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元スレ上条「あの日、もしかしてお前は、俺以上に」
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どうもです
年については大体8~10年後位のつもりです
続き投下します
年については大体8~10年後位のつもりです
続き投下します
上条「高ッ!」
パソコンに表示された金額に、思わず口から声が漏れる
まこと「とうまくん?」
テレビを見ていた娘が不思議そうな顔をする
上条「いや、なんでもない。まことは気にしなくていい」
まこと「?」
上条「ちょっと、パソコンでお仕事してて失敗しちゃっただけだから。もう直したから大丈夫」
まこと「はい、わかりました」
上条「悪いな。でかい声出しちゃって」
誤魔化しつつ、もう一度ディスプレイ上の金額に目を落とす
『常盤台中学入学金』
その項目を何度も確認する
上条「……やっぱり高いな」
何度確認しても、当然ながら一円も安くはならなかった
パソコンに表示された金額に、思わず口から声が漏れる
まこと「とうまくん?」
テレビを見ていた娘が不思議そうな顔をする
上条「いや、なんでもない。まことは気にしなくていい」
まこと「?」
上条「ちょっと、パソコンでお仕事してて失敗しちゃっただけだから。もう直したから大丈夫」
まこと「はい、わかりました」
上条「悪いな。でかい声出しちゃって」
誤魔化しつつ、もう一度ディスプレイ上の金額に目を落とす
『常盤台中学入学金』
その項目を何度も確認する
上条「……やっぱり高いな」
何度確認しても、当然ながら一円も安くはならなかった
上条「金がねえ……」
職員室で一人ため息をつくと、隣の男が反応した
垣根「どうした? また財布でも落としたか」
上条「いや、そう何度も落とさねえよ」
垣根「じゃあ、アレか、また車に隕石が激突したとか」
上条「んな事が何度もあってたまるか」
垣根「じゃあ何だよ。どんな珍事件があったんだよ」
上条「珍事件じゃねえよ」
垣根「じゃあ、何があったんだよ」
上条「いいだろ、別に」
職員室で一人ため息をつくと、隣の男が反応した
垣根「どうした? また財布でも落としたか」
上条「いや、そう何度も落とさねえよ」
垣根「じゃあ、アレか、また車に隕石が激突したとか」
上条「んな事が何度もあってたまるか」
垣根「じゃあ何だよ。どんな珍事件があったんだよ」
上条「珍事件じゃねえよ」
垣根「じゃあ、何があったんだよ」
上条「いいだろ、別に」
垣根「教えろよ」
上条「……はぁ。実はな」
簡単に昨日調べた入学金の事を話す
垣根「……バカか、オマエ」
上条「な、いきなりなんですか!」
垣根「お前、まことは今、どこにいる?」
上条「どこって……。保育園だろ。あ、でもそろそろ一方通行が迎えに行ってるかもしれん」
垣根「さて、お前を悩ますのは、何の金?」
上条「さっきも言ったろ、常盤台の入学金……」
垣根「何年後の話だよっ!」
上条「……はぁ。実はな」
簡単に昨日調べた入学金の事を話す
垣根「……バカか、オマエ」
上条「な、いきなりなんですか!」
垣根「お前、まことは今、どこにいる?」
上条「どこって……。保育園だろ。あ、でもそろそろ一方通行が迎えに行ってるかもしれん」
垣根「さて、お前を悩ますのは、何の金?」
上条「さっきも言ったろ、常盤台の入学金……」
垣根「何年後の話だよっ!」
上条「な、良いだろ別に! 前もって考えてた方がいろいろと……」
垣根「まあ、それも一つの手だな」
上条「おおう。そ、そうだろ」
垣根「じゃあ、小学校行ったら塾とかも考えてんのか?」
上条「え?」
垣根「それに学力だけじゃねえ、レベル3以上だろ、あそこ」
上条「あ、ああ」
