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元スレ一方通行「あれから一年か....」美琴「早いもんね....」
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「っ!あそこだ!」
浜面は一段と高い廃ビルを見て叫ぶ。チラッと後ろの一方通行の顔を見て、コクンと頷いた。
「来たぞー!」
「一斉射撃用意!」
廃ビルの入り口、玄関のような場所から出てきた敵が、各々の武器から攻撃の準備をする。
それを見て、遠慮なく浜面は何かを放った。
ボフン!と音がし、白い煙が巻き起こる。
その煙の中を、バイクは突っ切る。
途中にあった段差を利用し、バイクは飛び上がった。
ガシャンとガラスを割ってフロアに飛び込み、浜面はバイクをドリフトさせる。
後部を振るように動く、その力を利用して、一方通行は、
「行って救って来いよ!」
「分かってらァ!」
天井を突き破る程早く飛んだ。
ズゴーン!!と、突き破ったその先には、敵がチラホラいた。
それを見てチッと舌打ちするが、何故か突然ばったばった倒れ始めた。
「待ってたわよ」
「テメェか」
女性の声がし、一方通行が振り向くとそこに居たのは、ツインテールの座標移動能力者、結標淡稀だった。
おそらく、周りの敵が倒れていったのも、彼女の力のせいなのだろう。
「さて、準備はいいかしら?」
「ハッ、いつでもイイぜ?」
結標の言葉に、笑いながら一方通行は返す。
「まっ、頑張りなさい。今回はあなたがヒーローなんだから」
そう言って軍用ライトを振った。
「来ましたか」
「あァ来てやったぜ?クソ野郎」
突然現れた一方通行に驚きもせずに、クサナギは振り替える。
地面に書かれた魔法陣が光り始めた。
廃ビルの屋上にて、二人は対峙する。
1人の少女を守るために死神は戦う。
己の全てをかけて。
最終回臭がプンプンするなwwww
でも嫌いじゃないぜこういうの!
乙!
でも嫌いじゃないぜこういうの!
乙!
削板に浜面にアックア?に結標か。
冷静に考えてレベル5と不良と聖人とレベル4……豪華だな。
ヒーローとヒロインもレベル5だし、妥当なくらいか。
冷静に考えてレベル5と不良と聖人とレベル4……豪華だな。
ヒーローとヒロインもレベル5だし、妥当なくらいか。
「一方通行!」
「ンなとこにいたのかよ」
一方通行が横を向くと、四十メートルほど離れた場所に、美琴は立っていた。
ただ、何か木の十字架に、両手両足を縛られていたが。
「なにやってンだお前」
「しょうがないでしょ!この縄ビクともしないんだから!」
美琴はそう叫びながら、腕に電気を帯電させる。
なるほど、確かに頑丈なようだ。
「まぁ、生贄ようの十字架はりつけですから、破壊したければ聖ジョージのドラゴンでも出さないと」
「はっ、あれも魔術かよ」
「えぇ、まぁ。決闘術式に必要だったので」
「決闘、だとォ?」
「ええ。下に魔法陣があるでしょう?」
確かに、クサナギが言う通り紫色に光る魔法陣がビルの屋上に四十m程に渡って広がっている。
美琴はその境目の部分に張り付けられていた。
「ローマの方で昔使われていた決闘用魔法陣。生贄を1人を決闘の証としてまず用意し、次に決められた者と、一対一となる。これがこの術式の発動条件です。ソレまでは、術者以外、誰も入られません」
「あァン?なンでンっなめンどくせェことすンだよ?」
「一対一で真正面から、レベル5を倒さないと意味がないんですよ。それも、第一位のあなたを、ね」
つまり、クサナギは最初っから美琴に興味は無かった訳だ。
ウォン!と不思議な音が鳴り、魔法陣の外側から、まるで壁のように光が立ち昇る。
「これで、外からは何もできなくなりました。これが解かれるのは、二人のうちどちらかが死ぬか、術者が外に出るか、です」
「ハッ、確かに決闘、だなァ」
一方通行は説明を聞きながら、外を見る。
どうやらこの壁は電波は通すようだ。
ただ、生贄の役目が終わったせいか、拘束がとけた美琴が電撃を浴びせてもビクともしていない。
「さて、始める前に一つ」
