれがコスプレかーっ!」

     混乱が猖獗を極めたその時、高らかに両手を打ち鳴らす音が、店内に響き渡った。

    138 = 129 :

    エルシィ「はーい、はいはい!! 皆様お静かに願いまーす!」

    エルシィ「本日お集まり頂いた淑女の皆様。いろいろとにーさまに聞きたいことがあるようですが、このままここでお話を続けていても収拾がつかないかと」

    エルシィ「そこで提案がありまーす」

    エルシィ「ここはいったん場所をにーさまの部屋に移しまして、個々に面談をする、というのはどうでしょうか?」

    エルシィ「いろいろと他の方に聞かれたくないこともあると思われますし」

    ディアナ「私はそれでかまいません」

    139 = 129 :

    ハクア「べ、べつにいいケド」

    かのん「私も、彼に個人的に確かめたいことがあります」

    エルシィ「では、順番にならんでくださーい。整理券を配布しまーす」

    美生「……」

    「おもしろそうだね。ボクも参加するよ」

    「ちょっと待て、私が一番最初だぞ! これだけは譲れん!」

    140 = 129 :

    エルシィ「順番は抽選でーす」

     助かった。エルシィがメールに気づかなかったら、そう思うとぞっとする。

     ふふふ。飼いならされた羊どもめ。日本人は列を作りたがる。

     それに、半ば強制的だとしても、自分の決めた選択肢には従ってしまうものなのだ。

     既にエンディングを迎えた攻略相手とはいえいいかげんなゲーマーだと思われたくないしな。

     アフターケアも万全、それが神のクオリティだ。ついでに女神の辺りもつけておけば、一石二鳥。


     ――さあ、各個撃破してやる。ここからが、ボクのターンだ!

    141 = 129 :

    『桂馬の部屋』

    一人目~エリュシア・デ・ルート・イーマさん~


    エルシィ「にこにこ」

    桂馬「……で」

    エルシィ「さあ、はりきってお話しましょー」

    桂馬「わかりにくいボケかたすんなっ! なんで、さりげにお前まで参加してんだっ!!」

    エルシィ「そんなこといわないでくださいよう。お喋りしましょうよ! ホラ、ちゃんとお菓子とお茶も用意しましたっ」

    桂馬「おまえは頭の悪いOLか」

    エルシィ「でも、さっきはすぐメールの指示通り行動しましたよー。ほめてください」

    桂馬「ああ。だが許さない」

    142 = 129 :

    エルシィ「なんでっ、ほめてほしーです」

    桂馬「つけあがるなよ、この小悪魔」

    桂馬「――もういい。それより話は、月夜の事だ」

    エルシィ「え? にーさまの、これ以降の進退問題についてじゃないんですか?」

    桂馬「なんでナチュラルにボクを退場させようとしてるんだよ。とにかく、お前は今から月夜についての情報を集めて来い。スキマが出来たのは、たぶん何かしら理由がある」

    エルシィ「え、でも、この後かのんちゃんとお話しよーと思ってたのに」

    143 = 129 :

    エルシィ「私、かのんちゃんの振り付けたくさん練習したんですよー。チェックしてもらおーかと」
     きゃっきゃっ

    桂馬「情報取ってくるまで帰ってくるな、次」

    エルシィ「えー」

    桂馬「えーじゃない。だいたいなんで歩美やちひろまで連れて来たんだっ。どこかで適当にまいてこいよ!」

    エルシィ「それはですねー。私にも学園における地位というか、グループ内における微妙なパワーバランスがありまして。乙女はいろいろと複雑なのですよ」

     そんなドロドロした女特有の力関係なんてどーでもいい。

    桂馬「いけっ!!」

    エルシィ「ひゃんっ」

    エルシィ「ひどいです、にーさま。腰を蹴りつけるなんて」

     ブツブツいいながら、窓から旅立っていく悪魔。サクサク進めていかないと、今日中に終わらんぞ。

    144 = 129 :

    二人目~高原歩美さん~

     コンコンと、控えめにドアをノックする音がする。ボクはPCラックの前にある椅子に深く腰掛けたまま、向こう側で立ちすくむ人物に声を掛けた。

    桂馬「どうぞ、開いてるよ」

    歩美「へへ、ど、どもー」

     いつもの快活さとは打って変わり、歩美の態度はどことなく挙動不審だった。数台のマシンを同時に起動させているので、室内の空調は常に一定に保たれている。

     カリカリとCPUが刻む、冷たく厳かな駆動音が辺りを覆っている。照明は落としてあるので彼女の表情は見えにくい。ボクは、眼鏡を外すと、疲労でしこった眼球をリフレッシュさせる為、眉間と目蓋をぐいぐいと揉み解した。

    歩美「あ、眼鏡はずしてる」

    145 = 129 :

    歩美「が、学校じゃ、外さないよね。は、初めて見たかな。はー」

     彼女は、放心したように立ったまま、視線だけは動かさないので、なんとなく気恥ずかしさを感じた。

    桂馬「かけなよ。どーしたんだ、キョロキョロして」

    歩美「その、私男の子の部屋って入ったことあまりなくて」

    桂馬「あまり?」

    146 = 129 :

    歩美「あ、あまりじゃないです。実は初めてです、はい。そ、その人形とか飾ってないんだ」

    桂馬「別にボクは特典には固執しない性質なんだ。3次元になると手入れも大変だし。
    実のところそっちはあまり興味は無い。ギャルゲーはデータだけあれば充分だ」

    歩美「そうなんだ。いや、わかっていたというか、わかりたくなかったというか」

    桂馬「ところで、今日はボクに何か話があって来たのか。何かあるなら、簡潔に済まそう」

    歩美「いやいやいや。別にー、今日来たのは直接桂木になにか用があったから来たんじゃなくて、
    その、帰りにエリーと会って? その私たち結構仲良いのに? 
    お互いの家にも行ったこと無くて、その、流れ? というか」

     さすが、現役女子高生。まとまりの無い喋り、ここに極まれり。

    147 = 129 :

    桂馬「じゃあ、特にないのなら――」

    歩美「と、思っていたんだけど。お店に入っていろいろと疑問がうまれました、はい」

    歩美「……」

    歩美「あー、なんか調子でないなー。うん、私らしくない。よし、はっきりいこうじゃない!」

    歩美「――その、今日お店に居る人の中で、桂木と付き合ってる人って、いる?」

     はっきり、と啖呵切ったわりには、ずいぶん尻すぼみじゃないか。

    148 = 129 :

    歩美「か、勘違いしないで欲しいんだけどっ、ただ、あれじゃん? 
    彼女とかいたら、私らそのマズかったかなー、と。
    その、かのんちゃんがアンタなんか相手にするわけ無いけど、
    その、鮎川さんとか、コスプレの人とか、春日先輩とか。
    特に、春日先輩は前にも教室にアンタのこと呼びに来てたし、そのお」

    桂馬「いない」

    歩美「ほんとう?」

    桂馬「ボクに付き合っている人なんて居ない」

    桂馬「なぜなら、ボクのメインヒロインはいつでもここにいるからっ!」

     ボクはPFPを歩美に突き出すように見せ付けると、声を大にして宣言した。

    149 = 123 :

    相変わらず面白いな

    150 :

    本編とは違ったベクトルでおもしろいな


    しかしnice boatエンドしか見えねえww


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