垣根「親子でも同じようにレベルが上がるとは限らねえだろ」
上条「そうだな」
垣根「だったら、レベルが上がらない事もある。まことのレベルが上がってきてから、考えたらどうだ」
上条「……かもしれない。でも、俺は」
学生時代の美琴の写真を見た時の、まことの表情を思い出す
上条「今から、できる事はしてやりたいんだ」
垣根「じゃ、そうしろよ。とりあえず節約して金でもためとけ」
上条「ああ。ありがとな」
垣根「へ」
垣根「まあ、それも一つの手だな」
上条「おおう。そ、そうだろ」
垣根「じゃあ、小学校行ったら塾とかも考えてんのか?」
上条「え?」
垣根「それに学力だけじゃねえ、レベル3以上だろ、あそこ」
上条「あ、ああ」
垣根「親子でも同じようにレベルが上がるとは限らねえだろ」
上条「そうだな」
垣根「だったら、レベルが上がらない事もある。まことのレベルが上がってきてから、考えたらどうだ」
上条「……かもしれない。でも、俺は」
学生時代の美琴の写真を見た時の、まことの表情を思い出す
上条「今から、できる事はしてやりたいんだ」
垣根「じゃ、そうしろよ。とりあえず節約して金でもためとけ」
上条「ああ。ありがとな」
垣根「へ」
青ピ「じゃあ、また明日なまことちゃん、あっくん」
一方「おゥ」
まこと「さようなら」
一方「スーパーよってプリンでも買うかァ。どンなのがいい?」
まこと「いいんですか?」
一方「遠慮すンな」
まこと「じゃあ、プッチンってなるのがいいです」
一方「おゥ。多分、打ち止めと番外個体も食いやがるから、4つ、いや三下の分も含めて5つだなァ」
まこと「……あ」
一方「おゥ」
まこと「さようなら」
一方「スーパーよってプリンでも買うかァ。どンなのがいい?」
まこと「いいんですか?」
一方「遠慮すンな」
まこと「じゃあ、プッチンってなるのがいいです」
一方「おゥ。多分、打ち止めと番外個体も食いやがるから、4つ、いや三下の分も含めて5つだなァ」
まこと「……あ」
常盤台の制服を着た少女たちと擦れ違う。
学校帰りなのだろう、仲よさそうにおしゃべりをしている。
一方「だいたい、打ち止めも番外個体も勝手に人ン家来て、人様の冷蔵庫開けやがる、アイツら人をなンだと……。どうした?」
まことは擦れ違った少女たちの後ろ姿を見つめていた。
一方通行に呼び掛けられ、誤魔化すように笑って
まこと「なんでもないです」
それだけ言った
一方「そっか、じゃ、スーパー行くぞォ」
一方通行も、それ以上は聞かなかった
学校帰りなのだろう、仲よさそうにおしゃべりをしている。
一方「だいたい、打ち止めも番外個体も勝手に人ン家来て、人様の冷蔵庫開けやがる、アイツら人をなンだと……。どうした?」
まことは擦れ違った少女たちの後ろ姿を見つめていた。
一方通行に呼び掛けられ、誤魔化すように笑って
まこと「なんでもないです」
それだけ言った
一方「そっか、じゃ、スーパー行くぞォ」
一方通行も、それ以上は聞かなかった
まこと「とうまくん、おでんわです」
上条「お、ありがとな」
机の上に置きっぱなしだった携帯が鳴りだし、それをまことが持ってきてくれた。
受け取り、電話に出る
一方『おゥ、三下ァ、今大丈夫か』
上条「ん、大丈夫だけどなんか用か」
一方『さっきな、まことの様子で気になったンだが』
上条「まことの?」
上条に携帯を渡した後、絵本を開きすれを熱心に読んでいる
一方『大したことじゃねェかもしれねェが……』
上条「なんだ、とりあえず話してくれ」
上条「お、ありがとな」
机の上に置きっぱなしだった携帯が鳴りだし、それをまことが持ってきてくれた。
受け取り、電話に出る
一方『おゥ、三下ァ、今大丈夫か』
上条「ん、大丈夫だけどなんか用か」
一方『さっきな、まことの様子で気になったンだが』
上条「まことの?」
上条に携帯を渡した後、絵本を開きすれを熱心に読んでいる