コートをはためかせながら、クサナギは何故か一方通行に問いかけた。
「あなたは何故ここに来たのですか?正直に言って、あなた達の関係からして、助けにこない可能性もあったんですが......」
「......そォだなァ。テメェの言うとおり、俺はあいつと殺し合いをしても、助けるような関係じゃねェよ」
「でもな、それがどォした?」
一方通行は言う。
まるで自分に言い聞かせるように。
「悪党だろォが関係ねェンだよ。守りたいやつ守ってなーにが悪い?それにだ、ここまで来るのに、沢山のバカが、戦っていた」
「ズガガーン!」
「もう少し落ち着いて戦え...」
「分かってますって!足止めでしょ!?」
「ハァ......」
「チッ、第一位。サッサと蹴りつけろ。こっちは病み上がりでキッチーんだよ」
「全く、大変ね。一方通行を殺したいのに、あいつの手伝いだなんて」
「口を動かさず、手を動かしてください、とミサカは番外個体を叱責します」
「はーいはい、っと」
「あー、面倒臭いなぁ。取り合えず、ブ・チ・コ・ロ・シ・カ・ク・テ・イ・ネ」
「はー、しゃぁないかぁ。親友の頼みやし、頑張ろぉか!」
「バカどもはよォ、揃って言うんだよ」
『別に、心配してないさ。もうお前が過ちを繰り返さない人間だってことは分かってるし、こう見えても俺、お前のこと結構信用してんだぜ?』
『お前になら娘を任せても大丈夫そうだ』
『あの少女を頼む』
『不本意ですが、あなたしかいません。御坂さんをお願いします』
『お姉さまを守ってあげて!』
『行って、救って来いよ!』
『まっ、頑張りなさい。今回はあなたがヒーローなんだから』
『その時は、アンタを信じて守らせてやるわよ』
「たとえよォ、俺がどんな奴だったとしても、それがあのバカどもの信頼を裏切っていい理由にはならねェンだよ!」
だから、
「テメェはここで死ね!」
「...Rapperia055(我が剣に全てをかけて)」
チョーカーのスイッチが入り、剣を構える。
闘いが、始まった。
はい、すみません。戦闘はいれませんでした!
明日!明日にお願いします!
レスありがとうございます!
乙
さりげなく番外個体とむぎのんがいるwww
しかし助けに来なかったらどうするつもりだったんだろうか……。
まあ、ともかく一方さん頑張れ、超頑張れ
さりげなく番外個体とむぎのんがいるwww
しかし助けに来なかったらどうするつもりだったんだろうか……。
まあ、ともかく一方さん頑張れ、超頑張れ
264は
垣根
ワースト
妹
ワースト
麦野
青髪
265は
上条
旅掛
?
エツァリ
打ち止め
?
美琴
誰か答えあわせを
垣根
ワースト
妹
ワースト
麦野
青髪
265は
上条
旅掛
?
エツァリ
打ち止め
?
美琴
誰か答えあわせを
ふふふひひひへっへへ、テンションあがるぜえええええw
さてと、仕事行くか……
さてと、仕事行くか……
まず動いたのは一方通行だった。
地面を踏み付け、拳大の破片を作り出す。
浮いたそれを、一方通行は思いっきり蹴飛ばした。
レールガンを超える速度で放たれたそれは、すぐに摩擦熱で消え去るが、衝撃波がクサナギに迫る。
それを見て、クサナギは手に持っていた、銀色の剣をひとふり。
スパン、と音が鳴りそうなくらい綺麗に、衝撃波が切り裂かれた。
「...?なら!」
どこか違和感を覚えながらも、一方通行は今の攻撃で起こった風のベクトルを操作。
巨大な風の塊が、クサナギに迫る。
それもまた、切られた。
「今度はこちらから!」
クサナギはそう言って、地面を蹴る。
音速に達したその突進を、一方通行はかわさない。
反射のせいで、相手が自滅するだけなのだから。
だが、
今までの戦いで鍛えられた、一方通行の直感が、次の一撃を受けるなと、警告した。
咄嗟に重力のベクトルを利用して、後ろに体を動かす。
ズシン!とクサナギが踏み込んだせいで、コンクリートが砕け散る。
「なっ!?」
一方通行は驚愕した。
何故なら、頬に軽い切り傷が出来ていたからだ。
つまり、
「切られた、だと?」
「...今ので終わらせたかったんですが」
クサナギはハァと、ため息を吐き、剣を払う。
