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    元スレ勇者「はじめからから始まるまで」

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    152 = 146 :

    153 = 104 :

    >>150
    じゃあ保守しろや

    156 :

    これは保守せざるをえない
    つかお前ショタ僧侶と女勇者の人なんか?

    158 :

    長い
    産業で

    159 :

    160 = 159 :

    まさか起きて残ってると思ってなかった

    162 = 150 :

    代わりに俺が寝てやるよ!

    164 = 72 :

    通常プレイ
    性別変更
    縛りプレイ各種
    バグでデータ消滅

    他に出てきそうなのは「海外版」とか「別ハード版」とか・・・後何あるかな

    165 = 72 :

    167 = 56 :

    169 = 56 :

    171 :

    勇者は151匹いるよ

    172 = 143 :

    待ってる

    173 = 1 :

    ――――

    どよどよ  どよどよ……

      ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ …

    勇者「こ。これは」

    勇者「この渦巻きみたいなものは、何度も見たことがある……」

    勇者「『旅のとびら』だ!」

    勇者「中へ飛び込めば別の地点へ移動できる、ワープポイント!」

    勇者「そ、それにしてもなんて大きさだ……こんな巨大なものは見たことが無い……」

     

    勇者「よく見て! 全部で3つもあるよ!」

    勇者「3つの旅のとびらが、バカみたいにでけぇ大穴に一緒に収まってるな……」

    勇者「こ、これが元の世界に帰る手がかりなのか!?」

    勇者>30「ま、待て、この大きさだ。ふちを伝ってどれか一つにしか飛び込めないぞ!」

    勇者「お、おい! あれ、もしかして立て札じゃないか!?」

    勇者「な、何だって!?」

    174 = 1 :

    勇者「すまん、通してくれ!」

    勇者「ごめん、ちょっと失礼!」

    勇者「……よ、よし抜けた! えーとなになに」


    <解放のとびら>

    ・プログラムからの解放
    ・プログラムの動作外時点へ還元


    勇者「へ……? な、なんだこれ?」

    勇者「ちょっと、読めたならどいてくれよ!」

    勇者「あぁ悪い。うわっとっと」

     

    勇者(……『プログラム』?)

    勇者(『プログラム』って何だ? 続く文脈も意味不明だし……)

    勇者「そ、そうだ!」

    勇者「他の旅のとびらの前にも、似たような立て札があるかもしれない!」

    175 = 1 :

    ――

    <転生のとびら>

    ・基礎データのみ保持および転送
    ・新規プログラムの実行

    ――

    <終着のとびら>

    ・データの消去

    ――

    勇者「他の立て札は以上か」

    勇者「プログラム? データ??」

    勇者「どれもこれも、聞いたことがない言葉だよ……」

    勇者「くそっ……結局、どれに飛び込めばいいんだ!」

    勇者>30「ま、待てよ。まず、飛び込む必要があるのか?」

    勇者「だ、だって、他の集団の最終地点もここみたいだぜ?」

    勇者「他に手がかりがない以上、腹を括るしかないのか……」

    177 = 1 :

    ――

    勇者「……この3つの旅のとびら」

    勇者「よくみると、それぞれ様子がまるっきり違うな」

    勇者「そうだね。他の勇者たちもそれについて話し合ってる」

    勇者「……まず……<終着のとびら>とやらが嫌でも目に付くな」

    勇者「うん。真っ黒だ……」

    勇者「何にもない。暗闇が不気味に渦巻いてるだけだね……」

    勇者「ああ。恐らくこれに飛び込んだら、俺たちの存在が消去されるんだろう」

    勇者「え? 『データ』って、俺たちの存在のことなのか?」

    勇者「いや、分からん。でもこの雰囲気と立て札から、そう考えるのが本命だろう」

    勇者「うーん……だったら、進んで飛び込もうとする勇者なんて……」

    勇者「俺達は飛び込むかもな」

    勇者「! お前たちは、狂った世界の……」

    勇者「ああ。あんな世界に戻るくらいなら、このまま消えちまったほうがマシだ」

    勇者「正直、勇者業も中途半端だったしな。さっぱり消えちまうのもアリって感じだ」

    178 = 1 :