一方『大したことじゃねェかもしれねェが……』
上条「なんだ、とりあえず話してくれ」
一方『今日、帰りによォ、常盤台のガキと擦れ違ったンだが、ソレをまことがずっと見てたんだ』
上条「……常盤台?」
一方『しらねェガキだったし、俺が気がつくと見るのやめやがったンだが』
上条「そうか……」
一方『あ、あの年で年上趣味の百合に目覚めたとかへンな心配はすンじゃねェぞ』
上条「いや、してないから。どっからそんな発想がでてくるんだよ」
一方『でも、女子校にはそーゆーの多いイメージがァ』
上条「話ずれてるから、百合とかいいから」
上条「……常盤台?」
一方『しらねェガキだったし、俺が気がつくと見るのやめやがったンだが』
上条「そうか……」
一方『あ、あの年で年上趣味の百合に目覚めたとかへンな心配はすンじゃねェぞ』
上条「いや、してないから。どっからそんな発想がでてくるんだよ」
一方『でも、女子校にはそーゆーの多いイメージがァ』
上条「話ずれてるから、百合とかいいから」
一方『ああ、そうだな。やっぱりアレかァ』
上条「……美琴の母校だからな」
小さく、昔の写真見せちまったからな、と付け加える
一方『ま、仕方ねェ、まだ一年たってねェしな』
上条「ありがとな、教えてくれて」
一方『気にすンな。俺はあのガキの味方だからなァ』
一方通行との電話を切ると、まことが本を読みながら寝てしまっている事に気がつく
上条「風邪ひくぞ」
いいながら、起こそうとした時
上条「……美琴の母校だからな」
小さく、昔の写真見せちまったからな、と付け加える
一方『ま、仕方ねェ、まだ一年たってねェしな』
上条「ありがとな、教えてくれて」
一方『気にすンな。俺はあのガキの味方だからなァ』
一方通行との電話を切ると、まことが本を読みながら寝てしまっている事に気がつく
上条「風邪ひくぞ」
いいながら、起こそうとした時
まこと「……まま」
上条「!」
まことの寝言が上条の動きを止めてしまう
まこと「……あいたい」
上条「……俺も会いたいよ」
罰ゲームと言われて、街中で振り回されたい
映画の感想でケンカしたり、外食を食べて仲直りしたい
失った記憶の中のように勝負を挑まれてもいい
彼女の言ってたように、呆れた顔で受けて立ちたい
上条「……よし」
起こさないようにまことを抱きあげベッドまで運ぶ
せめて夢の中で、この子が彼女に再会しますように
でも、夢から覚めたこの子のために、何がしてやれるのだろうか
上条「!」
まことの寝言が上条の動きを止めてしまう
まこと「……あいたい」
上条「……俺も会いたいよ」
罰ゲームと言われて、街中で振り回されたい
映画の感想でケンカしたり、外食を食べて仲直りしたい
失った記憶の中のように勝負を挑まれてもいい
彼女の言ってたように、呆れた顔で受けて立ちたい
上条「……よし」
起こさないようにまことを抱きあげベッドまで運ぶ
せめて夢の中で、この子が彼女に再会しますように
でも、夢から覚めたこの子のために、何がしてやれるのだろうか
警備員の勤務を終え、夕飯の材料を手に薄暗くなり始めた街を歩く
上条「……常盤台か」
入学金はどうにかなると思う
しかし、レベルと学力は本人しだいだ
どのような応援ができるのだろうか
刀夜「当麻!」
上条「……親父」
刀夜「偶然だな。ちょうどお前のところに寄ろうと思ってたところだったんだ」
上条「なんで、ここに」
刀夜「仕事でこの近くまで来てな。ついでにお前とまことの顔を見に来た」
上条「まことはともかく、俺の顔もかよ」
刀夜「いくつになっても、お前は私の子どもだからな。心配くらいさせてくれ」
上条「心配か」
上条「……常盤台か」
入学金はどうにかなると思う
しかし、レベルと学力は本人しだいだ
どのような応援ができるのだろうか
刀夜「当麻!」