「この剣は草薙の剣のレプリカなんですよ。まぁ、もっとも、世界の様々な概念を器に入れたせいで、草薙の剣とはかけ離れた存在になりましたが」
クサナギはそう笑いながらいい、
「能力はただ一つ。この世に存在するあらゆる物を切る。そして、
あなたの反射の膜も、例外では無い」
「チッ!魔術ってのは本当厄介だなァオイ!」
クサナギの言葉に、舌打ちしながら返し、一方通行は重量のベクトル操作で一気に上空へと飛び上がる。
(さて、こいつはチッとばっかメンドイな、クソが)
一方通行は空気の流れのベクトルを変えながら考える。
一方通行はもともと接近戦が得意では無い。
体付きもよくないし、経験も戦闘回数に比べたら異常に少ない。
対して相手は剣の達人。しかも聖人だ。
それに、一方通行には三十分という時間制限がある。
両者に共通しているのは、触れたら殺せる。
この一点のみ。
竜巻を放ち、一方通行は思った。
メンドクセェ、と。
「ハァ、ハァ......」
一方、魔法陣の外で、美琴は息を荒げていた。
美琴の自慢の電撃は、結界にはなんの意味ももたない。
美琴は、膝に手をつきながらも、しっかりと戦いを見る。
自分にできることが無いか、探るため。
十分後、魔法陣の中は瓦礫の山と化していた。
戦闘の余波によりボロボロになった屋上は、まさしく戦場だった。
その戦場に、一方通行は立つ。
その姿には、所どころに傷が出来ていた。
正し、血は一滴たりとも垂れて無い。
ベクトル操作により、血を漏らさないようにしているのだ。
あの後、戦いはジリ貧だった。
一方通行の攻撃は全て切り裂かれ、高速で接近される。
かわせているのは重力のベクトル操作で、あり得ない動きをしているからだった。
「そろそろ、終わらせましょうか」
「テメェが死んで、なァ」
コートについた汚れを払いながら、クサナギは挑発する。
一方通行はニヤッと笑って返し、地面のコンクリートの塊を蹴り飛ばす。
これが、きっかけとなった。
クサナギの姿が掻き消え、一方通行の目の前に突然出現する。
コンクリートの塊が、クサナギがいた場所を通過していったのが見えた。
(これが、全力か...!!)
反応、出来ない。
ドシュ!
生々しい、肉の切る音がし、紅い紅い鮮血が迸った。
続きは夜に!
ソレにしても魔術説明を大幅カットしたのはマズかったか......?
乙、乙。
一方さんが遠距離攻撃するときは周りの環境利用するから迷惑だなw
まあ、三十分立つ前に終わりそうだ。
魔術説明は書いても書かなくてもって思うよ。
それっぽく理屈を説明したいなら説明すればいいし、面倒なら効果を説明するだけでもいいんじゃね。
あと、「ただし」は漢字で書くなら「但し」じゃないかと。
一方さんが遠距離攻撃するときは周りの環境利用するから迷惑だなw
まあ、三十分立つ前に終わりそうだ。
魔術説明は書いても書かなくてもって思うよ。
それっぽく理屈を説明したいなら説明すればいいし、面倒なら効果を説明するだけでもいいんじゃね。
あと、「ただし」は漢字で書くなら「但し」じゃないかと。
クサナギはこの瞬間、完璧に油断していた。
聖人としての力、草薙の剣(レプリカ)の力に頼りすぎていたのかも知れない。
クサナギはこの瞬間、完璧に油断していた。
一方通行はまだ、終わっていなかったというのに。
(なっ!?)
振り終えた体制でクサナギの目に入ったのは、自分の後ろに回る、一方通行の姿だった。
(ばかな!?手ごたえはあったはず!?)
クサナギの目の前を、スローモーションで落下していく物体があった。
それは、
(腕!?)
一方通行の左腕だった。
蜃気楼というものをご存知だろうか?
砂漠などである、空気が熱によって密度が変化し、光は違う密度の物体間を直進することが出来ないという性質のせいで、ありもしない物が見えるという現象だ。
さて、問題です。
風と光のベクトルをも操れる一方通行は何をしたのでしょう?
(まさか、こちらの油断を狙って!?)
一方通行より、クサナギは早い。
一方通行の一撃を当てるためには、完璧な油断を誘う必要があった。
「腕の一本くらい、くれてやンよォ......」
大事な者を守るためだ。
何を躊躇う必要がある?