    勇者「……次に、<転生のとびら>ってのは……」

    勇者「ボクたちがよく知る『旅のとびら』そのものだね!」

    勇者「サイズは違うけど、あの青白い渦巻きは目に馴染んだものだよ」

    勇者「ああ。ってことは、ある程度は同質のものかもしれないな」

    勇者「例えば、この世界のどこかにワープしてしまうとか……」

    勇者「ええっ、そんなのは願い下げだよ!」

    勇者「『この世界』の……どこかにワープ……」

    勇者「もしそうだったら、<データ消去>に飛び込んだほうがマシだな」

    勇者「あの実のない旅を再開する羽目になるくらいなら、ここで終わらせるさ」

    勇者「そうか……まぁ、そうなるよな。でもあの立て札の内容」

    勇者「<転送>はともかく、<新規プログラム>を<実行>ってのがメインのような気がする」

    勇者「さーな。もっかい荒野の旅をおっぱじめるって意味じゃないの?」

    勇者「うーん……まだ断定はできないけど……」

    勇者「なんなら、飛び込んでみればいいさ」

    勇者「待てよ。現時点で飛び込むんなら――」

    179 = 1 :

    勇者「この目の前にある、<解放のとびら>?」

    勇者「ああ」

    勇者「変わった渦巻きだよね。何かつぶつぶみたいなのが、大量に連なってる……」

    勇者「いや。よく見ろ。その一つ一つを」

    勇者「ううーん? ……あ! ああっ!!」

    勇者「数字!? あの繋がってて渦を作ってるのは、全部数字!?」

    勇者「どんな数字にみえる?」

    勇者「0と1……?」

    勇者「そうだ」

    勇者「1と0が鎖のように繋がって、大量に渦巻きを作ってる」

    勇者「ど、どういう意味……?」

    勇者「まったく分からない。分からないが」

    勇者「あれを潜り抜けると、どうも何かから<解放>されるらしい」

    勇者「何かって……プログラム? ねえ、だからそのプログラムって」

    勇者「まだ分からねえ。何にも分からねえよ……」

    181 :

    追い付いてしまった

    182 :

    イロハはバグで消えたってこと?

    183 :

    消去と解放は何が違うんだろうな

    184 = 1 :

    ――

    勇者「……あれから結構時間が経ったが」

    勇者「みんなひたすら様子を窺ってるな……」

    勇者「まだ無闇に飛び込んだ……文字通り勇者はいないか……」


    どよどよ   どよどよ……


    勇者「ん?」

    勇者「おい、聞いたか!?」

    勇者「ついに旅のとびらに飛び込んだ勇者が出たらしいぞ!」

    勇者「さすがにそろそろ出てきたか。どのとびらだ?」

    勇者「<解放のとびら>だよ!」

    勇者「誰かが吹聴したんだ!」

    勇者「『俺たちはプログラムとやらに囚われているから、こんなところに閉じ込められた』」

    勇者「『だからそこから解放されれば、元の世界に帰れる』って!」

    勇者(……。俺と似たようなことを考えてた奴がいたのか……。……だが……)

    185 = 1 :

    ――

    勇者「おい、最後の『俺』」

    勇者「どうした、俺の直前の『俺』。ん……他の『俺』も一緒か」

    勇者「ええ」
    勇者「びぃ」
    勇者「しぃ」
    勇者「でんでんで」

    勇者「……決意は固まったって感じか」

    勇者「ああ。俺たちは旅のとびらに飛び込む」

    勇者「あの<解放のとびら>にな」

    勇者「そ! ……そうか」

    勇者「止めはしない。けど、俺の考えがまとまるまで待ってはくれないか」

    勇者「待たない。帰れると分かった以上、もう一刻の猶予も惜しいんだ」

    勇者「でもそれは……いや。そうか」

    勇者「まぁあるいは、いま伝播してる帰還説が、正解かもしれないしな」

    勇者「ああ、悪いな。そっちの方を信じ込ませてもらっている」

    186 = 145 :

    >>182
    もしくはカセット浅差し…ファミコン世代にしかわからんかな

    187 = 1 :

    勇者「……」ザッ

    勇者「……お前たちは少人数の時からの仲だから、特別に話す」

    勇者「俺は、側近になぶり殺しにされたんだ」

    勇者「!」

    勇者「……」

    勇者「それで……仲間を一人ひとり半殺しにされて……」

    勇者「最初に魔法使いが……戦士に想いを告げて息絶えた」

    勇者「次に激昂した戦士が、術式を破って側近に切りかかって……」

    勇者「笑いながら繰り出された呪文の集中砲火を浴びて、絶命した」

    勇者「……」

    勇者「そして……そして次に……」

    勇者「賢者が……」

    勇者「俺に……微笑みながら……伝えてきて……」

    勇者「それで……あの野郎に……殺された……」

    勇者「…………」

    188 = 1 :