上条「……親父」
刀夜「偶然だな。ちょうどお前のところに寄ろうと思ってたところだったんだ」
上条「なんで、ここに」
刀夜「仕事でこの近くまで来てな。ついでにお前とまことの顔を見に来た」
上条「まことはともかく、俺の顔もかよ」
刀夜「いくつになっても、お前は私の子どもだからな。心配くらいさせてくれ」
上条「心配か」
心配のしすぎで、偶然に魔法陣をつくり上げた男を見る
しかし、その気持ちが以前よりもわかる気がする
刀夜「ん、お前もまことの事で心配でもあるのか」
上条「……まあな」
刀夜「ふっ」
上条「何笑ってんだよ」
刀夜「いや、嬉しくてな。お前も大きくなったとな」
上条「……なぁ、結局自分には応援する事しかできないって時どうする」
刀夜「応援する。お守りでも渡す」
上条「あんたはそうかもしれないけど」
刀夜「嫌だったか?」
上条「そうじゃねぇけどよ」
しかし、その気持ちが以前よりもわかる気がする
刀夜「ん、お前もまことの事で心配でもあるのか」
上条「……まあな」
刀夜「ふっ」
上条「何笑ってんだよ」
刀夜「いや、嬉しくてな。お前も大きくなったとな」
上条「……なぁ、結局自分には応援する事しかできないって時どうする」
刀夜「応援する。お守りでも渡す」
上条「あんたはそうかもしれないけど」
刀夜「嫌だったか?」
上条「そうじゃねぇけどよ」
刀夜「そうか。ありがとうな」
上条「なんだよ」
刀夜「いや、お前が嫌がって無い事が嬉しかったんだよ」
上条「嬉しかった?」
刀夜「ああ、心配してるポーズだけしてるっていわれても仕方ないからな」
上条「そんわけないだろ」
そうだ
自分の不幸体質を心配しての行動は、結果として偶然に事件を引き起こしたもの
その行動は嫌では無かったと思う
自分を見守っている事をはっきりと示された気がして
上条「なんだよ」
刀夜「いや、お前が嫌がって無い事が嬉しかったんだよ」
上条「嬉しかった?」
刀夜「ああ、心配してるポーズだけしてるっていわれても仕方ないからな」
上条「そんわけないだろ」
そうだ
自分の不幸体質を心配しての行動は、結果として偶然に事件を引き起こしたもの
その行動は嫌では無かったと思う
自分を見守っている事をはっきりと示された気がして
上条「ああ、そっか」
だったら自分も自分のやり方で
まことを応援すればいい
すぐそばにいると言う事を示し続ければいい
刀夜「どうした。一人で」
上条「ありがとな、なんかすっきりした」
刀夜「そうか。じゃあ、帰ろうか。まことが待ってるぞ」
上条「ああ」
この男のように
大切なヒトのために
行動し続ける男と示し続けよう
あの子が寂しくないように
常盤台入学金~接触~編 了
だったら自分も自分のやり方で
まことを応援すればいい
すぐそばにいると言う事を示し続ければいい
刀夜「どうした。一人で」
上条「ありがとな、なんかすっきりした」
刀夜「そうか。じゃあ、帰ろうか。まことが待ってるぞ」
上条「ああ」
この男のように
大切なヒトのために
行動し続ける男と示し続けよう
あの子が寂しくないように
常盤台入学金~接触~編 了
今日の分はここまでです
次はおやこけんか編とか考えてます
読んでくださった方、ありがとうございます
次はおやこけんか編とか考えてます
読んでくださった方、ありがとうございます
おつー
「生前の美琴」が頭から離れなくてちっともほのぼのできない…
俺も美琴に会いたいよ
「生前の美琴」が頭から離れなくてちっともほのぼのできない…
俺も美琴に会いたいよ
乙
しかし黄泉川の住んでいたマンションの描写見る限りだと学園都市の教師で警備員もやってるとかなりの給料もらってそうだがどうなんだろう?
しかし黄泉川の住んでいたマンションの描写見る限りだと学園都市の教師で警備員もやってるとかなりの給料もらってそうだがどうなんだろう?