「歯ァ食いしばれ、聖人(格下)......」
そして、一方通行は、いつかの少年がやったように拳を握りしめ、
「俺の、悪党(最強)の拳は、チッとばっか響くぜェ!?」
ゴギッ!!
凄まじい轟音を立てて、クサナギの顔面に、一方通行の右拳が叩き込まれた。
ギュン!っと空気を切り裂いてクサナギは吹っ飛ぶ。
それを忌々しい目で、一方通行は見ていた。
「......あぶなかった、ですね」
空中でくるりと回転し、クサナギは地面に着地する。
もし、ここに一方通行の力を知っている第三者がいれば、何事かと、騒ぎ立てるだろう。
一方通行の一撃は触れるだけで相手を絶命させることができる。
体の電気信号や、血流操作でだ。
なのに何故クサナギが生きているのか、答えは簡単。
直接触れてないから、だ。
「天使の羽衣......術式を構築しておいてよかったです」
クサナギの顔面に確かに叩き込まれた筈の一撃は、肌から数センチ離れて存在していた透明な鎧に防がれていた。
だがダメージが無いわけでは無い。
所詮盾ではなく鎧。
衝撃をある程度軽減することしか出来ない。
「私の勝ち、ですかね?」
確信を持って、クサナギは言う。
確かに今一方通行は左腕から流れる血を操作して、死ぬのを防いでいる。
もう、先程までのような能力使用は無理だろう。
だが、
ニヤッ、っと一方通行は口を歪める。
「バーカ」
「っ!?」
言われて、クサナギは気がついた。
自分が、魔法陣から足をだしていることに。
魔法陣の外には、もう一人のレベル5がいることに。
ゴッ!っと、クサナギの身を、衝撃が襲った。
それと同時に、辺りに暴風が吹き荒れる。
「ガッ!?」
「ハアァァァァァァァァァッ!!」
美琴の手から、普段よりもはるかに威力の高いレールガンが放たれる。
それは、一方通行がわたした弾丸を使ったからだった。
いかな聖人といえど、音速の五倍に届きそうな砲撃を受けて、無事ですむ筈が無い。
ゴッゴッガッ!!
地面を削り飛ばしながら吹き飛び、瓦礫に衝突する。
所々黒焦げでいても、死んでいないのはさすが聖人といった所か。
ザシュ、と、クサナギの手から離れ、宙を舞った剣が、地面に突き刺さる。
戦いは、終った。
一人の復讐者ではなく、一人の死神と、一人の雷姫と、その仲間達の勝利だった。
「ハッ、やンじゃねェか、御坂」
「あったり前でって、アンタ、今名前呼んだ?」
「呼ンでねェよ。ソレより冥土返しのやつ呼べ」
「そ、そういえばアンタ無茶しすぎでしょぉが!?死ぬわよ!?」
......まぁ、最後が締まらないのはこの二人だからということで。
ようやく>>174の続きが見られるかな
乙。
これで一件落着か。
しかし鎧があるとはいえ、音速の五倍の砲撃受けて死なないって聖人丈夫だなw
一方さん、腕切られちゃったけど、つながるだろうか。
リアルゲコ太と一方さんの能力なら大丈夫か。
これで一件落着か。
しかし鎧があるとはいえ、音速の五倍の砲撃受けて死なないって聖人丈夫だなw
一方さん、腕切られちゃったけど、つながるだろうか。
リアルゲコ太と一方さんの能力なら大丈夫か。
すみません!
携帯取り上げられてました!
しばらく時間がかかります。本当にごめんなさい......
携帯取り上げられてました!
しばらく時間がかかります。本当にごめんなさい......
>>293
何があったのかしらんが待ってるぜー
何があったのかしらんが待ってるぜー
どうせあれだろ
彼女かなんかに取り上げられてたんだろ
ふざけんあなlんかljだいっじゃ
彼女かなんかに取り上げられてたんだろ
ふざけんあなlんかljだいっじゃ
>>295 彼女なんかいねー!欲しいよー!!