    勇者「最後に残った俺は、もう訳わかんなくなって……」

    勇者「それで……賢者の亡骸に手を伸ばして……」

    勇者「……そ、それで……」

    勇者「……届かなかったんだ!!」

    勇者「……」

    勇者「だから俺は、一瞬でも早く戻らないといけない」

    勇者「あの場に帰って、あの手を握ってやらないといけない」

    勇者「だから俺は行く。止めるな」ザッ

    勇者「お、おい」

    勇者「お前らも、元の世界に帰ったら、幸せにな」

    勇者「おい……おい待て!!」


    勇者「じゃあな!!」  バッ


    勇者「あ……」

    勇者「落ちた……行ってしまった……」

    189 = 1 :

    勇者「……あいつ……」

    勇者「やけにそっけない『俺』だと思ったら、そんな経緯があったのか……」

    勇者「色々、無神経なこと言っちまったな……」

    勇者「……」

    勇者「……さて!」

    勇者「じゃー俺も続きますか」

    勇者「!」

    勇者「お、お前も行くのか?」

    勇者「ああ。さっきの話聞いて、俺も思い出しちまったよ」

    勇者「あいつほど酷くはないけど、それなりに心残りのある別れ方だったしな」

    勇者「……お前確か、同じ世界に一緒に帰ったらまずいんじゃないかって、不安がってたよな」

    勇者「これだけの人数と、こんだけでかい大穴を見てしまったらな」

    勇者「スケールに飲み込まれたって言うか、もうどうでもよくなっちまったよ」

    勇者「……まぁ気持ちは分からなくもないけどな……」

    勇者「ま、後の謎解きは任せたぜ。……そうだな。そんなお前に、最後に伝えておこう」

    192 = 1 :

    危ないさるってた
    落としてしまったらごめんぬ

    193 = 1 :

    勇者「なんだ?」

    勇者「俺は旅の中で、一度だけこう言われたことがある。……正確にはある気がする」

    勇者「『全滅してしまうとは情けない!』ってね」

    勇者「!? ぜ、全滅!? あの世界でか!?」

    勇者「だ、誰がそんなことを!?」

    勇者「それが覚えていない。本当に言われたのかどうかも怪しい」

    勇者「ただ、まったく不自然な場面……でのことだったような気がする」

    勇者「……? 不自然な場面……?」

    勇者「まぁ気のせいかもしれないし、まったくもって要領を得ない話さ」

    勇者「だから今までそのことは話さなかった。俺だけの秘密にしてたんだ」

    勇者「……いやそれは、本当にそうか? 話さなかった理由は、意味がなかったからか?」

    勇者「いや、違うな」

    勇者「やっぱり俺の考えなんてお見通しか」

    勇者「そう。俺は『俺』じゃなくて、唯一の『自分』である拠り所が欲しかったんだ」

    勇者「だって正直、嫌だろ? 自分以外の何かと、何もかも全く同じ存在、だなんてな」

    195 = 1 :

    勇者「皆が一度も話したことも無い、下らない情報を意固地に抱えることで」

    勇者「自我同一性ってやつを、確かめたかったんだろうな」

    勇者「……」

    勇者「まぁ『俺』たちと付き合っているうちに、んなもんは無意味って悟ったけどな」

    勇者「俺らは姿かたちも考え方も似てるけど、それぞれに『自我』がある」

    勇者「俺たちはいくら『同じ世界』の同一人物だとしても」

    勇者「独立している存在だ。別人なのさ」

    勇者「まぁそんなこと、お前にとってはわざわざ語るまでもないことだけどな」

    勇者「……いや……」

    勇者「少し参考になった。ありがとう」

    勇者「こっちこそ、オロチを片付けてくれてありがとよ」

    勇者「……話が長くなったな。よし」


    勇者「それじゃあなっ!」  バッ


    勇者「あっ……。……行ってしまったか……」

    196 = 1 :

    勇者「難しい話は終わったようだな!」バッ

    勇者「ん」

    勇者「次は俺だっ!」

    勇者「いや俺が先だっ!」

    勇者「やっぱり二人ともコレに飛び込む気か」

    勇者「ああ。もう二人も飛び込んじまったからな。俺も勢いで続く!」

    勇者「ひのきの棒の『俺』……すべては、お前が始まりだったんだよな」

    勇者「最初に全滅したって意味ではな。よく分からんけど」

    勇者「というより正直俺さ。まだ旅の半ばまでいけてなかったし」

    勇者「なーんか皆の話題にはいつも蚊帳の外だったし、つまんなかったし」

    勇者「一丁スパッて、けじめをつけたいのさ」

    勇者「いつもスネさせちまって悪かったな」

    勇者「いいよ。これから僧侶さんとの思い出作りのことを思うと、楽しみでしょーがない」

    勇者「待てよ。ちょいと俺の話を聞こうとは思わないか」

    勇者「いやー遠慮しとくよ。小難しい話を理解できるほど、頭も育っちゃいないんでね」

    197 = 1 :