乙、レベル3以上なったら上条さんの月収よりは金稼ぐことになりそうだな、まことちゃんwwww
ああ、中学時代の美琴みたいな金銭感覚になって上条さんが嬉し悲し凹み昔を思いだしと複雑なことになるんだな。
>>277
スマン五巻以降買ってないもんだからすっかり設定忘れてることが多くてね
スマン五巻以降買ってないもんだからすっかり設定忘れてることが多くてね
まことちゃんの場合いい子過ぎてそれが逆に喧嘩の原因になりそう
もしくは近づいてくる男の子を上条さんが邪険に扱って「パパなんて知らないっ!」パターン
もしくは近づいてくる男の子を上条さんが邪険に扱って「パパなんて知らないっ!」パターン
第三次世界大戦に出てた戦闘機乗りの警備員は流石に給料出るだろうな
まあ戦争で危険手当て出ない方がおかしいが
まあ戦争で危険手当て出ない方がおかしいが
どうも、こんばんは
今日の分投下してきます
今日の分投下してきます
あと、今回からちょっと時間を進めます
前回よりも4年後くらい
垣根「そういや、まこと今何年生だっけ?」
上条「小学校の三年生だな」
垣根「そうか。結構でっかくなったな」
上条「ああ。家事とかも手伝ってくれるし、しっかりしてきたよ」
垣根「昔から、お前よりしっかりしてたけどな」
上条「どういう意味だよ」
黄泉川「二人とも。今日はお前たちが完全下校時刻前の見回りじゃん」
上条「あ、はい」
垣根「わかってまーす」
垣根「じゃあ、俺ゲーセンとか見て回っから、お前は寮とかのヘンな」
上条「ああ、わかった」
前回よりも4年後くらい
垣根「そういや、まこと今何年生だっけ?」
上条「小学校の三年生だな」
垣根「そうか。結構でっかくなったな」
上条「ああ。家事とかも手伝ってくれるし、しっかりしてきたよ」
垣根「昔から、お前よりしっかりしてたけどな」
上条「どういう意味だよ」
黄泉川「二人とも。今日はお前たちが完全下校時刻前の見回りじゃん」
上条「あ、はい」
垣根「わかってまーす」
垣根「じゃあ、俺ゲーセンとか見て回っから、お前は寮とかのヘンな」
上条「ああ、わかった」
おばあさん「あの、ちょっといいですか」
まこと「はい?」
学校帰り、まことは見知らぬ年配の女性に呼び止められる
おばあさん「ちょっと道を教えてほしいんですけど」
昔に比べて開放的になった学園都市ではこのように外の人間も、それなりやってくる
まこと「はい、どこですか?」
おばあさん「この地図の場所に行きたいんだけど……」
地図はここから離れた場所であり、目的地は学生寮の一室であった
また、その周りには同じような寮が密集していてわかりにくくなっている
まこと「はい?」
学校帰り、まことは見知らぬ年配の女性に呼び止められる
おばあさん「ちょっと道を教えてほしいんですけど」
昔に比べて開放的になった学園都市ではこのように外の人間も、それなりやってくる
まこと「はい、どこですか?」
おばあさん「この地図の場所に行きたいんだけど……」
地図はここから離れた場所であり、目的地は学生寮の一室であった
また、その周りには同じような寮が密集していてわかりにくくなっている
まこと「いっしょにさがします」
おばあさん「いや、そこまでしてもらうのは悪いよ」
まこと「大丈夫です。一人でさがすより、ふたりでさがすほうがはやく見つかります」
おばあさん「そう、ありがとうね」
まこと「はい! では行きましょう」
おばあさん「いや、そこまでしてもらうのは悪いよ」
まこと「大丈夫です。一人でさがすより、ふたりでさがすほうがはやく見つかります」
おばあさん「そう、ありがとうね」
まこと「はい! では行きましょう」
まことが思っていたよりも時間がかかってしまった
目的地の周囲の学生寮に似たような名前が多く
一つ、一つ確認していたためだ
おばあさん「お嬢ちゃん、もう遅くなってきたしここからは一人で探すから……」
まこと「さいごまで手伝います」
しかし、残りの学生寮は少ない
もう終わるはずだ
おばあさん「でもねえ」
まこと「大丈夫です。あ、ここです」
地図と、学生寮の看板を確認する
おばあさん「ありがとうね。本当なら上がってもらってお茶でも飲んでってほしいけど」
まこと「いえ、気にしないでください」
おばあさん「そうだ、せめてこれを」
老女が財布を取り出して、中の現金をまことに渡そうとする