「全く、無茶するね?」
「......」
真っ白い病室で、一方通行はカエル顔の医者にため息を吐かれていた。
白いベットに横たわる一方通行の左腕には、包帯がグルグルと巻かれている。
あの後、手術が速攻で行われ、一方通行の左腕は見事にくっ付いていた。
まぁ、一ヶ月は動かせないが。
「まぁ、あの少年も無理したみたいだしね?君達は本当に僕を退屈させないね?」
「三下がァ?」
「彼は骨が折れまくったと言ってるがね。今頃、飛行機に乗ってるころじゃないか?」
「そォかよ」
興味無さそうに、一方通行は窓の外を見る。
大空を凄まじい速度で飛ぶ飛行機に乗って、不幸だと叫ぶ少年が見えた気がした。
「全く、無茶するね?」
「......」
真っ白い病室で、一方通行はカエル顔の医者にため息を吐かれていた。
白いベットに横たわる一方通行の左腕には、包帯がグルグルと巻かれている。
あの後、手術が速攻で行われ、一方通行の左腕は見事にくっ付いていた。
まぁ、一ヶ月は動かせないが。
「まぁ、あの少年も無理したみたいだしね?君達は本当に僕を退屈させないね?」
「三下がァ?」
「彼は骨が折れまくったと言ってるがね。今頃、飛行機に乗ってるころじゃないか?」
「そォかよ」
興味無さそうに、一方通行は窓の外を見る。
大空を凄まじい速度で飛ぶ飛行機に乗って、不幸だと叫ぶ少年が見えた気がした。
「ああ、これはお見舞いだよ」
ドンッ
「......オイ、マテ。これなンだゴラ」
「何って、ビールだけど?」
「バカかァ!?未成年のお見舞いにビール持って来るやつがいるかァ!?」
一方通行が叫んだ通り、机の上に置かれたのはビールの箱である。
ちなみに、エビスビール。
「知り合いの医師がね?大量にくれたから」
「要するに余り物か」
ハァ、と一方通行は箱を見ながらため息をはいた。
「で、このビール貰ったと」
「わかったか」
リンゴを納得した顔で剥いている美琴に、一方通行は疲れた顔で言う。
医者が出て行った後、美琴がやって来たのだが、ビールなんか飲んでんじゃない!ハァ!?、みたいな展開となったのである。
「しっかし、アンタも無茶するわねー。腕を犠牲にするとか」
「ハッ、あの三下に比べりゃまだマシだ」
確かに一方通行の言う通り、上条の方がはるかにヤバイ。
事件のたびに病院に担ぎ込まれるなど、人として少しマズイ。
「はい」
「......」
美琴が差し出したリンゴを見て、一方通行は暫く躊躇った後、右手でリンゴを掴んだ。
そのままリンゴを噛む。
口にリンゴの甘酸っぱい味が広がった。
暫く、病室にしゃりしゃりとした、噛む音だけが響く。
美琴が、口を開く。
「ありがとう」
「頭狂ったか?」
突然の御礼の言葉に、一方通行はノータイムで返す。
「ちがうわよ。ただ、助けられた以上、お礼は言わなきゃなんないでしょ」
「......意外すぎて目ン玉飛び出そうなンだが」
「どーいう意味だごら」
「そのままの意味だよボケ」
この後、喧嘩ごしになっていく二人は、美琴が一方通行に馬乗りになった場面を打ち止めに見られることで、更にヒートアップすることに。
他の人曰く、「ものすごく微笑ましかった」らしい。
「あれから一年か......」
「早いもんね......」
とあるビルの屋上で、二人の人間が立っていた。
一人は手すりに寄りかかりながら、もう一人は手すりを掴んで立ちながら。
オレンジ色に全てが染まり、世の中は夜に以降してゆく。
「学園都市の情勢はどうなの?」
「よーやく一息ついたとこだよ。魔術側との交渉もある程度終了したしなァ」
少女の言葉に、少年は缶コーヒーを飲みながら答える。
「ブラック、ね。たまには甘いのも飲んでみたら?」
「ニゲェのでいいンだよ」
少女が忠告するが、それを適当に流し、彼は空になった缶を握りつぶす。
プルプル
「はい?あぁ、打ち止め?どうしたの?えっ?もうそんな時間?うん、わかった。じゃあ」
パカッ、と少女は去年買い換えた緑色の普通の形をした携帯をしまい、手すりを放してウーンと、背すじを伸ばす。
「お腹減った、だってよ」
「ハッ、クソガキはマイペースでいいよなァ」
「いいじゃない、子供なんだから」
そう言って少女は少年に手を伸ばす。
少年は一瞬、間を開けてその手を握り返した。
その二人を、オレンジ色の夕日が照らし出す。
二人の顔が赤いのは、けっしてオレンジ色の光のせいだけではないだろう。
家へと、白い死神と、茶色の雷姫は歩き出した。
終
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