    勇者「まぁ正直、お前らがいてくれて救われたぜ」

    勇者「この世界じゃ理性が失われることはないし、死ぬこともない」

    勇者「だから一人でも大丈夫……って、そんなわけあるかよ!」

    勇者「お前らがいてくれなかったら、俺は理性も捨てられず、死ぬことも出来ず」

    勇者「陰鬱とこの荒野をトボトボ歩いていただろうよ。延々とだ! 冗談じゃねえ」

    勇者「持つべき者は仲間か?」

    勇者「ああそうだ。仲間だよ。『俺』たちは第二のパーティーだ」

    勇者「なら魔王も楽勝だな」

    勇者「違いない。来世で会うことがあったら、是非とももう一度結成しようぜ」

    勇者「来世か……どうなんだろうな」

    勇者「ふふん。新米冒険者だった俺も、ずいぶん舌が回るようになったな」

    勇者「ああ。お前はステータスの枠とは関係なく、立派に成長してるさ」

    勇者「そうだといいけどな。……じゃ、そろそろ行くぜ」

    勇者「じゃあな、最初の『俺』」

    勇者「またな、最後の『俺』!」 バッ

    198 = 1 :

    勇者「……次は俺か」

    勇者「何か言い残すことはあるか?」

    勇者「はは。どうせお前も飛び込むなら、残る言葉なんて何もないだろ」

    勇者「そうかもしれない」

    勇者「ま。とっておきって訳でもないけど、参考になりそうな話は用意してるぜ」

    勇者「ほう、それは?」

    勇者「冒険の途中で、所持金が半分になった事件」

    勇者「ゴールドが半分に? 何か大層な武器でも買ったか?」

    勇者「違う違う、気付いたときには半分になってたんだよ」

    勇者「パーティーの誰かが無心したんじゃないのか」

    勇者「そんなはずはない……と言いたいとこだけど、実際分からない」

    勇者「落としたか? 盗られたか? もしかしたら知らない間に使ってたかも」

    勇者「おいおい、旅に不慣れで金銭管理が不十分だっただけじゃないのか」

    勇者「違うね逆だ。旅に不慣れだったからこそ、お金の額だけは必死にチェックしてたんだ」

    勇者「でもそれに気付けたのは、パーティーの中でも俺だけだったな……」

    199 = 1 :

    勇者「……そう言われてみれば……」

    勇者「俺も急に所持金が減ったことが、あったようななかったような……」

    勇者「それも、一回だけじゃなかったような……ううんダメだ思い出せない……」

    勇者「そうなのか? 俺は後にも先にも、その一回きりだったけどな」

    勇者「うーんそれにしたって」

    勇者「全財産がいきなり半分になる事態なんて、とても看過できる問題じゃないのに」

    勇者「どうして詳細が思い出せないんだ? いや、そもそもその事実さえも疑わしい……」

    勇者「いや、確かに事実はあった」

    勇者「当時の俺は、死ぬほど『はがねのつるぎ』が欲しかったんだから」

    勇者「まぁご存知の通り、無理に仲間の武具を優先したせいで」

    勇者「それが手に入る頃には、もっといい武器も店頭に並んでたがな」

    勇者「俺にとっては、思いいれのある武器に違いないんだ」

    勇者「知ってるさ」

    勇者「その『はがねのつるぎ』、実は売り払ってないんだぜ。ちゃんととってある」

    勇者「へぇそりゃいいや、さすが『俺』」

    200 = 1 :

    勇者「つーわけで、そろそろ……」

    勇者「ああ……じゃあな」


    勇者「じゃあな!」バッ


    勇者「……」

    勇者「また一人『俺』が行ったか」

    勇者「……」

    勇者「お前は行かないのか?」

    勇者「ん。俺は……お前の話を聞いてから飛び込むよ」

    勇者「えっ?」

    勇者「俺ぐらいの進行度合いだと、船を手に入れたばっかで、旅の自由を楽しんでる段階なんだ」

    勇者「寄り道したり、宝探ししたり、小さなイベントをこなしたりしてな」

    勇者「だから一本道に囚われず、細かい部分とこも見知った上で、とびらに飛び込みたい」

    勇者「そうか……そういえば、そういう時期もあったな」

    勇者「旅が忙しくなって俺の時期なんて忘れてただろ? はは、良心と思えよな」


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