まこと「いいです、では、さようなら1」
まことは受け取るのを拒み、そのまま走り出す
目的地の周囲の学生寮に似たような名前が多く
一つ、一つ確認していたためだ
おばあさん「お嬢ちゃん、もう遅くなってきたしここからは一人で探すから……」
まこと「さいごまで手伝います」
しかし、残りの学生寮は少ない
もう終わるはずだ
おばあさん「でもねえ」
まこと「大丈夫です。あ、ここです」
地図と、学生寮の看板を確認する
おばあさん「ありがとうね。本当なら上がってもらってお茶でも飲んでってほしいけど」
まこと「いえ、気にしないでください」
おばあさん「そうだ、せめてこれを」
老女が財布を取り出して、中の現金をまことに渡そうとする
まこと「いいです、では、さようなら1」
まことは受け取るのを拒み、そのまま走り出す
すっかり遅くなってしまった
急いで家に帰ろうと、足を速めると、
「まこと!」
声を掛けられ、足を止める
恐る恐る振り向くと
上条「……こんな時間になにをしてるんだ」
急いで家に帰ろうと、足を速めると、
「まこと!」
声を掛けられ、足を止める
恐る恐る振り向くと
上条「……こんな時間になにをしてるんだ」
まこと「まいごのおばあさんをあんないしてました」
上条「こんな時間までか」
まこと「……はい」
上条「そんなのは場所だけおしえればいいだろ! なんでこんな遅くまで!」
まこと「ほっておけって、とうまくんは言うんですか!」
上条「そうは言って無いだろ!」
まこと「言ってます!」
二人はにらみ合い、そんまま顔を逸らす
うちに帰っても互いに一言も言葉を交わさなかった
上条「こんな時間までか」
まこと「……はい」
上条「そんなのは場所だけおしえればいいだろ! なんでこんな遅くまで!」
まこと「ほっておけって、とうまくんは言うんですか!」
上条「そうは言って無いだろ!」
まこと「言ってます!」
二人はにらみ合い、そんまま顔を逸らす
うちに帰っても互いに一言も言葉を交わさなかった
垣根「で、今朝もまだケンカ中と」
上条「……まあな」
垣根「お前が悪い」
上条「……やっぱりか」
垣根「わかってんじゃねえか」
上条「遅くまで外にいると、危ないじゃないか。でも、だからって言いすぎた」
垣根「そのへんは、ちゃんと言って聞かせろ。でも道案内した事自体は褒めてやれよ」
上条「……ああ」
垣根「あと、ちゃんと話は聞いてやる。つか、生徒の話ならちゃんと聞けてるじゃねえか」
上条「あいつのことだと、ついな」
垣根「教師と父親の目線の違いってやつだな」
上条「かもな、それに」
上条「……まあな」
垣根「お前が悪い」
上条「……やっぱりか」
垣根「わかってんじゃねえか」
上条「遅くまで外にいると、危ないじゃないか。でも、だからって言いすぎた」
垣根「そのへんは、ちゃんと言って聞かせろ。でも道案内した事自体は褒めてやれよ」
上条「……ああ」
垣根「あと、ちゃんと話は聞いてやる。つか、生徒の話ならちゃんと聞けてるじゃねえか」
上条「あいつのことだと、ついな」
垣根「教師と父親の目線の違いってやつだな」
上条「かもな、それに」
垣根「なんだよ」
上条「人助けがエスカレートして、アイツみたいに無茶される気がしちまった」
1万人の命のために、自分の身を犠牲にしようとしたあの表情
眠り続ける子どもたちのために、無茶をしたという話
もちろん規模も違うし、誰かが傷つくようなものでは当然無い
しかし、昨日のまことの姿につい重ねてしまう
上条「多分、心配のしすぎだけどな」
かけがえないからこそ、つい考え過ぎてしまうのだろう
上条「人助けがエスカレートして、アイツみたいに無茶される気がしちまった」
1万人の命のために、自分の身を犠牲にしようとしたあの表情
眠り続ける子どもたちのために、無茶をしたという話
もちろん規模も違うし、誰かが傷つくようなものでは当然無い
しかし、昨日のまことの姿につい重ねてしまう
上条「多分、心配のしすぎだけどな」
かけがえないからこそ、つい考え過ぎてしまうのだろう
番外個体「で、ケンカ中と」
まこと「はい! とうまくんはひどいです!」
打ち止め「ははぁ、ご立腹だねとミサカはミサカはちょっと驚いてみる」
一方「はやく仲直りすンだぞ」
まこと「まこと、まちがってません。おばあさん困ってました!」
番外個体「でも、上条当麻に心配かけたよね」
まこと「……でも」
打ち止め「あの人は、困ってる人を助けた事は良いと思ってるはずだよ」
まこと「……」
番外個体「ただ、そのうちに危ない事するかもしれないって思って、怒ってるんじゃない」
まこと「あぶないこと?」
打ち止め「誰かを助けようとして、自分が何も傷つかずに済む事ばかりじゃないからね」
まこと「そうなんですか」
番外個体「ちょっと心配っていうか、考え過ぎだとおもうけど」
一方「ま、アイツらのガキじゃ、困ってるヤツを見過ごせなくて当然かァ」
まこと「あっくん?」
まこと「……」
番外個体「ただ、そのうちに危ない事するかもしれないって思って、怒ってるんじゃない」
まこと「あぶないこと?」
打ち止め「誰かを助けようとして、自分が何も傷つかずに済む事ばかりじゃないからね」
まこと「そうなんですか」
番外個体「ちょっと心配っていうか、考え過ぎだとおもうけど」
一方「ま、アイツらのガキじゃ、困ってるヤツを見過ごせなくて当然かァ」
まこと「あっくん?」
一方「アイツらは二人とも、困ってるヤツがいりゃァ、自分のことなンて気にせずに突っ込むヤツらだったからなァ」
遠くを見る様な目をして、一方通行が言う
そこに宿る感情がなんのかは、まことにはまだわからない
まこと「とうまくんとままが……」
一方「だからこそ、そういうとこアイツは厳しいンだよ」
まこと「どうしてですか?」
一方「結構それで、あぶねェ目にあってンだよ。アイツ」
遠くを見る様な目をして、一方通行が言う
そこに宿る感情がなんのかは、まことにはまだわからない
まこと「とうまくんとままが……」
一方「だからこそ、そういうとこアイツは厳しいンだよ」
まこと「どうしてですか?」
一方「結構それで、あぶねェ目にあってンだよ。アイツ」
まこと「とうまくんがですか」
一方「そゥ。だから、オマエがそのうちトラブルに巻き込まれるンじゃねェかって気にしてンだな」
まこと「……」
一方「ま、ババァの道案内くらい、いくらでもしてやれェ。でも」
一方通行はニヤリと笑い
一方「なンかあった時はまよわず呼べ。すぐに行ってやる」
まこと「あっくん」
一方「でも、心配かけたことはァ、謝っとけ」
まこと「……はい」
番外個体「さ、行こうか」
打ち止め「仲直りしないとね」
まこと「……はい!」
一方「そゥ。だから、オマエがそのうちトラブルに巻き込まれるンじゃねェかって気にしてンだな」
まこと「……」
一方「ま、ババァの道案内くらい、いくらでもしてやれェ。でも」
一方通行はニヤリと笑い
一方「なンかあった時はまよわず呼べ。すぐに行ってやる」
まこと「あっくん」
一方「でも、心配かけたことはァ、謝っとけ」
まこと「……はい」
番外個体「さ、行こうか」
打ち止め「仲直りしないとね」
まこと「……はい!」
警備員の勤務の無い平日
学校帰りの上条の前に現れる小さな人影
上条「まこと」
まこと「とうまくん」
上条の前に立ち、少しの間俯き続ける
しかし
まこと「あの、ごめんなさい。遅くまで外にいて」
顔をあげ、上条の目を見ながら言う
上条「……もう、心配かけないでくれよ」
まこと「……はい」
上条「俺も言いすぎた。あと、おばあさんの道案内、偉かったな」
まことと目を合わせ、頭を撫でながら言う
まこと「はい」
上条「でも、遅くなる前に大人に頼むとかしてくれよ、これからは」
まこと「……はい!」
「あの……」
上条「俺も言いすぎた。あと、おばあさんの道案内、偉かったな」
まことと目を合わせ、頭を撫でながら言う
まこと「はい」
上条「でも、遅くなる前に大人に頼むとかしてくれよ、これからは」
まこと「……はい!」
「あの……」
振り向くと、年配の女性が立っていた
まこと「きのうのおばあさん」
おばあさん「昨日はありがとね。お嬢ちゃんのおかげよ」
まこと「はい」
おばあさん「お父さんですか」
上条「はい、娘がご迷惑をかけたみたいで」
おばあさん「いえ、大変助かりました。よくできたお嬢さんですね」
まこと「きのうのおばあさん」
おばあさん「昨日はありがとね。お嬢ちゃんのおかげよ」
まこと「はい」
おばあさん「お父さんですか」
上条「はい、娘がご迷惑をかけたみたいで」
おばあさん「いえ、大変助かりました。よくできたお嬢さんですね」
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